JP2001153662A - 圧電センサ - Google Patents

圧電センサ

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JP2001153662A
JP2001153662A JP33997899A JP33997899A JP2001153662A JP 2001153662 A JP2001153662 A JP 2001153662A JP 33997899 A JP33997899 A JP 33997899A JP 33997899 A JP33997899 A JP 33997899A JP 2001153662 A JP2001153662 A JP 2001153662A
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vibration
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electrode
piezoelectric
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Takeshi Obayashi
剛 大林
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、2つの振動モードの共振周波数を
一致させることができ、また、各振動モードでの振動状
態を均一化できる圧電センサを提供する。 【解決手段】円板状圧電セラミック基板10の上面の外
周側に振動駆動電極11〜14を、内周側に振動検出電
極15〜18を夫々配置するとともに、圧電セラミック
基板10の下面の中央部に錘部材3を配置して、異なる
2つの振動モードを利用し、角速度の変化によるコリオ
リ力を検出する圧電センサである。前記錘部材3の下端
面の複数箇所に、重量微調整のための凹部または付加突
起部31、32を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は角速度を検出する圧
電センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、圧電センサは、姿勢制御、位
置制御に必要な角速度を検出するものであり、例えばビ
デオカメラの手ぶれ防止や自動車のナビゲーションに多
用されている。そして、機器の小型化、多機能化に伴
い、圧電センサについても小型化、高性能化が希求され
ている。
【0003】1つのセンサで、2つの軸方向の角速度を
検出できるものが望まている。この要望に応えるものと
して、角速度(基本振動に対して発生するコリオリ力)
により基本振動動作の圧電素子に発生する歪みを測定し
て、角速度の変化を求めるセンサが既に提案されてい
る。
【0004】図9は従来の圧電センサの断面構造図であ
り、図10はその平面図である。
【0005】圧電振動体100は、円板状の圧電セラミ
ック基板110と該圧電セラミック基板110上にに形
成された8つの電極111〜118とから構成されてい
る。
【0006】電極111〜118は、図10に示すよう
に、圧電セラミック基板110の内周側領域と外周側領
域に分割され、さらに、圧電セラミック基板110の中
心で直交する2軸の正負方向にそれぞれ分かれて配置さ
れている。
【0007】例えば、内周側領域の4つの電極は、振動
検出電極115〜118であり、外周側領域の側の4つ
の電極は振動駆動電極111〜114である。各電極1
11〜118は、例えば信号側櫛型電極とグランド側櫛
型電極とが円周方向に沿って延び、且つ両櫛型電極が噛
み合うように構成となっている。また、圧電セラミック
基板110は、素子表面で放射方向に分極処理が施され
ている。
【0008】さらに、圧電振動体100の下部の中央に
は、円柱状の錘部材103が貼着されており、また、圧
電振動体100の周辺部には、円筒状固定部材102が
接合されている。
【0009】このような圧電センサにおいて、振動駆動
電極111〜114に駆動信号を供給すると、圧電素子
振動体100に厚み撓み振動が発生し、錘部材103が
縦振動を起こす(基本縦振動モード)。そして、基本縦
振動が発生している状態で圧電センサ100に角速度が
生じると、これによって、コリオリ力が発生する。この
コリオリ力は、縦振動の錘部材103に横方向の振動を
加えるように働き(横振動モード)、その結果、圧電振
動体100に歪みを発生させる。この歪を各々の振動検
出電極部115〜118より検出する。尚、振動検出電
極部115〜118より検出された各々の電荷の強弱を
外部検出回路によって解析することにより、簡単に角速
度の大きさ及びその方向を検出する。
【0010】また、別の構造では、圧電セラミック基板
を金属振動板に貼着して、圧電振動体を構成し、該金属
振動板の下面の中央部に錘部材を接合していた。
【0011】上述の何れの構造であっても、振動検出電
極115〜118から得られる検出信号を感度良く検出
するには、縦振動及び横振動(2つの振動モード)の共
振周波数を互いに一致される必要がある。このため、縦
振動に大きな影響をあたえる錘部材103の質量を、錘
部材103の下端面を除去して調整していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】錘部材103は、42
アロイやステンレスなどで構成されており、錘部材10
3を金属振動板に接合する場合には、その接合部分が比
較的強固であり、錘部材103の下端面の加工が容易で
あった。
【0013】しかし、錘部材103を直接圧電セラミッ
ク基板110上に貼着する構造においては、錘部材10
3の除去加工時、その熱的衝撃、機械的衝撃により、そ
の貼着部分が不安定となる。特に、レーザ加工により除
去した場合、その加工時の熱衝撃による圧電セラミック
基板110の熱膨張係数と錘部材103の熱膨張係数の
差により、両者の貼着部分(例えばエポキシ系の接着部
材)で、剥離が発生してしまうという問題があった。
【0014】さらに、厳密に、検出感度、精度を向上さ
せ、外部解析回路での処理を簡略化するためには、圧電
セラミック基板110上に配置される電極111〜11
8での発生する振動状態または検出振動状態を均一にす
る必要がある。
【0015】従来は、基本縦振動モードと横振動モード
との共振周波数を一致させることはできても、各電極1
11〜118に起因する振動状態の均一化するまで考慮
されていなかった。
【0016】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的は、2つの振動モードの共振周
波数を一致させることは、勿論のこと、振動駆動電極と
検出検出電極による各振動どうし(基本振動モードどう
し及び検出振動モードどうし)の均一化を容易に達成し
得る圧電センサを提供するものである。
【0017】また、別の目的は、圧電セラミック基板と
錘部材との貼着構造にかかわらず、容易に2つの振動モ
ードの共振周波数を一致させることができる圧電センサ
を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
円板状圧電セラミック基板の上面の外周側に振動駆動電
極を、内周側に振動検出電極を夫々配置するとともに、
圧電セラミック基板の下面の中央部に錘部材を貼着して
成り、異なる2つの振動モードを用いて角速度の変化に
よるコリオリ力を検出する圧電センサにおいて、前記錘
部材の下端面の複数箇所に、錘部材の重量を微調整する
ための凹部または付加突起部が形成されていることを特
徴とする圧電センサである。
【0019】本発明の第2の発明は、第1の発明におけ
る振動駆動電極及び振動検出電極は、複数の放射状領域
に分割されている。そして、前記錘部材の下端面の複数
箇所に、錘部材の重量を微調整するための凹部または付
加突起部は、錘部材の下端面の中央部分及び前記分割さ
れた複数の放射状領域に対応する位置のいずれか複数箇
所に形成されている。
【0020】本発明の第3の発明は、前記錘部材の下端
面には、前記複数箇所に対応して半田付着可能な金属膜
が形成されているとともに、前記付加突起部が半田であ
る圧電センサである。
【0021】
【作用】第1の発明によれば、前記錘部材の下端面の複
数箇所に、錘部材の重量を微調整するための凹部または
付加突起部を設けている。従って、錘部材の質量を制御
することができる。これにより、2つの振動モード(基
本縦振動及び横振動)の共振周波数を容易に一致させる
ことができ、これにより、検出出力を感度よく導出する
ことができる。
【0022】また、第2の発明によれば、前記錘部材の
下端面の複数箇所は、圧電セラミック基板に分割されて
形成された各電極に対応する箇所である。従って、中心
点を点対称として対向する電極間で振動状態の違いを、
前記錘部材の下端面の所定箇所に一方に凹部または付加
突起部を設けることにより、各電極間での振動状態の違
いを解消できる。また、隣接しあう電極間で振動状態を
制御する場合においても、それに対応する前記錘部材の
下端面の複数箇所のうちそれに対応する箇所の一方に凹
部または付加突起部を設けることにより、両電極間での
振動状態の制御できる。
【0023】これより、例えば基本駆動振動や検出振動
を均一化させることができ、これより、角速度の変化に
よって生じる検出電圧を感度よく、また、精度を高く検
出でき、しかも、外部解析回路の構成を簡略化すること
ができる。
【0024】また、第3の発明では、錘部材の下端面の
複数箇所には、半田付着可能な金属膜が形成されてい
る。そして、この複数箇所の金属膜の任意の箇所に、付
加突起部として半田が付加されている。即ち、除去のよ
うに錘部材に過度の熱衝撃や機械的な衝撃が加わらない
ため、錘部材と圧電振動体の接合部分に両者の熱膨張係
数の差による応力が集中することはない。このため、錘
部材と圧電振動体の貼着構造が、異種材料どうしである
錘部材と圧電セラミック基板であっても強固な貼着状態
が維持できる。しかも、半田付着領域を金属膜によって
規制することができ、錘部材の重量を非常に容易に、且
つ確実に微調整することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の圧電センサを図面
に基づいて詳説する。
【0026】図1は、本発明の圧電センサの断面構造図
であり、図2は圧電センサの平面図である。図3は圧電
基板の表面側電極の構造を示す1/4部分の平面図であ
る。
【0027】圧電センサは、圧電振動体1、円筒状固定
部材2、錘部材3とから構成されている。尚、図1〜3
は、錘部材3の下端面に複数の付加突起部31、32を
形成した状態を示す。
【0028】圧電振動体1は、PZT(チタン酸ジルコ
ン酸鉛)、PT(チタン酸鉛)、BT(チタン酸バリウ
ム)等の円板状の圧電セラミック材料、圧電性単結晶基
板からなる圧電基板10と各電極11〜18とから構成
されている。尚、圧電基板10にセラミック材料を用い
る場合には、初期状態において、基板10に縦振動が発
生するように分極処理(分極方向)及び電極構造が設定
されている。例えば、電極の構造が円周方向と平行にな
るように櫛型電極を形成した場合に、その分極処理は、
圧電基板1の中心点から放射状の方向となる。
【0029】また、圧電基板1の表面に形成された電極
11〜18は、図2に示すように、内周側領域と外周側
領域の二重領域を有しており、さらに、夫々の内周側領
域及び外周側領域が4分割されている。例えば、図2に
おいて、圧電基板10の右上領域(第1象限という)の
外周側には振動駆動電極11が被着形成され、内周側に
は振動検出電極15が被着形成されている。図2におい
て、圧電基板10の左上領域(第2象限という)の外周
側には振動駆動電極12が被着形成され、内周側には振
動検出電極16が被着形成されている。図2において、
圧電基板10の左下領域(第3象限という)の外周側に
は振動駆動電極13が被着形成され、内周側には振動検
出電極17が被着形成されている。図2において、圧電
基板10の右下領域(第4象限という)の外周側には振
動駆動電極14が被着形成され、内周側には振動検出電
極18が被着形成されている。
【0030】各振動電極11〜14は、駆動電極の信号
側櫛型電極11a〜14a、グランド側櫛型電極11b
〜14bから成り、両櫛型電極11a〜14a、11b
〜14bが互いに噛み合う構成となっている。尚、両櫛
型電極11a〜14a、11b〜14bの延出方向は、
円周方向に沿って延びている。
【0031】各検出電極15〜18は、検出電極の信号
側櫛型電極15a〜18a、グランド側櫛型電極15b
〜18bから成り、両櫛型電極15a〜18a、15b
〜18bが互いに噛み合う構成となっている。尚、両櫛
型電極15a〜18a、15b〜18bの延出方向は、
円周方向に沿って延びている。
【0032】このように、外周領域に振動駆動電極11
〜14を配置するのは、圧電セラミック基板10の振動
領域の直径を大きくして、圧電セラミック基板10の基
本振動(基板の厚み方向の撓み振動)を大きくするため
である。
【0033】また、外周領域の振動駆動電極11〜14
と、内周領域の振動検出電極15〜18との間には、複
数、例えば2本の配線パターン19a、19bから構成
されるグランド電位配線導体19が配置されている。
【0034】以上の構成は、図3〜4の第1象限部分の
みを示す構造を示している。尚、図5は、振動駆動電極
11と振動検出電極15との間は、2本の配線パターン
19a、19bから構成されるグランド電位配線導体1
9が配置されていて、この2つに挟まれた領域は、未分
極領域4である。
【0035】図3〜図4の振動駆動電極11と検出駆動
電極15において、両電極11、15のグランド側櫛型
電極11b、15bどうしは共通導体膜を介して接続さ
れており、外周側領域の振動駆動電極11の外部にグラ
ンド電極パッド11dが形成されている。また、同時
に、振動駆動電極11の信号側櫛型電極11aの一部
は、振動駆動電極11の外部に入力側電極パッド11c
が形成されている。同時に、振動駆動電極15の信号側
櫛型電極15aの一部は、振動駆動電極11の外部に延
出されて、出力側電極パッド15cと接続されている。
このグランド電極パッド11d、出力側電極パッド15
cに接続する導体膜は、4分割された電極11〜14、
15〜18との間の間隙に形成されている。
【0036】また、外周領域側の振動駆動電極11のう
ち、最も内周側に位置する櫛型電極がグランド電位の櫛
型電極となっている。内周領域側の振動検出電極15の
うち、最も外周に位置する櫛型電極がグランド電位の櫛
型電極となっている。
【0037】これより、外周領域側の振動駆動電極11
と内周領域側の振動検出電極15との間に、2本のグラ
ンド電位の櫛型電極によるグランド電位の配線パターン
19a、19bとなっている。
【0038】尚、入力側電極パッド11c及びグランド
電極パッド11dは外部駆動回路に、出力側電極パッド
15及びグランド電極パッド11dは外部検出回路にボ
ンディングワイヤやリード線を介して接続している。そ
して、各電極11〜14の信号側櫛型電極11a〜14
aは、互いに同期して、その極性が「正」、「負」とな
る。
【0039】この櫛型電極11a〜14a、11b〜1
4b、15a〜18a、15b〜18bの電極幅30〜
100μmであり、電極間幅は30〜100μmで設計
されている。電極材質は金、銀または銅から成り、形成
方法はスクリーン印刷またはフォトエッチングまたは転
写印刷で形成される。
【0040】ここで、圧電セラミック基板10の分極処
理は、圧電セラミック基板10の表面の各櫛型電極11
a〜14a、11b〜14b、15a〜18a、15b
〜18bを利用して行う。即ち、分極処理されていない
圧電セラミック基板10上に振動駆動電極11〜14、
振動検出電極15〜18、グランド電位配線導体(配線
パターン19a、19b)19を形成し、その後分極処
理を行う。従って、この振動検出電極11〜14、振動
検出電極15〜18を用いて分極処理しても、実質的に
複数のグランド電位の配線パターン間19a、19bの
領域4は、分極のための電圧が印加さず、未分極領域4
となる。
【0041】このように、振動駆動電極11と振動検出
電極15との間に、グランド電位の配線導体19を配置
することにより、振動駆動電極11と振動検出電極15
との間に発生する電気的なノイズ及び振動そのもののノ
イズも低減している。
【0042】本発明は、圧電セラミック基板10下面の
中心部に貼着した円柱状の錘部材3の下端面に、複数の
錘部材3自身の質量を減少させるための凹部または錘部
材3の質量を増加させるための付加突起部が形成されて
いる。
【0043】図1においては、円柱状の錘部材3の下端
面に、複数の錘部材3の質量を増加らせる付加突起部3
1、32が被着されている。
【0044】このような構造において、上述の入力側電
極パッド11c及びグランド電極パッド11dに、外部
駆動回路より駆動信号を供給する。これにより、各電極
11〜14の信号側櫛型電極11a〜14aは、互いに
同期して、極性が「正」、「負」となる。これより、圧
電セラミック基板10は、基板の厚み方向に撓む方向の
振動が発生し、その結果、錘部材3を含む圧電セラミッ
ク基板10は、基本縦振動を起こす。この状態で所定角
速度が加わると、基本縦振動に対して垂直方向にコリオ
リ力が作用し、圧電セラミック基板10に横振動が発生
する。そして、この基本縦振動モードと横振動モードが
合成されて、圧電セラミック基板10に歪みが生じ、そ
の結果、歪みの発生方向、歪みの大きさに対応した電荷
が検出振動電極15〜18の所定電極から導出されるこ
とになる。
【0045】そして、夫々の検出振動電極15〜18か
ら導出された電荷を外部解析回路で処理することによ
り、角速度の大きさ、その方向を検出することができ
る。
【0046】本発明においては、縦振動モードの共振周
波数と横振動の共振周波数を一致させるように、錘部材
に付加突起部31、32を被着している。
【0047】例えば、錘部材3に付加付加突起部31、
32を被着していない圧電センサにおける基本振動であ
る縦振動モードの共振周波数と検出時に影響する横振動
の共振周波数とを調べると、図5(a)に示すように、
縦振動モードの共振周波数が横振動の共振周波数が低い
周波数に位置している。尚、図5(a)において、点A
は縦振動モードの共振周波数であり、点Bは横振動モー
ドの共振周波数である。このような状態の圧電センサに
おいて、錘部材3に付加付加突起部31、32を被着す
ることにより、例えば、図5(b)に示すように縦振動
モードの共振周波数と横振動モードの共振周波数とを容
易に一致させることができる。
【0048】これは、圧電センサにおける駆動振動電極
11〜14の直径の形状、錘部材3の質量などよって、
縦振動モードの共振周波数や横振動モードの共振周波数
を制御するすることができるが、特に、錘部材3の質量
を付加突起部31、32の付加により、横振動モードの
共振周波数を低減でき、これによって、上述のように縦
振動モードの共振周波数と横振動モードの共振周波数と
を容易に一致させることができる。
【0049】逆に、錘部材3の下端面に凹部を形成し、
錘部材3の質量を減少させると、横振動モードの共振周
波数を上昇させることができる。
【0050】尚、圧電セラミック基板10における振動
駆動電極11〜14の形状(直径)や圧電セラミック基
板10の基板の厚みなどによって、両振動モードの共振
周波数が変動するために、実際に両振動モードを測定し
て、錘部材3に対する凹部による質量減少量、付加突起
部31、32による質量増加量を決定する。
【0051】本発明者は、両振動モードの共振周波数の
相違による出力電圧の関係を調べた。その結果、図6に
示すように、両共振周波数のずれ率が大きくなると、出
力電圧が低下することが判る。しかも、その関係が反比
例の関係となるため、両振動モードにおける共振周波数
の一致が非常に重要となる。
【0052】このように、錘部材3の下端面に、凹部を
形成し質量減少処理または付加突起部31、32を形成
して質量増加処理を行うことにより、両共振周波数を一
致させることができ、高い感度の出力電圧が得られるこ
とになる。
【0053】また、本発明では、錘部材3の下端面にお
ける箇所を複数箇所にわけて、その箇所を選択的に凹部
または付加突起部31、32を形成している。
【0054】これは、圧電セラミック基板10上に形成
したお互い対向する領域の電極、例えば、電極11、1
5と電極13、17や電極12、16と電極14、18
やさらに隣接しあう電極、例えば電極11、15と電極
12、16や電極11、15と電極14、18に起因す
る基本縦振動や横振動の検出によるばらつきや圧電セラ
ミック基板1と錘部材3との補正、防止するものであ
る。
【0055】図7は、圧電セラミック基板10の各電極
11、15〜14、18を各領域に分けて示している。
例えば、電極11、15を例えば、第1の領域X1、電
極12、16を例えば、第2の領域Y1、電極13、1
7を例えば、第2の領域X2、電極14、18を例え
ば、第2の領域Y2で示している。
【0056】また、図8は、錘部材3の下端面の複数箇
所を示している。即ち、図において、圧電セラミック基
板10の4つの電極領域に対応して、4つの箇所X’
1、Y’1、X’1、Y’1、及び1つの中央部分の箇
所Zに分けられている。尚、中心部分の箇所Zは、各電
極領域に対応せずに錘部材3の全体の質量の増減を補正
する際に用いる。圧電振動体1の特性と、圧電セラミッ
ク基板10、電極11〜18の寸法などによっても異な
るが、例えば、圧電セラミック基板10の直径が9m
m、厚みが500μmにおいて、錘部材3の重量変化1
gの負荷によって,その部分の共振周波数が141Hz
変化する。
【0057】そして、例えば、第1の領域X1の電極1
1、15と第3の領域X2の電極12、16のバラツキ
により、例えば、第1の領域X1の共振周波数が低い場
合、錘部材3の下端面の対応箇所X’1に凹部を形成
し、この領域における質量を偏って減少させたり、錘部
材3の下端面の対応箇所X’2に付加突起部32を形成
し、この領域における質量を偏って増加させる。
【0058】また、第1の領域X1の電極11、15と
第3の領域X2の電極12、16のバラツキにより、例
えば、第1の領域X1の共振周波数が高い場合、錘部材
3の下端面の対応箇所X’1に付加突起部32を形成
し、この領域における質量を偏って増加させたり、錘部
材3の下端面の対応箇所X’2に凹部を形成し、この領
域における質量を偏って減少させる。
【0059】上述はx軸上に位置する電極11、15と
13、17の関係である。同様に、y軸上に位置する電
極12、16と14、18においても、同様に、錘部材
3の下端面の対応箇所Y’1やY’2に凹部や付加突起
部32を形成し、この領域における質量を偏って減少、
増加させる。
【0060】また、錘部材3の下端面においける中央部
分Zにおいては、上述したのように、基本縦振動の共振
周波数と横振動の共振周波数を調整するために、主に付
加突起部31や凹部を形成し、全体の質量を調整するた
めに用いられる。
【0061】上述の錘部材3の下端面の各箇所における
質量の調整においては、例えば、振動駆動電極11と振
動駆動電極13とにのみ標準駆動信号を供給し、そのバ
ラツキ状況をモニターリングして、また、振動駆動電極
12と振動駆動電極14とにのみ標準駆動信号を供給
し、そのバラツキ状況をモニターリングする。このよう
にして、選択された所定電極11〜14、15〜18に
標準駆動信号を供給し、圧電振動体1の振動状況をモニ
タリングして、錘部材3の下端面の所定箇所に、凹部や
付加突起部32を形成する。
【0062】尚、錘部材3の質量減少調整方法は、箇所
X’1〜Y’2、Zの必要箇所に、例えば、金属加工で
一般的なレーザー照射による加工、切削加工工具による
加工などを施す。ここで注意点は、錘部材3と圧電セラ
ミック基板10との接合貼着部分が、このような加工時
に発生する熱衝撃や機械的衝撃により、貼着部分が剥離
しないようにすることである。
【0063】また、錘部材3の質量増加調整方法は、箇
所X’1〜Y’2、Zの必要箇所に、付加突起部31、
32としては例えば半田などが例示できる。錘部材3の
各箇所X’1〜Y’2、Zに対応させて、半田付着性の
良好な金属、例えばNiメッキ、部分メッキ層34を施
しておく。なお、この場合、錘部材3自身を半田接合が
困難な材料であればよい。
【0064】このようにすれば、溶融半田を滴下しても
所定箇所のみに半田の付加突起部31、32を形成する
ことができる。また、所定重量の半田ボールをメッキ層
上に載置し、加熱処理しても、所定領域のみに半田が付
着することになる。
【0065】即ち、このような処理により、質量の減
少、増加の処理(凹部の形成、付加突起部31、32の
形成)が、選択した箇所に確実に形成することができ、
圧電振動体1の振動状態の調整が容易となる。
【0066】上述の圧電セラミック基板に直接錘部材3
を貼着した構造で示しているが、従来のように、圧電セ
ラミック基板を金属振動板に貼着し、この金属振動板の
下面に錘部材を貼着した圧電振動体を用いても構わな
い。
【0067】また、上述の圧電セラミック基板の電極領
域が、放射状に4分割されているが、例えば8分割、1
6分割の電極領域としても構わない。
【0068】さらに、その電極11〜18の形状につい
て、櫛型電極11a〜18bが互いに噛み合うインター
デジタル形状で説明したが、圧電セラミック基板の分極
方向を考慮して、圧電セラミック基板の両主面に電極を
形成しても構わない。
【0069】
【発明の効果】以下、本発明では、前記錘部材の下端面
の複数箇所に、錘部材の重量を微調整するための凹部ま
たは付加突起部を設けている。従って、錘部材の質量を
制御することができる。これにより、2つの振動モード
(基本縦振動及び横振動)の共振周波数を容易に一致さ
せることができ、検出出力の感度を向上させることがで
きる。
【0070】前記錘部材の下端面の複数箇所に選択的に
凹部または付加突起部を設けている。これより、電極の
形状、錘部材の貼着などによる振動状態のバラツキを解
消できる。角速度の変化によって生じる検出電極を感度
よく、また、精度を高く検出でき、しかも、外部解析回
路の構成を簡略化することができる。
【0071】また、錘部材の下端面の質量調整手段が付
加突起部であり、錘部材と圧電振動体の貼着部分に両者
の熱膨張係数の差による応力が集中することがない。こ
のため、錘部材と圧電振動体の貼着構造が強固な貼着状
態が維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電センサの断面図である。
【図2】本発明の圧電センサの平面図である。
【図3】本発明の圧電センサの電極構造を説明するため
の部分平面図である。
【図4】図3に対応部分の部分断面図である。
【図5】(a)は、錘部材の重量調整前における縦振動
モードの共振周波数と横振動モードの共振周波数との関
係を示す特性図であり、(b)は錘部材の重量調整後の
特性図である。
【図6】基本縦振動モードと横振動モードの共振周波数
のずれ率と出力電圧の関係を示す特性図である。
【図7】圧電セラミック基板の各電極領域を示す平面図
である。
【図8】錘部材の下端面の複数箇所を示す平面図であ
る。
【図9】従来の圧電センサの断面構造図である。
【図10】従来の圧電センサの平面図である。
【符号の説明】
1 ・・・圧電振動体 10・・・圧電セラミック基板 11〜14・・振動駆動電極 15〜18・・振動検出電極 19・・・・・グランド電位の配線導体 2・・・円筒状固定部材 3・・・錘部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板状圧電セラミック基板の上面の外周
    側に振動駆動電極を、内周側に振動検出電極を夫々配置
    するとともに、圧電セラミック基板の下面の中央部に錘
    部材を貼着して成り、異なる2つの振動モードを用いて
    角速度の変化によるコリオリ力を検出する圧電センサに
    おいて、 前記錘部材の下端面の複数箇所に、錘部材の重量を微調
    整するための凹部または付加突起部が形成されているこ
    とを特徴とする圧電センサ。
  2. 【請求項2】 前記振動駆動電極及び振動検出電極は、
    複数の放射状電極領域に分割されており、且つ前記凹部
    または付加突起部は、前記錘部材の下端面の中央部分及
    び前記電極領域に対応する複数箇所のいずれかの箇所に
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の圧電セ
    ンサ。
  3. 【請求項3】 前記錘部材の下端面には、前記複数箇所
    に対応して半田付着可能な金属膜が形成されているとと
    もに、前記付加突起部が半田であることを特徴とする請
    求項2記載の圧電センサ。
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