JP2001165812A - 安全弁試験方法及び安全弁試験装置 - Google Patents

安全弁試験方法及び安全弁試験装置

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JP2001165812A
JP2001165812A JP35332099A JP35332099A JP2001165812A JP 2001165812 A JP2001165812 A JP 2001165812A JP 35332099 A JP35332099 A JP 35332099A JP 35332099 A JP35332099 A JP 35332099A JP 2001165812 A JP2001165812 A JP 2001165812A
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safety valve
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JP35332099A
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Sukehiro Ogawa
裕広 小川
Kikuo Takeshima
菊男 竹島
Akira Sakamoto
坂本  明
Nobuyoshi Hamada
信善 浜田
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Hitachi Ltd
Okano Valve Mfg Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Okano Valve Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試験設備のアキュムレータの容量が、安全弁
の吹出し容量に対して不足している場合でも正確に安全
弁の作動試験が行えるようにした安全弁試験装置及び安
全弁試験方法を提供すること。 【解決手段】 補助作動装置3により弁棒23を強制的
に引上げ、これと共に各計測器の出力から作動試験中の
リフト、弁入口圧力と補助作動装置3内圧とに基づいて
揚弁力と弁入口等価圧力を求め、モデル弁の実証試験結
果、公称吹出し量決定圧力と比較する。 【効果】 作動試験を実施した安全弁の作動特性が、実
証試験を実施したモデル弁と同等であることと、リフト
に関する規定を満足していることを確認することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力容器の過圧防
護として設置される安全弁に係り、特に吹出し容量の大
きな安全弁の試験に好適な安全弁試験方法と装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】安全弁は、その作動が名称通り安全性に
大きく係わるので、性能について高い信頼性が要求さ
れ、仕様通りの性能を備えていることの確認を要する。
ところで、このような安全弁の性能の中に吹出し容量が
あるが、これについては吹出し圧力、吹出し面積、リフ
ト(弁体の移動距離)、それに流体の状態係数などから求
めることができる。そして、この中の吹出し面積につい
ては、実物の寸法を測定することにより容易に且つ正確
に確認できるが、吹出し圧力とリフトについては、実物
を作動試験にかけなければ確認できない。
【0003】例えば、沸騰水型原子力プラントの原子炉
用圧力容器の過圧防護として設置される安全弁に対して
は、それが要求された吹出し容量を満足していることを
確認するため、当該安全弁の開発段階における実証試験
の一つとして、モデル弁による実流量試験を実施し、規
定の吹出し圧力で作動することを確認し、そのときのリ
フトが銘板等に表示された定格リフト以上であることを
確認しており、更に実証試験後にモデル弁と同種の安全
弁を製造したときにも、工場作動試験を実施して吹出し
圧力、及びリフトを確認している。
【0004】ところで、このとき、実流量試験や実缶試
験など流体の量が安全弁の吹出し容量に対して十分ある
場合は、安全弁が吹出したときの弁入口での流体の圧力
低下は緩やかであり、このためリフトが定格リフトに達
した状態を維持した後、閉作動を開始し吹止る。従っ
て、この場合は、リフトが銘板等に表示された定格リフ
ト以上であることが容易に確認できる。
【0005】しかし、試験設備に備えられているアキュ
ムレータの容量が、安全弁の吹出し容量に対して充分で
はなかった場合には、安全弁が吹出すと急激に弁入口圧
力が低下してしまい、リフトが定格リフトに達しないで
閉作動を開始し吹止ってしまうので、この場合には、リ
フトの確認が困難である。
【0006】このため、沸騰水型原子力プラントの原子
炉圧力容器の過圧防護として設置される安全弁として
は、従来から、工場にある試験設備でも吹出し圧力やリ
フトの確認が可能な設定圧力、吹出し容量を有する安全
弁が使用され、要求される吹出し容量を満たすために
は、安全弁の個数を増すことにより対応していた。
【0007】しかるに、近年、新たな原子力プラントや
火力プラントでは、設定圧力を大幅に変更することなく
安全弁単体の吹出し容量を増加させ、弁個数を減少させ
ることにより、設置に必要なスペースとコストの低減を
図る方向にあり、この結果、大容量の安全弁が要求され
るようになってきつつあるが、このように、安全弁の吹
出し容量が従来のものよりも増加すると、工場作動試験
では試験設備のアキュムレータ容量が不足し、作動試験
において安全弁が定格リフトに達しないで吹止まってし
まうことが予想される。
【0008】ところで、JIS B 8210では、蒸気
用安全弁の作動試験として、次のように規定している。
「 安全弁の仕様、工場設備などの関係で工場試験が不
可能な場合は、当事者間の協定によって実缶に取り付け
た後に測定してもよい。ただし、この場合、吹出し圧力
の調整及び漏れ試験は、工場であらかじめ行うものとす
る。又、原子力プラント用安全弁で実缶試験ができない
ものでは、同種の弁について実証試験が行われるか、又
は実績上性能が確認されているものについては、吹下り
圧力及びリフトに関しては上記の試験又は実績によるこ
とができる。」
【0009】従って、この規定の適用により、上記の事
態にも容易に対応が可能であると考えられるが、しか
し、安全弁のリフトに関しては、上記のように吹出し容
量を確認する上で重要な項目であることから、このJI
S B 8210の規定が実際に適用されたことはなく、
沸騰水型原子力プラントの原子炉圧力容器の過圧防護と
して設置される安全弁に対しては、従来から工場作動試
験で確認しており、今後も工場作動試験で確認すること
が望まれている。
【0010】この場合、当然のことながら、試験設備の
アキュムレータ容量が安全弁の吹出し容量に比較して不
足していたのでは、正しい試験ができない。試験設備の
アキュムレータの容量が充分にあれば、安全弁の吹出し
に伴う弁入口圧力の低下が抑えられ、安全弁を定格リフ
ト以上にまでリフトさせることができ、安全弁の性能確
認が可能になるが、反面、試験設備の改造に多大な費用
がかかり、コスト面で大きな問題が生じてしまう。
【0011】ここで、試験設備のアキュムレータの容量
が安全弁の吹出し容量に比較して少ない場合にも、既存
の試験設備を改造することなく、そのままで安全弁を定
格リフト以上にリフトさせることができるようにした安
全弁試験方法として、油圧ジャッキ法が従来から知られ
ている。
【0012】この油圧ジャッキ法は、油圧ジャッキを安
全弁の弁棒に固定し、油圧ジャッキに圧油を供給するこ
とにより安全弁を開弁させ、圧油を抜くことにより閉弁
させて試験をする方法であり、油圧ジャッキに供給する
油圧を高くすることにより、安全弁を容易に定格リフト
以上にリフトさせることができる。
【0013】そして、この油圧ジャッキ法には、特開平
06−167427号公報に開示されているように、弁
入口圧力(アキュムレータ圧力)と弁棒に固定したロード
セルの測定値により、吹出し圧力及び吹止り圧力を求め
る方式のものと、吹出し開始時及び吹止り時の弁入口圧
力と油圧ジャッキの内圧を計測し、次の(1)式を用いて
吹出し圧力及び吹止り圧力を求める方式のものとがあ
る。
【0014】Peq =Pi +(Aq ・P0)/Av ……
……(1) Peq:弁入口等価圧力(Kg/Cm2) Pi :弁入口圧力(Kg/Cm2) Ap :油圧ジャッキ有効受圧面積(mm2) P0 :油圧ジャッキ内圧(Kg/Cm2) Av :弁体有効受圧面積(mm2) ここで、吹出し圧力をPON とし、吹止り圧力をPOFF
とすると、(1)式における弁入口圧力Pi と油圧ジャッ
キ内圧P0 として、吹出し開始時の圧力を代入してやれ
ば吹出し圧力PON が求められ、吹止り時の圧力を代入
してやれば吹止り圧力POFF が求められる。
【0015】以上は、閉弁力をバネ(ばね)により与える
方式の安全弁に油圧ジャッキを用いて開弁させる場合に
ついての説明であるが、これとは別に、沸騰水型原子力
プラントの原子炉圧力容器の過圧防護として設置される
安全弁には、空気圧駆動のピストン・シリンダからなる
補助作動装置と、リフトを計測するための変位変換器を
備え、原子炉圧力が所定の圧力に達したとき、補助作動
装置により強制的に開弁させるようにした安全弁装置も
知られている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】閉弁力をバネ(スプリ
ング)により与える方式の安全弁の場合、弁体には、弁
入口圧力により弁体を押し上げる方向に発生する揚弁力
と、バネにより弁体を押し下げる方向に発生する閉弁力
が作用しており、安全弁の作動は、弁入口圧力が規定の
圧力まで上昇し、揚弁力が閉弁力より大きくなることで
吹出し、その後、弁入口圧力が低下することで揚弁力が
低下し、揚弁力と閉弁力がバランスした時点で閉作動を
開始し吹止るものとなっている。
【0017】従って、この方式の安全弁の作動特性は、
主として、弁入口圧力による揚弁力と、バネによる閉弁
力の関係で決まるため、実証試験を実施したモデル弁と
同種の弁を製造した場合、揚弁力とバネによる閉弁力の
関係をモデル弁と同等にすることができれば、製造され
た安全弁の実流量時の作動特性は、モデル弁と同等であ
ると言える。
【0018】しかしながら、従来の試験法は、作動試験
を実施した個々の安全弁の揚弁力とバネ力の関係は確認
できても、その関係が作動試験を実施した安全弁と同種
の実証試験を実施したモデル弁の揚弁力とバネ力の関係
と同等であるかを評価できるものではなかった。
【0019】また、安全弁の性能としては、JIS B
8210により、公称吹出し量決定圧力以下の圧力で定
格リフト以上リフトすることが要求されている。ここ
で、油圧ジャッキ法では、油圧ジャッキに供給されてい
る油圧の増加により弁入口等価圧力を大きくすることが
でき、この結果、安全弁を定格リフト以上にリフトさせ
ることができるが、この場合、吹出し後、最初に定格リ
フトに達したときの弁入口等価圧力は、公称吹出し量決
定圧力と比較できるものではなかった。
【0020】本発明の目的は、試験設備のアキュムレー
タの容量が、安全弁の吹出し容量に対して不足している
場合でも正確に安全弁の作動試験が行えるようにした安
全弁試験装置及び安全弁試験方法を提供することにあ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的は、アキュムレ
ータを用いて安全弁の作動試験を行う方式の安全弁試験
方法において、流体圧作動型の補助作動手段による弁体
のリフトの前後で、弁入口圧力と前記補助作動手段の内
圧及びリフト量をそれぞれ計測し、これらの計測値から
安全弁作動中の揚弁力とバネ力を求め、これら揚弁力と
バネ力の関係から当該安全弁の特性を算定し、モデル弁
の実証試験結果と比較して当該安全弁の作動試験結果を
得るようにして達成される。
【0022】このとき、前記計測したリフト量が、安全
弁が吹出し後、最初に定格リフト量に達した時点での前
記弁入口圧力と前記補助作動手段の内圧から弁入口等価
圧力を算定し、この算定結果を公称吹出し量決定圧力と
比較して当該安全弁の作動試験結果を得るようにして
も、上記目的を達成することができる。
【0023】また、上記目的は、アキュムレータを用い
て安全弁の作動試験を行う方式の安全弁試験装置におい
て、流体圧作動型の補助作動手段と、この流体圧作動型
の補助作動手段による弁体のリフトの前後で、弁入口圧
力と前記補助作動手段の内圧及びリフト量をそれぞれ計
測する計測手段と、この計測手段による計測値から安全
弁作動中の揚弁力とバネ力を求め、これら揚弁力とバネ
力の関係から当該安全弁の特性を算定する演算手段とを
設け、この演算手段による算定結果をモデル弁の実証試
験結果と比較して当該安全弁の作動試験結果を得るよう
にしても達成される。
【0024】このとき、前記計測したリフト量が、安全
弁が吹出し後、最初に定格リフト量に達した時点での前
記弁入口圧力と前記補助作動手段の内圧から弁入口等価
圧力を算定する演算手段を設け、この演算手段による算
定結果を公称吹出し量決定圧力と比較して当該安全弁の
作動試験結果を得るようにしても、上記目的を達成する
ことができる。具体的には、本発明は、以下の通りの安
全弁試験方法及び安全弁試験装置である。
【0025】1.モデル弁に対して実施した大容量試験
装置による実証試験(実流量試験)の結果から、モデル弁
が閉作動を開始する時点での揚弁力及びバネ力を以下の
ように求める。安全弁の作動中は、弁入口圧力と弁体有
効受圧面積の積で表される力に加え、流体が弁体で反射
して下流側に流れることにより発生する反射揚力が揚弁
力として作用する。
【0026】この反射揚力を揚力係数として表わすと、
弁入口圧力により発生し、弁体を押し上げる方向(弁が
開く方向)に作用する揚弁力は、次の(2)式で表すことが
できる。 W=α・Av ・Pi ・10-2 …… ……(2) W:揚弁力(Kg) α:揚力係数 Av :弁体有効受圧面積(mm2) Pi :弁入口圧力(Kg/Cm2) ここで、揚力係数αは弁体の形状により決まり、同種の
弁であれば同じ値になり、安全弁は、この揚力係数αで
表される反射揚力の効果により、吹出し圧力より低い吹
止り圧力でもリフトを保つことができるようになる。
【0027】一方、バネにより与えられ、弁体を押し下
げる方向(弁を閉じる方向)に作用する閉弁力は、一般的
に(3)式で表される。ここで、閉弁力=バネ力である。 F=K・(L+Δθ)…… ……(3) F:バネ力(Kg) K:バネ定数(Kg/mm) L:リフト(mm) Δθ:バネ初期圧縮量(mm) 従って、安全弁が閉作動を開始するときのバネ力Fは、
実流量試験中のリフトの計測結果から求めた閉作動を開
始する時のリフトを、(3)式に代入することで求められ
る。
【0028】次に、安全弁が閉作動を開始するときは、
揚弁力Wとバネ力Fがバランスしているため(W=F)、
揚力係数αは(4)式で表すことができる。但し、この(4)
式のリフト、弁入口圧力についても、モデル弁が閉作動
を開始するときの値を代入する。 α=K・(L+Δθ)/Av・Pi・10-2 ……(4) なお、安全弁は吹出し後、揚弁力Wがバネ力Fより大き
い間は一定のリフトを維持しているため、リフトの計測
結果で、安全弁吹出し後一定になっていたリフトが下が
り始めたときを、安全弁が閉作動を開始するときとす
る。
【0029】2.作動試験の対象となる安全弁を試験設
備の蒸気アキュムレータに付属する取付け台に設置し、
蒸気アキュムレータ内圧を一定に維持した状態からピス
トン・シリンダからなる補助作動装置(流体圧作動型の
補助作動装置)に圧油を供給して弁棒を引上げ、安全弁
を開弁させる。安全弁を開弁させるのに、補助作動装置
を用いることで、揚弁力を大きくすることができ、安全
弁は定格リフト以上リフトすることが可能になる。
【0030】補助作動装置がピストン・シリンダに加え
バネを有している場合、及び又は補助作動装置の動きを
リンク機構を介して弁棒に伝える場合を考慮すると、
(1)式で表される弁入口等価圧力は、(5)式で表すことが
できる。 Peq =Pi +[{AP・P0・10-2 −K'(L'+Δθ')}・β]/Av ……(5) Peq:弁入口等価圧力(Kg/Cm2) Pi :弁入口圧力(Kg/Cm2) Ap :補助作動装置有効受圧面積(mm2) P0 :補助作動装置内圧(Kg/Cm2) K’:補助作動装置バネ定数(Kg/mm) L’:補助作動装置ピストン変位(mm) Δθ':補助作動装置バネ初期圧縮量(mm) β:リンク比(β≧1) ここで、補助作動装置バネ定数K'については、次のよ
うにする。すなわち、補助作動装置にバネがない場合
は、K'=0とし、補助作動装置の動きをリンク機構を
介さずに直接弁棒に伝えることができる場合は、β=1
とするのである。
【0031】そして、蒸気アキュムレータに設けた圧力
検出装置、又は蒸気アキュムレータに付属している取付
け台に設けた圧力検出装置により、弁入口圧力Pi と補
助作動装置内圧P0 を計測し、それらを(5)式に代入し
て弁入口等価圧力Peq を算出する。
【0032】このとき、(5)式における弁入口圧力Pi
と油圧ジャッキ内圧P0 として、吹出し開始時に計測し
た圧力値を代入してやれば吹出し圧力PON が求めら
れ、吹止り時に計測した圧力値を代入してやれば吹止り
圧力POFF が求められる。ここで、吹出し開始時とは、
弁が閉じている状態、つまりリフト=0から、弁が開き
始めたとき、つまりリフト>0になったときであり、従
って、このときの補助作動装置ピストン変位について
は、L'=0となる 3.安全弁作動後、補助作動装置に対する圧油の供給を
停止し、補助作動装置からの排油を許すと揚弁力が低下
し、安全弁は閉作動を開始する。ここで、閉作動を開始
する前は、補助作動装置による揚弁力の影響により、安
全弁は一定のリフトを維持している。従って、実流量試
験と同様に、閉作動が開始される時点を、リフトの計測
結果で安全弁吹出し後一定となっていたリフトが下がり
始めた時とすることができる。
【0033】次に、補助作動装置を用いた場合の揚弁力
は、(2)式で表される力に、補助作動装置により発生す
る力を加えることにより求められ、よって、(6)式で表
すことができる。 W'=α・AV・Pi・10-2+ {AP・P0・10-2 −K'(L'+Δθ')}・β ……(6) W':揚弁力 この(6)式においても、(5)式と同様、補助作動装置にバ
ネがない場合はK'=0とし、補助作動装置の動きをリ
ンク機構を介さずに弁棒に伝えることができる場合はβ
=1とすることで、揚弁力W'を求めることができる。
【0034】一方、補助作動装置ピストン変位について
は、安全弁のリフトとリンク比から次の(7)式により求
められる。 L'=β・L …… ……(7) よって、作動試験中の計測器の計測結果から、閉作動を
開始する時の弁入口圧力と補助作動装置内圧及びリフト
の各値を読み取り、それらを(6)式に代入することによ
り、作動試験を実施した安全弁が閉作動を開始するとき
の揚弁力W'を求めることができ、揚力係数について
は、モデル弁の試験結果から(4)式で求めた値を用い、
それを(7)式に代入することにより求められる。
【0035】4.作動試験を実施した安全弁の閉作動を
開始する時点での揚弁力W'と、モデル弁の実証試験の
結果から求めたバネ力Fを比較する。そして、ここで
W’≒Fならば、作動試験を実施した安全弁の作動特性
はモデル弁と同等であると評価する。
【0036】また、この後、更に安全弁吹出し後、最初
にリフトが定格リフトに達した時の弁入口圧力と補助作
動装置内圧から求めた弁入口等価圧力を公称吹出し量決
定圧力と比較しても良い。このように、定格リフトに達
した時の弁入口等価圧力を公称吹出し量決定圧力と比較
することで、作動試験を実施した安全弁がJIS B 8
210のリフトに関する性能規定を満足しているか否か
を評価することができる。
【0037】具体的には、前記のようにして計測したリ
フト、弁入口圧力及び補助作動装置内圧の計測結果か
ら、安全弁吹出し後、最初に定格リフトに達した時の弁
入口圧力及び補助作動装置内圧を読み取り、式(5)に代
入して弁入口等価圧力を求めるのである。
【0038】但し、補助作動装置ピストンの変位につい
ては、式(7)式により、安全弁の定格リフトから求めた
値を用い、揚力係数については、モデル弁の試験結果か
ら(4)式で求めた値を用いるものとする。
【0039】そして、このようにして安全弁吹出し後、
最初に定格リフトに達した時の弁入口等価圧力を公称吹
出し量決定圧力と比較し、弁入口等価圧力が公称吹出し
量決定圧力以下であれば、作動試験を実施した安全弁は
JIS B 8210のリフトに関する規定を満足するも
のとする。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明による安全弁試験方
法について、図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態で、図において、1は蒸気
アキュムレータ、2は安全弁、3は補助作動装置、4は
安全弁取付け台、5は変位変換器、6は油ポンプ、7は
油アキュムレータ、8は油切替え弁、9は排油制御弁、
10は排油タンク、11は弁入口圧力検出用の圧力伝送
器、12は油圧検出用の圧力伝送器、13は油アキュム
レータ内圧検出用の圧力伝送器、それに14はコンピュ
ータである。
【0041】ここで、安全弁2は、この実施形態により
作動試験の対象となる安全弁で、例えば、図2に示す直
動バネ式の安全弁、又は図4に示す補助作動装置付き安
全弁などである。但し、圧油を供給することで安全弁を
開弁させることが可能なピストン・シリンダからなる補
助作動装置及びリフトを計測する変位変換器を取付けた
安全弁であれば、図2及び図4に示す安全弁以外のもの
でも実施可能である。
【0042】これらの図2、図4に示す安全弁は何れも
バネ(コイルバネ)24を有し、このバネ24の圧縮力を
弁棒23を介して弁体22に伝え、弁体22を弁箱21
に組込まれた入口ノズル25に押付けることにより弁入
口側を塞ぎ、弁入口圧力が規定の圧力になると開弁し、
圧力流体の吹出しを許すことにより設置される系統、配
管、圧力容器等の圧力上昇を抑える働きをするものであ
る。
【0043】図1に示されているように、この実施形態
では、安全弁2に補助作動装置3及び変位変換器5を取
付けて作動試験を行うようになっており、このため、図
2に示す安全弁の場合、それらに補助作動装置3及び変
位変換器5を取付ける必要がある。
【0044】図2に示した直動バネ式の安全弁2に補助
作動装置3と変位変換器5を取付けた状態を図3に示
す。この場合、図示のように、補助作動装置3と変位変
換器5は、安全弁2の上部キャップ27Aとカップリン
グ28Aを取外して、安全弁2に取付けるようになって
いる。
【0045】補助作動装置3は、図示のように、ピスト
ン31Aとシリンダ32A、シャフト33Aなどから構
成された圧力流体作動型のもので、このとき、シャフト
33Aの下部を、カップリング28Aと同じ構造にする
ことにより、弁棒23にシャフト33Aが取付けられる
ようにすると共に、シリンダ32Aとバネカバー26A
の間に、開度伝達板51の動きに支障がないように一部
分に孔が設けてある支柱38を組込み、安全弁2に固定
している。
【0046】この図3では、安全弁2が閉じられている
ときの補助作動装置3の状態を示してあり、この補助作
動装置3は、給排油管37から圧油が供給されるとピス
トン31Aが押し上げられ、シャフト33A及び弁棒2
3を引上げることができるようになっている。
【0047】また、変位変換器5はバネカバー26Aに
取付けた変位変換器固定装置52に固定され、リフトは
弁棒23先端に取付けた開度伝達板51により変位変換
器5に伝達されるようになっている。
【0048】この図3に示した取付け方法によれば、図
4に示した補助作動装置付き安全弁2についても、上部
キャップ27B、カップリング28B、レバー35など
を取外すことにより、図2に示した直動バネ式の安全弁
2と同様、補助作動装置3と変位変換器5を安全弁2に
取付けることができる。
【0049】この図3に示す補助作動装置3にはバネが
無く、また補助作動装置3の動きをリンク機構を介して
弁棒23に伝える構造でもないので、補助作動装置バネ
定数K'=0、リンク比β=1とすることで、(5)式と
(6)式から弁入口等価圧力、揚弁力を求めることができ
る。
【0050】一方、図4に示す補助作動装置付き安全弁
2は、安全弁自体に補助作動装置と変位変換器が備えら
れているもので、図示のように、ピストン31Bとシリ
ンダ32Bからなる補助作動装置3がバネカバー26B
に固定され、リフトを計測する変位変換器5が上部キャ
ップ27Bに固定してある。
【0051】従って、流体口36から流体が供給される
とピストン31Bが押上げられ、ピストン31Bの動き
はシャフト33B及びレバー35を介して弁棒23に伝
えられ、この結果、弁棒23が引上げられることにな
る。
【0052】そして、このときのリフト量は、カップリ
ング28B上部に取付けた一次開度伝達板53と開度伝
達用シャフト54、それに二次開度伝達板55を介して
変位変換器5に伝達される。
【0053】この図4に示した安全弁2では、補助作動
装置3の動きが補助作動装置レバー35を介して弁棒2
3に伝えられるようになっていると共に、補助作動装置
3内にバネ34が設けられているので、レバー35のリ
ンク比をβとし、補助作動装置3内部にあるバネ34の
バネ定数をK'とすることにより、(5)式から弁入口等価
圧力を、そして(6)式から揚弁力を、夫々求めることが
できる。
【0054】次に、この実施形態による安全弁2の作動
試験について説明する。この実施形態では、既に図1に
より説明したように、蒸気アキュムレータ1、安全弁取
付け台4、油ポンプ6、油アキュムレータ7、油切替え
弁8、排油制御弁9、排油タンク10、弁入口圧力検出
用の圧力伝送器11、油圧検出用の圧力伝送器12、油
アキュムレータ内圧検出用の圧力伝送器13、コンピュ
ータ14などで構成された安全弁試験装置を用いてい
る。
【0055】但し、変位変換器5、弁入口圧力検出用の
圧力伝送器11、油圧検出用の圧力伝送器12、油アキ
ュムレータ内圧検出用の圧力伝送器13などの各計測器
の出力信号がコンピュータ14に直接取り込めない場合
には、A/Dコンバータのような信号変換器を各計測器
とコンピュータ14の間に設けてもよく、また、コンピ
ュータ14の出力信号が油切替え弁8、排油制御弁9な
どの各油制御装置の入力信号にならない場合には、増幅
器のような信号変換器をコンピュータ14と各油制御装
置の間に設けてもよい。
【0056】更に、油アキュムレータ内圧検出用の圧力
伝送器13については、試験設備の都合上、コンピュー
タ14にその出力が取り込めない場合でも、圧力ゲージ
として試験実施時に油アキュムレータ7の内圧を読み取
ることができれば、必ずしもコンピュータ14に取り込
む必要はない。
【0057】変位変換器5の出力と、蒸気アキュムレー
タ1に付属する取付け台4に設けた弁入口圧力検出用の
圧力伝送器11の出力、それに補助作動装置3の給排油
管37に設けた油圧検出用の圧力伝送器12の出力は、
夫々コンピュータ14に取り込まれる。
【0058】一方、油切替え弁8、排油制御弁9は、コ
ンピュータ14の出力により動作され、このため、油ポ
ンプ6により加圧された圧油を油アキュムレータ7に蓄
え、必要に応じて油切替え弁8及び給排油管37を介し
て補助作動装置3に供給されるようになっている。
【0059】ここで、油アキュムレータ7内の圧油を補
助作動装置3に供給する場合には、補助作動装置3から
排油制御弁9に至る経路は油切替え弁8により閉止さ
れ、油アキュムレータ7の圧油が補助作動装置3へ流れ
るようになっている。
【0060】反対に、補助作動装置3内の圧油を排油す
る場合は、コンピュータ14からの信号により油切替え
弁8が切り替わり、油アキュムレータ7から補助作動装
置3に至る流れは抑止され、補助作動装置3から排油制
御弁9に排油が流れるようにされる。そして、このとき
の補助作動装置3内の圧油の排油速度は、排油制御弁9
の開度を変えることにより制御でき、排油制御弁9を通
過した排油は排油タンク10に蓄えられる。
【0061】そして、この実施形態では、以上の構成の
安全弁試験装置により、以下の手順により安全弁2の作
動試験を実施し、安全弁2が閉作動を開始するときの揚
弁力を求め、その結果を作動試験を実施した安全弁2と
同種のモデル弁の実証試験と比較するのである。
【0062】手順1 まず、モデル弁として、大容量試験装置により実施した
実流量試験結果の一例を図6に示す。この図6におい
て、特性Aは実証試験時の弁入口圧力で、特性Bは実証
試験時のリフトであり、横軸は時間を示している。そし
て、この図6よれば、このモデル弁は、弁入口圧力Pi
が圧力Pis に上昇すると、この上昇した時点Sでリフ
トLが0から上がり始めており、従って、この時点S
が、安全弁2が吹出し始めた時点であり、このときの弁
入口圧力Piが吹出し圧力Pis である。
【0063】また、このモデル弁は、図示のように、吹
出し後、直ちにリフトLf になり、以後、一定のリフト
f 状態を維持し、その後、時点Cで下り始めており、
従って、この時点Cが閉作動を開始する時点で、このと
きの弁入口圧力はPic であることが判り、この結果、
モデル弁が閉作動をするときのバネ力Fと揚力係数α
が、(3)式と(4)式から求められることが判る。そこで、
モデル弁と同種の安全弁の作動試験を実施する前に、モ
デル弁が閉作動を開始するときのバネ力Fと揚力係数α
を以上のようにして求め、コンピュータ14に登録して
おく。
【0064】手順2 安全弁2の作動試験の準備として、以下のように試験装
置を組み立てる。 A.蒸気アキュムレータ1に付属する取付け台4に、安
全弁2の弁箱21の入口フランジを取付け、試験装置を
図1に示すように組み立てる。 B.蒸気アキュムレータ1の内圧を安全弁2の設定圧力
以下の一定圧力に維持する。従って、このときの弁入口
圧力を設定圧力の90%にすることにより、弁座漏洩試
験から連続して作動試験を実施することができる。
【0065】C.圧油が補助作動装置3から排油制御弁
9に流れ、油アキュムレータ7内の圧油が補助作動装置
3に流れないように、油切替え弁8を切り替え、油アキ
ュムレータ7の内圧を、安全弁2が全開するのに十分な
圧力まで油ポンプ6で過圧する。このときの油アキュム
レータ7の内圧は、油アキュムレータ内圧検出用の圧力
伝送器13により確認する。
【0066】手順3 コンピュータ14の出力信号により油切替え弁8を切り
替え、油アキュムレータ7内の圧油を補助作動装置3に
供給して安全弁2を開作動させ、作動試験を開始する。
そして、変位変換器5により計測されるリフトLと、弁
入口圧力検出用の圧力伝送器11と油圧検出用の圧力伝
送器12により計測される弁入口圧力Pi と補助作動装
置3の内圧P0 が夫々コンピュータ14に取り込まれる
ようにする。
【0067】ここで、コンピュータ14に取り込んだ計
測結果の内、変位変換器5の出力からリフトLが0状態
から上がり始めた時点を吹出し開始時点Sとし、この時
点Sでの安全弁2の弁入口圧力Pic 及び補助作動装置
3の内圧P0 を読み取り、吹出し圧力Pを(5)式により
求める。
【0068】手順4 コンピュータ14の出力信号により油切替え弁8を切替
え、補助作動装置3の圧油を排油制御弁9を通して排油
タンク10に流し出す。このときの油切替え弁8の切替
制御は、安全弁2が定格リフト以上リフトするのに十分
な時間として予めコンピュータ14に登録しておいた時
間でコンピュータ14から切り替え信号を出力するよう
にしても良く、変位変換器5の出力により安全弁2が定
格リフト以上リフトしたことをコンピュータ14で確認
してから切り替え信号を出力するようにしても良い。
【0069】また、このときの排油制御弁9の開度につ
いては、機構的に開度がロックされるようにしておいて
も良く、コンピュータ14の信号により制御され、排油
タンク10への流量が調整できるようにしても良い。
【0070】手順5 コンピュータ14の出力信号により油切替え弁8を切替
え、補助作動装置3内の圧油を排油させ、安全弁2の閉
作動を開始させる。そして、コンピュータ14はこの安
全弁2の閉作動開始時点Cで、安全弁2の弁入口圧力P
ic 及び補助作動装置3の内圧P0 を読み取り、(6)式に
より揚弁力W'を計算する。このとき、変位変換器5に
より安全弁2のリフトを計測し、安全弁2が定格リフト
以上リフトしていることを確認する。
【0071】手順6 (6)式で求めた揚弁力W'と、モデル弁が閉作動を開始す
るときのバネ力Fを比較する。そして、結果が|W'−
F|<εなら、このとき試験している安全弁2は、モデ
ル弁と閉作動を開始するときの揚弁力、つまり弁作動中
の揚弁力とバネ力の関係が同等であるとし、安全弁2が
モデル弁と同等の作動特性を示しているものと評価する
のである。ここで、εはバネ力と揚弁力の差の許容値
で、補助作動装置3の摩擦、各計測器の誤差、各部品の
製造誤差等を考慮して決定する。
【0072】次に、この実施形態では、以上のようにし
て安全弁2を作動試験したとき、更に、安全弁2の吹出
し後、最初にリフトが定格リフトに達したときの弁入口
圧力Pic 及び補助作動装置3の内圧P0 から弁入口等
価圧力を求め、その結果を公称吹出し量決定圧力と比較
して、当該安全弁2を評価するようになっている。
【0073】具体的には、コンピュータ14に取り込ん
だ計測結果の中の変位変換器5の出力から、安全弁吹出
し後、リフトが最初に定格リフトに達した時点を求め、
そのときの補助作動装置ピストンの変位L'を(7)式によ
って求める。また、同じく安全弁吹出し後、リフトが最
初に定格リフトに達した時点における弁入口圧力Pic
と補助作動装置3の内圧P0 を(5)式に代入し、弁入口
等価圧力Peq を求め、これを公称吹出し量決定圧力と
比較する。
【0074】そして、安全弁2吹出し後、最初に定格リ
フトに達した時点の弁入口等価圧力が公称吹出し量決定
圧力より小さければ、当該安全弁2は、JIS B 82
10の規定を満足しているものと評価するのである。以
上のようにして、安全弁2の作動試験を実施したときの
各計測器の出力の一例を図5に示す。
【0075】この図5において、特性Dは弁入口圧力用
の圧力伝送器11の出力から求めた弁入口圧力Pi で、
特性Eは油圧検出用の圧力伝送器12の出力から求めた
補助作動装置3の内圧(油圧)P0 、特性Fは変位変換器
5の出力から求めたリフトLを示し、横軸は時間を示し
ている。
【0076】この図5の特性Fから、リフトLが0の状
態から上がり始めた時点Sが吹出し開始時と読み取れ
る。また、安全弁2の定格リフトをLf とすると、最初
に定格リフトLf に達した時は時点Gと読み取れ、その
後リフトが一定(Lf)状態から下がり始めた時点Cが揚
弁力とバネ力がバランスし、閉作動が開始される時点と
して読み取れる。このようにして夫々の時点S、時点
G、時点Cが読み取れる結果、この実施形態では、各時
点での弁入口圧力と補助作動装置内圧から、揚弁力、又
は弁入口等価圧力を求めることができる。
【0077】ここで、特性Eに示すように、補助作動装
置3の内圧P0 は、それがある程度上昇した後、一旦低
下しているが、これは補助作動装置3のシャフト33
A、33Bが動き始めたことによるもので、その時点
は、弁の作動開始時点Sと一致するものである。また、
補助作動装置3には、弁作動後も圧油が供給されるた
め、特性Eでは時点S以降で一旦低下した後、更に油圧
が上昇していることが判る。
【0078】図1に示した本発明の実施形態による安全
弁試験装置では、計測器の出力をコンピュータ14に取
り込むことにより、図5に示す各種の特性カーブを作成
することができ、さらにコンピュータ14にプリンタを
接続することにより、それらの特性カーブを図形として
出力することもできる。
【0079】従って、以上の実施形態によれば、補助作
動装置3により弁棒23を強制的に引上げるようにして
いるので、安全弁2の吹出し容量に比較して、蒸気アキ
ュムレータ1の容量が不足している場合でも、安全弁2
を定格リフト以上にリフトさせることができ、この結
果、安全弁2が実流量試験を実施したモデル弁と同等の
作動特性を有しているか否かが評価できるようになり、
且つ、安全弁2がJISB 8210によるリフトに関
する規定を満足しているか否かを評価することもでき
る。
【0080】そして、この実施形態によれば、安全弁2
がリフトしたとき、通常の作動試験よりも低い圧力の流
体を流すだけで試験が行えるため、安全弁の試験に伴う
弁座の損傷を充分に抑えることができる。また、この実
施形態では、コンピュータ14を用いているので、各計
測データを同期して確認することができ、この結果、弁
入口等価圧力と揚弁力を精度よく求めることができる。
【0081】さらに、この実施形態によれば、蒸気アキ
ュムレータ1の容量を増加することなく、作動試験を行
うことができるため、大容量の安全弁でもコストの増加
を伴うことなく容易に試験を行うことができ、この結
果、例えば原子力プラントや火力プラントなどにおい
て、設置に必要なスペースとコストの低減を充分に図る
ことができる。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、試験設備のアキュムレ
ータ容量が少なくても、安全弁を定格リフト以上リフト
させることができるので、大容量の安全弁についても、
試験設備を改造することなく容易に対応することがで
き、この結果、試験に必要なコストの低減化を充分に図
ることができる。また、本発明によれば、作動試験を行
った安全弁が、モデル弁と同等の作動特性を有している
か否かが精度よく評価できるので、実流量試験を行った
場合と同等の信頼性を容易に得ることができる。
【0083】更に、本発明によれば、作動試験を実施し
た安全弁が、JIS B 8210によるリフトに関する
規定を満足しているか否かも正確に評価できるので、信
頼性の高い安全弁を容易に供給することができる。ま
た、本発明によれば、蒸気アキュムレータの圧力が低く
ても確実に安全弁を試験することができるので、作動試
験に伴う弁座の損傷が低減でき、この結果、信頼性の高
い安全弁を容易に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による安全弁試験方法の一実施形態で使
用する試験装置の一例を示す構成図である。
【図2】直動バネ式の安全弁の一例を示す構造図であ
る。
【図3】補助作動装置と変位変換器を取付けた安全弁の
一例を示す構造図である。
【図4】補助作動装置付き安全弁の一例を示す構造図で
ある。
【図5】本発明の実施形態による計測出力の一例を示す
特性図である。
【図6】本発明の一実施形態で使用されているモデル弁
の実証試験結果の一例を示す特性図である。
【符号の説明】
1 蒸気アキュムレータ 2 安全弁 3 補助作動装置 4 安全弁取付け台 5 変位変換器 6 油ポンプ 7 油アキュムレータ 8 油切替え弁 9 排油制御弁 10 排油タンク 11 弁入口圧力検出用の圧力伝送器 12 油圧検出用の圧力伝送器 13 油アキュムレータ内圧検出用の圧力伝送器 14 コンピュータ 21 弁箱 22 弁体 23 弁棒 24 バネ 25 入口ノズル 26A、26B バネカバー 27A、27B 上部キャップ 28A、28B カップリング 31A、31B 補助作動装置のピストン 32A、32B 補助作動装置のシリンダ 33A、33B 補助作動装置シャフト 34 補助作動装置バネ 35 補助作動装置レバー 36 補助作動装置流体口 37 給排油管 38 支柱 51 開度伝達板 52 変位変換器固定装置 53 一次開度伝達板 54 開度伝達用シャフト 55 二次開度伝達板
フロントページの続き (72)発明者 竹島 菊男 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 坂本 明 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 浜田 信善 福岡県北九州市門司区中町1番14号 岡野 バルブ製造株式会社内 Fターム(参考) 2G024 AA15 BA11 CA04 CA16 DA15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アキュムレータを用いて安全弁の作動試
    験を行う方式の安全弁試験方法において、 流体圧作動型の補助作動手段による弁体のリフトの前後
    で、弁入口圧力と前記補助作動手段の内圧及びリフト量
    をそれぞれ計測し、 これらの計測値から安全弁作動中の揚弁力とバネ力を求
    め、 これら揚弁力とバネ力の関係から当該安全弁の特性を算
    定し、モデル弁の実証試験結果と比較して当該安全弁の
    作動試験結果を得るように構成したことを特徴とする安
    全弁試験方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明において、 前記計測したリフト量が、安全弁が吹出し後、最初に定
    格リフト量に達した時点での前記弁入口圧力と前記補助
    作動手段の内圧から弁入口等価圧力を算定し、 この算定結果を公称吹出し量決定圧力と比較して当該安
    全弁の作動試験結果を得るように構成したことを特徴と
    する安全弁試験方法。
  3. 【請求項3】 アキュムレータを用いて安全弁の作動試
    験を行う方式の安全弁試験装置において、 流体圧作動型の補助作動手段と、 この流体圧作動型の補助作動手段による弁体のリフトの
    前後で、弁入口圧力と前記補助作動手段の内圧及びリフ
    ト量をそれぞれ計測する計測手段と、 この計測手段による計測値から安全弁作動中の揚弁力と
    バネ力を求め、これら揚弁力とバネ力の関係から当該安
    全弁の特性を算定する演算手段とを設け、 この演算手段による算定結果をモデル弁の実証試験結果
    と比較して当該安全弁の作動試験結果を得るように構成
    したことを特徴とする安全弁試験装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の発明において、 前記計測したリフト量が、安全弁が吹出し後、最初に定
    格リフト量に達した時点での前記弁入口圧力と前記補助
    作動手段の内圧から弁入口等価圧力を算定する演算手段
    を設け、 この演算手段による算定結果を公称吹出し量決定圧力と
    比較して当該安全弁の作動試験結果を得るように構成し
    たことを特徴とする安全弁試験装置。
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