JP2001155699A - 密閉型電池 - Google Patents

密閉型電池

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JP2001155699A
JP2001155699A JP33624399A JP33624399A JP2001155699A JP 2001155699 A JP2001155699 A JP 2001155699A JP 33624399 A JP33624399 A JP 33624399A JP 33624399 A JP33624399 A JP 33624399A JP 2001155699 A JP2001155699 A JP 2001155699A
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ring
elastomer
sealed battery
battery
battery according
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JP33624399A
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English (en)
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Hideya Takahashi
秀哉 高橋
Ryoichi Yamane
良一 山根
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐寒性、低吸水性、成形性、圧縮永
久歪み率にすぐれたガスケットによって、電池の外装缶
を閉蓋して、漏液や水分混入による電池特性の低下を効
果的に回避できるようにする。 【解決手段】 外装缶1内に、電解液が含浸された電池
本体2が収容され、外装缶1の開口部に、蓋体7がガス
ケット8によって密閉される密閉型電池であって、ガス
ケット8が、それぞれ耐電解液性を有するプラストマー
によるリング体8Pと、エラストマーによるリング状シ
ール部8Eとによって構成する。このリング状シール部
8Eを構成するエラストマーは、JIS K6301に
よる試験方法で、その試験条件が70℃、22時間によ
る圧縮永久歪み率が50%以下のエラストマーによって
構成して、エラストマーによって確実なシール効果を保
持させ、このエラストマーに生じ勝ちな高温下における
形状変化を、プラストマーによるリング体8Pによって
良好に形状保持がなされるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉型電池、例え
ば非水電解液2次電池に関わる。
【0002】
【従来の技術】近年、軽量であると共に、高電位、高容
量、高性能、長寿命などの利点を有することから、各種
携帯機器、例えば携帯電話、ノート型パーソナルコンピ
ュータや、電動移動体例えば電動自動車、電動自転車等
の電源として、非水電解液リチウム2次電池が広く用い
られようとしている。
【0003】この非水電解液リチウム2次電池等の円筒
状あるいはコイン型の密閉型電池は、外装缶内に電池本
体が収容され、電解液が注入され、外装缶の開口部が、
蓋体によって封止される。この蓋体の封止は、通常、ポ
リプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系汎用
樹脂によるガスケットを蓋体と外装缶の開口部との間に
介在させて、この開口部を封口かしめつけて蓋体によっ
て外装缶を密閉封止するようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この封口用
のガスケットを、汎用樹脂によって構成する場合、この
汎用樹脂は、圧縮永久歪み率が極めて高く、電池組み立
て後に90℃以上の高温や、−30℃の低温に長時間さ
らすと、このガスケット素材が収縮変化して、封口かし
め圧が低下してしまう。また、低温によって素材劣化に
より脆弱化して割れ易くなる。これらのことから、電池
内の電解液が漏出して周辺機器に被害を及ぼしたり、電
解液に液量不足を来し、電池性能を低下させるおそれが
ある。また、この封口が不完全であることによって、電
池内に空気が侵入して、負極活物質や電解液が空気中の
水分と反応して電池性能を低下させる。
【0005】この封口方法として、例えばポリオレフィ
ン系樹脂によるガスケットと外装缶の開口部との間に、
シール剤を介在させる方法もあるが、この場合において
も、ポリオレフィン系樹脂自体の弾性の低さや、劣化に
よる弾性低下のために、上述した高温や、低温下での長
期に渡る気密性の保持には充分な役割を果たしがたい。
【0006】本発明においては、上述した諸問題を解決
して、耐熱性、耐寒性、低吸水性、成形性、圧縮永久歪
み率にすぐれたガスケットによって、電池の外装缶を閉
蓋して、漏液や水分混入による電池特性の低下を効果的
に回避できるようにした非水電解液2次電池等の密閉電
池を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明におい
ては、密閉型電池における外装缶の開口の封止を行うガ
スケットを、2種類以上の材料部によって構成して上述
した不都合の改善をはかる。
【0008】本発明による密閉型電池においては、外装
缶内に、電解液が含浸された電池本体が収容され、外装
缶の開口部に、蓋体がガスケットによって密閉される密
閉型電池であって、ガスケットが、それぞれ耐電解液性
を有する可塑性高分子物質いわゆるプラストマーによる
リング体と、室温でゴム弾性を有するエラストマーによ
るリング状シール部とによって構成する。このエラスト
マーは、JIS K6301による試験方法で、その試
験条件が70℃、22時間による圧縮永久歪み率が50
%以下の室温でゴム弾性を有するエラストマーによって
構成する。
【0009】上述の耐電解液性のプラストマーとして
は、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等
のポリオレフィン系樹脂、またはPFA(四フッ化エチ
レン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)やE
TFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)等のフ
ッ素樹脂、またはPPS(ポリフェニレンサルファイ
ド)、PES(ポリエーテルスルホン)等のポリエーテ
ル系樹脂等の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
【0010】また、上述の圧縮永久歪み率50%以下の
エラストマーとしては、例えばエチレンプロピレンゴム
や、ブチルゴム等のオレフィン系ゴム、またはフッ素系
ゴムあるいはオレフィン系熱可塑性エラストマー等を用
いることができる。
【0011】上述したように本発明では、電池の外装缶
の開口部に対する蓋体の封止を行うガスケットを、圧縮
永久歪み率が低い、すなわち弾性にすぐれたエラストマ
ーによるリング状シール部と、いわば硬いプラストマー
によるリング体とによって構成することにより、エラス
トマーによって確実なシール効果を保持させ、このエラ
ストマーに生じ勝ちな高温下における形状変化を、プラ
ストマーによるリング体によって良好に形状保持がなさ
れるようにする。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による2次電池の
一実施形態の一例の概略断面図を示す。この実施形態
は、非水電解液リチウム2次電池に適用した場合である
が、本発明はこの実施形態および図1の例に限られるも
のではない。
【0013】この例においては、Niメッキが施された
Feより成る円筒状の有底外装缶1内に、電池本体2が
収容され、外装缶1内に非水電解液(図示せず)が注入
され、この非水電解液が電池本体2に含浸されて成る。
【0014】電池本体2は、図2にその一部の開放状態
の斜視図を示すように、それぞれフィルム状の正極電極
21と負極電極22とが、フィルム状のセパレータ23
を介して積層され、この積層フィルムが、例えば円筒状
の巻芯24の周囲に渦巻き状に巻回されて成る。
【0015】電池本体2の正極電極21および負極電極
22は、それぞれ例えばAl箔およびCu箔より成る帯
状の集電体箔の両面に正極活物質および負極活物質が塗
布されて成る。
【0016】各正極電極21および負極電極22の、各
集電体箔の互いの反対側の端部からAlより成る正極側
リード25およびNiより成る負極側リード26の一端
が溶接され、図1に示すように、例えば電池本体2の中
心部から正極リード25が電池本体2外に導出され、電
池本体2の外周側から負極側リード26が導出される。
【0017】この電池本体2は、外装缶1内に、負極側
リード26の導出側を、外装缶1の底部側にして挿入さ
れる。電池本体2を挟んでその両側には、絶縁薄板3お
よび4が配置され、その外側に、電池本体2の各リード
25および26の遊端を導出する。そして、負極側リー
ド26の遊端は、例えば電極端子導出部となる外装缶1
の底面に溶接される。
【0018】外装缶1の開口端には、蓋体7がガスケッ
ト8を介してかしめつけられて封口される。蓋体7は、
例えばステンレス、Ni、Feによる正極側端子導出部
となるトップカバー5と、その内側に配置された例えば
Alによる安全弁6とより成り、これらトップカバー5
と安全弁6との周囲の鍔部5fおよび6fが、例えば直
接的に衝合されるとか、図示しないが例えば正温度特性
を有するリング状の安全用抵抗体を介して重ね合わされ
て、ガスケット8によって挟み込まれて外装缶1の開口
端にかしめつけられて封止される。
【0019】安全弁6は、例えばその中央部に、外装缶
1内に向かって膨出する膨出部6aが形成され、その頂
部が、正極側リード25の遊端に溶接された例えばAl
によるサブディスク9と溶接される。また、安全弁6と
サブディスク9との間には、中央に安全弁6の膨出部6
aを通ずる中心孔を有する絶縁リング10を介して例え
ばAl金属板よりなるストリッパディスク11が配置さ
れる。
【0020】上述の電池本体2において、正極電極21
の正極活物質は、例えばLiを脱ドープ、再ドープ可能
な物質、例えばリチウム遷移金属複合酸化物による活物
質Lix MO2 (Mは、Co,Ni,Mnの1種以上の
遷移金属で、0.4≦x≦1.1)で表せる複合酸化
物、中でもLiCoO2 、LiNiO2 、LiMn2
4 等が好ましい。このようなリチウム遷移金属酸化物
は、例えばLi、Co、Ni、Mnの炭酸塩、硝酸塩、
酸化物、水酸化物等を出発原料として、これらを組成に
応じた量で混合し、600℃〜1000℃の温度範囲で
焼成することにより得られる。
【0021】また、負極電極22の負極活物質9は、例
えばLiをドープ、脱ドープ可能な物質例えば2000
℃以下の比較的低い温度で焼成して得られる低結晶性炭
素材料や、結晶化しやすい原料を3000℃近くの高温
で処理した人造黒鉛や天然黒鉛等の高結晶性材料等が用
いられる。例えば、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛
類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フラン
樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊
維、活性炭などが使用可能である。低結晶性炭素材料と
して好ましくはフラン樹脂や、石油ピッチ等を1500
℃未満で焼成して炭素化したもので、広角X線回折法に
よる(002)面の面間隔が、3.70Å以上、真密度
が1.70g/cm3 未満であり、かつ空気気流中の示
差熱分析で700℃以上に発熱ピークを有していない炭
素質材料を用いる。黒鉛粉末として好ましくは、広角X
線回折法による(002)面の面間隔が、3.42Å未
満である炭素質材料を用いる。これらの炭素質材料は、
Liのドープ、脱ドープ量が大きく、かつ充放電サイク
ル寿命性能にすぐれている材料であり、また負極材料
は、正極材料との組み合せで、使用する機器に最も適合
する組み合せを選定することができる。
【0022】セパレータ23は、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、テフロンの微多孔膜によって構成する
ことができる。
【0023】また、非水電解液は、有機溶媒とこれに溶
解した電解質から成る。あるいは、非水電解液を高分子
化合物と混合させたいわゆるポリマー電解質や、高分子
化合物に電解質を混合もしくは結合させたポリマー電解
質を用いることもできる。有機溶媒としては、例えばエ
チレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状
カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネート等の鎖状カーボネート、γ−ブチロラクトン、γ
−パレロラクトン等の環状エステル、酢酸エチル、プロ
ピオン酸メチル等の鎖状エステル、テトラヒドロフラ
ン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル等の1種以
上を用いることができる。電解質としては、用いる溶媒
に溶解し、イオン導電性を示すリチウム塩の例えばLi
PF6 、LiBF4 、LiClO4 、LiCF3
3 、LiN(CF3SO2 2 、LiC(CF3 SO
2 3 等の1種以上を用いることができる。
【0024】この構成で、例えば何らかの原因で外装缶
1内にガスが発生して内部の圧力が増加したとき、安全
弁6が外方に押し上げられて変形し、内圧を緩和すると
共に、その膨出部6aとサブディスク9との溶接部が剥
離して電池本体2の正極側リード25と、トップカバー
5との間の電気的連結を切断する。そして、更に内部の
圧力が増大するときは、安全弁6自体が破壊して、図示
しないが、トップカバー5に形成されている通気孔を通
じ外装缶1を開放するようになされている。
【0025】そして、本発明においては、例えば上述し
た密閉型電池にあって、そのガスケット8を、それぞれ
耐電解液性を有するプラストマーによるリング体8P
と、エラストマーによるリング状シール部8Eとによっ
て構成する。
【0026】このリング状シール部8Eを構成するエラ
ストマーは、特にJIS K6301による試験方法
で、その試験条件が70℃、22時間による圧縮永久歪
み率が50%以下のエラストマー例えばエチレンプロピ
レンゴムやブチルゴム等のオレフィン系ゴム、またはフ
ッ素系ゴムによって構成し得る。
【0027】また、リング体8Pを構成するプラストマ
ーは、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン
(PE)等のポリオレフィン系樹脂、または例えば四フ
ッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合
体や、エチレン・四フッ化エチレン共重合体等によるフ
ッ素系樹脂によって構成し得る。
【0028】そして、リング体8Pとリング状シール部
8Eとは、ヒートシールによって一体化させるとか、超
音波シールによって一体化させるとか接着剤による接着
によって一体化するとか、あるいは相互に嵌合もしくは
衝合させてガスケット8を構成する。
【0029】図1で示した密閉型電池のガスケット8
は、例えば図3Aにその密閉型電池の封口部の一部の断
面図を示すように、外装缶1の開口側において、トップ
カバー5の鍔部5fと安全弁6の鍔部6fとを挟み込ん
た状態で、対のかしめ部12aおよび12b間に挟み込
んでかしめられる。このガスケット8は、外装缶1の開
口端にかしめられる前のフリーな状態での形状が、例え
ば図3Bにその一部の断面図を示すように、大径円筒部
8aと、小径円筒部8bと、両者間を結合するリング状
の平板部8cとを有する断面クランク状をなす形状とす
ることができる。
【0030】そして、このガスケット8は、上述したよ
うに、リング体8Pおよびリング状シール部8Eとによ
って構成する。図1および図3で示した例では、大径円
筒部8aと、小径円筒部8bと、両者間を結合するリン
グ状の平板部8cとを有するガスケット8を、射出成形
によって上述の例えばポリプロピレンあるいはポリエチ
レンによるプラストマーによって構成し、更に、平板部
8cの外面側に、すなわち外装缶1のかしめ部12bと
の衝合面に、平板リング状すなわちワッシャー状にエラ
ストマーによるリング状シール部8Eを接合することに
よって構成される。
【0031】このリング状シール部8Eは、例えば板状
に成形したエチレンプロピレンゴム板を、リング板状に
打ち抜くことによって得ることができる。これらリング
体8Pとリング状シール部8Eとは、上述したように、
ヒートシール、超音波シール、あるいは接着剤による接
着等によって接合することができる。
【0032】図4〜図6の各AおよびBは、それぞれ他
の例の外装缶1の開口端に対する蓋体7の封口部の一部
の断面図と、そのフリー状態におけるガスケット8の一
部の断面図を示すものである。
【0033】図4に示す例においては、図3で説明した
ガスケット8において、その例えばポリプロピレンある
いはポリエチレンによるプラストマーによって構成した
リング体8Pの平板部8cの外面の外周にリング状凹部
13を形成し、この凹部内にエラストマー例えばエチレ
ンプロピレンゴムによるリング状シール部8Eを接合し
た場合である。
【0034】また、図5で示す例においては、ガスケッ
ト8の小径部8bと、リング状の平板部8cと、大径部
8aのリング状の平板部8c側の一部とを、エラストマ
ー例えばエチレンプロピレンゴムによって形成し、大径
部8aの先端側をプラストマー例えばポリプロピレンあ
るいはポリエチレンによるリング体8Pによって構成し
た場合である。
【0035】更に、図6に示した例では、大径部8a、
リング状の平板部8c、小径部8bを有するプラストマ
ー例えばポリプロピレンあるいはポリエチレンによるリ
ング体8Pによって構成し、その大径部8aの外周面
を、エラストマー例えばエチレンプロピレンゴムによる
リング状シール部8Eによって構成した場合である。
【0036】次に、本発明による非水電解液リチウム2
次電池による密閉型電池の実施例を説明するが、本発明
はこの実施例に限定されるものではない。 〔実施例1〕この例では、微多孔性ポリオレフィンフィ
ルムから成るセパレータ23を介して図2で説明したよ
うに、正極電極21と負極電極22とを積層して渦巻型
に多数回巻回して成る電池本体2を、ニッケルメッキし
た鉄製の外装缶1内に前述したように収納し、負極側リ
ード26を、外装缶1の負極側端子導出部の底部に溶接
し、外装缶1内に非水電解液を注入した。この外装缶1
の開口端に、図1および図3でそれぞれ説明したガスケ
ット8を介して蓋体7を封口かしめた。この実施例1に
おいては、リング体8Pを、ポリプロピレンによって構
成し、リング状シール部8Eを、エチレンプロピレンゴ
ムによって構成し、両者をヒートシールによって接合し
た。この構成および方法によって密閉型電池を20個製
造した。
【0037】〔実施例2〕この実施例においては、リン
グ体8Pを、ポリプロピレンによって構成し、リング状
シール部8Eを、エチレン・プロピレン・1,4−ヘキ
サジエンを共重合させたいわゆるEPDMゴムによって
構成する以外は、実施例1と同様の構成による電池を2
0個製造した。
【0038】〔比較例1〕この例においては、図8にそ
の封口部の一部断面図と、封口前のフリーの状態を示す
ように、全体がポリプロピレン(PP)によって構成さ
れたガスケット18を用いて、密閉型電池の開口端の封
口を行うようにした以外は、実施例1と同様の構成とし
た。この比較例1による密閉型電池を20個製造した。
【0039】上述した実施例1および実施例2と比較例
1とによる各20個の非水電解液2次電池について、電
解液の耐漏液特性を測定した。この場合の測定は、各電
池を、90℃で199時間加熱保持し、その後、−30
℃で1時間保持する過程を1サイクルとして、5サイク
ル1000時間のヒートサイクル加速試験を行った。こ
の試験によっても、本発明による実施例1および実施例
2による電池は、20個全部に関して全く漏液が発生す
ることがなく、電解液量の減少による電池性能の低下に
関する問題がないことを確認した。更に、電池内への水
分流入による問題もないことが確認された。これに対し
て、比較例1によるPPのみによって形成したガスケッ
ト18を用いた電池においては、20個中全部におい
て、電解液の漏液が認められ、電池性能の低下が生じ
た。
【0040】これは、比較例におけるガスケット18を
構成するPPの特性、特に圧縮永久歪み率(JIS K
6301 試験条件、70℃で22時間保持)が100
%という極めて高い値を示し、熱劣化が激しく、温度上
昇によって、弾性が失われてしまってシール効果が損な
われることに因る。そして、この場合、ガスケット18
の弾性が失われることによって、封口かしめ圧が著しく
低下して、トップカバー5すなわち正極の外部端子導出
部と安全弁6との電気的接触抵抗も増加することによっ
て、電池の出力低下等の電池の性能劣化を来すことにな
る。
【0041】これに対し、実施例1の本発明による電池
は、ガスケット8として、エチレンプロピレンゴムによ
るリング状シール部8Eを有する構成とする場合、この
エチレンプロピレンゴムは、圧縮永久歪み率(JIS
K6301 試験条件、70℃で22時間保持)が50
%であり、また実施例2のガスケッと8のエチレンプロ
ピレンジエチレン共重合体によるリング状シール部8E
を有する構成とする場合、その同様の圧縮永久歪み率は
20%という低い値を示すことから、加熱による弾性劣
化が小さく抑えられ、少なくともこのリング状シール部
8Eによる弾性によって、封口が確実になされることか
ら、上述した封口かしめ圧の低下を回避でき、トップカ
バー5すなわち正極の外部端子導出部と安全弁6との電
気的接触抵抗の増加が回避されて、電池の出力低下等の
電池の性能劣化を回避できるものである。
【0042】しかしながら、ガスケット全体を、圧縮永
久歪み率(JIS K6301 試験条件、70℃で2
2時間保持)の低い例えば上述したエチレンプロピレン
ゴムのみによって形成する場合は、これらが弾性に富
み、柔軟性を有するものの、この特性は活発な分子運動
に起因するため、このエラストマーのみによってガスケ
ットを構成する場合は、封口かしめ後の形状変化いわゆ
る素材のへたりによる逃げが生じ、所要の大きな封口か
しめ圧が保持できなくなるという問題が生じる。
【0043】これに対し、本発明構成においては、圧縮
永久歪み率が小さいエラストマーと、これに比し硬いプ
ラストマーとの組み合わせによるガスケット8を構成し
たことによって、両者の特徴を生かして、両者の欠点を
相互に補なって、すぐれた特性の電池を構成することが
できるものである。すなわち、ガスケット8を、上述し
たように、比較的硬く、熱変形温度が高く、また熱膨張
係数の低い例えばポリプロピレンによるリング体8Pに
よって、封口かしめによっても確実に形状保持、すなわ
ち蓋体の保持すなわちトップカバー5と安全弁6との位
置設定が確実になされ、同時に圧縮永久歪み率が高く、
弾性に富む例えばエチレンプロピレンゴムによって構成
されるリング状シール部8Eの存在によって弾性低下を
生じることなく、確実なシールを行うことができるもの
である。
【0044】尚、実施例1においては、リング体8Pと
リング状シール部8Eとの接合をヒートシールによって
行った場合であるが、超音波シールによって行うことも
でき、この場合においても同様の効果が生じた。
【0045】また、実施例1において、リング状シール
部8Eは、上述したエチレンプロピレンゴムに限らず、
耐電解液性の、上述の圧縮永久歪み率が50%以下のオ
レフィン系ゴム例えばブチルゴム、またはフッ素系ゴ
ム、あるいはオレフィン系熱可塑性エラストマーによっ
て構成することもでき、リング体8Pは、ポリオレフィ
ン系樹脂による上述したポリプロピレンのほかに、例え
ばポリエチレンによって構成する場合、あるいはフッ素
系樹脂の、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシ
エチレン共重合体もしくはエチレン・四フッ化エチレン
共重合体、さらにあるいはポリフェニレンサルファイド
もしくはポリエーテルスルホン等のポリエーテル系樹脂
等によって構成する場合においても同様の効果が得られ
た。
【0046】更に、ガスケット8は、前述した図4、図
5、図6で説明した構造を始めとして種々の組み合わせ
形状を採ることができ、リング体8Pとリング状シール
部8Eとをヒートシール、超音波シール、例えばシアノ
アクリレート系接着剤等の接着剤によって接合するなど
の接合方法によるとか、あるいは例えば図4の構造とす
ることによって、リング体8Pとリング状シール部8E
とを互いに衝合させるとか嵌合させる構成とすることも
できる。
【0047】このガスケット8は、蓋体7と少なくとも
一方の例えばかしめ部12aとの間は、硬く、熱変形温
度が高く、熱膨張係数の低いプラストマーで形成された
リング体8Pを配置することによって確実な形状保持と
位置規制がなされ、同時に蓋体7と他方の例えばかしめ
部12bとの間は、圧縮永久歪み率が低く、熱劣化によ
る弾性低下の少ないエラストマーで形成されたリング状
シール部8Eを配置することによって、過酷な使用環境
においてもすぐれたシール性を保つことができる。
【0048】尚、本発明による2次電池は、上述した構
造に限定されるものではなく、例えば図7にその一例の
概略断面図を示すコイン型非水電解液2次電池に適用す
ることもできる。すなわち、このコイン型非水電解液2
次電池においても、電池本体2が収容された外装缶1の
開口端に蓋体7がガスケット8を介して外装缶1の開口
端にかしめられて封口された構成を有する。電池本体2
は、セパレータ40を介して正極活物質41と、負極活
物質42が配置されて非水電解液が含浸されて成る。
【0049】この電池においても、本発明においては、
そのガスケット8において、前述した各プラストマーお
よびエラストマーによって構成したリング体8Pとリン
グ状シール部8Eによって構成する。この場合において
も、リング体8Pとリング状シール部8Eとの形状およ
び接合方法は、前述したと同様の態様を採って、同様の
効果を奏することができる。
【0050】
【発明の効果】上述したように本発明では、電池の外装
缶の開口部に対する蓋体の封止を行うガスケットを、圧
縮永久歪み率が低い、すなわち熱劣化による弾性低下の
少ないエラストマーによるリング状シール部8Eと、こ
れに比し硬いプラストマーによるリング体8Pとによっ
て構成し、また両リング状シール部8Eとリング体8P
との組み合わせ形状の選定によって、リング状シール部
8Eによって確実なシール効果を保持させ、また、この
エラストマーによるリング状シール部8Eで生じるおそ
れのあるいわゆるへたりによる素材の逃げを、硬いリン
グ体8Pによって良好に保持できることから、耐熱性、
耐寒性、低吸水性を有し、電池本体への水分の侵入を回
避でき、電池特性にすぐれた電池を構成することができ
るものである。そして、電解液の漏出を防止できること
によって、他の機器に及ぼす被害を回避できるものであ
る。
【0051】また、プラストマーによるリング体8Pを
用いることによって、少なくともこの部分を、射出成形
等の成形性にすぐれた素材によって構成できることか
ら、ガスケットの製造が複雑化されることが回避され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による密閉型電池の一例の概略断面図で
ある。
【図2】本発明による密閉型電池の電池本体の一例の要
部の開放斜視図である。
【図3】AおよびBは、本発明による密閉型電池の一例
の蓋体封口部の要部の断面図およびそのガスケットの要
部の断面図である。
【図4】AおよびBは、本発明による密閉型電池の一例
の蓋体封口部の要部の断面図およびそのガスケットの要
部の断面図である。
【図5】AおよびBは、本発明による密閉型電池の一例
の蓋体封口部の要部の断面図およびそのガスケットの要
部の断面図である。
【図6】AおよびBは、本発明による密閉型電池の一例
の蓋体封口部の要部の断面図およびそのガスケットの要
部の断面図である。
【図7】本発明による密閉型電池の他の例の概略断面図
である。
【図8】AおよびBは、従来の密閉型電池の蓋体封口部
の要部の断面図およびそのガスケットの要部の断面図で
ある。
【符号の説明】
1外装缶、2・・・電池本体、3,4・・・絶縁薄板、
5・・・トップカバー、6・・・安全弁、5f,6f・
・・鍔部、7・・・蓋体、8,18・・・ガスケット、
8P・・・リング体、8E・・・リング状シール部、9
・・・サブディスク、10・・・絶縁リング、11・・
・ストッパディスク、12a,12b・・・かしめ部、
13・・・凹部、21・・・正極電極、22・・・負極
電極、23・・・セパレータ、24・・・巻芯、25・
・・正極側リード、26・・・負極側リード、40・・
・セパレータ、41・・・正極活物質、42・・・負極
活物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H011 AA02 AA10 AA17 FF03 GG01 GG02 HH02 HH13 JJ12 5H029 AJ13 AJ14 AJ15 AK03 AL06 AL07 AL08 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 CJ05 CJ06 CJ28 DJ03 EJ12 EJ14 HJ00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外装缶内に、電解液が含浸された電池本
    体が収容され、上記外装缶の開口部に、蓋体がガスケッ
    トによって密閉される密閉型電池であって、 上記ガスケットが、少なくとも、耐電解液性を有するプ
    ラストマーによるリング体と、耐電解液性を有するエラ
    ストマーによるリング状シール部とによって構成され、 上記エラストマーは、JIS K6301による試験方
    法で、その試験条件が70℃、22時間による圧縮永久
    歪み率が50%以下のエラストマーであることを特徴と
    する密閉型電池。
  2. 【請求項2】 上記耐電解液性を有するプラストマー
    は、ポリオレフィン系樹脂、またはフッ素系樹脂、ある
    いはポリエーテル系樹脂であることを特徴とする請求項
    1に記載の密閉型電池。
  3. 【請求項3】 上記ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロ
    ピレン、またはポリエチレンであることを特徴とする請
    求項2に記載の密閉型電池。
  4. 【請求項4】 上記フッ素系樹脂が、四フッ化エチレン
    ・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体またはエチ
    レン・四フッ化エチレン共重合体であることを特徴とす
    る請求項2に記載の密閉型電池。
  5. 【請求項5】 上記ポリエーテル系樹脂が、ポリフェニ
    レンサルファイドまたはポリエーテルスルホンであるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の密閉型電池。
  6. 【請求項6】 上記耐電解液性を有するエラストマー
    が、オレフィン系ゴムまたはフッ素系ゴム、あるいはオ
    レフィン系熱可塑性エラストマーであることを特徴とす
    る請求項1に記載の密閉型電池。
  7. 【請求項7】 上記オレフィン系ゴムが、エチレンプロ
    ピレン、またはブチルゴムであることを特徴とする請求
    項6に記載の密閉型電池。
  8. 【請求項8】 上記プラストマーによるリング体と、上
    記エラストマーによるリング状シール部とが、ヒートシ
    ールによって一体化されて成ることを特徴とする請求項
    1に記載の密閉型電池。
  9. 【請求項9】 上記プラストマーによるリング体と、上
    記エラストマーによるリング状シール部とが、超音波シ
    ールによって一体化されて成ることを特徴とする請求項
    1に記載の密閉型電池。
  10. 【請求項10】 上記プラストマーによるリング体と、
    上記エラストマーによるリング状シール部とが、接着剤
    による接着によって一体化されて成ることを特徴とする
    請求項1に記載の密閉型電池。
  11. 【請求項11】 上記プラストマーによるリング体と、
    上記エラストマーによるリング状シール部とが、相互の
    嵌合によって一体化されて成ることを特徴とする請求項
    1に記載の密閉型電池。
  12. 【請求項12】 上記プラストマーによるリング体と、
    上記エラストマーによるリング状シール部とが、相互に
    衝合されて成ることを特徴とする請求項1に記載の密閉
    型電池。
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Cited By (2)

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