JP2001151942A - スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体とスチレン−ブタジエンラテックスとからなるアスファルト改質剤 - Google Patents
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体とスチレン−ブタジエンラテックスとからなるアスファルト改質剤Info
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Abstract
でのクラックの発生を防止することができるアスファル
ト改質剤を提供する。 【解決手段】 アスファルト改質剤を、水溶化したスチ
レン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体5〜30重
量%と、水溶化したスチレン−ブタジエンラテックス70
〜95重量%と、から構成する。
Description
ジエン−スチレンブロック共重合体とスチレン−ブタジ
エンラテックスとからなるアスファルト改質剤に係るも
のであり、詳しくは、塑性変形を防止することができ、
且つ、低温でのクラック(亀裂)の発生を防止すること
ができるアスファルト改質剤に関するものである。
てのアスファルトコンクリートは、アスファルトセメン
トと骨材との混合物であるが、これを加熱して製造した
ものであることから「加熱アスファルト混合物(hot mi
x asphalt)」と言われたり、また、アスファルトセメ
ントを骨材と結合させて製造したものであることから
「アスファルトバインダー(asphalt binder)」と言わ
れたりしている。
装された道路では、施工後に重車両が通行したり気候条
件や交通環境が変化したりすることにより、クラック、
塑性変形及び剥離現象などが頻繁に発生し、これにより
道路の寿命短縮が招かれる。
おいて一番深刻な問題になっており、外部の温度変化、
交通量の急増、車両の重量化及び大型化という趨勢に従
って塑性変形も一層深刻なものとなりつつある。さら
に、道路の温度が上昇する夏期には、頻繁に重車両が通
行するような地域では、塑性変形が発生するため道路と
しての機能を喪失することもある。
新しい素材の開発が切実に求められており、水溶化した
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体をア
スファルト改質剤として用いることにより塑性変形に対
する抵抗性を改善しようという試みがなされている。
したスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
だけを単独でアスファルト改質剤として使用した場合に
は、塑性変形を防止する能力には卓越するものの、樹脂
の性質が強く低温でクラックが発生するなどの問題点が
あった。
ができると共に低温でのクラックの発生を防止すること
ができるアスファルト改質剤を提供することにある。
するために研究を行った結果、水溶化したスチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体と共に水溶化した
スチレン−ブタジエンラテックスをアスファルト改質剤
として使用すると、塑性変形を防止しながら低温でのク
ラックの発生を防止することができるということを発見
し、本発明を完成するに至った。
化したスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体5〜30重量%と、水溶化したスチレン−ブタジエンラ
テックス70〜95重量%と、からなることを特徴としてい
る。
ブロック共重合体は、樹脂の性質が強く低温でのクラッ
クの発生が多い上、これを単独でアスファルト改質剤と
して用いると費用が高くなり過ぎるという短所がある。
は、特に低温での延性が高く、これをスチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体と混合すれば、低温で
のクラックの発生を抑制することができるようになり、
また、これを多量に混合することにより費用を節減する
こともできるようになる。
−スチレンブロック共重合体と共に混合するスチレン−
ブタジエンラテックスの含量がアスファルト改質剤中で
95重量%を超過すると、塑性変形を防止することができ
なくなり、70重量%よりも少ないと、低温でのクラック
の発生を抑制する効果が低減すると共に費用の節減効果
も低減する。従って、スチレン−ブタジエンラテックス
は70〜95重量%の量となるように混合することが好まし
い。
において、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共
重合体としては、既に提案されている方法に従って製造
されたものを使用することができる。
ン−スチレンブロック共重合体を水溶化する方法とは、
具体的には、(1)スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体を10〜15重量%になるように非極性溶媒
に溶解させる段階と、(2)前記溶液100重量部を、混
合乳化剤5〜10重量部及び水を含む乳化液を用いて乳化
させる段階と、(3)真空装置を用いて乳化させた溶液
から非極性溶媒を除去し、これを濃縮して所定の固型分
を有するエマルションを製造する段階と、を経ることに
より、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体を水溶化するというものである。
ジエン−スチレンブロック共重合体をアスファルト改質
剤として用いるために、スチレン−ブタジエンラテック
スと混合するのであるが、このとき、スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体5〜30重量%にスチレ
ン−ブタジエンラテックス70〜95重量%を混合する。
は、既に提案されているように、(1)ブタジエン単量
体10〜30重量部、アクリル酸ブチル単量体3〜10重量
部、スチレン単量体3〜10重量部、乳化剤としてのSLS
0.1〜1.0重量部、ロジン塩0.1〜1.5重量部、脂肪塩0.1
〜1.5重量部、電解質としての燐酸塩0.1〜1.0重量部、
分子量調節剤としてのt-ドデシルメルカプタン(第3級
ドデシルメルカプタン)0.2〜1.0重量部、酸化剤として
のジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド0.1〜1.0
重量部、及び、触媒としてのエチレンジアミン四酢酸四
ナトリウム塩水和物0〜0.5重量部を投入した後、4℃で
3時間反応させてシード重合させる段階と、(2)ブタ
ジエン単量体40〜60重量部、メタクリル酸メチル単量体
3〜13重量部、スチレン単量体5〜25重量部、乳化剤と
してのロジン塩0.1〜2.0重量部、及び、分子量調節剤と
してのt-ドデシルメルカプタン(第3級ドデシルメルカ
プタン)0.2〜1.0重量部を投入した後、温度を12℃に昇
温しながら5時間反応させ、20℃に昇温して4時間反応
させた後に25℃に昇温して反応を活性化させてから終了
させて、シード粒子径を肥大化する増殖段階と、を経る
ことにより製造されたものである。
るが、本発明は実施例により限定されるものではない。
レンブロック共重合体の水溶化 本発明にて用いられるスチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体の水溶化方法は、既に提案されている
ようなものであり下記に示すようなものである。
スチレンブロック共重合体は当社で生産される製品であ
って、ペレット形態またはパウダー形態のもので、スチ
レン含量31%、溶液粘度15,000cps、比重0.94g/cm2、引
張強度1569N/cm2(160kgf/cm2)、300%引張応力275 N/c
m2(28kgf/cm2)、伸張率680%のものである。
ンブロック共重合体を、まずn-ヘキサンに10〜15重量%
の濃度になるように溶解させた。
ン−スチレンブロック共重合体を溶解した溶液100重量
部を、混合乳化剤5〜10重量部と水80〜100重量部とから
なる乳化液に乳化させた。このとき、混合乳化剤として
は、ロジン塩、脂肪塩及びオレイン塩の混合物を用い
た。
に溶解したスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共
重合体を乳化させた後、この乳化させた溶液を濃縮する
ことにより、水溶化したスチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体を得た。その性状を以下の表1に示
す。
クスの製造 2リットルの高圧反応器に、初期の粒子を形成するため
に以下の表2に示す重合試薬(初期重合段階)のうち初
期重合段階の酸化剤であるジイソプロピルベンゼンヒド
ロペルオキシドを除いた残りの重合試薬を一括投入し
た。3℃で1時間程度攪拌して薬液をよく混合した後、
酸化剤のジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシドを
投入して5℃に昇温して反応を開始させた。
応が進行して初期粒子径が300Å以上になるまで粒子が
成長したときに、増殖重合段階として粒径の肥大化及び
連続的な反応を行うため残りの増殖単量体を追加し、乳
化剤であるロジン塩を、初期反応開始段階の酸化剤であ
るジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシドを投入し
てから3時間後に1.0重量部、更に8時間後に1.5重量部
投入した。
開始して、初期反応時間が完了した3時間後に重合温度
を5℃から12℃に昇温し、12時間後に20℃に昇温した
後、更に4時間後に25℃に昇温して反応を活性化させて
から終了させた。
ジエンラテックスの性状を以下の表3に示す。
及び2にて得たスチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体とスチレン−ブタジエンラテックスとを、以
下の表4に示すような比率で混合してアスファルト改質
剤を製造した。
にて製造したアスファルト改質剤を用いて改質アスファ
ルトコンクリートを製造して、塑性変形の発生について
測定するホイールトラッキング試験を実施した。その結
果を以下の表6に示す。
に示すような品質を有するアスファルト(AP-3)を使用
した。なお、アスファルトコンクリートの製造に用いら
れる骨材の大きさの比を以下の表5に示す。
ルトコンクリートを製造するために用いられるアスファ
ルト(AP-3)、混合骨材及び改質剤の使用量を以下の表
5に示す。
国道路及び交通研究所(Transportation Road Research
Laboratory :TRRL)により考案された大規模な実規格
舗装試験装置を用い、試験時に試験片表面に接地圧7.0k
g/cm2を加えて試験輪(ホイール)の押し付けを実施
し、単位時間におけるホイール跡(わだち)による凹み
の深さを測定してアスファルトの変形率を決定するもの
である。このホイールトラッキング試験は、塑性変形を
間接的に評価し得る一番優れた試験方法によりKSM 2250
の規格に基づき実施した。
心部を通過するときのダイヤルゲージの目盛りを原点と
し、このときの変形量は試験輪の走行範囲の中央部で測
定した。
量(沈下量)−時間関係曲線において変形量増加率が殆
ど一定になる45〜60分までの15分間の走行変形量を取っ
て、これを変形率(RD:Rate of Deformation,mm/mi
n.)として示した。
00℃まで加熱した後、150℃に加熱したアスファルト5.7
9重量部を混合骨材に入れて均一に混合し、改質剤(固
形分基準)0.21重量部を添加してアスファルトと均一に
混合して作成した。
ト)を300mm四方の正四角形で厚さ50mmのモールドに入
れた後、ローラーコンパクターで押し固めた。このと
き、押し固めの荷重は900kgとした。
発生の有無を判断するために低温での延性を測定した。
のアスファルトが有する脆弱性(壊れ易い性質)は低減
するため、低温での骨材との結合力が上昇して低温での
クラックの発生が減少するようになる。
4)規格に基づいて実施し、アスファルトの試験片が切断
されるまで延伸されたときの長さをcm単位で測定した。
このとき、試験片の断面積は1cm2で、測定温度25℃、15
℃、7℃及び0℃で恒温水槽で測定した。延伸は、試験片
の両端部が切断されるまで、1分当たり5cmの速度で引
っ張ることにより行った。
トは、表5に示すアスファルト(AP-3)96.5重量部に表
5に示す改質剤3.0重量部を均一に溶融させることによ
り製造した。
ファルトの低温での延性測定値を以下の表7に示す。
に係るアスファルト改質剤をアスファルトコンクリート
の製造に用いた結果、アスファルトの塑性変形が相当減
少し、低温でのクラックの発生も減少することがわか
る。
化したスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体とスチレン−ブタジエンラテックスとを混合して得た
アスファルト改質剤を用いれば、塑性変形を防止しなが
ら低温でのクラックの発生を低減させることができるの
で、高温及び低温のいずれの条件下でも使用することが
できる優れた品質の改質アスファルトを製造することが
できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 水溶化したスチレン−ブタジエン−スチ
レンブロック共重合体5重量%から30重量%と、水溶化
したスチレン−ブタジエンラテックス70重量%から95重
量%と、からなることを特徴とするアスファルト改質
剤。
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