JP2001152962A - ピストンのシール構造 - Google Patents

ピストンのシール構造

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JP2001152962A JP33427899A JP33427899A JP2001152962A JP 2001152962 A JP2001152962 A JP 2001152962A JP 33427899 A JP33427899 A JP 33427899A JP 33427899 A JP33427899 A JP 33427899A JP 2001152962 A JP2001152962 A JP 2001152962A
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seal structure
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ピストンのコンプレッションリングとして合口
のないピストンリングを備える場合であれ、オイル消費
の悪化を抑制することのできるピストンのシール構造を
提供する。 【解決手段】ピストン10には、リング溝100,20
0,300が設けられ、それら各リング溝にコンプレッ
ションリング110,210、及びオイルリング310
が装着されている。オイルリング310が装着されるリ
ング溝300にはオイルをクランクケースに戻すための
排油孔320が設けられている。オイルリング310
は、その上側サイドレール311の外径が下側サイドレ
ール313の外径よりも小さく形成され、そのシリンダ
20の内壁との間に形成される間隙Cがエキスパンダ3
15を介して排油孔320に連通される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はピストンのシール構
造に関し、詳しくは、合口のないピストンリングを備え
たピストンのシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のピストンにおいては、そのコ
ンプレッションリングとして合口のない樹脂製のピスト
ンリングを使用することが周知である。例えば、特開平
9−280373号公報には、こうした合口のない樹脂
製のピストンリングとして、リング状バネ部材及び、弾
性リングを介して外方向(シリンダボア方向)に押圧さ
れるピストンリングが記載されている。
【0003】このようなピストンリングでは、同ピスト
ンリング自体に合口がないことに加えて、上記リング状
バネ部材により、常時シリンダボア方向に押圧付勢され
ることから、そのシール性も極めて良好なものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、機関ピス
トンのコンプレッションリングとして上記合口のない樹
脂製のピストンリングを用いることにより、そのシール
性能は大幅に向上する。しかし、こうした合口のないピ
ストンリングはオイルかき落とし能力が高いために、同
合口のないピストンリングとその下方に設けられたオイ
ルリングの上側サイドレールとの間にオイルが溜まり易
くなる。一方、シール性能が高いとはいえ、このピスト
ンリングは上記リング状バネ部材等による付勢によって
上記シリンダボア方向に押圧されるものであることか
ら、その下方に設けられたオイルリングとの間に溜まる
オイルの圧力が上記付勢力を超えて高まるような場合に
は、この溜まったオイルが同合口のないピストンリング
の摺動面及び背面を通って燃焼室へ混入し、オイル消費
の悪化を招くおそれがあった。
【0005】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、ピストンのコンプレッションリン
グとして合口のないピストンリングを備える場合であ
れ、オイル消費の悪化を抑制することのできるピストン
のシール構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明は、合口のないピストンリングと、該
合口のないピストンリングのオイルかき落とし方向に設
けられる下部ピストンリングとがそれぞれピストンのリ
ング溝に装着されてなるピストンのシール構造におい
て、前記下部ピストンリングのリング溝には排油孔が形
成されてなり、前記下部ピストンリングには、前記排油
孔に連通する若しくは連通可能な排油補助手段が設けら
れてなることをその要旨とする。
【0007】前述したように、合口のないピストンリン
グはオイルかき落とし能力が高いために、同合口のない
ピストンリングとその下方に設けられた下部ピストンリ
ングとの間にはオイルが溜まり易い。そして、この溜ま
ったオイルが上記合口のないピストンリングの摺動面及
び背面を通って、燃焼室にオイルが混入するおそれがあ
ることも前述した通りである。そこで上記構成によるよ
うに、合口のないピストンリングとその下方に設けられ
た下部ピストンリングとの間に、上記排油補助手段を設
けることとすれば、それら溜まったオイルを確実に排油
孔に排油させることができるようになる。なお、この排
油孔から排油されたオイルは、クランクケース内のオイ
ルパンに回収される。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
した発明において、前記下部ピストンリングは、エキス
パンダを挟んで支持される上側サイドレールと下側サイ
ドレールとを有して構成され、前記排油補助手段は、前
記上側サイドレールと前記合口のないピストンリングと
の間に溜まるオイルを前記排油孔に導く手段として構成
されることをその要旨とする。
【0009】上記構成によれば、上述したオイルの排油
に際して、下部ピストンリングを構成する下側サイドレ
ールが受け口として作用するために、同排油が円滑に行
われるとともに、少なくとも合口のないピストンリング
とこの下側サイドレールとは、シリンダボアに摺接され
る状態が維持されるために、そのシール性能も好適に維
持される。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記排油補助手段は、前記下側サイド
レールよりもその外径が小さく形成された上側サイドレ
ールとシリンダボアとの間の間隙を含んで構成されてな
ることをその要旨とする。
【0011】上記構成によれば、下部ピストンリングを
構成するサイドレールのうちの上側サイドレールについ
てその外径を下側サイドレールよりも小さくするという
簡単な加工により上記排油補助手段を構成することがで
き、その実現も容易である。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項2記載の発
明において、前記排油補助手段は、前記下側サイドレー
ルよりも弾性変形し易い材料にて形成された上側サイド
レールの自在弾性構造を含んで構成されてなることをそ
の要旨とする。
【0013】上記構成によっても、合口のないピストン
リングとその下方に設けられた下部ピストンリングとの
間に溜まったオイルを、容易に上側サイドレールを介し
て排油孔に流入させることができる。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項1記載の
発明において、前記下部ピストンリングは、シリンダボ
ア側に突出される上側レールと下側レールとが断面略
「コ」の字状に一体的に形成されるリング部と該リング
部をシリンダボア側に付勢するコイルエキスパンダとを
有して構成され、前記排油補助手段は、前記下側レール
よりもその外径が小さく形成された上側レールとシリン
ダボアとの間の間隙を含んで構成されることをその要旨
とする。
【0015】上記構成によれば、上述したオイルの排油
に際して、下部ピストンリングを構成する下側レールが
受け口として作用するために、同排油が円滑に行われ
る。また、少なくとも合口のないピストンリングとこの
下側レールとは、シリンダボアに摺接される状態が維持
されるために、そのシール性能も好適に維持される。更
に、下部ピストンリングを構成するレールのうちの上側
レールについてその外径を下側レールよりも小さくする
という簡単な加工により上記排油補助手段を構成するこ
とができ、その実現も容易である。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項1記載の
ピストンのシール構造において、前記下部ピストンリン
グは、エキスパンダと、該エキスパンダにより支持され
る下側サイドレールとを有して構成され、前記排油補助
手段は、前記下側サイドレールと前記合口のないピスト
ンリングとの間に溜まるオイルを前記排油孔に導く手段
として構成されることをその要旨とする。
【0017】上記構成によれば、上述したオイルの排油
に際して、下部ピストンリングを構成する下側サイドレ
ールが受け口として作用するために、同排油が円滑に行
なわれる。また、合口のないピストンリングとこの下側
サイドレールとは、シリンダボアに摺接される状態が維
持されるために、そのシール性も好適に維持される。更
に、合口のないピストンリングと下側サイドレールとの
間の空間が排油補助手段となり、合口のないピストンリ
ングにより掻き落とされたオイルを確実に排油孔に排油
させることができる。
【0018】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6
のいずれかに記載の発明において、前記合口のないピス
トンリングは、互いに組成の異なる2つのリングの内外
2重構造によって構成されることをその要旨とする。
【0019】上記構成によれば、合口のないピストンリ
ングとしてシール性と耐久性とを合わせ備えるピストン
リングの実現も容易である。例えば、合口のないピスト
ンリングとして樹脂製のピストンリングを用いるととも
に、該ピストンリングにその内側からリング状バネ部材
による押圧付勢を加えてシリンダボアに対するリングの
追従性を高めるような場合、これらリング状バネ部材と
合口のないピストンリングとの間に金属製のリングを設
けることにより、すなわち金属製リング(合口あり)と
樹脂製リング(合口なし)との内外2重構造とすること
により、リング状バネ部材のピストンリングへの食い込
みを防ぐ等、良好なシール性を保ちながらその耐久性を
向上させることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
にかかるピストンのシール構造について、その第1の実
施形態を図1〜図4を用いて詳細に説明する。
【0021】図1に、本実施形態のシール構造の断面構
造を示す。図1に示すように、ピストン10の上部外周
面にはトップリング溝100、セカンドリング溝20
0、及びサードリング溝300がそれぞれ形成されてお
り、それら各リング溝に、ピストンリングとしてコンプ
レッションリング110,210及びオイルリング31
0がそれぞれ装着されている。
【0022】ここで、コンプレッションリング110,
210は、ピストン10とシリンダ20との間隙をふさ
ぎ、圧縮ガス、高圧燃料ガスが燃焼室(図示略)からク
ランクケース(図示略)へブローバイガスとして漏れる
のを抑制したり、ピストン10が受けた熱をシリンダ2
0の壁面へ伝え、放熱作用を行う等の機能を有する。
【0023】一方、オイルリング310は、シリンダ2
0の壁面の潤滑油膜形成の制御を受け持っている。すな
わち、このオイルリング310は、オイルをかき落とし
やすいように断面が略「コ」の字型に構成され、シリン
ダ20の壁面からかき落としたオイルを、同オイルリン
グ310中央の窓等から当該リング溝(サードリング
溝)300に形成されている排油孔320を介してピス
トン内部へ落とし込む。
【0024】図2に、こうしたオイルリング310の一
部を拡大した斜視構造を示す。同図2に示されるよう
に、このオイルリング310は、上側及び下側の一対の
サイドレール311,313とこれらサイドレール31
1,313によって挟まれる1つのエキスパンダ315
とを有して構成されている。
【0025】また、上記各サイドレール311,313
は、その全体の形状を図3に斜視図として示す如く、一
部にそれぞれ合口312,314を有する金属製のリン
グとして形成されている。これら各サイドレール31
1,313がオイルリング310として組み合わされて
サードリング溝300に装着される際には、上記エキス
パンダ315を境にして、その各合口312,314に
180°の位相差が持たせられる。
【0026】また、エキスパンダ315は、その内周側
に環状に配列された突出部316を有しており、それら
突出部316によって上記一対のサイドレール311,
313をシリンダ20(図1)側に付勢する。なお、図
2からも明らかなように、このエキスパンダ315の内
外周は、オイルの通り抜けの自在な構造となっている。
【0027】また、上記2つのコンプレッションリング
のうち、セカンドリング溝200に装着されたコンプレ
ッションリング210は、従来のシール構造でも述べた
前記合口のないピストンリングである。以下、このコン
プレッションリング210の構成について、図4を用い
て詳細に説明する。
【0028】コンプレッションリング210は、アウタ
ーリング211とインナーリング212とを有して構成
されている。ここで、アウターリング211は樹脂製で
あり、合口のないシームレスなリングとして形成されて
いる。樹脂としては例えば、ポリイミド等の比較的硬く
て耐摩耗性のある樹脂が選択される。
【0029】また、インナーリング212は、アウター
リング211の内周面に接触する金属製の合口のあるサ
ポートリング213と、このサポートリング213の内
側に配置されたコイルエキスパンダ214とから構成さ
れている。サポートリング213はアウターリング21
1を内側から支持するためのものであり、コイルエキス
パンダ214はサポートリング213を介してアウター
リング211を外側に押圧するものである。サポートリ
ング213として金属製のものを採用することにより、
コイルエキスパンダ214のサポートリング213への
食い込みを防止することができる。
【0030】上述のように構成されたコンプレッション
リング210は、金属製の合口のあるコンプレッション
リング110と比較して、十分なシール性を有するため
にオイルのかき落とし能力も高い。このため、コンプレ
ッションリング210によってかき落とされたオイル
が、コンプレッションリング210とオイルリング31
0との間に溜まり、ひいては前述したように、同オイル
がコンプレッションリング210の摺動面及び背面を通
って、燃焼室(図示略)へ混入しオイル消費量が増大す
るおそれがある。
【0031】従って、コンプレッションリング210に
よりかき落とされたオイルを確実にサードリング溝30
0に形成された排油孔320を介してクランクケース
(図示略)に戻すためには、オイルリング310に、こ
のかき落とされたオイルの排油孔320への排油を補助
する何らかの排油補助手段を設けることが望ましい。
【0032】本実施形態においては、この排油補助手段
として図1に示すように、オイルリング310を構成す
る上側サイドレール311の外径を、同じくオイルリン
グ310を構成する下側サイドレール313の外径より
も小さく設定し、これにより、上側サイドレール311
とシリンダ20の壁面との間に間隙Cを形成している。
この間隙Cは、上記エキスパンダ315を介して排油孔
320に連通している。このような間隙Cが存在するこ
とにより、コンプレッションリング210によりかき落
とされたオイルは、同図1に矢印にて付記するように、
コンプレッションリング210とオイルリング310と
の間に過剰に溜まることなく、排油孔320を介してク
ランクケースに戻されるようになる。
【0033】以上説明した本実施形態によれば、以下の
効果を得ることができる。 (1)合口のないコンプレッションリング210により
かき落とされたオイルは、上記間隙Cを含んで構成され
る排油補助手段を通じて確実に排油孔320に排油さ
れ、同排油孔320を介してクランクケースに回収され
る。このため、同オイルがコンプレッションリング21
0の摺動面及び背面を通って燃焼室に混入し、オイル消
費量の増大を招くおそれを抑制することができる。
【0034】(2)オイルの排油に際して、下側サイド
レールが受け口として作用するために、排油が円滑に行
われるとともに、合口のないコンプレッションリング2
10と下側サイドレール313とは、シリンダボアに摺
接される状態が維持されるために、シール性を好適に維
持することができる。
【0035】(3)オイルリング310を構成する上側
サイドレールの外径をオイルリング310を構成する下
側サイドレールの外径よりも小さくするという簡単な加
工により排油補助手段を構成することができ、その実現
も容易である。
【0036】(4)コンプレッションリング210を、
樹脂製のアウターリング211と金属製のインナーリン
グ212といった組成の違う2つのリングを用いて構成
したことにより、高いシール性の維持と耐久性の向上と
を併せ図ることができる。
【0037】なお、上記実施形態は、以下のようにその
構成を変更して実施することもできる。 ・上記実施形態においては、上側サイドレール311及
び下側サイドレール313を独立の部品として備え、更
にエキスパンダ315を設ける3ピースタイプのオイル
リング310において、エキスパンダ315として図2
に示すような形状のものを採用したが、これに代えて、
例えば図5及び図6に示すような形状を有するエキスパ
ンダ415を採用することもできる。図5(a)は、エ
キスパンダ415をその内周側からみた部分側面図であ
り、図5(b)は、同エキスパンダ415を外周側から
みた部分側面図である。また、図6は、図5(a)のB
−B線に沿った断面図である。これら図5及び図6に示
されるように、エキスパンダ415の内周側は、同エキ
スパンダ415の幅方向に変位する内周側の波形420
の繰り返しによって形成されている。一方、エキスパン
ダ415の外周側は、同エキスパンダ415の幅方向に
変位する外周側の波形430の繰り返しによって形成さ
れている。そして、上記内周側の波形420の高さW1
は、上記外周側の波形430の高さW2に比べて高く形
成されている。そして、上記一対のサイドレール31
1、313は、このように異なる高さW1,W2の波形
420、430を有するエキスパンダ415の外壁と前
記サードリング溝300の内壁とによって形成される空
間に収容される。なお、内周側の波形420と外周側の
波形430との中間は、上記高さW1,W2よりも低い
高さW3を有する波形が繰り返されて形成されている。
【0038】・上述したオイルリングのエキスパンダ
は、一対のサイドレールをピストンリング溝の内周面に
付勢するものであれば、任意のもので良い。 ・上記実施形態では、オイルリング(下部ピストンリン
グ)310に設ける排油補助手段を、上側サイドレール
311の外径を下側サイドレール313の外径よりも小
さく設定することにより構成したが、同構成には限定さ
れない。他に例えば、上側サイドレール311を下側サ
イドレール313よりも弾性変形し易い材料にて形成
し、この上側サイドレール311の自在弾性構造を利用
して合口のないリングの下方と上記排油孔320とを連
通可能にする構成なども適宜採用することができる。
【0039】(第2の実施形態)上記第1の実施形態に
おいては、オイルリングとして3ピースタイプのものを
採用したが、オイルリングとしては、他にカッタータイ
プのものが知られている。本実施形態においては、この
カッタータイプのオイルリングに本発明のシール構造を
適用する。以下、本発明にかかる第2の実施形態につい
て、主として第1の実施形態との相違点を中心に、図7
に基づいて説明する。
【0040】図7は、第1の実施形態における合口のな
いリング210の下流に設けられたサードリング溝30
0と、同リング溝300に装着されるオイルリング51
0とを示す図である。同図に示すように、オイルリング
510は、シリンダボア側に突出される上側レール51
1aと下側レール511bとが断面略「コ」の字状に、
一体的に形成されたリング部511と、該リング部51
1を径方向(シリンダボア側)に付勢するエキスパンダ
515とを備える。また、このエキスパンダ515は、
リング部511をピストン10の軸方向にも付勢する。
更に、このエキスパンダ515の内外周は、先のエキス
パンダ315と同様、オイルの通り抜け自在な構造とな
っている。
【0041】本実施形態においては、上述した排油補助
手段として、リング部511の上側レール511aの外
形を下側レール511bの外形より小さく設定し、これ
により、上側レール511aとシリンダ20の壁面との
間に間隙C’を形成するようにしている。この間隙C’
が排油孔320に連通することで、本実施形態によって
も上記第1の実施形態と同様の作用効果を得ることがで
きる。
【0042】なお、上記実施形態は、以下のようにその
構成を変更して実施してもよい。 ・オイルリング510のリング部511は、エキスパン
ダ515によって、径方向(シリンダボア側)に付勢す
る機能のみ有すればよく、必ずしも同リング部511を
ピストン10の軸方向に付勢する機能を有しなくてもよ
い。
【0043】・オイルリング510には、リング部51
1の長さを変えるなどして、リング溝300へ安定して
装着することができれば、必ずしもエキスパンダを設け
なくてもよい。
【0044】(第3の実施形態)以下、本発明を具体化し
た第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点
を中心に図8を用いて説明する。
【0045】図8は、本実施形態にかかるオイルリング
610と、該オイルリングが装着されるリング溝300
周辺の構造を示す断面図である。図8に示すように、オ
イルリング610は、下側サイドレール611及び下側
サイドレール611を支持しつつこれを径方向(シリン
ダボア側)に付勢するエキスパンダ615とを備える。
【0046】エキスパンダ615は、先の図2に示した
エキスパンダ315の突出部316、317のうち、上
側サイドレール311と当接する部分を削除してこれを
平面とするとともに、その厚さを図8に示される態様で
増した形状となっている。したがって、例えば、既存の
ピストン10のリング溝300に装着されたときでも、
同オイルリング610に安定性をもたせることができ
る。
【0047】以上説明した、本実施形態によっても、基
本的には先の第1の実施形態と同様、若しくはそれに準
じた効果が得られるとともに、更に以下の効果を得るこ
とができる。
【0048】(5)上側サイドレールを用いることなし
に、オイルリング610を構成したため、部品点数の削
減、ひいては組付け工数の削減を図ることができる。 (6)下側サイドレールとして、既存の部品を採用する
ことで、製造コストを削減することができる。
【0049】なお、上記実施形態は、以下のように変更
して実施してもよい。 ・上記実施形態においては、エキスパンダ615の形状
をエキスパンダ315の形状に準じたものとしたが、こ
の形状については任意である。例えば、図5及び図6に
示したエキスパンダ415に準じた形状とすることもで
きる。なお、この場合には、内周側の波形を外周側の波
形と同様な形状とすることが望ましい。
【0050】その他、上記各実施形態に共通して変更可
能な要素としては以下のようなものがある。 ・コンプレッションリング210として、互いに組成の
違う2つのリングを用いたが、アウターリング211と
インナーリング212とで共に樹脂製のリングを用いる
など、組成は同じであってもよい。
【0051】・コンプレッションリング210は、必ず
しも2つのリングの組合せを用いる必要はなく、合口の
ない任意のリングでよい。 ・上記各実施形態では、ピストンリングとして2つのコ
ンプレッションリング110,210及び1つのオイル
リング310を用いたが、これらのピストンリングの数
等は任意である。要は、合口のないリングとその下流側
(オイルかき落とし方向を意味し、必ずしも重力方向下
方を意味しない)に位置するリング(下部ピストンリン
グ)とを備え、下部ピストンリングのリング溝にはオイ
ルをクランクケースに戻すための排油孔が形成されてい
るシール構造であれば、上記に準じた形で本発明を適用
することができる。なお、合口のないリングと下部ピス
トンリングとの間に更にピストンリングを設けてもよ
く、このリングが装着されるリング溝には、排油孔が形
成されていなくてもよい。
【0052】・その他、下部ピストンリングとなるオイ
ルリングの構造も上記各実施形態のものには限定されな
い。同オイルリングとしては要は、上記排油孔320に
連通する若しくは連通可能な排油補助手段が設けられた
ものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるピストンのシール構造について
その第1の実施形態を示す断面図。
【図2】同実施形態に採用されるオイルリングの構成を
示す斜視図。
【図3】同オイルリングに用いられるサイドレールの構
造を示す斜視図。
【図4】同実施形態に採用されるコンプレッションリン
グの構成を示す断面図。
【図5】同実施形態に用いるエキスパンダの変形例を示
す部分側面図。
【図6】図5のB−B線に沿った断面図。
【図7】本発明にかかるピストンのシール構造の第2の
実施形態についてそのオイルリング部の構造を示す断面
図。
【図8】本発明にかかるピストンのシール構造の第3の
実施形態についてそのオイルリング部の構造を示す断面
図。
【符号の説明】
10…ピストン、20…シリンダ、100…ファースト
リング溝、110…コンプレッションリング、200…
セカンドリング溝、210…コンプレションリング、3
00…サードリング溝、310…オイルリング、311
…上側サイドレール、313…下側サイドレール、31
5…エキスパンダ、320…排油孔。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合口のないピストンリングと、該合口のな
    いピストンリングのオイルかき落とし方向に設けられる
    下部ピストンリングとがそれぞれピストンのリング溝に
    装着されてなるピストンのシール構造において、 前記下部ピストンリングのリング溝には排油孔が形成さ
    れてなり、 前記下部ピストンリングには、前記排油孔に連通する若
    しくは連通可能な排油補助手段が設けられてなることを
    特徴とするピストンのシール構造。
  2. 【請求項2】請求項1記載のピストンのシール構造にお
    いて、 前記下部ピストンリングは、エキスパンダを挟んで支持
    される上側サイドレールと下側サイドレールとを有して
    構成され、前記排油補助手段は、前記上側サイドレール
    と前記合口のないピストンリングとの間に溜まるオイル
    を前記排油孔に導く手段として構成されることを特徴と
    するピストンのシール構造。
  3. 【請求項3】前記排油補助手段は、前記下側サイドレー
    ルよりもその外径が小さく形成された上側サイドレール
    とシリンダボアとの間の間隙を含んで構成されてなる請
    求項2記載のピストンのシール構造。
  4. 【請求項4】前記排油補助手段は、前記下側サイドレー
    ルよりも弾性変形し易い材料にて形成された上側サイド
    レールの自在弾性構造を含んで構成されてなる請求項2
    記載のピストンのシール構造。
  5. 【請求項5】請求項1記載のピストンのシール構造にお
    いて、 前記下部ピストンリングは、シリンダボア側に突出され
    る上側レールと下側レールとが断面略「コ」の字状に一
    体的に形成されるリング部と該リング部をシリンダボア
    側に付勢するコイルエキスパンダとを有して構成され、
    前記排油補助手段は、前記下側レールよりもその外径が
    小さく形成された上側レールとシリンダボアとの間の間
    隙を含んで構成されることを特徴とするピストンのシー
    ル構造。
  6. 【請求項6】請求項1記載のピストンのシール構造にお
    いて、 前記下部ピストンリングは、エキスパンダと、該エキス
    パンダにより支持される下側サイドレールとを有して構
    成され、前記排油補助手段は、前記下側サイドレールと
    前記合口のないピストンリングとの間に溜まるオイルを
    前記排油孔に導く手段として構成されることを特徴とす
    るピストンのシール構造。
  7. 【請求項7】前記合口のないピストンリングは、互いに
    組成の異なる2つのリングの内外2重構造によって構成
    されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記
    載のピストンのシール構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105569870A (zh) * 2016-01-16 2016-05-11 李明领 一种高密封活塞、活塞环

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