JP2001166055A - 超音波探査装置 - Google Patents

超音波探査装置

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JP2001166055A
JP2001166055A JP34980799A JP34980799A JP2001166055A JP 2001166055 A JP2001166055 A JP 2001166055A JP 34980799 A JP34980799 A JP 34980799A JP 34980799 A JP34980799 A JP 34980799A JP 2001166055 A JP2001166055 A JP 2001166055A
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JP
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ultrasonic
transmission
signal
ship
wave
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JP34980799A
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English (en)
Inventor
Yoshinao Ishikawa
義直 石川
Yonehiro Takeda
米弘 武田
Masaru Isono
優 磯野
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Koden Electronics Co Ltd
Original Assignee
Koden Electronics Co Ltd
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】他機との相互干渉を有効に防止できる超音波探
査装置を提供する。 【構成】本発明に係わる魚群探知機などの超音波探査装
置(1,2) は、超音波を送信して反射波を受信することに
よりこの反射波を生じさせた物体を検出する。そして、
この超音波探査装置(1,2) は、超音波を送信する送信タ
イミングを他船内に設置された他装置(2,1) と同期させ
ることにより、この他船内の他装置(2,1)との相互干渉
を軽減する送信同期手段(1a,1k,1l,2a,2k,2l) を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は魚群探知機などの超
音波探査装置に関するものであり、特に、他船内の他装
置との相互干渉を軽減する機能を備えた超音波探査装置
に関するものである。
【0002】
【従来技術】漁船に装備される魚群探知機は、トランス
ジューサから水中に超音波を送信してその反射波を受信
し、この反射波を生じさせた魚群の位置を検出する。磁
歪素子や圧電素子などで構成されるトランスジューサが
送受信する超音波の周波数は、このトランスジューサの
形状、特に、長さ方向の寸法により決定される。この超
音波の周波数は、探知対象の魚種や探査深度に応じて、
14kHz 、28kHz 、50kHz 、100 kHz 、200 kHz などとい
う具合に選択され、同一周波数のトランスジューサが大
量生産されている。
【0003】このように、魚群探知機を装備する漁船で
は、獲物の魚種に応じて超音波の周波数が決められる。
その結果、同一の漁場で同一の獲物を狙う漁船どうしは
同一の周波数の超音波を使用することになり、そのよう
な漁船どうしが近接して操業する場合、相互干渉の問題
が生じる。従来、上述のような他船内の他機との相互干
渉を回避するために、前回の受信信号と今回の受信信号
との相関をとることによって他船内の他機からの干渉成
分を相殺させて除去するという対策が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前回と
今回の受信信号の相関をとるだけでは他船内の他機から
の干渉成分を十分に除去することは困難である。そこ
で、相関を取る回数を増して、例えば、前々回、前回、
今回の受信信号の相関をとることにより干渉成分をより
十分に除去するという対策も考えられる。しかしなが
ら、多数回の相関を取るにつれて干渉成分は低減できる
が、目的とする魚群からの反射波も同時に相殺されてし
まい振幅が減少するという問題が発生する。これは、漁
船と魚群との相対速度が常に十分に小さいとは限らない
ため、目的とする魚群からの反射波の間にも多少のズレ
が生じ、自己相関を取ることによって相殺されてしまう
からである。
【0005】なお、干渉を軽減するために超音波の送信
周期を他機の送信周期からずらすように変更するという
対策も一応考えられるが、この対策はあまり有効ではな
い。何故ならば、まず、超音波の送信周期は、探知範囲
の最大深度まで超音波が往復するのに要する時間に多少
の余裕を持たせた値に設定されるため、これを自由に変
更することは困難だからである。また、前述したよう
に、付近で操業中の他船も同種の魚を狙っている場合が
多く、このような場合、探知範囲の最大深度が漁船どう
しでほぼ一致してしまい、この結果、超音波の送信周期
もほぼ等しくなる傾向にある。
【0006】更に決定的なことは、超音波の送信周期を
他機のものからずらしても、他船内の他機からの干渉信
号の出現時点が変化するだけで、根本的な干渉の防止に
はならないという点である。この点は、超音波の送信時
点を他機の送信時点からずらすように変更した場合でも
同様であり、他機からの干渉信号の出現時点が変化する
だけで、根本的な干渉の防止にはならない。
【0007】従って、本発明の一つの目的は、同一周波
数の超音波を送信する他船内の他機との相互干渉を有効
に軽減できる魚群探知機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる魚群探知
機などの超音波探査装置は、超音波を送信して反射波を
受信することにより、この反射波を生じさせた物体を検
出する。そして、この超音波探査装置は、超音波を送信
する送信タイミングを他船内の他装置と同期させること
により、他装置との相互干渉を軽減する送信同期化手段
を備えている。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施の形態によれ
ば、上記送信同期化手段は、他船内の他装置と送信トリ
ガ信号などの同期化情報を無線などによって送受信する
ことにより、この他船内の他装置との送信タイミングの
同期化を図るように構成されている。
【0010】本発明の他の好適な実施の形態によれば、
上記送信同期化手段は、GPSの1pps信号やJJY
信号のような共通の信号を使用して他船内の他装置との
間の超音波信号の送信の同期化を行うように構成されて
いる。
【0011】本発明の更に他の好適な実施の形態によれ
ば、上記超音波の送信を中断して超音波の受信のみを継
続することにより、他船内の他装置からの干渉の有無を
検出したり、探査を継続したりするための送信停止手段
を更に備えている。
【0012】
【原理】まず、図3と図4を参照しながら本発明の原理
を説明する。図3に例示するように、自船と他船とが接
近して水面に存在し、同一周波数の超音波を同一の送信
タイミングで水底に向けて送信するものとする。一般
に、トランスジューサは、半値幅が10°〜20°程度の比
較的鋭い放射指向性を有していることから、他船内の他
機が水底に向けて送信した超音波を直接干渉波として受
信する状況を想定する必要はまずない。すなわち、干渉
波は、他船内の他機が送信した超音波が水底や魚群など
の反射物体で反射(散乱を含む)を受けることによって
生じた成分が主体となる。
【0013】受信される超音波信号は、水中に存在する
魚群などの反射物体で生じた反射波(散乱波を含む)の
成分と、海底からの反射波(散乱波を含む)の成分とか
ら成る。これらの反射波成分は、自機が送信した超音波
の反射波成分と、他船内の他機が送信した超音波の反射
波成分とから成る。なお、自機が水底に向けて送信した
超音波の反射波成分は鏡面反射波が主であることから振
幅が大きく、他船内の他機が送信した超音波反射波成分
は散乱波が主であることから振幅が小さいという傾向が
ある。
【0014】図3の(A)に示すように、水底が平坦で
あれば、他船内の他機が送信した超音波の水底からの反
射波(干渉波)の伝播経路は、自機が送信した超音波の
水底からの反射波の伝播経路に比べて長くなる。このた
め、自機と他船内の他機とが同時に超音波を送信した場
合には、他機が送信した超音波の水底からの反射波(干
渉波)は、自機が送信した超音波の水底からの反射波の
後に出現する。すなわち、図4の波形(A)に例示する
ように、自機が送信した超音波の魚群などの水中の反射
物体による反射波成分αが先ず出現し、続いて、同じく
自機が送信した超音波の水底からの反射波成分βが出現
し、最後に、他船内の他機が送信した超音波の水底から
の反射波成分γが干渉波として出現する。
【0015】なお、反射成分βの振幅は、一般に、反射
成分γの振幅よりも大きくなる。これは、前述したよう
に前者が水底での鏡面反射によって生じるのに対して後
者は水底での散乱によって生じることと、前者の伝播距
離が後者の伝播距離よりも小さいため前者の伝播損失が
後者に比べて小さいことによる。このように、振幅の大
きさや出現タイミングなどから明らかに水底と判明する
信号βの後に、干渉成分γが出現しても、干渉成分とし
ては無視でき、魚群探知機としての機能に悪影響を及ぼ
すことがない。
【0016】また、他船内の他機からの超音波信号の送
信は自機と同時に行われるため干渉波は常に信号波形中
の同じ箇所に出現する。この点からも、出現時点が時々
刻々変化する非同期状態の場合に比べて干渉波として識
別することが容易になる。このように、自機と他船内の
他機とが同時に超音波の信号を送信し合うことにより、
平坦な水底の場合には干渉波の妨害を十分に除去するこ
とができる。
【0017】これに対して、図3の(B)に例示するよ
うに、水底が自船の深度を増大させるように傾斜してい
れば、干渉波の伝播経路、すなわち、他船内の他機が送
信した超音波の水底からの反射波の伝播経路のほうが、
自機が送信した超音波の水底からの反射波の伝播経路に
比べて短くなる場合がある。この場合、自機と他船内の
他機とが同時に超音波を送信すると、この他機が送信し
た超音波の水底から反射波(干渉波)が、自機が送信し
た超音波の水底からの反射波に先行して出現することに
なる。すなわち、図4の波形(B)に例示するように、
自機が送信した超音波の魚群などの水中の反射物体によ
る反射波成分αの出現時点と、同じく自機が送信した超
音波の水底からの反射波成分βの出現時点との間に、こ
の他機が送信した超音波の水底からの反射波成分γが干
渉波として出現することになる。
【0018】この場合、反射成分γが他機からの干渉波
であるのか、水底付近に存在する魚群からの反射波なの
かを弁別できない。この場合には、この魚群探知機の操
作者の手動操作などによって自機からの超音波の送信の
みが中断される。この自機からの超音波の送信の停止後
に、図4の波形(C)に例示するように、依然として着
目する成分を含む信号が受信された場合、この反射成分
γは他機からの干渉波であると判定される。これに対し
て、自機からの超音波の送信の停止後に、図4の波形
(D)に例示するように、反射成分を全く含まない信号
が受信された場合、波形(B)中の反射成分γは水底付
近の魚群などの反射物体であったと判定される。
【0019】なお、他機の真下の水中に存在する魚群か
らの反射波も干渉波として出現し得るが、この干渉波の
振幅は、成分αに比べて十分に小さくなるのでほとんど
の場合無視できる。なお、これが干渉波か否かを弁別す
るには、自機からの送信を中断し、この状態で着目する
成分が消滅するか否かを観察すればよい。
【0020】以上、魚群探知機の間で送信の時点を一致
させることにより相互の干渉を軽減するという原理を、
二つの魚群探知機の場合を例にとって説明した。しかし
ながら、一般には、三つ以上の任意の数の魚群探知機に
ついても、上述した二つの魚群探知機の場合と全く同様
に、送信の時点を同一にすることにより相互の干渉を軽
減できることは明らかである。
【0021】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の魚群探知機の機
能上の構成を示す機能ブロック図である。図中の上方に
示す第1の魚群探知機1と、図中の下方に示す第2の魚
群探知機2は、近接して操業中の2隻の漁船のそれぞれ
に別々に搭載されているものとする。
【0022】第1の魚群探知機1は、基準トリガ発生回
路1a、バースト信号発生回路1b、送信回路1c、送
受共用トランスジューサ1d、受信回路1e、Bスコー
プ映像化処理回路1f、タイミング制御回路1g、ビデ
オ変換回路1h、表示装置1i、送信中断用スイッチ1
j、パルス変調回路1k及び無線受信機1l、外部同期
信号出力端子1m、外部同期信号入力端子1n及び同期
信号選択スイッチ1pを備えている。
【0023】また、第2の魚群探知機2は、基準トリガ
再生回路2a、バースト信号発生回路2b、送信回路2
c、送受共用トランスジューサ2d、受信回路2e、B
スコープ映像化処理回路2f、タイミング制御回路2
g、ビデオ変換回路2h、表示装置2i、送信中断用ス
イッチ2j、パルス復調回路2k及び無線受信機2l、
外部同期信号出力端子2m、外部同期信号入力端子2n
及び同期信号選択スイッチ2pを備えている。
【0024】第1の魚群探知機1において、基準トリガ
発生回路1aは、自機のトランスジューサからの超音波
信号の送信時点を定める基準トリガ信号を発生する。こ
の基準トリガ信号は、探査対象の最大測定深度に応じて
設定される数十msec 〜数百msec の周期で数msec の
時間だけ立ち上がるパルス信号である。バースト信号発
生回路1bは、上記基準トリガ発生回路1aから同期信
号選択スイッチ3pを通して供給される基準トリガ信号
に同期して、バースト信号を発生する。このバースト信
号は、探知対象の魚種などに応じて予め定められている
14kHz 、28kHz、50kHz 、100 kHz 、200 kHz などの超
音波帯の中心周波数を有する一定振幅の正弦波(搬送
波)をトリガ信号に同期して立ち上がる一定の時間幅の
パルス信号で振幅変調することによって作成される。
【0025】上記バースト信号は、スイッチ1jを通し
て送信回路1cに供給されて電力増幅され、この後、送
受共用トランスジューサ1dに供給され、超音波のバー
スト信号に変換されて水中に送信される。この水中に送
信されたバースト信号の魚群や水底などからの反射波
は、送受共用トランスジューサ1dで受信され、電気信
号に変換される。この反射波は、受信回路1eに供給さ
れ、増幅される。この増幅された反射波は、Bスコープ
映像化処理回路1fに供給され、タイミング制御回路1
gから供給されるタイミング制御信号の制御のもとにB
スコープ映像信号になる。このBスコープ映像信号は、
ビデオ変換回路1hでビデオ信号に変換され、CRT1
iに表示される。
【0026】なお、上記魚群探知機1が設置されている
船舶内に他の魚群探知機も設置されている場合には、外
部同期信号出力端子1mからケーブルを通してこの他の
魚群探知機に対して基準トリガ信号が供給される。当該
他の魚群探知機は、図1の外部同期信号入力端子1nに
相当する端子から図1の同期信号選択スイッチ1pに相
当するスイッチを通して図1のバースト信号発生回路1
bとタイミング制御回路1gのそれぞれに相当する各回
路に基準トリガ信号が1aが供給される。
【0027】第1の魚群探知機1では、上述した自船の
ための水中探索動作と並行して、他機に対する無線によ
る同期信号の送信が行われる。すなわち、基準トリガ発
生回路1aで発生された基準トリガ信号は、パルス変調
回路1kに供給され、無線周波数帯の搬送波で振幅変調
され、無線送信機1lからアンテナを経て空中に送信さ
れる。
【0028】第2の魚群探知機2において、無線受信機
2lは、第1の魚群探知機1から送信された無線周波数
帯の信号をアンテナを介して受信し、パルス復調回路2
kに供給する。パルス復調回路2kは、無線周波数帯の
受信信号を復調し、基準トリガ再生回路2aに供給す
る。基準トリガ再生回路2aは、変復調によって鈍った
基準トリガ信号の波形を整形することにより、上述した
第1の魚群探知機1で発生される基準トリガ信号と同一
の波形の基準トリガ信号を再生する。再生された基準ト
リガ信号は、同期信号選択スイッチ2pを通してバース
ト信号発生回路2bとタイミング制御回路2gとに供給
される。
【0029】バースト信号発生回路2bは、上記基準ト
リガ再生回路2aで再生された基準トリガ信号に同期し
て、第1の魚群探知機1で発生されるバースト信号と同
一の中心周波数を有するバースト信号を発生する。この
バースト信号は、スイッチ2jを通して送信回路2cに
供給され、ここで電力増幅されたのち送受共用トランス
ジューサ2dに供給され、超音波のバースト信号に変換
されて水中に送信される。
【0030】この水中に送信された超音波のバースト信
号の魚群や水底などからの反射波は、送受共用トランス
ジューサ2dで受信され電気信号に変換される。この電
気信号に変換された反射波は、受信回路2eに供給さ
れ、増幅される。この増幅された反射波は、Bスコープ
映像化処理回路2fに供給され、タイミング制御回路2
gから供給されるタイミング制御信号の制御のもとにB
スコープ映像信号になる。このBスコープ映像信号は、
ビデオ変換回路2hでビデオ信号に変換され、表示装置
2iに表示される。
【0031】なお、上記魚群探知機2が設置されている
船舶内に他の魚群探知機も設置されている場合には、再
生された基準トリガ信号は、外部同期信号出力端子2m
からケーブルを通して当該他の魚群探知機に対しても供
給される。当該他の魚群探知機では、魚群探知機2の外
部同期信号入力端子2nに相当する端子から魚群探知機
2の同期信号選択スイッチ2pに相当するスイッチを通
して魚群探知機2のバースト信号発生回路2bとタイミ
ング制御回路2gのそれぞれに相当する各回路に基準ト
リガ信号がが供給される。
【0032】本発明の原理に関して既に説明したよう
に、隣接して操業中の2隻の漁船のそれぞれに搭載され
ている魚群探知機で超音波の送信を同時に行うことによ
り、水底がほぼ平坦な場合には、他機からの干渉波を回
避できる。一方、図3の(B)と、図4の(B)に例示
したように、ある程度水底が傾いているため干渉波が出
現し得る状態では、送信中断用スイッチ1jや2jの操
作によって送信が中断される。この送信中断後の受信信
号の波形がどのように変化するかによって、干渉波であ
るか自機の送信した信号の反射波であるかが弁別され
る。
【0033】また、特殊な場合として、2隻の魚船が極
めて接近して操業する場合には、干渉の軽減が困難にな
る。この場合、一方の漁船に設置された魚群探知機から
の送信を完全に停止させ、この状態で、他方の魚船内に
設置された他機が送信する超音波信号の反射波を受信す
るだけの動作モードを選択することにより、魚群の探知
を行うこともできる。このように、自機からの超音波の
送信を中断させ、他船内の他機が生じさせた反射波の受
信動作のみを行うことにより、干渉成分か否かの弁別機
能や、探査機能など多様な機能を発揮させることができ
る。
【0034】以上、二つの魚群探知機の間で超音波の送
信動作を同期化することにより相互の干渉を軽減する例
を説明した。しかしながら、一般には、三つ以上の任意
の数の魚群探知機についても、送信の同期化によって相
互の干渉を軽減できることは明らかである。
【0035】また、各魚群探知機には、基準トリガ信号
を変調して他機に送信する機能と、他機からの基準トリ
ガ信号を受信して再生する機能のうちのいずれか一方を
付与する構成を例示した。しかしながら、各魚群探知機
に両方の機能を予め付与しておき、他の船舶との関係な
どの状況に応じて、いずれかの機能を選択する構成とす
ることもできる。
【0036】図2は、本発明の他の実施例の魚群探知機
の機能ブロック図である。この実施例の魚群探知機3
は、基準トリガ発生回路3a、バースト信号発生回路3
b、送信回路3c、送受共用トランスジューサ3d、受
信回路3e、Bスコープ映像化処理回路3f、タイミン
グ制御回路3g、ビデオ変換回路3h、表示装置3i、
送信中断用スイッチ3j、GPS受信機3l、外部同期
信号出力端子3m、外部同期信号入力端子3n及び同期
信号選択スイッチ3pを備えている。
【0037】この実施例の基準トリガ発生回路3aは、
位相比較器3aa、低域通過濾波回路(LPF)3ab、電
圧制御発振器(VCO)3ac及び可変分周器3adを含む
位相ロックループ(PLL)から構成される。この基準
トリガ発生回路3aは、GPS受信機3lが受信した信
号中に含まれる1秒の周期の信号をこのGPS受信機3
1から受けて、この1秒の周期の信号に同期した1 sec
〜10msec 程度の周期(1Hz〜100Hz の周波数)の基準
トリガ信号を発生する。この1秒の周期の信号は、1
Pulse Per Second (1pps ) 信号と呼ばれ、世界協定時
刻に対して1μsec 以内のずれで同期している。
【0038】電圧制御発振器3acはnHz(1≦n≦100
)の周波数の基準トリガ信号を発生する。この基準ト
リガ信号は、可変分周器3adでn分周(nは2以上の整
数)され、1Hzの信号となって位相比較器3aaの一方の
入力端子に供給され、その他方の入力端子に供給される
1pps 信号との位相のずれが検出される。この検出され
た位相ずれに応じた大きさの直流電圧が低域通過濾波回
路3abを通して電圧制御発振器3acに供給され、この電
圧制御発振器3acから出力される基準トリガ信号の位相
が変化せしめられる。
【0039】この基準トリガ信号の位相の変化は、この
基準トリガ信号をn分周した信号の位相が1pps 信号の
位相に一致するまで続けられ、遂には、両者の位相が一
致する。この結果、基準トリガ発生回路3aからGPS
の1pps 信号に同期したnHzの基準トリガ信号が出力さ
れ、バースト信号発生回路3bとタイミング制御回路3
gに供給される。この基準トリガ信号の周波数は、可変
分周器3adの分周比nを変更することによって変更され
る。例えば、最大探索深度を150 メートルの場合、200
msec の周期を設定するために、分周比nとして5が設
定される。
【0040】この実施例の魚群探知機を搭載している全
ての船舶は、隣接しているか遠く離れているかに関係な
く、GPSの1pps 信号に同期した同一のタイミングで
超音波のバースト信号を水中に送信することになる。そ
して、隣接して操業中の魚船どうしでは、分周比nを無
線などを使用して互いに連絡し合って一致させることに
より、超音波の送信を同期化できる。この結果、前述し
た原理に関して既に説明したように、相互の干渉が軽減
される。
【0041】以上、第2の実施例に関しては、共通の同
期化用信号源としてGPSの1pps信号を利用する場
合を例示した。しかしながら、この共通の同期化用信号
源として、JJY信号等の他の信号を利用してもよいこ
とは明らかである。
【0042】更に、魚群探知機の場合を例にとって本発
明の超音波探査装置を説明した。しかしながら、探査対
象が水中の構造物や、漂流物など魚群以外の場合につい
ても本発明を適用できることは明らかである。あるい
は、超音波を水中に送信するのでなく、空中に送信して
反射波を受信し、物体を検出する超音波探査装置にも本
発明を適用できることは明らかである。
【0043】また、同一の船舶内に複数の魚群探知機が
設置されている場合に、そのうちの一つで発生ないしは
再生した基準トリガ信号を外部同期信号として同一船舶
内の他の魚群探知機にケーブルを介して供給するという
構成を例示した。しかしながら、他の魚群探知機の一部
については、上記外部同期信号の入力、出力端子や同期
信号選択スイッチを除去し、同一船舶内であるか異なる
船舶内であるかを区別することなく、他の魚群探知機と
の間で無線機を介して基準トリガ信号を送受信し、再生
する構成を採用することもできる。
【0044】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の超
音波探査装置は、トランスジューサから超音波を送信す
る送信タイミングを他装置と同期させる構成であるか
ら、他装置との相互干渉が有効に軽減される。
【0045】現在、ほとんど全ての船舶は、自船位置を
検出するためにGPS受信機を装備している。この点を
考慮すれば、GPS信号の1pps信号に同期させて超音波
を送信する構成は、既存の魚群探知機などの装置にPL
L機能を追加するだけでよく、この結果、安価で小型な
構成のもとで他の船舶との相互干渉を有効に軽減できる
という大きな利点がある。
【0046】また、自機からの超音波の送信を中断し、
反射波の受信動作のみを行う動作モードを追加すること
により、干渉成分であるか否かの弁別や極端に接近した
場合の干渉防止動作が実現できるなどの利点が発揮でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の魚群探知機の構成を示す機
能ブロック図である。
【図2】本発明の他の実施例の魚群探知機の構成を示す
機能ブロック図である。
【図3】本発明の原理を説明するために、自機と他機と
から送信される超音波バースト信号とその水底からの反
射波の伝播経路を例示する概念図である。
【図4】上記本発明の原理を説明するために、受信信号
中に出現する各種の反射成分の振幅と出現時点の関係を
例示する信号波形図である。
【符号の説明】
1,2,3 魚群探知機 1a,3a 基準トリガ発生回路 2a 基準トリガ再生回路 1b,2b,3b バースト信号発生回路 1d,2d,3d 送受共用トランスジューサ 1l 無線送信機 2l 無線受信機 3l GPS受信機 1m,2m,3m 外部同期信号出力端子 1n,2n,3n 外部同期信号入力端子 1p,2p,3p 同期信号選択スイッチ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波を送信して反射波を受信することに
    より反射波を生じさせた物体を検出する超音波探査装置
    において、 前記超音波を送信する送信タイミングを他船内に設置さ
    れた他装置と同期させることにより、この他船内の他装
    置との相互干渉を軽減する送信同期化手段を備えたこと
    を特徴とする超音波探査装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記送信同期化手段は、前記他船内の他装置と同期化情
    報を無線で送受信することによりこの他船内の他装置と
    の送信タイミングの同期化を図ることを特徴とする超音
    波探査装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記他船内の他装置と送受信される同期化情報は、超音
    波の送信時点を定める送信トリガ信号であることを特徴
    とする超音波探査装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、 前記送信同期化手段は、共通の信号を受信して前記他船
    内の他装置との送信タイミングの同期化を図ることを特
    徴とする超音波探査装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記送信の同期化に使用する共通の信号は、GPS信号
    であることを特徴とする超音波探査装置。
  6. 【請求項6】請求項4において、 前記送信の同期化に使用する共通の信号は、JJY信号
    であることを特徴とする超音波探査装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のそれぞれにおいて、 前記超音波の送信を中断して超音波の受信のみを継続す
    ることにより、他船内の他装置からの干渉の有無を検出
    したり、探査を継続したりするための送信停止手段を更
    に備えたことを特徴とする超音波探査装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のそれぞれにおいて、 前記超音波探査装置は、水中に超音波信号を送信する魚
    群探知機であることを特徴とする超音波探査装置。
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