JP2001162446A - ワイヤ放電加工の制御方法 - Google Patents

ワイヤ放電加工の制御方法

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JP2001162446A
JP2001162446A JP35358599A JP35358599A JP2001162446A JP 2001162446 A JP2001162446 A JP 2001162446A JP 35358599 A JP35358599 A JP 35358599A JP 35358599 A JP35358599 A JP 35358599A JP 2001162446 A JP2001162446 A JP 2001162446A
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machining
path
electric discharge
intersection
arc
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JP35358599A
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English (en)
Inventor
Yuji Fukuzaki
裕二 福崎
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Seibu Electric and Machinery Co Ltd
Original Assignee
Seibu Electric and Machinery Co Ltd
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤ電極が辿る速度ベクトルが変化する加
工経路に対する加工条件を、加工経路の円弧半径を変数
とする関数によって決定することにより、放電加工にお
ける形状だれや加工残し量を抑える放電加工の加工方法
を提供する。 【構成】 二つの直線状加工区間61,62を接続する
交差角度α1 を有する交点51での加工速度V2 は、直
線状加工区間61における交点51の手前のアプローチ
範囲61bに到達したときに、交点51の接続態様に応
じて直線状加工区間61における加工速度V1 より遅い
加工速度に設定される。アプローチ範囲61b及び交点
51は、加工速度V2 で加工されるので、ワイヤ電極の
加工軌跡に沿った移動の応答遅れによって、放電加工に
おける形状だれを抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工作物をワイヤ
電極と工作物との間に発生される放電現象によって放電
加工するワイヤ放電加工において、ワイヤ電極が加工経
路に含まれる円弧状加工経路に沿って放電加工を施すと
きに円弧状加工経路に経路の形状に応じて生じる形状だ
れを改善するワイヤ放電加工の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤ放電加工は、ワイヤ電極と工作物
との間に放電現象を発生させて、超硬合金や焼入鋼等の
工作物を切抜き加工する工作方法である。放電加工を開
始する際には、ワイヤ電極は工作物に穿孔したスタート
ホールに予め挿通され、ワイヤ放電加工中には、ワイヤ
電極は、常に工作物の放電加工部位に供給される。放電
加工される工作物は、通常、加工槽内の加工液中に浸漬
された状態で、ワークテーブル上にクランプによって固
定されている。
【0003】従来、ワイヤ電極を用いた放電加工は、図
10に示すようなワイヤ放電加工機によって行われてい
る。図10に示したワイヤ放電加工機は、加工液が浸さ
れた加工槽内において、工作物8に対してワイヤ電極1
によって所定の加工形状にワイヤ放電加工を行う浸漬式
ワイヤ放電加工機である。ワイヤ放電加工機において、
加工液の水面上に配置されるヘッド10に自動ワイヤ供
給装置等が設けられている。また、工作物8は、サーボ
モータによってサーボ機能で作動されるクロススライド
(図示せず)上に取り付けられたワークテーブル21上
にクランプ22によって固定される。ワイヤ放電加工機
のヘッド10の上部には、自動ワイヤ供給装置を構成す
る支持本体9が取り付けられ、また、ヘッド10の下部
には、上ワイヤヘッド6を取り付けた支持体23、並び
に供給パイプ5及びワイヤ電極1をガイドするローラ1
8等を取り付けた支持体24が固定されている。支持本
体9と支持体24との間には、一対のガイドロッド3が
配設されている。これらのガイドロッド3には、保持体
20が上下方向に摺動可能に取り付けられている。
【0004】保持体20には、ワイヤ電極1をガイドす
る供給パイプ5が固定され、給電ピン等が付設された一
対のアニールローラ4、パイプホルダ13等が取り付け
られている。一対のアニールローラ4は、保持体20に
送り込まれたワイヤ電極1を挟持して供給パイプ5、工
作物8に穿孔されたスタートホール26へと送り込む機
能を有している。支持本体9には方向変換ローラ7及び
フェルトブレーキローラ11が取り付けられており、ワ
イヤ電極1に所定のテンションが付与された状態でワイ
ヤ電極1は供給パイプ5に送り込まれる。また、ヘッド
10に取り付けられた支持体24には、供給パイプ5の
摺動運動をスムースにするために、スライドレール14
が固定されている。支持体24において、該スライドレ
ール14の下方に近接してカッタ16が設置されてい
る。
【0005】ヘッド10に固定した支持体24におい
て、カッタ16の下方には、給電ピン及びワイヤ電極1
をガイドする一対のコモンローラ15が配設されてい
る。また、支持体24の下面に近接し且つヘッド10に
固定された支持体23には、ワイヤ電極1のガイドを行
うローラ18、供給パイプ5の先端部が下方へ降下する
場合に必要以上降下するのを阻止するためのパイプスト
ッパ17、及び上ワイヤヘッド6が取り付けられてい
る。上ワイヤヘッド6については、詳細に示されていな
いが、従来と同様に、ワイヤ送出口6A、ダイスガイ
ド、噴流ノズル、給電子、給電子押え等が組み込まれて
いるものである。また、このワイヤ放電加工機には、上
ワイヤヘッド6に対向して下ワイヤヘッド2が設けられ
ており、該下ワイヤヘッド2の下流側にワイヤ電極1を
引き出して該ワイヤ電極1を緊張状態にする一対の引出
しローラ29が設けられている。また、下ワイヤヘッド
2には、ワイヤ電極1が下ワイヤヘッド2に挿通されて
いることを検出するセンサ28が設けられている。
【0006】ところで、ワイヤ電極によって工作物に加
工する加工形状は、通常、直線状加工経路や円弧状加工
経路を交点(コーナ部)で接続した複雑な加工経路から
成る形状を有しており、交差するコーナ角度も急な角度
から滑らかな角度まで、多種多様である。特に、コーナ
部の放電加工においては、シャープな角度を持った屈曲
部や屈折部の加工が困難である。即ち、円弧部や交点の
ような加工速度ベクトルが時間と共に変化している加工
部分では、ワイヤ電極の遅れによって、実際の加工経路
は目標となるアール(ダイスガイドの軌跡)よりも曲率
半径の大きなアールを形成する加工形状となり、コーナ
部の内側部分にはだれ(図1において、例示としてHで
示す部分を参照)を生じやすく、コーナ部の外側部分に
は加工残しを生じやすい。
【0007】予め工作物の内側コーナ部に切込みを入れ
るワイヤ放電加工においては、各コーナ部毎にコーナ部
の切込みのためのプログラムを追加作成する必要があ
る。加工形状が複雑になりコーナ部の数が増加すると、
追加するプログラムのためには多大な手間、労力及び時
間を要する。そこで、ワイヤ放電加工が加工図形に含ま
れている所定角度以上に屈折する内側コーナに達した
時、ワイヤ線形補正を行うことなく、工作物に対する所
定の加工形状に伴うプログラムによるワイヤ放電加工を
一旦中断し、引き続いて、NC装置に組み込んだプログ
ラムにより決定される内側コーナに必要最小限のコーナ
切込み加工を施し、相手側製品がワイヤ放電加工によっ
て形成された工作物の加工孔にスムーズに挿入嵌合でき
るにようにしたワイヤ放電加工方法が提案されている
(特許第2715116号明細書)。
【0008】また、所定の加工図形に屈折部、屈曲部等
のコーナが存在する場合に、コーナの前後の微小距離に
おいて加工条件を変更して、放電加工を行った屈折部、
屈曲部等のコーナの加工形状を予め設定されたプログラ
ム通りに正確に且つ迅速に放電加工をすることが提案さ
れている(特許第2571077号明細書)。加工条件
の変更としては、例えば、ワイヤ電極のワイヤの張力を
変更してワイヤの撓みの発生を防止したり、加工速度を
低下して所望の加工速度に調整したり、パルス休止時間
を増加することが挙げられる。この提案によれば、コー
ナの前後の微小距離において、加工条件を0.005m
m〜0.1mm程度の移動距離毎に複数段にわたって段
階的に継続して変更するので、コーナの前後におけるワ
イヤ電極のワイヤの撓み量を少なくし、その結果、コー
ナ部での食込み量及び加工残り量を少なくして、工作物
を予め設定されたプログラム通りに高精度の形状に加工
することを図っている。
【0009】上記のように、ワイヤ電極による放電加工
においては、コーナ部や円弧部のように、ワイヤ電極が
工作物に対する加工経路を辿る速度ベクトル(方向及び
速さの少なくとも一方又は両方)が時間と共に変化する
部分では、ダイスガイドの軌跡(目標加工経路)と工作
物における実際の加工部分の軌跡とは、ワイヤ電極の応
答遅れだけ、ずれ(即ち、だれ)を生じ、その分工作物
の加工形状がだれたり加工残しを生じる現象が起こりや
すい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、工作物の目標
加工経路に沿って行うべき放電加工においては、ワイヤ
電極の移動速度を勘案して、ワイヤ電極が加工経路を辿
る速度ベクトルが変化する部分で、ワイヤ電極の加工経
路に対する移動遅れを生じないよう、加工条件を制御す
ることが望まれる。
【0011】
【課題を解決するため手段】この発明の目的は、上記の
課題を解決することであり、工作物とワイヤ電極との間
に発生する放電現象によって工作物を加工する放電加工
において、円弧状の加工経路や、直線状又は円弧状の加
工経路が交差する交点である場合等の、ワイヤ電極が加
工経路を辿る速度ベクトルが変化する場合には、放電加
工の加工条件を円弧状加工経路の円弧半径を関数とする
予め定められた関数によって決定することにより、放電
加工による加工形状のだれ量や加工残し量を所定の範囲
内に抑えることを可能にする放電加工の制御方法を提供
することである。
【0012】この発明は、上記目的を達成するため、次
のように構成されている。即ち、この発明は、工作物と
前記工作物の放電加工部位に挿通されたワイヤ電極との
間で発生される放電現象によって前記工作物に加工経路
に沿って放電加工を施すワイヤ放電加工において、前記
ワイヤ電極が前記加工経路に含まれる円弧状加工経路に
沿って放電加工を施すときに前記円弧状加工経路に経路
の形状に応じて生じる形状だれを改善するため、前記ワ
イヤ電極が前記円弧状加工経路の前記放電加工部位に施
す放電加工の加工条件を前記円弧状加工経路の円弧半径
を変数とする関数に基づいて算出することを特徴とする
ワイヤ放電加工の制御方法に関する。
【0013】このワイヤ放電加工の制御方法によれば、
加工経路に含まれる円弧状加工経路に沿って放電加工を
施すときに、ワイヤ電極が円弧状加工経路の放電加工部
位に施す放電加工の加工条件を、円弧状加工経路の円弧
半径を変数とする関数に基づいて算出しているので、円
弧状加工経路に経路の形状に応じて生じる形状だれのが
厳密に管理され、加工誤差がユーザによって指定される
範囲に抑えることが可能になる。この発明による放電加
工における加工条件の制御は、充分な長さの直線状の加
工経路については、ユーザが指定した加工条件で行われ
るが、円弧部から成る加工経路のようにワイヤ電極の速
度ベクトルが変化する領域に対する放電加工について
は、加工だれ量が所定の値に納まるように、交点の接続
形態と実験的に求められている実験式とに基づいて加工
条件が決定される。
【0014】このワイヤ放電加工の制御方法において、
前記加工経路は、一つ又は複数の前記円弧状加工経路と
一つ又は複数の直線状加工経路とを交点を介して接続し
て形成されている。円弧状加工経路については、円弧半
径や円弧長さがそれぞれ同じ又は異なっていてもよく、
直線状加工経路については、長さがそれぞれ同じ又は異
なっていてもよい。直線状又は円弧状の加工経路の交点
とその前後の範囲の加工経路のようにワイヤ電極の速度
ベクトルが変化する領域に対する放電加工についても、
加工だれ量が所定の値に納まるように、実験式とに基づ
いて加工条件が決定される。即ち、このワイヤ放電加工
の制御方法は、加工経路に円弧状加工経路が含まれてお
れば、円弧状加工経路の円弧半径は異なっていてもよ
い。各交点を介して接続する加工経路については、円弧
半径が同じ又は異なる円弧状加工経路同士、円弧状加工
経路から直線状加工経路、直線状加工経路から円弧状加
工経路、又は直線状加工経路同士を接続する4つのパタ
ーンがある。
【0015】前記交点における前記加工条件は、前記交
点において交差する微小長さ及び交差するコーナ角度と
に対応する換算円弧半径を求め、前記関数において前記
変数である前記円弧半径として前記換算円弧半径を用い
ることによって算出される。即ち、交点における放電加
工の加工条件は、換算円弧半径によって、円弧状加工経
路の場合と同様に行うことが可能になる。
【0016】前記円弧状加工経路が前記直線状加工経路
又は別の前記円弧状加工経路と接続されている場合、前
記放電加工条件が算出される対象となる前記加工経路に
は、前記円弧状加工経路に対するアプローチ範囲として
前記交点に隣接する前記直線状加工経路又は前記別の円
弧状加工経路の一部が含まれる。即ち、交点の前後の範
囲については、加工条件を変化させたときのワイヤ断線
や加工キズを防止するために、加工条件を段階的に変更
するのに必要且つ充分な範囲とされる。円弧状加工経路
に対する加工条件の制御は、交点に隣接する直線状加工
経路又は別の円弧状加工経路の一部を含む範囲において
行われ、円弧状加工経路の加工に先立って、又は円弧状
加工経路の加工後に段階的に加工条件が変更される。
【0017】前記ワイヤ電極が放電加工中に前記交点手
前に設けられている前記アプローチ範囲に到達したこと
を検出し、前記交点の交差態様に基づいて前記アプロー
チ範囲における前記ワイヤ電極のアプローチ加工条件を
設定し、前記工作物の前記アプローチ範囲を前記アプロ
ーチ加工条件で放電加工し、前記ワイヤ電極が前記交点
に到達したことを検出し、前記交点後の前記加工経路の
経路態様に応じて前記交点後の前記加工経路における前
記ワイヤ電極の経路加工条件を設定し、前記工作物の前
記加工経路を設定された前記経路加工条件で放電加工す
る。このワイヤ放電加工の制御方法によれば、ワイヤ電
極の加工経路に沿った加工速度については、加工経路が
変化する交点に到達する前の所定のアプローチ範囲にお
ける加工速度が交点での加工経路の交差態様に応じて決
定され、ワイヤ電極は、交点に到達する前のアプローチ
範囲において既に決定された加工速度で加工経路に沿っ
て進行し、その加工速度で交点を通過する。従って、ワ
イヤ電極が交点を通過するときには、既に加工経路の交
差態様に対応した最適な加工速度に制御された状態とな
っているので、交点を通過するときに、ワイヤ電極が目
標加工経路から外れる応答遅れを生じることがなく、目
標の加工経路に従ったシャープな加工経路を描くことが
可能となる。
【0018】前記経路加工条件は、前記加工経路が前記
直線状加工経路である場合には高速加工条件であり、前
記加工経路が前記円弧状加工経路である場合には中速加
工条件である。加工経路が直線状加工経路である場合に
は、ワイヤ電極は円弧状や屈折した形状の加工経路を通
過するときのような移動遅れを生じる虞れはないので、
経路加工条件としては、放電加工機が出すことのできる
最高加工速度の相当するような高速加工条件に設定する
ことが可能である。加工経路が円弧加工経路である場合
には、円弧の曲率の大きさにも依存するが、中速加工条
件に設定することが可能である。
【0019】前記交点の前記交差態様が急激なコーナ角
度を持つ交差態様である場合には、前記アプローチ加工
条件は低速加工条件に設定される。即ち、低速加工条件
でコーナ部を回ることによって、コーナ部でダレが生じ
ることを極力回避することが可能になる。
【0020】前記交点の前記交差態様が滑らかな交差態
様である場合には、前記アプローチ加工条件は、前記交
点前の前記加工経路における前記経路加工条件と、前記
交点後の前記加工経路における前記経路加工条件とのう
ち、低速の方の前記経路加工条件に設定される。即ち、
交点の交差態様が滑らかな場合には、特に、ワイヤ電極
の加工速度を低下させる必要がないので、交点前後の各
加工経路における経路加工条件のうち、低速の方の経路
加工条件に設定され、交点とその前後における迅速な放
電加工が行われる。
【0021】前記放電加工の前記加工条件は、前記ワイ
ヤ電極が単位時間当たりに放出する放電加工エネルギで
ある。また、前記放電加工の前記加工条件は、前記ワイ
ヤ電極に流れる電流値、及び前記ワイヤ電極の前記加工
経路に対する位置フィードバック制御における制御ゲイ
ンである。
【0022】前記関数は、前記ワイヤ電極に流れる電流
値をパラメータとして、前記加工経路の前記円弧半径に
対する前記形状だれ量との関係を予め実験をすることに
よって得られたデータから求めた関数である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明によるワイヤ放電加工の制御方法の実施例について
説明する。図1はこの発明によるワイヤ放電加工の制御
方法が適用される加工経路を説明する説明図、図2は形
状だれ量とワイヤ中心経路円弧半径との間の実験式を示
すグラフである。
【0024】ワイヤ放電加工機の構造とそのワイヤ放電
加工機に基づく基本的な加工方法自体については、図1
0に示した浸漬式ワイヤ放電加工機の場合と同様である
ので、再度の説明を省略する。図1は、放電加工を行う
ワイヤ電極が描く一巡する加工経路30を示している。
加工経路30は、スタートホール31から、直線状の連
絡区間41を経て折曲がり状のコーナ制御区間32、直
線状加工経路42、折曲がり状のコーナ制御区間33、
直線状加工経路43、円弧状のコーナ制御区間34、直
線状加工経路44、折曲がり状のコーナ制御区間35、
直線状加工経路45、円弧状のコーナ制御区間36、直
線状加工経路46、折曲がり状のコーナ制御区間37、
及び直線状加工経路47を経て、折曲がり状のコーナ制
御区間33に戻る。円弧状のコーナ制御区間34及び3
6は、詳細に見れば、後述するように、両端が滑らか又
は折曲がり交点となった円弧状加工経路から形成されて
いる。また、折曲がり状のコーナ制御区間33,35,
37は、微視的にみれば、円弧状加工経路とみなすこと
ができる。
【0025】円弧部からなる加工経路における形状だれ
量の定量的な解析を行うため、加工試験を行い、ワイヤ
電極のワイヤ中心経路円弧半径Rsに対する形状だれ量
Ssとの間における実験式が得られている。形状だれ量
は、ガイドワーク表面間の距離や噴流圧力、ワイヤ電極
にかけられる張力等によっても影響を受けるが、ここで
は、ワイヤ電極に流される電流の強さI(タップ値)と
ワイヤ中心経路円弧半径(加工経路の半径)Rsとを考
慮する。形状だれ量Ssとワイヤ中心経路円弧半径Rs
との間の実験式は、次の式(1)で表され、その一例が
図2に示すグラフに示されている。図2は、特定の電流
の強さIに対するグラフである。 Ss=(C1×I)/√(Rs+C2) (1) ここで、C1とC2は定数であり、次の2点から決定さ
れる。Rs≫1mmのときに成立する式(1)から、 C1=Ss×[√(Rs)]/Is (2) Rs=0mmのときに成立する式(1)から、 C2=[C1×Is/Ss] (3)
【0026】円弧軌跡に対する加工条件は、一般にユー
ザからの指定がある。ユーザからの指定には、電流の強
さ(タップ値)Iu、加工経路半径Ru、そのときのコ
ーナだれ(円弧軌跡だれ)Su(その値以下となるよう
に)がある。この関係を実験式(1)に当てはめると、
Suは(1)式に基づいて次式で近似される。 Su=(C1×Iu)/√(Ru+C2) (4) ただし、定数C1及びC2については、基準タップIb
で加工するときに、軌跡円弧半径が1mmを超えるとき
の半円弧のだれ量(コーナだれ量)をS1とし、軌跡円
弧半径がワイヤ半径未満であるときの半円弧のだれ量
(コーナだれ量)をS2とするときに、 S1=C1×Ib/√(Ru=1) 及び S2=C1×Ib/√(C2) から、 C1=S1/Ib ,C2=(S1)2 /(S2)2 (5) となる。
【0027】コーナだれ目標制御量Stと目標電流タッ
プ値Itから、次式を得る。 St≧C1×It/√(Ru+C2) (6) 式(5)及び式(6)から、 It≦Ib×(St/S1)×√[Ru+(S1)2 /(S2)2 ] (7) 即ち、コーナだれ目標制御量Stが設定されたときに
は、目標電流タップ値Itには、(7)式を満足するよ
うに上限が設定されることになる。
【0028】加工速度に関するパラメータSGについて
ユーザ指定のパラメータをSGuとすると、円弧軌跡上
で出力するパラメータSGの目標値SGtは、電流タッ
プ値が大きいほど速度感度を上げる必要があることか
ら、式(8)で表される。 SGt=SGu×(It/Iu) (8)
【0029】コーナ手前の放電加工の制御は、コーナ曲
率に従った制御で行われる。ハイパワーで放電加工をし
ている状態からコーナ手前に到達したときには、電流タ
ップ値Iと加工速度に関するサーボゲインSGを共に下
げる制御が行われる。中・低パワーで放電加工をしてい
る状態からコーナ手前に到達したときには、電流タップ
値Iはユーザ指定のタップ値Iuのまま、サーボゲイン
SGのみを下げる制御が行われる。
【0030】円弧状加工経路に沿って放電加工をする場
合、円弧を微小な直線状の弦が連なった多角形で近似
し、その多角形の経路に沿ってワイヤ電極を移動させる
ことで、擬似的に円弧状の加工形状を得ている。円弧を
微小長さの線分が連続した多角形と考えるとき、二つの
微小線分長さをs(例えば、0.1〜0.15mm)と
する隣接する二つの微小直線の交差角度α(コーナ角
度;0<α<π)とすると、微小線分による多角形で近
似された円弧半径rは、式(9)に示すように、多角形
が内接する円についての簡単な幾何学的な計算から求め
ることができる。 r=s/{2・sin(α/2)} (9) 円弧半径rとコーナ角度αとの関係が、図3のグラフに
示されており、換算円弧半径rはコーナ角度αが小さい
ほど大きくなる。コーナ部での形状だれ量は、コーナ角
度αから算出した半径rの円弧での形状だれ量として換
算される。コーナ部での放電加工制御は、円弧軌跡での
制御と同様に行うことができる。図4は、コーナ各度α
に対するユーザ指定の形状だれ量Suの変化を示すグラ
フである。ワイヤ中心経路で円弧半径rを取ったとき加
工形状のだれ量Suは、円弧半径rが小さいほど大きく
なることが分かる。
【0031】二つの直線状加工経路が折曲がり交点で交
差する加工経路に対して適用されるこの発明によるワイ
ヤ放電加工の制御方法の一例を、図5を参照して説明す
る。図5は、直線状加工経路がコーナ角度α1 で交差す
る加工経路に対するワイヤ放電加工の制御方法を説明す
る説明図である。図5に示すワイヤ放電加工の制御方法
は、図1においてAで示すような領域に適用される制御
方法である。図5には、直線状加工経路61と直線状加
工経路62とが急な角度で交差する折曲がり状の交点5
1で交差する加工経路において、交点51の前後の範囲
でのワイヤ電極の加工速度の変化を示してある。図5で
は、ワイヤ電極は左方から右方へと直線状加工経路6
1,62を加工していくものとする。直線状加工経路6
1が長く続いている場合には、交点51に至る充分前で
は、通常の直線状加工範囲61aを加工しているものと
判断されるので、ワイヤ電極の加工速度は、一般的に直
線状加工経路に対して設定されている一定の経路加工速
度(通常、放電加工機の高速加工速度)である加工速度
1 に設定され、その加工速度V1 で工作物の放電加工
が実行される。
【0032】ワイヤ電極が交点51前の直線状加工経路
61における所定位置に到達すると、放電加工機に備わ
るコントローラは、ワイヤ電極が交点51前のアプロー
チ範囲61bに到達したと判断し、加工速度をV1 より
次第に減速して加工速度V2に低下させる。ワイヤ電極
は低下した加工速度V2 で交点51に到達して交点51
を通過する。ワイヤ電極が交点51を通過すると、コン
トローラは、ワイヤ電極がアプローチ範囲61bを通過
したと判断し、その後の加工範囲が通常の直線状加工経
路の直線状加工範囲であることに応答して、加工速度を
2 から元の直線状加工経路に対する一定の加工速度V
1 にまで加速する。加工速度V2 は、コーナ角度α1
大きさに応じた速度に設定することができる。アプロー
チ範囲61bと交点51通過後の加速範囲をコーナ制御
区間とすることができる。
【0033】ワイヤ電極は、交差角度で接続する交点の
回りを低下した加工速度で回るので、ダレが生じ難くな
る。大きなコーナ角度α1 ほど、コーナ部でダレが生じ
やすいので、加工速度V2 は低い加工速度に設定され
る。なお、図1に示すAの領域を例に取って説明した
が、図1において直交する直線状の加工経路を含むFで
示す領域に対しても適用可能であることは、勿論であ
る。
【0034】直線状加工経路から円弧状加工経路に滑ら
かな交点を介して接続される加工経路に対して適用され
るこの発明によるワイヤ放電加工の制御方法の一例を、
図6を参照して説明する。図6に示すワイヤ放電加工の
制御方法は、図1においてBで示すような領域に適用さ
れる制御方法である。図6には、直線状加工経路63と
円弧状加工経路64とが傾斜が連続して滑らかに接続す
る交点52で交差する加工経路において、交差点52の
前後の範囲でのワイヤ電極の加工速度の変化を示してあ
る。図2では、ワイヤ電極は左方の直線状加工経路63
から右方の円弧状加工経路64を加工していくものとす
る。
【0035】直線状加工経路63が長く続いている場合
には、交点52に至る充分前の直線状加工経路63にお
ける所定位置に到達すると、放電加工機に備わるコント
ローラは、通常の直線状加工範囲63aを加工している
ものと判断して、一定の経路加工速度である加工速度V
1 で放電加工を進行させる。ワイヤ電極が交点52に至
る前の所定位置に到達すると、コントローラは交点52
前のアプローチ範囲63bに到達したと判断し、加工速
度をV1 から次第に減速して交差点52に至る前に中間
的な加工速度V3 に低下させる。交点52は滑らかな接
続であるので、加工速度V3 は図5で示したアプローチ
範囲61bにおける加工速度V2 まで低下する必要はな
く、加工速度V2 よりも大きな速さに設定しても、充分
に加工ダレを防止することが可能である。ワイヤ電極が
交点52に到達してコントローラがワイヤ電極のアプロ
ーチ範囲63bを終了したと判断するとき、その後の加
工経路が円弧状加工経路64(しかも、通常の円弧状加
工範囲64a)であることに応答して、加工速度はV3
に維持される。アプローチ範囲63bから円弧状加工経
路64を含む範囲をコーナ制御区間とすることができ
る。
【0036】直線状加工経路から円弧状加工経路に折曲
がり状の交点を介して接続される加工経路に対して適用
されるこの発明によるワイヤ放電加工の制御方法の一例
を、図7を参照して説明する。図7に示すワイヤ放電加
工の制御方法は、図1においてC’で示すような領域に
適用される制御方法である。図7には、直線状加工経路
65と円弧状加工経路66とが折曲がり状の交点53で
交差する加工経路において、交点53の前後の範囲での
ワイヤ電極の加工速度の変化を示してある。図7では、
ワイヤ電極は左方の直線状加工経路65から右方の円弧
状加工経路66を加工していくものとする。
【0037】直線状加工経路65におけるワイヤ電極に
よる加工速度V1 については、図5に示す場合と同様で
あるので、再度の説明を省略する。ワイヤ電極が交点5
3前の直線状加工経路65における所定位置に到達する
と、放電加工機に備わるコントローラは、ワイヤ電極が
交点53前のアプローチ範囲65bに到達したと判断
し、加工速度をV1 より次第に減速して加工速度V4
低下させる。加工速度V 4 は、図5に示す例における加
工速度V2 と同程度である。ワイヤ電極は低下した加工
速度V4 で交点53に到達して交点53を通過する。ワ
イヤ電極が交点53を通過すると、コントローラは、ワ
イヤ電極がアプローチ範囲65bを通過したと判断し、
その後の加工範囲が円弧状加工経路66の通常の円弧状
加工範囲66aであることに応答して、加工速度をV4
から円弧状加工経路66に対する一定の加工速度V5
まで加速する。加工速度V4 ,V5 は、それぞれコーナ
角度α2 の大きさ又は円弧状加工経路66の円弧半径に
応じた速度に設定することができる。アプローチ範囲6
5bと交点53通過後の加速及び加工速度V5 での加工
範囲をコーナ制御区間とすることができる。
【0038】円弧状加工経路から直線状加工経路に滑ら
かな交点を介して接続される加工経路に対して適用され
るこの発明によるワイヤ放電加工の制御方法の一例を、
図8を参照して説明する。図8に示すワイヤ放電加工の
制御方法は、図8に示す加工経路を逆に進行させたとき
の制御方法であり、図1においてDで示すような領域に
適用される制御方法である。図8には、円弧状加工経路
67と直線状加工経路68とが滑らかな交点54で接続
する加工経路において、交点54の前後の範囲でのワイ
ヤ電極の加工速度の変化を示してある。図8では、ワイ
ヤ電極は左方の円弧状加工経路67から右方の直線状加
工経路68を加工していく。
【0039】交点54に至る充分手前では、円弧状加工
経路67の通常の円弧状加工範囲67a加工しているも
のと判断されて、円弧状加工経路67に対する通常の加
工速度V6 でワイヤ電極による放電加工が行われる。ワ
イヤ電極が交点54の前の所定の位置に到達すると、コ
ントローラは交点54に対するアプローチ範囲67bに
到達したと判断するが、交点54では滑らかに直線状加
工経路68に接続することが分かっているので、加工速
度はV6 から低下されることなくそのままの速度で交点
54に向かう。ワイヤ電極が交点54に到達してアプロ
ーチ範囲67bを終了したと判断されるとき、その後の
加工範囲が直線状加工経路68に滑らかに移行するの
で、加工速度は通常の直線状加工範囲に応じたV1 に加
速される。円弧状加工経路67から交点54を通過して
加工速度V1 まで加速する加工範囲をコーナ制御区間と
することができる。
【0040】円弧状加工経路から直線状加工経路に折曲
がり状の交点を介して接続される加工経路に対して適用
されるこの発明によるワイヤ放電加工の制御方法の一例
を、図9を参照して説明する。図9に示すワイヤ放電加
工の制御方法は、図7に示す加工経路を逆に進行させた
ときの制御方法であり、図1においてEで示すような領
域に適用される制御方法である。図9には、円弧状加工
経路69と直線状加工経路70とが急な交差角度で交差
する交点55で接続する加工経路において、交点55の
前後の範囲でのワイヤ電極の加工速度の変化を示してあ
る。図9では、ワイヤ電極は左方の円弧状加工経路69
から右方の直線状加工経路70を加工していく。
【0041】交点55に至る充分手前の円弧状加工経路
69の通常の円弧状加工範囲69aでは、円弧状加工経
路に対する円弧半径に応じた加工速度V7 でワイヤ電極
による放電加工が進行する。ワイヤ電極が交点55に至
る前の所定の位置に到達すると、コントローラは交点5
5に対するアプローチ範囲69bに到達したと判断す
る。交点55では急激な交差角度を回って直線状加工経
路70に移行することが分かっているので、加工速度は
7 から更に低下されて、図5の例における交点51を
回る加工速度V2 や図7に示す例における交点53を回
る加工速度4 に相当するような交点のコーナ角度α3
対応して設定された低い加工速度V8 で交点55を回
る。ワイヤ電極が交点55を通過してアプローチ範囲6
9bを終了したと判断するとき、その後の直線状加工経
路に移行するので、加工速度は通常の直線状加工範囲7
0aに応じたV1 に加速される。この例の場合、円弧状
加工経路69から交点55を通過して加工速度V1 まで
加速する加工範囲をコーナ制御区間とすることができ
る。なお、円弧状加工経路同士の交点を介した接続につ
いては、その加工条件制御は上記した他の接続形態の加
工条件制御と同様であるので、例を挙げての説明を省略
する。
【0042】
【発明の効果】この発明によるワイヤ放電加工の制御方
法は、上記のように構成されているので、次のような効
果を有する。即ち、このワイヤ放電加工の制御方法によ
れば、工作物とワイヤ電極との間に発生する放電現象に
よって工作物を加工する放電加工において、加工経路が
円弧である場合、直線状又は円弧状の加工経路が交差す
る交点である場合のように、ワイヤ電極が加工経路を辿
る速度ベクトルが変化する場合には、放電加工の加工条
件を円弧状加工経路の円弧半径を変数とする予め決めら
れている関数に基づいて決定していることにより、ワイ
ヤ電極が円弧状加工経路においては勿論のこと、交点と
その前後の範囲を含めて、加工形状のだれ量や加工残し
量を所定の範囲内に抑えることができる。
【0043】ワイヤ電極による放電加工の際、ワイヤ電
極が加工経路の態様が変化する交点に到達する前の所定
のアプローチ範囲における加工速度が交点での加工経路
の交差態様に応じて決定され、ワイヤ電極は、交点に到
達する前のアプローチ範囲において既に決定された加工
速度で進行し、その加工速度で交点を通過する。従っ
て、ワイヤ電極が交点を通過するときには、既に加工経
路の交差態様に対応した最適な加工速度に制御された状
態となっているので、交点を通過するときに、ワイヤ電
極が目標加工経路から外れる応答遅れを生じることがな
いように加工条件が制御され、目標の加工経路に従った
シャープな加工経路を描くことができる。従って、交点
を通過するときのワイヤ電極の移動速度を制御すること
により、ワイヤ電極が交点を通過するとき加工形状のダ
レ量や加工残し量を所定の範囲内に抑えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明によるワイヤ放電加工の制御方
法が適用される加工経路を説明する説明図である。
【図2】ワイヤ電極がコーナ部を通過するときの円弧半
径Rsに対するだれ量Ssの関係を示すグラフである。
【図3】ワイヤ電極がコーナ部を通過するときのコーナ
角度αに対する換算円弧半径rの関係を示すグラフであ
る。
【図4】ワイヤ電極がコーナ部を通過するときのコーナ
角度αに対するだれ量Suの関係を示すグラフである。
【図5】二つの直線状加工経路が折曲がり交点で交差す
る加工経路に対して適用されるこの発明によるワイヤ放
電加工の制御方法の一例を示す説明図である。
【図6】直線状加工経路から円弧状加工経路に滑らかな
交点を介して接続される加工経路に対して適用されるこ
の発明によるワイヤ放電加工の制御方法の一例を示す説
明図である。
【図7】直線状加工経路から円弧状加工経路に折曲がり
状の交点を介して接続される加工経路に対して適用され
るこの発明によるワイヤ放電加工の制御方法の一例を示
す説明図である。
【図8】円弧状加工経路から直線状加工経路に滑らかな
交点を介して接続される加工経路に対して適用されるこ
の発明によるワイヤ放電加工の制御方法の一例を示す説
明図である。
【図9】円弧状加工経路から直線状加工経路に折曲がり
状の交点を介して接続される加工経路に対して適用され
るこの発明によるワイヤ放電加工の制御方法の一例を示
す説明図である。
【図10】従来の浸漬式ワイヤ放電加工機の一例を一部
断面で示す正面図である。
【符号の説明】
1 ワイヤ電極 8 工作物 30 加工経路 32,33,35,37 折曲がり状のコーナ制御区間 34,36 円弧状のコーナ制御区間 42〜47 直線状加工経路 51,53,55 折曲がり状交点 52,54 滑らかな交点 61,62,63,65,68,70 直線状加工
経路 64,66,67,69 円弧状加工
経路 61b,63b,65b,67b,69b アプローチ
範囲 V1 高速加工速度 V2 〜V8 加工速度 α1 〜α3 コーナ角度

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作物と前記工作物の放電加工部位に挿
    通されたワイヤ電極との間で発生される放電現象によっ
    て前記工作物に加工経路に沿って放電加工を施すワイヤ
    放電加工において、前記ワイヤ電極が前記加工経路に含
    まれる円弧状加工経路に沿って放電加工を施すときに前
    記円弧状加工経路に経路の形状に応じて生じる形状だれ
    を改善するため、前記ワイヤ電極が前記円弧状加工経路
    の前記放電加工部位に施す放電加工の加工条件を前記円
    弧状加工経路の円弧半径を変数とする関数に基づいて算
    出することを特徴とするワイヤ放電加工の制御方法。
  2. 【請求項2】 前記加工経路は、一つ又は複数の前記円
    弧状加工経路と一つ又は複数の直線状加工経路とを交点
    を介して接続して形成されていることから成る請求項1
    に記載のワイヤ放電加工の制御方法。
  3. 【請求項3】 前記交点における前記加工条件は、前記
    交点において交差する微小長さ及び交差するコーナ角度
    とに対応する換算円弧半径を求め、前記関数において前
    記変数である前記円弧半径として前記換算円弧半径を用
    いることによって算出されることを特徴とする請求項2
    に記載のワイヤ放電加工の制御方法。
  4. 【請求項4】 前記円弧状加工経路が前記直線状加工経
    路又は別の前記円弧状加工経路と接続されている場合、
    前記放電加工条件が算出される対象となる前記加工経路
    には、前記円弧状加工経路に対するアプローチ範囲とし
    て前記交点に隣接する前記直線状加工経路又は前記別の
    円弧状加工経路の一部が含まれることから成る請求項2
    又は3に記載のワイヤ放電加工の制御方法。
  5. 【請求項5】 前記ワイヤ電極が放電加工中に前記交点
    手前に設けられている前記アプローチ範囲に到達したこ
    とを検出し、前記交点の交差態様に基づいて前記アプロ
    ーチ範囲における前記ワイヤ電極のアプローチ加工条件
    を設定し、前記工作物の前記アプローチ範囲を前記アプ
    ローチ加工条件で放電加工し、前記ワイヤ電極が前記交
    点に到達したことを検出し、前記交点後の前記加工経路
    の経路態様に応じて前記交点後の前記加工経路における
    前記ワイヤ電極の経路加工条件を設定し、前記工作物の
    前記加工経路を設定された前記経路加工条件で放電加工
    することから成る請求項4に記載のワイヤ放電加工の制
    御方法。
  6. 【請求項6】 前記経路加工条件は、前記加工経路が前
    記直線状加工経路である場合には高速加工条件であり、
    前記加工経路が前記円弧状加工経路である場合には中速
    加工条件であることから成る請求項5に記載のワイヤ放
    電加工の制御方法。
  7. 【請求項7】 前記交点の前記交差態様が急激なコーナ
    角度を持つ交差態様である場合には、前記アプローチ加
    工条件は低速加工条件に設定されることから成る請求項
    5に記載のワイヤ放電加工の制御方法。
  8. 【請求項8】 前記交点の前記交差態様が滑らかな交差
    態様である場合には、前記アプローチ加工条件は、前記
    交点前の前記加工経路における前記経路加工条件と、前
    記交点後の前記加工経路における前記経路加工条件との
    うち、低速である方の前記経路加工条件に設定されるこ
    とから成る請求項5〜7のいずれか1項に記載のワイヤ
    放電加工の制御方法。
  9. 【請求項9】 前記放電加工の前記加工条件は、前記ワ
    イヤ電極が単位時間当たりに放出する放電加工エネルギ
    であることから成る請求項1〜8のいずれか1項に記載
    のワイヤ放電加工の制御方法。
  10. 【請求項10】 前記放電加工の前記加工条件は、前記
    ワイヤ電極に流れる電流値、及び前記ワイヤ電極の前記
    加工経路に対する位置フィードバック制御における制御
    ゲインであることから成る請求項1〜9のいずれか1項
    に記載のワイヤ放電加工の制御方法。
  11. 【請求項11】 前記関数は、前記ワイヤ電極に流れる
    電流値をパラメータとして、前記加工経路の前記円弧半
    径に対する前記形状だれ量との関係を予め実験をするこ
    とによって得られたデータから求めた関数であることか
    ら成る請求項1〜10のいずれか1項に記載のワイヤ放
    電加工の制御方法。
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