JP2001154057A - 光ファイバの加熱処理方法 - Google Patents

光ファイバの加熱処理方法

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JP2001154057A
JP2001154057A JP33615099A JP33615099A JP2001154057A JP 2001154057 A JP2001154057 A JP 2001154057A JP 33615099 A JP33615099 A JP 33615099A JP 33615099 A JP33615099 A JP 33615099A JP 2001154057 A JP2001154057 A JP 2001154057A
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optical fiber
heat treatment
atmosphere
glass
optical
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JP33615099A
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Shinji Ishikawa
真二 石川
Motonori Nakamura
元宣 中村
Tomoki Sano
知己 佐野
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱処理による光学特性の調整が行われた後
の光ファイバの加熱部分での機械的強度を向上させる光
ファイバの加熱処理方法を提供する。 【解決手段】 SiO2系ガラスからなる光ファイバの
光学特性を調整するための加熱処理において、被覆光フ
ァイバ1のガラス露出部分10で露出された光ファイバ
のガラス部11、及び光ファイバ11に対して加熱処理
を行う炉心管31及びヒータ32を備える電気抵抗炉を
ガスパージ箱30内に設置し、このガスパージ箱30内
の雰囲気をH2やCOなどを含む還元性雰囲気とする。
このとき、光ファイバ11のガラス表面上のOH基及び
過剰O2が減少されるので、加熱処理時にOH基が発生
及び拡散されることなどによる欠陥の発生を低減して、
光ファイバの機械的強度の低下を抑制することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバのモー
ドフィールド径などの光学特性を調整するための加熱処
理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバの融着接続などの工程におい
て、光ファイバのモードフィールド径(MFD)や様々
な光学特性を変化させるために加熱処理を行う場合があ
る。光ファイバを加熱するとコアのドーパントが拡散さ
れるので、これによって、モードフィールド径を拡大ま
たは調整することができる。
【0003】例えば、モードフィールド径の異なる光フ
ァイバ同士を接続する際に、融着接続後に融着接続部近
傍の光ファイバのガラス部に対してバーナや電気炉など
を用いて加熱を行い、接続部でのモードフィールド径を
互いに拡大させることが行われる(例えば、特許第28
04355号公報参照)。このとき、モードフィールド
径が融着接続部近傍で連続的に変化するようになるな
ど、モードフィールド同士の接続状態が改善されて、光
伝送における融着接続部での接続損失を低減させること
ができる。
【0004】特に、近年WDM伝送容量の増大に伴っ
て、光ファイバに対して、(1)信号光パワーの強い信
号光が伝送される光ファイバ部分でのモードフィールド
径増大などによる非線形効果の低減、(2)波長多重数
の増大のための波長分散スロープの低減、及び(3)光
ファイバの全分散の低減、の3点が求められているが、
これらの特性を単一の光ファイバによってすべて満足す
ることは困難である。これに対して、モードフィールド
径などの構造及び特性が異なる複数の光ファイバを縦列
に接続することによって、上記した各条件を満たす光伝
送路を構成する試みがなされている。このような場合、
上記した加熱処理でのモードフィールド拡大による接続
損失の低減が重要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】光ファイバの融着接続
後に接続部に対して上記のような加熱処理を行った場
合、加熱された部位での光ファイバの強度低下が問題と
なる。すなわち、露出された光ファイバのガラス部に対
して加熱処理を行うことによって、光ファイバのガラス
表面に外傷や化学的な結合状態の変化などによる欠陥を
生じてしまうという問題を生じる。この欠陥の発生は、
接続後の光ファイバの機械的強度を低下させ、光ファイ
バが破断される原因ともなる。
【0006】このとき、接続部での光ファイバの破断強
度は例えば数100MPa程度(ファイバ径125μm
で数100g程度)まで低下してしまう。これに対し
て、ファイバ部を完全に固定化するファイバコネクタな
どの光部品を用いる場合や、補強部材によって固定する
場合においては、それらの固定方法によって、加熱処理
で低下した破断強度を補うことが可能である。
【0007】しかしながら、伝送線路としてファイバケ
ーブル内に光ファイバ接続部を形成する場合には、光フ
ァイバの機械的強度を充分に補うことができない。その
ため、ケーブルに印加される張力に対する長期信頼性を
確保するには、光ファイバの接続部自体の破断強度を向
上させることが必要となる。このことは、融着接続後の
モードフィールド径を拡大する加工工程以外に行われる
光ファイバの加熱による光学特性の調整においても同様
である。
【0008】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされた
ものであり、加熱処理による光学特性の調整が行われた
後の光ファイバの加熱部分での機械的強度を向上させる
光ファイバの加熱処理方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明による光ファイバの加熱処理方法は、
SiO2系ガラスからなる光ファイバに対して加熱処理
を行って光学特性を調整する加熱処理方法であって、加
熱処理の雰囲気は、還元性雰囲気であることを特徴とす
る。
【0010】本願発明者は、加熱処理による上述した光
ファイバの機械的強度低下について、光ファイバのガラ
ス表面上に存在するOH基(水酸基)及び過剰なO2
着目した。すなわち、光ファイバのガラス表面における
欠陥発生の原因として、周辺に存在する水分やゴミなど
が付着したガラス表面上において、加熱処理時にSi−
O−Siの結合がH2O分子との反応などによってSi
−OHとなってOH基を生じ、さらに生じたOH基が加
熱によってガラス中に拡散していくことが考えられてい
る。また、過剰なO2についても、ガラスへの溶解など
によって光ファイバの機械的強度低下の原因となる。
【0011】これに対して、上記した加熱処理方法にお
いては、光ファイバに対して加熱処理を行う際の雰囲気
を還元性雰囲気としている。このとき、還元性雰囲気の
還元作用によってガラス表面上に存在するOH基及び過
剰なO2の量が減少されるので、これによって、加熱処
理時のOH基の発生及び拡散、あるいはO2の溶解が抑
制されるなど、ガラス表面での欠陥発生による光ファイ
バの機械的強度の低下を防止することができる。
【0012】上記した還元性雰囲気としては、H2また
はCOの少なくとも一方を含む雰囲気を用いることが好
ましい。また、これ以外の還元性雰囲気を用いても良
い。
【0013】なお、H2やCOの存在によるガラス表面
でのOH基の低減効果については、以下のように定性的
に説明することができる。まず、H2とSiO2の反応で
は、以下の(1)SiO2の還元反応 SiO2 + H2 → SiO + H2O SiO + H2 → Si + H2O によって、ガラス表面の酸素脱離による還元種SiO、
Siが形成される。さらに、(2)SiとH2の反応に
よる水素化物形成反応 Si + x/2 H2 → SiHx が生じる。そして、(3)生成した還元種や水素化物に
よるOH基の除去反応 SiOH + Si → Si−O−Si + H2 SiOH + SiH → Si−O−Si + H2 によって、ガラス表面でOH基が除去され低減される。
【0014】ここで、(1)の反応では、H2存在で雰
囲気中のH2Oが増大してOHが増えることも考えられ
るが、1000℃以上では還元種や水素化物生成の効果
が勝って、(3)の反応によってOH基の除去が進行す
る。また、COについては、CO自体が還元種として作
用し、以下の(4)除去反応 2SiOH + CO → Si−O−Si + H2 + C
2 によって、ガラス表面でOH基が除去され低減される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面とともに本発明による
光ファイバの加熱処理方法の好適な実施形態について詳
細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素に
は同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図
面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していな
い。
【0016】図1は、本発明による光ファイバの加熱処
理方法の一実施形態について概略的に示す図であり、図
1(a)は正面断面図、図1(b)は側面断面図を示
す。なお、以下において加熱処理に関して示す各断面図
は、いずれも処理対象となる光ファイバの中心線または
中心位置を含む平面による断面である。
【0017】図1において加熱処理の対象として図示さ
れている光ファイバは、合成樹脂等による被覆12が光
ファイバのガラス部11(以下、単に光ファイバ11と
いう)の外周に形成された被覆光ファイバ1である。加
熱処理が行われる部分は、被覆12が除去されて光ファ
イバ11が露出されたガラス露出部分10とされてい
る。
【0018】このような状態の光ファイバは、例えば2
本の光ファイバの融着接続時に得られる。光ファイバの
融着接続においては、それぞれの光ファイバの接続させ
る先端部分について所定の長さにわたって被覆を除去し
た後、光ファイバのガラス部が露出された先端部分の接
続面同士をアーク放電などによって融着接続する。光フ
ァイバの接続においては、この融着接続後であって再被
覆を行う前の光ファイバの状態が、図1に示されたガラ
ス露出部分10を有する被覆光ファイバ1に相当する。
【0019】図1に示した光ファイバの加熱処理方法に
おいては、電気抵抗炉による抵抗加熱を用いて光ファイ
バを加熱している。本実施形態における電気抵抗炉は、
ガスパージ箱30の内部に設置された炉心管31及びヒ
ータ32を備えて構成されている。
【0020】炉心管31は、中心軸が所定の方向に伸び
る略円筒状に形成されており、その側面の一方側が、図
1(b)に示すように光ファイバの挿入・設置等を行う
ための管の長手方向に沿った開口部31aとされてい
る。炉心管31の外周面上には、外周面の所定部分に接
触するようにヒータ32が設置されている。図1におい
ては、ヒータ32は炉心管31の円筒部分に対して、そ
の外周面の両端を除く部分に接触するように設置されて
いる。また、炉心管31及びヒータ32の周囲には、そ
れらを覆う断熱材33が設けられている。
【0021】加熱処理を行う被覆光ファイバ1は、その
軸方向が円筒状の炉心管31の中心軸と略一致された状
態で、ガラス露出部分10において露出された光ファイ
バ11のうち加熱処理の対象となる部分が炉心管31内
に位置するように配置される。例えば、光ファイバの融
着接続後におけるモードフィールド径の調整のための加
熱処理においては、融着接続部を含む所定の範囲に対し
て加熱処理を行う。
【0022】炉心管31の外周面に接触されたヒータ3
2に電源ケーブル32aを介して電力が供給されると、
抵抗加熱によって高温となったヒータ32によって炉心
管31が加熱され、このヒータ32及び炉心管31から
の熱によってガラス露出部分10の光ファイバ11が加
熱処理される。加熱処理の条件については、調整しよう
とする光学特性や光ファイバの構造等によって異なる
が、例えば加熱温度は1200℃〜1500℃程度、ま
た、加熱時間は1分〜20分程度である。
【0023】本実施形態においては、被覆光ファイバ1
の加熱処理の対象となる部分、及び加熱処理装置である
電気抵抗炉は、上記したようにガスパージ箱30の内部
に設置されている。このようにガスパージ箱などの雰囲
気の調整が可能な容器内で加熱処理を行う構成とするこ
とによって、加熱処理を行う際の光ファイバ周辺の雰囲
気を効果的に調整することができる。
【0024】ガスパージ箱30内での雰囲気となるガス
は、ガスパージ箱30に設けられたガス供給口34から
供給されて排気口35から排気されるように構成されて
おり、これによってガスパージ箱30内で一定の加熱処
理雰囲気が保持される。
【0025】ガス供給口34から供給されるガスとして
は、還元性気体を用いている。これによって、ガスパー
ジ箱30内の加熱処理雰囲気は、還元性雰囲気とされて
いる。還元性雰囲気としては、H2またはCOを含有す
るものなどを用いることができる。
【0026】加熱処理の雰囲気を還元性雰囲気とする上
記した光ファイバの加熱処理方法の効果について説明す
る。
【0027】上記した実施形態においては加熱処理を行
う際の光ファイバ周辺の雰囲気を還元性雰囲気としてい
る。これによって、光ファイバのガラス表面を還元して
OH基及び過剰なO2のガラス表面での存在量を低減す
ることができるので、光ファイバの加熱処理時における
ガラス表面でのOH基の発生及び拡散やO2の溶解など
による欠陥の発生が抑制されて、光ファイバの破断強度
の低下が防止される。
【0028】ここで、還元性雰囲気によるOH基の低減
については、還元性気体によってSiO2ガラスの還元
種であるSiOが生成され、この還元種成分の脱離に伴
ってOH基が除去される。また、過剰なO2の低減につ
いても、還元性雰囲気とO2との反応によって同様に低
減の効果を生じる。
【0029】加熱処理においては、ガスパージ箱などの
雰囲気の調整が可能な容器を用いることが好ましい。こ
れによって、光ファイバの周辺での上記した還元性雰囲
気を好適に保持することができる。また、ガスパージ箱
内の雰囲気などによる還元性雰囲気としては、H2また
はCOを含む還元性気体を用いることが好ましい。ま
た、光ファイバのガラス表面でのOH基及び過剰O2
充分に低減可能な還元性を有するものであれば、上記以
外の還元性気体を用いても良い。
【0030】図2は、加熱処理後の光ファイバの破断強
度について示すグラフである。ここで、横軸は光ファイ
バの破断強度(GPa)、縦軸は累積破断確率(%)を
示しており、測定による各データ点は、その破断強度に
おいて何%の光ファイバが破断するかを示している。ま
た、データ測定は、各条件に対してそれぞれ10本の光
ファイバを用いて行った。
【0031】各データのうち、黒丸で示されている破断
データAは、加熱処理を行っていない初期状態での光フ
ァイバの破断強度を示している。一方、白丸で示されて
いる破断データB、C、Dは、加熱処理を行った後の破
断強度を示している。なお、破断データB、C、Dで
は、加熱処理の温度及び時間については、図1に示した
加熱処理に関して上述した加熱条件を適用し、同一の加
熱条件によって加熱処理を行っている。
【0032】破断データBは、加熱処理雰囲気として還
元性雰囲気を用いない従来の加熱処理方法によるもので
あり、大気雰囲気中において加熱処理を行っている。ま
た、破断データCは、破断データBと同様の条件で加熱
処理を行った後、フッ酸を用いて光ファイバのガラス表
面を数μm程度エッチング処理したものである。一方、
破断データDは、上述した実施形態の加熱処理方法を用
いた本発明の実施例によるものである。この破断データ
Dでは、加熱処理の雰囲気として還元性雰囲気であるC
Oガス雰囲気を用いている。
【0033】このとき、初期ファイバの破断データAで
は、約5GPaの破断強度が得られているのに対して、
加熱処理後においては、大気雰囲気中で加熱処理を行っ
た従来例1の破断データBでは、破断強度は1GPaを
大きく下回っている。また、加熱処理後にエッチング処
理によるガラス表面の欠陥除去を行った従来例2の破断
データCにおいても、同様に破断強度は若干改善されて
いるものの1GPaを下回っている。一方、本発明の実
施例による破断データDでは、初期ファイバに比べれば
破断強度が低下しているが、加熱処理時の雰囲気を還元
性を有するCOガス雰囲気とすることによって、破断強
度は1GPa以上に保たれ、加熱処理による光ファイバ
の機械的強度の低下が大きく抑制されていることがわか
る。破断データB、C、Dでの50%破断強度は、破断
データBで約0.3GPa、破断データCで約0.8G
Pa、本発明による破断データDで約2.0GPaであ
る。
【0034】ここで、光ファイバの融着接続時にも光フ
ァイバが加熱されるが、融着接続における加熱はモード
フィールド径などの光学特性の調整のための加熱処理と
比較して充分に短時間である。したがって、光ファイバ
に傷をつけない取り扱い方法や放電加熱条件の調整によ
って、平均破断強度を2〜3GPa程度(ファイバ径1
25μmで3kg程度)まで向上させることが可能であ
る。これに対して、光学特性調整のための加熱の場合、
加熱処理時間が比較的長時間となるので、上述したよう
な還元性雰囲気が強度低下を抑制するために効果的であ
る。なお、融着接続時に塩素−水素火炎を用いてOH基
による破断強度低下を抑制することについて、文献 Ele
c. Lett. Vol.17 (1981) pp.812-813 に記載がある。
【0035】本発明による光ファイバの加熱処理方法
は、上記した実施形態に限られるものではなく、用いる
処理装置の構成や処理条件等について様々な変形及び変
更が可能である。図3は、光ファイバの加熱処理方法の
他の実施形態について概略的に示す正面断面図である。
【0036】本実施形態においては、光ファイバの加熱
処理に加熱用光源であるレーザ41を用いている。レー
ザ41から出力された光は集光レンズ42を介して集光
されつつガスパージ箱30内に入射され、ガラス露出部
分10の光ファイバ11に照射されて光ファイバ11の
加熱が光学的に行われる。ガスパージ箱30内の雰囲気
については、上記した実施形態と同様である。
【0037】このような光学的手段による加熱の場合、
光ファイバ11の加熱処理に用いられる光としては波長
5μm以上の光を用いることが好ましい。波長5μm以
上の光はSiO2系ガラスによる吸収効率が非常に高
く、したがって、SiO2系ガラスからなる光ファイバ
を効率的に加熱することができる。そのような加熱用光
源としては、例えば波長10.6μmの光を出力するも
のなどのCO2レーザ、あるいは波長5.1μmなどの
COレーザなどを用いることができる。
【0038】なお、加熱処理に関しては、図1に示した
抵抗加熱を利用した電気抵抗炉や、図3に示したレーザ
などの加熱用光源に限らず、誘導加熱を利用した電気誘
導炉などを用いても良い。これらの電気炉や加熱用光源
を用いた加熱方法においては、加熱処理時における光フ
ァイバ11の雰囲気の調整が容易であり、機械的強度低
下の抑制を好適に実現することができる。ただし、酸素
が含まれないバーナの火炎による加熱方法(Cl2/H2
火炎、F2/H2火炎など)などを用いた場合において
も、上記のように加熱処理雰囲気を還元性雰囲気とする
ことによって加熱処理による強度低下の抑制を実現する
ことが可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明による光ファイバの加熱処理方法
は、以上詳細に説明したように、次のような効果を得
る。すなわち、SiO2系ガラスからなる光ファイバの
光学特性を調整するための加熱処理において、加熱処理
を行う際の光ファイバ周辺の雰囲気として、還元性雰囲
気を用いる。これによって、ガラス表面のOH基及びO
2を減少させて加熱処理時において発生される欠陥の原
因となるOH基の発生及び拡散、O2の溶解などを低減
することができ、したがって、加熱処理による光ファイ
バの機械的強度の低下が抑制される。
【0040】加熱処理による光ファイバの光学特性調整
としては、例えばモードフィールド径の異なる光ファイ
バの融着接続後に行われるモードフィールド径の調整が
ある。近年、光伝送路に求められるいくつかの特性条件
を満たす伝送路を構成するためにそのような光ファイバ
接続の必要性は高まっている。これに対して、上記した
加熱処理方法を適用することによって、接続部における
接続損失が低減されると同時にケーブル化後における破
断強度が向上された光ファイバ伝送路が実現される。
【0041】また、光ファイバの接続以外の加工工程に
おいても、同様に加熱によるモードフィールド径などの
光学特性調整が必要となることが考えられ、それらの工
程においても上記した加熱処理方法を適用することによ
って、加熱処理後の光ファイバ伝送路または光ファイバ
部品の機械的強度を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバの加熱処理方法の一実施形態につい
て概略的に示す(a)正面断面図、及び(b)側面断面
図である。
【図2】加熱処理後の光ファイバの破断強度について示
すグラフである。
【図3】光ファイバの加熱処理方法の他の実施形態につ
いて概略的に示す正面断面図である。
【符号の説明】
1…被覆光ファイバ、10…ガラス露出部分、11…光
ファイバのガラス部、12…被覆、30…ガスパージ
箱、31…炉心管、31a…開口部、32…ヒータ、3
2a…電源ケーブル、33…断熱材、34…ガス供給
口、35…排気口、41…レーザ、42…集光レンズ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 知己 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 2H036 MA12 MA14 MA16 MA17 2H038 CA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2系ガラスからなる光ファイバに
    対して加熱処理を行って光学特性を調整する加熱処理方
    法であって、 前記加熱処理の雰囲気は、還元性雰囲気であることを特
    徴とする光ファイバの加熱処理方法。
  2. 【請求項2】 前記還元性雰囲気は、H2またはCOの
    少なくとも一方を含む雰囲気であることを特徴とする請
    求項1記載の光ファイバの加熱処理方法。
JP33615099A 1999-11-26 1999-11-26 光ファイバの加熱処理方法 Pending JP2001154057A (ja)

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