JP2001153142A - 複層円筒巻き軸受並びにその製造方法 - Google Patents

複層円筒巻き軸受並びにその製造方法

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JP2001153142A
JP2001153142A JP33401199A JP33401199A JP2001153142A JP 2001153142 A JP2001153142 A JP 2001153142A JP 33401199 A JP33401199 A JP 33401199A JP 33401199 A JP33401199 A JP 33401199A JP 2001153142 A JP2001153142 A JP 2001153142A
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Akiyoshi Sugafuji
昭良 菅藤
Yasuhiro Shirasaka
康広 白坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 突き合せ端部に開きを生ずることなく、大量
生産に好適な複層円筒巻き軸受並びにその製造方法を提
供すること。 【解決手段】 複層円筒巻き軸受16は、鋼板11と該
鋼板11上に一体に被着形成された多孔質金属焼結層1
2と該多孔質金属焼結層12に含浸被覆された合成樹脂
すべり層13とからなる複層板素材10が合成樹脂すべ
り層13を内側にして円筒状に捲回されており、該円筒
状に捲回された複層板素材10の突き合せ端部14及び
14は互いに当接せしめられていると共にその外面がY
AGレーザ溶接されて一体に互いに接合せしめられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複層円筒巻き軸受
並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板上に摺動材が一体に被着形成された
複層軸受素材から所定長さのブランク材を形成し、該ブ
ランク材を該摺動材側を内側にして円筒状に捲回するこ
とによって得られる複層からなる円筒巻き軸受は、各種
用途に広く用いられている。
【0003】しかしながら、ブランク材を単に円筒状に
捲回することによって得られる複層円筒巻き軸受は、該
ブランクを形成する材料の弾性(スプリングバック)に
よって突き合せ端部が開くという欠点がある。この突き
合せ端部の開きは、例えば軸受のハウジングへの挿入
ないし圧入を困難にする、ハウジングへの挿入ないし
圧入後、往々にして突き合せ端部が当接せず、該軸受の
真円度が得られ難い、などの不具合を生ずる虞がある。
【0004】また、複層円筒巻き軸受の外周面に合成樹
脂又はゴム弾性体を一体成形して複合部材化する場合に
おいては、往々にして突き合せ端部に合成樹脂又はゴム
弾性体が流入して軸受の真円度を損なうという不具合を
生ずる虞がある。
【0005】上述した不具合に鑑み、突き合せ端部の開
きを防止する複層円筒巻き軸受の製造方法が、例えば米
国特許第2177584号明細書、米国特許第2283
918号明細書、特公昭44−20681号公報、特開
昭63−303218号公報などに開示されている。米
国特許第2177584号明細書には、図9及び図10
に示すように、短冊状の軸受素材1の一方の突き合せ端
部2に凸部4を、他方の突き合せ端部3に凹部5を形成
し、これを円筒状に捲回すると共に該凹部5に凸部4を
嵌合させ、凹部5の開口部6を凸部4の首部7に合わせ
ることによって該凹部5と凸部4とを噛合わせ、突き合
せ端部2及び3に開きを生ずることのない複層円筒巻き
軸受8の製造方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した短冊状の軸受
素材1の突き合せ端部2及び3に凹凸部5及び6を形成
し、該凹凸部5及び6を嵌合することにより、突き合せ
端部2及び3に開きを生ずることのない複層円筒巻き軸
受8を得ることができるが、突き合せ端部2及び3に凹
凸部5及び6を形成する際に生ずる端材など、材料歩留
まりを考慮すると上述した製造方法は好ましい方法とは
いい難い。
【0007】本発明は上述した点に鑑みなされたもの
で、特に材料歩留まりを考慮し、突き合せ端部に開きを
生ずることなく、大量生産に好適な複層円筒巻き軸受並
びにその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明の第一の態様の複層円筒巻き軸受は、鋼板と
該鋼板上に一体に被着形成された多孔質金属焼結層と該
焼結層の孔隙及び表面に含浸被覆された合成樹脂すべり
層とからなる複層板素材が該合成樹脂すべり層を内側に
して円筒状に捲回されており、該円筒状に捲回された複
層板素材の突き合せ端部は互いに当接せしめられている
と共に該突き合せ端部の外面がYAGレーザ溶接されて
一体に互いに接合せしめられている。
【0009】第一の態様の複層円筒巻き軸受によれば、
円筒状に捲回された複層板素材の突き合せ端部は互いに
当接せしめられていると共に該突き合せ端部の外面がY
AGレーザ溶接されて一体に互いに接合せしめられてい
るので、当該突き合せ端部に開きを生ずることはない。
【0010】本発明の第二の態様の複層円筒巻き軸受の
製造方法は、鋼板と該鋼板上に一体に被着形成された多
孔質金属焼結層と該焼結層の孔隙及び表面に含浸被覆さ
れた合成樹脂すべり層とからなる長尺帯状の複層板素材
を用意する工程と、該複層板素材をロールフォーミング
手段によりその長手方向に沿って、その幅方向側から順
次円筒状に捲回する工程と、該円筒状に捲回した複層板
素材の突き合せ端部を互いに当接させると共にその外面
に長手方向に沿ってYAGレーザ溶接を施し、当該当接
部を一体に互いに接合して長尺の複層円筒管を形成する
工程と、該複層円筒管を所望の長さ寸法に切断して複層
円筒巻き軸受を形成する工程と、からなる。
【0011】本発明の第二の態様からなる複層円筒巻き
軸受の製造方法によれば、長尺帯状の複層板素材をロー
ルフォーミング手段によりその長手方向に沿って、その
幅方向側から順次円筒状に捲回して突き合せ端部を互い
に当接させると共にその外面に長手方向に沿ってYAG
レーザ溶接を施し、当該当接部を一体に互いに接合して
長尺の複層円筒管を形成した後、該複層円筒管を所望の
長さ寸法に切断して複層円筒巻き軸受を形成するもので
あり、複層板素材に端材を生ずることなく材料歩留まり
を向上させることができる。また、長尺帯状の複層板素
材を短時間で複層円筒管に形成することができ、該複層
円筒管を所望の長さ寸法に切断することにより複層円筒
巻き軸受を得ることができるので、大量生産に好適であ
る。
【0012】本発明の第三の態様の複層円筒巻き軸受の
製造方法は、鋼板と該鋼板上に一体に被着形成された多
孔質金属焼結層と該焼結層の孔隙及び表面に含浸被覆さ
れた合成樹脂すべり層とからなる長尺帯状の複層板素材
を用意する工程と、該複層板素材をロール曲げ手段によ
りその幅方向側から順次円筒状にロール曲げ加工する工
程と、該円筒状に曲げ加工した複層板素材の突き合せ端
部を互いに当接させると共にその外面に長手方向に沿っ
てYAGレーザ溶接を施し、当該当接部を一体に互いに
接合して長尺の複層円筒管を形成する工程と、該複層円
筒管を所望の長さ寸法に切断して円筒軸受を形成する工
程と、からなる。
【0013】本発明の第三の態様からなる複層円筒巻き
軸受の製造方法によれば、長尺帯状の複層板素材をロー
ル曲げ手段によりその幅方向側から順次円筒状にロール
曲げ加工し、該円筒状に曲げ加工した複層板素材の突き
合せ端部を互いに当接させると共にその外面に長手方向
に沿ってYAGレーザ溶接を施し、当該当接部を一体に
互いに接合して長尺の複層円筒管を形成した後、該複層
円筒管を所望の長さ寸法に切断して複層円筒巻き軸受を
形成するものであり、複層板素材に端材を生ずることな
く材料歩留まりを向上させることができる。また、長尺
帯状の複層板素材を短時間で複層円筒管に形成すること
ができ、該複層円筒管を所望の長さ寸法に切断すること
により複層円筒巻き軸受を得ることができるので、大量
生産に好適である。
【0014】本発明の第四の態様の複層円筒巻き軸受の
製造方法は、第二又は第三の態様の複層円筒巻き軸受の
製造方法において、複層円筒管を所望の長さ寸法に切断
して得られる円筒軸受にサイジング又は据え込み加工を
施すものである。
【0015】本発明の第四の態様の複層円筒巻き軸受の
製造方法によれば、円筒軸受にサイジング又は据え込み
加工を施すことにより、内、外径寸法に関して、より寸
法精度の高い複層円筒巻き軸受とすることができる。
【0016】本発明の第五の態様の複層円筒巻き軸受の
製造方法は、第二から第四のいずれかの態様の複層円筒
巻き軸受の製造方法において、少なくとも該焼結層の表
面の合成樹脂すべり層に溶融を生じさせない程度に、突
き合せ端部の外周面にYAGレーザ溶接を施すものであ
る。
【0017】本発明の第五の態様の複層円筒巻き軸受の
製造方法によれば、YAGレーザ溶接によっても、合成
樹脂すべり層に溶融等の影響が生じないために、内径寸
法に関して、より寸法精度の高い複層円筒巻き軸受とす
ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に本発明及びその実施の形態
を、図に示す好ましい例を参照して説明する。なお、本
発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0019】図1は本例の長尺帯状の複層板素材10の
斜視図を示し、図2は図1のII−II線矢視断面図を
示す。図1及び図2において、本例の複層板素材10
は、鋼板11と該鋼板11上に一体に被着形成された多
孔質金属焼結層12と該多孔質金属焼結層12に含浸被
覆された合成樹脂すべり層13とからなる。
【0020】上述した構成からなる複層板素材10にお
いて、鋼板11は一般構造用圧延鋼板が使用される。
【0021】多孔質金属焼結層12は、青銅、鉛青銅、
リン青銅などの摩擦摩耗特性に優れた銅合金から形成さ
れるが、目的、用途に応じ、銅合金以外、例えばアルミ
ニウム合金、鉄などから形成してもよい。多孔質金属焼
結層12を形成する金属粉末は、球状、塊状、不規則形
状のものが適宜使用され、その粒度は、80メッシュの
篩を通過するが、350メッシュの篩を通過しない程度
のものが好ましい。多孔質金属焼結層12の厚さは、約
0.10〜0.40mm、特には0.20〜0.30m
mであることが好ましく、多孔度は、約10容積%以
上、特には15〜40容積%であることが好ましい。
【0022】多孔質金属焼結層12の孔隙及び表面に含
浸被覆されてすべり層13を形成する合成樹脂として
は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂を主
成分とし、これに鉛、錫、鉛錫合金などの軟質金属粉
末、黒鉛、二硫化モリブデンなどの固体潤滑材粉末、ポ
リイミド樹脂などの合成樹脂粉末からなる充填材を含有
した樹脂組成物、又はポリアセタール樹脂あるいはポリ
アセタール樹脂に潤滑油剤を含有した含油ポリアセター
ル樹脂などが好適なものとして例示される。
【0023】図3は本例の第一の態様であるロールフォ
ーミング手段による複層円筒巻き軸受の製造方法を示す
もので、コイル状に巻かれた長尺帯状の複層板素材10
は合成樹脂すべり層13を上方に向けて成形装置20に
送られる。長尺帯状の複層板素材10は成形装置20に
その長手方向に配列された複数個の曲げ加工ロール21
において、長手方向に沿ってその幅方向側から順次曲げ
加工が施される。
【0024】上記複数個の曲げ加工ロール21を通過さ
せることにより、図4(a)ないし(e)に示すよう
に、複層板素材10が合成樹脂すべり層13を内側にし
て順次円弧状に成形されて、最終工程(図4(f))に
おいて突き合せ端部14及び14が互いに当接した複層
円筒管15に成形される。ついで、複層円筒管15の突
き合せ端部14及び14の外面にその長手方向に沿って
YAGレーザ溶接を施し、当該複層円筒管15の突き合
せ端部14及び14を一体に互いに接合する。
【0025】図5は、突き合せ端部がYAGレーザ溶接
により一体化された長尺の複層円筒管15を示すもの
で、複層円筒管15を所望の長さ寸法に切断することに
より、図6に示す複層円筒巻き軸受16が得られる。
【0026】図7(a)ないし(f)は、第二の態様で
あるロール曲げ手段による複層円筒巻き軸受の製造方法
を示すものである。このロール曲げ手段においては、長
尺帯状の複層板素材10をその幅方向から曲げ加工する
ために三本ロールを使用する。この三本ロールは、回転
駆動される主ロール30と、これに対向しかつ相互に所
定の間隔を有するように配設された一対の下ロール31
及び32とから構成されており、下ロール31及び32
は各々昇降できるようになっている。
【0027】下ロール31と主ロール30との中心相互
を結ぶ線の位置にまで複層板素材10を合成樹脂すべり
層13を上方に向けて挿入し(図7(a))、下ロール
31を主ロール30側に持ち上げ、この両方のロール3
0及び31によって複層板素材10の端部を挟持する
(図7(b))。次いで、下ロール32を所定位置に持
ち上げて、図7(c)の状態とし、主ロール30並びに
下ロール31及び32の位置によって加工曲率を決定す
る。この状態で主ロール30を回転駆動し、これによっ
て複層板素材10をその回転方向に送り込み、複層板素
材10を図7(d)に示すように曲成する。このとき、
複層板素材10の屈曲点Pは主ロール30の中心と下ロ
ール31の中心とを結ぶ線のごく近傍に位置する。
【0028】この曲げ加工を進行させて複層板素材10
の終端部に近づいた時点で、主ロール30の回転駆動を
一旦停止し、図7(e)に示すように、下ロール31を
降下させる一方、下ロール32を上昇させて、複層板素
材10の終端部の未加工部を主ロール30及び32によ
って挟持し、屈曲点Pを下ロール32側に近づかせると
共に、主ロール30並びに下ロール31及び32の位置
によって加工曲率を決定し、これにより複層板素材10
の終端部の未加工部を曲げ可能な状態にして、再び主ロ
ール30を回転駆動させて、終端部の未加工部を曲げ加
工し、最終的に図7(f)に示すような、曲成された複
層円筒管15を得る。
【0029】次いで、複層円筒管15の突き合せ端部1
4及び14の外面にその長手方向に沿ってYAGレーザ
溶接を施し、当該複層円筒管15の突き合せ端部14及
び14を一体に互いに接合する。
【0030】突き合せ端部14及び14がYAGレーザ
溶接により互いに一体化された長尺の複層円筒管15
(図5参照)を所望の長さ寸法に切断することにより、
複層円筒巻き軸受16が得られる(図6参照)。
【0031】上述した第一及び第二の態様の製造方法に
おいて、複層円筒管15の突き合せ端部14及び14を
一体に互いに接合する手段であるYAGレーザは、動作
媒体に固体であるイットリウム−アルミニウム−ガーネ
ット単結晶にネオジウムを添加した固体を用い、強い光
で励起し、発振させるレーザで、このYAGレーザによ
り溶接一体化した複層円筒管15の突き合せ端部14及
び14の外面、すなわち鋼板11部分は溶け込み量(深
さ)が少なく、内面の合成樹脂すべり層13には当該Y
AGレーザ溶接の影響が及ぼされず、該すべり層13に
溶融等の不具合を生じることはない。
【0032】このことは、次の実験により確認した。厚
さ0.65mmの鋼板の上に青銅からなる厚さ0.3m
mの多孔質金属焼結層を一体に被着形成し、該多孔質金
属焼結層の孔隙及び表面に厚さ0.03mmの合成樹脂
すべり層を形成した複層板素材を用意し、該複層板素材
を使用して前記ロールフォーミング手段によって内径2
0mm、長さ1500mmの複層円筒管を作製した。
【0033】複層円筒管の突き合せ端部を互いに当接さ
せ、当該当接した突き合せ端部の外面に、YAGレーザ
発振器として住友重機械工業社製「JK701H」(型
名)を使用して次の条件でYAGレーザ溶接を施した。
【0034】<溶接条件> 出力:200W パルスエネルギ:2.5ジュール/パルス(J/P) パルス巾:8ミリセカンド(ms) パルス繰り返し数(1秒あたりのパルス発振数):50
ヘルツ(Hz) 照射(溶接)時間:0.11秒/mm
【0035】上記溶接条件で行った複層円筒管の突き合
せ端部の溶け込み量(深さ)は、0.2mmであり、合
成樹脂すべり層には何らの影響も及ぼされなかったこと
を確認した。
【0036】本発明においては、上記第一及び第二の態
様の製造方法で得られた複層円筒巻き軸受に、サイジン
グ又は据え込み加工を施すことにより、複層円筒巻き軸
受の内、外径の寸法精度をさらに高めることができる。
【0037】図8(a)、(b)及び(c)は、据え込
み加工方法を示す部分断面図である。図8(a)におい
て、複層円筒巻き軸受16を円筒状のマンドレル40の
小径部42の周りに嵌挿する。マンドレル40の小径部
42の径は、完成品としての所望の軸受の内径寸法に等
しく、据え込み加工前の複層円筒巻き軸受16の肉厚
は、完成品としての所望の軸受の肉厚よりも若干薄く、
その軸方向の長さは完成品としての所望の軸受の長さよ
りも長い。マンドレル40には肩部41が形成されてお
り、肩部41は、複層円筒巻き軸受16の上端周面と接
触するようになっており、マンドレル40の下方に位置
する円筒状の型50の中央部の孔51に入れ込むことが
できる径を有している。孔51の径は、完成品としての
所望の軸受の外径に等しい。型50には、孔51に加え
て、当該孔51に連通した孔52が中央部に設けられて
おり、マンドレル40の小径部42の下端は孔52の中
へ入り込むことができるようになっている。
【0038】図8(b)において、マンドレル40を下
方に移動して型50の孔51へ入り込ませ、複層円筒巻
き軸受16の下端周面を型50の環状段部53に当接さ
せる。この際、複層円筒巻き軸受16の外面とそれに接
する型50の孔51の面との間には、径方向の環状隙間
Sが生じるようになっている。次いで、マンドレル40
に圧力を加え、図8(c)に示すように型50の孔51
に複層円筒巻き軸受16を更に軸方向に押し込む。軸方
向の押し込み圧は、肩部41を介して複層円筒巻き軸受
16に加えられ、複層円筒巻き軸受16に径方向の塑性
流動を生じさせて、この塑性流動によりマンドレル40
と孔51の面との間の環状隙間Sを充填する。その後、
マンドレル40を型50から抜き取り、内、外径の寸法
精度が高められた複層円筒巻き軸受16をマンドレル4
0から取り外し、完成品としての複層円筒巻き軸受を得
る。
【0039】このように、長尺の複層円筒管15を切断
して得た複層円筒巻き軸受16に、上記の据え込み加工
を施すことにより、内、外径の寸法精度を高めた複層円
筒巻き軸受とすることができる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、複層円筒巻き軸受には
その突き合せ端部がYAGレーザ溶接により一体に互い
に接合されているので、当該突き合せ端部に開きを生じ
ることがない。また、ロールフォーミング手段又はロー
ル曲げ手段を使用し、かつ突き合せ端部をYAGレーザ
溶接により一体化することにより、材料歩留まりを向上
させ、短時間で連続的に大量の複層円筒巻き軸受を製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複層板素材の斜視図である。
【図2】図1のII−II線矢視断面図である。
【図3】ロールフォーミング手段による製造方法の説明
斜視図である。
【図4】ロールフォーミング手段により成形される複層
板素材の曲げ形状を示す正面図である。
【図5】長尺の複層円筒管の斜視図である。
【図6】複層円筒巻き軸受の斜視図である。
【図7】ロール曲げ手段による曲げ工程の説明図であ
る。
【図8】複層円筒巻き軸受の据え込み加工方法の説明断
面図である。
【図9】従来技術の複層円筒巻き軸受を成形するための
素材形状を示す平面図である。
【図10】図9に示す素材を使用して形成した複層円筒
巻き軸受の斜視図である。
【符号の説明】
11 鋼板 12 多孔質金属焼結層 13 合成樹脂すべり層 14 突き合せ端部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板と該鋼板上に一体に被着形成された
    多孔質金属焼結層と該焼結層の孔隙及び表面に含浸被覆
    された合成樹脂すべり層とからなる複層板素材が該合成
    樹脂すべり層を内側にして円筒状に捲回されており、該
    円筒状に捲回された複層板素材の突き合せ端部は互いに
    当接せしめられていると共にその外面がYAGレーザ溶
    接されて一体に互いに接合せしめられていることを特徴
    とする複層円筒巻き軸受。
  2. 【請求項2】 鋼板と該鋼板上に一体に被着形成された
    多孔質金属焼結層と該焼結層の孔隙及び表面に含浸被覆
    された合成樹脂すべり層とからなる長尺帯状の複層板素
    材を用意する工程と、該複層板素材をロールフォーミン
    グ手段によりその長手方向に沿って、その幅方向側から
    順次円筒状に捲回する工程と、該円筒状に捲回した複層
    板素材の突き合せ端部を互いに当接させると共にその外
    面に長手方向に沿ってYAGレーザ溶接を施し、当該当
    接部を互いに一体に接合して長尺の複層円筒管を形成す
    る工程と、該複層円筒管を所望の長さ寸法に切断して円
    筒軸受を形成する工程と、からなる複層円筒巻き軸受の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 鋼板と該鋼板上に一体に被着形成された
    多孔質金属焼結層と該焼結層の孔隙及び表面に含浸被覆
    された合成樹脂すべり層とからなる長尺帯状の複層板素
    材を用意する工程と、該複層板素材をロール曲げ手段に
    よりその幅方向側から順次円筒状にロール曲げ加工する
    工程と、該円筒状に曲げ加工した複層板素材の突き合せ
    端部を互いに当接させると共にその外周面に長手方向に
    沿ってYAGレーザ溶接を施し、当該当接部を互いに一
    体に接合して長尺の複層円筒管を形成する工程と、該複
    層円筒管を所望の長さ寸法に切断して円筒軸受を形成す
    る工程と、からなる複層円筒巻き軸受の製造方法。
  4. 【請求項4】 複層円筒管を所望の長さ寸法に切断して
    得られる円筒軸受にサイジング又は据え込み加工を施す
    請求項2又は3に記載の複層円筒巻き軸受の製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも該焼結層の表面の合成樹脂す
    べり層に溶融を生じさせない程度に、突き合せ端部の外
    周面にYAGレーザ溶接を施す請求項2から4のいずれ
    か一項に記載の複層円筒巻き軸受の製造方法。
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