JP2001162357A - 鋼の連続鋳造方法およびタンディッシュ - Google Patents

鋼の連続鋳造方法およびタンディッシュ

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JP2001162357A
JP2001162357A JP34796799A JP34796799A JP2001162357A JP 2001162357 A JP2001162357 A JP 2001162357A JP 34796799 A JP34796799 A JP 34796799A JP 34796799 A JP34796799 A JP 34796799A JP 2001162357 A JP2001162357 A JP 2001162357A
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hole
tundish
hot
inert gas
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Seiji Furuhashi
誠治 古橋
Yoshihisa Shirai
善久 白井
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】清浄性に優れた鋳片を、効率よく得ることがで
きる鋼の連続鋳造方法およびタンディッシュの提供。 【解決手段】取鍋2からの溶鋼3の受湯部4と、鋳型1
1への溶鋼の給湯部5と、受湯部および給湯部を接続す
る複数の内径80〜120mmの孔形の通流路6と、通
流路の外部に設けられた移動磁場発生装置8と、複数の
孔形の通流路に不活性ガスの吹き込み口7とを備えるタ
ンディッシュ1を用い、通流路を通過する溶鋼中に不活
性ガスを吹き込むとともに、通流路の溶鋼の流速を0.
2〜0.8m/秒とする条件で鋳造する方法およびタン
ディッシュ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非金属介在物が少
なく清浄性に優れた鋳片を、効率よく得ることができる
鋼の連続鋳造方法およびその方法に用いるタンディッシ
ュに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼材の性能向上に対する要求が強
まり、鋼の清浄性の向上が強く要望されている。とく
に、鋳片の微小な非金属介在物、すなわち、溶鋼中の微
小な酸化物まで除去することが要求されている。
【0003】溶鋼中の微小な酸化物を除去するために、
溶鋼の精錬工程、たとえば、RH方式のような環流型真
空処理法を用いる工程では、環流時間の増大などの対策
が採られている。しかし、RHでの処理時間の増大は、
連々鋳を困難にするなど、生産性を阻害し、また、大幅
な製造コストの上昇を招く。
【0004】そこで、連続鋳造工程において、タンディ
ッシュ内で溶鋼中の微小なAlの酸化物などをさまざま
な方法で除去することが行われている。
【0005】特開平6−597号公報では、タンディッ
シュを取鍋からの溶鋼の受湯部と鋳型への溶鋼の給湯部
に分け、円筒状の受湯部内の溶鋼に外部から回転磁場を
印加し、溶鋼を水平方向に旋回させる方法が提案されて
いる。
【0006】しかし、この方法では、円筒状の受湯部内
の溶鋼を水平方向に旋回させるため、受湯部内の溶鋼表
面に渦が発生する。そのため、溶鋼表面上のスラグや浮
上してきた酸化物などが溶鋼中に巻き込まれやすくな
り、むしろ鋼の清浄性が悪くなりやすい。また、受湯部
内の大容量の溶鋼を旋回させるには、大型の電磁力発生
装置が必要であり、過大な設備が必要になるという問題
がある。
【0007】特開平11−179497号公報では、タ
ンディッシュを取鍋からの溶鋼の受湯部と鋳型への溶鋼
の給湯部と、これら受湯部と給湯部とを接続する通流路
とで構成し、この通流路の外部に回転磁場印加装置を設
ける方法が提案されている。通流路内を通過する溶鋼を
旋回させることにより、溶鋼中の微小な酸化物を、旋回
する溶鋼の中心部に集めて肥大化させ、この肥大化した
酸化物を、通流路内の溶鋼中に吹き込まれた不活性ガス
の気泡とともに給湯部内の溶鋼中を浮上させる方法であ
る。
【0008】しかし、この方法では、通流路の大きさや
通流路を通過する溶鋼の流速の条件が適正でない場合
に、溶鋼中の微小な酸化物を効率的に肥大化させること
ができない場合がある。溶鋼中の肥大化しなかった微小
な酸化物は、気泡に捕捉され難いため給湯部内の溶鋼中
を浮上しにくい。したがって、鋳片に残留する非金属介
在物が多く、鋼の清浄性が悪くなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非金属介在
物が少なく清浄性に優れた鋳片を効率よく得ることがで
きる鋼の連続鋳造方法およびその方法に用いるタンディ
ッシュを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)に示す鋼の連続鋳造方法および(2)に示すタン
ディッシュにある。
【0011】(1)取鍋からの溶鋼の受湯部と、鋳型へ
の溶鋼の給湯部と、受湯部および給湯部を接続する複数
の孔形の通流路と、上記複数の孔形の通流路の外部に設
けられた移動磁場発生装置とを備え、かつ、上記複数の
孔形の通流路に、不活性ガスの吹き込み口を備えるタン
ディッシュを用いる連続鋳造方法であって、上記孔形の
通流孔の内径を80〜120mmとし、その孔形の通流
路を通過する溶鋼中に不活性ガスを吹き込むとともに、
これら通流路軸方向の溶鋼の流速を0.2〜0.8m/
秒とする条件で鋳造する鋼の連続鋳造方法。
【0012】(2)取鍋からの溶鋼の受湯部と、鋳型へ
の溶鋼の給湯部と、受湯部および給湯部を接続する複数
の内径80〜120mmの孔形の通流路と、上記複数の
孔形の通流路の外部に設けられた移動磁場発生装置とを
備え、かつ、それらの複数の孔形の通流路に、不活性ガ
スの吹き込み口を備えるタンディッシュ。
【0013】本発明者らは、前述の本発明の課題を、下
記〜により解決した。なお、本発明では、対象とす
る溶鋼中の微小な酸化物とは、径が50μm程度以下の
酸化物を意味する。
【0014】溶鋼の受湯部と溶鋼の鋳型への給湯部と
が複数の孔形の通流路で接続され、これら通流路内を通
過する溶鋼に旋回力を作用させるための回転磁場印加装
置を通流路の外部に備えるタンディッシュを用いても、
溶鋼の清浄化効果が小さく、鋼の清浄性が悪くなる場合
がある。その理由は、溶鋼中の微小な酸化物は、通流路
を通過する間に肥大化しにくいためである。溶鋼中の肥
大化しなかった微小な酸化物は、気泡に捕捉されにくい
ので、給湯部において溶鋼中を浮上しにくく、溶鋼とと
もに鋳型内に流入する。
【0015】旋回しながら孔形の通流路を通過する溶
鋼には遠心力が作用するので、比重の軽い溶鋼中のAr
ガスなどの不活性ガスの気泡(以下、単にArガス気泡
と記す)は、旋回している溶鋼の中心部に集積し、その
移動過程で溶鋼中の酸化物と衝突し、これら酸化物を捕
捉する。このとき、溶鋼中のArガス気泡の通流路半径
方向の移動速度をVr(m/秒)とし、通流路を通過す
る溶鋼の通流路軸方向の流速をVz(m/秒)とする
と、溶鋼中のArガス気泡が通流路を通過してしまうま
でに通流路の軸心に到達するためには、下記の(A)式
を満足する必要がある。すなわち、Arガス気泡が溶鋼
中の酸化物を捕捉するには、溶鋼中のArガス気泡が、
遠心力により旋回している溶鋼の中心部に達する時間の
方が、通流路を通過する時間よりも短くなければならな
い。
【0016】下記(A)式において、孔形の通流路の長
さLは、連続鋳造機の大きさでほぼ決まる数値である。
また、溶鋼中のArガス気泡の通流路半径方向の移動速
度Vr(m/秒)は、溶鋼の旋回流速に依存し、また、
溶鋼の旋回流速は移動磁場の磁場強度に依存する。した
がって、磁場強度を一定にすれば、移動速度Vrは一定
になる。そこで、下記(A)式を満足させるには、通流
路内径の半径Rを小さくするのが効果的である。
【0017】さらに、孔形の通流路を通過する溶鋼の通
流路軸方向の流速Vz(m/秒)は、下記(B)式で定
義される。前述するように、下記(A)式を満足するよ
うにVzを小さくするには、VrおよびLが一定とする
と、Rを小さくすれば効果的であるので、Rを小さくす
ることを前提に下記(B)式において、Vzを小さくす
るには、通流路の個数nを大きくすることが効果的であ
る。
【0018】 L/Vz>R/Vrすなわち、Vz/Vr<L/R ・・・(A) Vz=Q/π・n・R2 ・・・(B) ここで、L:通流路の長さ(m) R:通流路内半径(m) Q:受湯部から給湯部への溶鋼の移動量(m3 /秒) n:通流路の数 本発明の方法およびタンディッシュでは、複数の孔形
の通流路を配置し、これら通流路を通過する溶鋼中に不
活性ガスを吹き込むとともに、これら通流路の外部に備
えた移動磁場発生装置を作動させることにより、通過す
る溶鋼を旋回させる。これら複数の孔形の通流路の内半
径Rを80〜120mmとし、かつ、通流路を通過する
溶鋼の通流路軸方向の流速Vzを0.2〜0.8m/秒
とする。この条件により、溶鋼中の微小な酸化物を、通
流路を通過する間に、溶鋼流の中心部に集積させ肥大化
させることができる。
【0019】なお、本発明で規定する通流路を通過する
溶鋼の通流路軸方向の流速は、測定が困難であり、前述
の(B)式で求める流速とする。ここで、受湯部から給
湯部への溶鋼の移動量Qは、鋳片のサイズ、鋳造速度か
ら求めることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の連続鋳造方法お
よびタンディッシュを説明する。図1および図2は、本
発明の連続鋳造方法およびタンディッシュを説明するた
めの図である。5本の通流路の中心軸が同一水平面にあ
る例を示し、図1は縦断面図、図2(a)は、図1にお
けるA1−A2線での断面図、図2(b)は、図1にお
けるB1−B2線での断面図である。
【0021】図1および図2では、複数の孔形の通流路
の中心軸が同一水平面にある例を示しているが、これら
複数の孔形の通流路の中心軸は必ずしも同一水平面にな
くても構わない。
【0022】タンディッシュ1には、取鍋ノズル9を介
して取鍋2から溶鋼3が注入される受湯部4と鋳型11
へ溶鋼を注入する給湯部5と、この受湯部4およびこの
給湯部5とを接続する複数の孔形の通流路6とが配置さ
れ、さらに、これらの通流路の外部には、通流路内を通
過する溶鋼に旋回力を作用させるための移動磁場発生装
置8と、また、これらの通流路には、不活性ガスの吹き
込み口7とが配置されている。この吹き込み口には、ガ
ス供給管17を介して不活性ガスのタンク16が配置さ
れる。
【0023】複数の孔形の通流路の内径を80〜120
mmとし、かつ、通流路軸方向の溶鋼の流速を0.2〜
0.8m/秒とする。
【0024】孔形の通流路の内径が120mmを超えた
り、または、通流路軸方向の溶鋼の流速が0.8m/秒
を超えると、通流路を通過する間に溶鋼中のArガス気
泡は通流路の軸心まで到達しにくい。また、通流路の内
径が80mm未満では、溶鋼が通流路内で詰まりやす
い。また、通流路軸方向の溶鋼の流速が0.2m/秒未
満では、鋳造する鋳片の大きさや鋳造速度にもよるが、
通流路の径を大きくしたり、または、通流路の数を多く
したりする必要があり、タンディッシュが大きくなり、
過大な設備となって、製造コストが高くなる。
【0025】不活性ガスの気泡13は、給湯部5内の溶
鋼中を浮上する。給湯部内の溶鋼表面に浮上した酸化物
は、たとえば、溶鋼表面に添加した溶融スラグ10など
に吸収され、溶鋼系外に除去される。
【0026】通流路の数は、通流路の内径を80〜12
0mmとし、かつ、これら通流路軸方向の溶鋼の流速が
0.2〜0.8m/秒となる条件を満足するように、鋳
造する鋳片のサイズや鋳造速度を基に決めればよい。通
常の厚さ200〜300mmのスラブ鋳片で、鋳造速度
が1〜2m/分程度の場合で、通流路の数は、3本以上
とするのが望ましい。
【0027】孔形の通流路の孔の断面形状は、内部を通
過する溶鋼に旋回を与えるために、円形とするのがよ
い。通流路の長さは、500〜2000mmがよい。5
00mm未満では、溶鋼中の微小な酸化物が肥大化しな
い場合がある。2000mmを超える場合には、タンデ
ィッシュ全体の形状が大きくなり、過大な設備となる。
【0028】孔形の通流路の耐火物には、高アルミナ
質、マグネシア質、ジルコニア質などの一般的な耐火物
を用いればよい。
【0029】通流路には、不活性ガスの吹き込み口を設
ける。吹き込み口は通気性のある多孔質耐火物でもよい
し、耐火物に埋め込まれた鋼の細管でもよい。吹き込み
口は、受湯部から給湯部の間の通流路の中間位置より受
湯部側に設けるのがよい。溶鋼中の酸化物が不活性ガス
の気泡により、効果的に捕捉されるからである。また、
不活性ガスとしてArガスなどを用いることができる。
【0030】複数の孔形の通流路の外部には、移動磁場
発生装置を配置する。通常のリニア型の移動磁場発生装
置でよい。図1および図2に示すよう、複数の通流路を
全て覆うように、これら通流路の両側に相対するように
1組の移動磁場発生装置を設けるのがよい。また、その
磁場強度は、鋳片のサイズによって決めればよい。通常
の厚さ200〜300mmのスラブ鋳片で、孔形の通流
路の数を3〜4本とする場合で、磁場強度は、移動磁場
の周期にもよるが、0.05〜0.15テスラ(T)が
望ましい。ただし、磁場強度とは、電磁コイルのセンタ
ーで、孔形の通流路の中心部の位置での磁場強度を意味
する。
【0031】本発明の方法では、図1に示すように、複
数の孔形の通流路6の外部に設けた移動磁場発生装置8
を作動させ、また、各通流路に設けた不活性ガスの吹き
込み口7から不活性ガスを吹き込みながら鋳造する。
【0032】移動磁場発生装置を作動させることによ
り、通流路内を通過する溶鋼の流れは、溶鋼の旋回流1
5となる。また、吹き込まれた不活性ガスの気泡13
は、肥大化した溶鋼中の酸化物14を捕捉しながら、給
湯部5に達する。
【0033】
【実施例】垂直曲げ型の2ストランドを有するスラブ連
続鋳造機を用いて、炭素含有率が約0.001重量%の
極低炭素鋼を、厚み250mm、幅1200mmのスラ
ブに、速度2.0m/分で鋳造した。1ヒートは250
tonで、7ヒートの連々鋳を行った。
【0034】本発明例の試験で用いたタンディッシュで
は、図1に示すように、その受湯部は、内寸で高さ15
00mm、幅1000mm、長さ1500mm、給湯部
は、内寸で高さ1500mm、幅3000mm、長さ1
500mmの大きさとした。また、受湯部と給湯部とを
接続する孔形の通流路は、縦断面形状が円形で、大きさ
は本発明で規定する条件の範囲内の内径80mmとし
た。また、外径は100mm、長さは1500mmと
し、材質はマグネシアグラファイトとし、通流路の数は
5本とした。
【0035】比較例の試験で用いたタンディッシュは、
箱形のタンディッシュで、内寸で高さ1500mm、幅
3000mm、長さ4500mmの大きさとした。取鍋
から溶鋼を受湯する位置と鋳型への給湯孔との間の距離
が、本発明例の試験とほぼ同じ距離となるようにした。
【0036】本発明例および比較例の試験ともに、取鍋
からタンディッシュへの溶鋼の注入には、取鍋に取り付
けたノズルの出口がタンディッシュ内の溶鋼中に浸漬す
るようにして注入した。
【0037】鋳造速度など鋳造作業が安定した後、受湯
部および給湯部において、直径30mm、長さ100m
mの溶鋼試料をボンブ法により採取し、得られたサンプ
ルの全酸素量を分析した。比較例の箱形のタンディッシ
ュの場合にも上記に準じて取鍋からの注入流近傍の溶鋼
および鋳型への給湯孔の直上近傍の溶鋼試料を採取し
た。各ヒート毎に溶鋼試料を採取し、7ヒートの平均値
を求めた。このようにして求めた平均の全酸素量の値に
よって、各試験の鋼の清浄性を評価した。
【0038】また、得られた鋳片を素材として、厚さ
2.5mmの熱間圧延鋼帯に圧延し、コイル状に巻き取
り、このコイルの表面欠陥発生率を調査した。ここで、
表面欠陥発生率は、欠陥が発生した対象コイルの重量
(ton)を、検査した全てのコイルの重量(ton)
で除し、%表示した値である。各試験条件および各試験
結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】本発明例の試験No.1では、図1および
図2に示すように、それぞれの通流路の中心軸は同一水
平面にある条件で試験した。また、タンディッシュの底
部から100mmの高さに通流路の孔の底部を合わせて
配置した。また、本発明例の試験No.2では、それぞ
れの通流路の中心軸は同一垂直面にある条件で試験し
た。ともに、通流路と通流路との外周間の隙間は、それ
ぞれ80mmとした。
【0041】試験No.1およびNo.2ともに、前述
する(B)式で求めた通流路を通過する溶鋼の通流路軸
方向の流速Vzは、0.79m/秒で、本発明で規定す
る条件の範囲内である。また、それぞれの通流路には、
多孔質耐火物製の不活性ガスの吹き込み口を設けた。受
湯部への開口部から、通流路の長さの1/3以内までの
領域で、長手方向に50mmの長さで全周の位置に配置
した。Arガスを用い、5個の吹き込み口の合計で、
1.0×10-4Nm3 /秒の量を吹き込んだ。さらに、
通流路の外部には、それぞれの通流路を全て覆うような
1組の移動磁場発生装置を配置し、磁場強度は0.1テ
スラ(T)として、溶鋼を旋回させた。
【0042】試験No.1およびNo.2では、タンデ
ィッシュの受湯部の溶鋼の全酸素量は38〜40ppm
であったが、給湯部では5〜6ppmにまで低下した。
孔形の通流路を溶鋼が通過する間に、微小な酸化物が集
積して肥大化し、そのため、給湯部に達した肥大化した
酸化物が溶鋼中を効果的に浮上したためである。さら
に、得られた鋳片を素材として熱間圧延した厚み2.5
mmのコイルの表面欠陥発生率は0.07%と低く、良
好な製品表面品質状況であった。
【0043】箱形のタンディッシュを用いた比較例の試
験No.3では、長さ方向の中間部のタンディッシュの
底部で、長さ50mmで全幅に、通気性のある多孔質耐
火物の不活性ガスの吹き込み口を設けた。1.0×10
-4Nm3 /秒の量でArガスを吹き込んだ。比較例の試
験No.4では、Arガスを吹き込まずに試験した。
【0044】試験No.3では、取鍋からの注入流近傍
のタンディッシュ内の溶鋼の全酸素量は40ppmであ
り、また、鋳型への給湯孔近傍の溶鋼の全酸素量は25
ppmであった。箱形のタンディッシュの底部からのA
rガスの吹き込みだけでは、微小な酸化物が浮上しにく
いために、溶鋼中の全酸素量は十分に低下しなかった。
得られた鋳片を素材として熱間圧延した厚み2.5mm
のコイルの表面欠陥発生率は0.52%と高く、鋳片に
存在した非金属介在物が原因で、コイル表面に線状疵が
発生した。
【0045】試験No.4では、Arガスを吹き込まな
かったので、試験No.3の結果より、さらに悪い清浄
度の鋳片であった。また、得られた鋳片を素材として熱
間圧延した厚み2.5mmのコイルの表面欠陥発生率は
1.5%で、コイル表面に線状疵が著しく発生した。
【0046】
【発明の効果】本発明の方法およびタンディッシュの適
用により、非金属介在物が少なく清浄性に優れた鋳片を
効率よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続鋳造方法およびタンディッシュを
説明するための縦断面図である。
【図2】(a)は、図1におけるA1−A2線での断面
図、(b)は、同じくB1−B2線での断面図である。
【符号の説明】
1:タンディッシュ 2:取鍋 3:溶鋼 4:受湯部 5:給湯部 6:孔形の通流路 7:吹き込み口 8:移動磁場発生装置 9:取鍋ノズル 10:溶融スラグ 11:鋳型 12:浸漬ノズル 13:不活性ガスの気泡 14:溶鋼中の酸化物 15:溶鋼の旋回流 16:不活性ガスのタン
ク 17:ガス供給管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 11/115 B22D 11/115 A Z 27/02 27/02 W 35/00 35/00 C 41/00 41/00 Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】取鍋からの溶鋼の受湯部と、鋳型への溶鋼
    の給湯部と、受湯部および給湯部を接続する複数の孔形
    の通流路と、上記複数の孔形の通流路の外部に設けられ
    た移動磁場発生装置とを備え、かつ、上記複数の孔形の
    通流路に、不活性ガスの吹き込み口を備えるタンディッ
    シュを用いる連続鋳造方法であって、上記孔形の通流孔
    の内径を80〜120mmとし、その孔形の通流路を通
    過する溶鋼中に不活性ガスを吹き込むとともに、これら
    通流路軸方向の溶鋼の流速を0.2〜0.8m/秒とす
    る条件で鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】取鍋からの溶鋼の受湯部と、鋳型への溶鋼
    の給湯部と、受湯部および給湯部を接続する複数の内径
    80〜120mmの孔形の通流路と、上記複数の孔形の
    通流路の外部に設けられた移動磁場発生装置とを備え、
    かつ、それらの複数の孔形の通流路に、不活性ガスの吹
    き込み口を備えることを特徴とするタンディッシュ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015101552A1 (de) * 2013-12-30 2015-07-09 Inteco Special Melting Technologies Gmbh Verfahren und anordnung zum vakuumblockguss
CN108176841A (zh) * 2017-12-28 2018-06-19 安徽东升精密铸钢件有限公司 一种浇注装置

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