JP2001158911A - 溶鋼の真空脱炭方法 - Google Patents

溶鋼の真空脱炭方法

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JP2001158911A
JP2001158911A JP34332699A JP34332699A JP2001158911A JP 2001158911 A JP2001158911 A JP 2001158911A JP 34332699 A JP34332699 A JP 34332699A JP 34332699 A JP34332699 A JP 34332699A JP 2001158911 A JP2001158911 A JP 2001158911A
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JP
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vacuum
molten steel
hydrogen
exhaust gas
hydrogen concentration
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Yoshihiko Higuchi
善彦 樋口
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 RH真空脱ガス装置を用いて、炭素含有量が
30ppm以下の極低炭素鋼を得る方法において、脱炭
速度を大きくする真空脱炭方法を提供する。 【解決手段】 真空精錬時、環流用不活性ガスに水素ガ
ス等を混合し、排ガス中の水素濃度の最大値が容量%で
2〜20%とし、溶鋼中の水素含有による、製品スラブ
の内部欠陥や連鋳設備のブレークアウト回数低減のた
め、真空精錬末期の排ガス中の水素濃度を容量%で1.
0%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼の脱炭速度を
大きくする真空脱炭方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用鋼板をはじめとする種々
の用途の薄板は、高加工性が要求されるようになり、炭
素濃度が0.003質量%(以下、単に%で質量%を表
す)以下という極低炭素濃度域まで低減することが求め
られている。
【0003】例えば、高炉で作られる溶銑は、炭素濃度
が概ね4%程度であり、転炉等の精錬炉で0.01〜
0.1%程度まで粗脱炭され、二次精錬の真空脱ガス装
置で0.003%以下にまで脱炭され、極低炭素鋼が得
られている。
【0004】真空脱ガス装置は、DH真空脱ガス装置、
RH真空脱ガス装置(以下、単にRHともいう)などが
よく知られているが、今日主としてRHが用いられてい
ることから、以下にあっては、RHを例に取って本発明
を説明する。
【0005】RHは二本の浸漬管、すなわち上昇管と下
降管とを有し、上昇管の内壁から環流用ガスを流すこと
により、上昇管および下降管を介して真空槽と取鍋間を
溶鋼を環流させる環流式真空脱ガス装置である。
【0006】RHを使用した真空精錬では、通常脱炭速
度を十分に大きくすることが困難であることから、脱炭
速度を大きくする方法が種々提案されている。
【0007】例えば、特開昭57−110611号公報
には、RH真空槽の下部から溶鋼中に不活性ガスを吹き
込んで強攪拌し、脱炭速度を大きくする方法が提案され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、発明者の経験
では、不活性ガスを真空槽内に大量に吹き込んでも溶鋼
中で巨大気泡となり反応界面の面積が小さく、脱炭速度
を大きくする効果が小さいという問題がある。本発明の
目的は、脱炭速度を大きくする真空脱炭方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、RHを使用
して各種試験を重ねた結果、下記の知見を得た。 (1)真空精錬前の溶鋼中の[C]濃度が約400質量
ppm (以下、単にppmで質量ppm を表す)の溶鋼を溶鋼
中の[C]濃度が20ppm まで脱炭し、かつ排ガス中の
水素濃度の最大値を種々変えて、脱炭速度定数Kc(1
/s)を脱炭時間tc(s)を用いて、(1)式で算出
した。
【0010】この得られた脱炭速度定数Kcを、排ガス
中の水素濃度の最大値が0.5容量%(以下、単に%で
容量%を表す)での脱炭速度定数を1とした相対値であ
る脱炭速度指数で表した。 Kc=ln(400/20)/tc (1) 図1は、真空精錬時の排ガス中の水素濃度の最大値Hm
と脱炭速度指数との関係を示すグラフである。同図に示
すように、排ガス中の水素濃度の最大値Hmが2%で急
激に脱炭速度指数が大きくなり、20%超で急激に脱炭
速度指数が低下することがわかった。
【0011】一方、水素は真空精錬後も溶鋼中に残留
し、残留した水素がスラブまたは鋼材製品(以下、スラ
ブまたは鋼材製品を単に製品ともいう)の段階で製品中
に拡散し、内部にボイドを形成して内部欠陥の原因とな
るおそれがある。
【0012】また、溶鋼中に残存した水素の濃度が高い
まま連続鋳造した場合、凝固界面に水素気泡が発生し、
それによって表面凝固層の強度が低下して生じるブレー
クアウト(鋳込み中の表面凝固層が破れ溶鋼が出てくる
現象)により鋳造中断となり生産性が著しく低下するお
それがある。
【0013】発明者らは、これらの問題についてさらに
検討を加えたところ、下記の知見を得た。
【0014】図2は、真空精錬末期の排ガス中の水素濃
度と製品スラブの内部欠陥指数との関係を示すグラフで
ある。
【0015】なお、製品スラブの内部欠陥指数は、真空
精錬末期での排ガス中の水素濃度が0.2%のときの製
品スラブの傷の数(超音波探傷により検出された数)を
1とした相対値である。
【0016】同図に示すように、真空精錬末期での排ガ
ス中の水素濃度が1.0%を超えると、急激に製品スラ
ブの内部欠陥指数が大きくなった。
【0017】図1および図2から、真空精錬時の排ガス
中の水素濃度の最大値が2〜20%であり、かつ真空精
錬末期の排ガス中の水素濃度が1.0%以下であると、
脱炭速度指数が大きく、しかも製品スラブの内部欠陥を
防止できることがわかった。なお、真空精錬末期とは、
真空精錬を終了させる時期を意味する。
【0018】本発明は、以上の知見に基づいてなされた
もので、その要旨は、「真空精錬時の排ガス中の水素濃
度の最大値が容量%で2〜20%であり、真空精錬末期
の排ガス中の水素濃度が容量%で1.0%以下であるこ
とを特徴とする溶鋼の真空脱炭方法」である。
【0019】
【発明の実施の形態】真空精錬を行う装置は、DH真空
脱ガス装置、RH真空脱ガス装置等が使用できる。
【0020】本発明では、これらの真空脱ガス装置で水
素を含有した溶鋼を減圧雰囲気にさらすことにより水素
の微細気泡を生成させ、それによって反応界面の面積を
増大させ脱炭速度を大きくすることができる。
【0021】溶鋼に水素を含有させる方法は、真空精錬
前に水素含有物質を予め溶鋼に添加してもよいし、真空
精錬時に溶鋼に水素含有物質を添加してもよい。
【0022】真空精錬前に水素含有物質を溶鋼に予め添
加する方法は、取鍋内で行ってもよいし、前工程の転炉
で行ってもよい。
【0023】溶鋼中の水素濃度[H]は3〜12ppm と
するのが好ましい。その理由は、3ppm 未満では真空精
錬での排ガス中の水素濃度が十分にあがらず脱炭速度が
小さくなるおそれがあり、12ppm 超では排ガス中水素
量が増大して排気系に負担がかかり真空度が悪化するお
それがあるからである。
【0024】真空精錬時に溶鋼に水素含有物質を添加す
る方法は、浸漬管内壁または真空槽の槽底や内壁に設け
た羽口から溶鋼中に水素含有物質を吹き込んでもよく、
溶鋼に浸漬したランス先端のノズルから水素含有物質を
溶鋼中に吹き込んでもよい。
【0025】水素含有物質としては、H2 ガス、炭化水
素、水蒸気などの気体の他に、Ca(OH)2 、Mg
(OH)2 、金属水素化物などの固体を用いてもよい。
【0026】水蒸気やCa(OH)2 、Mg(OH)2
などの酸素含有物を添加すると鋼の清浄性が悪化するの
で、溶鋼中の[O]濃度が0.01質量%(以下、単に
%で質量%を表す)以下で精錬を行う場合にはこれらの
物質は使用しないことが望ましい。
【0027】また、炭化水素を溶鋼中に添加すると溶鋼
中の炭素濃度が増加する場合があるので、溶鋼中の
[C]が0.003%以下で精錬を行う場合には炭化水
素を使用しないことが望ましい。
【0028】真空精錬時の排ガス中の水素濃度の最大値
を2〜20%に調整することにより、脱炭速度を大きく
することが可能となる。望ましい排ガス中の水素濃度
は、4〜15%である。
【0029】また、真空精錬末期の排ガス中の水素濃度
を1.0%以下とすることにより、製品の内部欠陥を低
減できる。望ましい真空精錬末期の排ガス中の水素濃度
は、0.5%以下である。
【0030】排ガス中の水素濃度は、溶鋼中の水素濃
度、真空脱ガス装置内の真空度、真空槽内溶鋼中への水
素含有物質の添加量等を制御することにより調整するこ
とができる。
【0031】
【実施例】質量250トン規模の上底吹き転炉にて溶銑
を酸素吹錬し、溶鋼中の[C]濃度を300〜500質
量ppm (以下、単にppm で質量ppm を表す)とした後、
溶鋼を取鍋に出鋼し、溶鋼を収容した取鍋をRH真空脱
ガス装置へ搬送した。RH上昇管および下降管の管径を
0.6mとした。
【0032】環流用ガスは、真空精錬時にはArに水素
ガスを混合した各種の水素ガス濃度の混合ガスを主に使
用し、真空精錬末期にはArガスのみを主に使用した。
【0033】真空槽の真空度、環流用ガス流量および水
素ガス濃度を制御して真空精錬時の排ガス中の水素濃度
の最大値Hmを調整した。
【0034】排ガス中の水素濃度を見ながら精錬末期の
排ガス中の水素濃度Heを変化させた。表1に試験結果
を示す。
【0035】
【表1】
【0036】なお、製品スラブの内部欠陥指数は、真空
精錬末期での排ガス中の水素濃度Heが0.2%のとき
の製品スラブの傷の数(超音波探傷により検出された
数)を1とした相対値である。
【0037】また、ブレークアウト指数は、真空精錬末
期での排ガス中の水素濃度Heが0.2%のときの連続
鋳造設備のブレークアウト回数を1とした相対値であ
る。
【0038】表1に示すように、真空精錬時の排ガス中
の水素濃度の最大値Hmを2〜20%とすることにより
脱炭速度定数Kcを大きくすることができ、精錬末期の
排ガス中の水素濃度Heを1%以下にすることによって
製品スラブの内部欠陥や連続鋳造設備のブレークアウト
回数を低減できた。
【0039】本例はRHを用いたが、真空脱炭機構とし
て同一であるDH真空脱ガス装置等を用いた真空精錬一
般についても同様な効果が得られることは、当業者には
以上の説明から容易に理解されうる。
【0040】
【発明の効果】本発明により、脱炭速度を大きくするこ
とができ、鋼材の内部欠陥や連続鋳造設備のブレークア
ウト回数を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空精錬時の排ガス中の水素濃度の最大値Hm
と脱炭速度指数との関係を示すグラフである。
【図2】真空精錬末期の排ガス中の水素濃度と製品スラ
ブの内部欠陥指数との関係を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空精錬時の排ガス中の水素濃度の最大
    値が容量%で2〜20%であり、真空精錬末期の排ガス
    中の水素濃度が容量%で1.0%以下であることを特徴
    とする溶鋼の真空脱炭方法。
JP34332699A 1999-12-02 1999-12-02 溶鋼の真空脱炭方法 Pending JP2001158911A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101063465B1 (ko) * 2003-12-19 2011-09-08 주식회사 포스코 용강의 진공탈탄공정에서의 탄소농도 제어방법
JP2023020853A (ja) * 2021-07-28 2023-02-09 北京科技大学 水素ガスを用いてrh精錬効果を向上させる方法

Cited By (3)

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