JP2001163836A - (2s,3s)−2−ヒドロキシ−3−ニトロ−4−フェニル酪酸、その製造方法、およびエリトロ形2−ヒドロキシ−3−ニトロ−4−フェニル酪酸の光学分割方法 - Google Patents

(2s,3s)−2−ヒドロキシ−3−ニトロ−4−フェニル酪酸、その製造方法、およびエリトロ形2−ヒドロキシ−3−ニトロ−4−フェニル酪酸の光学分割方法

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Tetsuya Shintaku
哲也 新宅
Masahide Tanaka
正英 田中
Nobushige Itaya
信重 板谷
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Sumika Fine Chemicals Co Ltd
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C205/00Compounds containing nitro groups bound to a carbon skeleton
    • C07C205/49Compounds containing nitro groups bound to a carbon skeleton the carbon skeleton being further substituted by carboxyl groups
    • C07C205/50Compounds containing nitro groups bound to a carbon skeleton the carbon skeleton being further substituted by carboxyl groups having nitro groups and carboxyl groups bound to acyclic carbon atoms of the carbon skeleton
    • C07C205/53Compounds containing nitro groups bound to a carbon skeleton the carbon skeleton being further substituted by carboxyl groups having nitro groups and carboxyl groups bound to acyclic carbon atoms of the carbon skeleton the carbon skeleton containing six-membered aromatic rings

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エリトロ形2−ヒドロキシ−3−ニトロ−4
−フェニル酪酸の光学分割方法、および(2S,3S)
の立体配置を有する該酪酸とその製造方法を提供する。 【解決手段】 エリトロ形2−ヒドロキシ−3−ニトロ
−4−フェニル酪酸の2種のエナンチオマー混合物に、
光学活性α−メチルベンジルアミンを作用させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、HIVプロテアー
ゼインヒビターであるJE−2147などの有用な医薬
品の中間体である(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3
−ニトロ−4−フェニル酪酸、その製造方法、およびエ
リトロ形2−ヒドロキシ−3−ニトロ−4−フェニル酪
酸の光学分割方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2−ヒドロキシ−3−ニトロ−4−フェ
ニル酪酸は、2個の不斉炭素原子を有しており、そのた
め4つの光学異性体が存在する。4つの光学異性体とし
ては、(2R,3S)体、(2S,3R)体、(2S,
3S)体、および(2R,3R)体が挙げられ、前から
2つをトレオ形、残りの2つをエリトロ形という。
【0003】このうち、エリトロ形(2S,3S)−2
−ヒドロキシ−3−ニトロ−4−フェニル酪酸(以下、
(2S,3S)体と略す)は、例えば
【0004】
【化1】
【0005】で表されるHIVプロテアーゼインヒビタ
ーであるJE−2147の中間体として有用である。こ
れまで、JE−2147は、2−ヒドロキシ−3−ニト
ロ−4−フェニル酪酸(ニトロ体ともいう)を還元して
得られた3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪
酸(アミノ体ともいう)から(2S,3S)の立体配置
を有するもののみを分離し、これを用いて製造されてい
る。しかしながら、還元する前の状態、つまりニトロ体
においてその(2S,3S)体のみを分離し、その立体
配置を保持したまま還元して得た(2S,3S)−アミ
ノ体を用いる方法によりJE−2147を製造した報告
はこれまでにない。
【0006】また、これまで、2−ヒドロキシ−3−ニ
トロ−4−フェニル酪酸のジアステレオマー混合物の単
離方法が特開平7−165678号公報で開示されてい
るが、(2S,3S)体を単離する方法については報告
されていない。そこで本発明者らは、この新しいJE−
2147の製造方法を着想し、これまで単離されたこと
のなかった(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−ニト
ロ−4−フェニル酪酸を提供することを試みた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は新規な(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−ニトロ
−4−フェニル酪酸を提供することである。さらに、本
発明のその他の目的は工業規模で行うことができる、新
規な(2S,3S)体の製造方法、およびエリトロ形2
−ヒドロキシ−3−ニトロ−4−フェニル酪酸の光学分
割方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究を行った結果、光学活性α−メ
チルベンジルアミンを用いることにより、エリトロ形2
−ヒドロキシ−3−ニトロ−4−フェニル酪酸を光学分
割でき、これによって(2S,3S)体を製造できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、(1)(2S,3S)−
2−ヒドロキシ−3−ニトロ−4−フェニル酪酸、
(2)エリトロ形2−ヒドロキシ−3−ニトロ−4−フ
ェニル酪酸の2種のエナンチオマー混合物に、光学活性
α−メチルベンジルアミンを作用させることを含むこと
を特徴とする、エリトロ形2−ヒドロキシ−3−ニトロ
−4−フェニル酪酸の光学分割方法、(3)光学活性α
−メチルベンジルアミンが(R)−(+)−α−メチル
ベンジルアミンである上記(2)の光学分割方法、
(4)エリトロ形2−ヒドロキシ−3−ニトロ−4−フ
ェニル酪酸の2種のエナンチオマー混合物に、光学活性
α−メチルベンジルアミンを作用させることを含むこと
を特徴とする、(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−
ニトロ−4−フェニル酪酸の製造方法、および(5)光
学活性α−メチルベンジルアミンが(R)−(+)−α
−メチルベンジルアミンである上記(4)の製造方法に
関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
エリトロ形2−ヒドロキシ−3−ニトロ−4−フェニル
酪酸(以下、酪酸化合物と略す)の光学分割および(2
S,3S)体の製造は、酪酸化合物の2種のエナンチオ
マー((2S,3S)体および(2R,3R)体)混合
物に光学活性α−メチルベンジルアミンを作用させるこ
とを含む方法により、工業規模で行うことができる。具
体的には、溶媒中、エリトロ形酪酸化合物の2種のエナ
ンチオマー混合物に光学活性α−メチルベンジルアミン
を加えて、混合物中の一方のエナンチオマーのα−メチ
ルベンジルアミン塩を沈澱させて単離し、酸性化合物で
中和することにより、それぞれ行うことができる。
【0011】本発明で使用する溶媒としては、光学分割
および反応を阻害しない溶媒であれば特に限定はなく、
例えばトルエンとメタノールとの混合溶媒が好ましく、
その体積比(トルエン:メタノール)は通常10:1〜
10:1.8の範囲であり、好ましくは10:1.2〜
10:1.5の範囲である。溶媒の使用量は、使用する
酪酸化合物1gに対して、通常1ml以上、好ましくは
10ml〜30mlである。
【0012】(2S,3S)体を分割および製造する場
合には、光学活性α−メチルベンジルアミンとして
(R)−(+)−α−メチルベンジルアミンを用い、逆
に、(2R,3R)体を分割および製造する場合には、
光学活性α‐メチルベンジルアミンとして(S)−
(−)−α−メチルベンジルアミンを用いる。本発明に
おける光学活性α−メチルベンジルアミンの使用量は、
使用する酪酸化合物1モルに対して、通常0.9〜1.
5モル、経済面から1.0〜1.1モルが好ましい。
【0013】本発明における光学分割および処理温度
は、通常40〜70℃、好ましくは50〜60℃であ
り、光学分割および反応時間は特に限定されず、経済性
の観点から10分〜2時間が好ましい。
【0014】沈澱した一方のエナンチオマーのα−メチ
ルベンジルアミン塩は、必要に応じて芳香族系溶媒(例
えば、トルエン、クロロベンゼンなど)で再結晶しても
よい。その後、酸性化合物(例えば、塩酸など)により
中和し、次いで通常の分液操作を行うことにより、目的
物を得ることができる。
【0015】本発明により得られた光学活性な酪酸化合
物のうち、例えばJournalof Medicin
al Chemistry,1999,Vol.42,
1789−1802記載の方法に準じて、(2S,3
S)体からHIVプロテアーゼインヒビターであるJE
−2147を誘導することができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0017】実施例1 エリトロ形2−ヒドロキシ−3−ニトロ−4−フェニル
酪酸0.35g(1.33mmol)をメタノール0.
7mlに溶解し、(R)−(+)−α−メチルベンジル
アミン0.18g(1.32mmol)を加えた。その
後、トルエン5mlを加え、60℃まで加温し、10分
間攪拌した。攪拌後、濾過により塩をろ別し、これを5
N−塩酸10mlと酢酸エチル10mlが存在している
別の容器に添加した。分液後、飽和食塩水10mlで有
機層を洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後、
減圧濃縮してエリトロ形(2S,3S)−2−ヒドロキ
シ−3−ニトロ−4−フェニル酪酸0.07g(0.2
7mmol)を得た。得られた化合物が、(2S,3
S)の立体配置を有していることは、以下の物性から確
認された。
【0018】IR(neat)ν(cm-1):341
6,1744,1555,13701 H−NMR(CDCl3)δ(ppm):7.33−
7.16(m,5H)、5.06(ddd,1H,J=
3.4,8.3,6.8Hz)、4.73(d,1H,
J=3.4Hz)、3.52(dd,1H,J=8.
3,14.6Hz)、3.29(dd,1H,J=6.
8,14.6Hz)[α]20 D=−16.00(c=
0.08,MeOH) 純度(光学活性HPLC):100% 光学活性HPLC:保持時間 24.225分 分析条件:カラム TSKgel ENANTIO L
1 カラムサイズ 4.6mmID × 25cm 溶離液 0.1mM−CuSO4水溶液:MeOH=9
5:5(v/v) 温度 25℃ 流速 0.36ml/分 検出器 254nm 注入量 2μl
【0019】
【発明の効果】本発明の方法により、エリトロ形酪酸化
合物の光学分割および(2S,3S)体の製造を、工業
的に行うことができる。本発明により得られた純粋な
(2S,3S)体から、医薬品などを誘導することがで
きる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07M 7:00 C07M 7:00 (72)発明者 板谷 信重 大阪市西淀川区歌島3丁目1番21号 住化 ファインケム株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AB84 AC83

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−
    ニトロ−4−フェニル酪酸。
  2. 【請求項2】 エリトロ形2−ヒドロキシ−3−ニトロ
    −4−フェニル酪酸の2種のエナンチオマー混合物に、
    光学活性α−メチルベンジルアミンを作用させることを
    含むことを特徴とする、エリトロ形2−ヒドロキシ−3
    −ニトロ−4−フェニル酪酸の光学分割方法。
  3. 【請求項3】 光学活性α−メチルベンジルアミンが
    (R)−(+)−α−メチルベンジルアミンである請求
    項2記載の光学分割方法。
  4. 【請求項4】 エリトロ形2−ヒドロキシ−3−ニトロ
    −4−フェニル酪酸の2種のエナンチオマー混合物に、
    光学活性α−メチルベンジルアミンを作用させることを
    含むことを特徴とする、(2S,3S)−2−ヒドロキ
    シ−3−ニトロ−4−フェニル酪酸の製造方法。
  5. 【請求項5】 光学活性α−メチルベンジルアミンが
    (R)−(+)−α−メチルベンジルアミンである請求
    項4記載の製造方法。
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