JP2004516800A - 多相電動モータのロータ位置を求める方法および装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、複数の相(101,201,301)を備えた電動モータたとえばブラシレス直流モータのロータ位置を求めるための方法ならびに捕捉検出モジュール(23)に関する。この場合、ロータ位置を求めるため少なくとも第1の相に誘導される少なくとも1つの相電圧(107,207,307)の極性を少なくとも第1の極性値(111,211,311)として基準値との比較により求め、たとえば相のスター結線点に加わる実際のまたはシミュレートされたスター結線点電圧との比較により求める。このため本発明によれば、少なくとも第1の極性値の検出を、少なくとも第1または第2の相を給電するためのスイッチング時点(te)に対して同期合わせし、少なくとも第1の極性値を少なくとも1つのスイッチング時点(te)に続く所定の待ち時間(twa)の後で求める。
Description
【0001】
本発明は、多相電動モータすなわち複数のモータ相巻線を備えた電動モータたとえばブラシレス直流モータのロータ位置を求める方法および装置に関する。本発明はさらにそのための捕捉検出モジュールに関する。
【0002】
多くの技術分野において、たとえば自動車分野において、最近はいわゆるブラシレス直流モータが使用され、これはBLDCモータ(BLDC = Brushless Direct Current)として知られており、摩耗に弱いブラシを備えていない。BLDCモータの場合には機械的なコミュテータの代わりに電子的な転流が行われ、これは一般に電力エレクトロニクスによって実現されている。BLDCモータのことを電子整流式直流モータまたはECモータとも称する(EC = electronically commutated)。
【0003】
BLDCモータはコミュテータとして用いられる電力エレクトロニクスアクチュエータ素子によって駆動され、たとえば6パルスのブリッジインバータによって駆動され、これはパルス変調一般的にはパルス幅変調によりバッテリ直流電圧または中間回路直流電圧から、周波数と電圧振幅が可変の3相交流電圧系を形成し、それによってBLDCモータに対したとえばほぼ矩形の電流ブロックが供給されることになる。この場合、電動モータのモータ相の給電つまりモータ巻線の給電は、モータの個々のロータ位置に依存して行われる。通常、2つの巻線に同時に給電される。その際にそれらに割り当てられたブリッジインバータの分岐がアクティブになり、これにより第1の相が正で第2の相が負に給電される。このとき第3のブリッジインバータ分岐のスイッチは開かれており、したがって第3の分岐は非アクティブ状態にある。
【0004】
たとえば永久磁石装置を有する電動モータのロータにより、モータ巻線つまり個々のモータ相にそれに対峙する電圧ないしは逆電圧が誘導される。高いモータ効率を得るため相の給電は、個々の相巻線電流と同じ極性のできるかぎり高い逆の相電圧が誘導されるようにして行われる。
【0005】
いずれにせよBLDCモータの場合、最適な転流時点を求めるためにはそのモータのロータ位置が既知でなければならない。ロータ位置もしくは転流時点はたとえばセンサ装置によって求めることができるし、あるいはセンサレスでも求めることができ、たとえばそのつど給電されていない個々の相に誘導された逆電圧のゼロ点通過の評価によって求めることができる。ゼロ点通過から、次の転流のためのロータ角度を外挿によって求めることができる。とはいえこのやり方は、たとえばポンプやファンなどにおいて連続運転用として駆動される電動モータのためにしか適していない。
【0006】
モータ停止状態まで回転調整が行われるモータの場合、たとえば位置決め駆動のためのモータの場合、ロータ位置を求めるためにはダイナミックな方法が必要とされる。しかしながらその際にはいくつかの問題点が発生する:
ブリッジインバータの2つのアクティブな分岐におけるスイッチのパルス幅変調(PWM)により、給電されているアクティブなモータ相つまり相巻線に流れる電流が調節され制限される。しかしパルス幅変調により妨害パルスが引き起こされ、それらの妨害パルスは個々のモータ相巻線間の相互インダクタンスによって殊に給電されていない非アクティブ状態の相巻線に伝達され、その結果、そこにおいて誘導電圧のゼロ点通過を妨害なく確実に測定できなくなってしまう。個々の測定信号に対する評価のためにはタイミング妨害をフィルタリングによって除去しなければならないが、アナログフィルタの場合にはたとえば位相のずれが生じてしまい、妨害となる測定誤差が引き起こされてしまう。
【0007】
US 5, 859, 520 によってディジタルフィルタリング手法が提案されている。このやり方によれば、ブリッジ分岐の上方のスイッチをタイミング制御して、同じブリッジ分岐の下方のスイッチを介して惰性電流を発生させることにより、誘導電圧のゼロ点通過を測定する。そして惰性走行中、着目するブリッジ分岐に割り当てられた相つまり相巻線に誘導された逆電圧が、測定回路のアース電位に対して測定される。この場合の欠点は、1つにはブリッジ分岐の上方のスイッチだけしかタイミング制御できないことであり、他方、そもそも測定を実行できるようにするためには、上方のスイッチのタイミング制御によりいわゆる強制惰性走行を生じさせなければならないことである。このような強制的惰性走行を生じさせることによって、モータの能力をあまり利用できなくなってしまう。
【0008】
発明の利点
これに対し主請求項1の特徴部分に記載の構成を備えた本発明による方法ならびにこの方法に従って動作する本発明による捕捉検出モジュールのもつ利点とは、相つまり相巻線に誘導される逆電圧の極性を求めるために強制的な惰性走行が不要であり、したがって最適なモータの利用が可能となる。
【0009】
ロータ位置を求めるために、相に誘導される相電圧の極性が求められる。この目的で個々の相電圧が基準値と比較され、たとえば各相のスター結線点に加えられる実際のまたはシミュレートされたスター結線点電圧と比較され、それぞれ極性値が形成される。極性値をそのつど誤らせる妨害を避けるため、相を給電するためのスイッチング時点への同期合わせが行われ、所定の待ち時間だけ待機され、その間に極性値が定常化された安定した状態に達する。そのあとではじめて極性値が求められ、たとえば電動モータ制御用の制御装置へ送出される。
【0010】
本発明による方法を様々な惰性走行法とともに実行することができる。必要とされる評価回路はコンパクトであり、たとえば電動モータ制御回路および/または電動モータ給電用電力電子機構の制御回路と一体化することができる。本発明による方法は変形可能であり、煩雑な調整をせずに広い回転数範囲にわたり適用することができる。いずれにせよ、たとえばアナログフィルタの場合などのように、位相のずれにより引き起こされる測定誤差は発生しない。
【0011】
従属請求項に記載の構成により本発明による方法および本発明による捕捉検出モジュールの有利な実施形態が可能である。
【0012】
妨害を受けている可能性のある極性値を求めないようにする目的で好適には、待ち時間内で電動モータの惰性走行が生じないときのみ、極性値が求められ必要に応じて送出される。
【0013】
有利には所定の待ち時間の経過後にサンプリング期間が開始され、サンプリング期間中、モータ相ごとにそれぞれ1つの極性値だけでなく、サンプリング期間がそれ相応に長ければ、複数の極性値を求めることもできる。それらの極性値はそのつどメモリに格納され、その際、あとで捕捉検出された極性値が先に捕捉検出された極性値と置き換えられるように構成することができる。たとえばモータ相の直前の極性値だけを記憶することができる。
【0014】
この場合、好適にはそれぞれ最後に求められた極性値が送出される。
【0015】
サンプリング期間を複数のイベントによって終わらせることができ、たとえば電動モータの惰性走行により、あるいは後続の電動モータ給電スイッチング時点により終わらせることができる。
【0016】
冒頭で述べたように通常の方法の場合、電動モータはそれぞれモータ相を流れる電流を調整および制限するため、パルス幅変調によって給電される。この場合、電動モータの相を給電するためのスイッチング時点は好適には、パルス幅変調基本クロックによって規定される。このようなパルス幅変調基本クロックを、極性値を求めるときの同期合わせに使用すると好適である。
【0017】
また、電動モータの給電の転流が行われるとき、パルス幅変調基本クロックが同期信号によりそのつど新たにスタートされるように構成することもできる。転流にあたり給電は通常、一対のモータ相から隣り合うモータ相対へと切り替わる。本発明の有利な変形実施形態によれば、極性値の検出は同期信号に基づきそのつど新たに同期合わせされる。好適には同期信号もパルス幅変調基本クロックも、極性値検出の同期合わせのために用いられる。このことはたとえば、基本クロックと同期信号をOR論理結合によりまとめることで非常に簡単に実現できる。
【0018】
相電圧とスター結線点電圧を原則的には個々の相や各相のスター結線点で取り出すことができるけれども、個々の測定点に近づくのは難しいことが多い。したがって相電圧および/またはスター結線点電圧をシミュレートするのが有利である。
【0019】
図面
次に、図面を参照しながら本発明の実施例について詳しく説明する。
【0020】
図1Aは、ブリッジインバータおよびそれに接続された電動モータの複数の相から成る装置を給電状態における電流の流れとともに示す図である。
【0021】
図1Bは、図1Aの装置を電動モータが惰性走行しているときの電流の流れとともに示す図である。
【0022】
図2Aは、図1Aおよび図1Bによる電動モータ給電時の電流ならびに相にそのつど誘導される電圧の経過特性を例示した図である。
【0023】
図2Bは、図2Aによる相にパルス化して給電する様子を示す図である。
【0024】
図3は、図1A,Bによる装置を本発明による捕捉検出モジュールをもつモータ制御装置とともに示す図である。
【0025】
図4は、本発明による方法の第1の実施形態を示す状態遷移図である。
【0026】
図5は、本発明による方法の第2の実施形態を示す状態遷移図である。
【0027】
実施例の説明
電動モータ10が、この電動モータの電力電子供給ユニットとして用いられる6パルスのブリッジインバータ11に接続されている。電動モータ10は、冒頭で述べた形式のブラシレスのいわゆる電子整流式直流電動モータ(BLDCモータ)である。ここでは電動モータ10のうち、モータ巻線102,202,302を備えた相101,201,301だけしか示されておらず、それらは電動モータ10のステータに配置されていて、スター結線点12にまとめられている。図示されていないステータの中で、見やすくするため描かれていない永久磁石により励磁されるあるいは電気的に励磁されるロータ13が回転し、このロータが回転すると相101,201,301に電圧が誘導される。
【0028】
モータ制御装置14は制御ライン22を介してブリッジインバータ11を制御し、つまりは電動モータ10を制御する。ブリッジインバータ211は3つのブリッジ分岐102,202,303を有しており、これらはそれぞれスイッチング可能な上方の弁104,204,304とスイッチング可能な下方の弁105,205,305を有している。これらの弁104,105;204,205;304,305はモータ制御装置14によってオン/オフされ、その際にこの実施例ではパルス幅変調(PWM)が用いられる。
【0029】
ブリッジインバータ11は入力側でバッテリーまたは直流電圧回路と接続されており、これは正の電圧電位+UB と負の電圧電位−UB をもっている。その出力側では相101,201,301はそれぞれ弁104,105;204,205,304,305の間でブリッジ分岐103,203,203と接続されている。弁104,105;204,205;304,305はたとえば電力トランジスタであり、これらを介して電流を正の電圧電位+UB から負の電圧電位−UB への方向へ、あるいブリッジ分岐103,203,303における相101,201,301のタップから負の電圧電位−UB の方向へとオン/オフ可能である。この実施例では逆方向において弁104,105;204,205;304,305は、誘導された過電圧に対する保護として矢印で表された内部的なダイオードをそれぞれ有している。また、弁104,105;204,205;304,305に外部のダイオードを接続してもよい。いずれにせよそれらのダイオードによって、たとえば図1Bに描かれている惰性走行のような電動モータ10の惰性走行が可能となる。
【0030】
それぞれ相101,201,301を介して流れる相電流106,206,306が、モータ制御装置14により弁104,105;204,205;304,305がオン/オフされることにより調整される。典型的にはこの実施例で示すように、それぞれ2つの相101,201,301に同時に給電される。その際、最初の相101,201,301は正に、2番目の相巻線は負に給電される。図2Aにはロータ13の電気的な回転に関する理想化された転流パターンが示されており、そこには相101,201,301を流れる相電流106,206,306が描かれており、さらに電磁石または永久磁石で励磁されたロータにより誘導された相電圧107,207,307が破線で描かれている。
【0031】
電動モータ10の回転方向で電気角30゜と150゜の間に位置する転流時点17と18との間では相101が正に、相201が負に給電され、電気角210゜と330゜との間に位置する転流時点19と20との間では相201が正に、相101が負に給電される。図1Aに描かれているように、転流時点17と18との間で給電状態調整のため、たとえば弁104,205がスイッチオンされる。さらにそこには、正の電圧電位UB から弁104,モータ巻線102,202、弁205を介して負の電圧電位−UB へ流れる電流15が示されている。
【0032】
電動モータ10の高いモータ効率のため相101,201,301は、可能なかぎり高く誘導された同極性の相電圧107,207,307で給電される。図2Aに示されているスイッチングパターンによれば、相101,201,301はそれぞれ個々の転流時点の間で連続的に給電され、あるいは連続的には給電されない。この場合、電動モータ10は全負荷状態である。
【0033】
この実施例ではパルス幅変調を用いてパルス化された弁104,105;204,205;304,305のスイッチングにより、それぞれ相101,102,103を流れる相電流106,206,306が制限され、その際に電動モータ10はそれぞれ短期間、惰性走行に移行する。図1Bには、このような惰性走行状態が示されている。これによれば弁205が閉じられ、その結果、弁104、モータ巻線102,202、弁204の内部的なダイオードを介して流れる惰性電流16が発生する。
【0034】
図2Bには、相101,201に対する給電状態と惰性走行状態との切替のために弁205を交互にスイッチングする様子が示されている。この場合、相301は電流の流れない状態に切り替えられ、電圧電位+UB,−UB から電気的に分離されている。弁205はスイッチング時点teでスイッチング期間tein にわたりそのつどスイッチオンされ(給電状態)、スイッチング時点ta でスイッチオフ期間taus にわたりスイッチオフされる(惰性走行状態)。その際、モータ制御装置14は相101のために転流時点17と18の間、正の相電流106を伴う電流ブロックから成る列21を生じさせ、転流時点19と20との間で負の相電流106を伴う電流ブロックから成る列22を生じさせる。
【0035】
なお、自明ながら、モータ制御装置14が弁104,105;204,205;304,305の適切なスイッチングにより、相電流106,206,306の異なる転流パターンおよび/または相電流106,206,306の異なるパルスパターンを生じさせることもできる。
【0036】
モータ制御装置14は電動モータ10のロータ位置を求めるため、捕捉検出モジュール23を有している。この実施例では捕捉検出モジュール23の前段にシミュレーションモジュール24が接続されており、このモジュールは相電圧107,207,307を仮想相電圧108,208,308としてシミュレートし、それらの仮想相電圧108,208,308から仮想スター結線点電圧26をシミュレートする。仮想相電圧108,208,308は抵抗109,209,309のところで降下し、これらの抵抗はそれぞれ入力側でモータ巻線102,202,302に対し並列にブリッジ分岐103,203,303と接続されており、出力側では仮想スター結線点27にまとめられており、そこにおいて仮想スター結線点電圧26が降下する。シミュレーションモジュール24を設けたことからいかなる場合でも、(本当の)スター結線点電圧25を測定するために(本当の)スター結線点12を接触接続させる必要がない。
【0037】
シミュレーションモジュール24と捕捉検出モジュール23との間には、相電圧107,207,307の極性を求めるために比較器モジュール28が接続されている。比較モジュール28は、相電圧107,207,307を基準値を成す仮想スター結線点電圧26と比較する。比較器モジュール28は比較器として結線された演算増幅器110,210,310を有しており、これらは入力側でそれらに加えられる各相電圧107,207,307と仮想スター結線点電圧26との電圧差をそれぞれ比較し、それによって求められた個々の電圧差の極性を極性値111,211,311として出力電圧のかたちで出力側から送出する。極性値111,211,311は、個々の電圧差が負の最大値から正の最大値へおよびその逆へ極性変化すると跳躍的に変化する。演算増幅器110,210,310は、図示されてはいないが給電電圧源と接続されている。
【0038】
相電圧107,207,307は演算増幅器110,210,310の正の入力側の手前に接続された分圧器112,212,312へ加えられ、これらの分圧器は、モータ巻線102,202,302に対し並列にブリッジ分岐103,203,303と接続された抵抗29と、この抵抗と接続されアースと結線された抵抗30をそれぞれ有している。仮想スター結線点電圧26は分圧器31へ加えられ、この分圧器は、仮想スター結線点と演算増幅器110,210,310の負の入力側との間に結線された抵抗32と、負の入力側とアースとの間に結線された抵抗33とを有している。いずれにせよ分圧器112,212,312;31により相電圧107,207,307ならびに仮想スター結線点電圧26は、演算増幅器110,210,310により処理可能なスケールに合わせて設定される。抵抗29,30;32,33の適切な仕様は当業者に周知であり、殊に演算増幅器110,210,310の特性に依存する。
【0039】
捕捉検出モジュール23は捕捉検出手段としてこの実施例では本発明に従ってプログラミングされたロジックフィールドを有しており、これはたとえばいわゆる(フィールド)プログラミング可能なロジックアレイ((F)PLA)またはいわゆる(フィールド)プログラミング可能なゲートアレイ((F))PGA)とすることができる。基本的には捕捉検出手段を、本発明によるプログラムモジュールを実行する個別ロジック回路または適切なプロセッサによって形成することもできる。捕捉検出モジュール23の捕捉検出手段を、極性値111,211,311を求めるためスイッチング時点たとえば相101,201,301を給電するスイッチング時点te に合わせて同期させることができ、この同期合わせは、個々のスイッチング時点に続く所定の待ち時間twa の後に極性値111,211,311が求められるようにして行われる。図2Bには一例として、相101の給電開始後のこの種の待ち時間twa が書き込まれている。
【0040】
捕捉検出モジュール23は、あとで2つの変形実施例に基づき説明する本発明による方法に従い極性値111,211,311を走査ないしはサンプリングし、いわゆる「生の」極性値111,211,311から場合によっては含まれている妨害を「フィルタリング」して取り出す。ついで捕捉検出モジュール23は生の極性値111,211,311から求められたいわゆるディジタルフィルタリングされた極性値114,21,4,314をモータ制御装置14の制御モジュール11へ送出し、このモジュールによってブリッジインバータ11が制御される。
【0041】
その後、制御モジュール34は極性値114,21,4,314の信号変化に基づきロータ13の個々の電気基準角を求め、つまりは対応づけられた転流時点を求める。しかしこの機能を捕捉検出モジュール23によって満たすこともできる。極性値114,214,314からじかに読み取ることのできない基準角の中間値は、制御モジュール34または捕捉検出モジュール23によってたとえば外挿により求めることができる。しかもこの場合、捕捉検出モジュール23および/または制御モジュール34は、極性値114,214,314のうち目下給電されていない相101,201,301に割り当てられている極性値だけを送出すればよく、たとえば転流時点17と18の間でまずはじめに相301の極性値311を送出し、次に相201の極性値211を送出すればよい。
【0042】
ここでは制御モジュール34は、一例として制御手段35と記憶手段36という形式で概略的に描かれているに過ぎない。制御手段35は1つのプロセッサまたは複数のプロセッサから成るグループたとえばディジタル信号プロセッサであり、これは記憶手段36に格納されているプログラムモジュールのプログラムコードを実行することができる。制御モジュール34はブリッジインバータ11を制御し、その際に給電状態と惰性状態を調整するための弁104,105;204,205;304,305に対するスイッチングパターンを設定する。他方、制御モジュール34は捕捉検出モジュール23へ同期信号として、「惰性オン」信号40と「PWMクロックスタート」信号41と「PWMクロック」信号42を送出する。
【0043】
「PWMクロック」信号42はいわゆるPWM基本クロックであり、これはそれぞれスイッチオン時点te においてたとえば論理値「1」を送出する。これは相101,201,301における電流パルスtein の開始を表し、つまり相101,201,301の給電のスイッチオン時点te を表す。
【0044】
この実施例ではPWM基本クロックすなわち「PWMクロック」信号42は転流時つまりは転流時点17,18,19,20においてそのつど新たにスタートされる。「PWMクロックスタート」信号41はこの場合、論理値「1」として送出される。このため相101,201,301は、事前に給電されておらず個々の相巻線101,201,301のための給電が行われるのであれば、それぞれ転流直後に1つの電流パルスによって給電される。この種の給電開始は、たとえば図2Bによる相101のための転流時点17,19によって決められている。
【0045】
「惰性オン」信号40はそのつど惰性状態の開始にあたり相101,201,301の1つにおいて、つまり時点taで、たとえば論理値「1」として送出される。
【0046】
図4には、極性値114,214,314を求めるための第1の実施形態が描かれている。この場合、出発状態は「給電待ち」状態401である。捕捉検出モジュール23がこの状態で、「PWMクロックスタート」信号41または「PWMクロック」信号42のいずれか一方の信号を論理値「1」で受信すると、つまり相101,201,301を給電するためのスイッチオン信号が制御モジュール34から送出されると、捕捉検出モジュール23は「給電オン」状態402へ移行し、このことは移行412によって表されている。したがって捕捉検出モジュール23は、相101,201,301のうちの少なくとも1つを給電するためのスイッチング時点に同期合わせられている。
【0047】
「給電オン」状態402において捕捉検出モジュール23は、極性値111,211,311の走査もしくはサンプリングまで所定の待ち時間twa だけ待機するためにタイマをスタートさせる。この待ち時間twa はたとえば、演算増幅器110,210,310が定常化された状態に達して安定した極性値111,211,311を送出し、それを当業者が相応に求めて調整できるようにするために設けられている。
【0048】
待ち時間twa 経過後、捕捉検出モジュール23が「極性値のサンプリングおよび送出」状態へ移行する(移行432)。この状態において捕捉検出モジュール23は極性値111,211,311をサンプリングし、それらを極性値114,214,314として制御モジュール34へ送出する。ついで捕捉検出モジュール23は移行431において再び「給電待ち」状態401へ移行する。
【0049】
「給電オン」状態402において、制御モジュール34がブリッジインバータ11を切り替えて惰性走行を生じさせ、この実施例では捕捉検出モジュール23が「惰性オン」信号40を受け取ると、捕捉検出モジュール23はやはり「給電待ち」状態401へ移行する。
【0050】
捕捉検出モジュール23が「給電オン」状態402において新たに「給電オン」信号を受け取ると、たとえば転流に基づき定められる「PWMクロックスタート」信号41場合によっては「PWMクロック信号42」も受け取ると、捕捉検出モジュール23は所定の待ち時間twa を得るためタイマをスタートさせ、このことは移行422によって表されている。
【0051】
図5には、極性値114,214,314を求めるための第2の実施形態が示されている。この場合、「給電オン」状態501から出発し、「PWMクロックスタート」信号41または「PWMクロック」信号42に基づきこの状態をとる。この状態501において捕捉検出モジュール23は、極性値111,211,311の捕捉検出まで所定の待ち時間twa だけ待機するためにタイマをスタートさせる。
【0052】
捕捉検出モジュール23が「給電オン」状態501において新たに「給電オン」信号を受け取ると(「PWMクロック」信号41または「PWMクロック」信号42)、捕捉検出モジュール23は所定の待ち時間twa を生じさせるためタイマをスタートさせ、このことは移行511により表されている。
【0053】
捕捉検出モジュール23は「給電オン」状態501において「惰性オン」信号40を受け取ると、捕捉検出モジュール23は「待ち時間経過前の惰性」状態に移行し(移行512)、その状態では極性値111,211,311のサンプリングは行われない。捕捉検出モジュール23が「待ち時間経過前の惰性」状態502において「給電オン」信号を受け取ると(「PWMクロックスタート」信号41または「PWMクロック」信号42)、これは再び「給電オン」状態501へ移行する(移行521)。
【0054】
「給電オン」状態501において、同期信号40,41,42のいずれかが到来することなく待ち時間twa が経過すると、捕捉検出モジュール23は「待ち時間後に給電アクティブ」状態503へ移行する(移行513)。この状態において、捕捉検出モジュール23は極性値111,211,311を1回サンプリングするかまたはサンプリング期間tab 中、繰り返しサンプリングし、たとえば所定のサンプリング周波数によってサンプリングし、それらをたとえばシフトレジスタとして構成されたメモリ43に格納する。
【0055】
「待ち時間後に給電アクティブ」状態503の間に「惰性オン」信号40が到来すると、つまり電動モータ10が惰性走行へ移行すると、捕捉検出モジュール23は移行534において「惰性を伴う送出」状態504へ移行し、それぞれ直前にサンプリングされた極性値111,211,311が極性値114,214,314として送出される。「給電オン」信号(「PWMクロックスタート」信号41または「PWMクロック」信号42)により、捕捉検出モジュール23は再び「給電オン」状態501へ移行する(移行541)。
【0056】
「待ち時間後に給電アクティブ」状態503中に「給電オン」信号(PWMクロックスタート」信号41または「PWMクロック」信号42)が到来すると、捕捉検出モジュール23は「惰性を伴わない送出」状態505に移行し(移行535)、そこにおいてそのつど直前にサンプリングされた極性値111,211,311を極性値114,214,314として送出する。その直後、捕捉検出モジュール23は移行551において再び「給電オン」状態501へ移行する。
【0057】
本発明のさらに別の実施形態も容易に実現可能である:
それによれば捕捉検出モジュール23をソフトウェアモジュールとして構成することができ、これには制御手段たとえばプロセッサによって実行可能なプログラムコードが含まれている。たとえばモータ制御装置14のプロセッサ35がこの種のソフトウェアモジュールを実行してもよい。この場合、捕捉検出モジュール23は機能的な視点から制御モジュール34に集積されることになる。
【0058】
さらに基本的に、比較器モジュール28が仮想の相電圧108,208,308を実際のスター結線点電圧25と比較することも可能であるし、あるいは仮想の相電圧108,208,308を仮想のスター結線点電圧26と比較することも可能である。
【0059】
また、シミュレーションモジュール24を捕捉検出モジュール23および/またはモータ制御装置14の一部分とすることもできる。
【0060】
さらに比較器モジュール27を捕捉検出モジュール23および/またはモータ制御装置14に集積してもよい。たとえば比較器モジュール28および/または捕捉検出モジュール23をASICコンポーネント(Application Specific Integrated Circuit)によって実現できる。
【0061】
原則的に、相101,201,301の給電のため個々のスイッチング時点に対し捕捉検出モジュール23を同期合わせするために、「PWMクロック」信号42であっても十分である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1Aは、ブリッジインバータおよびそれに接続された電動モータの相から成る装置を給電状態における電流の流れとともに示す図であり、図1Bは、図1Aの装置を電動モータが惰性走行しているときの電流の流れとともに示す図である。
【図2】
図2Aは、図1Aおよび図1Bによる電動モータ給電時の電流ならびに相にそのつど誘導される電圧の経過特性を例示した図であり、図2Bは、図2Aによる相にパルス化して給電する様子を示す図である。
【図3】
図1A,Bによる装置を本発明による捕捉検出モジュールをもつモータ制御装置とともに示す図である。
【図4】
本発明による方法の第1の実施形態を示す状態遷移図である。
【図5】
本発明による方法の第2の実施形態を示す状態遷移図である。
本発明は、多相電動モータすなわち複数のモータ相巻線を備えた電動モータたとえばブラシレス直流モータのロータ位置を求める方法および装置に関する。本発明はさらにそのための捕捉検出モジュールに関する。
【0002】
多くの技術分野において、たとえば自動車分野において、最近はいわゆるブラシレス直流モータが使用され、これはBLDCモータ(BLDC = Brushless Direct Current)として知られており、摩耗に弱いブラシを備えていない。BLDCモータの場合には機械的なコミュテータの代わりに電子的な転流が行われ、これは一般に電力エレクトロニクスによって実現されている。BLDCモータのことを電子整流式直流モータまたはECモータとも称する(EC = electronically commutated)。
【0003】
BLDCモータはコミュテータとして用いられる電力エレクトロニクスアクチュエータ素子によって駆動され、たとえば6パルスのブリッジインバータによって駆動され、これはパルス変調一般的にはパルス幅変調によりバッテリ直流電圧または中間回路直流電圧から、周波数と電圧振幅が可変の3相交流電圧系を形成し、それによってBLDCモータに対したとえばほぼ矩形の電流ブロックが供給されることになる。この場合、電動モータのモータ相の給電つまりモータ巻線の給電は、モータの個々のロータ位置に依存して行われる。通常、2つの巻線に同時に給電される。その際にそれらに割り当てられたブリッジインバータの分岐がアクティブになり、これにより第1の相が正で第2の相が負に給電される。このとき第3のブリッジインバータ分岐のスイッチは開かれており、したがって第3の分岐は非アクティブ状態にある。
【0004】
たとえば永久磁石装置を有する電動モータのロータにより、モータ巻線つまり個々のモータ相にそれに対峙する電圧ないしは逆電圧が誘導される。高いモータ効率を得るため相の給電は、個々の相巻線電流と同じ極性のできるかぎり高い逆の相電圧が誘導されるようにして行われる。
【0005】
いずれにせよBLDCモータの場合、最適な転流時点を求めるためにはそのモータのロータ位置が既知でなければならない。ロータ位置もしくは転流時点はたとえばセンサ装置によって求めることができるし、あるいはセンサレスでも求めることができ、たとえばそのつど給電されていない個々の相に誘導された逆電圧のゼロ点通過の評価によって求めることができる。ゼロ点通過から、次の転流のためのロータ角度を外挿によって求めることができる。とはいえこのやり方は、たとえばポンプやファンなどにおいて連続運転用として駆動される電動モータのためにしか適していない。
【0006】
モータ停止状態まで回転調整が行われるモータの場合、たとえば位置決め駆動のためのモータの場合、ロータ位置を求めるためにはダイナミックな方法が必要とされる。しかしながらその際にはいくつかの問題点が発生する:
ブリッジインバータの2つのアクティブな分岐におけるスイッチのパルス幅変調(PWM)により、給電されているアクティブなモータ相つまり相巻線に流れる電流が調節され制限される。しかしパルス幅変調により妨害パルスが引き起こされ、それらの妨害パルスは個々のモータ相巻線間の相互インダクタンスによって殊に給電されていない非アクティブ状態の相巻線に伝達され、その結果、そこにおいて誘導電圧のゼロ点通過を妨害なく確実に測定できなくなってしまう。個々の測定信号に対する評価のためにはタイミング妨害をフィルタリングによって除去しなければならないが、アナログフィルタの場合にはたとえば位相のずれが生じてしまい、妨害となる測定誤差が引き起こされてしまう。
【0007】
US 5, 859, 520 によってディジタルフィルタリング手法が提案されている。このやり方によれば、ブリッジ分岐の上方のスイッチをタイミング制御して、同じブリッジ分岐の下方のスイッチを介して惰性電流を発生させることにより、誘導電圧のゼロ点通過を測定する。そして惰性走行中、着目するブリッジ分岐に割り当てられた相つまり相巻線に誘導された逆電圧が、測定回路のアース電位に対して測定される。この場合の欠点は、1つにはブリッジ分岐の上方のスイッチだけしかタイミング制御できないことであり、他方、そもそも測定を実行できるようにするためには、上方のスイッチのタイミング制御によりいわゆる強制惰性走行を生じさせなければならないことである。このような強制的惰性走行を生じさせることによって、モータの能力をあまり利用できなくなってしまう。
【0008】
発明の利点
これに対し主請求項1の特徴部分に記載の構成を備えた本発明による方法ならびにこの方法に従って動作する本発明による捕捉検出モジュールのもつ利点とは、相つまり相巻線に誘導される逆電圧の極性を求めるために強制的な惰性走行が不要であり、したがって最適なモータの利用が可能となる。
【0009】
ロータ位置を求めるために、相に誘導される相電圧の極性が求められる。この目的で個々の相電圧が基準値と比較され、たとえば各相のスター結線点に加えられる実際のまたはシミュレートされたスター結線点電圧と比較され、それぞれ極性値が形成される。極性値をそのつど誤らせる妨害を避けるため、相を給電するためのスイッチング時点への同期合わせが行われ、所定の待ち時間だけ待機され、その間に極性値が定常化された安定した状態に達する。そのあとではじめて極性値が求められ、たとえば電動モータ制御用の制御装置へ送出される。
【0010】
本発明による方法を様々な惰性走行法とともに実行することができる。必要とされる評価回路はコンパクトであり、たとえば電動モータ制御回路および/または電動モータ給電用電力電子機構の制御回路と一体化することができる。本発明による方法は変形可能であり、煩雑な調整をせずに広い回転数範囲にわたり適用することができる。いずれにせよ、たとえばアナログフィルタの場合などのように、位相のずれにより引き起こされる測定誤差は発生しない。
【0011】
従属請求項に記載の構成により本発明による方法および本発明による捕捉検出モジュールの有利な実施形態が可能である。
【0012】
妨害を受けている可能性のある極性値を求めないようにする目的で好適には、待ち時間内で電動モータの惰性走行が生じないときのみ、極性値が求められ必要に応じて送出される。
【0013】
有利には所定の待ち時間の経過後にサンプリング期間が開始され、サンプリング期間中、モータ相ごとにそれぞれ1つの極性値だけでなく、サンプリング期間がそれ相応に長ければ、複数の極性値を求めることもできる。それらの極性値はそのつどメモリに格納され、その際、あとで捕捉検出された極性値が先に捕捉検出された極性値と置き換えられるように構成することができる。たとえばモータ相の直前の極性値だけを記憶することができる。
【0014】
この場合、好適にはそれぞれ最後に求められた極性値が送出される。
【0015】
サンプリング期間を複数のイベントによって終わらせることができ、たとえば電動モータの惰性走行により、あるいは後続の電動モータ給電スイッチング時点により終わらせることができる。
【0016】
冒頭で述べたように通常の方法の場合、電動モータはそれぞれモータ相を流れる電流を調整および制限するため、パルス幅変調によって給電される。この場合、電動モータの相を給電するためのスイッチング時点は好適には、パルス幅変調基本クロックによって規定される。このようなパルス幅変調基本クロックを、極性値を求めるときの同期合わせに使用すると好適である。
【0017】
また、電動モータの給電の転流が行われるとき、パルス幅変調基本クロックが同期信号によりそのつど新たにスタートされるように構成することもできる。転流にあたり給電は通常、一対のモータ相から隣り合うモータ相対へと切り替わる。本発明の有利な変形実施形態によれば、極性値の検出は同期信号に基づきそのつど新たに同期合わせされる。好適には同期信号もパルス幅変調基本クロックも、極性値検出の同期合わせのために用いられる。このことはたとえば、基本クロックと同期信号をOR論理結合によりまとめることで非常に簡単に実現できる。
【0018】
相電圧とスター結線点電圧を原則的には個々の相や各相のスター結線点で取り出すことができるけれども、個々の測定点に近づくのは難しいことが多い。したがって相電圧および/またはスター結線点電圧をシミュレートするのが有利である。
【0019】
図面
次に、図面を参照しながら本発明の実施例について詳しく説明する。
【0020】
図1Aは、ブリッジインバータおよびそれに接続された電動モータの複数の相から成る装置を給電状態における電流の流れとともに示す図である。
【0021】
図1Bは、図1Aの装置を電動モータが惰性走行しているときの電流の流れとともに示す図である。
【0022】
図2Aは、図1Aおよび図1Bによる電動モータ給電時の電流ならびに相にそのつど誘導される電圧の経過特性を例示した図である。
【0023】
図2Bは、図2Aによる相にパルス化して給電する様子を示す図である。
【0024】
図3は、図1A,Bによる装置を本発明による捕捉検出モジュールをもつモータ制御装置とともに示す図である。
【0025】
図4は、本発明による方法の第1の実施形態を示す状態遷移図である。
【0026】
図5は、本発明による方法の第2の実施形態を示す状態遷移図である。
【0027】
実施例の説明
電動モータ10が、この電動モータの電力電子供給ユニットとして用いられる6パルスのブリッジインバータ11に接続されている。電動モータ10は、冒頭で述べた形式のブラシレスのいわゆる電子整流式直流電動モータ(BLDCモータ)である。ここでは電動モータ10のうち、モータ巻線102,202,302を備えた相101,201,301だけしか示されておらず、それらは電動モータ10のステータに配置されていて、スター結線点12にまとめられている。図示されていないステータの中で、見やすくするため描かれていない永久磁石により励磁されるあるいは電気的に励磁されるロータ13が回転し、このロータが回転すると相101,201,301に電圧が誘導される。
【0028】
モータ制御装置14は制御ライン22を介してブリッジインバータ11を制御し、つまりは電動モータ10を制御する。ブリッジインバータ211は3つのブリッジ分岐102,202,303を有しており、これらはそれぞれスイッチング可能な上方の弁104,204,304とスイッチング可能な下方の弁105,205,305を有している。これらの弁104,105;204,205;304,305はモータ制御装置14によってオン/オフされ、その際にこの実施例ではパルス幅変調(PWM)が用いられる。
【0029】
ブリッジインバータ11は入力側でバッテリーまたは直流電圧回路と接続されており、これは正の電圧電位+UB と負の電圧電位−UB をもっている。その出力側では相101,201,301はそれぞれ弁104,105;204,205,304,305の間でブリッジ分岐103,203,203と接続されている。弁104,105;204,205;304,305はたとえば電力トランジスタであり、これらを介して電流を正の電圧電位+UB から負の電圧電位−UB への方向へ、あるいブリッジ分岐103,203,303における相101,201,301のタップから負の電圧電位−UB の方向へとオン/オフ可能である。この実施例では逆方向において弁104,105;204,205;304,305は、誘導された過電圧に対する保護として矢印で表された内部的なダイオードをそれぞれ有している。また、弁104,105;204,205;304,305に外部のダイオードを接続してもよい。いずれにせよそれらのダイオードによって、たとえば図1Bに描かれている惰性走行のような電動モータ10の惰性走行が可能となる。
【0030】
それぞれ相101,201,301を介して流れる相電流106,206,306が、モータ制御装置14により弁104,105;204,205;304,305がオン/オフされることにより調整される。典型的にはこの実施例で示すように、それぞれ2つの相101,201,301に同時に給電される。その際、最初の相101,201,301は正に、2番目の相巻線は負に給電される。図2Aにはロータ13の電気的な回転に関する理想化された転流パターンが示されており、そこには相101,201,301を流れる相電流106,206,306が描かれており、さらに電磁石または永久磁石で励磁されたロータにより誘導された相電圧107,207,307が破線で描かれている。
【0031】
電動モータ10の回転方向で電気角30゜と150゜の間に位置する転流時点17と18との間では相101が正に、相201が負に給電され、電気角210゜と330゜との間に位置する転流時点19と20との間では相201が正に、相101が負に給電される。図1Aに描かれているように、転流時点17と18との間で給電状態調整のため、たとえば弁104,205がスイッチオンされる。さらにそこには、正の電圧電位UB から弁104,モータ巻線102,202、弁205を介して負の電圧電位−UB へ流れる電流15が示されている。
【0032】
電動モータ10の高いモータ効率のため相101,201,301は、可能なかぎり高く誘導された同極性の相電圧107,207,307で給電される。図2Aに示されているスイッチングパターンによれば、相101,201,301はそれぞれ個々の転流時点の間で連続的に給電され、あるいは連続的には給電されない。この場合、電動モータ10は全負荷状態である。
【0033】
この実施例ではパルス幅変調を用いてパルス化された弁104,105;204,205;304,305のスイッチングにより、それぞれ相101,102,103を流れる相電流106,206,306が制限され、その際に電動モータ10はそれぞれ短期間、惰性走行に移行する。図1Bには、このような惰性走行状態が示されている。これによれば弁205が閉じられ、その結果、弁104、モータ巻線102,202、弁204の内部的なダイオードを介して流れる惰性電流16が発生する。
【0034】
図2Bには、相101,201に対する給電状態と惰性走行状態との切替のために弁205を交互にスイッチングする様子が示されている。この場合、相301は電流の流れない状態に切り替えられ、電圧電位+UB,−UB から電気的に分離されている。弁205はスイッチング時点teでスイッチング期間tein にわたりそのつどスイッチオンされ(給電状態)、スイッチング時点ta でスイッチオフ期間taus にわたりスイッチオフされる(惰性走行状態)。その際、モータ制御装置14は相101のために転流時点17と18の間、正の相電流106を伴う電流ブロックから成る列21を生じさせ、転流時点19と20との間で負の相電流106を伴う電流ブロックから成る列22を生じさせる。
【0035】
なお、自明ながら、モータ制御装置14が弁104,105;204,205;304,305の適切なスイッチングにより、相電流106,206,306の異なる転流パターンおよび/または相電流106,206,306の異なるパルスパターンを生じさせることもできる。
【0036】
モータ制御装置14は電動モータ10のロータ位置を求めるため、捕捉検出モジュール23を有している。この実施例では捕捉検出モジュール23の前段にシミュレーションモジュール24が接続されており、このモジュールは相電圧107,207,307を仮想相電圧108,208,308としてシミュレートし、それらの仮想相電圧108,208,308から仮想スター結線点電圧26をシミュレートする。仮想相電圧108,208,308は抵抗109,209,309のところで降下し、これらの抵抗はそれぞれ入力側でモータ巻線102,202,302に対し並列にブリッジ分岐103,203,303と接続されており、出力側では仮想スター結線点27にまとめられており、そこにおいて仮想スター結線点電圧26が降下する。シミュレーションモジュール24を設けたことからいかなる場合でも、(本当の)スター結線点電圧25を測定するために(本当の)スター結線点12を接触接続させる必要がない。
【0037】
シミュレーションモジュール24と捕捉検出モジュール23との間には、相電圧107,207,307の極性を求めるために比較器モジュール28が接続されている。比較モジュール28は、相電圧107,207,307を基準値を成す仮想スター結線点電圧26と比較する。比較器モジュール28は比較器として結線された演算増幅器110,210,310を有しており、これらは入力側でそれらに加えられる各相電圧107,207,307と仮想スター結線点電圧26との電圧差をそれぞれ比較し、それによって求められた個々の電圧差の極性を極性値111,211,311として出力電圧のかたちで出力側から送出する。極性値111,211,311は、個々の電圧差が負の最大値から正の最大値へおよびその逆へ極性変化すると跳躍的に変化する。演算増幅器110,210,310は、図示されてはいないが給電電圧源と接続されている。
【0038】
相電圧107,207,307は演算増幅器110,210,310の正の入力側の手前に接続された分圧器112,212,312へ加えられ、これらの分圧器は、モータ巻線102,202,302に対し並列にブリッジ分岐103,203,303と接続された抵抗29と、この抵抗と接続されアースと結線された抵抗30をそれぞれ有している。仮想スター結線点電圧26は分圧器31へ加えられ、この分圧器は、仮想スター結線点と演算増幅器110,210,310の負の入力側との間に結線された抵抗32と、負の入力側とアースとの間に結線された抵抗33とを有している。いずれにせよ分圧器112,212,312;31により相電圧107,207,307ならびに仮想スター結線点電圧26は、演算増幅器110,210,310により処理可能なスケールに合わせて設定される。抵抗29,30;32,33の適切な仕様は当業者に周知であり、殊に演算増幅器110,210,310の特性に依存する。
【0039】
捕捉検出モジュール23は捕捉検出手段としてこの実施例では本発明に従ってプログラミングされたロジックフィールドを有しており、これはたとえばいわゆる(フィールド)プログラミング可能なロジックアレイ((F)PLA)またはいわゆる(フィールド)プログラミング可能なゲートアレイ((F))PGA)とすることができる。基本的には捕捉検出手段を、本発明によるプログラムモジュールを実行する個別ロジック回路または適切なプロセッサによって形成することもできる。捕捉検出モジュール23の捕捉検出手段を、極性値111,211,311を求めるためスイッチング時点たとえば相101,201,301を給電するスイッチング時点te に合わせて同期させることができ、この同期合わせは、個々のスイッチング時点に続く所定の待ち時間twa の後に極性値111,211,311が求められるようにして行われる。図2Bには一例として、相101の給電開始後のこの種の待ち時間twa が書き込まれている。
【0040】
捕捉検出モジュール23は、あとで2つの変形実施例に基づき説明する本発明による方法に従い極性値111,211,311を走査ないしはサンプリングし、いわゆる「生の」極性値111,211,311から場合によっては含まれている妨害を「フィルタリング」して取り出す。ついで捕捉検出モジュール23は生の極性値111,211,311から求められたいわゆるディジタルフィルタリングされた極性値114,21,4,314をモータ制御装置14の制御モジュール11へ送出し、このモジュールによってブリッジインバータ11が制御される。
【0041】
その後、制御モジュール34は極性値114,21,4,314の信号変化に基づきロータ13の個々の電気基準角を求め、つまりは対応づけられた転流時点を求める。しかしこの機能を捕捉検出モジュール23によって満たすこともできる。極性値114,214,314からじかに読み取ることのできない基準角の中間値は、制御モジュール34または捕捉検出モジュール23によってたとえば外挿により求めることができる。しかもこの場合、捕捉検出モジュール23および/または制御モジュール34は、極性値114,214,314のうち目下給電されていない相101,201,301に割り当てられている極性値だけを送出すればよく、たとえば転流時点17と18の間でまずはじめに相301の極性値311を送出し、次に相201の極性値211を送出すればよい。
【0042】
ここでは制御モジュール34は、一例として制御手段35と記憶手段36という形式で概略的に描かれているに過ぎない。制御手段35は1つのプロセッサまたは複数のプロセッサから成るグループたとえばディジタル信号プロセッサであり、これは記憶手段36に格納されているプログラムモジュールのプログラムコードを実行することができる。制御モジュール34はブリッジインバータ11を制御し、その際に給電状態と惰性状態を調整するための弁104,105;204,205;304,305に対するスイッチングパターンを設定する。他方、制御モジュール34は捕捉検出モジュール23へ同期信号として、「惰性オン」信号40と「PWMクロックスタート」信号41と「PWMクロック」信号42を送出する。
【0043】
「PWMクロック」信号42はいわゆるPWM基本クロックであり、これはそれぞれスイッチオン時点te においてたとえば論理値「1」を送出する。これは相101,201,301における電流パルスtein の開始を表し、つまり相101,201,301の給電のスイッチオン時点te を表す。
【0044】
この実施例ではPWM基本クロックすなわち「PWMクロック」信号42は転流時つまりは転流時点17,18,19,20においてそのつど新たにスタートされる。「PWMクロックスタート」信号41はこの場合、論理値「1」として送出される。このため相101,201,301は、事前に給電されておらず個々の相巻線101,201,301のための給電が行われるのであれば、それぞれ転流直後に1つの電流パルスによって給電される。この種の給電開始は、たとえば図2Bによる相101のための転流時点17,19によって決められている。
【0045】
「惰性オン」信号40はそのつど惰性状態の開始にあたり相101,201,301の1つにおいて、つまり時点taで、たとえば論理値「1」として送出される。
【0046】
図4には、極性値114,214,314を求めるための第1の実施形態が描かれている。この場合、出発状態は「給電待ち」状態401である。捕捉検出モジュール23がこの状態で、「PWMクロックスタート」信号41または「PWMクロック」信号42のいずれか一方の信号を論理値「1」で受信すると、つまり相101,201,301を給電するためのスイッチオン信号が制御モジュール34から送出されると、捕捉検出モジュール23は「給電オン」状態402へ移行し、このことは移行412によって表されている。したがって捕捉検出モジュール23は、相101,201,301のうちの少なくとも1つを給電するためのスイッチング時点に同期合わせられている。
【0047】
「給電オン」状態402において捕捉検出モジュール23は、極性値111,211,311の走査もしくはサンプリングまで所定の待ち時間twa だけ待機するためにタイマをスタートさせる。この待ち時間twa はたとえば、演算増幅器110,210,310が定常化された状態に達して安定した極性値111,211,311を送出し、それを当業者が相応に求めて調整できるようにするために設けられている。
【0048】
待ち時間twa 経過後、捕捉検出モジュール23が「極性値のサンプリングおよび送出」状態へ移行する(移行432)。この状態において捕捉検出モジュール23は極性値111,211,311をサンプリングし、それらを極性値114,214,314として制御モジュール34へ送出する。ついで捕捉検出モジュール23は移行431において再び「給電待ち」状態401へ移行する。
【0049】
「給電オン」状態402において、制御モジュール34がブリッジインバータ11を切り替えて惰性走行を生じさせ、この実施例では捕捉検出モジュール23が「惰性オン」信号40を受け取ると、捕捉検出モジュール23はやはり「給電待ち」状態401へ移行する。
【0050】
捕捉検出モジュール23が「給電オン」状態402において新たに「給電オン」信号を受け取ると、たとえば転流に基づき定められる「PWMクロックスタート」信号41場合によっては「PWMクロック信号42」も受け取ると、捕捉検出モジュール23は所定の待ち時間twa を得るためタイマをスタートさせ、このことは移行422によって表されている。
【0051】
図5には、極性値114,214,314を求めるための第2の実施形態が示されている。この場合、「給電オン」状態501から出発し、「PWMクロックスタート」信号41または「PWMクロック」信号42に基づきこの状態をとる。この状態501において捕捉検出モジュール23は、極性値111,211,311の捕捉検出まで所定の待ち時間twa だけ待機するためにタイマをスタートさせる。
【0052】
捕捉検出モジュール23が「給電オン」状態501において新たに「給電オン」信号を受け取ると(「PWMクロック」信号41または「PWMクロック」信号42)、捕捉検出モジュール23は所定の待ち時間twa を生じさせるためタイマをスタートさせ、このことは移行511により表されている。
【0053】
捕捉検出モジュール23は「給電オン」状態501において「惰性オン」信号40を受け取ると、捕捉検出モジュール23は「待ち時間経過前の惰性」状態に移行し(移行512)、その状態では極性値111,211,311のサンプリングは行われない。捕捉検出モジュール23が「待ち時間経過前の惰性」状態502において「給電オン」信号を受け取ると(「PWMクロックスタート」信号41または「PWMクロック」信号42)、これは再び「給電オン」状態501へ移行する(移行521)。
【0054】
「給電オン」状態501において、同期信号40,41,42のいずれかが到来することなく待ち時間twa が経過すると、捕捉検出モジュール23は「待ち時間後に給電アクティブ」状態503へ移行する(移行513)。この状態において、捕捉検出モジュール23は極性値111,211,311を1回サンプリングするかまたはサンプリング期間tab 中、繰り返しサンプリングし、たとえば所定のサンプリング周波数によってサンプリングし、それらをたとえばシフトレジスタとして構成されたメモリ43に格納する。
【0055】
「待ち時間後に給電アクティブ」状態503の間に「惰性オン」信号40が到来すると、つまり電動モータ10が惰性走行へ移行すると、捕捉検出モジュール23は移行534において「惰性を伴う送出」状態504へ移行し、それぞれ直前にサンプリングされた極性値111,211,311が極性値114,214,314として送出される。「給電オン」信号(「PWMクロックスタート」信号41または「PWMクロック」信号42)により、捕捉検出モジュール23は再び「給電オン」状態501へ移行する(移行541)。
【0056】
「待ち時間後に給電アクティブ」状態503中に「給電オン」信号(PWMクロックスタート」信号41または「PWMクロック」信号42)が到来すると、捕捉検出モジュール23は「惰性を伴わない送出」状態505に移行し(移行535)、そこにおいてそのつど直前にサンプリングされた極性値111,211,311を極性値114,214,314として送出する。その直後、捕捉検出モジュール23は移行551において再び「給電オン」状態501へ移行する。
【0057】
本発明のさらに別の実施形態も容易に実現可能である:
それによれば捕捉検出モジュール23をソフトウェアモジュールとして構成することができ、これには制御手段たとえばプロセッサによって実行可能なプログラムコードが含まれている。たとえばモータ制御装置14のプロセッサ35がこの種のソフトウェアモジュールを実行してもよい。この場合、捕捉検出モジュール23は機能的な視点から制御モジュール34に集積されることになる。
【0058】
さらに基本的に、比較器モジュール28が仮想の相電圧108,208,308を実際のスター結線点電圧25と比較することも可能であるし、あるいは仮想の相電圧108,208,308を仮想のスター結線点電圧26と比較することも可能である。
【0059】
また、シミュレーションモジュール24を捕捉検出モジュール23および/またはモータ制御装置14の一部分とすることもできる。
【0060】
さらに比較器モジュール27を捕捉検出モジュール23および/またはモータ制御装置14に集積してもよい。たとえば比較器モジュール28および/または捕捉検出モジュール23をASICコンポーネント(Application Specific Integrated Circuit)によって実現できる。
【0061】
原則的に、相101,201,301の給電のため個々のスイッチング時点に対し捕捉検出モジュール23を同期合わせするために、「PWMクロック」信号42であっても十分である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1Aは、ブリッジインバータおよびそれに接続された電動モータの相から成る装置を給電状態における電流の流れとともに示す図であり、図1Bは、図1Aの装置を電動モータが惰性走行しているときの電流の流れとともに示す図である。
【図2】
図2Aは、図1Aおよび図1Bによる電動モータ給電時の電流ならびに相にそのつど誘導される電圧の経過特性を例示した図であり、図2Bは、図2Aによる相にパルス化して給電する様子を示す図である。
【図3】
図1A,Bによる装置を本発明による捕捉検出モジュールをもつモータ制御装置とともに示す図である。
【図4】
本発明による方法の第1の実施形態を示す状態遷移図である。
【図5】
本発明による方法の第2の実施形態を示す状態遷移図である。
Claims (13)
- 複数の相(101,201,301)が設けられており、ロータ位置を求めるために、少なくとも第1の相(101,201,301)に誘導される少なくとも1つの相電圧(107,207,307)の極性を少なくとも1つの第1の極性値として基準値との比較により、たとえば各相(101,201,301)のスター結線点に加わる実際のまたはシミュレートされたスター結線点電圧(25,26)との比較により求める形式の、
多相の電動モータ(10)たとえばブラシレス直流モータのロータ位置を求める方法において、
少なくとも第1の極性値(111,211,311)の検出を、少なくとも第1または第2の相(101,201,301)に給電するためのスイッチオン時点(te)に対して同期合わせし、少なくとも第1の極性値(111,211,311)を少なくとも1つのスイッチング時点(te)に続く所定の待ち時間(twa)の後に求めることを特徴とする、
電動モータのロータ位置を求める方法。 - 少なくとも1つの第1の極性値(111,211,311)を、待ち時間内に電動モータ(10)の惰性走行が生じなかったときのみ検出および/または送出する、請求項1記載の方法。
- 所定の待ち時間(twa)の経過後にサンプリング期間(tab)を開始し、該サンプリング期間中に少なくとも1つの第2の極性値(111,211,311)を検出する、請求項1または2記載の方法。
- 前記サンプリング期間(tab)経過後、そのつど直前に求められた少なくとも1つの第1または第2の極性値(111,211,311)を送出する、請求項3記載の方法。
- 前記サンプリング期間(tab)を電動モータ(10)の惰性走行により、または電動モータ(10)を給電するための後続のスイッチング時点(te)により終了させる、請求項3または4記載の方法。
- 電動モータ(10)をパルス幅変調により給電し、該電動モータ(10)の相(101,201,301)を給電するためのスイッチング時点(te)をパルス幅変調基本クロック(42)により規定し、少なくとも1つの第1の極性値(111,211,311)の検出を該パルス幅変調基本クロック(42)に基づき同期合わせする、請求項1から5のいずれか1項記載の方法。
- 前記パルス幅変調基本クロックを転流時に同期信号(41)により新たにスタートさせ、少なくとも第1の極性値(111,211,311)の検出を前記パルス幅変調基本クロック(42)および/または同期信号(41)に基づき同期合わせする、請求項6記載の方法。
- 少なくとも1つの相電圧(107,207,307)および/またはスター結線点電圧(25,26)をシミュレートする、請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
- 第1の相(101,201,301)が給電されていないかを検出し、該第1の相(101,201,301)が給電されていなければ、少なくとも第1または第2の極性値(111,211,311)を送出する、請求項1から8のいずれか1項記載の方法。
- 複数の相(101,201,301)と捕捉検出手段が設けられており、該補足手段は、少なくとも第1の相(101,201,301)に誘導される相電圧(107,207,307)の極性を少なくとも第1の極性値(111,211,311)として基準値との比較により、たとえば各相(101,201,301)のスター結線点に加わる実際のまたはシミュレートされたスター結線点電圧(25,26)との比較により求める、
電動モータ(10)たとえばブラシレス直流モータのロータ位置を求める捕捉モジュールにおいて、
少なくとも第1の極性値(111,211,311)を求める前記捕捉手段は、少なくとも1つの第1または第2の相(101,201,301)を給電するためのスイッチング時点(te)に合わせて同期合わせされ、
該捕捉検出手段は少なくとも第1の極性値(111,211,311)を、少なくとも1つのスイッチング時点(te)に続く所定の待ち時間(twa)の後に求めることを特徴とする、
電動モータのロータ位置を求める捕捉検出モジュール。 - プログラムコードが設けられており、該プログラムコードは制御手段たとえば電動モータ(10)を制御するモータ制御装置(14)のプロセッサにより実行される、請求項10記載の捕捉検出モジュール。
- 前記電動モータ(10)を制御するように構成されている、請求項10または11記載の捕捉検出モジュール(23)を備えたモータ制御装置。
- 請求項11記載の捕捉検出モジュールが記憶されているたとえばディスクまたはCD−ROM、DVD、ハードディスクドライブなどの記憶手段。
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