JP2001157490A - Pwmインバータの電流制御方法およびその装置 - Google Patents

Pwmインバータの電流制御方法およびその装置

Info

Publication number
JP2001157490A
JP2001157490A JP33474699A JP33474699A JP2001157490A JP 2001157490 A JP2001157490 A JP 2001157490A JP 33474699 A JP33474699 A JP 33474699A JP 33474699 A JP33474699 A JP 33474699A JP 2001157490 A JP2001157490 A JP 2001157490A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pwm inverter
current
inductive load
pwm
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP33474699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3493399B2 (ja
Inventor
Hideki Takayama
秀樹 高山
Yasuto Yanagida
靖人 柳田
Hiroyuki Yamai
広之 山井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP33474699A priority Critical patent/JP3493399B2/ja
Publication of JP2001157490A publication Critical patent/JP2001157490A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3493399B2 publication Critical patent/JP3493399B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘導性負荷に供給される電流の制御の安定性
を向上させるとともに、回路定数の調整を簡単化する。 【解決手段】 パルス信号により特性が変化させられる
フィルタ回路52を介して巻線電流検出値を比較器51
に供給して電流振幅指令と比較し、前記パルス信号がC
K端子に供給され、比較器51の出力がCL端子に供給
されるDフリップフロップ54のQ出力信号によりPW
Mインバータ2のトランジスタT+のオン・オフを制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、誘導性負荷に流
れる電流を、PWM(パルス幅変調)インバータで負荷
に印加される電圧の通電時間を変化させることによって
制御する電流制御形PWMインバータに関するものであ
り、特に、電流指令値と実電流とを比較し、その大小に
基づいて電圧の通電時間を制御するための方法およびそ
の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、誘導性負荷に流れる電流をP
WMインバータを用いて制御することが知られている。
そして、このような制御方法として、瞬時値比較方式が
知られている。
【0003】また、誘導性負荷としては種々のものがあ
るが、ACモータに比べ、原理的に低電流・大トルク特
性を持つため小型化でき、モータ構造もシンプルなため
大幅なコストダウンが望めるスイッチトリラクタンスモ
ータ(以下、SRモータと略称する)も誘導性負荷とし
て知られている。
【0004】一般に、SRモータの発生トルクは、 τ=(1/2)・(iu・iu・dLu/dθ+iv・iv・dLv/dθ+i w・iw・dLw/dθ) ・・・(1) と記せる。ここで、iu、iv、iwは各相巻線電流、
Lu、Lv、Lwは各相巻線自己インダクタンス、θは
回転子の位置角をそれぞれ示す。
【0005】図3に、固定子が6極、回転子が4極のS
Rモータの各巻線の自己インダクタンスの変化の様子と
通電波形との関係を示す。
【0006】図3に示すように、各巻線の自己インダク
タンスの回転角度に対する変化は三角波に近似でき、そ
れぞれ機械角で30°の位相差を持つ。
【0007】(1)式から分かるように、トルクの正/
負はインダクタンスの変化率により決まり、電流極性に
依存しないため、正トルクを得たい場合には、インダク
タンスの変化率が正の区間に矩形波電流を通電できるイ
ンバータと制御とが必要となる。
【0008】なお、他の極数の組み合わせのSRモータ
(例えば、固定子が12極、回転子が8極)において
も、同様な通電制御が一般的に行われる。
【0009】図4、図5は、SRモータを駆動するため
のインバータ主回路、および波形制御回路を示す電気回
路図である。図4のインバータ主回路を構成するトラン
ジスタは、図5の波形制御回路によってオン・オフ制御
される。
【0010】インバータ主回路は、通電制御のためのト
ランジスタがDCリンクの上(+)側と下(−)側にそ
れぞれ接続され、+側トランジスタのエミッタ端子と−
側トランジスタのコレクタ端子との間に誘導性負荷とな
るモータ巻線が接続されている。そして、トランジスタ
のオフ時に動作する還流ダイオードがDCリンクの+側
と−側とにそれぞれ接続され、+側に接続された還流ダ
イオードのアノードは−側に接続されたトランジスタの
コレクタ端子に、−側に接続された還流ダイオードのカ
ソードは+側に接続されたトランジスタのエミッタ端子
に、それぞれ接続されている。
【0011】そして、この波形制御回路は、−側に接続
されたトランジスタT−をオンする一方、+側に接続さ
れたトランジスタT+は、検出電流と指令電流との偏差
をヒステリシスコンパレータに入力して得られる出力結
果に基づいてオン・オフ制御される。
【0012】すなわち、+側に接続されたトランジスタ
T+は、偏差が負の場合にオンとなり、巻線の両端にト
ランジスタT−、T+を介して直流電圧VDCが印加さ
れ、巻線電流が上昇し、逆に偏差が正の場合にオフとな
り、巻線の両端にトランジスタT−と−側に接続された
還流ダイオードにより0電圧が印加され、巻線抵抗によ
って巻線電流が減衰する。そして、これらの動作を繰り
返すことにより、電流指令に対してヒステリシス幅のリ
プルを持つ波形を得ることができる。
【0013】また、通電相を切り替える時には、トラン
ジスタT+、T−を共にオフし、DCリンクの+側、−
側にそれぞれ接続された還流ダイオードにより逆電圧−
VDCを印加することができ、ひいては電流を急速にオ
フすることができる。
【0014】なお、トランジスタT+に代えてトランジ
スタT−によりPWMを行ってもよいし、電流リプルは
大きくなるがPWM動作時にトランジスタT+、T−を
同時にオン・オフ制御してもよい。
【0015】なお、トランジスタT+およびT−はベー
ス信号”1”を入力としてオン、”0”を入力としてオ
フとする。(以下の説明も同様である)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】トランジスタT+、T
−を共にオンした時のSRモータの1相巻線間の電圧方
程式は、 VDC=R・i+d{L(θ)・i}/dt =R・i+L(θ)・di/dt+ω・K・i ・・・(2) と記すことができる。ここで、L(θ)は回転子位置角
θ毎の巻線自己インダクタンス、Rは巻線抵抗、iは巻
線電流、ωはモータの回転角速度、tは時間である。ま
た、K=L(θ)/dθである。Kは回転子の位置角に
より符号が反転するが、電動機動作を行う場合には、K
が正の期間で通電制御が行われる(図3参照)。
【0017】インバータ主回路の直流電圧VDCが一定
の場合、(2)式の第3項は回転角速度と共に上昇する
ため、(2)式の第2項の巻線のインダクタンスL
(θ)で分担すべき電圧は回転角速度と共に減少し、ひ
いては電流の変化率di/dtを低減する。
【0018】一方、トランジスタT−をオン、トランジ
スタT+をオフした場合には、SRモータの1相巻線間
の電圧方程式は、 0=R・i+L(θ)・di/dt+ω・K・i ・・・(3) となる。(3)式の第3項は回転角速度と共に上昇し、
(3)式の第2項の巻線のインダクタンスL(θ)で分
担すべき電圧も上昇し、ひいては電流の変化率di/d
tを増加させる。
【0019】瞬時値比較方式は、電流指令値に対する実
電流の偏差が所定値になるようにヒステリシスコンパレ
ータの出力がトランジスタT+、T−のオン・オフを行
うので、電流の変化率の大きさによって、所定の偏差に
電流が達する時間が変化し、ひいては、オン・オフの頻
度が変わる。すなわち、瞬時値比較方式では、PWM周
期(トランジスタT+、T−のオン・オフ頻度)が回転
角速度に応じて変化してしまう。
【0020】一般に、トランジスタはスイッチング周波
数と共にスイッチ損失が増加するため、損失に伴う素子
の熱破壊がない程度にPWM周波数を決定する必要があ
る。しかし、瞬時値比較方式は、モータの回転速度に応
じて、トランジスタT+、T−のオン・オフ頻度、すな
わち、PWM周波数が変化するため、所定の範囲にPW
M周波数を設定すべく、ヒステリシスコンパレータのヒ
ステリシス幅を調整する作業が煩雑になってしまうとい
う問題がある。
【0021】この問題を解決するために、例えば、西村
他、「永久磁石同期電動機の高性能サーボシステム」電
気学会半導体電力変換研究会、SPC 84−13、1
984年において、スイッチング周波数に応答して、こ
のヒステリシス幅を調整するような手法などが提案され
ているが、構成が複雑化するという問題が生ずる。
【0022】さらに、瞬時値比較方式ではコンパレータ
を用いているため、電流制御ゲインが極めて高く、検出
電流に含まれるノイズによる誤動作を起こしやすい。特
に、安価な電流検出器では、スイッチング時のインバー
タ出力電圧の急峻な変化(0→Vdc、Vdc→0もし
くはVdc→−Vdc)により検出電流にスパイク状の
ノイズが重畳され、これにより誤動作、すなわち不要な
スイッチングを行い、スイッチング周波数の増加を招く
という問題がある。
【0023】図6にスパイクノイズがない電流検出器を
用いた場合の波形を示し、図7に安価な電流検出器を用
いた場合の波形を示す。そして、図6と図7とを対比す
れば、安価な電流検出器を用いた場合には、スパイクノ
イズにより誤動作が発生し、トランジスタT+のオン・
オフ回数が増加していることが分かる。
【0024】また、検出電流に重畳されたスパイクノイ
ズを低減すべくローパスフィルタを設けることが考えら
れるが、スパイクノイズを十分に低減できるカットオフ
周波数を持つようにフィルタ特性を設定すると、SRモ
ータを駆動するための矩形波に含まれる高周波成分が検
出できなくなってしまい、ひいてはSRモータの正確な
制御が困難になってしまう。具体的には、検出電流に重
畳したスパイクノイズを、ヒステリシスコンパレータを
誤動作させない程度に十分に減衰させることができるロ
ーパスフィルタを用いた場合の制御波形は図8に示すと
おりになり、指令電流に対する実電流の十分な追従性を
実現することができない。
【0025】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、誘導性負荷に供給される電流の制御の安
定性を向上させることができるとともに、回路定数の調
整を簡単化することができるPWMインバータの電流制
御方法およびその装置を提供することを目的としてい
る。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1のPWMインバ
ータの電流制御方法は、誘導性負荷に流れる電流を制御
すべくパルス信号をPWMインバータに供給して誘導性
負荷に印加する電圧を制御するに当たって、PWMイン
バータのスイッチング素子をオンする頻度を所定頻度以
下に制限するとともに、誘導性負荷に流れる電流が所定
値以上になったことに応答してPWMインバータのスイ
ッチング素子をオフする方法である。
【0027】請求項2のPWMインバータの電流制御方
法は、PWMインバータのスイッチング素子のスイッチ
ング後の所定時間、誘導性負荷に流れる電流の検出値に
重畳されたスパイクノイズを低減する方法である。
【0028】請求項3のPWMインバータの電流制御装
置は、誘導性負荷に流れる電流を制御すべくパルス信号
をPWMインバータに供給して誘導性負荷に印加する電
圧を制御する装置において、PWMインバータのスイッ
チング素子をオンする頻度を所定頻度以下に制限する頻
度制限手段と、誘導性負荷に流れる電流が所定値以上に
なったことに応答してPWMインバータのスイッチング
素子をオフするオフ制御手段とを含むものである。
【0029】請求項4のPWMインバータの電流制御装
置は、PWMインバータのスイッチング素子のスイッチ
ング後の所定時間、誘導性負荷に流れる電流の検出値に
重畳されたスパイクノイズを低減するフィルタ手段をさ
らに含むものである。
【0030】請求項5のPWMインバータの電流制御装
置は、前記頻度制限手段として、PWMのキャリアパル
スがクロック信号として供給されるとともに、前記誘導
性負荷に流れる電流が所定値以上になったか否かを示す
比較結果がクリア入力信号として供給されるフリップフ
ロップを採用するものである。
【0031】請求項6のPWMインバータの電流制御装
置は、前記フィルタ手段として、PWMインバータのス
イッチング動作に応答して特性が変化されるローパスフ
ィルタを採用するものである。
【0032】請求項7のPWMインバータの電流制御装
置は、前記フィルタ手段として、PWMのキャリアパル
スにより特性が変化されるローパスフィルタを採用する
ものである。
【0033】請求項8のPWMインバータの電流制御装
置は、前記フィルタ手段として、抵抗とPWMのキャリ
アパルスにより切換動作されるスイッチとの並列接続回
路にたいしてコンデンサを直列接続したものを採用する
ものである。
【0034】請求項9のPWMインバータの電流制御装
置は、前記誘導性負荷としてスイッチトリラクタンスモ
ータを採用するものである。
【0035】
【作用】請求項1のPWMインバータの電流制御方法で
あれば、誘導性負荷に流れる電流を制御すべくパルス信
号をPWMインバータに供給して誘導性負荷に印加する
電圧を制御するに当たって、PWMインバータのスイッ
チング素子をオンする頻度を所定頻度以下に制限すると
ともに、誘導性負荷に流れる電流が所定値以上になった
ことに応答してPWMインバータのスイッチング素子を
オフするのであるから、応答性を高めて電流制御の安定
性を向上することができるとともに、スイッチ損失に起
因する素子の熱破壊を防止することができる。
【0036】請求項2のPWMインバータの電流制御方
法であれば、PWMインバータのスイッチング素子のス
イッチング後の所定時間、誘導性負荷に流れる電流の検
出値に重畳されたスパイクノイズを低減するのであるか
ら、スパイクノイズに起因する誤動作を防止することが
できるほか、請求項1と同様の作用を達成することがで
きる。
【0037】請求項3のPWMインバータの電流制御装
置であれば、誘導性負荷に流れる電流を制御すべくパル
ス信号をPWMインバータに供給して誘導性負荷に印加
する電圧を制御するに当たって、頻度制限手段により、
PWMインバータのスイッチング素子をオンする頻度を
所定頻度以下に制限し、オフ制御手段により、誘導性負
荷に流れる電流が所定値以上になったことに応答してP
WMインバータのスイッチング素子をオフすることがで
きる。
【0038】したがって、応答性を高めて電流制御の安
定性を向上することができるとともに、スイッチ損失に
起因する素子の熱破壊を防止することができる。
【0039】請求項4のPWMインバータの電流制御装
置であれば、PWMインバータのスイッチング素子のス
イッチング後の所定時間、誘導性負荷に流れる電流の検
出値に重畳されたスパイクノイズを低減するフィルタ手
段をさらに含むのであるから、スパイクノイズに起因す
る誤動作を防止することができるほか、請求項3と同様
の作用を達成することができる。
【0040】請求項5のPWMインバータの電流制御装
置であれば、前記頻度制限手段として、PWMのキャリ
アパルスがクロック信号として供給されるとともに、前
記誘導性負荷に流れる電流が所定値以上になったか否か
を示す比較結果がクリア入力信号として供給されるフリ
ップフロップを採用するのであるから、簡単な構成で請
求項3または請求項4と同様の作用を達成することがで
きる。
【0041】請求項6のPWMインバータの電流制御装
置であれば、前記フィルタ手段として、PWMインバー
タのスイッチング動作に応答して特性が変化されるロー
パスフィルタを採用するのであるから、スパイクノイズ
発生時と非発生時とでローパスフィルタの特性を変化さ
せて、スパイクノイズの十分な減衰およびスパイクノイ
ズ非発生時の十分な応答性を達成することができるほ
か、請求項4または請求項5の何れかと同様の作用を達
成することができる。
【0042】請求項7のPWMインバータの電流制御装
置であれば、前記フィルタ手段として、PWMのキャリ
アパルスにより特性が変化されるローパスフィルタを採
用するのであるから、特性の変化を制御するための信号
をわざわざ作成する必要がなく、構成を簡単化すること
ができるほか、請求項6と同様の作用を達成することが
できる。
【0043】請求項8のPWMインバータの電流制御装
置であれば、前記フィルタ手段として、抵抗とPWMの
キャリアパルスにより切換動作されるスイッチとの並列
接続回路に対してコンデンサを直列接続したものを採用
するのであるから、フィルタ手段の構成を簡単化するこ
とができるほか、請求項6または請求項7と同様の作用
を達成することができる。
【0044】請求項9のPWMインバータの電流制御装
置であれば、前記誘導性負荷としてスイッチトリラクタ
ンスモータを採用するのであるから、安価に低電流、大
トルクを実現することができるほか、請求項3から請求
項8の何れかと同様の作用を達成することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明のPWMインバータの電流制御方法およびその装置
の実施態様を詳細に説明する。
【0046】図1はこの発明のPWMインバータの電流
制御方法が適用されるSRモータ制御装置の一実施態様
を示す電気回路図である。なお、図1には、インバータ
およびSRモータの1相分の巻線のみを示している。
【0047】このSRモータ制御装置は、SRモータ1
と、SRモータ1への通電を制御するPWMインバータ
2と、PWMインバータ2のトランジスタT−のオン・
オフを制御するためのタイミング信号を出力する転流タ
イミング発生部3と、電流振幅指令(トルク指令)を発
生する電流振幅指令発生部4と、SRモータ1の通電電
流および電流振幅指令(トルク指令)を入力としてPW
M信号を出力するPWM信号発生部5と、転流タイミン
グ発生部3からのタイミング信号およびPWM信号を入
力としてPWMインバータ2のトランジスタT−のオン
・オフを制御するためのオン・オフ信号を出力するAN
Dゲート6とを有している。
【0048】前記PWMインバータ2は、DCラインの
正(+)側に接続されたトランジスタT+と、DCライ
ンの負(−)側に接続されたトランジスタT−と、DC
ラインの+側とトランジスタT−との間に逆接続された
還流ダイオードD+と、トランジスタT+とDCライン
の−側との間に逆接続された還流ダイオードD−とを有
し、トランジスタT+のエミッタ端子とトランジスタT
−のコレクタ端子との間にSRモータ1の固定子巻線を
接続している。そして、SRモータ1の固定子巻線の通
電電流を検出するための電流検出器7を設けている。
【0049】なお、SRモータを制御するために、通電
相を切換えるタイミングを出力する転流タイミング発生
部3,およびモータトルクもしくは、回転速度を所定値
に制御する電流振幅指令発生部4の構成は従来公知であ
るから詳細な説明を省略する。
【0050】前記PWM信号発生部5は、非反転入力端
子に電流振幅指令(トルク指令)が供給される、ヒステ
リシスのない比較器(コンパレータ)51と、電流検出
器7と比較器51の反転入力端子との間に接続されるフ
ィルタ回路52と、パルス発振器53と、データ入力端
子Dに常時”1”レベル信号が供給され、パルス発振器
53からのパルス信号(例えば、PWMのクロックパル
ス信号)がクロック入力端子CKに供給され、比較器5
1からの出力信号がクリア入力端子CLに供給されて、
Q出力端子からPWM信号を出力するDフリップフロッ
プ54とを有している。そして、クリア入力端子CLの
入力信号が”0”になったことに応答してQ出力信号
が”0”レベルになり、パルス発振器53からのパルス
信号の立ち上がりに応答してデータ入力端子Dの”1”
レベル信号がセットされ、その値がQ出力信号として出
力される。なお、前記フィルタ回路52は、抵抗Rとコ
ンデンサCとを直列接続し、抵抗RとコンデンサCとの
接続点を比較器51の反転入力端子に接続し、しかも、
抵抗Rと並列にアナログスイッチ55を接続し、このア
ナログスイッチ55をパルス発振器53からのパルス信
号により制御している(例えば、パルス信号が”0”レ
ベルであることに応答してアナログスイッチ55がオン
し、抵抗Rの両端を短絡する)。
【0051】次いで、図2を参照して上記の構成のSR
モータ制御装置の作用を説明する。なお、転流タイミン
グ発生器3からは”1”レベル信号が出力、すなわち、
この相が通電相に選択されている場合について示す。
【0052】Dフリップフロップ54はパルス発振器5
3からのパルス信号{図2中(E)参照}の立ち上がり
に応答して”1”レベル信号をQ出力端子から出力す
る。そして、この”1”レベル信号および転流タイミン
グ発生器3からの”1”レベル信号がANDゲート6に
供給されることにより、PWMインバータ2のトランジ
スタT+がオンとなり{図2中(F)参照}、この時、
PWMインバータ2のトランジスタT−は転流タイミン
グ発生器3からの”1”レベル信号によりオンとなって
いるので、両トランジスタT+、T−を介してSRモー
タ1の固定子巻線に電圧VDCが印加され、巻線電流が
上昇する{図2中(A)参照}。この時、検出電流には
スパイクノイズが発生する{図2中(B)参照}。しか
し、アナログスイッチ55がオフしているので、抵抗R
とコンデンサCとからなるローパスフィルタによって、
スイッチング動作に悪影響がない程度にスパイクノイズ
が減衰させられる{図2中(C)参照}。このため、ス
パイクノイズによって比較器51の出力が”0”レベル
になり、Dフリップフロップ54のQ出力信号がクリア
される(”0”レベルとなる)ことを防止することがで
きる{図2中(D)参照}。
【0053】なお、フィルタ回路52は、パルス発振器
53からのパルス信号(CK入力)のパルス幅の期間
(ほぼスパイクノイズの発生している期間であり、通
常、スパイクノイズが発生している期間は数μs程度で
ある)のみ作用し、他の期間にはアナログスイッチ55
により抵抗Rの両端が短絡される。このため、パルス幅
の期間以外では固定子巻線電流に含まれる高周波成分を
正確に比較器51に伝達することができる。これによ
り、制御波形を矩形波指令に追従させることができる。
換言すれば、制御波形が矩形波指令に追従しなくなると
いう不都合の発生を防止することができる。
【0054】そして、両トランジスタT+、T−を介し
てSRモータ1の固定子巻線に電圧VDCが印加されて
巻線電流が上昇し、指令電流に到達すると、比較器51
の出力が”0”レベルになり、これに応答してDフリッ
プフロップ54のQ出力信号も”0”レベルになり、A
NDゲート6からの出力信号も”0”レベルになるの
で、トランジスタT+がオフとなり、固定子巻線電流が
減衰する。この時にもスイッチングに伴うスパイクノイ
ズが検出電流に重畳され、比較器51には誤信号が供給
されて、図2中(E)に示す誤信号が出力されるのであ
るが、Dフリップフロップ54は次のCK入力のパルス
の立ち上がりまで”1”レベルのQ出力信号を出力する
ことがないので、このスパイクノイズは電流制御には何
ら悪影響を及ぼさない。
【0055】なお、上記の実施態様において、アナログ
スイッチ55と直列に、抵抗Rよりも抵抗値が低い(よ
り高周波成分まで伝達する)抵抗を接続してフィルタ回
路52のカットオフ周波数を変化させるようにしてもよ
い。また、上記の実施態様のPWM信号発生部5と同様
の作用をマイコン処理に行わせるようにしてもよい。
【0056】上記の実施態様を採用すれば、トランジス
タT+のオンタイミングがパルス発振器53の出力パル
ス列により定まるため、トランジスタT+のオン・オフ
の頻度をこのパルス列の周波数以下に設定することがで
きる。また、トランジスタT+のスイッチングに伴うス
パイクノイズに同期させてノイズ除去用のフィルタ回路
52を確実に作用させることができ、トランジスタT+
のスイッチングに伴うスパイクノイズに起因する誤動作
を確実に防止することができる。さらに、パルス発振器
のパルス列のみに応答してトランジスタT+がオンされ
るのであるから、トランジスタT+のオフ時に発生する
スパイクノイズにより再度トランジスタT+をオンする
という不都合を未然に防止することができる。したがっ
て、ノイズ除去用のフィルタ回路52はトランジスタT
+のオンタイミングのみで動作させればよい。
【0057】また、以上には負荷としてSRモータ1を
採用した場合についてのみ説明したが、SRモータ以外
の誘導性負荷を採用することが可能である。
【0058】
【発明の効果】請求項1の発明は、応答性を高めて電流
制御の安定性を向上することができるとともに、スイッ
チ損失に起因する素子の熱破壊を防止することができる
という特有の効果を奏する。
【0059】請求項2の発明は、スパイクノイズに起因
する誤動作を防止することができるほか、請求項1と同
様の効果を奏する。
【0060】請求項3の発明は、応答性を高めて電流制
御の安定性を向上することができるとともに、スイッチ
損失に起因する素子の熱破壊を防止することができると
いう特有の効果を奏する。
【0061】請求項4の発明は、スパイクノイズに起因
する誤動作を防止することができるほか、請求項3と同
様の効果を奏する。
【0062】請求項5の発明は、簡単な構成で請求項3
または請求項4と同様の効果を奏する。
【0063】請求項6の発明は、スパイクノイズ発生時
と非発生時とでローパスフィルタの特性を変化させて、
スパイクノイズの十分な減衰およびスパイクノイズ非発
生時の十分な応答性を達成することができるほか、請求
項4または請求項5の何れかと同様の効果を奏する。
【0064】請求項7の発明は、特性の変化を制御する
ための信号をわざわざ作成する必要がなく、構成を簡単
化することができるほか、請求項6と同様の効果を奏す
る。
【0065】請求項8の発明は、フィルタ手段の構成を
簡単化することができるほか、請求項6または請求項7
と同様の効果を奏する。
【0066】請求項9の発明は、安価に低電流、大トル
クを実現することができるほか、請求項3から請求項8
の何れかと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のPWMインバータの電流制御方法が
適用されるSRモータ制御装置の一実施態様を示す電気
回路図である。
【図2】図1のSRモータ制御装置の各部の信号波形を
示す図である。
【図3】SRモータの駆動法を説明する図である。
【図4】従来のSRモータ制御装置におけるインバータ
主回路を示す電気回路図である。
【図5】従来のSRモータ制御装置における波形制御回
路の構成を示す電気回路図である。
【図6】スパイクノイズがない電流検出器を用いた場合
における図5の装置の各部の信号波形を示す図である。
【図7】スパイクノイズがある安価な電流検出器を用い
た場合における図5の装置の各部の信号波形を示す図で
ある。
【図8】スパイクノイズを十分減衰させるローパスフィ
ルタを常に介在させた場合における指令電流と実電流と
の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 SRモータ 2 PWMインバータ 51 比較器 52 フィルタ回路 53 パルス発振器 54 Dフリップフロップ T+ トランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山井 広之 滋賀県草津市岡本町字大谷1000番地の2 ダイキン工業株式会社滋賀製作所内 Fターム(参考) 5H007 AA01 AA06 BB06 CA01 CB01 CD06 DA05 DB03 DC02 EA13 FA03 FA14 5H550 AA20 BB06 BB08 CC01 DD09 FF03 GG05 HA07 HB16 JJ02 JJ26 KK01 LL22 MM06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導性負荷(1)に流れる電流を制御す
    べくパルス信号をPWMインバータ(2)に供給して誘
    導性負荷(1)に印加する電圧を制御する方法におい
    て、 PWMインバータ(2)のスイッチング素子(T+)を
    オンする頻度を所定頻度以下に制限するとともに、誘導
    性負荷(1)に流れる電流が所定値以上になったことに
    応答してPWMインバータのスイッチング素子をオフす
    ることを特徴とするPWMインバータの電流制御方法。
  2. 【請求項2】 PWMインバータ(2)のスイッチング
    素子(T+)のスイッチング後の所定時間、誘導性負荷
    (1)に流れる電流の検出値に重畳されたスパイクノイ
    ズを低減する請求項1に記載のPWMインバータの電流
    制御方法。
  3. 【請求項3】 誘導性負荷(1)に流れる電流を制御す
    べくパルス信号をPWMインバータ(2)に供給して誘
    導性負荷(1)に印加する電圧を制御する装置におい
    て、 PWMインバータ(2)のスイッチング素子(T+)を
    オンする頻度を所定頻度以下に制限する頻度制限手段
    (53)(54)と、 誘導性負荷(1)に流れる電流が所定値以上になったこ
    とに応答してPWMインバータ(2)のスイッチング素
    子(T+)をオフするオフ制御手段(51)(54)と
    を含むことを特徴とするPWMインバータの電流制御装
    置。
  4. 【請求項4】 PWMインバータ(2)のスイッチング
    素子(T+)のスイッチング後の所定時間、誘導性負荷
    (1)に流れる電流の検出値に重畳されたスパイクノイ
    ズを低減するフィルタ手段(52)をさらに含む請求項
    3に記載のPWMインバータの電流制御装置。
  5. 【請求項5】 前記頻度制限手段(54)は、PWMの
    キャリアパルスがクロック信号として供給されるととも
    に、前記誘導性負荷(1)に流れる電流が所定値以上に
    なったか否かを示す比較結果がクリア入力信号として供
    給されるフリップフロップ(54)である請求項3また
    は請求項4に記載のPWMインバータの電流制御装置。
  6. 【請求項6】 前記フィルタ手段(52)は、PWMイ
    ンバータ(2)のスイッチング動作に応答して特性が変
    化されるローパスフィルタである請求項4または請求項
    5に記載のPWMインバータの電流制御装置。
  7. 【請求項7】 前記フィルタ手段(52)は、PWMの
    キャリアパルスにより特性が変化されるローパスフィル
    タである請求項6に記載のPWMインバータの電流制御
    装置。
  8. 【請求項8】 前記フィルタ手段(52)は、抵抗
    (R)とPWMのキャリアパルスにより切換動作される
    スイッチ(55)との並列接続回路に対してコンデンサ
    (C)を直列接続している請求項6または請求項7に記
    載のPWMインバータの電流制御装置。
  9. 【請求項9】 前記誘導性負荷(1)はスイッチトリラ
    クタンスモータ(1)である請求項3から請求項8の何
    れかに記載のPWMインバータの電流制御装置。
JP33474699A 1999-11-25 1999-11-25 Pwmインバータの電流制御方法およびその装置 Expired - Fee Related JP3493399B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33474699A JP3493399B2 (ja) 1999-11-25 1999-11-25 Pwmインバータの電流制御方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33474699A JP3493399B2 (ja) 1999-11-25 1999-11-25 Pwmインバータの電流制御方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001157490A true JP2001157490A (ja) 2001-06-08
JP3493399B2 JP3493399B2 (ja) 2004-02-03

Family

ID=18280772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33474699A Expired - Fee Related JP3493399B2 (ja) 1999-11-25 1999-11-25 Pwmインバータの電流制御方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3493399B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008093872A1 (ja) * 2007-02-02 2008-08-07 Mitsuba Corporation スイッチトリラクタンスモータの制御装置
US8471535B2 (en) 2009-02-23 2013-06-25 Mitsubishi Electric Corporation Large current handling capable semiconductor switching device with suppression of short circuit damage and recovery current switching loss
WO2018139636A1 (ja) * 2017-01-30 2018-08-02 ローム株式会社 パルス制御装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008093872A1 (ja) * 2007-02-02 2008-08-07 Mitsuba Corporation スイッチトリラクタンスモータの制御装置
US8471535B2 (en) 2009-02-23 2013-06-25 Mitsubishi Electric Corporation Large current handling capable semiconductor switching device with suppression of short circuit damage and recovery current switching loss
WO2018139636A1 (ja) * 2017-01-30 2018-08-02 ローム株式会社 パルス制御装置
JP6382473B1 (ja) * 2017-01-30 2018-08-29 ローム株式会社 パルス制御装置
US11532449B2 (en) 2017-01-30 2022-12-20 Rohm Co., Ltd. Pulse control device

Also Published As

Publication number Publication date
JP3493399B2 (ja) 2004-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7402975B2 (en) Motor drive device and drive method
JP2818450B2 (ja) ブラシレス直流モータ用電子制御回路
US7622873B2 (en) Motor drive device and drive method
US8278860B2 (en) Variable pulse width modulation for reduced zero-crossing granularity in sensorless brushless direct current motors
US5015927A (en) Electric motor with regeneration current commutation
US8378606B2 (en) Synchronized minimum frequency pulse width modulation drive for sensorless brushless direct current motor
JPH10271876A (ja) モータ駆動器のpwm制御
JP2004516800A (ja) 多相電動モータのロータ位置を求める方法および装置
JPH11155297A (ja) モータの駆動装置
JP2000083397A (ja) モ―タの制御装置及びその制御装置を有するモ―タユニット
JP3493399B2 (ja) Pwmインバータの電流制御方法およびその装置
JP2009247089A (ja) ブラシレスモータ用インバータの制御方法及びそれを用いた装置
JP5923437B2 (ja) 同期電動機駆動システム
KR102238456B1 (ko) 스위치드 릴럭턴스 모터를 구동하는 구동 회로
JPH0260493A (ja) 直流ブラシレスモータ
KR100308005B1 (ko) 센서가 없는 비엘디씨(bldc) 모터의 위치감지장치
US5793183A (en) Motor system with interrupted PWM oscillation
JP4779233B2 (ja) ブラシレスモータ駆動制御装置
US5414338A (en) Method and apparatus for suppressing electrical impulse noise created by DC motors
JP3544249B2 (ja) モータの制御回路
JP3283793B2 (ja) ブラシレスモータの駆動制御装置
JP3274894B2 (ja) モータ駆動方法
JP3305642B2 (ja) ブラシレスモータ駆動回路
JPH0487594A (ja) ブラシレスモータの駆動方式
US20050127858A1 (en) PWM motor control in the current mode with positive disconnection

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081121

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081121

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091121

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101121

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111121

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131121

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees