JP2001165222A - 制震用オイルダンパー - Google Patents

制震用オイルダンパー

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JP2001165222A
JP2001165222A JP34478299A JP34478299A JP2001165222A JP 2001165222 A JP2001165222 A JP 2001165222A JP 34478299 A JP34478299 A JP 34478299A JP 34478299 A JP34478299 A JP 34478299A JP 2001165222 A JP2001165222 A JP 2001165222A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルブ数を減少して構造の簡素化を図り、信
頼性を高める。 【解決手段】 シリンダーチューブ3内をピストン4で
第1オイル室20と第2オイル室21とに区画し、両オ
イル室間を連通する流路をロッド内に形成するととも
に、該流路の途中にリリーフバルブ2を設け、該リリー
フバルブのスプール23の外周には、第1オイル室に連
通した第1圧力室と第2オイル室に連通した第2圧力室
とを区画する区画大径部50を形成し、区画大径部の外
径を端部大径部の外径よりも大きく設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてビルや橋
梁等の構造物(構築物)に使用する制震用オイルダンパ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】制震用オイルダンパーは、温度・速度に
影響され難くて減衰特性が安定しており、強い制震力の
割に小型であり、経年変化による性能低下が少ないなど
の理由により広く使用されている。この様な利点を有す
る制震用オイルダンパーは、従来、ピストンにより区画
したシリンダーチューブ内の第1オイル室と第2オイル
室とにオイルを封入し、第1オイル室から第2オイル室
にオイルを逃す流路の途中にリリーフバルブやオリフィ
ス等の絞りを設けるとともにチェックバルブを設け、同
様に、第2オイル室から第1オイル室にオイルを逃す流
路の途中にもリリーフバルブやオリフィス等の絞りを設
けるとともにチェックバルブを設け、外力が入力した際
に一方のオイル室から他方のオイル室にオイルが逃げる
ときに発生する絞り抵抗により反力を得る構成を採る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
制震用オイルダンパーは、リリーフバルブやオリフィス
等の絞りとチェックバルブをシリンダーチューブの外部
に設けるので、嵩張ってしまい、小型化が困難である。
また、流路が双方向の2本必要であるために、絞り用の
リリーフバルブも最低2個必要となり、チェックバルブ
も2個必要となり、構造が複雑になるため、故障発生率
も高くなる。
【0004】また、小型化を図るために、ピストン内に
リリーフバルブ等を内蔵することも考えられるが、地震
発生時等の制震に必要とされる大きな減衰特性を得るた
めには、一方向2個以上のリリーフバルブ、すなわち双
方向で4個以上必要となり、構造が一層複雑になってし
まい、このため故障の発生率もさらに高まる。
【0005】さらに、オイルダンパーとの接続に従前の
球面軸受を使用しても、ガタを解消することができず、
このため所定の減衰性能を発揮し難く、応答遅れや異音
等の発生があった。
【0006】本発明は、上記した事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、バルブ数を減少して構造の簡素化
を図ることができ、信頼性の高いコンパクトな制震用オ
イルダンパーを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたもので、請求項1に記載のもの
は、シリンダーチューブ内に、ピストンを途中に固定し
たロッドを進退可能に設けて該ロッドの一方の端部をシ
リンダーチューブの外部に突出させ、上記ピストンによ
り区画された第1オイル室と第2オイル室内にオイルを
封入し、このオイルが第1オイル室と第2オイル室との
間を連通する流路内を移動する際の抵抗により制震力を
得る制震用オイルダンパーにおいて、上記ロッド内に、
上記流路を形成するとともに、該流路の途中にリリーフ
バルブを設け、該リリーフバルブは、筒部内にスプール
を軸方向に移動自在に設け、該スプールの外周には、第
1オイル室に連通した第1圧力室となる第1小径部と第
2オイル室に連通した第2圧力室となる第2小径部を間
に区画大径部を挟んで軸方向に並べて形成し、上記区画
大径部の外径を、上記両小径部の外側に形成した端部大
径部の外径よりも大きく設定し、常態では、区画大径部
が筒部内周面に形成した区画摺動面に重合して第1圧力
室と第2圧力室とを区画するようにスプールを付勢する
スプリングを備えたことを特徴とする制震用オイルダン
パーである。
【0008】請求項2に記載のものは、前記ロッド内に
アキュムレーターを設け、該アキュムレーターによりオ
イルに予圧を与えることを特徴とする請求項1に記載の
制震用オイルダンパーである。
【0009】請求項3に記載のものは、前記スプールの
区画大径部と筒部の区画摺動面との間に微小隙間を形成
したことを特徴とする請求項1または2に記載の制震用
オイルダンパーである。
【0010】請求項4に記載のものは、前記スプールの
区画大径部と筒部の区画摺動面との少なくともいずれか
一方に、オイル逃げ用細溝を形成したことを特徴とする
請求項1または2に記載の制震用オイルダンパーであ
る。
【0011】請求項5に記載のものは、シリンダチュー
ブの端部とロッドの端部との少なくとも一方は、球面軸
受を備え、該球面軸受は、構造物側のブラケットに接続
するテーパーピンと、該テーパーピンが貫通する貫通穴
を有して外周面を凸球面とした球面体と、該球面体の凸
球面に対応した凹球面を有して上記端部の軸受穴内に嵌
装する球面受け部材と、テーパーピンの外周テーパー面
と球面体の貫通穴との間に挿入する楔部材とから構成さ
れていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに
記載の制震用オイルダンパーである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は制震用オイルダンパー1の
断面図、図2はバランスタイプのリリーフバルブ2の断
面図である。
【0013】制震用オイルダンパー(以下、オイルダン
パーという。)1は、シリンダチューブ3と、ピストン
4を途中に固定してシリンダチューブ3内を進退するロ
ッド5と、このロッド5内に設けたリリーフバルブ2と
から概略構成されており、ロッド5とは反対側のシリン
ダチューブ3の端部に取り付けた球面軸受6とシリンダ
チューブ3から突出したロッド5の端部とに取り付けた
球面軸受6を介してビルや橋梁等の構造物に接続して使
用する。なお、球面軸受6については後で詳述する。
【0014】シリンダチューブ3は、筒材10の一方の
開口部に、ロッド5が貫通する穴を有する第1蓋材11
を嵌合し、他方の開口部には、ロッド5の端部が嵌合す
る穴を有する第2蓋材12を嵌合してそれぞれをボルト
13により固定してある。第2蓋材12は、外方に筒部
14を延設し、該筒部14の先端に球面軸受6を設け
る。なお、シリンダチューブ3と第1,第2蓋材11,
12との間、及びロッド5を貫通させる穴にはシール材
15を設けてシールする。
【0015】ロッド5は、一端に球面軸受6を設けた中
空軸であり、長手方向のほぼ中央に、シリンダチューブ
3内を区画するピストン4を固定し、このピストン4の
近傍の両側、すなわち上記球面軸受6側に第1貫通孔1
6を、その反対側に第2貫通孔17をそれぞれ軸中心線
と交叉する方向(本実施形態ではロッド5の半径方向に
6箇所)に穿設し、第1貫通孔16を介して上記球面軸
受6側の第1オイル室20をリリーフバルブ2に、第2
貫通孔17を介して第2オイル室21をリリーフバルブ
2にそれぞれ連通するように構成してある。なお、第1
オイル室20と第2オイル室21は、図1に示すよう
に、ピストン4により区画される。
【0016】また、本実施形態では、球面軸受6とは反
対側に位置するロッド5の端部内にコイルスプリング1
9aとピストン19b等からなるバネ式のアキュムレー
ター19を内蔵し、このアキュムレーター19によりオ
イルに予圧(例えば、1平方cm当たり3Kgf)を与える
ように構成してある。なお、オイルに予圧を与えるアキ
ュムレーター19は、バネ式に限らずガス封入式でもよ
い。
【0017】リリーフバルブ2は、図2に示すように、
ロッド5の中空部内に嵌合する外径の筒部22と、この
筒部22内を軸方向に移動自在に設けたスプール23
と、筒部22の一端に設けられてスプール23を他端側
に付勢する第1スプリング24と、筒部22の他端に設
けられてスプール23を一端側に付勢する第2スプリン
グ25とから概略構成されており、筒部22の一端開口
に固定した第1蓋26により第1スプリング24の基端
を受け止めて第1スプリング24の先端が第1プッシャ
ー27を介してスプール23の一端に当接し、筒部22
の他端開口に固定した第2蓋30により第2スプリング
25の基端を受け止めて第2スプリング25の先端が第
2プッシャー31を介してスプール23の他端に当接す
る。なお、第1スプリング24と第2スプリング25は
同じ強さのコイルスプリングである。
【0018】筒部22の外周面には、長手方向のほぼ中
央に大径部32を形成し、この大径部32を挟んで第1
小径部33と第2小径部34を形成し、第1小径部33
の大径部32側に第1連通孔35を、第2小径部34の
大径部32側に第2連通孔36を径方向に穿設し、ロッ
ド5の中空部内の所定位置に装着した状態でロッド5の
第1貫通孔16が第1小径部33を介して第1連通孔3
5に、第2貫通孔17が第2小径部34を介して第2連
通孔36にそれぞれ連通して流路を構成するようにす
る。なお、前記大径部32、及び第1,第2小径部3
3,34の外側に位置する大径部には、それぞれシール
材37を設けてリークを防止する。
【0019】一方、筒部22の内周面には、長手方向の
ほぼ中央に、スプール23との摺動面となる区画摺動部
40を形成し、この区画摺動部40を挟んで第1圧力室
41の一部となる第1大径窪部42と第2圧力室43の
一部となる第2大径窪部44を形成し、第1大径窪部4
2に前記第1連通孔35が、第2大径窪部44に第2連
通孔36が開口するようにする。また、第1大径窪部4
2の外方(一端側)に、スプール23の一端部分(第1
端部大径部53)との摺動面となる第1小径摺動部45
を形成し、第2大径窪部44の外方(他端側)には、ス
プール23の他端部分(第2端部大径部54)との摺動
面となる第2小径摺動部46を形成した内面段付筒材4
7を嵌合する。そして、両小径摺動部45,46の内径
は、前記区画摺動部40の内径よりも少し小さく設定す
る。
【0020】スプール23は、長手方向のほぼ中央に、
筒部22の区画摺動部40と摺動する区画大径部50を
形成し、この区画大径部50を挟んで第1圧力室41と
なる第1小径部51と第2小径部52を軸方向に並べて
形成し、第1小径部51の外方(一端側)に、筒部22
の第1小径摺動部45と摺動する第1端部大径部53を
形成し、第2小径部52の外方(他端側)に、第2小径
摺動部46と摺動する第2端部大径部54を形成し、上
記区画大径部50の外径を上記第1,第2端部大径部5
3,54の外径よりも大きく設定する。なお、区画大径
部50の幅は、筒部22の区画摺動部40の幅と同じ寸
法に、第1,第2小径部51,52の幅は筒部22の第
1,第2大径窪部42,44の幅と同じ寸法に設定する
ことが望ましい。
【0021】また、スプール23の内部には、アキュム
レーター19により予圧が与えられたオイルを第1圧力
室41から第1オイル室20に補給して負圧の発生を防
止するがその補給とは反対の逆流を阻止する第1チェッ
クバルブ55と、アキュムレーター19により予圧が与
えられたオイルを第2圧力室43から第2オイル室21
に補給して負圧の発生を防止するがその補給とは反対の
逆流を阻止する第2チェックバルブ56を設ける。
【0022】第1チェックバルブ55は、スプール23
の一方の端面から穿設した穴内に装着され、この穴のほ
ぼ中央にリングの弁座部材55aを設け、この弁座部材
55aの孔に穴の奥からスプリング55bの弾性力によ
り弁体である鋼球55cを押し付けて構成されている。
そして、この第1チェックバルブ55を設けた穴は、奥
側が第1補給流路57を介して第1圧力室41から第1
オイル室20に連通し、スプール23の端面側開口が、
第1プッシャー27の中空部や第1コイルスプリング2
4の収納室に連通しているスプール23内の貫通連絡流
路58に連通し、この連絡流路58が第2プッシャー3
1の中空部や第2コイルスプリング25の収納室を介し
て孔30′からアキュムレーター19側に繋がってい
る。
【0023】したがって、第1オイル室20には、連絡
流路58等の前記流路を介してアキュムレーター19の
蓄圧が予圧として作用する。そして、第1オイル室20
内の圧力が低下すると、弁座部材55aを境にして鋼球
55c側の圧力が低くなるので、これにより鋼球55c
がスプリング55b側に僅かに移動して弁座部材55a
の孔を開き、アキュムレーター19の蓄圧が第1オイル
室20に作用し、この第1オイル室20の圧力低下を防
止する。一方、第1オイル室20の圧力が予圧よりも高
くなっても、鋼球55cが弁座部材55aの孔を押し付
けて孔を閉じた状態を維持するので、第1チェックバル
ブ55が第1オイル室20内の圧力を逃すことはない。
【0024】第2チェックバルブ56は、スプール23
の他方の端面から穿設した穴内に装着され、第1チェッ
クバルブ55と同様に、穴のほぼ中央に設けた弁座部材
56aの孔に、穴の奥からスプリング56bの弾性力に
より鋼球56cを押し付けて構成されている。そして、
この第2チェックバルブ56を設けた穴は、奥側が第2
補給流路59を介して第2圧力室43から第2オイル室
21に連通し、スプール23の端面側開口が、第2プッ
シャー31の中空部や第2コイルスプリング25の収納
室を介してアキュムレーター19側に繋がっている。
【0025】したがって、第2オイル室21には、前記
流路を介してアキュムレーター19の蓄圧が予圧として
作用する。そして、第2オイル室21内の圧力が低下す
ると、鋼球56cがスプリング56b側に僅かに移動し
て弁座部材56aの孔を開き、アキュムレーター19の
蓄圧が第2オイル室21に作用し、この第2オイル室2
1の圧力低下を防止する。一方、第2オイル室21の圧
力が予圧よりも高くなっても、鋼球56cが弁座部材5
6aの孔を押し付けて孔を閉じた状態を維持するので、
第2チェックバルブ56が第2オイル室21内の圧力を
逃すことはない。
【0026】上記した構成から成る制震用オイルダンパ
ー1は、外力が入力していない常態においては、第1オ
イル室20内の圧力と第2オイル室21内の圧力とが同
じ圧力(アキュムレーター19による予圧)、すなわち
第1圧力室41内の圧力と第2圧力室43内の圧力も同
じ圧力であり、このためスプール23が中立位置に位置
し、これによりスプール23の区画大径部50が筒部2
2の区画摺動部40の内周面(区画摺動面)に重合して
第1圧力室41と第2圧力室43とを区画している。
【0027】一方、外力が加えられると、例えば地震等
により図1中右側にロッド5を押す方向(ロッド5の縮
み方向)の押し力が加えられると、ピストン4が右側に
移動しようとし、これにより第2オイル室21に圧力が
発生し、この圧力が反力となる。なお、ピストン4が右
側に移動すると、第1オイル室20に負圧が発生しよう
とするが、予圧よりも低下すると、前記第1チェックバ
ルブ55が開いて圧力を補う。
【0028】そして、上記反力が予め設定した圧力(構
造物に多大な負荷を与えてしまい構造物が破壊する可能
性が生じる圧力)に達すると、この設定圧力に応じてス
プール23の区画大径部50を第1,第2端部大径部5
3,54よりも大きく設定してあるので、スプール23
が第1オイル室20側に移動する。すなわち、第2オイ
ル室21の圧力が設定圧力に達すると、第2貫通孔17
等の流路を介して連通している第2圧力室43の圧力も
設定圧力に達して、第2圧力室43の左側の面積(圧力
を受けているスプール23の面積)が右側よりも大きい
ので、この面積の差に設定圧力を乗じた力が第1スプリ
ング24の設定値を越えると、この第1スプリング24
の付勢力に抗してスプール23が左側に移動する。
【0029】なお、設定圧力は、スプール23の区画大
径部50と端部大径部53,54の径の差とスプリング
24,25の強さを適宜選択することにより所望する圧
力に設定することができる。本実施形態では、スプール
23の区画大径部50を外径26.1mm、端部大径部5
3,54の外径を25.0mmとして、設定圧力を37.
4MPa、スプリングの設定値の数値を1.65KNに
設定してある。
【0030】この様にして、スプール23が左側に移動
すると、区画大径部50と区画摺動面との間に隙間が生
じ、この隙間を通じて第2圧力室43からオイルが第1
圧力室41へと逃げる。したがって、第2オイル室21
の圧力が低下し、反力が所定値を越すことを防止し、こ
れにより構造物が破壊することを防止できる。そして、
押し力が除去されると、圧縮された第1スプリング24
の復元力によりスプール23が中立位置に戻る。
【0031】また、図1中左側にロッド5を引く方向
(ロッド5の伸び方向)の引き力が加えられると、ピス
トン4が左側に移動しようとし、これにより第1オイル
室20に圧力が発生し、この圧力が反力となる。なお、
第1オイル室20の圧力は、前記したように、負圧にな
らないようにアキュムレーター19により補償されてい
るので、引き力が作用した際にすぐに圧力が立ち上が
る。したがって、息つき現象の発生を防止できる。
【0032】そして、上記した反力が予め設定した圧力
に達すると、スプール23の区画大径部50が端部大径
部53,54よりも大きいので、スプール23が第2オ
イル室21側に移動する。すなわち、第1オイル室20
の圧力が設定圧力に達すると、これに連通している第1
圧力室41の圧力も設定圧力に達して、第1圧力室41
の右側の面積が左側よりも大きいので、この面積の差に
設定圧力を乗じた力で第2スプリング25の付勢力に抗
してスプール23が右側に移動する。
【0033】この様にして、スプール23が右側に移動
すると、区画大径部50と区画摺動面との間に隙間が生
じ、この隙間を通じて第1圧力室41からオイルが第2
圧力室43へと逃げる。したがって、第1オイル室20
の圧力が低下し、反力が所定値を越すことを防止し、こ
れにより構造物が破壊することを防止できる。そして、
押し力が除去されると、圧縮された第2スプリング25
の復元力によりスプール23が中立位置に戻る。
【0034】また、従来のオイルダンパー1では、ピス
トン4が正規位置からずれて停止した場合、構造物にダ
ンパー自体が外力を掛けてしまい、これが構造物の負荷
として作用する現象が発生したが、本実施形態ではスプ
ール23の区画大径部50と摺動面部との間に微小隙間
(一般的なスプール23の摺動面のクリアランスよりも
大きなクリアランスであり、オイルが通過し得る隙間)
を設けてあるので、停止時にピストン4が正規位置から
ずれて停止したとしても、構造物の復元力によりオイル
を上記微小隙間から逃すことができ、これによりオイル
ダンパー1が構造物に外力を与えないようにしている。
【0035】そして、前記微小隙間を変化させると、小
・中規模地震、台風等の比較的外力が小さい、すなわち
変位速度の遅い時の減衰力を任意の特性に簡単に設定す
ることができる。例えば、スプール23のクリアランス
を0.03〜0.10mmに設定する。
【0036】なお、微小隙間と同様の効果を得るため
に、第1圧力室41と第2圧力室43を結ぶ細い溝(図
示せず)を区画大径部50の外周面あるいは区画摺動部
40の内周面(摺動面)に形成し、この細溝内を通して
オイルを逃してもよい。
【0037】次に、オイルダンパー1の端部(ロッド5
側クレビス)をビルや橋梁等の構造物に接続する球面軸
受6について説明する。球面軸受6は、図4に示すよう
に、ビルや橋梁等の構造物側のブラケット60に接続す
るテーパーピン61と、該テーパーピン61が貫通する
貫通穴を有して外周面を凸球面とした球面体62と、該
球面体62の凸球面に対応した凹球面を有してオイルダ
ンパー1のクレビス1′の軸受穴内に嵌装する球面受け
部材63と、テーパーピン61の外周テーパー面と球面
体62の貫通穴との間に挿入する楔部材64とから概略
構成されている。
【0038】テーパーピン61は、長手方向の中央部分
が最大径であり、この中央部分から両端に向けて次第に
縮径している。このテーパーピン61を貫通する球面体
62は、テーパーピン61を余裕を持って貫通させる貫
通穴を有する略厚肉短尺筒状の部材であり、外周面を凸
球面に成形してある。この球面体62の受けとなる球面
受け部材63は、短尺な厚肉円筒体であり、内周面に、
前記凸球面に対応した、すなわち同じ曲率の凹球面を形
成し、C形止め輪65によりロッドクレビス1′の軸受
穴内に取り付けられる。なお、この球面受け部材63
は、2箇所或いは1箇所カットされているので、球面体
62を嵌めてから軸受穴内に装入し、この後に楔部材6
4を圧入する。この楔部材64は、本実施形態で幅方向
のほぼ中央が肉厚であり、この部分から左右端部に向か
って次第に厚みが減少するカラー材であるが、周方向に
複数に分割したものでもよい。
【0039】この様な構成からなるオイルダンパー1の
端部(ロッドクレビス1′)をビル等の構造物に接続す
るには、本実施形態では球面軸受6を介して接続する。
このためには、予め球面受け部材63と球面体62をロ
ッドクレビス1′の軸受穴に取り付けておき、この状態
で構造物側のブラケット60の間に差し込んで球面体6
2の貫通穴とブラケット60の接続穴とを連通し、この
状態でテーパーピン61を挿入する。そして、テーパー
ピン61と貫通穴との間に楔部材64の内側テーパー部
分(楔部分)を左右から差し込んでからテーパーピン6
1の端面に第1フランジ材66をそれぞれ当接して第1
フランジ材66の鍔部67を楔部材64の後端に当接
し、この状態で第1フランジ材66の中心に開設されて
いる孔内にボルト69を挿入する。この左右のボルト6
9をテーパーピン61の雌ねじ孔内に締め込むと、各第
1フランジ材66が楔部材64を後方から押圧するの
で、各楔部材64が前進し、これによりテーパーピン6
1と球面体62の貫通穴との間の隙間(ガタ)を無くす
ことができる。そして、さらにボルト69を締め込む
と、楔効果により球面体62が拡張されて凸球面と凹球
面との間の隙間も無くすことができる。
【0040】また、各ブラケット60の接続穴と各楔部
材64の外側テーパー部分(楔部分)との隙間にカラー
状の副楔部材70をそれぞれ挿入し、中心部分が開口し
た第2フランジ材71を当てがって副楔部材70の後端
に当接し、この状態で第2フランジ材71に開口した穴
内にボルト72を挿入してブラケット60の雌ねじ孔に
螺合する。このボルト72をほぼ均等に締め込むと、第
2フランジ材71が副楔部材70を後方から押圧するの
で、各副楔部材70が前進し、これによりブラケット6
0の接続穴とテーパーピン61との間の隙間(ガタ)を
無くすことができる。
【0041】この様に、球面軸受6を介して接続する
と、接続部分のガタが無い状態、具体的には構造物側の
ブラケット60とテーパーピン61との間、テーパーピ
ン61と球面体62との間、及び球面体62と球面受け
部材63との間の隙間を無くすことができる。したがっ
て、微小隙間が累積してガタを解消することができず、
これによりオイルダンパーが作動する際に所定の減衰性
能が発揮されなかったという従来の欠点を解消すること
ができる。すなわち、前記実施形態のオイルダンパー1
であれば、接続部分にガタが無いので、オイルダンパー
1が作動した際に減衰性能を十分に発揮することがで
き、応答の遅れや異音等の発生を防止することができ
る。勿論、地震等により構造物の揺れ方向が変化して
も、球面軸受6なので対処し得る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、以
下の効果を奏する。請求項1の発明によれば、第1オイ
ル室と第2オイル室を連通する流路をロッド内に形成す
るとともに、ロッド内にリリーフバルブを設けたので、
外部にバルブを設ける必要がなくなってコンパクト化が
容易であり、しかも構造が簡単なバルブを1つ設けるだ
けなので、構造の簡素化を図ることができる。したがっ
て、信頼性を向上させることができ、また、応答性も向
上する。
【0043】請求項2の発明によれば、ロッド内にアキ
ュムレーター19を設け、該アキュムレーターによりオ
イルに予圧を与えるので、息つき現象の発生を抑制する
ことができ、初期応答性を向上することができる。ま
た、オイルの温度変化による体積変化に対応することが
でき、季節の変化に拘らず安定した制震力を発揮するこ
とができる。
【0044】請求項3および4の発明によれば、ピスト
ンが正規の位置からずれて停止した場合であっても、微
小隙間や細溝を通して逃すことができるので、オイルダ
ンパー自体が構造物に負荷を与えることを防止できる。
また、微小隙間や細溝を変化させることにより、変位速
度の遅い外力に対する減衰力の特性を任意に設定するこ
とができる。
【0045】請求項5の発明によれば、構造物との接続
部分のガタを無くすことができるので、オイルダンパー
が作動した際に減衰性能を十分に発揮することができ、
応答の遅れや異音等の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制震用オイルダンパーの断面図で
ある。
【図2】リリーフバルブの断面図である。
【図3】減衰特性を示す説明図である。
【図4】球面軸受の断面図である。
【図5】片半を断面とした球面軸受の側面図である。
【符号の説明】
1 制震用オイルダンパー 2 リリーフバルブ 3 シリンダチューブ 4 ピストン 5 ロッド 6 球面軸受 10 筒材 11 第1蓋材 12 第2蓋材 13 ボルト 14 筒部 15 シール材 16 第1貫通孔 17 第2貫通孔 19 アキュムレーター 20 第1オイル室 21 第2オイル室 22 筒部 23 スプール 24 第1スプリング 25 第2スプリング 26 第1蓋 27 第1プッシャー 30 第2蓋 31 第2プッシャー 32 大径部 33 第1小径部 34 第2小径部 35 第1連通孔 36 第2連通孔 37 シール材 40 区画摺動部 41 第1圧力室 42 第1大径窪部 43 第2圧力室 44 第2大径窪部 45 第1小径摺動部 46 第2小径摺動部 47 筒材 50 区画大径部 51 第1小径部 52 第2小径部 53 第1端部大径部 54 第2端部大径部 55 第1チェックバルブ 56 第2チェックバルブ 57 第1補給流路 58 連絡流路 59 第2補給流路 60 ブラケット 61 テーパーピン 62 球面体 63 球面受け部材 64 楔部材 65 C形止め輪 66 第1フランジ材 67 鍔部 69 ボルト 70 副楔部材 71 第2フランジ材 72 ボルト

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダーチューブ内に、ピストンを途
    中に固定したロッドを進退可能に設けて該ロッドの一方
    の端部をシリンダーチューブの外部に突出させ、上記ピ
    ストンにより区画された第1オイル室と第2オイル室内
    にオイルを封入し、このオイルが第1オイル室と第2オ
    イル室との間を連通する流路内を移動する際の抵抗によ
    り制震力を得る制震用オイルダンパーにおいて、 上記ロッド内に、上記流路を形成するとともに、該流路
    の途中にリリーフバルブを設け、 該リリーフバルブは、筒部内にスプールを軸方向に移動
    自在に設け、該スプールの外周には、第1オイル室に連
    通した第1圧力室となる第1小径部と第2オイル室に連
    通した第2圧力室となる第2小径部を間に区画大径部を
    挟んで軸方向に並べて形成し、上記区画大径部の外径
    を、上記両小径部の外側に形成した端部大径部の外径よ
    りも大きく設定し、 常態では、区画大径部が筒部内周面に形成した区画摺動
    面に重合して第1圧力室と第2圧力室とを区画するよう
    にスプールを付勢するスプリングを備えたことを特徴と
    する制震用オイルダンパー。
  2. 【請求項2】 前記ロッド内にアキュムレーターを設
    け、該アキュムレーターによりオイルに予圧を与えるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の制震用オイルダンパ
    ー。
  3. 【請求項3】 前記スプールの区画大径部と筒部の区画
    摺動面との間に微小隙間を形成したことを特徴とする請
    求項1または2に記載の制震用オイルダンパー。
  4. 【請求項4】 前記スプールの区画大径部と筒部の区画
    摺動面との少なくともいずれか一方に、オイル逃げ用細
    溝を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載
    の制震用オイルダンパー。
  5. 【請求項5】 シリンダチューブの端部とロッドの端部
    との少なくとも一方は、球面軸受を備え、 該球面軸受は、構造物側のブラケットに接続するテーパ
    ーピンと、該テーパーピンが貫通する貫通穴を有して外
    周面を凸球面とした球面体と、該球面体の凸球面に対応
    した凹球面を有して上記端部の軸受穴内に嵌装する球面
    受け部材と、テーパーピンの外周テーパー面と球面体の
    貫通穴との間に挿入する楔部材とから構成されているこ
    とを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の制震
    用オイルダンパー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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