JP2001157100A - カメラを用いた入力装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】画像情報とスイッチ情報を別系統でコンピュー
タに伝送する不便さを解消する。 【解決手段】入力装置１０１の外部インタフェース１０
５は、カメラ制御部１０３が生成した画像データ中にス
イッチ１０４の状態を埋め込んで外部に出力する。コン
ピュータ側の画像処理ドライバ用サブルーチン１１０
は、画像データに埋め込まれていたスイッチ状態に応じ
て処理を切り替える。アプリケーションプログラム111
は、画像入力インタフェース１０９を介して画像データ
を読み出し、所定の画素データからカメラ側スイッチの
情報を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータに接
続して使用されるカメラに物理的なスイッチを付けた場
合の、スイッチ状態の伝達方法に関するものである。さ
らに、コンピュータ側の処理負荷を低減させる効率的な
処理方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】コンピュータに高速な接続手段が標準装
備されるにしたがい、カメラの映像をデジタルのまま入
力できる機器が市販されるようになった。このようなカ
メラの例として、コンピュータとカメラの間のインタフ
ェースとして、ユニバーサルシリアルバス（Universal
Serial Bus）を用いたものが市販されている。

【０００３】また、コンピュータにアナログの画像信号
を取り込む画像信号取込装置を付加し、アナログ信号を
出力する民生用カメラを利用する方法も広く知られてい
る。上記のようなカメラおよび画像信号取込装置では、
画像情報の入力のみを目的とするため、カメラ側に付加
された物理的なスイッチの情報をコンピュータに伝送す
る方法を持っていない。このため、カメラ側に物理的な
スイッチを付加し、その状態をコンピュータに入力する
ためには、エイ・シー・エム、ヒューマン・ファクター
ズ・イン・コンピューティング・システムズ、シー・エ
イチ・アイ・９７・カンファレンス・プロシーディング
ス（１９９７年）第３２７項から第３３４項（ACM，HUM
AN FACTORS IN COMPUTING SYSTEMS,CHI 97 CONFERENCE
PROCEEDINGS(１９９７），ＰＰ３２７−３３４）に記載
されているように、映像入力方法とは別な手段を設けな
くてはならない。

【０００４】一方で、コンピュータ上のオペレーティン
グシステムに、画像を入力するために標準的に備わって
いる画像入力インタフェースも、カメラ側のボタンやス
イッチなどの状態を入力する機能は持っていないのが普
通である。このようなオペレーティングシステムと画像
入力インタフェースの例として、マイクロソフト社のウ
ィンドウズ９８(Microsoft Windows98）およびマイクロ
ソフト・ビデオ・フォー・ウィンドウズ（Microsoft Vi
deo for Windows）がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術では、
カメラで撮影された画像情報と、カメラに付加されたス
イッチの情報をコンピュータに伝送するために、別々な
信号線を用意する必要がある。また、コンピュータ側の
入力端子を画像用とスイッチ用で別々に設けねばなら
ず、配線が煩雑になると言う問題があった。

【０００６】また、オペレーティングシステムが標準で
備える画像入力インタフェースは、カメラに付加された
スイッチの状態を知り得ないため、スイッチ状態に応じ
て処理内容を切りかえることができなかった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明におけるカメラを
用いた入力装置では、カメラが撮影した画像データの中
に、カメラ側に付加されたスイッチの情報を埋め込ん
で、コンピュータ側に伝送する機能を持たせる。また、
上記スイッチの状態は、画像データ伝送時の圧縮の有無
に関わらず、正しく復元できる機能を持たせる。このた
め、カメラを用いた入力装置とコンピュータ間の配線
は、画像を伝送するための配線のみで十分であり、コン
ピュータ側の入力端子も画像入力用の端子のみで十分で
ある。

【０００８】さらに、オペレーティングシステムに標準
的に備わる画像入力インタフェースを改造することな
く、画像データとスイッチ状態を入力可能となる。ま
た、画像入力インタフェース内部でカメラ側のスイッチ
状態を検査できるため、画像入力インタフェース内部の
処理内容を、スイッチ状態に応じて変更することも可能
となる。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の一実施例の機器
構成図である。カメラを用いた入力装置101は、物理的
なスイッチである１０４を持っている。画像は光学レン
ズ１０２を介して撮影され、伝送線１０６を経由してコ
ンピュータ１０７に伝送される。コンピュータ１０７で
は、画像の内容やスイッチ１０４の状態に応じて、様々
な処理が実行される。なお、本実施例では物理的なスイ
ッチが一つの場合について説明するが、スイッチは複数
存在しても良い。

【００１０】図２は、図１の機器構成図に対応するブロ
ック図である。カメラを用いた入力装置１０１では、光
学レンズ１０２を通った映像はカメラ制御部１０３によ
り画像データに変換され外部インタフェース１０５に送
られる。スイッチ１０４の状態も、外部インタフェース
１０５に送られる。外部インタフェース１０５は、カメ
ラ制御部１０３から受け取った画像データの中に、スイ
ッチ１０４の状態を埋め込んで、コンピュータ１０７に
送出する。外部インタフェース１０５は、必要に応じて
画像データの圧縮処理も実行する。

【００１１】スイッチ１０４の状態は、例えば図３に示
すように、画像データの最終画素データ３０２に上書き
されて送出される。例えば、画像データ中の各画素が２
４ビットで表現されている場合は、スイッチ１０４がオ
ンであることを最終画素データ３０２の値を１６進数の
ＦＦＦＦＦＦにすることで表現し、スイッチ１０４がオ
フであることは最終画素データ３０２の値を１６進数の
００００００にすることで表現する。

【００１２】スイッチが複数存在する場合は、複数の画
素に対応するデータを使って、同様に表現すれば良い。
また、スイッチ状態の埋め込みによる画像データの乱れ
を小さくするためには、画素を表現するビットのＬＳＢ
(Least Significant Bit）だけを用いるようにしても良
い。また、一般的に画像の中央には大切な撮影対象が写
っている場合が多いので、画像データの中央付近より、
画像の周辺の画素情報にスイッチ状態を埋め込んだほう
が良い。

【００１３】図２の伝送線１０６を介して送られた画像
データは、コンピュータ１０７のオペレーティングシス
テム１０８内部の画像入力インタフェース１０９が受け
取る。画像入力インタフェース１０９は、画像を入力す
るアプリケーションプログラムを作成する際の便宜を図
るために、オペレーティングシステム１０８が標準で提
供するものである。この画像入力インタフェース１０９
の仕様が規定されているために、画像を用いるアプリケ
ーションは、個々の入力装置に応じて、画像入力の処理
を別個に作成せずに済むと言う利点がある。

【００１４】入力装置に固有な処理、例えば圧縮された
画像の伸長処理などは、入力装置の仕様に合わせて作成
された画像処理ドライバ用サブルーチン１１０によって
実行される。画像入力インタフェース１０９は、カメラ
を用いた入力装置１０１からのデータを受け取ると、画
像処理ドライバ用サブルーチン１１０を呼び出し、必要
な処理を実行させる。

【００１５】画像処理ドライバ用サブルーチン１１０
は、カメラを用いた入力装置１０１が画像データ中にス
イッチ１０４の状態を埋め込む方法を知っているため、
処理に先立ちスイッチ１０４の状態を調べることができ
る。すなわち最終画素データ３０２の値を調べ、１６進
数のＦＦＦＦＦＦならスイッチ１０４はオン、１６進数
の００００００ならスイッチ１０４はオフと判定でき
る。このため、画像処理ドライバ用サブルーチン１１０
は、スイッチ１０４の状態に応じて、その処理内容を切
り替えることが可能である。例えば、スイッチ１０４が
オフの場合は、圧縮されて伝送されてきた画像データの
伸長処理を省略したりできる。これにより余分な処理を
省略できるので、画像入力処理のためにコンピュータに
掛かる負荷を低減できるという効果がある。

【００１６】画像を利用するアプリケーションプログラ
ム１１１は、画像処理ドライバ用サブルーチン１１０が
処理した画像データを画像入力インタフェース１０９を
介して入力する。アプリケーションプログラム１１１が
スイッチ１０４の状態に応じて処理を切り替えたい場合
は、最終画素データ３０２の値を調べてスイッチ104の
状態を判定すれば良い。

【００１７】

【発明の効果】本発明におけるカメラを用いた入力装置
では、カメラを用いた入力装置とコンピュータ間の配線
は、画像を伝送するための配線のみで十分であり、コン
ピュータ側の入力端子も画像入力用の端子のみで十分で
ある。さらに、オペレーティングシステムに標準的に備
わる画像入力インタフェースを改造することなく、画像
データとスイッチ状態を入力可能となる。また、オペレ
ーティングシステムの画像入力インタフェースから呼び
出される画像処理ドライバ用サブルーチンにおいて、画
像データ中に埋め込まれたスイッチ状態を検査できるよ
うになるため、そのスイッチ状態に応じて画像処理ドラ
イバ用サブルーチンの動作、例えば圧縮画像の伸長処理
など、を実行するか否かを制御可能となる。これによ
り、不要な画像伸長処理を省略することができ、不要な
付加を削減する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の機器構成図である。

【図２】本発明の一実施例のブロック図である。

【図３】本発明の一実施例で用いられる画像データの概
略図である。

【符号の説明】

１０１…カメラを用いた入力装置、１０２…カメラを構
成する光学レンズ、１０３…画像データを生成するカメ
ラ制御部、１０４…カメラに付加された物理的なスイッ
チ、１０５…画像データ中にスイッチ状態を埋め込み、
外部に送出する外部インタフェース、１０６…カメラを
用いた入力装置とコンピュータを結ぶ伝送線、１０７…
コンピュータ装置、１０８…オペレーティングシステ
ム、109…オペレーティングシステムに標準で備わる画
像入力インタフェース、１１０…カメラを用いた入力装
置に合わせて作成された画像処理ドライバ用サブルーチ
ン、１１１…画像を利用するアプリケーションプログラ
ム。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 俊史 茨城県日立市大みか町七丁目１番１号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 山元 真一郎 千葉県茂原市早野3681番地 日立デバイス エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 渡辺 健治 神奈川県海老名市下今泉810番地 株式会 社日立製作所ＰＣ事業部内 (72)発明者 山川 洋一 神奈川県海老名市下今泉810番地 株式会 社日立製作所ＰＣ事業部内 (72)発明者 上野 朝一 神奈川県秦野市堀山下１番地 株式会社日 立インフォメーションテクノロジー内 (72)発明者 安藤 和則 神奈川県秦野市堀山下１番地 株式会社日 立インフォメーションテクノロジー内 Ｆターム(参考） 5B020 CC01 FF55 KK03 KK23 5B047 AA30 AB04 EA02 5C022 AA00 AB65 AB68 AC31 AC69 AC75

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】コンピュータに接続可能で、物理的なスイ
   ッチを一つ以上備え、そのスイッチの状態を撮影した画
   像情報に埋め込んでコンピュータに送ることを特徴とす
   るカメラを用いた入力装置。
2. 【請求項２】請求項１に記載の入力装置であって、スイ
   ッチの状態を、カメラで撮影した画像データ中の一つ以
   上の特定画素の輝度または色情報に対応する値を変更し
   て表現することを特徴とする入力装置。
3. 【請求項３】請求項１または請求項２に記載の入力装置
   であって、画像データの圧縮機能を有する場合でも、ス
   イッチ状態の情報が正しく復元可能であることを特徴と
   する入力装置。
4. 【請求項４】請求項１に記載の入力装置を用いた情報処
   理装置であって、入力装置から伝送されたスイッチの状
   態に応じて、カメラで撮影された画像を処理するか否か
   を制御することを特徴とする情報処理装置。
5. 【請求項５】請求項３に記載の入力装置を用いた情報処
   理装置であって、カメラで撮影された画像が圧縮されて
   いる場合に、入力装置から伝送されたスイッチの状態に
   応じて、圧縮画像の伸長処理を実施するか否かを制御す
   ることを特徴とする情報処理装置。