JP2001157547A - 耐光性発酵乳、耐光性発酵乳製品およびその製造方法 - Google Patents

耐光性発酵乳、耐光性発酵乳製品およびその製造方法

Info

Publication number
JP2001157547A
JP2001157547A JP34336299A JP34336299A JP2001157547A JP 2001157547 A JP2001157547 A JP 2001157547A JP 34336299 A JP34336299 A JP 34336299A JP 34336299 A JP34336299 A JP 34336299A JP 2001157547 A JP2001157547 A JP 2001157547A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
fermented milk
vitamin
resistant
product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34336299A
Other languages
English (en)
Inventor
Naohiro Mizobuchi
尚宏 溝渕
Ryoichi Akaboshi
良一 赤星
Yoshinori Abe
慶憲 安部
Yoshitaka Sakaguchi
能崇 坂口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yakult Honsha Co Ltd
Original Assignee
Yakult Honsha Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yakult Honsha Co Ltd filed Critical Yakult Honsha Co Ltd
Priority to JP34336299A priority Critical patent/JP2001157547A/ja
Publication of JP2001157547A publication Critical patent/JP2001157547A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光透過性のある合成樹脂容器に充填され、過
酷な光照射条件下に保存された場合でも、乳酸菌の生残
性が維持され、風味や物性の劣化もない発酵乳および発
酵乳製品を提供すること。 【解決手段】 乳酸菌を発酵させて得た発酵乳と、ビタ
ミンCおよび/またはビタミンEとを含有せしめた耐光
性発酵乳およびこれに更に、ヤマモモ抽出物、クロロゲ
ン酸およびルチンから選ばれた化合物の1種または2種
以上を含有せしめた耐光性発酵乳並びにこれらの耐光性
発酵乳を、光透過性の容器に充填してなる耐光性発酵乳
製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐光性発酵乳および
耐光性発酵乳製品に関し、更に詳細には、光透過性容器
に充填し、これを過酷な光照射下に保存した場合でもあ
る程度の生存乳酸菌数を保証することができ、しかも退
色の抑制された耐光性発酵乳およびこれを光透過性容器
に充填した耐光性発酵乳製品並びにその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来技術】従来から乳酸菌やビフィドバクテリウム属
細菌を含有する発酵乳は、整腸作用、免疫賦活作用等の
生理活性を有する健康食品として広く飲食されている。
発酵乳の生理作用は、製品中の乳酸菌数やビフィドバク
テリウム属細菌数に依存するところが多いため、菌培養
時の増殖性や製品保存時の生残性を向上させる試みが多
種なされている。例えば、お茶のエキスやクロレラには
乳酸菌の増殖促進作用があるといわれており、また、ビ
フィドバクテリウム属細菌の生残性改善剤として、エリ
スリトールやラクチトール等の糖アルコール類やグルコ
ン酸カルシウム、ラクチュロース等が提案されている。
【0003】一方、発酵乳を充填・包装し、発酵乳製品
とする容器の素材としては、古くからガラス瓶が用いら
れていたが、ガラス瓶の重さ、壊れやすさは輸送に不向
きで、安全性にも問題がある。このため、近年ではポリ
スチレン、ポリエチレン等の合成樹脂や紙が容器素材と
して用いられている。中でも、合成樹脂は、成型性の良
さや、コスト面から使用に供しやすい素材として重宝さ
れている。
【0004】ところで、上記に述べてきた生残性改善剤
等を用いても、製品の保存状態が菌の生育にとって劣悪
な場合には、菌の死滅を抑制しきれない場合もある。例
えば、光透過性を有する容器に充填・包装された発酵乳
製品が、太陽光のような強い光にさらされ続けると、製
品中の菌数が減少してしまうことが、本発明者の研究に
よって明らかとなっている。製品の物流段階等では、太
陽光が製品を直撃してしまう可能性もありえるため、均
質な製品を消費者へ供給するためには、このような場合
の菌数維持も重要である。
【0005】しかしながら、このような過酷な光照射に
よる菌数の減少に対しては、現状ではなんらの対応手段
も取られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、光透
過性のある合成樹脂容器に充填され、過酷な光照射条件
下に保存された場合でも、乳酸菌の生残性が維持され、
風味や物性の劣化もない発酵乳および発酵乳製品を提供
することをその課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、光透過性のある
容器に充填された発酵乳製品を製造する際に、発酵乳中
にビタミンC、および/またはビタミンEを添加するこ
とにより、菌の耐光性を改善できることを見出した。ま
た、ヤマモモ抽出物、クロロゲン酸、ルチン等を添加す
ることにより、菌の耐光性を更に高めることができるこ
とを見出した。
【0008】本発明は、これらの知見に基づき完成され
たものであり、その目的は、乳酸菌を発酵させて得た発
酵乳において、ビタミンCおよび/またはビタミンEと
を含有することを特徴とする耐光性発酵乳を提供するも
のである。
【0009】また、本発明の別の目的は、上記耐光性発
酵乳に更に、ヤマモモ抽出物、クロロゲン酸およびルチ
ンから選ばれた化合物の1種または2種以上を含有せし
めた耐光性発酵乳を提供するものである。
【0010】更に本発明は、上記耐光性発酵乳を、光透
過性の容器に充填してなる耐光性発酵乳製品およびその
製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において発酵乳とは、牛
乳、山羊乳などの生乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、生クリー
ム等の乳製品をそのままあるいは必要に応じて希釈した
溶液中で乳酸菌を培養した溶液のことであり、乳等省令
により定められている発酵乳、乳製品乳酸菌飲料、乳酸
菌飲料等の生菌含有タイプの飲料を含むものである。
【0012】この発酵乳を調製するために乳製品等に接
種する乳酸菌は特に限定されず、ラクトバチルス・カゼ
イ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス
・ガッセリ、ラクトバチルス・ゼアエ、ラクトバチルス
・ジョンソニー、ラクトバチルス・デルブルッキィ サ
ブスピーシーズ ブルガリカス、ラクトバチルス・デル
ブルッキィ サブスピーシーズ デルブルッキィ等のラク
トバチルス属細菌、ストレプトコッカス・サーモフィル
ス等のストレプトコッカス属細菌、ラクトコッカス・ラ
クチス、ラクトコッカス・プランタラム、ラクトコッカ
ス・ラフィノラクチス等のラクトコッカス属細菌、ロイ
コノストック・メセンテロイデス、ロイコノストック・
ラクチス等のロイコノストック属細菌、エンテロコッカ
ス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム等の
エンテロコッカス属細菌等いずれも好適に使用できる。
これらは1種または2種以上を組み合わせて使用するこ
とができ、中でも、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバ
チルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・デルブルッ
キィ サブスピーシーズ ブルガリカス、ラクトコッカス
・ラクチスおよびストレプトコッカス・サーモフィルス
より選ばれる乳酸菌を用いた場合には、特に優れた耐光
性の向上が得られ好ましい。
【0013】また、本発明の発酵乳の調製には、ビフィ
ドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ビ
フィダム、ビフィドバクテリウム・ロンガム等のビフィ
ドバクテリウム属細菌を乳酸菌とともに使用してもよ
い。これらも1種または2種以上を組み合わせて使用す
ることができる。
【0014】本発明において耐光性成分として用いられ
るビタミンCとしては、例えば、アスコルビン酸、アス
コルビン酸の無機塩(例えばアスコルビン酸ナトリウ
ム、アスコルビン酸カリウムなどのアスコルビン酸のア
ルカリ金属塩、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビ
ン酸マグネシウムなどのアスコルビン酸のアルカリ土類
金属塩、アスコルビン酸アンモニウムなど)、アスコル
ビン酸の有機塩(例えば、アルギニン塩、ヒスチジン
塩、トリエタノールアミン塩、メグルミン塩など)が挙
げられ、中でも、生残性改善効果が高いのは、アスコル
ビン酸である。このビタミンCの添加量は特に限定され
ないが、アスコルビン酸として0.01〜0.05重量%
(以下単に「%」と記載する)が好ましく、特に、0.
03〜0.04%が好ましい。0.01%以下では十分な
生残性改善効果を得ることができず、0.05%以上で
は、酸味が強くなり過ぎ、製品の風味が劣化してしまう
ため好ましくない。
【0015】また、本発明で耐光性成分として用いられ
るビタミンEとしては、α−トコフェロール、コハク酸
トコフェロールカルシウム、酢酸トコフェロール、ニコ
チン酸トコフェロールなどが挙げられ、中でも、生残性
改善効果が高いのは、α−トコフェロールである。ビタ
ミンEの添加量も特に限定されず、0.005〜0.05
%が好ましく、特に、0.01〜0.03%が好ましい。
0.005%以下では十分な生残性効果を得ることがで
きず、また0.05%以上では、製品の風味が劣化して
しまうため好ましくない。
【0016】更に、前記方法により、ビタミンCまたは
ビタミンEと併用することでより優れた生残性改善効果
を得ることができる耐光性向上成分として、ルチン、ヤ
マモモ抽出物およびクロロゲン酸等の酸化剤を見出し
た。これらは1種または2種以上を、ビタミンCまたは
ビタミンEと併用することができ、その添加量は特に制
約されないが、効果および味覚の面から、上記のビタミ
ンCまたはビタミンE濃度に対して、ルチンおよびヤマ
モモ抽出物(乾燥重量)であれば、0.001〜0.05
%程度、特に0.003〜0.01%程度が好ましく、ク
ロロゲン酸であれば0.0008〜0.017%程度、特
に0.001〜0.004%程度が好ましい。なお、ここ
でいうヤマモモ抽出物とは、ヤマモモの樹皮を水もしく
はアルコール等の有機溶媒で抽出した溶液に含まれる成
分であり、この抽出溶液をそのままあるいは凍結乾燥等
の手段で乾燥させて得た固形物として用いることができ
る。
【0017】本発明の耐光性発酵乳の製造は、途中でビ
タミンCやビタミンE、あるいはこれらと併用するルチ
ン、ヤマモモ抽出物、クロロゲン酸等を添加する以外
は、常法により実施することができる。例えば、まず脱
脂粉乳溶液を殺菌処理した後、乳酸菌やビフィドバクテ
リウム属細菌を接種培養し、これを均質化処理して発酵
乳を得る。発酵の方法、条件等も、通常の条件で良く、
特に限定されない。例えば、ラクトバチルス・カゼイで
あれば、乳製品に含む培地に該菌を接種し、35℃でp
H3.5〜4.5程度まで培養を行えばよい。ビフィドバ
クテリウム・ブレーベであれば、乳製品に接種後37℃
で20〜22時間程度、pH4.5〜4.7程度まで培養
すればよい。培養方法は、静置培養、攪拌培養、振盪培
養、通気培養等を用いる微生物の培養に適した方法を適
宜選択して用いればよい。
【0018】一方、ビタミンCやビタミンE、あるいは
これらと併用するルチン、ヤマモモ抽出物、クロロゲン
酸等の添加は、乳酸菌の培養の前であっても、また発酵
後であっても良い。これらの添加は、例えば別途調製し
たビタミンCおよび/またはビタミンEやその他の添加
物等を含むシロップ溶液として添加混合しても良く、こ
の後、フレーバーを添加して最終製品に仕上げることも
できる。更に、寒天、ゼラチン等の各種増粘剤をシロッ
プ液中もしくは別途増粘剤として調製し、これを添加し
て固形状の耐光性発酵乳にしてもよい。
【0019】更に、本発明の耐光性発酵乳には、その他
の食品素材、すなわち、各種糖質や乳化剤、増粘剤、甘
味料、酸味料、果汁等を適宜配合してもよい。具体的に
は、蔗糖、異性化糖、グルコース、フラクトース、パラ
チノース、トレハロース、ラクトース、キシロース等の
糖類、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、
ラクチトール、パラチニット、還元水飴、還元麦芽糖水
飴等の糖アルコール、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリ
ン糖脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤、カラギーナ
ン、グァーガム、キサンタンガム、ペクチン、ローカス
トビーンガム等の増粘(安定)剤、が挙げられる。この
他にも、ビタミンA、ビタミンB類等の各種ビタミン類
やカルシウム、鉄、マンガン、亜鉛等のミネラル類を配
合しても、優れた風味の耐光性発酵乳を得ることができ
る。
【0020】このようにして得られる本発明の耐光性発
酵乳は、プレーンタイプ、フレーバードタイプ、フルー
ツタイプ、甘味タイプ等、いずれの種類の製品とするこ
とも可能であり、また、プレーンタイプ、ソフトタイ
プ、ドリンクタイプ、固形(ハード)タイプ、フローズ
ンタイプ等、いずれの形態の製品とすることも可能であ
る。
【0021】以上の本発明の耐光性発酵乳は、光透過性
の容器に充填し、耐光性発酵乳製品とすることができ
る。この光透過性容器とは、光透過率がおよそ20%を
上回る程度の容器であり、ガラスや合成樹脂素材で成型
された容器を例示することができる。合成樹脂素材の具
体例としては、ポリスチレン、ポリエチレン、塩化ビニ
ル、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることがで
き、このうちでも安価で成型性、安全性に優れているの
は、ポリスチレン、ポリエチレンであり、特により成型
性が良好であるのはポリスチレンである。
【0022】なお、上記の光透過性容器の光透過率の測
定は、積分球式光線透過率測定装置を用い、光源から出
た光を試験片(容器)を通し、透過後の光を受光機で測
定することにより行う。この測定方法の原理は、「JI
Sハンドブック11プラスチック」(財団法人日本規格
協会、1987年4月20日発行)の第253頁から第
255頁に記載されており、また、積分球式光線透過率
測定装置の市販品としては、ヘーズメーター(日本全色
社製)、ヘーズメーター(東洋精機社製)等があり、こ
れらを利用することができる。
【0023】本発明で問題とする、発酵乳を光照射した
場合に乳酸菌の菌数が減少し、発酵乳が退色する理由は
未だ明らかでないが、どのような化合物がこれを抑制す
るかは以下のようにして調べることができる。
【0024】すなわち、まず、発酵乳をポリスチレン製
の容器に充填し、これに各種の物質を添加した後、密封
して発酵乳製品を製造する。この時点で、発酵乳製品中
の生菌数を測定する。次いで、この発酵乳製品に光安定
性試験器(LST−300型、東京理化器械製)を用い
て、光を2000ルクスの照度で、168時間照射した
後、再度生菌数を測定する。この光照射前、照射後の生
菌数から、下式に従い乳酸菌の生存率(生残率)を算出
し、この値を何ら特別な化合物を添加しないで、同様の
操作を行った対照品と対比することにより調べられる。
【0025】
【式1】
【0026】本発明において、耐光性発酵乳製品とは、
2000ルクスの照度で、168時間の光照射を行った
場合の、発酵乳中の乳酸菌の生存率が特別な成分を配合
しない対照品(発酵乳)の5倍以上である乳製品を指称
する。特に、生存率10倍以上であれば、劣悪な条件下
でも高い生菌数を維持できるため、好ましい。後記実施
例に示すように、前記式から、発酵乳に加えたときに優
れた耐光作用を付与できるものとして選択されたものが
ビタミンCとビタミンEであり、これらと併用すること
により極めて優れた耐光効果を与えることができる化合
物がルチン、ヤマモモ抽出物およびクロロゲン酸なので
ある。
【0027】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】実 施 例 1 ビタミンCを添加したドリンクヨーグルトの耐光性試
験:脱脂粉乳溶液(固形分15.2%、脂肪0.2%、蛋
白5.7%)を121℃で3秒間殺菌した。別にラクト
バチルス・カゼイYIT9029の種菌を製造し、これ
を上記の脱脂粉乳溶液に0.5%添加し、pH3.6とな
るまで培養し、発酵乳ベースを得た。
【0029】得られた発酵乳ベースを150kg/cm
2で均質化後、蔗糖およびビタミンC(最終重量で0.0
4重量%)を含むシロップ溶液と混合し、更にヨーグル
トフレーバーを単独(0.08重量%)添加し、ポリス
チレン性光透過性容器(光透過率約50%)に充填して
ドリンクヨーグルトタイプの発酵乳製品を得た(製品
1)。一方、対照品としては、蔗糖のみを含むシロップ
液を用いて製造した発酵乳製品を用いた。
【0030】こうして得られたドリンクヨーグルトタイ
プの発酵乳製品の生菌数および色調を測定した後、庫内
の温度を10℃にした光照射器に入れ、2000ルクス
で168時間照射した後、再度生菌数、色調を測定し、
色差および生存率を求めた。この結果を表1に示す。
【0031】( 結 果 )
【表1】
【0032】その結果、ビタミンCをドリンクヨーグル
トに0.04重量%添加することで、光照射による退色
と生菌数の減少を抑えられることがわかった。なお、上
記製品1において、500ルクスの光を72時間照射し
た場合は、色差3.4、生存率89.0%であった。
【0033】実 施 例 2 ビタミンC濃度による耐光性および風味の変化試験:実
施例1からビタミンCの添加に効果があることがわかっ
たので、次にビタミンCの濃度を変えた場合の効果につ
いて確認した。実施例1と同様、脱脂粉乳溶液(固形分
15.2%、脂肪0.2%、蛋白5.7%)を121℃で
3秒間殺菌した。別にラクトバチルス・カゼイYIT9
029の種菌を製造し、これを上記脱脂粉乳溶液中に
0.5%添加し、pH3.6となるまで培養し、発酵乳ベ
ースを得た。
【0034】得られた発酵乳ベースを150kg/cm
2で均質化後、蔗糖およびビタミンCを含むシロップ溶
液と、それぞれビタミンCが0.008%、0.016
%、0.024%、0.032%、0.04%および0.0
6となるよう混合し、更にヨーグルトフレーバーを単独
(0.08重量%)添加し、実施例1と同じ光透過性容
器に充填してドリンクヨーグルトタイプの発酵乳製品を
得た(製品2〜7)。対照品としては、実施例1と同
じ、蔗糖のみを含むシロップ液を用いて製造した発酵乳
製品を用いた。
【0035】こうして得られたドリンクヨーグルトタイ
プの発酵乳製品の生菌数および色調を測定した後、庫内
の温度を10℃にした光照射器に入れ、2000ルクス
で168時間照射した後、再度生菌数、色調を測定し、
色差および生存率を求めた。また、照射後の風味につい
ても、下記基準により専門パネラー5名で官能評価し
た。この結果を表2に示す。
【0036】<風味評価基準> 評 価 : 内 容 ○ : 風味が良い △ : どちらともいえない × : 風味が悪い
【0037】( 結 果 )
【表2】
【0038】この結果、ビタミンCの濃度を高くするほ
ど退色及び菌数減少を防止できることがわかったが、同
時に風味の点ではビタミンCの好ましい配合量は一定範
囲内であることが示された。
【0039】実 施 例 3 酸化防止剤を添加したドリンクヨーグルトの耐光性試
験:脱脂粉乳溶液(固形分15.2%、脂肪0.2%、蛋
白5.7%)を121℃で3秒間殺菌した。別にラクト
バチルス・カゼイYIT9029の種菌を製造し、これ
を上記脱脂粉乳溶液中に0.5%添加し、pH3.6とな
るまで培養し、発酵乳ベースを得た。
【0040】得られた発酵乳ベースを150kg/cm
2で均質化後、蔗糖および表3に示す各添加物を含むシ
ロップ溶液と混合し(濃度は最終製品換算)、更にヨー
グルトフレーバー(0.08重量%)を添加し、実施例
1と同じ光透過性容器に充填してドリンクヨーグルトタ
イプの発酵乳製品(製品8および9)を得た。対照品と
しては、実施例1と同じ、蔗糖のみを含むシロップ液を
用いて製造した発酵乳製品を、また比較品としては、蔗
糖と、ルチン、ヤマモモ抽出物、クロロゲン酸若しくは
茶抽出物とを含むシロップ液を用いて製造した発酵乳製
品(比較品1〜4)を用いた。
【0041】こうして得られたドリンクヨーグルトタイ
プの発酵乳製品の生菌数および色調を測定した後、庫内
の温度を10℃にした光照射器に入れ、2000ルクス
で168時間照射した後、再度生菌数、色調を測定し、
色差および生存率を求めた。この結果を表3に示す。
【0042】( 結 果 )
【表3】
【0043】この結果、ビタミンCおよびビタミンEは
単独で高い効果が見られた。一方、ヤマモモ抽出物、ク
ロロゲン酸、ルチン等は効果はあるもののあまり高いも
のではなかった。
【0044】実 施 例 4 ビタミンCおよび/またはビタミンEと酸化防止剤を組
み合わせた場合の耐光性試験:脱脂粉乳溶液(固形分1
5.2%、脂肪0.2%、蛋白5.7%)を121℃で3
秒間殺菌した。別にラクトバチルス・カゼイYIT90
29の種菌を製造し、これを上記脱脂粉乳溶液中に0.
5%添加し、pH3.6となるまで培養し、発酵乳ベー
スを得た。
【0045】得られた発酵乳ベースを150kg/cm
2で均質化後、蔗糖および表4に記載の添加物を1種か
ら3種含むシロップ溶液と混合し、更にヨーグルトフレ
ーバーを単独(0.08重量%)添加し、実施例1と同
じ光透過性容器に充填してドリンクヨーグルトタイプの
発酵乳製品を得た(製品10〜16)。対照品として
は、実施例1と同じ、蔗糖のみを含むシロップ液を用い
て製造した発酵乳製品を用いた。
【0046】こうして得られたドリンクヨーグルトタイ
プの発酵乳製品の生菌数および色調を測定した後、庫内
の温度を10℃にした光照射器に入れ、2000ルクス
で168時間照射した後、再度生菌数、色調を測定し、
色差および生存率を求めた。この結果を表4に示す。
【0047】( 結 果 )
【表4】
【0048】この結果から明らかなように、ビタミンC
と、ヤマモモ抽出物、クロロゲン酸、ルチンを組み合わ
せることによって、極めて優れた光照射後の退色防止及
び菌数減少防止効果が得られた。
【0049】実 施 例 5 ビタミンCとルチンを組み合わせた場合の耐光性試験:
脱脂粉乳溶液(固形分15.2%、脂肪0.2%、蛋白
5.7%)を121℃で3秒間殺菌した。別にラクトバ
チルス・カゼイYIT9029の種菌を製造し、これを
上記脱脂粉乳溶液中に0.5%添加し、pH3.6となる
まで培養し、発酵乳ベースを得た。
【0050】得られた発酵乳ベースを150kg/cm
2 で均質化後、蔗糖、ビタミンCおよびルチン(ビタミ
ンC、ルチンの添加濃度は表5に記載)を含むシロップ
溶液と混合し、更にヨーグルトフレーバーを0.08%
添加し、実施例1と同じ光透過性容器に充填してドリン
クヨーグルトタイプの発酵乳製品を得た(製品17〜3
2)。対照品としては、実施例1と同じ、蔗糖のみを含
むシロップ溶液を用いて製造した発酵乳を用いた。
【0051】こうして得られた発酵乳製品の生菌数を測
定した後、庫内の温度を10℃にした光照射器に入れ、
2000ルクスで168時間照射した後、再度生菌数を
測定し、生存率を求めた。また、照射後の製品の風味を
実施例と同様に評価した。結果を表5に示す。
【0052】
【表5】
【0053】この結果、ビタミンC濃度0.01%〜0.
05%範囲内において、ルチンを0.001%〜0.05
%程度、特に0.003%〜0.01%程度併用すると、
優れた耐光性、風味を得られることがわかった。
【0054】
【発明の効果】本発明のビタミンCもしくはビタミンE
を配合した発酵乳またはこれに更にヤマモモ抽出物、ク
ロロゲン酸もしくはルチンを配合した発酵乳は、光照射
を受けた場合でも乳酸菌数の減少を抑制し、退色を防止
した耐光性を有するものである。
【0055】従ってこの発酵乳は、光透過性を有する容
器に充填して耐光性発酵乳製品とすることができ、日光
の当たる場所や、ショーケースなど連続して強い照明の
あたる場所においても、乳酸菌の減少を防ぐことができ
発酵乳製品の本来の作用を失うことのないものである。 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安部 慶憲 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 (72)発明者 坂口 能崇 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 Fターム(参考) 4B001 AC21 AC31 AC36 AC99 EC99

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸菌を発酵させて得た発酵乳におい
    て、ビタミンCおよび/またはビタミンEを含有するこ
    とを特徴とする耐光性発酵乳。
  2. 【請求項2】 更に、ヤマモモ抽出物、クロロゲン酸お
    よびルチンから選ばれた物質の1種または2種以上を含
    有することを特徴とする請求項第1項記載の耐光性発酵
    乳。
  3. 【請求項3】 請求項第1項または第2項記載の耐光性
    発酵乳を、光透過性の容器に充填してなる耐光性発酵乳
    製品。
  4. 【請求項4】 光透過性容器の光透過率が、20%以上
    である請求項第3項記載の耐光性発酵乳製品。
  5. 【請求項5】 光透過性容器がポリスチレン、ポリエチ
    レン、塩化ビニルまたはポリエチレンテレフタレートか
    ら選ばれる1種または2種以上の素材よりなるものであ
    る請求項第3項または第4項記載の耐光性発酵乳製品。
  6. 【請求項6】 2000ルクスの照度で、168時間の
    光照射を行った場合の、発酵乳中の乳酸菌の生存率が、
    ビタミンCおよび/またはビタミンEを配合しない発酵
    乳の10倍以上である請求項第3項ないし第5項の何れ
    かの項記載の耐光性発酵乳製品。
  7. 【請求項7】 乳を主原料とする培地に乳酸菌を接種、
    培養し発酵乳を製造し、当該発酵乳を光透過性容器に充
    填後、該容器を密封する発酵乳製品の製造方法におい
    て、乳酸菌の培養の前または後に、ビタミンCおよび/
    またはビタミンEを添加することを特徴とする耐光性発
    酵乳製品の製造方法。
JP34336299A 1999-12-02 1999-12-02 耐光性発酵乳、耐光性発酵乳製品およびその製造方法 Pending JP2001157547A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34336299A JP2001157547A (ja) 1999-12-02 1999-12-02 耐光性発酵乳、耐光性発酵乳製品およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34336299A JP2001157547A (ja) 1999-12-02 1999-12-02 耐光性発酵乳、耐光性発酵乳製品およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001157547A true JP2001157547A (ja) 2001-06-12

Family

ID=18360942

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34336299A Pending JP2001157547A (ja) 1999-12-02 1999-12-02 耐光性発酵乳、耐光性発酵乳製品およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001157547A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002078447A (ja) * 2000-06-22 2002-03-19 Riken Vitamin Co Ltd 光透過容器充填乳飲料
EP1293130A4 (en) * 2000-06-20 2005-05-25 Calpis Co Ltd ACID MILK DRINK
JP2006298778A (ja) * 2005-04-15 2006-11-02 Kanehide Bio Kk 乳酸菌培養により得られる免疫活性賦活剤
JP2007514444A (ja) * 2003-12-16 2007-06-07 ワイルド フレーバーズ インク. ミルクベースの製品の安定化
WO2013058301A1 (ja) * 2011-10-21 2013-04-25 株式会社明治 乳性食品およびその製造方法
KR20150046057A (ko) * 2012-09-06 2015-04-29 가부시키가이샤 야쿠르트 혼샤 철분 및 토코페롤을 강화한 발효유 제품
WO2015146147A1 (ja) * 2014-03-24 2015-10-01 株式会社明治 コラーゲンを配合した発酵乳及びその製造方法
JP2017035087A (ja) * 2011-02-14 2017-02-16 サントリー食品インターナショナル株式会社 ケルセチン配糖体配合容器詰め飲料
JP2020130136A (ja) * 2019-02-25 2020-08-31 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 変色抑制用組成物、変色を抑制する方法、及びこれらの応用

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1293130A4 (en) * 2000-06-20 2005-05-25 Calpis Co Ltd ACID MILK DRINK
JP2002078447A (ja) * 2000-06-22 2002-03-19 Riken Vitamin Co Ltd 光透過容器充填乳飲料
JP2007514444A (ja) * 2003-12-16 2007-06-07 ワイルド フレーバーズ インク. ミルクベースの製品の安定化
JP2006298778A (ja) * 2005-04-15 2006-11-02 Kanehide Bio Kk 乳酸菌培養により得られる免疫活性賦活剤
JP2017035087A (ja) * 2011-02-14 2017-02-16 サントリー食品インターナショナル株式会社 ケルセチン配糖体配合容器詰め飲料
JPWO2013058301A1 (ja) * 2011-10-21 2015-04-02 株式会社明治 乳性食品およびその製造方法
WO2013058301A1 (ja) * 2011-10-21 2013-04-25 株式会社明治 乳性食品およびその製造方法
KR20150046057A (ko) * 2012-09-06 2015-04-29 가부시키가이샤 야쿠르트 혼샤 철분 및 토코페롤을 강화한 발효유 제품
JPWO2014038351A1 (ja) * 2012-09-06 2016-08-08 株式会社ヤクルト本社 鉄分およびトコフェロールを強化した発酵乳製品
KR102120067B1 (ko) * 2012-09-06 2020-06-08 가부시키가이샤 야쿠르트 혼샤 철분 및 토코페롤을 강화한 발효유 제품
WO2015146147A1 (ja) * 2014-03-24 2015-10-01 株式会社明治 コラーゲンを配合した発酵乳及びその製造方法
JPWO2015146147A1 (ja) * 2014-03-24 2017-04-13 株式会社明治 コラーゲンを配合した発酵乳及びその製造方法
JP2020130136A (ja) * 2019-02-25 2020-08-31 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 変色抑制用組成物、変色を抑制する方法、及びこれらの応用
JP7256656B2 (ja) 2019-02-25 2023-04-12 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 変色抑制用組成物、変色を抑制する方法、及びこれらの応用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU775082B2 (en) Fermented milk drinks and foods and process for producing the same
Mohammadi et al. Probiotic ice cream: viability of probiotic bacteria and sensory properties
CN102971413B (zh) 属于植物乳杆菌的乳酸菌及其应用
JP7286729B2 (ja) 微生物菌体含有飲料
CN102100250B (zh) 一种无糖活性乳酸菌饮料及其制作方法
RU2404668C2 (ru) Ферментированные пищевые продукты, содержащие пробиотические штаммы, и способ их получения
CN102770528B (zh) 新型双歧杆菌属细菌的制作方法
KR101730191B1 (ko) 유산균의 배양방법 및 음식품
JP2001157547A (ja) 耐光性発酵乳、耐光性発酵乳製品およびその製造方法
AU778951B2 (en) Fermented foods containing bifidobacterium
JP2002017254A (ja) 耐光性発酵乳、耐光性発酵乳製品およびその製造方法
JP2012105577A (ja) ホエイ発酵飲料の製造方法
Keller et al. Degradation of aspartame in yogurt related to microbial growth
TWI612900B (zh) 強化鐵分及生育酚的發酵乳製品
JPS5951997B2 (ja) ストレプトコツカス・サ−モフイルスに属する新規微生物及び該微生物を含有する組成物
US6737090B2 (en) Carbon-containing additive for foodstuff fermentations and food compositions containing it
JP3717382B2 (ja) 発酵乳製品
WO2018230585A1 (ja) 微生物菌体含有非炭酸液状飲食品、および飲食品における微生物菌体粉末の沈澱物または凝集物の分散性向上方法
KR100381912B1 (ko) 마늘파쇄액을 이용한 젖산균을 함유하는 김치발효용미생물제재 및 김치조성물
JPS61239873A (ja) ビフイドバクテリウム菌含有飲料の製法
KR790001822B1 (ko) 비휘이도 생균을 함유하는 발효유 제품의 제조법
JPS6258691B2 (ja)
CN118020837A (en) Mango solid fermented milk and preparation method thereof
Popa Influence of sweetener type on growth, activity, and viability of yogurt cultures
LT4900B (lt) Simbiotinis mišinys, sudarytas iš penkių bifidobakterijų, ir maisto produktai, turintys šio mišinio