JP2001157428A - 永久磁石式同期電動機およびこれを用いたエレベータ装置 - Google Patents

永久磁石式同期電動機およびこれを用いたエレベータ装置

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JP2001157428A
JP2001157428A JP33630899A JP33630899A JP2001157428A JP 2001157428 A JP2001157428 A JP 2001157428A JP 33630899 A JP33630899 A JP 33630899A JP 33630899 A JP33630899 A JP 33630899A JP 2001157428 A JP2001157428 A JP 2001157428A
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magnet synchronous
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Takanori Komatsu
孝教 小松
Akihiro Daikoku
晃裕 大穀
Moriya Kawaguchi
守弥 川口
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が簡単でトルクリップルの小さい永久磁
石式同期電動機を得る。 【解決手段】 極数がPの永久磁石11を設けた回転子
10、これに空隙を介して対向し周方向に概略等間隔に
Q等分された各位置の一部または全てに配置されたティ
ース21を有する周方向の一部または全周に沿って延び
た固定子20を備え、その各ティースには1つの相のみ
のコイル22が集中的に施されており、コイルが各相が
バランスするように接続することで3相星型結線され、
概略正弦波電流により駆動される永久磁石式同期電動機
において、極数Pと分割数Q(又はティース数Q)の関
係をP/Q>0.8、かつティース先端の幅bt1と極
ピッチτpの関係をbt1/τp≦0.8とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は各ティースに1つ
の巻線が集中的に施されている永久磁石式同期電動機及
びこれを用いたエレベータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各ティースに1つの巻線が集中的に施さ
れている永久磁石式同期電動機は,通電時のコギングト
ルクの影響が深刻な音響機器や情報機器用の小形モータ
として使用されることが多く、極数とスロット数(=テ
ィース数)の関係,巻線の接続方法、不等ピッチのスロ
ットなどにより、さまざまなコギングトルク対策が考え
られている。
【0003】例えば1998年4月に発行された特許公
報第2743918号では、極数とスロット数の最小公
倍数を大きくすることにより、コギングトルクを低減さ
せる方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来の方
法は音響機器や情報機器用の小形電動機のコギングトル
クを低減することを目的としており、また、通電時のト
ルクリップルについては特に考慮されていなかった。各
ティースに1つの巻線が集中的に施されている永久磁石
式同期電動機において、極数とスロット数の組み合わせ
を適切に選んだ場合には、コギングトルクをかなり低減
できるので、この場合むしろ通電時のトルクリップルの
方が問題となる。
【0005】トルクリップルは誘起電圧の歪みに起因す
るが,誘起電圧高調波を低減する方法として、一般的な
モータでは次の2つの方法が採られる。1つ目は、磁石
形状を工夫してギャップ磁束密度分布を正弦波状にす
る。2つ目は、高調波を低減させる巻線係数になるよう
に巻線する。各ティースに1つの巻線が集中的に施され
ている永久磁石式同期電動機においては、ティースと磁
極との配置で決まる巻線係数(=短節係数×分布係数)に
よってある程度は誘起電圧高調波が低減するが、例えば
エレベータ駆動のように、特に安定したトルクを必要と
する分野に適用する場合には、従来の技術では十分でな
いという課題があった。
【0006】また、上述のようにスロットオープニング
が小さいほどコギングトルクは抑えられるので、一般に
巻線を施し得る範囲でスロットオープニングをできるだ
け小さくするよう設計されていたが、この場合、巻線係
数は極数とスロット数の比で決まってしまうため巻線係
数の自由度が低く、スロット開口部が狭いためにコイル
の巻回あるいは挿入といった作業に工夫が必要であっ
た。
【0007】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、磁石とティース先端の幅を適切
に調節することで、製造が簡単でトルクリップルの小さ
な永久磁石式同期電動機およびこれを用いたエレベータ
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的に鑑み、この
発明は、極数がP個の永久磁石式の回転子と、前記回転
子の永久磁石に空隙を介して対向し、周方向に沿って概
略等間隔にQ等分された位置の一部または全てに配置さ
れた複数のティースを有し、これらの各ティースに1つ
の相の巻線が集中的に巻回されるようにコイルが巻かれ
た周方向の一部または全周に沿って延びた固定子とを備
え、前記コイルが各相がバランスするように接続するこ
とで3相星型結線され、概略正弦波電流により駆動され
る永久磁石式同期電動機であって、前記極数Pと分割数
Qの関係をP/Q>0.8、ティース先端の幅bt1と
極ピッチτpの関係をbt1/τp≦0.8、としたこ
とを特徴とする永久磁石式同期電動機にある。
【0009】またこの発明は、前記固定子が周方向の全
周に沿って延び、前記ティースが前記概略等間隔にQ等
分された位置の全てに配置されたことを特徴とする請求
項1に記載の永久磁石式同期電動機にある。
【0010】またこの発明は、前記固定子が周方向の一
部に沿って延び、前記ティースが前記概略等間隔にQ等
分された位置の一部のみに配置されたことを特徴とする
請求項1に記載の永久磁石式同期電動機にある。
【0011】またこの発明は、前記極数Pと前記分割数
Qの関係をP/Q>1、としたことを特徴とする請求項
1ないし3のいずれかに記載の永久磁石式同期電動機に
ある。
【0012】またこの発明は、前記極数Pおよび前記分
割数Qの最小公倍数を200以上としたことを特徴とす
る請求項1ないし4のいずれかに記載の永久磁石式同期
電動機にある。
【0013】またこの発明は、前記ティース間に設けら
れたスロット開口部の幅bg、上記空隙の径方向の空隙
長g0、前記磁石の径方向の厚みhmの関係を、bg≧
2×(g0+hm)、としたことを特徴とする請求項1な
いし5のいずれかに記載の永久磁石式同期電動機にあ
る。
【0014】またこの発明は、前記ティースとこれに巻
回される前記コイルとの間には絶縁部材が設けられてお
り、前記ティース間に設けられたスロット内において、
隣り合うティースに設けられた前記絶縁部材の空隙側に
おける距離をLins、前記ティース間に設けられたスロ
ット開口部の幅bgとしたとき、Lins≦bg、とした
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の
永久磁石式同期電動機にある。
【0015】またこの発明は、前記ティースはスキュー
が施されており、そのスキューのずれ量τskewと前記極
ピッチτpとの関係を概略τskew≒τp×(2/7)、と
したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記
載の永久磁石式同期電動機にる。
【0016】またこの発明は、前記ティースを横断面の
面積が先端から根本まで少なくとも同じか、さらには先
端から根本に向かって大きくなるような形状とすること
を特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の永久
磁石式同期電動機にある。
【0017】またこの発明は、極数がP個の永久磁石式
の回転子と、前記回転子の永久磁石に空隙を介して対向
し、周方向に沿って概略等間隔にQ等分された位置の一
部または全てに配置された複数のティースを有し、これ
らの各ティースに1つの相の巻線が集中的に巻回される
ようにコイルが巻かれた周方向の一部または全周に沿っ
て延びた固定子とを備え、前記コイルが各相がバランス
するように接続することで3相星型結線され、概略正弦
波電流により駆動される永久磁石式同期電動機であっ
て、前記極数Pと分割数Qの関係をP/Q>0.8、テ
ィース先端の幅bt1と極ピッチτpの関係をbt1/
τp≦0.8、とした永久磁石式同期電動機と、前記永
久磁石式同期電動機により駆動されるトラクションシー
ブと、前記トラクションシーブに巻回された主ロープ
と、前記主ロープにより牽引されるかごおよびカウンタ
ウェイトと、を有することを特徴とするエレベータ装置
にある。
【0018】またこの発明は、前記永久磁石式同期電動
機の前記ティース間に設けられたスロット開口部の幅b
gを5mm以上としたことを特徴とする請求項10に記
載のエレベータ装置にある。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1. (構造と動作の説明)この発明の第1の実施の形態による
永久磁石同期電動機の構成を図1に示す。図において、
10は永久磁石式の回転子、11は永久磁石,20は固
定子、21はティース、22は各ティースに巻かれたコ
イル、23はスロット、25は絶縁部材である。この電
動機の諸元は表1の通りである。
【0020】
【表1】
【0021】極ピッチτpとスロットピッチτsは、隣
り合う極あるいはスロットの間隔を示す量であり、それ
ぞれの角度におけるステータ内径の弧の長さで示してあ
る。図2はこれを平面状に展開して示した図である。同
様にして、スロット開口部幅bg、ティース先端幅bt
1(=τs−bg)も図示したように定義される。
【0022】回転子10には14極の磁石11を等間隔
に配置しており、それに空隙を介して対向し3相の巻線
が施されてコイル22が形成された、12個の等間隔に
配置されたティース21をもつ固定子鉄心20を備えて
いる。その各ティースには1つの相のみの巻線が集中的
に施されている。回転子の回転に伴ってそれぞれのティ
ースに巻回されたコイルには誘起電圧が発生するが、隣
り合うティース21(a)と21(b)(図1参照)に巻回さ
れたコイルに発生する電圧の基本波成分(1次成分)の位
相差は、電気角でP/Q・π=7π/6である。同様に
して、2つ離れたティース21(a)と21(c)に巻回さ
れたコイルに発生する電圧の位相差はπ/3、4つ離れ
たティース21(a)と21(d)に巻回されたコイルに発
生する電圧の位相差は2π/3である。
【0023】(結線と電圧位相、分布係数の説明)図3は
図1の電動機における磁石とティースの関係及びコイル
の巻線の方法の例を示すもので、電動機の半円分を直線
状に展開して示している。三相結線された電機子巻線に
対称な誘起電圧を発生させるためには、各相の巻線軸は
互いに2π/3ずつの位相差を持たなければならない
が、この条件を満たす範囲において結線方法は自由度が
ある。ここでは、後述するように1次成分の分布係数を
大きく取るために、図3のとおり、連続したティースに
配置される同相コイルの数qを2とする。U相巻線は、
U1コイル及びこれと電気角で7π/6の位相差のある
隣のU2コイルとが反転して接続されるので、互いのコ
イル軸、つまり各コイルに発生する誘起電圧はπ/6の
位相差をもつことになる。
【0024】図4は各コイルの誘起電圧および各相巻線
の合成誘起電圧の関係を示したものであり、U相巻線に
は結局、π/6の位相差を持つ2つの電圧ベクトルの合
成として、各コイルU1、U2に発生する電圧vの1.
93185(=2cos(π/12))倍の電圧が発生する。V
相巻線、W相巻線についても同様である。U1コイルと
U2コイルとに位相差がない場合には、U相巻線に発生
する合成誘起電圧は2vとなるはずであり、これらの
比、即ち1.93185・・・/2=0.9659・・
・が分布係数と称されるものである。一般に、第n次高
調波成分に対する分布係数Kdnは以下のように示され
る。
【0025】Kdn=sin{q×π(1−P/Q)×n/
2}/sin{π(1−P/Q)×n/2}
【0026】また、各コイルの位相差については図4に
示したようになる。例えばW1コイルは、U1コイルか
ら2ティース離れたところに反転接続で配置し、U1コ
イルと4π/3(=π/3+π)の位相差を持つ。V1コ
イルは、U1コイルから4ティース離れたところに配置
し、2π/3の位相差を持つ。よって、各相巻線の位相
差については図4に示したように、それぞれ2π/3の
位相差を持つこととなる。電動機の残りの半円分すなわ
ち7ティース目以降は、1から6ティースのコイルがそ
れぞれ反転したものが繰り返される。以上の説明からわ
かるように、等スロットピッチのモータの場合、分布係
数は連続したティースに配置される同相コイルの数q
と、ティースの位相差で決まる。
【0027】(従来の短節係数の説明)次に、従来からの
定義による短節係数について説明する。従来からの短節
係数の考え方では、ティース先端が細くなっている場合
でもティースを通る界磁磁束量は減少することなく、ス
ロットピッチ幅の分全ての磁束がティースに鎖交すると
考えられていた。この場合、短節係数は極数Pとスロッ
ト数(=ティース数)Qの比で決まる。このような従来の
考え方に従えば、短節係数は以下のように与えられる。
【0028】Kpn=sin(βπ/2)
【0029】但し、βは短節度と呼ばれ、ここではβ=
P/Q=τs/τpである。本実施の形態における諸元
を適用すると、巻線係数(分布係数×短節係数)は表2
の値をとる。
【0030】
【表2】
【0031】(トルクリップルと巻線係数の関係の説明)
次に、巻線係数とトルクリップルの関係について説明す
る。回転速度が一定の場合、トルクは一般に誘起電圧と
電機子電流の積に比例する。電機子電流が正弦波状であ
る場合、トルクリップルは誘起電圧の高調波により発生
する。誘起電圧の各次数成分のうち、基本波成分はトル
クを発生させる成分であり、また一般に対称な構成とし
た場合には偶数次成分は発生しないので、3次以降の奇
数次高調波成分がトルクリップルの原因となる。
【0032】ここで電機子巻線をY結線(星形結線)とす
ることにより、線間電圧の3次成分およびその倍数の成
分はキャンセルされるので、トルクリップルの原因とな
るのは、5次、7次、11次、13次、…という成分で
ある。これらのうち低次の高調波ほど一般に振幅が大き
いため、5次成分が一番問題となる場合が多い。よっ
て、巻線係数を適当にとることで5次成分を低減できれ
ば、トルクリップルを低減することができる。
【0033】このように、トルクリップルを低減するよ
うな巻線係数の実現方法であるが、分布係数は極数とス
ロット数、コイル接続により一意に決定されるため、基
本波成分を大きくしつつ5次成分を低減する構成を採る
ことが困難である。よって、短節係数を適切な値とする
ことが考えられる。誘起電圧の5次成分をゼロにする、
即ち5次の短節係数sin{π・(β/2)×5}をゼロにで
きるβは0.4、0.8、1.2、1.6・・・である
が、このうち巻線利用率の高い短節度βは、0.8、
1.2である。その時の1次短節係数は0.951とな
り(後述の表4参照)、巻線利用率も良好である。
【0034】ところで、前述のようにこの短節度βはこ
れまでβ=P/Q=τs/τpで与えられるとされてお
り、これも極数とスロット数により一意に決定される。
ところが実際には、スロットオープニング(スロット開
口部幅)により実効的な短節度βが変化する。このこと
について以下に説明する。以下の説明のため、短節度を
以下のように定義する。
【0035】
【表3】
【0036】(本発明における巻線係数の考え方の説明)
表3のとおり短節度を定義すると、短節係数Kpnの計
算にはβe(=β)を使うべきであるが、表2は短節係数
Kpnをスロットピッチ短節度βsを用いて計算したも
のである。次にスロットオープニングを大きくした場
合、即ちスロットピッチに比べてティース先端の幅が無
視できないほど小さくなっている場合について説明す
る。
【0037】図5に示すように、「磁石11の対面にテ
ィース21が無い場合はパーミアンスが零となり、その
部分は磁束Bが発生しない」、と仮定すれば、有効短節
度βeはティース先端幅短節度βtと等しくなる。その
仮定のもとでは、スロットオープニングを12mmとす
れば有効短節度βeが0.8となり、誘起電圧の5次成
分をゼロにできる。
【0038】しかし、実際には図6のとおり、磁石11
の対面にティース21が無くてもパーミアンスはゼロと
ならず、距離が遠くなるだけパーミアンスが低下し磁束
Bが減少するものの、最も近いティースへ磁束が回り込
む。回り込む磁束により、有効短節度βeはティース先
端幅短節度βtよりも大きくなるのは明らかである。よ
って、一般に有効短節度βeは
【0039】βt≦βe≦βs
【0040】を満たす。すなわち、有効短節度βeを
0.8とするためには、ティース先端幅bt1と極ピッ
チτpとの関係を、
【0041】bt1≦τp×0.8
【0042】とすることが必要であり、この有効短節度
βeを0.8とした場合、見かけの短節度であるスロッ
トピッチ短節度βsを用いて計算した場合よりも巻線利
用率が良く、さらに誘起電圧の5次成分を低減すること
ができる。なおこの条件は、極数Pとティース数Q(=
スロット数)が、極数Pがティース数Q×0.8以上で
なければ成立しないことは言うまでもない。
【0043】ティース先端幅短節度βtと有効短節度β
eは図7のような関係となる。Δβeは、ティースと磁
石の間のギャップ長、極ピッチ、および極数Pとティー
ス数Qの組み合わせ等により変化する。
【0044】ティース先端幅とギャップを調整し、有効
短節度βeを0.8とした場合の巻線係数は以下に示す
表4のようになり、殆ど巻線利用率を下げずに、誘起電
圧の5次高調波をゼロにできる。その時のティース先端
幅bt1は、図7から明らかなように、極ピッチτp×
0.8よりも小さい値となる。本実施の形態における寸
法諸元をあてはめると、スロットオープニングを12m
m以上確保することができる。
【0045】
【表4】
【0046】(コギングトルクに関しての補足)本実施の
形態のようにスロット開口部幅を大きくした場合には一
般にコギングトルクの増加が懸念されるが、これに関し
ては、極数とスロット数の最小公倍数が84であること
と、磁石形状、ギャップ長を適切に選ぶことにより問題
ないレベルにまで低減可能である。
【0047】(漏れインダクタンス低減の効果について)
ここで、発明の効果に対応して、スロットオープニング
を広げると重負荷時のトルク特性が向上することを説明
する。重負荷時は、巻線電流が大きく、スロット漏れ磁
束が増加する。界磁磁束(磁石による磁束)を無視し、同
じ値の巻線電流による磁束を図8に示す。図8の(a)に
示すようなスロットオープニング(=隣接するティース
先端の間の隙間)が小さいものでは、(b)のスロットオ
ープニングが大きいものに比べてティース先端のパーミ
アンスが大きいために、比較的多く漏れ磁束LBが流れ
る。漏れ磁束によるリアクタンス降下のため、端子電圧
は上昇し、力率は低下する。
【0048】また、漏れ磁束により、スロット回りの鉄
心が飽和し、鉄損が大きくなり、さらに鉄心の飽和によ
る磁路の変化により、トルクリップルが大きくなりう
る。スロットオープニングの幅に漏れ磁束の量は反比例
するため、この発明によりスロットオープニングを大き
いものにすることにより、上記の問題は大幅に低減さ
れ、重負荷時のトルク特性および電圧特性は向上する。
【0049】漏れ磁束低減のために適当なスロットオー
プニング量すなわちスロット開口部幅について、図9を
用いて説明する。図9において、41はスロットオープ
ニングを通る漏れ磁路、42は磁石および回転子鉄心を
通る主磁束磁路である。主磁束磁路42に対し、漏れ磁
路41の磁気抵抗が十分に大きければ、漏れ磁束は非常
に小さなものとなり、上記のような良好な特性を得るこ
とができる。このための条件は、スロット開口部幅b
g、永久磁石11の径方向の厚みをhm、空隙の径方向
の空隙長g0としたとき、
【0050】bg≧2×(g0+hm)
【0051】を満たすことである。このような構成とす
ることで、漏れ磁束を低減できる。
【0052】bg≧2×(g0+hm)の根拠について説
明すると、電機子電流により図9の通り主に2つの磁路
に磁束が流れる。図9の2つの磁路の磁気抵抗は、それ
ぞれ磁路の断面積を同程度と仮定すれば、概略次の比率
の関係をとる。
【0053】漏れ磁路41の磁気抵抗:主磁束磁路42
の磁気抵抗=漏れ磁路の空隙相当部分の磁路長bg:主
磁束磁路の空隙相当磁路長{2×(g0+hm)}
【0054】磁束量は磁気抵抗に反比例するので、
【0055】漏れ磁束の量:”主磁束磁路を通る磁束の
量”=1/bg:1/{2×(g0+hm)}
【0056】原理上、必然的に発生する”主磁束磁路を
通る磁束の量”以下であれば磁路の飽和およびリアクタ
ンスの大きさに対し漏れ磁束の影響は小さくなる。
【0057】さらに、図9に示したように、隣り合うテ
ィースに施された絶縁部材25の空隙側における間隔L
insを、
【0058】Lins≦bg
【0059】としたので、スロットオープニングを広げ
つつ、コイル22をスロット内の広い部分に配置するこ
とができ、巻線の占積率を高めることができる。このと
き、隣り合うコイルの間隔Lcoilも、
【0060】Lcoil≦bg
【0061】を満たしている。このとき、スロット開口
部に制約をあまり受けることなく巻線作業ができるた
め、コイル巻回作業が容易となるほか、外部で巻回した
コイルを挿入する製造方法を採る場合でもコイル挿入作
業が簡単になる。
【0062】(同じ極数、スロット数で巻線係数を異な
るものとした場合の説明)なお、上記実施の形態と相
数、極数、スロット数が同じでも、違う巻線係数をとる
ことができる。連続したティースに配置される同相のコ
イルの数qを4とすれば、同相のコイル軸の位相差がπ
/2となるため、1次の分布係数が小さく、上記実施の
形態よりも巻線利用率が劣る。しかし、スロットオープ
ニングを広げることによる誘起電圧高調波低下という効
果は、上記実施の形態と同様に得ることができる。
【0063】上記実施の形態では、極数Pおよびティー
ス数(あるいはティース配置のための等間隔分割数)Qの
比P/Qが1より大きいものを示した(上記実施の形態
ではP/Q≒1.17)。P/Qが1より大きいものの
場合、スロットオープニングは大きいものとなりコイル
巻回時の工作性が向上する。しかしながらP/Qが1未
満のものでも、P/Qが0.8より大きいのものであれ
ば、スロットオープニングは比較的小さくなる傾向はあ
るものの、この発明によりトルクリップルの小さな電動
機を実現できる。
【0064】図10はこの実施の形態による10極12
スロットの電動機の例(P/Q≒0.84)、図11は同
様にこの実施の形態による8極9スロットの電動機の例
(P/Q≒0.89)である。なお上述のようにこの条件
は、P/Qが0.8以上でなければ成立しない。P/Q
が0.8未満ではβt≦βe≦βs<0.8となりβe
=0.8は物理的に成立せず、またP/Q≦0.8では
bt1/τp≦0.8が必ず成り立つ。従ってこの発明
では、P/Q>0.8が前提条件となる。
【0065】実施の形態2. (ティースが全周にないもの)この発明の第2の実施の形
態による永久磁石式同期電動機の構成を図12に示す。
図12において、図1と同一の構成によるものは説明を
省略する。本実施の形態においては、図12に示したよ
うに、固定子20は全周に渡って存在せず、半円上にの
み配置されている。これに伴って、固定子ティース21
も全周に渡って配置されておらず、本実施の形態におい
ては6つが存在するのみである。
【0066】このような構成においても、固定子のティ
ース21に生じる誘起電圧の位相差は、回転子の永久磁
石11の間隔と固定子ティース21の間隔との比、すな
わちP/Qによって規定されるため、本実施の形態にお
いても実施の形態1と同様の高調波低減効果が得られ
る。また、本実施の形態においては、固定子を部分的に
配置することにより、電動機全体の寸法をコンパクトな
ものとすることができる。なおこの場合、Qはティース
数またはスロット数とはならないため、実施の形態1も
考慮して、ティースが周方向に沿って概略等間隔にQ等
分された位置に配置されるため、Qはその分割数と定義
する。
【0067】実施の形態3. (オープンスロットとしたもの、ボビン巻)次にこの発明
の第3の実施の形態について図13ないし図16を用い
て説明する。この実施の形態による永久磁石式同期電動
機の構成を図13に示す。図1と同一の構成によるもの
は説明を省略する。本実施の形態においては、図13に
示したように、固定子ティース21の形状を概略直方体
状とし、ティース21とスロット23との境界面(以
下、ティース側面と称する)を概略平面状とするととも
に、ティース21の根元と先端の幅を概略同一としてい
る。このように、ティース21の先端部には必ずしも突
起部を設ける必要はなく、ティース先端幅bt1を極ピ
ッチτp×0.8よりも小さな構成とすることで、実施
の形態1と同様の効果が得られる。
【0068】また本実施の形態においてはさらに以下の
ような効果が得られる。すなわち、コイル22を形成す
る際、絶縁部材25を付加したティース21に直接巻回
するのではなく、図14に示したように、コイル線材を
外部でボビン24に巻いて形成した後、ティース21に
挿入し、さらに楔26を挿入することで固定子を形成す
ることができる。楔26は、ティース側面に設けられた
楔挿入溝27に嵌合して固定される。ティース側面は、
この楔挿入溝27の部分以外で概略平面状になってい
る。このように、コイル22を外部で形成することによ
り,実施の形態1で得られた効果に加えてさらに製造が
容易になり、かつ巻線の成形も容易となる。
【0069】また図13の例では、ティースをほぼ直方
体形状とした例について示したが、これに限られるもの
ではなく、コイルが巻回されていないティース先端付近
でティースとスロットの境界面がスロット開口部を狭め
る方向に屈曲してなければ良いのであって、例えば図1
5に示したようなテーパ状のティース形状をとることも
可能である。この場合、磁束がより集中する根元側のテ
ィース幅を大きくすることで飽和がより緩和され、平均
トルクの向上や、トルクリップルの低減といった効果も
得られる。
【0070】また上記実施の形態では、内側が回転子の
インナロータの構造の電動機について示したが、図16
に示すように外側が回転子となるアウタロータ(インナ
ステータ)構造の電動機でも同様に実施できる。
【0071】すなわちこの第3の実施の形態では、ティ
ースを横断面の面積が先端から根本まで少なくとも同じ
か、さらには先端から根本に向かって大きくなるような
形状とすることで、コイル巻回時の工作性が向上する。
【0072】実施の形態4. (スキューの例)次にこの発明の第4の実施の形態につい
て図17を用いて説明する。図17は本実施の形態にお
ける永久磁石式同期電動機の固定子ティース部を対向す
る永久磁石側から見た図であり、図1と同一の構成によ
るものは説明を省略する。図17においては、コイル2
2の巻線とティース21のみを示しており、絶縁部材2
5は図示していない。本実施の形態においては、固定子
の鉄心部材を積層する際に、各鉄心部材を周方向に徐々
にずらしながら固着(以下スキューと呼ぶ)している。こ
のようにして形成された固定子ティース21は、軸方向
の下面と上面とで周方向に位置がずれることになる。
【0073】本実施の形態においては、このずれ量τsk
ewを先に定義した極ピッチτpの概略2/7としてい
る。このような構成とすることで、誘起電圧の7次高調
波成分をゼロにすることが可能である。
【0074】これをもう少し説明すると、スキュー無し
の場合の誘起電圧に対するスキューを施した場合の誘起
電圧の比、すなわちスキュー係数は概略(3次元的な磁
束の流れを無視した場合)、次式で表される。
【0075】Ksn=sin{(nπ/2)×(τskew/τp)}/{(n
π/2)×(τskew/τp)}
【0076】よってτskew=≒(2/7)・τpとすれ
ば、7次のスキュー係数Ks7がゼロとなる。
【0077】前述のように、三相星型結線された電機子
巻線においては一般に、各相の誘起電圧において、奇数
でかつ3の倍数でない次数の高調波成分のうちより低次
のものを打ち消すことでトルクリップル低減が可能とな
る。本実施の形態においては、ティース先端幅を適当な
ものとし有効短節度を調節することで5次高調波成分を
低減し、かつスキューを施すことでさらに7次高調波成
分を低減したので、その結果、トルクリップルを大幅に
低減することができる。
【0078】なお、本実施の形態においては、固定子側
をスキューする例について述べたが、スキューの効果は
固定子側と回転子側の相対的な位置関係によって決まる
ものであるから、本実施の形態とは逆に回転子側の磁石
に同様のスキューを施しても、同様の効果が得られるこ
とはいうまでもない。
【0079】実施の形態5. (多極化の例)次にこの発明の第5の実施の形態について
図18を用いて説明する。図18は本実施の形態におけ
る永久磁石式同期電動機の構成を示すものであり、図1
と同一の構成によるものは説明を省略する。また、コイ
ルや絶縁部材については記載を省略しており、永久磁石
11を設けた回転子10および固定子鉄心だけで示され
た固定子20で示されている。本実施の形態において
は、図18に示したように、極数Pを42とし、ティー
スの数すなわちスロットの数Qを36としている。この
実施の形態における巻線の結線については、隣り合う6
スロットづつを1つの組とした計6組に分けたとき、各
々の組が図3に示したように結線されている。ただし、
各ブロック毎に極性が反転するが、このことは実施の形
態1と同様である。
【0080】本実施の形態において、極数Pと、ティー
スの数すなわちスロットの数Qとの比を求めると、P/
Q=42/36=14/12≒1.17となり、実施の
形態1と等しくなる。よって、実施の形態1と同様にし
て、ティース先端幅bt1を適当に選ぶことで、同様の
効果が得られることは明らかである。
【0081】また、本実施の形態においてはさらに以下
の効果が得られる。即ち、極数Pと、ティースの数すな
わちスロットの数Qとの最小公倍数は252となり、実
施の形態1の場合(最小公倍数は84)に比べて格段に大
きくなっている。すなわち、コギングトルクを大幅に低
減することができるので、スロット開口部の幅を広げる
ことによる、コギングトルク増大といった不利益は非常
に小さいものとなり、高性能な電動機を得ることができ
る。極数Pとスロット数Qとの最小公倍数はこの発明に
よるスロット開口部の幅を広げたことによるデメリット
を考慮すれば200以上が好ましい。
【0082】実施の形態6. (エレベータ装置)次にこの発明の第6の実施の形態につ
いて図19を用いて説明する。図19は本実施の形態に
おける永久磁石式同期電動機を用いたエレベータ装置の
構成を示すものであり、1は機械室、2は永久磁石式同
期電動機、3はトラクションシーブ、4は連結手段、5
は主ロープ、6は昇降路、7はかご、8はカウンタウェ
イトである。
【0083】図示していない電源部から電動機2に電力
を供給し、これを駆動する。電動機2は連結手段4を介
してトラクションシーブ3に連結されており、電動機2
に従ってトラクションシーブ3が回転駆動される。これ
により、トラクションシーブ3に懸けられたロープ5の
両端に固定されたかご7およびカウンターウェイト8が
上下する。
【0084】電動機2で発生するトルクリップルはトラ
クションシーブ3および主ロープ5を介してかご7に伝
達されるので乗り心地の悪化につながる。電動機2とト
ラクションシーブ3とが直接連結されている場合は特に
顕著である。
【0085】本実施の形態による電動機2は、例えば図
1に示したように構成されており、先に述べたようにト
ルクリップルが大幅に低減されているので、かご内の乗
り心地が非常に良いエレベータ装置を得ることができ
る。また、この場合、永久磁石式同期電動機のサイズは
音響機器や情報機器用のごく小形のものとは異なり、コ
イルの挿入に最低限必要なスロットオープニングよりも
はるかに大きな寸法値、例えばスロットオープニングは
5mm以上(図1では12mm以上)になるような規模の
電動機となるため、実施の形態3(図14)で示したよう
なボビン挿入が容易となる。
【0086】本実施の形態では、電動機2及びトラクシ
ョンシーブ3を機械室1に設置した場合について示した
が、これに限られるものではなく、例えば昇降路内の任
意の位置に配置することも可能である。
【0087】
【発明の効果】以上のようにこの発明の第1の発明によ
れば、極数がP個の永久磁石式の回転子と、前記回転子
の永久磁石に空隙を介して対向し、周方向に沿って概略
等間隔にQ等分された位置の一部または全てに配置され
た複数のティースを有し、これらの各ティースに1つの
相の巻線が集中的に巻回されるようにコイルが巻かれた
周方向の一部または全周に沿って延びた固定子とを備
え、前記コイルが各相がバランスするように接続するこ
とで3相星型結線され、概略正弦波電流により駆動され
る永久磁石式同期電動機であって、前記極数Pと分割数
Qの関係をP/Q>0.8、ティース先端の幅bt1と
極ピッチτpの関係をbt1/τp≦0.8、としたこ
とを特徴とする永久磁石式同期電動機としたので、巻線
利用率が良好でありかつトルクリップルを低減させた永
久磁石式同期電動機を提供できる。またこの電動機では
さらに、スロットオープニングすなわち隣接するティー
ス間の距離を大きいものにすることにより、スロット漏
れ磁束によるスロット周囲の鉄心の飽和を低減し、重負
荷時のトルク特性および電圧特性が向上できる。
【0088】またこの発明の第2の発明では、前記固定
子が周方向の全周に沿って延び、前記ティースが前記概
略等間隔にQ等分された位置の全てに配置されているの
で、全周にティースを配置することで、同程度の寸法の
永久磁石式同期電動機においてより高い出力トルクを得
ることができる。
【0089】またこの発明の第3の発明では、前記固定
子が周方向の一部に沿って延び、前記ティースが前記概
略等間隔にQ等分された位置の一部のみに配置されてい
るので、固定子を部分的に設けることで、電動機のコン
パクト化が可能となり、また外径制限がある場合に適応
が可能であり、また固定子の無い部分を他の用途に使用
することができる。
【0090】またこの発明の第4の発明では、前記極数
Pと前記分割数Qの関係をP/Q>1、としたので、よ
りスロットオープニングを大きくとれ工作性が向上す
る。
【0091】またこの発明の第5の発明では、前記極数
Pおよび前記分割数Qの最小公倍数を200以上とした
ので、コギングトルクを低減できる。
【0092】またこの発明の第6の発明では、前記ティ
ース間に設けられたスロット開口部の幅bg、上記空隙
の径方向の空隙長g0、前記磁石の径方向の厚みhmの
関係をbg≧2×(g0+hm)、としたので、漏れ磁
束を低減でき、飽和によるトルクリップルも低減でき
る。
【0093】またこの発明の第7の発明では、前記ティ
ースとこれに巻回される前記コイルとの間に絶縁部材を
設け、前記ティース間に設けられたスロット内におい
て、隣り合うティースに設けられた前記絶縁部材の空隙
側における距離をLins、前記ティース間に設けられた
スロット開口部の幅bgとしたとき、Lins≦bgとし
たので、絶縁部材により巻線を固定できるのでティース
先端の形状自由度を高めることができる。また巻線の占
積率を高くでき、そして巻線作業が簡単になる。
【0094】またこの発明の第8の発明では、前記ティ
ースはスキューが施されており、そのスキューのずれ量
τskewと前記極ピッチτpとの関係を概略τskew≒τp
×(2/7)、としたので、5次だけでなく7次高調波成
分も低減することができ、トルクリップルがさらに低減
できる。
【0095】またこの発明の第9の発明では、前記ティ
ースを横断面の面積が先端から根本まで少なくとも同じ
か、さらには先端から根本に向かって大きくなるような
形状としたので、コイルの巻線を単独でボビンなどに巻
回してからティースに挿入するという工法が可能になり
工作性が向上する。
【0096】またこの発明の第10の発明では、極数が
P個の永久磁石式の回転子と、前記回転子の永久磁石に
空隙を介して対向し、周方向に沿って概略等間隔にQ等
分された位置の一部または全てに配置された複数のティ
ースを有し、これらの各ティースに1つの相の巻線が集
中的に巻回されるようにコイルが巻かれた周方向の一部
または全周に沿って延びた固定子とを備え、前記コイル
が各相がバランスするように接続することで3相星型結
線され、概略正弦波電流により駆動される永久磁石式同
期電動機であって、前記極数Pと分割数Qの関係をP/
Q>0.8、ティース先端の幅bt1と極ピッチτpの
関係をbt1/τp≦0.8、とした永久磁石式同期電
動機と、前記永久磁石式同期電動機により駆動されるト
ラクションシーブと、前記トラクションシーブに巻回さ
れた主ロープと、前記主ロープにより牽引されるかごお
よびカウンタウェイトと、を有することを特徴とするエ
レベータ装置としたので、トルクリップルの小さい電動
機を用いることで、エレベータの振動を抑えることがで
き、乗客の快適性を高めることができる。
【0097】またこの発明の第11の発明では、エレベ
ータ駆動用の前記永久磁石式同期電動機の前記ティース
間に設けられたスロット開口部の幅bgを5mm以上に
できるので、コイル挿入が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施の形態による永久磁石
式同期電動機の構成を示す図である。
【図2】 この発明の第1の実施の形態による永久磁石
式同期電動機を平面状に展開して示した図である。
【図3】 この発明の第1の実施の形態による電動機に
おける磁石とティースの関係及びコイルの巻線の方法の
例を示す図である。
【図4】 各コイルの誘起電圧および各相巻線の合成誘
起電圧の関係を示す図である。
【図5】 磁束が真っ直ぐにしか流れないと仮定した場
合の磁束分布を示す図である。
【図6】 実際の磁束分布を示す図である。
【図7】 ティース先端幅短節度と有効短節度との関係
を説明するための図である。
【図8】 スロットオープニングとスロット漏れ磁束の
関係を説明するための図である。
【図9】 漏れ磁束低減のために適当なスロットオープ
ニング量を説明するための図である。
【図10】 この発明の第1の実施の形態による別の永
久磁石式同期電動機の構成を示す図である。
【図11】 この発明の第1の実施の形態によるさらに
別の永久磁石式同期電動機の構成を示す図である。
【図12】 この発明の第2の実施の形態による永久磁
石式同期電動機の構成を示す図である。
【図13】 この発明の第3の実施の形態による永久磁
石式同期電動機の構成を示す図である。
【図14】 この発明の第3の実施の形態におけるコイ
ル形成を説明するための図である。
【図15】 この発明の第3の実施の形態における別の
例を示す図である。
【図16】 この発明の第3の実施の形態におけるさら
に別の例を示す図である。
【図17】 この発明の第4の実施の形態による永久磁
石式同期電動機の固定子ティース部を対向する永久磁石
側から見た図である。
【図18】 この発明の第5の実施の形態による永久磁
石式同期電動機の構成を示す図である。
【図19】 この発明の第6の実施の形態による永久磁
石式同期電動機電動機を用いたエレベータ装置の構成を
示す図である。
【符号の説明】
1 機械室、2 永久磁石式同期電動機、3 トラクシ
ョンシーブ、4 連結手段、5 主ロープ、6 昇降
路、7 かご、8 カウンタウェイト、10 回転子、
11 永久磁石、20 固定子、21 ティース、22
コイル、23スロット、24 ボビン、25 絶縁部
材、26 楔、27 楔挿入溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 守弥 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5H019 AA02 AA03 AA10 CC03 CC06 CC08 CC09 DD01 DD10 EE01 EE14 FF01 5H621 AA02 BB07 BB10 GA01 GA04 GA15 GA16

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極数がP個の永久磁石式の回転子と、前
    記回転子の永久磁石に空隙を介して対向し、周方向に沿
    って概略等間隔にQ等分された位置の一部または全てに
    配置された複数のティースを有し、これらの各ティース
    に1つの相の巻線が集中的に巻回されるようにコイルが
    巻かれた周方向の一部または全周に沿って延びた固定子
    とを備え、前記コイルが各相がバランスするように接続
    することで3相星型結線され、概略正弦波電流により駆
    動される永久磁石式同期電動機であって、前記極数Pと
    分割数Qの関係を P/Q>0.8 ティース先端の幅bt1と極ピッチτpの関係を bt1/τp≦0.8 としたことを特徴とする永久磁石式同期電動機。
  2. 【請求項2】 前記固定子が周方向の全周に沿って延
    び、前記ティースが前記概略等間隔にQ等分された位置
    の全てに配置されたことを特徴とする請求項1に記載の
    永久磁石式同期電動機。
  3. 【請求項3】 前記固定子が周方向の一部に沿って延
    び、前記ティースが前記概略等間隔にQ等分された位置
    の一部のみに配置されたことを特徴とする請求項1に記
    載の永久磁石式同期電動機。
  4. 【請求項4】 前記極数Pと前記分割数Qの関係を P/Q>1 としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の永久磁石式同期電動機。
  5. 【請求項5】 前記極数Pおよび前記分割数Qの最小公
    倍数を200以上としたことを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれかに記載の永久磁石式同期電動機。
  6. 【請求項6】 前記ティース間に設けられたスロット開
    口部の幅bg、上記空隙の径方向の空隙長g0、前記磁
    石の径方向の厚みhmの関係を、 bg≧2×(g0+hm) としたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに
    記載の永久磁石式同期電動機。
  7. 【請求項7】 前記ティースとこれに巻回される前記コ
    イルとの間には絶縁部材が設けられており、前記ティー
    ス間に設けられたスロット内において、隣り合うティー
    スに設けられた前記絶縁部材の空隙側における距離をL
    ins、前記ティース間に設けられたスロット開口部の幅
    bgとしたとき、 Lins≦bg としたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに
    記載の永久磁石式同期電動機。
  8. 【請求項8】 前記ティースはスキューが施されてお
    り、そのスキューのずれ量τskewと前記極ピッチτpと
    の関係を概略 τskew≒τp×(2/7) としたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに
    記載の永久磁石式同期電動機。
  9. 【請求項9】 前記ティースを横断面の面積が先端から
    根本まで少なくとも同じか、さらには先端から根本に向
    かって大きくなるような形状とすることを特徴とする請
    求項1ないし7のいずれかに記載の永久磁石式同期電動
    機。
  10. 【請求項10】 極数がP個の永久磁石式の回転子と、
    前記回転子の永久磁石に空隙を介して対向し、周方向に
    沿って概略等間隔にQ等分された位置の一部または全て
    に配置された複数のティースを有し、これらの各ティー
    スに1つの相の巻線が集中的に巻回されるようにコイル
    が巻かれた周方向の一部または全周に沿って延びた固定
    子とを備え、前記コイルが各相がバランスするように接
    続することで3相星型結線され、概略正弦波電流により
    駆動される永久磁石式同期電動機であって、前記極数P
    と分割数Qの関係を P/Q>0.8 ティース先端の幅bt1と極ピッチτpの関係を bt1/τp≦0.8 とした永久磁石式同期電動機と、 前記永久磁石式同期電動機により駆動されるトラクショ
    ンシーブと、 前記トラクションシーブに巻回された主ロープと、 前記主ロープにより牽引されるかごおよびカウンタウェ
    イトと、を有することを特徴とするエレベータ装置。
  11. 【請求項11】 前記永久磁石式同期電動機の前記ティ
    ース間に設けられたスロット開口部の幅bgを5mm以
    上としたことを特徴とする請求項10に記載のエレベー
    タ装置。
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