JP2001155799A - 電気コネクタ及びその製造方法 - Google Patents

電気コネクタ及びその製造方法

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JP2001155799A
JP2001155799A JP33792099A JP33792099A JP2001155799A JP 2001155799 A JP2001155799 A JP 2001155799A JP 33792099 A JP33792099 A JP 33792099A JP 33792099 A JP33792099 A JP 33792099A JP 2001155799 A JP2001155799 A JP 2001155799A
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insulating resin
conductive thin
conductive
electrical connector
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JP33792099A
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Koji Nishizawa
孝治 西沢
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面実装型のICパッケージ等にも繰り返し
使用でき、長期的な接続信頼性を向上させることのでき
る電気コネクタ及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 絶縁性の弾性エラストマー層9の上下厚
さ方向に複数の導電細線3を屈曲させて内蔵し、各導電
細線3の端部のボール接点6を弾性エラストマー層9か
ら露出させ、各導電細線3の端部のパッド10を弾性エ
ラストマー層9から露出させる。そして、弾性エラスト
マー層9内の各導電細線3を弾性の絶縁性樹脂層7で被
覆し、この絶縁性樹脂層7の曲げ弾性率を1,000〜
1,000,000kgf/cm2とするとともに、体
積抵抗率を1×108Ω・cm以上とする。絶縁性樹脂
層7により、各導電細線3、ボール接点6、パッド1
0、及び弾性エラストマー層9が強固に接着するので、
0.15mm以上の圧縮量で繰り返し電気コネクタを使
用しても、各導電細線3が変形して弾性エラストマー層
9から剥離等することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面実装型のIC
パッケージの検査や実装等に使用される電気コネクタ及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ICパッケージにはPGAやQFP等の
様々な種類があるが、その一つとして入出力端子数の多
い表面実装型のICパッケージ13が知られている。こ
の表面実装型のICパッケージ13は、図18ないし図
21に示すように、パッケージ本体の裏面全体に電極で
ある複数の半田ボール14を格子状に並べたボール・グ
リッド・アレイタイプ(以下、BGAと略称する)13
A、パッケージ本体の裏面全体に複数のランド電極15
を格子状に並べたランド・グリッド・アレイタイプ(以
下、LGAと略称する)13Bからなり、その実用化が
進められている。このような表面実装型のICパッケー
ジ13は、図22や図23に示す電気コネクタを用いて
検査されたり、あるいは回路基板に実装される。
【0003】図22に示す電気コネクタは、絶縁性の弾
性エラストマー層9を備え、この弾性エラストマー層9
の厚さ方向に複数の導電細線3が汎用のボールボンダに
より屈曲状態に並べて埋設されている。各導電細線3
は、両端部が弾性エラストマー層9の上下両面からそれ
ぞれ露出し、下端部が検査基板12の電極に接触するボ
ール接点6に膨出形成されており、上端部がBGA13
Aの半田ボール14に接触するパッド10に形成されて
いる。このような電気コネクタは、検査基板12とBG
A13Aとの間に介在され、BGA13Aが圧下押圧さ
れることにより、弾性エラストマー層9が変形して検査
基板12とBGA13Aとを導通させ、検査に使用され
る。
【0004】図23に示す電気コネクタは、プリント回
路基板等からなる回路基板16の複数の電極17上に導
電細線3が汎用のボールボンダにより屈曲状態に並べて
立設され、各導電細線3の上端部がLGA13Bのラン
ド電極15に接触するボール接点6に膨出形成されてい
る。このような電気コネクタは、LGA13Bが圧下押
圧されることにより、回路基板16とLGA13Bとが
導通して検査に供される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図22に示す電気コネ
クタは以上のように構成されているが、BGA13Aの
半田ボール14やLGA13Bのランド電極15の平坦
度が最大0.15mmあり、BGA13AやLGA13
Bを押圧して導通させる場合には、電気コネクタに0.
15mm以上の圧縮量が必要になる。しかしながら、
0.15mm以上の圧縮量で繰り返し電気コネクタを使
用すると、各導電細線3が変形して弾性エラストマー層
9から剥離し、この弾性エラストマー層9にボール接点
6やパッド10が埋没するという問題が生じる(図24
参照)。また、同図に示すように、弾性エラストマー層
9の反発力の低下、接続抵抗の上昇、ボール接点6やパ
ッド10の位置ずれに基づく接続不能、あるいは繰り返
しの変形に伴う各導電細線3の断線等を招き、電気コネ
クタを繰り返して使用することができなくなるおそれが
ある。
【0006】一方、図23に示す電気コネクタの場合、
BGA13AやLGA13Bを押圧して導通させると、
複数の導電細線3が大きく屈曲し、この複数の導電細線
3が相互に接触してショートするという大きな問題が生
じる(図25参照)。さらに、0.15mm以上圧縮する
と、各導電細線3に永久歪みが生じて復元せず、電気コ
ネクタを反復使用できないおそれが少なくない。
【0007】本発明は、上記問題に鑑みなされたもの
で、表面実装型のICパッケージ等にも繰り返し使用す
ることができ、長期的な接続信頼性を向上させることの
できる電気コネクタ及びその製造方法を提供することを
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明にお
いては、上記課題を達成するため、絶縁性の弾性エラス
トマー層の厚さ方向に複数の導電細線を屈曲させて内蔵
したものであって、各導電細線を弾性の絶縁性樹脂層で
被覆し、この絶縁性樹脂層の曲げ弾性率を1,000〜
1,000,000kgf/cm2とするとともに、体
積抵抗率を1×108Ω・cm以上とし、上記各導電細
線の両端部を上記弾性エラストマー層と上記絶縁性樹脂
層とからそれぞれ露出させたことを特徴としている。
【0009】また、請求項2記載の発明においては、上
記課題を達成するため、回路基板の複数の電極に導電細
線をそれぞれ接合し、各導電細線を該回路基板の厚さ方
向に交わる方向に屈曲させたものであって、上記各導電
細線を弾性の絶縁性樹脂層で被覆し、この絶縁性樹脂層
の曲げ弾性率を1,000〜1,000,000kgf
/cm2とするとともに、体積抵抗率を1×108Ω・c
m以上とし、上記各導電細線の自由端部を該絶縁性樹脂
層から露出させたことを特徴としている。
【0010】また、請求項3記載の発明においては、上
記課題を達成するため、基板のめっき面に複数の導電細
線を接合して各導電細線を少なくとも該基板の厚さ方向
に交わる方向に曲げて余長部を形成し、該各導電細線の
自由端部を接点に形成するとともに、該各導電細線に弾
性の絶縁性樹脂層を被覆形成し、上記基板上に上記複数
の導電細線を囲む成形フレームを配置し、この成形フレ
ーム内にエラストマーを充填して該複数の導電細線を埋
没させ、該エラストマーを硬化させて絶縁性の弾性エラ
ストマー層を形成し、上記基板の非めっき部分を除去し
て複数のパッドを形成するとともに、この複数のパッド
間のめっきを除去し、その後、上記各導電細線の絶縁性
樹脂層と上記弾性エラストマー層とを部分的に除去して
該弾性エラストマー層から上記接点を露出させることを
特徴としている。
【0011】さらに、請求項4記載の発明においては、
上記課題を達成するため、回路基板の複数の電極に導電
細線をそれぞれ接合して各導電細線を少なくとも該回路
基板の厚さ方向に交わる方向に曲げて余長部を形成し、
該各導電細線の自由端部を接点に形成し、該各導電細線
に弾性の絶縁性樹脂層を被覆形成し、その後、該各導電
細線の自由端部における絶縁性樹脂層を除去して上記接
点を露出させることを特徴としている。
【0012】請求項1又は3記載の発明によれば、各導
電細線を絶縁性樹脂層が覆って補強保護し、各導電細線
に外力が直接作用するのを阻止し、しかも、絶縁性樹脂
層と弾性エラストマー層とが強固に一体化する。したが
って、繰り返しの変形に伴う導電細線の断線等のおそれ
を排除し、電気コネクタの耐久性を向上させ、電気コネ
クタの長期にわたる接続信頼性を向上させることができ
る。さらに、絶縁性樹脂層の曲げ弾性率が1,000〜
1,000,000kgf/cm2の範囲なので、各導
電細線を有効に補強でき、電気コネクタ使用時の荷重が
必要以上に大きくなり過ぎることがない。なお、体積抵
抗率は、一般的には半導体材料の体積抵抗率が10-2
108Ω・cmといわれており、絶縁性の樹脂材料とし
ては108Ω・cm以上が必要である。
【0013】請求項2又は4記載の発明によれば、各導
電細線を絶縁性樹脂層が覆って補強保護し、各導電細線
に対する外力を少なくとも緩和するので、回路基板方向
に表面実装型のICパッケージ等を押して導通させて
も、複数の導電細線が相互に変形接触してショートする
のを抑制防止することができる。また、自由端部の位置
ずれに基づく接続不能や繰り返しの変形に伴う各導電細
線の断線等のおそれも少なく、表面実装型の電気電子部
品や電気コネクタを繰り返して使用することが可能とな
る。さらに、絶縁性樹脂層の曲げ弾性率が1,000〜
1,000,000kgf/cm2の範囲なので、各導
電細線を有効に補強でき、電気コネクタ使用時の荷重が
必要以上に大きくなり過ぎることがない。なお、体積抵
抗率は、一般的には半導体材料の体積抵抗率が10-2
108Ω・cmといわれており、絶縁性の樹脂材料とし
ては108Ω・cm以上が必要である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の第
一の発明の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態
における電気コネクタは、図1等に示すように、絶縁性
の弾性エラストマー層9の上下厚さ方向に複数の導電細
線3を屈曲させて貫通内蔵し、各導電細線3の表面を弾
性の絶縁性樹脂層7で被覆するとともに、この絶縁性樹
脂層7の曲げ弾性率と体積抵抗率とをそれぞれ所定値と
し、各導電細線3の両端部のボール接点6とパッド10
とを絶縁性樹脂層7及び弾性エラストマー層9からそれ
ぞれ実質的に露出させるようにしている。
【0015】電気コネクタを製造するには、先ず、図2
に示すように、基板1のボンディング面にめっき2を積
層形成し、このめっき2に複数の導電細線3を汎用のワ
イヤボンダで順次立設するとともに、この複数の導電細
線3を略クランク状に屈曲させて余長部4を形成し、複
数の導電細線3をXY方向に並べる。基板1の材質とし
ては、銅、銅合金、鉄ニッケル合金等があげられるが、
特に、小さい熱膨張率、加工性(ボンディング性、弾性
エラストマー層9の形成時の低歪み性、エッチング
性)、コストの観点から鉄ニッケル合金が使用される。
基板1の厚さは、0.05〜0.5mmの範囲が良い
が、0.1mm以下ではハンドリングで基板1が変形し
やすく、0.25mm以上では最終エッチング時のエッ
チング時間が長くなり、コストアップにつながるので、
0.1〜0.25mmの厚さが好適である。
【0016】めっき2としては、金、銀、パラジウム、
パラジウム−ニッケル合金、ニッケル、コバルト、ロジ
ウム、ルテニウム等が使用されるが、ワイヤボンディン
グの容易化に鑑み、金めっきが良い。めっき2の厚さ
は、ワイヤボンディングの容易化の観点から0.05μ
m以上必要であり、厚い程良いが、2μm以下が好まし
い。各導電細線3としては、金、金合金、プラチナ、
銅、アルミニウム、アルミニウム−ケイ素合金、真鍮、
リン青銅、ベリリウム銅、ニッケル、タングステン、ス
テンレス等からなるワイヤ、これらに金、金合金、ニッ
ケル、パラジウム等のめっき加工が施された細線が使用
される。特に、ワイヤボンディング法に適し、導電性に
優れる金ワイヤからなる導電細線3が良い。
【0017】各導電細線3の線径は、特に制限はない
が、接続時の荷重を小さくし、接続の安定性に悪影響を
与えない範囲で細い径が良い。具体的には、通常のワイ
ヤボンディングで使用されている100μm以下が良
く、20〜80μmの線径が望ましい。各導電細線3の
形状は、接続時の屈曲防止、荷重低減の観点から略N字
状、く字状、横S字状、横U字状、横Ω状等に形成され
る。各導電細線3に略N字状等の直線部分が存在する場
合には、電気コネクタの厚さが0.5〜2mmと薄く、
検査や接続時の圧縮に関して弾性エラストマー層9の弾
性特性を利用するので、直線部が0.2〜0.5mm、
望ましくは0.2〜0.3mmの長さとされる。
【0018】複数の導電細線3をXY方向に並べたら、
図3に示すように、基板1のめっき2と複数の導電細線
3とに絶縁性樹脂層7用の下地めっき5をそれぞれ施
す。下地めっき5は、導電細線3が金、金合金、金や金
合金等をめっき加工したワイヤの場合には、絶縁性樹脂
層7との接着強度を高める観点から銅、銅合金、ニッケ
ル、ニッケル合金、パラジウム、パラジウム合金が良
く、特にはニッケル、パラジウム、パラジウム−ニッケ
ル合金が最適である。下地めっき5の厚さは、ピンホー
ルの問題から0.1μm以上必要であり、厚い程良い。
但し、荷重やコスト増大の観点から30μm以下が好ま
しく、特には1〜5μmの厚さが良い。また、下地めっ
き5は、絶縁性樹脂層7との接着強度を高める観点から
表面の荒れためっきが望ましい。
【0019】次いで、各導電細線3の自由端部である上
端部にYAGレーザ等のレーザを照射してボール接点6
を膨出露出形成(図4参照)し、基板1と複数の導電細線
3の下地めっき5に弾性の絶縁性樹脂層7を電着法等に
よりそれぞれ被覆形成する(図5参照)。絶縁性樹脂層7
としては、塗布時には流動性を有し、溶剤の揮発やUV
光の照射等により、リジットな層を形成可能な各種の絶
縁性樹脂が使用される。具体的には、ポリイミド、エポ
キシ、ウレタン、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリプ
ロピレン等の樹脂が該当する。特に、曲げ弾性率が1,
000〜1,000,000kgf/cm2、体積抵抗
率が1×108Ω・cm以上、弾性エラストマー層9と
の接着時に弾性エラストマー層9中のシランカップリン
グ剤等の接着成分により容易に接着可能な絶縁性樹脂が
好ましい。
【0020】絶縁性樹脂層7の曲げ弾性率が1,000
〜1,000,000kgf/cm2なのは、1,00
0kgf/cm2未満だと、軟らかく導電細線3の補強
としては不十分であり、1,000,000kgf/c
2を超えると、圧接接続時の荷重が大きくなり過ぎる
からである。絶縁性樹脂層7の厚さは、弾性エラストマ
ー層9の接着層としては1μm以上あれば十分である。
但し、導電細線3の補強の観点からは、10μm以上必
要であり、厚い程良い。総合すると、絶縁性樹脂層7の
厚さは、荷重やコストの増大を考慮して80μm以下が
好ましく、20〜50μmの厚さが良い。このような特
性を充足しつつ、絶縁性樹脂層7を電着法で被覆形成す
る場合には、特にポリイミドが最適である。
【0021】絶縁性樹脂層7の形成方法としては、ディ
ッピング法、スピンコート法、スプレー塗装法、電着法
等があげられる。但し、絶縁性樹脂層7の均一な形成、
細密部に対する形成、材料の高利用率(材料ロス低)等を
考慮すると、電着法が最適である。
【0022】次いで、基板1の外周上に複数の導電細線
3を包囲する枠状の成形フレーム8を位置決め配置し、
この成形フレーム8内に絶縁性のエラストマーを充填し
て複数の導電細線3を被覆埋没させるとともに、液状の
エラストマーを硬化させて弾性エラストマー層9を形成
し、基板1、複数の導電細線3、成形フレーム8、及び
弾性エラストマー層9を絶縁性樹脂層7を介して接着一
体化する(図6参照)。成形フレーム8の材料としては、
汎用のエンジニアリングプラスチック材、セラミック
材、金属材料が適宜選択して使用される。汎用のエンジ
ニアリングプラスチック材としては、寸法安定性や耐熱
性に優れるポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリエーテルスルホン等が該当する。
【0023】弾性エラストマー層9としては、硬化前に
流動性を有し、硬化することにより架橋構造を形成する
各種の絶縁性エラストマー(常温付近でゴム状弾性を有
するものの総称)材料が好ましい。具体的には、シリコ
ーン系ゴム、フッ素ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイ
ソプレンゴム、ポリウレタンゴム、クロロプレンゴム、
ポリエステル系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴ
ム、天然ゴム、又はこれらの独立及び連泡の発泡材料等
が該当する。特に、硬化後の電気絶縁性、耐熱性、圧縮
永久歪みに優れているシリコーンゴムが望ましく、その
中でも複数の導電細線3の配列を崩さずに材料を注入す
ることができること、短時間でレベリング可能であるこ
と等から硬化前の性状が液状で低粘度のものが最適であ
る。シリコーンゴムの場合、粘度が1000ポイズ以
下、好ましくは200ポイズ以下、通常5ポイズ以上の
シリコーンゴムが良い。また、弾性エラストマー層9の
硬度は、高すぎると圧縮接続時の荷重が大きくなり、低
すぎると圧縮永久歪みが大きくなるので、10〜80°
Hs、特には20〜50°Hsが良い。
【0024】次いで、基板1の非めっき部分、換言すれ
ば、基板1を公知のエッチング法で除去し、安定の端子
である複数のパッド10をおおよそ形成する(図7参
照)。なお、基板1として、検査や実装に供されるIC
パッケージ13の外部端子のピッチ、配列に応じて部分
的に両面めっきした基板(図8参照)1を使用し、この基
板1の非めっき部分をエッチング処理により除去し、平
板状の大型端子11を複数形成することも可能である
(図9参照)。
【0025】そして、ICパッケージ13の外部端子の
ピッチ、配列に対応するよう、複数のパッド10間の余
分なめっき2、下地めっき5、及び絶縁性樹脂層7をレ
ーザ照射で除去(図10参照)して複数のパッド10を完
全な状態とし、その後、各導電細線3の上端部の絶縁性
樹脂層7と弾性エラストマー層9とにレーザをそれぞれ
部分的に照射してボール接点6を0.03〜0.1mm
程度部分的に露出(図11参照)させれば、電気コネクタ
を製造することができる(図12参照)。
【0026】こうして電気コネクタを製造したら、この
電気コネクタを上下逆にして検査基板12とBGA13
Aとの間に介在し、BGA13Aを圧下押圧すれば、弾
性エラストマー層9が変形して検査基板12とBGA1
3Aとを導通させ、有効に検査することができる。勿
論、BGA13Aの代わりにLGA13Bを使用するこ
ともできる。
【0027】上記によれば、絶縁性樹脂層7により、各
導電細線3、ボール接点6、パッド10、及び弾性エラ
ストマー層9が強固に接着するので、0.15mm以上
の圧縮量で繰り返し電気コネクタを使用しても、各導電
細線3が変形して弾性エラストマー層9から剥離した
り、弾性エラストマー層9にボール接点6やパッド10
が埋没するという問題をきわめて有効に解消することが
できる。また、弾性エラストマー層9の反発力の低下、
接続抵抗の上昇、ボール接点6やパッド10の位置ずれ
に基づく接続不能、あるいは繰り返しの変形に伴う各導
電細線3の断線等のおそれもなく、BGA13A、LG
A13B、及び電気コネクタを繰り返して使用すること
が可能になる。
【0028】さらに、導電細線3を絶縁性樹脂層7が補
強するので、繰り返しの変形に伴う各導電細線3の断線
等のおそれをきわめて有効に排除し、電気コネクタの耐
久性の大幅な向上が大いに期待できる。さらにまた、電
気コネクタの温度サイクル試験における導電細線3の剥
離、断線等を実に有効に防止し、長期にわたる接続信頼
性を向上させることができる。
【0029】上記実施形態の電気コネクタと従来の電気
コネクタとの特性、具体的には繰り返し使用回数、温度
サイクル試験の結果を比較したところ、表1に示す結果
を得ることができた。
【表1】
【0030】次に、図面を参照して本発明の第二の発明
の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態における
電気コネクタは、図14等に示すように、絶縁性樹脂か
らなる回路基板16上の複数の電極17に導電細線3を
それぞれ立設し、各導電細線3を回路基板16の上下厚
さ方向に交わる左右方向等に屈曲させ、各導電細線3の
表面を弾性の絶縁性樹脂層7で被覆するとともに、この
絶縁性樹脂層7の曲げ弾性率と体積抵抗率とをそれぞれ
所定値とし、各導電細線3の自由端部のボール接点6を
絶縁性樹脂層7から露出させるようにしている。
【0031】電気コネクタを製造するには、先ず、図1
5に示すように、回路基板16のめっきされた複数の電
極17に導電細線3を汎用のワイヤボンダで順次立設す
るとともに、この複数の導電細線3を略クランク状に屈
曲させて余長部4を形成する。回路基板16の材質とし
ては、銅、アルミニウム等の電極17を有するガラスエ
ポキシ基板、ポリイミドフィルム基板等からなるフレキ
シブルプリント基板、ガラス基板、シリコンウェーハ等
があげられる。
【0032】めっき2としては、金、銀、パラジウム、
パラジウム−ニッケル合金、ニッケル、コバルト、ロジ
ウム、ルテニウム等が使用されるが、ワイヤボンディン
グの容易化に鑑み、金めっきが良い。めっき2の厚さ
は、ワイヤボンディングの容易化の観点から0.05μ
m以上必要であり、厚い程良いが、2μm以下が好まし
い。各導電細線3としては、金、金合金、プラチナ、
銅、アルミニウム、アルミニウム−ケイ素合金、真鍮、
リン青銅、ベリリウム銅、ニッケル、タングステン、ス
テンレス等からなるワイヤ、これらに金、金合金、ニッ
ケル、パラジウム等のめっき加工が施された細線が使用
される。特に、ワイヤボンディング法に適し、導電性に
優れる金ワイヤからなる導電細線3が良い。
【0033】各導電細線3の線径は、特に制限はない
が、接続時の荷重を小さくし、接続の安定性に悪影響を
与えない範囲で細い径が良い。具体的には、通常のワイ
ヤボンディングで使用されている100μm以下が良
く、20〜80μmの線径が望ましい。各導電細線3の
形状は、接続時の屈曲防止、荷重低減の観点から略N字
状、く字状、横S字状、横U字状、横Ω状等に形成され
る。各導電細線3に略N字状等の直線部分が存在する場
合には、電気コネクタの厚さが0.5〜2mmと薄く、
検査や接続時の圧縮に関して絶縁性樹脂層7の弾性特性
を利用するので、直線部が0.2〜0.5mm、望まし
くは0.2〜0.3mmの長さとされる。
【0034】複数の導電細線3を接合して並べたら、図
16に示すように、複数の電極17と導電細線3とに絶
縁性樹脂層7用の下地めっき5をそれぞれ施す。下地め
っき5は、導電細線3が金、金合金、金や金合金等をめ
っき加工したワイヤの場合には、絶縁性樹脂層7との接
着強度を高める観点から銅、銅合金、ニッケル、ニッケ
ル合金、パラジウム、パラジウム合金が良く、特にはニ
ッケル、パラジウム、パラジウム−ニッケル合金が最適
である。下地めっき5の厚さは、ピンホールの問題から
0.1μm以上必要であり、厚い程良い。但し、荷重や
コスト増大の観点から30μm以下が好ましく、特には
1〜5μmの厚さが良い。また、下地めっき5は、絶縁
性樹脂層7との接着強度を高める観点から表面の荒れた
めっきが望ましい。
【0035】次いで、各導電細線3の自由端部である上
端部にYAGレーザ等のレーザを照射してボール接点6
を膨出露出形成(この点については、図9参照)し、複数
の電極17と導電細線3の下地めっき5に弾性の絶縁性
樹脂層7を電着法等によりそれぞれ被覆形成する(図1
7参照)。絶縁性樹脂層7としては、塗布時には流動性
を有し、溶剤の揮発やUV光の照射等により、リジット
な層を形成可能な各種の絶縁性樹脂が使用される。具体
的には、ポリイミド、エポキシ、ウレタン、アクリル樹
脂、ポリエステル、ポリプロピレン等の樹脂が該当す
る。特に、曲げ弾性率が1,000〜1,000,00
0kgf/cm2、体積抵抗率が1×108Ω・cm以上
の絶縁性樹脂が好ましい。
【0036】絶縁性樹脂層7の曲げ弾性率が1,000
〜1,000,000kgf/cm2なのは、1,00
0kgf/cm2未満だと、軟らかく導電細線3の補強
としては不十分であり、1,000,000kgf/c
2を超えると、圧接接続時の荷重が大きくなり過ぎる
からである。絶縁性樹脂層7の厚さは、絶縁性を確保す
る観点から5μm以上あれば十分である。但し、導電細
線3の補強の観点からは、10μm以上必要であり、厚
い程良い。総合すると、絶縁性樹脂層7の厚さは、荷重
やコストの増大を考慮して80μm以下が好ましく、2
0〜50μmの厚さが良い。このような特性を充足しつ
つ、絶縁性樹脂層7を電着法で被覆形成する場合には、
特にポリイミドが最適である。
【0037】絶縁性樹脂層7の形成方法としては、ディ
ッピング法、スピンコート法、スプレー塗装法、電着法
等があげられる。但し、絶縁性樹脂層7の均一な形成、
細密部に対する形成、材料の高利用率(材料ロス低)等を
考慮すると、電着法が最適である。
【0038】そして、各導電細線3の上端部の絶縁性樹
脂層7にレーザを照射して絶縁性樹脂層7を剥離し、ボ
ール接点6を露出させれば、電気コネクタを製造するこ
とができる(図14参照)。こうして電気コネクタを製造
したら、この電気コネクタ上にLGA13Bを配置して
圧下押圧すれば、各導電細線3が回路基板16とLGA
13Bとを導通させ、有効に検査等することができる。
LGA13Bの代わりにBGA13Aを使用することも
できる。
【0039】上記によれば、各導電細線3を絶縁性樹脂
層7で被覆保護するので、BGA13AやLGA13B
を押圧して導通させても、複数の導電細線3が屈曲し、
この複数の導電細線3が相互に接触してショートすると
いう問題をきわめて容易に解消することができる。ま
た、ボール接点6の位置ずれに基づく接続不能や繰り返
しの変形に伴う各導電細線3の断線等のおそれもなく、
BGA13A、LGA13B、及び電気コネクタを繰り
返して使用することが可能になる。さらに、0.15m
m以上圧縮しても、各導電細線3に永久歪みが生じるの
を抑制防止することができ、電気コネクタを反復使用す
ることが可能になる。
【0040】上記実施形態の電気コネクタと従来の電気
コネクタとの圧縮時の荷重、繰り返し使用回数の結果を
比較したところ、表2に示す結果を得ることができた。
【表2】
【0041】なお、上記実施形態では基板1のめっき2
と複数の導電細線3とに下地めっき5をそれぞれ施した
が、なんらこれに限定されるものではなく、下地めっき
5を適宜省略することもできる。また、ボール接点6を
単に示したが、このボール接点6は、完全なボールでも
良いし、おおよそボールと認められる類似の形状等とす
ることもできる。さらに、基板1等には絶縁性樹脂層7
を被覆形成しても、しなくても良い。さらにまた、可能
であれば、BGA13AやLGA13Bの代わりに表面
実装型の電気電子部品を用いても良い。
【0042】
【実施例】実施例1 以下、本発明に係るLGA13Bの検査用の電気コネク
タの製造方法等の実施例を説明する。先ず、基板1の片
面であるボンディング面にめっき2を積層形成し、この
めっき2に複数の導電細線3の下端部を汎用のボールボ
ンダでピッチ1mm間隔で順次立設するとともに、この
複数の導電細線3を屈曲させて余長部4を形成し、複数
の導電細線3を縦横方向に40×40(総数1600)の
マトリクスに並べた。
【0043】基板1としては、厚さ0.15mm、縦5
0mm、横50mm、鉄ニッケル合金(ニッケル41%)
製の基板を使用した。めっき2は、基板1のボンディン
グ面に厚さ1μmの下地ニッケルめっきを形成し、この
下地ニッケルめっき上に厚さ0.2μmの金めっきを形
成することにより形成した。また、導電細線3として
は、直径50μmの金ワイヤを使用した。各導電細線3
の形状は、垂直に0.3mm、45°の角度で0.5m
mオフセットし、さらに垂直に伸ばした略クランク状と
した。
【0044】次いで、基板1のめっき2と複数の導電細
線3とに絶縁性樹脂層7用の下地めっき5をそれぞれ施
した。下地めっき5は厚さ5μmのニッケルめっきとし
た。こうして下地めっき5を施したら、各導電細線3の
上端部にアルゴンレーザを照射して直径100μmのボ
ール接点6を膨出形成し、複数のボール接点6の高さを
1.0mmで均一になるよう揃え、基板1と複数の導電
細線3の下地めっき5にポリイミドからなる絶縁性樹脂
層7を電着法によりそれぞれ加熱焼成するとともに、曲
げ弾性率が22,000kgf/cm2、体積抵抗率が
1×1016Ω・cmの絶縁性樹脂層7を30μm析出さ
せ、350℃で30分間加熱焼成した。
【0045】次いで、基板1の外周縁上に複数の導電細
線3を包囲する成形フレーム8を位置決め配置し、この
成形フレーム8内に絶縁性のエラストマーを充填して複
数の導電細線3を被覆埋没させるとともに、エラストマ
ーを120℃で30分間加熱処理し、弾性エラストマー
層9を硬化形成し、基板1、複数の導電細線3、成形フ
レーム8、及び弾性エラストマー層9を絶縁性樹脂層7
を介して接着一体化した。成形フレーム8としては、高
さ1.1mm、縦50mm、横50mm、幅5mm、ポ
リエーテルイミド製の成形フレームを用いた。
【0046】絶縁性のエラストマーは、硬化後の硬度が
25°Hs(JIS A)になる2液製のシリコーンゴム
(信越化学工業株式会社製 商品名KE1216A/
B)、着色剤(信越化学工業株式会社製 商品名K−Co
lor−BK−02)、シランカップリング剤(信越化学
工業株式会社製 商品名KBM403)を混合したもの
とした。絶縁性のエラストマーの充填量は、各導電細線
3のボール接点6の絶縁性樹脂層7よりも0.07mm
高くなる量とした。
【0047】次いで、基板1を塩化第二鉄溶液によりエ
ッチング除去して複数のパッド10を形成し、この複数
のパッド10間の余分なめっき2、下地めっき5、及び
絶縁性樹脂層7をYAGレーザ照射で除去して複数のパ
ッド10を完全な状態とし、各導電細線3の絶縁性樹脂
層7と弾性エラストマー層9とにYAGレーザをそれぞ
れ部分的に照射してボール接点6を50μm程度部分的
に露出させた。そして、十分洗浄した後、200℃で1
時間のアフターキュア処理を行い、電気コネクタを作製
した。
【0048】電気コネクタを作製したら、この電気コネ
クタを検査基板12とLGA13Bとの間に介在し、L
GA13Bを圧下押圧して弾性エラストマー層9を変形
させ、検査基板12とLGA13Bとを導通させて電気
的な特性を検査した。LGA13Bとしては、金めっき
されたφ0.5mmのランド電極15を1mmピッチで
縦横それぞれ40列のマトリクスに並べ備えたICパッ
ケージを用いた。LGA13Bを0.15mm圧下押圧
したところ、実に安定した導通が得られ、LGA13B
の電気的な特性試験を行う上でなんら問題なかった。ま
た、0.15mmの圧縮量で電気コネクタを繰り返し圧
縮し、電気的な接続を継続的に確認したが、10万回圧
縮しても、抵抗が10mΩを超えるポイントが発生しな
かった。
【0049】実施例2 以下、本発明に係るBGA13Aの検査用の電気コネク
タの製造方法等の実施例を説明する。先ず、基板1の中
心部分の表裏両面に複数のめっき2をそれぞれ並べて積
層形成し、各めっき2の中心部に導電細線3の下端部を
汎用のボールボンダで立設するとともに、この複数の導
電細線3を屈曲させて余長部4を形成し、複数の導電細
線3を縦横方向に20×20(総数400)のマトリクス
に並べた。
【0050】基板1としては、厚さ0.15mm、縦3
5mm、横35mm、鉄ニッケル合金(ニッケル41%)
製の基板を使用した。複数のめっき2は、基板1のボン
ディング面に厚さ1μmの下地ニッケルめっきをφ0.
7mm、ピッチ1.27mm間隔で縦横に20×20の
マトリクスに並べて形成し、この下地ニッケルめっき上
に厚さ1μmの金めっきを形成することにより形成し
た。また、導電細線3としては、直径50μmの金ワイ
ヤを使用した。各導電細線3の形状は、垂直に0.3m
m、45°の角度で0.6mmオフセットし、さらに垂
直に伸ばした略クランク状とした。
【0051】次いで、基板1と複数の導電細線3とに絶
縁性樹脂層7用の下地めっき5をそれぞれ施した。下地
めっき5は厚さ5μmのニッケルめっきとした。こうし
て下地めっき5を施したら、各導電細線3の上端部にア
ルゴンレーザを照射して直径100μmのボール接点6
を膨出形成し、複数のボール接点6の高さを1.2mm
で均一になるよう揃え、基板1と複数の導電細線3の下
地めっき5にポリイミドからなる絶縁性樹脂層7を電着
法によりそれぞれ加熱焼成するとともに、曲げ弾性率が
22,000kgf/cm2、体積抵抗率が1×1016
Ω・cmの絶縁性樹脂層7を30μm析出させ、350
℃で30分間加熱焼成した。
【0052】次いで、基板1の外周縁上に複数の導電細
線3を包囲する成形フレーム8を位置決め配置し、この
成形フレーム8内に絶縁性のエラストマーを充填して複
数の導電細線3を被覆埋没させるとともに、エラストマ
ーを120℃で30分間加熱処理し、弾性エラストマー
層9を硬化形成し、基板1、複数の導電細線3、成形フ
レーム8、及び弾性エラストマー層9を絶縁性樹脂層7
を介して接着一体化した。成形フレーム8としては、高
さ1.1mm、縦50mm、横50mm、幅5mm、ポ
リエーテルイミド製の成形フレームを用いた。
【0053】絶縁性のエラストマーは、硬化後の硬度が
25°Hs(JIS A)になる2液製のシリコーンゴム
(信越化学工業株式会社製 商品名KE1216A/
B)、着色剤(信越化学工業株式会社製 商品名K−Co
lor−BK−02)、シランカップリング剤(信越化学
工業株式会社製 商品名KBM403)を混合したもの
とした。絶縁性のエラストマーの充填量は、各導電細線
3の上端部の絶縁性樹脂層7よりも0.07mm高くな
る量とした。
【0054】そして、基板1を塩化第二鉄溶液により部
分的にエッチング除去して平板状の大型端子11を複数
形成し(図9、図13参照)、この複数の大型端子11間
の余分なめっき2、下地めっき5、及び絶縁性樹脂層7
をYAGレーザ照射で除去して複数の複数の大型端子1
1を完全な状態とするとともに、各導電細線3の絶縁性
樹脂層7と弾性エラストマー層9とにYAGレーザをそ
れぞれ部分的に照射してボール接点6を50μm程度部
分的に露出させ、十分洗浄した後、200℃で1時間の
アフターキュア処理を行い、電気コネクタを作製した。
【0055】電気コネクタを作製したら、この電気コネ
クタを上下逆にして検査基板12とBGA13Aとの間
に介在し、BGA13Aを圧下押圧して弾性エラストマ
ー層9を変形させ、検査基板12とBGA13Aとを導
通させて電気的な特性を検査した。BGA13Aとして
は、φ0.75mm、高さ0.6mmの半田ボール14
を1.27mmピッチで縦横それぞれ20列のマトリク
スに並べ備えたICパッケージを用いた。BGA13A
を0.2mm圧下押圧したところ、実に安定した導通が
得られ、BGA13Aの電気的な特性試験を行う上でな
んら問題なかった。また、0.2mmの圧縮量で電気コ
ネクタを繰り返し圧縮し、電気的な接続を継続的に確認
したが、5万回圧縮しても、抵抗が10mΩを超えるポ
イントが発生しなかった。
【0056】実施例3 以下、本発明に係るLGA13Bの検査用の電気コネク
タの製造方法等の実施例を詳説する。先ず、回路基板1
6の片面のめっきされた銅製で複数の電極17の中心部
に、導電細線3の下端部を汎用のボールボンダで順次立
設するとともに、この複数の導電細線3を屈曲させて余
長部4を形成し、複数の導電細線3を縦横方向に20×
20(総数400)のマトリクスに並べた。
【0057】回路基板16としては、厚さ0.05m
m、縦50mm、横50mm、ポリイミドフィルム製の
フレキシブルプリント回路基板を使用した。この回路基
板16は、複数の電極17がポリイミドフィルムの外周
に引き出された構造である。複数の電極17は、φ0.
5mm、ピッチ1mm間隔で20×20(総数400)の
マトリクスに並べた。また、めっき2は厚さ0.5μm
の金めっきとした。また、導電細線3としては、直径5
0μmの金ワイヤを使用した。各導電細線3の形状は、
垂直に0.3mm、45°の角度で0.6mmオフセッ
トし、さらに垂直に伸ばした略クランク状とした。
【0058】次いで、回路基板16の複数の電極17と
導電細線3とに絶縁性樹脂層7用の下地めっき5をそれ
ぞれ施した。下地めっき5は厚さ5μmのニッケルめっ
きとした。こうして下地めっき5を施したら、各導電細
線3の上端部にアルゴンレーザを照射して直径100μ
mのボール接点6を膨出形成し、複数のボール接点6の
高さを1.2mmで均一になるよう揃え、回路基板16
と複数の導電細線3の下地めっき5にポリイミドからな
る絶縁性樹脂層7を電着法によりそれぞれ加熱焼成する
とともに、曲げ弾性率が6,300kgf/cm2、体
積抵抗率が1×1016Ω・cmの絶縁性樹脂層7を30
μm析出させ、230℃で1時間加熱焼成した。
【0059】そしてその後、各導電細線3の絶縁性樹脂
層7にYAGレーザをそれぞれ部分的に照射してボール
接点6を露出させ、電気コネクタを作製した。こうして
電気コネクタを作製したら、この電気コネクタをLGA
13Bで圧下押圧してLGA13Bの電気的な特性を検
査した。LGA13Bとしては、金めっきされたφ0.
5mmのランド電極15を1mmピッチで縦横それぞれ
20列のマトリクスに並べ備えたICパッケージを用い
た。
【0060】LGA13Bを0.2mm圧下押圧したと
ころ、実に安定した導通が得られ、LGA13Bの電気
的な特性試験を行う上でなんら問題なかった。また、
0.2mmの圧縮量で電気コネクタを繰り返し圧縮し、
電気的な接続を継続的に確認したが、5万回圧縮して
も、抵抗が10mΩを超えるポイントが発生しなかっ
た。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、BGAや
LGAからなる表面実装型のICパッケージ等にも繰り
返し使用することができ、しかも、長期的な接続信頼性
を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の発明に係る電気コネクタの実施
形態を示す断面説明図である。
【図2】本発明の第一の発明に係る電気コネクタの製造
方法の実施形態における基板のめっきに複数の導電細線
を屈曲させて立設した状態を示す断面説明図である。
【図3】本発明の第一の発明に係る電気コネクタの製造
方法の実施形態における基板のめっきと複数の導電細線
とに下地めっきをそれぞれ施した状態を示す断面説明図
である。
【図4】本発明の第一の発明に係る電気コネクタの製造
方法の実施形態における各導電細線の上端部にレーザを
照射してボール接点を膨出形成した状態を示す断面説明
図である。
【図5】本発明の第一の発明に係る電気コネクタの製造
方法の実施形態における基板と複数の導電細線の下地め
っきに絶縁性樹脂層をそれぞれ被覆形成した状態を示す
断面説明図である。
【図6】本発明の第一の発明に係る電気コネクタの製造
方法の実施形態における基板上に成形フレームを位置決
め配置し、この成形フレーム内に絶縁性のエラストマー
を充填して弾性エラストマー層を硬化形成した状態を示
す断面説明図である。
【図7】本発明の第一の発明に係る電気コネクタの製造
方法の実施形態における基板の非めっき部分を除去し、
複数のパッドを形成した状態を示す断面説明図である。
【図8】本発明の第一の発明に係る電気コネクタの製造
方法の実施形態における基板として、ICパッケージの
外部端子のピッチ等に応じて部分的に両面めっきした基
板を使用する状態を示す断面説明図である。
【図9】図8の基板の非めっき部分を除去し、平板状の
大型端子を形成した状態を示す断面説明図である。
【図10】本発明の第一の発明に係る電気コネクタの製
造方法の実施形態における複数のパッド間のめっき、下
地めっき、及び絶縁性樹脂層にレーザを照射して除去す
る状態を示す断面説明図である。
【図11】本発明の第一の発明に係る電気コネクタの製
造方法の実施形態における絶縁性樹脂層と弾性エラスト
マー層とにレーザをそれぞれ部分的に照射してボール接
点を露出させた状態を示す断面説明図である。
【図12】本発明の第一の発明に係る電気コネクタの製
造方法の実施形態における電気コネクタを製造した状態
を示す断面説明図である。
【図13】実施例2における電気コネクタを示す部分断
面説明図である。
【図14】本発明の第二の発明に係る電気コネクタの製
造方法の実施形態における電気コネクタを示す断面説明
図である。
【図15】本発明の第二の発明に係る電気コネクタの製
造方法の実施形態における回路基板の複数の電極に導電
細線を屈曲させて立設した状態を示す断面説明図であ
る。
【図16】本発明の第二の発明に係る電気コネクタの製
造方法の実施形態における回路基板の複数の電極と導電
細線とに下地めっきをそれぞれ施した状態を示す断面説
明図である。
【図17】本発明の第二の発明に係る電気コネクタの製
造方法の実施形態における各導電細線の上端部にレーザ
を照射してボール接点を膨出形成し、回路基板と複数の
導電細線の下地めっきに絶縁性樹脂層をそれぞれ被覆形
成した状態を示す断面説明図である。
【図18】BGAを示す正面説明図である。
【図19】図18の裏面図である。
【図20】LGAを示す正面説明図である。
【図21】図20の裏面図である。
【図22】従来の電気コネクタを示す部分断面説明図で
ある。
【図23】従来の他の電気コネクタを示す部分断面説明
図である。
【図24】従来の電気コネクタの問題点を示す部分断面
説明図である。
【図25】従来の他の電気コネクタの問題点を示す部分
断面説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 めっき(めっき面) 3 導電細線 4 余長部 5 下地めっき 6 ボール接点(端部、接点) 7 弾性の絶縁性樹脂層 8 成形フレーム 9 弾性エラストマー層 10 パッド(端部) 11 大型端子 12 検査基板 13 ICパッケージ 13A BGA 13B LGA 14 半田ボール 15 ランド電極 16 回路基板 17 電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性の弾性エラストマー層の厚さ方向
    に複数の導電細線を屈曲させて内蔵した電気コネクタで
    あって、 各導電細線を弾性の絶縁性樹脂層で被覆し、この絶縁性
    樹脂層の曲げ弾性率を1,000〜1,000,000
    kgf/cm2とするとともに、体積抵抗率を1×108
    Ω・cm以上とし、上記各導電細線の両端部を上記弾性
    エラストマー層と上記絶縁性樹脂層とからそれぞれ露出
    させたことを特徴とする電気コネクタ。
  2. 【請求項2】 回路基板の複数の電極に導電細線をそれ
    ぞれ接合し、各導電細線を該回路基板の厚さ方向に交わ
    る方向に屈曲させた電気コネクタであって、 上記各導電細線を弾性の絶縁性樹脂層で被覆し、この絶
    縁性樹脂層の曲げ弾性率を1,000〜1,000,0
    00kgf/cm2とするとともに、体積抵抗率を1×
    108Ω・cm以上とし、上記各導電細線の自由端部を
    該絶縁性樹脂層から露出させたことを特徴とする電気コ
    ネクタ。
  3. 【請求項3】 基板のめっき面に複数の導電細線を接合
    して各導電細線を少なくとも該基板の厚さ方向に交わる
    方向に曲げて余長部を形成し、該各導電細線の自由端部
    を接点に形成するとともに、該各導電細線に弾性の絶縁
    性樹脂層を被覆形成し、上記基板上に上記複数の導電細
    線を囲む成形フレームを配置し、この成形フレーム内に
    エラストマーを充填して該複数の導電細線を埋没させ、
    該エラストマーを硬化させて絶縁性の弾性エラストマー
    層を形成し、上記基板の非めっき部分を除去して複数の
    パッドを形成するとともに、この複数のパッド間のめっ
    きを除去し、その後、上記各導電細線の絶縁性樹脂層と
    上記弾性エラストマー層とを部分的に除去して該弾性エ
    ラストマー層から上記接点を露出させることを特徴とす
    る電気コネクタの製造方法。
  4. 【請求項4】 回路基板の複数の電極に導電細線をそれ
    ぞれ接合して各導電細線を少なくとも該回路基板の厚さ
    方向に交わる方向に曲げて余長部を形成し、該各導電細
    線の自由端部を接点に形成し、該各導電細線に弾性の絶
    縁性樹脂層を被覆形成し、その後、該各導電細線の自由
    端部における絶縁性樹脂層を除去して上記接点を露出さ
    せることを特徴とする電気コネクタの製造方法。
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