JP2001160373A - イオントラップ質量分析方法並びにイオントラップ質量分析計 - Google Patents

イオントラップ質量分析方法並びにイオントラップ質量分析計

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Abstract

(57)【要約】 【課題】イオントラップ質量分析計において、質量分析
段階において、イオントラップ空間にイオンの導入や新
たなイオン化などを未然に防止する事により、質量分析
の際のランダムノイズ発生を防止する。 【解決手段】2つのゲートをフィラメントエンドキャッ
プ電極間に設置する。この2つの電極に正負の電圧を印
加して、質量分析段階において、イオントラップ空間
に、イオン,電子両方を入射させないようにする。これ
によって、マススペクトル上にランダムノイズをなく
し、より微量成分のマススペクトル測定を可能とする。
また、クロマトグラム上のノイズをなくし、微量成分の
定量分析を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオントラップ質
量分析方法およびイオントラップ質量分析計に関する。
【0002】
【従来の技術】イオントラップの基本構成および動作に
ついてはポール等による米国特許第2,939,952号公報に
記載されている。
【0003】また、イオントラップを質量分析計に応用
する技術が日本特許第1,321,036号公報あるいは特公平8
−21365号公報に記載されている。
【0004】また、本出願の発明者になるイオントラッ
プ質量分析装置及びイオントラップ質量分析方法が特開
平10−294078号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】イオン化段階の間にイ
オントラップ空間内に生成し蓄積された多くのイオン
は、高周波の電圧の掃引により、質量ごとに不安定とな
り、イオントラップ空間から排出される。このように、
時間経過とともに測定段階を変えて行く事がイオントラ
ップ質量分析の基本動作となる。この測定ステップの中
で、質量分析の間には、イオントラップ空間において新
たなイオン化や外部からのイオンの導入などがあっては
ならない。もし、イオントラップ空間でイオン化または
イオンの導入が質量分析の間に行われたなら、質量分析
の主高周波電圧掃引の間に質量に無関係にイオンがイオ
ントラップ空間から外部に排出される。このイオンが検
出器により検出される。これがマススペクトル上に現れ
るランダムノイズとなる。
【0006】例えば、もしリング電極に印加される高周
波が掃引され、質量数300のイオンを不安定にし、排
出しようとしている瞬間に、イオントラップ空間内で質
量数200や質量数250のイオンが作られたとする。
これら質量数200や質量数250のイオンは、イオン
トラップ空間内の四重極高周波電界により、イオントラ
ップ空間で直ちに不安定となる。これらイオンは直ちに
トラップ空間から外部に排出され、マススペクトルの質
量数300前後にノイズが発生する。
【0007】そのため、イオントラップ質量分析計は、
電子ゲートによる電子の制御により、イオン段階と質量
分析段階の間は厳格に区別してノイズの発生を防止しよ
うとしている。しかし、図5下段(ロ)図のマススペク
トルのように現実には上記技術を用いたイオントラップ
質量分析計においても、マススペクトル上にスパイク状
のノイズが時々発生している。ある成分を質量分析する
と図5上段(イ)図に示すようなマススペクトルが得ら
れる。m3は試料分子がそのままイオンになった分子イ
オンであり、m1,m2はこの分子イオンが解裂してで
きたフラグメントイオンである。ランダムノイズが顕著
となる高感度測定では、図5下段のようなマススペクト
ルが得られる。m1,m2,m3以外の多くのマスピー
クが出現してくる。ここでは、マスピーク上にnと記し
たものがノイズである。当然、取得したマススペクトル
上にはnの記載やm1,m2等の記載は無い。その結
果、測定者は信号かノイズか識別する事は不可能であ
る。これらノイズの中には、成分以外のバックグラウン
ド成分がイオン化されたものもあるが、これらは再現性
のあるため識別ができる。ごく微量成分の測定の場合そ
れ以外ランダムなノイズが出現する。このノイズは質量
数に無関係なランダムなノイズのため、イオンの帰属が
まったなくできず、さらに高感度の定量分析を不可能に
する恐れがある。このノイズはイオントラップ質量分析
計が高感度であると言う特性を台無しにするものであ
る。
【0008】本発明は、かかる問題を解決し、イオント
ラップ質量分析計の高感度測定を可能にすることを目的
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】ランダムノイズの原因に
はいくつかの原因が考えられるが、発明者の実験の結
果、主に、以下の2つが原因であると判明した。
【0010】(1)質量分析段階において、イオンがイ
オントラップ空間に導入される。
【0011】前述の様に、質量分析段階においては、電
子ゲートは閉じられ(負の電圧の印加)電子がイオント
ラップ空間に入射する事の無いようにしている。フィラ
メントは放出電子の安定化のため、フィラメント電源か
ら常時電流が流されている。そのため、フィラメントか
ら放出された電子や更にグリッド電極等に反射した電子
等はフィラメントの先端付近に多数存在する。一方、フ
ィラメント周辺の圧力は10−3Paから10−4Pa
であり、多くの残留気体が存在する。この残留気体とフ
ィラメント近辺の電子が衝突すると、気体分子はイオン
化され正イオンとなる。この正イオンは電子ゲート電極
に印加された負の電圧により、加速されイオントラップ
空間に入射する。このイオンが、直ちにイオントラップ
空間から排出され検出器により検出されランダムノイズ
となる。
【0012】(2)フィラメントから放出された電子,
光子,イオンが検出器に直接入射する。
【0013】質量分析計の検出器として、二次電子増倍
管やイオンを電子に変換後シンチレータにより発光させ
た光電子増倍管等で検出する方式が用いられている。フ
ィラメントから放出された電子や光子が、質量分析計が
収められた真空容器の壁面に反射したりして、検出器に
直接入射しノイズを発生させる。また、加速された電子
は途中で残留ガス分子をイオン化する。このイオンが検
出器に直接入射し、ノイズとなる。
【0014】本発明はかかる問題を解決するための手段
として、イオントラップ型質量分析計を用いイオントラ
ップ空間に導入された試料をフィラメントから放出され
た電子によりイオン化し質量分析する方法において、2
つの電子ゲート電極をフィラメントとエンドキャップ電
極の間に配置し、かつ第一の電子ゲート電極はフィラメ
ント側、第二の電子ゲート電極はエンドキャップ側に配
置し、さらにイオン化時に第一,第二のゲート電極に電
子を加速のための正の電圧を印加し、質量分析時には第
一の電極には負の電圧、第二の電極には正の電圧を印加
し、イオンや電子がイオントラップ空間に導入されない
ようにする。
【0015】また、好ましくは、イオントラップ質量分
析計を用いイオントラップ空間に導入された試料をフィ
ラメントから放出された電子によりイオン化し質量分析
しイオントラップ空間から排出されたイオンを検出器に
より検出してマススペクトルを得る質量分析法におい
て、フィラメントと検出器の間に、電子,イオンや光子
を遮蔽する筒状、または板状の電極を複数配置するよう
にした。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、ランダムノイズの原因
を究明してなされたもので、2つの原因に対する2つの
対処法を示している。
【0017】(第一の実施例)図1に本発明の一実施例
を示す。図2は図1の特に電子ゲートの詳細を示す説明
図である。また、図4は動作を説明するための図であ
る。
【0018】これらの図において、イオントラップ質量
分析計は回転双曲面を持つ一つのリング電極7とこれに
回転対称軸の方向から隣接する双曲面を有する2つのエ
ンドキャップ電極6および8により構成される。これら
3つの電極により囲まれた空間がイオン蓄積空間,イオ
ントラップ空間9と呼ばれる空間である。リング電極7
と2つのエンドキャップ電極6,8間に主高周波電源
(主RF電源)15から高周波を印加する。その結果、
イオントラップ空間9内に四重極高周波電界が生成され
る。補助高周波電源21から電圧0から10V程度の補
助高周波がトランス19を経てエンドキャップ電極6,
8には、補助高周波が印加される。
【0019】補助交流電源(補助RF電源)21からト
ランス19を経て2つのエンドキャップ電極6,8間に
補助交流を印加すると、イオントラップ空間9内に二重
極(ダイポール)電界が発生する。
【0020】イオントラップ質量分析計は、時間経過に
従いいつくかの段階(モード)に分割して動作する。一
つのマススペクトルを得る一周期は0.1秒から数秒程
度である。
【0021】(1)イオン化(イオン蓄積)の段階 主高周波電源15や電子ゲート電源18等はデータ処理
装置14より信号線22,20を通じて制御される。図
4のtからtの時間に相当する間がイオン化の段階
である。先ず、主高周波電源15からリング電極7に印
加する高周波の電圧を低く設定し、イオントラップ空間
9に異なる質量のイオンを同時にトラップできるように
する。
【0022】エンドキャップ電極6の外側に配置され、
フィラメント電源1に接続されたフィラメント2とその
周囲を囲うグリッド電極3は電子加速電源17から供給
される−15Vの電圧が印加されている。電子ゲート電
極5はフィラメント2とエンドキャップ電極6の間に置
かれ、電子ゲート電源18から供給された+200V程
度の電圧が印加される。フィラメント2から放出された
熱電子4は、電子ゲート電極5とフィラメント2間の電
位により加速され、エンドキャップの中心に開けられた
細孔から、イオントラップ空間9内に導入される。熱電
子はここで、ガスクロマトグラフ(GC)23などから
試料ガスガイドパイプ16を経て導入された試料ガスと
衝突し、試料ガス分子をイオン化する。生成したイオン
はイオントラップ空間9内に安定なイオン軌道10を作
りトラップされる。イオン化の間(10μ秒から0.1
秒程度)電子はイオントラップ空間9に導入されイオン
化を継続し、イオンの蓄積を行う。
【0023】図4に示すように、イオン化段階では主高
周波電源からリング電極7に供給される高周波の電圧は
低く保たれる。電子ゲート5も+200Vとイオン化の
間一定に保たれる。グリッド電圧は全測定時間の間−1
5Vと一定に保たれる。
【0024】(2)質量分析のステップ 図4に示すように、時刻がtとなりイオン化時間が終
了すると、次の質量分析段階に移る。電子ゲート電極5
に+200Vから一転して−200V程度の負の電圧が
印加される。この電位設定により、フィラメント2から
放出された電子4はイオントラップ空間9に侵入できな
くなる。一方、イオン化の段階で生成,蓄積されたイオ
ン10はこのイオントラップ空間9内に安定にトラップ
されている。イオン化時間が終了すると、図4の最上段
に示すように、データ処理装置は信号線22を通じて、
主高周波電源15を制御してリング電極7に印加される
高周波の電圧の掃引を開始する。その結果、トラップさ
れたイオンは、イオンの質量毎に不安定となり、エンド
キャップ電極8の細孔からイオントラップ空間9の外に
排出される。排出されたイオン11は検出器12により
検出される。検出された信号は直流増幅器13で増幅さ
れ、データ処理装置14に送られマススペクトルを与え
る。
【0025】(3)リセット マススペクトルの取得が終了すると、リング電極に印加
された高周波の電圧は一旦零にリセットされる。その結
果、イオントラップ空間9内に残っている質量の大きい
イオンは全てトラップ外に排出されるか、イオントラッ
プ内の壁に衝突し電荷を失う。
【0026】(1)から(3)の動作により一つのマス
スペクトルが取得できる(一回目のスキャンの完了とな
る)。この(1)から(3)動作を更に繰り返して、連
続的に複数のマススペクトルを収集する。
【0027】図2において、イオントラップ質量分析計
は回転放物面を有するリング電極7、その回転対象軸方
向から隣接するエンドキャップ電極6,8更に回転対象
軸上に置かれたフィラメント2,筒状の電子ゲート3
1,32及び検出器12等で構成される。電子ゲート5
は従来例と異なり2つに分割されている。これを電子ゲ
ーム31,32で示す。
【0028】フィラメント2はその周囲を囲う筒上のグ
リッド電極3と同電位の−15Vに保たれている。フィ
ラメント電源1から供給される電流によりフィラメント
2は加熱される。このフィラメント2から放出された電
子はグリッド電極3と第一電子ゲート31との間に印加
された+50Vから+200V程度の電圧により加速さ
れ、第一電子ゲート31の中心孔を通過する。第二電子
ゲートには+100Vから+300V程度の電圧が印加
されている。電子は第二電子ゲート32に印加された電
圧により更に加速され第二電子ゲート32の中心孔を通
過する。エンドキャップ電極6は、ぼぼ接地電位に保た
れている。電子は第二電子ゲート32とエンドキャップ
電極6との電位差で減速されるが、フィラメント2の電
位−15Vのエネルギでエンドキャップ電極6の中心に
開けられた細孔35からイオントラップ空間9に入射す
る。電子は別途イオントラップ空間9内に導入された試
料ガスと衝突し、試料分子をイオン化する。イオン化段
階の間、電子はイオントラップ空間に連続的に導入され
る。試料のイオン化,イオンの蓄積が継続して行われ
る。
【0029】このイオン化時間(図2のtからt
の間、フィラメント2周辺で電子とガス分子の相互作用
により生じた正イオンは第一電子ゲート31とフィラメ
ント2の電位差により、第一電子ゲート31と逆のフィ
ラメント2の電位差により、第一電子ゲート31と逆の
フィラメント2の方向に加速される。最終的に正のイオ
ンはグリッド電極3に衝突し電荷を失い消滅する。ま
た、正イオンの他に負のイオンの生成が考えられ、負イ
オンは電子と同じ極性の為、妨害に成る可能性がある。
しかし、10−3Pa程度の圧力における負イオンの生
成確立は正イオンに比して1/10から1/10
度と低く、無視できる程度のものである。その結果、生
成した負イオンが電子とともにイオントラップ空間9に
導入されノイズを発生させる心配は無い。
【0030】図4において、tとなりイオン化時間
(tからt)が終了して、質量分析段階になると、
第一電子ゲート31には第一電子ゲート電源33から供
給される−100V程度の負の電圧が、また第二電子ゲ
ートには第二電子ゲート電源34から供給される+20
0V程度の正電圧が印加される。フィラメント2と第一
電子ゲート間の電位によりフィラメントから放出された
電子は加速されない。そのため、電子は第一電子ゲート
31を通過できずイオントラップ空間9に侵入する事は
ない。フィラメント2近傍において、電子との相互作用
により生じた正のイオンはフィラメント2と第一電子ゲ
ートとの−100Vの電位差により加速され、第一電子
ゲート31を通過する。しかし、通過した正のイオンは
第一,第二電子ゲート間の+200Vの電位差により第
二電子ゲートを通過できない。
【0031】すなわち、第一,第二の電子ゲートとそれ
らに印加する電圧により、電子,イオンの制御が可能に
なる。イオン化段階では電子のみがイオントラップ空間
9に導入され、質量分析段階では電子,正イオン共に遮
断することができる。
【0032】ここでは、第一,第二電子ゲートは筒状の
金属電極として示した。これ以外に、中央を電子が通過
できる孔を開けた円盤状の金属電極でも良い。また、金
属メッシュなどでも良い。
【0033】以上のように、二つの電子ゲート電極をフ
ィラメントとエンドキャップ電極の間に配置し、かつ第
一の電子ゲート電極はフィラメント側、第二の電子ゲー
ト電極はエンドキャップ側に配置し、さらにイオン化時
に第一,第二の電子ゲート電極に電子を加速のための正
の電圧を印加し、質量分析時には第一の電極には負の電
圧、第二の電極には正の電圧を印加している。
【0034】これにより、質量分析時のランダムノイズ
の発生を抑制排除できる。
【0035】(第二の実施例)図3に本発明の第二の実
施例の詳細を示す。ここでは、フィラメント2の近傍で
生成しノイズの原因となる電子,光子,イオン等が直接
検出器12に入射する事を防ぐ事によりノイズを軽減し
ようとするものである。
【0036】イオントラップ質量分析計は、ターボ分子
ポンプ45で排気された真空容器44内に設置されてい
る。フィラメント2,第一電子ゲート31,第二電子ゲ
ート32の周囲はフィラメント2から放出加速された電
子,電極表面で反射した電子,加速された電子やイオン
等が電極面で衝突して生じた二次電子、電子との相互作
用により生じたイオン,フィラメント2から放出され光
子などが多数存在する。これらの一部でも検出器12に
侵入すればランダムノイズになる。この荷電粒子,光子
を遮断するためにフィラメント2,第一電子ゲート3
1,第二電子ゲート32の周囲を多孔性の金属板や金属
メッシュなどで覆うようにする。荷電粒子や光子の遮蔽
のためには孔のない金属板が有効であるが、これでは、
フィラメント周辺の圧力を低く保つ事はできない。フィ
ラメントの寿命をのばすため、さらにフィラメント近傍
の電極の汚れを防止するために、フィラメント周辺の圧
力を極力下げる必要がある。そのために、排気コンダク
タンスを高いレベルに保つ必要がある。この遮蔽電極4
1は接地電位とし、イオンなどが衝突してもチャージア
ップしないようにする。この遮蔽電極41を通過した電
子等は、更に質量分析計の筐体44の中に接地された複
数の板状のシールド電極42,43により捕捉される。
シールド電極42,43はフィラメント2,第一,第二
電子ゲート31,32とエンドキャップ電極6,エンド
キャップ電極8と検出器12の間等に設置する。これは
エンドキャップ及電極がほぼ接地電位で動作するのに対
し、リング電極には20kV(p to p)近い高周波電
位が印加されるため、接地電位のシールド電極をリング
電極に近づけることが得策でないためである。シールド
電極は、金属製の板でも、メッシュでもよい。また、2
つのメッシュ板を組合せ排気コンダクタンスを保ったま
ま、荷電粒子の捕捉を能率良く行うようにする事もでき
る。
【0037】以上のように、イオントラップ質量分析計
を用いイオントラップ空間に導入された試料をフィラメ
ントから放出された電子によりイオン化し質量分析しイ
オントラップ空間から排出されたイオンを検出器により
検出してマススペクトルを得るイオントラップ質量分析
法において、フィラメントと検出器の間に筒状、または
板状の電極を配置して、電子,イオンや光子を遮蔽して
いる。
【0038】実施例1および実施例2を組合せることが
できる。この場合は、図3に示すようになり、二つの電
子ゲート電極をフィラメントとエンドキャップ電極の間
に配置し、かつ第一の電子ゲート電極はフィラメント
側、第二の電子ゲート電極はエンドキャップ側に配置
し、さらにイオン化時に第一,第二の電子ゲート電極に
電子を加速のための正の電圧を印加し、質量分析時には
第一の電極には負の電極、第二の電極には正の電圧を印
加し、かつフィラメントと検出器の間に筒状、または板
状の電極を配置して電子,イオンや光子を遮蔽すること
になる。
【0039】
【発明の効果】本発明により、質量分析時のランダムノ
イズが減少し、より微量な成分のマススペクトルが高感
度に得られる。また、マススペクトルの解析もノイズに
邪魔される事がない。更にクロマトグラムのノイズも減
少するため、より微量成分の高感度定量分析が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成図。
【図2】図1の一部詳細図。
【図3】図1の一部詳細図。
【図4】本発明の動作説明図。
【図5】本発明で得られるマススペクトルと従来の装置
によるマススペクトルの比較図。
【符号の説明】
1…フィラメント電源、2…フィラメント、3…グリッ
ド電極、4…電子、5…電子ゲート電極、6…エンドキ
ャップ電極、7…リング電極、8…エンドキャップ電
極、9…イオントラップ空間、10…トラップされたイ
オン、11…イオン、12…検出器、13…直流増幅
器、14…データ処理装置、15…主高周波電源、16
…試料ガスガイドパイプ、17…グリッド電源、18…
電子ゲート電源、19…トランス、20…信号線、21
…補助高周波電源、22…信号線、23…ガスクロマト
グラフ、31…第一電子ゲート、32…第二電子ゲー
ト、33…第一電子ゲート電源、34…第二電子ゲート
電源、41…遮蔽電極、42…シールド電極、43……
シールド電極、44…真空容器、45…ターボ分子ポン
プ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオントラップ質量分析計を用い、イオン
    トラップ空間に導入された試料をフィラメントから電子
    によりイオン化し質量分析する方法において、二つの電
    子ゲート電極をフィラメントとエンドキャップ電極の間
    に配置し、かつ第一の電子ゲート電極はフィラメント
    側、第二の電子ゲート電極はエンドキャップ側に配置
    し、さらにイオン化時に第一,第二の電子ゲート電極に
    電子を加速のための正の電圧を印加し、質量分析時には
    第一の電極には負の電圧,第二の電極には正の電圧を印
    加したことを特徴とする質量分析方法。
  2. 【請求項2】イオントラップ質量分析計を用い、イオン
    トラップ空間に導入された試料をフィラメントから放出
    された電子によりイオン化し質量分析しイオントラップ
    空間から排出されたイオンを検出器により検出してマス
    スペクトルを得る質量分析法において、フィラメントと
    検出器の間に筒状、または板状の電極を配置して、電
    子,イオンや光子を遮蔽することを特徴とする質量分析
    法。
  3. 【請求項3】イオントラップ質量分析計を用い、イオン
    トラップ空間に導入された試料をフィラメントから電子
    によりイオン化し質量分析する方法において、二つの電
    子ゲート電極をフィラメントとエンドキャップ電極の間
    に配置し、かつ第一の電子ゲート電極はフィラメント
    側、第二の電子ゲート電極はエンドキャップ側に配置
    し、さらにイオン化時に第一,第二の電子ゲート電極に
    電子を加速のための正の電圧を印加し、質量分析時には
    第一の電極には負の電圧、第二の電極には正の電圧を印
    加し、かつフィラメントと検出器の間に筒状、または板
    状の電極を配置して電子,イオンや光子を遮蔽すること
    を特徴とする質量分析方法。
  4. 【請求項4】イオントラップ空間に導入された試料をフ
    ィラメントから放出された電子によりイオン化し、質量
    分析するイオントラップ突量分析計において、2つの電
    子ゲート電極がフィラメントとエンドキャップ電極の間
    に配置されることを特徴とするイオントラップ型質量分
    析計。
  5. 【請求項5】イオントラップ空間に導入された試料をフ
    ィラメントから放出された電子によりイオン化し質量分
    析し、イオントラップ空間から排出されたイオンを検出
    器により検出してマススペクトルを得るイオントラップ
    質量分析計において、フィラメントと検出器の間に、電
    子,イオンや光子を遮蔽する筒状、または板状の電極を
    複数配置することを特徴とするイオントラップ型質量分
    析計。
  6. 【請求項6】イオントラップ空間に導入された試料をフ
    ィラメントから放出された電子によりイオン化し、質量
    分析するイオントラップ質量分析計において、2つの電
    子ゲート電極がフィラメントとエンドキャップ電極の間
    に配置され、かつフィラメントと検出器の間に、電子,
    イオンや光子を遮肪する筒状、または板状の電極を複数
    配置することを特徴とするイオントラップ型質量分析
    計。
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