JP2001156411A - 多層配線基板およびその製造方法 - Google Patents
多層配線基板およびその製造方法Info
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Abstract
配線化、導体の低抵抗化を可能とし、且つ金属箔とガラ
スセラミック成形体とを同時焼成によって安定して作製
することができる多層配線基板の製造方法を提供する。 【解決手段】ガラスセラミック組成物からなるグリーン
シート表面に、金属成分の含有量が99.5重量%以上
の高純度金属導体からなる多孔質の配線回路層を形成し
たグリーンシートを積層し、この積層物を、高純度金属
導体の融点以下の温度に加熱して、配線回路層のx−y
軸方向への収縮を伴いながら、グリーンシートを焼結さ
せる。
Description
パッケージなどに適した多層配線基板及びその製造方法
に関するものである。
を収納するパッケージに使用される多層配線基板とし
て、比較的高密度の配線が可能な多層セラミック配線基
板が多用されている。この多層セラミック配線基板は、
アルミナやガラスセラミックなどの絶縁基板と、その表
面に形成されたWやMo、Cu、Ag等の金属からなる
配線導体とから構成されるもので、この絶縁基板の一部
にキャビティが形成され、このキャビティ内に半導体素
子が収納され、蓋体によってキャビティを気密に封止さ
れるものである。
導体素子を搭載する半導体素子収納用パッケージや、各
種電子部品が搭載される混成集積回路装置等に適用され
る配線基板においては、高密度化、低抵抗化、小型軽量
化が要求されており、アルミナ系セラミック材料に比較
して低い誘電率が得られ、配線層の低抵抗化が可能なガ
ラスセラミック配線基板が一層注目されている。
線基板において、配線回路層を形成する手法としては、
Cu、Ag等の金属からなる導体を主成分とするメタラ
イズペーストを、スクリーン印刷法等によって絶縁基板
上に印刷し絶縁基板と同時に焼成する方法が採用されて
いる。しかし、このような手法を用いた場合、印刷では
配線幅100μm以下を形成するのが困難であり、今後
必要とされる更なる高密度化、小型軽量化の達成を阻む
原因であった。
セラミックグリーンシートにおける配線回路層を、金属
箔のエッチングによって形成する手法が知られている
(特開昭63−14493号)。また、配線回路層とし
て金属箔を用いた配線基板の製造方法として、金属箔か
らなる配線回路層が形成されたガラスセラミックグリー
ンシートの積層体の両面に、該配線基板の焼成温度では
焼結しない無機シートを積層した後、同時焼成し、配線
基板におけるx−y軸方向の収縮を抑制しつつ、金属箔
とガラスセラミックス絶縁基板とを同時焼成することも
提案されている(特開平7−86743号)。
体とCuペーストからなる配線回路層との同時焼成の場
合には、両者の焼結過程で熱応力が吸収されるが、金属
箔からなる配線回路層を用いる場合には、配線回路層自
体が高い剛性の緻密体からなるために、その熱応力のほ
とんどがガラスセラミック絶縁基板側に付加されるため
に、同時焼成した後の冷却過程において、ガラスセラミ
ック絶縁基板の配線回路層形成面にクラックが発生し、
場合によっては絶縁基板の破壊に至るという問題があっ
た。
シートを積層し焼成する方法では、絶縁基板への熱応力
の発生を抑制することができるが、焼成後に無機シート
を除去する工程が必要なために、コストの増大、除去後
の基板表面が粗くなる、除去工程の際にガラスセラミッ
クス絶縁基板にクラックが発生し易い等の問題もあっ
た。
ク配線基板において、微細配線化、低抵抗化を満足し、
且つ金属箔とガラスセラミック成形体とを同時焼成によ
って安定して作製することができ、反り等の小さい多層
配線基板とその製造方法を提供することにある。
うな課題について鋭意検討した結果、ガラスセラミック
配線基板において、配線回路層として金属成分の含有量
が99.5重量%以上の高純度金属導体からなる多孔質
体を用いることによって、高純度金属導体自体の剛性が
緩和され、x−y軸方向への収縮が可能となる結果、上
記の目的が達成できることを見いだし、本発明に至っ
た。
ラミックスから成る絶縁基板と、該絶縁基板の表面及び
/または内部に形成された配線回路層とを具備する配線
基板であって、該絶縁基板の少なくとも内部に、金属成
分の含有量が99.5重量%以上の多孔質の高純度金属
導体からなる内部配線回路層を具備してなることを特徴
とするものであって、前記内部配線回路層が、Cu、A
g、Al、Au、Ni、Pt、Pdから選ばれる少なく
とも1種以上の多孔質金属箔からなることが望ましく、
前記絶縁基板内部に、金属粉末を含有する導電性ペース
トを充填してなるビアホール導体を具備するとともに、
該ビアホール導体の少なくとも一方の端部が、前記内部
配線回路層と接続されてなることを特徴とするものであ
る。
は、(a)ガラスセラミック組成物からなるグリーンシ
ートを作製する工程と、(b)前記グリーンシート表面
に、金属成分の含有量が99.5重量%以上の高純度金
属導体からなる多孔質の配線回路層を形成する工程と、
(c)(a)(b)工程を経て作製したグリーンシート
を積層し、積層体を作製する工程と、(d)該積層物
を、前記高純度金属導体の融点以下の温度に加熱して、
前記配線回路層のx−y軸方向への収縮を伴いながら、
前記グリーンシートを焼結させる工程とを具備すること
を特徴とする。
g、Al、Au、Ni、Pt、Pdから選ばれる少なく
とも1種以上の多孔質金属箔からなることが望ましく、
また、前記(b)工程において、配線回路層形成前に、
グリーンシートにビアホールを形成し、該ビアホール内
に導電性ペーストを充填する工程を付加することもでき
る。さらに、前記多孔質金属箔には、平均径2〜30μ
mの孔が均一に形成されており、該孔が面積比率で20
〜70%の割合で存在することが望ましい。
いて、図面に基づいて説明する。本発明の多層配線基板
1によれば、絶縁基板2は、複数のガラスセラミック絶
縁層2a〜2dを積層してなる積層体から構成され、そ
の絶縁層間および絶縁基板表面には、厚みが10〜15
μm程度の高純度金属箔からなる多孔質の配線回路層3
が被着形成されている。さらに、各ガラスセラミック絶
縁層2a〜2dには、厚み方向を貫くように形成された
直径が80〜200μmのビアホ−ル導体4が形成さ
れ、これにより、所定回路を達成するための回路網が形
成される。
量%、フィラー成分が20〜80重量%の割合で含有す
ることが望ましい。
ガラスとしては、少なくともSiO 2を含み、Al
2O3、B2O3、ZnO、PbO、アルカリ土類金属酸化
物、アルカリ金属酸化物のうち少なくとも1種以上を含
有し、焼成処理することによっても非晶質であるもの、
また焼成処理によってコージェライト、ムライト、アノ
ーサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウィレ
マイト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結
晶を少なくとも1種を析出する結晶化ガラスが用いられ
る。
クリストバライト、等のSiO2、Al2O3、ZrO2、
ムライト、フォルステライト、エンスタタイト等が知ら
れている。
5重量%以上の高純度な金属導体からなるもので、C
u、Ag、Al、Au、Ni、Pt、Pdから選ばれる
少なくとも1種以上の金属箔からなることが望ましい。
また、ビアホール導体4には、上記の配線回路層3と同
様の導体成分が充填されていることが望ましい。
体からなることが重要である。このような多孔質体を用
いることによって、絶縁基板との同時焼成時の熱収縮挙
動の違いによる熱応力を多孔質体からなる配線回路層が
吸収することによって絶縁基板の割れやクラックの発生
を抑制することができる。但し、配線回路層の空孔が多
すぎると、配線回路層のシート抵抗が高くなる虞がある
ために、具体的には、配線回路層3の空孔は平均径が1
0μm以下であり、その存在割合は面積比率で60%以
下、特に40%以下、さらには20%以下であることが
望ましい。
は、ICチップなどの各種電子部品5を搭載するための
パッドとして、シールド用導体膜として、さらには、外
部回路と接続する端子電極として用いられ、各種電子部
品5が配線回路層3に半田や導電性接着剤などを介して
接合される。尚、図示していないが、必要に応じて、配
線基板の表面には、さらに珪化タンタル、珪化モリブデ
ンなどの厚膜抵抗体膜や配線保護膜などを形成しても構
わない。
法について説明する。まず、上述したような非晶質ガラ
ス、又は結晶化ガラスと前記の無機質フィラー成分を混
合してガラスセラミック組成物を調製し、その混合物に
有機バインダー等を加えた後、ドクターブレード法、圧
延法、プレス法等によりシート状に成形してグリーンシ
ートを作製する。
ザーやマイクロドリル、パンチングなどにより、直径8
0〜200μmの貫通孔を形成し、その内部に導電性ペ
ーストを充填する。
成分とする金属粉末以外に、アクリル樹脂などからなる
有機バインダーとトルエン、イソプロピルアルコール、
アセトンなどの有機溶剤とを均質混合して形成される。
有機バインダは、金属成分100重量部に対して、0.
5〜5.0重量部、有機溶剤は、固形成分及び有機バイ
ンダ100重量部に対して、5〜100重量部の割合で
混合されることが望ましい。なお、この導電性ペースト
中には若干のガラス成分等を添加してもよい。
などの高純度金属導体からなる配線回路層を形成する。
このような配線回路層の形成方法としては、(1)グリ
ーンシートの表面に多孔質金属箔を接着した後、レジス
ト塗布、エッチング、レジスト除去の工程を経て回路パ
ターンを形成する、(2)所定の転写フィルムに多孔質
金属箔を接着した後、上記と同様にして回路パターンを
形成した後、この回路パターンをグリーンシート表面に
転写形成する、等の方法によって形成することができ
る。
法についてより具体的に説明する。まず、高分子材料等
からなる転写フィルム上に、この多孔質な金属導体の表
面に鏡像のレジストを回路パターン状に塗布した後、エ
ッチング処理およびレジスト除去を行って鏡像の配線回
路層を形成する。
を前記ビアホール導体が形成されたグリーンシートの表
面に位置合わせして積層圧着した後、転写シートを剥が
すことにより、ビアホール導体と接続した配線回路層を
具備する一単位のグリーンシートを形成することができ
る。その後、同様にして得られた複数のグリーンシート
を積層圧着して積層体を形成する。
気中または窒素雰囲気中で加熱処理してグリーンシート
内やビアホール導電性ペースト中の有機成分を分解除去
した後、800〜1000℃の大気または窒素雰囲気中
で同時焼成することができる。この際、配線回路基板を
多孔質体によって形成しているため、グリーンシートと
同時焼成をおこなっても、多孔質体中の孔が、グリーン
シートの焼成収縮に合わせてx−y軸方向に収縮するた
めに、両者の焼結挙動の相違による熱応力の発生を抑制
することができる結果、絶縁基板の反り、うねり等の発
生を抑え、配線回路層およびビアホール導体を具備する
多層配線基板を安定に作製することができる。
体成分として銅を用いた場合には、焼成雰囲気は窒素雰
囲気、Ag導体を用いた場合には大気中で焼成される。
高純度金属導体は、金属箔を例えば樹脂フィルムに接着
した後に、レーザーを用いて孔を形成するか、あるい
は、あらかじめ多孔質化された金属箔を用いることもで
きる。多孔質化された金属箔は、例えば、緻密質な金属
箔の表面にレジストを塗布した時、エッチング処理して
孔を形成してもよい。
m以下、特に20μm以下であり、その存在割合は面積
比率で20〜70%、特に30〜50%であることが望
ましい。これは平均径が大きすぎると微細配線化が難し
く、面積比率が20%よりも小さいと、グリーンシート
との焼結挙動を十分に一致させることが難しく、70%
よりも大きいと、焼成後の配線回路層のシート抵抗が高
くなってしまう虞があるためである。
重量%の割合で秤量し、それに、バインダーとしてアク
リル樹脂、可塑剤としてDBP(ジブチルフタレー
ト)、溶媒としてトルエンとイソプロピルアルコールを
加えて調製したスラリーを用いて、ドクターブレード法
により厚さ500μmのグリーンシートを作製した。
れに有機バインダーとしてアクリル樹脂を、溶媒として
ジブチルフタレートを添加混練し、ビアホール導体用ペ
ーストを作製した。なお、前記ビアホール導体用ペース
ト中の有機バインダーは、Cu単体100重量部に対し
て2.0重量部加え、さらに溶剤をCu単体、有機バイ
ンダー100重量部に対して75重量部加えた。
ビアホールを形成し、そのビアホール内に先のCuペー
ストを充填した。
9.5重量%以上の厚み15μmのCu箔を接着し、レ
ーザーで5〜10μmの孔を形成した。孔は単位面積あ
たりで20〜30%とした。
布後、エッチング処理、レジスト除去を行い、鏡像の配
線回路層を形成した。配線幅は0.05mmとしたが、
エッチングによる形成のため、従来のスクリーン印刷法
と比較して、非常に微細な配線回路層を形成することが
できた。
シートにビアホールの位置あわせを行いながら転写フィ
ルムを積層し、60℃、150kgf/cm2で熱圧着
した。転写フィルムを剥がすことにより、ビアホール導
体を接続した配線回路層を具備する一単位のグリーンシ
ートを形成した。
と共に60℃、150kgf/cm 2で加圧積層して積
層体を作製した。
バインダー等の有機成分を分解除去するために、窒素雰
囲気中、700℃で焼成し、次に窒素雰囲気中900℃
で焼成を行い、配線基板を作製した。
鏡(SEM)を用い、クラックの有無を確認した。クラ
ック無を良品とした。
層の比抵抗の評価を行った。評価については、幅0.0
5mm、長さ20mmの銅配線層を予め形成し、配線抵
抗をテスターを用いて測定し、銅配線層の断面を走査型
電子顕微鏡(SEM)、銅配線の長さを40倍の顕微鏡
を用いて測定し、得られた面積、長さから抵抗率を算出
した。なお、良否の判断は、抵抗率が2.5μΩ・cm
以下を良品とした。また、得られた配線基板の対角線上
の反りを、表面粗さ計を用いて測定した。Rmaxで5
0μm以下を良品とした。
9.5重量%以上のAg、Ag−Pd、Ag−Ptの各
金属箔を用い、実施例1と同様の仕様で多層配線基板を
作製した。焼成についてはいづれも大気中、900℃で
焼成を行った。評価結果については表1に示す。
属箔の転写に代えて従来のCuペーストによるスクリー
ン印刷法で行った。評価結果については表1に示す。
以外は、実施例1と同様の仕様とし、評価を行った。評
価結果については表1に示す。
を形成した試料No.5は、断線が発生しており、印刷
法による配線幅0.05mmの微細配線が形成できなか
った。多孔質でないCu箔で配線回路層を形成した試料
No.6は絶縁基板の表面にクラックが発生し、また絶
縁基板の反りがRmaxで50μmを越えており、実用
的ではない。
基板によれば、x−y軸方向に収縮可能な配線回路層を
具備することで、焼成後のクラックの発生を減少させる
ことができ、微細配線化、低抵抗化に対しても満足でき
るものであった。
配線回路層として多孔質金属箔などの高純度の金属導体
を用いることによって、微細配線化を可能とし、配線回
路層の低抵抗化を満足しつつ、簡単な方法で、且つ反
り、うねりの小さい多層配線基板を作製することができ
る。
である。
Claims (7)
- 【請求項1】ガラスセラミックスから成る絶縁基板と、
該絶縁基板の表面及び/または内部に形成された配線回
路層とを具備する配線基板であって、該絶縁基板の少な
くとも内部に、金属成分の含有量が99.5重量%以上
の多孔質の高純度金属導体からなる内部配線回路層を具
備してなることを特徴とする多層配線基板。 - 【請求項2】前記内部配線回路層が、Cu、Ag、A
l、Au、Ni、Pt、Pdから選ばれる少なくとも1
種以上の多孔質金属箔からなることを特徴とする請求項
1記載の多層配線基板。 - 【請求項3】前記絶縁基板内部に、金属粉末を含有する
導電性ペーストを充填してなるビアホール導体を具備す
るとともに、該ビアホール導体の少なくとも一方の端部
が、前記内部配線回路層と接続されてなることを特徴と
する請求項1記載の多層配線基板。 - 【請求項4】(a)ガラスセラミック組成物からなるグ
リーンシートを作製する工程と、(b)前記グリーンシ
ート表面に、金属成分の含有量が99.5重量%以上の
高純度金属導体からなる多孔質の配線回路層を形成する
工程と、(c)(a)(b)工程を経て作製したグリー
ンシートを積層し、積層体を作製する工程と、(d)該
積層物を、前記高純度金属導体の融点以下の温度に加熱
して、前記配線回路層のx−y軸方向への収縮を伴いな
がら、前記グリーンシートを焼結させる工程とを具備す
ることを特徴とする多層配線基板の製造方法 - 【請求項5】高純度金属導体が、Cu、Ag、Al、A
u、Ni、Pt、Pdから選ばれる少なくとも1種以上
の多孔質金属箔からなることを特徴とする請求項1記載
の多層配線基板の製造方法。 - 【請求項6】前記(b)工程において、配線回路層形成
前に、グリーンシートにビアホールを形成し、該ビアホ
ール内に導電性ペーストを充填する工程を具備すること
を特徴とする請求項4記載の多層配線基板の製造方法。 - 【請求項7】前記多孔質金属箔に、平均径30μm以下
の孔が均一に形成されており、該孔が、面積比率で20
〜70%の割合で存在することを特徴とする請求項4記
載の多層配線基板の製造方法。
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- 1999-11-30 JP JP33988399A patent/JP4071908B2/ja not_active Expired - Fee Related
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