JP2001165236A - すべり免震装置 - Google Patents

すべり免震装置

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JP2001165236A
JP2001165236A JP34532899A JP34532899A JP2001165236A JP 2001165236 A JP2001165236 A JP 2001165236A JP 34532899 A JP34532899 A JP 34532899A JP 34532899 A JP34532899 A JP 34532899A JP 2001165236 A JP2001165236 A JP 2001165236A
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lubricant
slip
seismic isolation
metal plate
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Norio Ito
紀男 伊藤
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地震発生初期段階において安定して免震効果
を示し、かつ耐久性に優れ、長期間安定して低い摩擦係
数を示し、面圧依存性が極めて少ない。 【解決手段】 下部躯体1と上部躯体2との間に、すべ
り材5と平滑板4とが相互にそれぞれの摺接面を接触し
て配設されたすべり支承3を備えてなるすベり免震装置
であって、上記すべり材は摺接面の裏面に金属プレート
6が接着された四フッ化エチレン系樹脂複合材からな
り、該すべり材の摺接面に潤滑剤供給孔5aを有し、こ
の潤滑剤供給孔に連通して金属プレートとすべり材との
境界部に潤滑剤溜り部6aを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はすべり免震装置に関
し、特にビル、タワー等の高層構造体から一戸建てなど
の低層構造体に至る建築構造体、道路・鉄道などの橋梁
に至る土木構造体を支持し、地震外力を低減するすべり
免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】免震とは、建物に加わる地震力を何らか
の方法で減少させることである。基礎と建物との間に何
らかの装置を入れて、建物への地震入力の減少を図る
「基礎絶縁型」が免震装置あるいは免震工法の主流とな
っている。例えば、すべり支承と水平ばねとの組み合わ
せによるすべり免震装置がある。これは、すべり支承の
基礎フーチングに樹脂製すべり板などのすべり材を貼
り、その板と柱に取り付けられた金属板をすべらせるも
のである。すなわち、地震による地盤の水平振動に対し
て建物がすべることにより、すべり面に働く摩擦力以上
の力を建物に作用させるというものであり、建物の位置
が大きく移動しないように水平ばねにより移動範囲を規
制するものである。したがって、上記すべり材の摩擦係
数が小さいほど免震効果が大きく、確実に免震効果を発
揮するためには安定して小さい摩擦係数が必要とされ
る。
【0003】そのため、すべり材には摩擦係数の小さい
四フッ化エチレン(以下PTFEと略称する)樹脂など
のフッ素系の材料を用いることが多い。また、すべり材
表面に凹部を設け、この凹部にゲル状潤滑剤を封入する
とともに、凹部周囲に同潤滑剤を塗布してなるすべり支
承が知られている(実公平6−40243号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、すべり
材表面に設けられた凹部にゲル状潤滑剤を封入・塗布す
る場合、初期の摩擦係数を下げることはできても、潤滑
剤自身の経時的な劣化があり、また、凹部の形状によっ
ては、潤滑剤自身が潤滑面より排出されてしまい、やは
り耐久性が十分でないという問題がある。
【0005】さらに、PTFE樹脂すべり材と金属板と
で構成したすべり支承を備えたすべり免震装置の免震効
果が、ごく初期の摩擦係数が大きいため地震発生初期段
階において安定しないという問題がある。
【0006】一方、すべり支承は、すべり特性が面圧に
よって変化する面圧依存性が大きいという問題がある。
一般的に、すべり免震装置は積層ゴムと併用して用いら
れるが、積層ゴムが大きくせん断変形した際、すべり材
に負荷される面圧が大きくなるため、摩擦係数が大きく
変動する。その結果、すべり免震装置の免震性能が維持
できなくなるという問題がある。
【0007】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、地震発生初期段階において安定して
免震効果を示し、かつ耐久性に優れ、長期間安定して低
い摩擦係数を示し、面圧依存性が極めて小さいすべり免
震装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、下部躯体と上
部躯体との間に、すべり材と平滑板とが相互にそれぞれ
の摺接面を接触して配設されたすべり支承を備えてなる
すベり免震装置であって、上記すべり材は摺接面の裏面
に金属プレートが接着された四フッ化エチレン系樹脂複
合材からなり、該すべり材の摺接面は潤滑剤供給孔を有
し、この潤滑剤供給孔に連通して金属プレートとすべり
材との境界部に潤滑剤溜り部を設けることを特徴とす
る。
【0009】また、上記潤滑剤溜り部がすべり支承の外
周部に設けられた潤滑剤補給部に連通していることを特
徴とする。
【0010】すべり支承を形成するPTFE系樹脂複合
材は、PTFE系樹脂に、繊維状配合剤、樹脂粉末およ
び無機化合物粉末から選ばれた少なくとも一つの配合剤
が配合されてなることを特微とする。
【0011】また、上記潤滑剤が、フッ素系油にPTF
E系樹脂粉末が配合されてなるフッ素グリースであるこ
とを特微とする。
【0012】地震発生初期段階において摩擦係数が大き
い原因につき研究したところ、PTFE樹脂は、摺動開
始ごく初期の段階はすべり方向に容易に配向しないこと
が分かった。PTFE樹脂が小さい摩擦係数を示すの
は、すべり方向に容易に配向することと、相手面にPT
FE樹脂の一部が転移して膜を形成し、PTFE樹脂同
士のすべりとなること等が原因であるので、摺動開始ご
く初期の段階での摩擦係数を低下させることができ、そ
の特性を維持できればよいことが分かった。本発明は、
初期の摩擦係数を低下させるとともに、経時的にその特
性を維持する方法につき研究した結果得られたものであ
る。すなわち、本発明は、すべり材の摺接面に潤滑剤供
給孔を有し、かつこの潤滑剤供給孔に連通する潤滑剤溜
り部を設けることにより、この潤滑剤溜り部より常に摺
接面に潤滑剤が供給されるので、摺動開始ごく初期の段
階から長期間にわたって摩擦係数が低下する。特に潤滑
剤溜り部をすべり支承の外周部に設けられた潤滑剤補給
部に連通させることにより、定期的に潤滑剤溜り部に潤
滑剤を補給することができ、優れたすべり特性を維持す
るための保守点検が容易となる。
【0013】摺接面に塗布される潤滑剤をフッ素グリー
スとすることにより、空気中の酸素による酸化劣化や水
分による加水分解作用などを受けても、あるいは大きな
せん断変形による発熱作用などを受けても初期特性を長
期間安定して維持することができる。その結果、耐久性
に優れ、またすべり性に優れているので摩擦係数が小さ
く維持されるので、面圧依存性が極めて小さいすべり免
震装置を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のすべり免震装置を図1お
よび図2により説明する。図1はすべり免震装置におけ
るすべり支承部分の断面図であり、図2はすべり材と金
属プレートとの接着面を表す平面図であり、図2(a)
はすべり材の接着面を、図2(b)は金属プレートの接
着面をそれぞれ表す。下部躯体1と上部躯体2との間に
すべり支承3が配設されている。すべり支承3は、それ
ぞれの摺接面が相互に接触している平滑板4と、金属プ
レート6が接着されているすべり材5とより構成されて
いる。なお、7はすべり材の最大静止摩擦力まで弾性変
形する積層ゴム、8は固定プレート、7aは積層ゴム中
の金属板を表す。
【0015】すべり材5の積層ゴム7側には金属プレー
ト6が接着され、その境界部に潤滑剤溜り部6aが形成
されている。この潤滑剤溜り部6aは、すべり材5を上
下に貫通している潤滑剤供給孔5a上部に配置され、潤
滑剤溜り部6aより潤滑剤供給孔5aを経由して平滑板
4とすべり材5との摺動面に潤滑剤が供給される。潤滑
剤溜り部6aは補給路6bと連通しており、この補給路
6bを介してすべり支承の外周部に設けられた潤滑剤補
給部6cより潤滑剤溜り部6aに潤滑剤が補給される。
潤滑剤溜り部6aの形状は、潤滑剤補給部6cより潤滑
剤が均一に補給される形状であれば、一つの形状であっ
ても、相互に連通した複数個であってもよい。
【0016】潤滑剤溜り部6aは、すべり材5と金属プ
レート6との境界部に形成されるが、好ましくはすべり
材5に形成された潤滑剤供給孔5aに接して金属プレー
ト6内に形成される。潤滑剤溜り部6aに保持された潤
滑剤の自重により、潤滑剤供給孔5aを介して潤滑剤が
より供給されやすくなり、また潤滑剤自身とすべり材5
との接触面積が少なくなるので、すべり材5の形状がよ
り安定に保たれる。
【0017】潤滑剤供給孔5aの全投影面積は、すべり
材5の摺接面の全表面積に対して 10〜 20 %の面積を
占めることが好ましい。この範囲とすることによって、
十分な潤滑性を確保し、かつ積層ゴムが大きくせん断変
形した際のすべり材に負荷される面圧が大きくなった場
合においても耐面圧特性を確保できる。
【0018】すべり材5と金属プレート6との接着は、
機械的な方法、あるいは化学的な方法のいずれであって
もよい。化学的な方法を例示すれば、すべり材の片面を
アルカリ処理によりエッチングし、接着可能状態とす
る。その後、エポキシ系、フェノール系あるいはポリイ
ミド系接着剤により接合させる方法がある。
【0019】潤滑剤補給部6cは、すべり支承の外周部
にあって、少なくとも補給路6bより高い位置に設けら
れる。自重により潤滑剤が補給しやすくなる。また、潤
滑剤補給部6c内の潤滑剤に補給圧力をかけられるよう
にしておいてもよい。潤滑剤補給部6cをすべり支承の
外周部に設けることにより、潤滑剤の補給状況が把握し
やすくなり、保守点検が容易となる。
【0020】すべり支承3を構成する平滑板4は、表面
に突起がなく平坦で硬質であれば使用できる。例えば、
金属板、セラミック板、ポリイミド樹脂などの硬質樹脂
板、充填剤の配合によって硬質化したPTFE系樹脂か
らなる板材で平滑な板であれば使用できる。これらの中
で、金属板が好ましく、特に防錆性および製造コスト、
加工性等を考慮するとステンレス鋼板が最も好ましい。
また、平滑板3表面には防錆、耐摩耗性等を目的とした
ニッケルメッキ、硬質クロムメッキ等の各種メッキ、潤
滑性を付与するためフッ素系あるいはポリシロキサン系
化合物からなる被膜を施してもよい。また、低摩擦化す
るためにオイル、グリースなどの潤滑剤を予め塗布して
おいてもよい。その場合、予め塗布する潤滑剤は潤滑剤
溜り部6aに保持されている潤滑剤と同一であることが
好ましい。
【0021】すべり支承を構成するすべり材5はPTF
E系樹脂複合材により形成される。PTFE系樹脂複合
材は、PTFE系樹脂に繊維状配合剤、樹脂粉末および
無機化合物粉末から選ばれた少なくとも一つの配合剤が
配合されてなる。PTFE系樹脂としては、PTFE樹
脂と変性PTFE樹脂とが挙げられる。
【0022】変性PTFE樹脂は、PTFE単位と、P
TFEのフッ素が他の有機基(−X)で置換された置換
PTFE単位とから構成される共重合体である。その一
般式を化1に示す。有機基(−X)は特に限定するもの
ではないがパーフルオロアルキルエーテル基あるいはフ
ルオロアルキル基などが好ましい。
【化1】 変性PTFE樹脂の市販品としては、テフロンTG70
J(三井・デュポンフロロケミカル社製)、ポリフロン
M111(ダイキン工業社製)、ホスタフロンTFM1
600(ヘキスト社製)等が挙げられる。
【0023】上記PTFE樹脂および変性PTFE樹脂
の重合方法は限定されないが、樹脂の分子量は、約 50
万から 1,000万が好ましく、さらに限定すれば 100万か
ら 700万が好ましい。この範囲の分子量を有することに
より、すべり材として摩擦係数を小さくすることがで
き、また耐クリープ性などの機械的強度が維持できる。
特に化1に示す変性PTFEを用いた場合、耐クリープ
特性が向上し、すべり面における許容面圧が 30MPa程度
まで許容できる。それに伴い、すべり面を小さくでき、
すべり免震装置の小型化が可能となるため好ましい。
【0024】PTFE系樹脂に配合できる配合剤の中
で、繊維状配合剤はガラス繊維、炭素繊維、あるいはウ
ィスカ類が挙げられる。炭素繊維はピッチ系あるいはパ
ン系炭素繊維のいずれでもよい。市販品としては、ピッ
チ系炭素繊維としてクレカミルド M101S(呉羽化
学工業社製)、ドナカーボン S241(大阪ガスケミ
カル社製)、パン系炭素繊維としてベスファイト HT
A−CMF0160−0H(東邦レーヨン社製)等が挙
げられる。
【0025】繊維状配合剤の他の例として、短繊維の各
種ウィスカがある。市販品としては、硫酸カルシウムウ
ィスカとしてフランクリンファイバーA−30(無水塩
型)、フランクリンファイバーH−30(半水塩型)
(繊維長 50〜 60 μm 、大日精化工業社製)、チタン
酸カリウムウィスカとしてティスモN(繊維長 10 〜 2
0 μm 、大塚化学社製)、タイブレック(繊維長 20 μ
m 、川鉄鉱業社製)、酸化亜鉛ウィスカとしてパナテト
ラ(繊維長 2〜 50 μm 、松下電器産業社製)、硫酸マ
グネシウムウィスカとしてモスハイジ(繊維長 10 〜 3
0 μm 、宇部興産社製)等が挙げられる。
【0026】配合剤の中で、樹脂粉末は、PTFEの成
形温度 380℃に耐えうる粉末であることが好ましい。例
えば、熱可塑性ポリイミド樹脂(三井化学社製)、熱硬
化性ポリイミド樹脂(フューロン社製、宇部興産社
製)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(ヴィクトレッ
クスMC社製)、全芳香族ポリエステル樹脂(住友化学
工業社製)、アラミド粉末、ポリアミドイミド樹脂(三
菱化成社製)、メソカーボンビーズ(大阪ガスケミカル
社製)、ベルパール(鐘紡社製)、ユニベックス(ユニ
チカ社製)、マイクロカーボンビーズ(日本カーボン社
製)が挙げられる。また、無機化合物粉末は、二硫化モ
リブデン、酸化亜鉛、酸化チタン、黒鉛、金属酸化粉
末、ガラスビーズ、シリカ粉末等が挙げられる。
【0027】配合剤の配合量はPTFE系樹脂 100体積
部に対して 5〜 40 体積部であることが好ましい。配合
剤が 40 体積部を越えると成形性に問題が生じたり、平
滑板を損傷したりする場合がある。また、 5体積部未満
であれば補強効果に乏しく、十分な耐クリープ性、耐摩
耗性が得られない。
【0028】すべり材の成形は一般的に知られた方法を
採用できる。例示すれば、まず、フリーベーキング、ホ
ットモールディング、アイソスタチックモールディン
グ、連続ラム押し出し成形、ペースト押し出し、ダイレ
クトモールド等により成形体を形成する。次いで、フリ
ーベーキングの後、スカイブにより所定のシート厚みと
する。
【0029】本発明に使用できる潤滑剤は、グリースあ
るいは液状でも使用できる。特に耐久性に優れたグリー
スが好ましく、グリースの中でもフッ素系油にPTFE
系樹脂粉末が配合されてなるフッ素グリースが好まし
い。フッ素グリースは、耐久性に優れ、面圧依存性が優
れているため本願のすべり免震装置の潤滑剤として好適
である。フッ素グリースは、フッ素系油を基油として、
この基油の中に増ちょう剤として低分子量のPTFE系
樹脂粉末、例えばPTFE樹脂微粉末を混練したもので
ある。低分子量のPTFE樹脂を用いたのは、すべり材
と同様、長期間にわたって優れた潤滑特性を維持するた
めであり、フッ素グリース自身が経時的に劣化すること
なく、潤滑特性も維持できるためである。
【0030】フッ素系油としては、パーフルオロアルキ
ル基、あるいはパーフルオロエーテル基を含む完全フッ
素系油が耐熱性や耐酸化劣化性に優れるため好ましい。
また、増ちょう剤に用いるPTFEは、分子量が約 50
万から 200万程度のファインパウダーが好ましい。この
理由は、混練時にポリマーがフィブリル化し、比表面積
が増大するためであり、このようなPTFEはフッ素系
油の含浸量を多くでき、また、フィブリル化することで
すべり面から排出されにくくなる。市販品としては、フ
ォンブリングリース(アウジモント社製)などが挙げら
れる。
【0031】
【実施例】変性PTFE樹脂(テフロンTG70J(三
井・デュポンフロロケミカル社製))とガラス繊維(M
F−MB06MB120(旭ファイバーグラス社製))
とを体積比で、樹脂:繊維= 100:15 となるように配合
して、ドライブレンド後、φ 124mm×φ 64mm ×100mm
の円筒素形材に予備成形し 370℃×4 時間、フリーベー
キング法にて焼成する。この円筒素形材よりシートを得
て、直径φ80mm、厚さ 2mmの円板状とする。この円板
に、図2(a)に示すような潤滑剤供給孔5aとなる 9
個の小貫通孔を設ける。小貫通孔の面積は、円板の面積
の 10%となるように設定した。
【0032】一方、直径φ80mm、厚さ 15mm のステンレ
スからなる円板を準備して、その一方の面に小貫通孔を
覆い、相互に連通している 9個の潤滑剤溜り部6aを設
ける。また、一つの潤滑剤溜り部6aの裏面より潤滑剤
補給部6cに連通する補給路6bを設ける。このステン
レス円板の潤滑剤溜り部6aが設けられた面と上記シー
ト状円板とをエポキシ系接着剤を用いて接着してすべり
材を作製した。
【0033】ステンレス鋼板(SUS304)を研磨し
て、最大高さ(Ry)で示される表面粗さが 0.10 〜0.
40μm の平滑板を準備した。この平滑板と上記方法で作
製されたすべり材とを用い、潤滑剤としてフォンブリン
グリース(アウジモント社製)を潤滑剤溜り部6aおよ
び潤滑剤補給部6cに充填した。得られたすべり支承を
有するすべり免震装置は、面圧が 15 〜60MPa と変動し
ても動摩擦係数が 0.03 以下と小さく安定していた。
【0034】
【発明の効果】本発明のすべり免震装置は、下部躯体と
上部躯体との間に、すべり材と平滑板とが相互にそれぞ
れの摺接面を接触して配設されたすべり支承を備え、上
記すべり材は、摺接面の裏面に金属プレートが接着され
たPTFE系樹脂複合材からなり、該すべり材の摺接面
が潤滑剤供給孔を有し、この潤滑剤供給孔に連通して金
属プレートとすべり材との境界部に潤滑剤溜り部を設け
たので、常に潤滑剤が摺接面に供給される。その結果、
摺動特性の劣化を抑え、初期特性を安定して維持するこ
とができるとともに、面圧依存性を極めて少なくするこ
とができる。
【0035】また、潤滑剤溜り部がすべり支承の外周部
に設けられた潤滑剤補給部に連通しているので、潤滑剤
の補給および保守点検が容易である。
【0036】すべり材を構成するPTFE系樹脂複合材
が、PTFE系樹脂に、繊維状配合剤、樹脂粉末および
無機化合物粉末から選ばれた少なくとも一つの配合剤が
配合されてなるので、また、潤滑剤が、フッ素系油にP
TFE系樹脂粉末が配合されてなるフッ素グリースであ
るので、潤滑剤の劣化を抑え、すべり免震装置の初期特
性を長期間安定して維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】すべり免震装置におけるすべり支承部分の断面
図である。
【図2】すべり材と金属プレートとの接着面を表す平面
図である。
【符号の説明】
1 下部躯体 2 上部躯体 3 すべり支承 4 平滑板 5 すべり材 6 金属プレート 7 積層ゴム 8 固定プレート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部躯体と上部躯体との間に、すべり材
    と平滑板とが相互にそれぞれの摺接面を接触して配設さ
    れたすべり支承を備えてなるすベり免震装置であって、 前記すべり材は前記摺接面の裏面に金属プレートが接着
    された四フッ化エチレン系樹脂複合材からなり、該すべ
    り材の摺接面に潤滑剤供給孔を有し、この潤滑剤供給孔
    に連通して前記金属プレートと前記すべり材との境界部
    に潤滑剤溜り部を設けることを特徴とするすべり免震装
    置。
  2. 【請求項2】 前記潤滑剤溜り部が前記すべり支承の外
    周部に設けられた潤滑剤補給部に連通していることを特
    徴とする請求項1記載のすべり免震装置。
  3. 【請求項3】 前記四フッ化エチレン系樹脂複合材は、
    四フッ化エチレン系樹脂に、繊維状配合剤、樹脂粉末お
    よび無機化合物粉末から選ばれた少なくとも一つの配合
    剤が配合されてなることを特微とする請求項1または請
    求項2記載のすべり免震装置。
  4. 【請求項4】 前記潤滑剤は、フッ素系油に四フッ化エ
    チレン系樹脂粉末が配合されてなるフッ素グリースであ
    ることを特微とする請求項1、請求項2または請求項3
    記載のすべり免震装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003041800A (ja) * 2001-07-30 2003-02-13 Yokohama Rubber Co Ltd:The 滑り支承
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