JP2001162136A - 酸性排ガスの除去方法及びその装置 - Google Patents

酸性排ガスの除去方法及びその装置

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JP2001162136A
JP2001162136A JP34772099A JP34772099A JP2001162136A JP 2001162136 A JP2001162136 A JP 2001162136A JP 34772099 A JP34772099 A JP 34772099A JP 34772099 A JP34772099 A JP 34772099A JP 2001162136 A JP2001162136 A JP 2001162136A
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calcium
acidic exhaust
calcium raw
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JP34772099A
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Yoshitaka Yamashita
芳孝 山下
Masanobu Kamori
雅信 加守
司令 ▲はま▼田
Moriyoshi Hamada
Hideo Takenaka
日出男 竹中
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Toyo Denka Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Toyo Denka Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴミ焼却炉等から排出される有害な酸性排ガ
スを短時間の反応で容易に中和除去して、ダイオキシン
の発生及び再合成を大幅に低減する酸性排ガスの除去方
法とその装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 カルシウム原料を該カルシウム原料の分
解温度以上の温度で酸性排ガスと接触反応させることに
より、短時間で酸性排ガスを中和除去する方法と装置を
基本手段とする。具体的にはカルシウム原料の分解温度
以上に昇温させた焼却炉20の燃焼室内もしくは排ガス
の煙道22内に吹込口27からカルシウム原料を吹き込
んで短時間接触反応することにより、発生した酸性排ガ
スを中和除去する。更に酸性ガスと中和後生成したカル
シウム塩化合物を煙道から取り除くことが可能な粒子径
と除去装置によりカルシウム塩化合物の再分解を防止す
る。カルシウム原料としては消石灰もしくは炭酸カルシ
ウムを用いて、消石灰の場合には600℃以上で略4分
以下の接触反応を行い、炭酸カルシウムの場合には90
0℃以上で略4分以下の接触反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸性排ガスの除去方
法及びその装置に関し、特にはゴミ焼却炉等から排出さ
れる有害な酸性排ガス、例えば塩化水素ガス等のハロゲ
ン化水素とか硫黄酸化物を中和除去し、更には中和反応
によって生成したカルシウム塩化合物、例えば塩化カル
シウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム等を取り除く
ための除去方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からゴミ焼却炉とか焼成炉等から発
生する有害な酸性排ガスの除去方法として、排ガスの温
度を300℃程度に下げた後、この排ガス中に苛性ソー
ダ液とか消石灰スラリーの噴霧を行って中和する湿式
法、及び排ガス中に消石灰粉を散布して中和する乾式法
が主として実施されている。
【0003】酸性排ガスを高温で中和する方法として、
ゴミ焼却炉の燃焼室内に石灰石の粉末を散布する方法と
か、ゴミの固形化燃料であるRDFを添加する方法があ
る。このRDFにはゴミを固定して安定化させるための
石灰が含有されている。
【0004】更に他の方法として、ゴミ等の焼却工程の
後工程に活性炭吸着装置を設けて、排ガス中のダイオキ
シンを活性炭により吸着除去することにより、ダイオキ
シンの排出規制値をクリアする手段も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記したように酸性排
ガスを中和除去する湿式法及び乾式法では、排ガスの温
度は300℃程度に下げて行われている。その理由とし
て、消石灰は600℃以上で分解して生石灰になり、時
間の経過とともに酸性ガスとの反応性が大幅に低下する
ことが挙げられる。特に150℃〜500℃の温度域で
は、低温域ほど塩化水素ガスの除去率が高く、中和反応
後のカルシウム塩化合物の熱による分解速度は低温域ほ
ど低くなる。更に飛灰を取るための集塵機は高温で使用
できないため、排ガスの冷却装置とか集塵機の煙道で使
用される消石灰の排ガス温度は300℃以下にしなけれ
ばならない。
【0006】特に近時はプラスチック類を燃焼させた際
に発生する有害な塩素系ガス及びダイオキシンが社会的
問題となっており、排ガス中の塩化水素ガスの含有量を
低減させる試みがなされている。しかしながらダイオキ
シンの再合成は300℃〜500℃で起こりやすいた
め、300℃以下の温度で塩化水素ガスを低減しても再
合成したダイオキシンを取り除くことができないという
問題点がある。上記に対処して、酸性排ガス中の中和効
率とダイオキシンの除去効率を高めるために反応活性が
シュウ酸活性度で30分以下である水酸化カルシウム
(消石灰)を得るようにした活性炭の改良が試みられて
いる(特開平8−108040号公報)。
【0007】また、高温の燃焼室に石灰石の粉末を散布
する方法とか、該燃焼室にゴミの固形化燃料であるRD
Fを添加する方法、カルシウム化合物を可燃物と同時に
投入して塩化カルシウム及び硫酸カルシウムとして酸性
ガスを除去する方法(特開平6−66417号公報)が
検討されている。しかし生成したカルシウム塩化合物が
飛灰として排出されずに高温の燃焼室に残留するケース
があり、残留したカルシウム塩化合物が燃焼室で分解し
て再度酸性ガスを発生するという問題点が生じる。
【0008】そこで本発明は上記の問題点を解決して、
ゴミ焼却炉等から排出される有害な酸性排ガスを短時間
の反応で容易に中和除去して、ダイオキシンの発生及び
再合成を大幅に低減する酸性排ガスの除去方法とその装
置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、カルシウム原料を該カルシウム原料の分解
温度以上の温度で酸性排ガスと接触反応させることによ
り、短時間で酸性排ガスを中和除去する方法、及びカル
シウム原料と酸性排ガスとの中和反応によって生成した
カルシウム塩化合物を取り除くことを基本手段としてい
る。具体的には、カルシウム原料の分解温度以上に昇温
させたゴミ焼却炉の燃焼室内もしくは排ガスの煙道中に
カルシウム原料を吹き込んで短時間接触反応することに
より、焼却炉内で発生した酸性排ガスを中和除去する除
去方法、及びカルシウム原料と酸性排ガスとの中和反応
によって生成したカルシウム塩化合物を燃焼室内若しく
は煙道から取り除く除去方法を提供する。
【0010】前記カルシウム原料としては、消石灰(C
a(OH))もしくは炭酸カルシウム(CaCO)を
用いる。カルシウム原料として消石灰を用いた場合に
は、600℃以上で略4分以下の接触反応を行い、カル
シウム原料として炭酸カルシウムを用いた場合には、9
00℃以上で略4分以下の接触反応を行う。
【0011】カルシウム原料の粒子サイズは、径長30
μm以上とする。該カルシウム原料の吹き込み量は、酸
性排ガスを中和可能なモル比の2倍以上とする。
【0012】また投入されたゴミを燃焼室で燃焼する焼
却炉と、燃焼室で発生した酸性排ガスを外部に導く煙道
と、該煙道の入口付近に設けられてカルシウム原料の分
解温度以上の温度の酸性排ガス中に所定量のカルシウム
原料を吹き込む吹込口と、吹き込まれたカルシウム原料
と酸性排ガスとの中和反応によって生成されたカルシウ
ム塩化合物を煙道から取り除く除去装置を有する酸性排
ガスの除去装置を提供する。
【0013】かかる酸性排ガスの除去方法及びその装置
によれば、カルシウム原料として消石灰もしくは炭酸カ
ルシウムを用いて、このカルシウム原料を該カルシウム
原料の分解温度以上の温度で酸性排ガスと接触させるこ
とにより、反応速度が大幅に上昇して短時間で効率良く
酸性排ガスを中和除去することができ、特にゴミの焼却
炉等で実施する場合には、カルシウム原料の分解温度以
上に昇温させた燃焼室内もしくは排ガスの煙道中にカル
シウム原料を吹き込んで短時間接触反応させることによ
って瞬時に酸性排ガスが中和除去される。酸性排ガスの
温度はカルシウム原料の分解温度以上であれば特に限定
されず、ゴミの焼却炉では排ガスとの接触が短時間で行
われるため、酸性排ガスが高温になるほど反応速度は上
昇する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明にかかる酸性排ガスの
除去方法及びその装置の具体的な実施形態を説明する。
本発明はカルシウム原料を該カルシウム原料の分解温度
以上の温度で酸性排ガスと接触させることにより、反応
速度が大幅に上昇して短時間で効率良く酸性排ガスを中
和除去することができるという知見に基づいてなされた
ものである。本実施の形態で用いるカルシウム原料とは
消石灰(Ca(OH))と炭酸カルシウム(CaC
)を指している。
【0015】ゴミの焼却炉等で実施する場合には、カル
シウム原料の分解温度以上に昇温させた燃焼室内もしく
は酸性排ガスの煙道中に該カルシウム原料を吹き込んで
短時間接触反応させる。例えばカルシウム原料が消石灰
の場合には600℃以上で略4分以下の接触反応を行
い、カルシウム原料が炭酸カルシウムの場合には900
℃以上で同様な接触反応を行う。また、酸性排ガスの温
度はカルシウム原料の分解温度以上であれば特に限定さ
れないが、ゴミの焼却炉等では酸性排ガスとの接触が数
秒間という短時間で行われるため、排ガスが高温になる
ほど反応速度が上昇し、使用するカルシウム原料の分量
は少なくて済むという利点がある。
【0016】上記接触反応時の中和反応によってカルシ
ウム塩化合物、例えば塩化カルシウム、硝酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム等が煙道中に生成し、このカルシウ
ム塩化合物が再度分解して酸性ガスを発生することを防
止するため、カルシウム原料は燃焼室内に残留しないよ
うにする必要がある。また、カルシウム原料の粒子サイ
ズは後述するカルシウム原料と酸性排ガスとの中和反応
によって生成したカルシウム塩化合物を煙道から取り除
く除去装置としてのサイクロン等でカルシウム塩化合物
を回収できる大きさ、例えば径長30μm以上とし、カ
ルシウム原料の吹き込み量は、粒子サイズにもよるが短
時間で粒子の中まで100%反応させるのは困難なた
め、酸性ガスを中和可能なモル比の2倍以上、望ましく
は3倍モル以上にすることがよい。尚、生成したカルシ
ウム塩化合物を回収する手段は、高温で短時間に回収可
能であれば他の手段を用いても良い。
【0017】図1は本発明の基本的実施形態を示すシス
テム図であり、20は焼却炉、20aは燃焼室、21は
ゴミ投入ホッパ、21aは蓋体、22は煙道、23は生
成したカルシウム塩化合物を燃焼室内若しくは煙道から
取り除く除去装置としてのサイクロン、24は減温塔、
25はバグフィルタ型の集塵機、26は煙突である。そ
して煙道22の入口付近に消石灰等のカルシウム原料の
吹込口27を設ける。このカルシウム原料の吹込口27
は、焼却炉20側にカルシウム原料が逆流しない位置に
設けることがよい。
【0018】かかる構成によれば、先ずゴミ投入ホッパ
21から投入されたゴミが多段式に構成された燃焼室2
0a内で燃焼し、燃焼に伴って発生した酸性排ガスが煙
道22内を通過する際に、該煙道22の入口付近に設け
た吹込口27からカルシウム原料の分解温度以上の温度
の酸性排ガス中に所定量のカルシウム原料を吹き込む。
これにより該カルシウム原料が酸性排ガスと接触して瞬
時に酸性排ガスが中和除去される。カルシウム原料の吹
き込み位置はカルシウム原料が燃焼室20a内に滞留し
なければ焼却炉20の燃焼室20a内であってもよい。
【0019】カルシウム原料が消石灰である場合の中和
反応は、 Ca(OH) + 2HCl → CaCl + 2HO…………(1) となる。
【0020】カルシウム原料の分解温度以上の温度につ
いて説明すると、一般にダイオキシンの発生しやすい温
度は300℃〜500℃であり、消石灰の分解温度は5
80℃であるため、酸性排ガスの温度は600℃以上に
することが必要である。また、カルシウム原料として炭
酸カルシウム(CaCO)を用いた場合には、この炭
酸カルシウムの分解温度が870℃であるため、酸性排
ガスの温度は900℃以上にすることが必要となる。ま
た、酸性排ガスの温度上限は1100℃程度とすれば良
い。
【0021】煙道22内を通過した反応後の排ガスは、
減温塔24内で減温されてから中和反応によって生成し
たカルシウム塩化合物、例えば塩化カルシウム、硝酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム等を燃焼室内若しくは煙道か
ら取り除く除去装置としてのサイクロン23に入り、カ
ルシウム塩化合物である塩化カルシウム(CaCl
等は無害な残留物23aとして分離して連続的に取り出
される。更に減温された排ガスはバグフィルタ型の集塵
機25により微細な塵埃成分が集塵除去された後に煙突
26から大気中に放散される。
【0022】図2は本実施形態の作動原理であるカルシ
ウム原料の分解温度以上の温度で短時間で酸性排ガスを
中和除去することができるという本発明の前記知見を得
るに至った反応装置例の概要図である。図中の1は石英
ガラス製の反応管であり、この反応管1は電気加熱炉2
内に挿入されている。3は反応管1の温度を測定する熱
電対型の温度計である。4は石英ガラス製の冷却管であ
り、この冷却管4の下端部は摺り合わせ部5により反応
管1に連結され、冷却管4の上方開口部はシリコン栓6
により密封されている。
【0023】7はシリコン栓6を貫通して外方から反応
管1の内方まで達する石英ガラス製のガス導入管であ
り、このガス導入管7の上方開口部にはテフロンチュー
ブ8が連結され、更にガラス管9,ゴム栓10を介して
ガス注入管11に連結されている。該ガス注入管11に
は〔塩化水素ガス+窒素ガス〕の注入口12と不活性ガ
スとしての〔窒素ガス〕の注入口13が設けられてい
る。
【0024】14は前記シリコン栓6を貫通して設けら
れ、反応管1から反応済みのガスを外方に導く石英ガラ
ス製のガス排気管であり、このガス排気管14の上方開
口部にはテフロンチューブ15が連結され、更にガラス
管16,ゴム栓17を介してガス吸収槽19内に侵入す
るガス放出管18に連結されている。18aはガス散気
部、19aはガス吸収液である。
【0025】かかる反応装置によれば、予備加熱工程で
〔窒素ガス〕の注入口13から窒素ガスを流しながら電
気加熱炉2により反応管1を昇温させ、窒素ガスを止め
た後に冷却管4を外して反応管1内にカルシウム原料の
固体サンプルを入れ、再び冷却管4と反応管1を摺り合
わせ部5により連結し、〔塩化水素ガス+窒素ガス〕の
注入口12から酸性ガスを注入することにより、反応管
1内で所定の温度を保って固体サンプルと酸性ガスが接
触対流して塩化水素ガスの中和反応が行われる。反応後
のガスは冷却管4からガス排気管14、テフロンチュー
ブ15、ガラス管16、ガス放出管18を介してガス散
気部18aからガス吸収槽19内のガス吸収液19a
(水)内に散気される。このガス吸収液19aの電気伝
導度を測定することによってガス中に含まれている塩化
水素濃度を類推することができる。
【0026】上記接触対流とは、反応時にカルシウム原
料の固体サンプルが酸性ガスの注入により舞い上がり、
自重によって落下してから再度上昇する現象であり、ガ
ス温度が高いケースでは流速が早くなって固体サンプル
がガス排気管14側に流出する惧れがあるが、本装置で
は冷却管4の存在によって排ガスの温度が低下して固体
サンプルの自重による落下を促進し、該固体サンプルが
ガス排気管14側に流出することが防止される。
【0027】反応温度によって中和反応形態が異なるた
め、本実験では電気加熱炉2の調節により反応管1の温
度を変化させながら酸性ガス中に含まれている塩化水素
濃度の測定を繰り返し実施した。尚、1回の測定が終了
した際には酸性ガスの注入を停止し、再度〔窒素ガス〕
の注入口13から窒素ガスを流して反応管1内のガスを
置換し、冷却管4を外して反応管1を取り出して反応終
了後の固体サンプルを抜取り、他の固体サンプルを入れ
て同様な測定操作を繰り返して実施した。
【0028】実験は、カルシウム原料の吹き込み温度
の影響、カルシウム原料のサイズによる反応性の影
響、の2つの因子に関して重点的に行った。
【0029】図3はカルシウム原料として消石灰(Ca
(OH))1gを用いて、反応管1の温度を500℃,
700℃,800℃,900℃に調整しながらガス注入
管11から濃度10000ppm〔塩化水素ガス+窒素
ガス〕の混合酸性ガスを流量2(リットル/min)で
流入させて消石灰と所定時間だけ接触反応させた後、反
応済みのガスをガス吸収液に吸収させてから電気伝導度
(μs/cm)を測定し、又、反応済みのガスをそのま
ま採取して別途に塩化水素ガス検知管により塩化水素濃
度(ppm)を測定した結果を示すグラフである。
【0030】図3によれば、反応温度が500℃では消
石灰を用いていないブランクテストと同様に、反応時間
が0分から約6分にかけて塩化水素濃度(ppm)が徐
々に高くなっているのに対して、反応温度が700℃で
は反応時間が0分から4分にかけて塩化水素濃度が10
ppm以下であり、反応時間が4分を経過した後に塩化
水素濃度が徐々に高くなっていることが分かる。従って
カルシウム原料として消石灰を用いたケースでは、酸性
排ガスの温度が700℃以上の高温条件下で消石灰を略
4分以下という短時間だけ接触させることにより、該酸
性排ガスをほぼ完全に中和除去することができる。尚、
データは図示していないが、酸性排ガスの温度は600
℃でも同様な結果が得られた。
【0031】図4はカルシウム原料として炭酸カルシウ
ム(CaCO)1gを用いて、反応管1の温度を70
0℃,900℃,1000℃に調整し、それ以外は図3
と同一の反応条件で所定時間だけ接触反応させた後、反
応済みのガスを吸収させたガス吸収液の電気伝導度及び
反応済みのガスを塩化水素ガス検知管により濃度を測定
した結果を示すグラフである。
【0032】図4によれば、反応温度が700℃ではブ
ランクテストと同様な傾向、即ち反応時間が0分から6
分にかけて塩化水素濃度(ppm)が徐々に高くなって
いるのに対して、反応温度が900℃,1000℃では
反応時間が0分から4分にかけて塩化水素濃度が10p
pm以下であり、反応時間が4分を経過してから塩化水
素濃度が徐々に高くなっていることが分かる。従ってカ
ルシウム原料として炭酸カルシウムを用いたケースで
は、酸性排ガスの温度は900℃以上で炭酸カルシウム
を略4分以下という短時間接触させることにより、該酸
性排ガスをほぼ完全に中和除去することができる。
【0033】図5は比較例としてカルシウム原料として
生石灰(CaO)1gを用いた以外は図3と同一の反応
条件で所定時間だけ接触反応させた後、反応済みのガス
を吸収させた水の電気伝導度及び反応済みのガスを塩化
水素ガス検知管により濃度を測定した結果を示すグラフ
である。
【0034】図5によれば、反応温度が500℃〜90
0℃の何れのケースでもブランクテストと同様に反応時
間が0分から3分にかけて塩化水素濃度(ppm)が徐
々に高くなっており、酸性排ガスとの中和速度が遅いこ
とがわかる。
【0035】図6はカルシウム原料の粒子サイズの影響
をみるために、それぞれ異なる粒子径を有する消石灰
(Ca(OH))各1gを用いて、反応管1の温度を8
00℃に調整しながらガス注入管11から濃度1000
0ppmの〔塩化水素ガス+窒素ガス〕の混合酸性ガス
を流量2リットル/minで流入させて消石灰と所定時
間だけ接触反応させた後、反応済みのガスをガス吸収液
に吸収させてから電気伝導度(μs/cm)を測定し、
又、反応済みのガスをそのまま採取して別途に塩化水素
ガス検知管により塩化水素濃度(ppm)を測定した結
果を示すグラフである。消石灰の粒子径は100μm,
230μm,750μm,1500μm,2500μm
とした。
【0036】図6によれば、消石灰を用いていないブラ
ンクテストでは反応時間が0分から3分にかけて塩化水
素濃度(ppm)が急激に高くなっているのに対して、
消石灰の粒子径が100μm〜2500μmの何れのケ
ースでも反応時間が0分から約3分にかけて塩化水素濃
度が10ppm以下であり、反応時間が3分を経過した
後に塩化水素濃度が徐々に高くなっていることが分か
る。従ってカルシウム原料として用いた消石灰の粒子径
は100μm〜2500μmの範囲であれば何れでも初
期の目的を達することが可能であり、この範囲の粒径は
使用して適当である。なお、この粒子径は特に限定があ
るわけではないが、前記サイクロン23(図1参照)で
カルシウム塩化合物(CaCl)を回収できる大きさ
である30μm以上のものとすることが望ましい。
【0037】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
ればカルシウム原料として用いた消石灰もしくは炭酸カ
ルシウムを、該カルシウム原料の分解温度以上の温度で
酸性排ガスと接触させることにより、従来の湿式法及び
乾式法のように排ガスの温度を300℃程度に下げる必
要がない上、時間の経過とともに酸性排ガスとの反応性
が低下することがなくなり、反応速度が大幅に上昇して
短時間で効率良く酸性排ガスを中和除去することができ
る。また、ゴミの焼却炉等でもカルシウム原料の分解温
度以上に昇温させた燃焼室内もしくは排ガスの煙道中に
カルシウム原料を吹き込んで短時間接触反応させること
によって瞬時に酸性排ガスを中和除去することができ
て、特にプラスチック類を燃焼させた際に発生する有害
な塩素系ガス及び排ガス中のダイオキシンの含有量を効
果的に低減させることが可能となる。
【0038】また、本発明の酸性排ガスの除去装置によ
れば、生成したカルシウム塩化合物、例えば塩化カルシ
ウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム等を無害な残留
物としてサイクロンから連続的に取り出すことができる
ため、このカルシウム塩化合物が高温の燃焼室もしくは
煙道内に残留することがなく、該カルシウム塩化合物が
燃焼時に分解して再度酸性ガスを発生する惧れは生じな
い。更に焼却炉では酸性排ガスとカルシウム原料との接
触が短時間で行われるため、ゴミ等の処理速度は極めて
早く行われ、しかも酸性排ガスが高温になるほど反応速
度を上昇させることができる。
【0039】従って本発明によれば、ゴミ焼却炉等から
排出される有害な酸性排ガスを短時間の反応で容易に中
和除去することが可能となり、ダイオキシンの発生及び
再合成を大幅に低減した酸性排ガスの除去方法とその装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的実施形態を示すシステム図。
【図2】本実施形態の作動原理を示す反応装置例の概要
図。
【図3】消石灰と酸性ガスを反応させた場合の反応時間
とガス吸収液の電気伝導度の関係を示すグラフ。
【図4】炭酸カルシウムと酸性ガスを反応させた場合の
反応時間とガス吸収液の電気伝導度の関係を示すグラ
フ。
【図5】生石灰と酸性ガスを反応させた場合の反応時間
とガス吸収液の電気伝導度の関係を示す比較例のグラ
フ。
【図6】消石灰のサイズによる反応時間とガス吸収液の
電気伝導度の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…反応管 2…電気加熱炉 3…温度計 4…冷却管 7…ガス導入管 8,15…テフロンチューブ 9,16…ガラス管 11…ガス注入管 12…注入口〔塩化水素ガス+窒素ガス〕 13…注入口〔窒素ガス〕 14…ガス排気管 18…ガス放出管 18a…ガス散気部 19…ガス吸収槽 19a…ガス吸収液 20…焼却炉 20a…燃焼室 21…ゴミ投入ホッパ 21a…蓋体 22…煙道 23…サイクロン 24…減温塔 25…集塵機 26…煙突 27…(カルシウム原料の)吹込口 整理番号 P3026
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹中 日出男 高知県高知市潮見台3丁目106番地 Fターム(参考) 4D002 AA02 AA19 AB01 AC04 BA03 BA14 CA11 CA13 DA05 DA12 DA16 EA02 EA13 GA01 GA02 GB02 GB03 GB12 GB20 HA03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウム原料を該カルシウム原料の分
    解温度以上の温度で酸性排ガスと接触反応させることに
    より、短時間で酸性排ガスを中和除去することを特徴と
    する酸性排ガスの除去方法。
  2. 【請求項2】 カルシウム原料を該カルシウム原料の分
    解温度以上の温度で酸性排ガスと接触反応させることに
    より、短時間で酸性排ガスを中和除去するとともに、カ
    ルシウム原料と酸性排ガスとの中和反応によって生成し
    たカルシウム塩化合物を取り除くことを特徴とする酸性
    排ガスの除去方法。
  3. 【請求項3】 カルシウム原料の分解温度以上に昇温さ
    せたゴミ焼却炉の燃焼室内もしくは排ガスの煙道中にカ
    ルシウム原料を吹き込んで短時間接触反応させることに
    より、焼却炉内で発生した酸性排ガスを中和除去するこ
    とを特徴とする酸性排ガスの除去方法。
  4. 【請求項4】 カルシウム原料の分解温度以上に昇温さ
    せたゴミ焼却炉の燃焼室内もしくは排ガスの煙道中にカ
    ルシウム原料を吹き込んで短時間接触反応させることに
    より、焼却炉内で発生した酸性排ガスを中和除去すると
    ともにカルシウム原料と酸性排ガスとの中和反応によっ
    て生成したカルシウム塩化合物を燃焼室内若しくは煙道
    から取り除くことを特徴とする酸性排ガスの除去方法。
  5. 【請求項5】 カルシウム原料の吹き込み量は、酸性排
    ガスを中和可能なモル比の2倍以上とした請求項3又は
    4に記載の酸性排ガスの除去方法。
  6. 【請求項6】 カルシウム原料の粒子サイズは、径長3
    0μm以上とした請求項1,2,3,4又は5に記載の
    酸性排ガスの除去方法。
  7. 【請求項7】 前記カルシウム原料は、消石灰(Ca
    (OH))又は炭酸カルシウム(CaCO)である請
    求項1,2,3,4,5又は6に記載の酸性排ガスの除
    去方法。
  8. 【請求項8】 カルシウム原料として消石灰を用いて、
    600℃以上で略4分以下の接触反応を行う請求項1,
    2,3,4,5又は6に記載の酸性排ガスの除去方法。
  9. 【請求項9】 カルシウム原料として炭酸カルシウムを
    用いて、900℃以上で略4分以下の接触反応を行う請
    求項1,2,3,4,5又は6に記載の酸性排ガスの除
    去方法。
  10. 【請求項10】 投入されたゴミを燃焼室で燃焼する焼
    却炉と、燃焼室で発生した酸性排ガスを外部に導く煙道
    と、該煙道の入口付近に設けられてカルシウム原料の分
    解温度以上の温度の酸性排ガス中に所定量のカルシウム
    原料を吹き込む吹込口とを有し、吹き込まれたカルシウ
    ム原料と酸性排ガスとの中和反応によって酸性排ガスを
    中和除去することを特徴とする酸性排ガスの除去装置。
  11. 【請求項11】 投入されたゴミを燃焼室で燃焼する焼
    却炉と、燃焼室で発生した酸性排ガスを外部に導く煙道
    と、該煙道の入口付近に設けられてカルシウム原料の分
    解温度以上の温度の酸性排ガス中に所定量のカルシウム
    原料を吹き込む吹込口と、吹き込まれたカルシウム原料
    と酸性排ガスとの中和反応によって生成したカルシウム
    塩化合物を煙道から取り除く除去装置を有することを特
    徴とする酸性排ガスの除去装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115400578A (zh) * 2022-07-14 2022-11-29 江苏敏禾科技有限公司 一种烟气干法脱硫剂及其制备方法

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