JP2001150048A - パイプ材のハイドロフォーミング方法及び装置 - Google Patents

パイプ材のハイドロフォーミング方法及び装置

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JP2001150048A JP34098999A JP34098999A JP2001150048A JP 2001150048 A JP2001150048 A JP 2001150048A JP 34098999 A JP34098999 A JP 34098999A JP 34098999 A JP34098999 A JP 34098999A JP 2001150048 A JP2001150048 A JP 2001150048A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】単一の型締めプレスを有効に活用してパイプ材
から所望形状の膨らまし加工製品をほぼ連続的に、低コ
ストで高能率で成形することができるパイプ材のハイド
ロフォーミング方法及び装置を提供する。 【解決手段】プレスルーム両側に外方に向かって延びる
一対の案内路を設けた型締めプレスと、前記左右の案内
路上にそれぞれ搭載されプレスルーム内に交互に移動さ
れる第1と第2のムービングボルスタと、前記第1と第
2の各ムービングボルスタにそれぞれ搭載され、合せ面
に成形すべき形状をなし両端が半断面溝をもって外部に
通じる半キャビテイを形成した少なくとも3枚の重ね合
わられた型板をそれぞれ有する第1および第2の型セッ
トを使用し、第1および第2の型セットを交互にプレス
ルームに搬入し、各パイプ材に対応する複数のパンチを
有する横押し装置と、前記横押し装置の各パンチを進退
させるとともに各パンチを通して型セット内のパイプ材
中に成形用の液体を給排する駆動装置を使用して複数の
パイプ材を成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパイプ材のハイドロ
フォーミング方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のマフラー、シートフレーム、足
回りフレームなどで代表される中空状製品を得るため、
素材としてパイプ材を使用し、液圧を利用したハイドロ
フォーミング法で二次加工することが従来より知られて
いる。この方法は、ベッド側に所望形状のキャビテイを
有する下型を固定し、クラウン側に対をなすキャビテイ
を有する上型を固定したプレスと、ベッド側の型の両側
に配された横押しプレスを使用し、第1工程として下型
にワークとしてのパイプ材をセットし、第2工程として
プレスを下降して上型と下型を型締めし、第3工程とし
て型締め状態を維持しつつ横押しプレスを作動してパイ
プ材の軸方向端部を閉止するかまたは軸方向圧縮力を付
与しつつ、液圧供給装置からパイプ材内に高圧液体を供
給することによりパイプ材を膨らませ、上型と下型のキ
ャビティ形状に即応した形状に塑性変形させ、第4工程
としてパイプ材から高圧液体を抜き取り、横プレスを後
退させ、プレスを作動して上型を上昇させて型開きし、
製品を取り出す工程が取られていた。
【0003】しかしこのような方法では、1本のパイプ
材を型に装填してから製品として取り出されるまでに数
多くの工程が必要であるため、製造に時間がかかり、た
とえば10分間程度を要するため、生産効率が悪いとと
もに生産コストが高くなるいう問題があった。この問題
は上型と下型に並列状に複数のキャビテイを形成して複
数本のパイプ材を同時成形してもあまり変わりない。し
たがって、従来の方法で生産性を向上するには、前記横
押しプレス、液圧供給装置を備えた主プレスを複数配置
して可動しなければならず、その設備費、設備スペース
が高くなるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
問題点を解消するために創案されたもので、その目的と
するところは、単一の型締めプレスを有効に活用してパ
イプ材から所望形状の膨らまし加工製品をほぼ連続的
に、低コストで高能率で成形することができるパイプ材
のハイドロフォーミング方法及び装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のパイプ材のハイドロフォーミング装置は、プレ
スルーム内で進退する可動押し盤を備え、プレスルーム
両側に外方に向かって延びる一対の案内路を設けた型締
めプレスと、前記左右の案内路上にそれぞれ搭載されプ
レスルーム内に交互に移動される第1と第2のムービン
グボルスタと、前記第1と第2の各ムービングボルスタ
にそれぞれ搭載され、合せ面に成形すべき形状をなし両
端が半断面溝をもって外部に通じる半キャビテイを形成
した少なくとも3枚の重ね合わられた型板をそれぞれ有
する第1および第2の型セットと、前記型板に装填され
た各パイプ材に対応する複数のパンチを有し、前記ムー
ビングボルスタの移動を阻害しないように前記型締めプ
レスに配された横押し装置と、前記横押し装置の各パン
チを進退させるとともに各パンチを通して型セット内の
パイプ材中に成形用の液体を給排するための駆動装置と
を備えたことを特徴としている。
【0006】本発明のパイプ材のハイドロフォーミング
方法は、パイプ材を膨らまし成形する方法であって、第
1段階として、第1ムービングボルスタに搭載した少な
くとも3枚の型板からなる第1型セットに複数本のパイ
プ材を装填してムービングボルスタごとプレスルーム内
に搬入し、第2段階として型締めプレスを作動して第1
型セットを型締めし、第3段階として横押しプレス装置
の各パンチを前記各型板間のパイプ材に強接させながら
パイプ内に液体を充填、増圧してパイプ材をキャビテイ
に即応する形状に膨らませる成形を行い、第4段階とし
てパイプ材内の液体を減圧排出後、横押し装置のパンチ
を後退させ、型締めプレスによる型締めを開放した後、
第1のムービングボルスタをプレスルーム外に移動する
一方、プレスルーム外で少なくとも3枚の型板を有する
第2型セットに複数のパイプ材を装填しておいた第2ム
ービングボルスタをプレスルーム内に搬入し、第5段階
として第2のムービングボルスタに搭載している第2型
セット中の各パイプ材を前記第2段階ないし第4段階と
同じ操作にて成形する一方、第1のムービングボルスタ
に搭載している型セットを開いて製品を取り出すととも
に新たなパイプ材を装填する操作を順次繰り返すことを
特徴としている。
【0007】本発明は、型セットの少なくとも3枚の型
板間にそれぞれパイプ材を装填しまたそれを成形した製
品を取り出すための型板開閉装置を有していることが好
ましい。この型板開閉装置は型セットそれ自体に装備さ
れている場合を含んでいる。この場合の型板開閉装置
は、キャビテイ領域より外側の型板部位に、対向する型
板に対する押圧部を有する複数のリフト用アクチュエー
タを配設することで構成される。
【0008】前記第1と第2のムービングボルスタは、
案内路を転接する車輪とこれを駆動する機構を有し、プ
レスルームにはムービングボルスタが所定位置に達した
ときに車輪を沈降させるとともに搬出時には車輪を上昇
させるリフト装置と、ムービングボルスタの下面がベッ
ドに密着するように固定するクランプ装置を備えてい
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を添付図面を
参照して説明する。図1ないし図14は本発明によるパ
イプ材のハイドロフォーミング方法及び装置の実施例を
示している。図1と図2において、1は型締めプレス、
2A,2Bは前記型締めプレス1の両側に配された第1
と第2のムービングボルスタである。3,3は型締めプ
レス1に配された対をなす横押し装置、4は横押し装置
に付属する駆動装置、5Aは第1の型セット、5Bは第
2の型セットである。
【0010】型締めプレス1は、基床に据え付けられた
ベッド6の4隅に支柱を立設し、支柱上端部間のクラウ
ン部分に図14のようにラム90によって昇降される可
動押し盤(スライド)9を配し、支柱で囲まれたベッド
の上方にプレスルーム(成形用空間)PRを形成してい
る。そして、ベッド6の型締めプレス前後側には、それ
ぞれ外方に向かって複数本ずつで組をなす案内路7a、
7bが延設されている。案内路7a、7bは長手方向に
沿った溝を有している。
【0011】第1と第2のムービングボルスタ2A,2
Bは、剛性のある台盤として構成されていて、図5のよ
うに下部には前記案内路7a,7bの溝底を転接する車
輪8,8とこれを回転する駆動装置Mを有していて、駆
動装置Mによる車輪の回転で案内路7a,7bを自走
し、プレスルームPRに搬出入されるようになってい
る。ベッド6上には、前記案内路の溝と平行で同じ深さ
のガイド溝60が平行に設けられているとともに、ガイ
ド溝の所定の位置すなわち、前記ムービングボルスタ2
A,2Bの停止予定位置における各車輪8,8に対応す
る部位に、リフト装置10が設けられている。リフト装
置10は、図6(a)のように車輪8,8の径よりも適
度に大きな穴部100と、穴部100内に配された支持
板101と該支持板101を昇降する油圧アクチュエー
タ102とからなっている。前記リフト装置10の近傍
には、図6(b)のように、ムービングボルスタ2A,
2Bの両側に形成されている受圧用張り出し部200に
接離可能な加圧板110と、これを昇降する油圧アクチ
ュエータ111とを備えたクランプ装置11が配置され
ている。ベッド6上には図示しないがセットピンが配置
されており、リフト装置10が作動してムービングボル
スタ2A,2Bが下降したときに、ムービングボルスタ
2A,2Bに設けられている係合穴にはまって位置決め
されるようになっている。 また、ベッド6上には第1
と第2のムービングボルスタ2A,2Bが密着したとき
にクランプ装置11に駆動信号を発する密着センサが取
り付けられている。
【0012】前記第1の型セット5Aと第2の型セット
5Bは、それぞれ3枚以上の型板の積層構造からなって
いる。この例では型板は3枚50,51,52であり、
最下位の型板50は図9のように上面に所望の成形形状
の半断面をなした半割キャビテイ500が彫られている
とともに、このキャビテイ500の両端から型板端面に
向かってパイプ材の半断面と略一致する溝501,50
1が形成されている。この最下位の型板50はボルトな
どによりムービングボルスタ2A,2Bにしっかりと固
定される。2番目の型板51の下面すなわち最下位の型
板との合せ面には、図10のように、成形形状の半断面
をなしたキャビテイ510が彫られているとともに、こ
のキャビテイ510の両端から型板端面に向かってパイ
プ材の半断面と略一致する溝511,511が形成され
ており、2枚の型板50,51が合わされることにより
図7と図8のようにパイプ材断面に合致する筒穴と、筒
穴に通じる所望膨出予定形状キャビテイが作られるよう
になっている。
【0013】2番目の型板51の上面には次のパイプ材
を成形するため、所望の成形形状の半断面をなしたキャ
ビテイ510’が彫られているとともに、このキャビテ
イ510’の両端から型板端面に向かってパイプ材の半
断面と略一致する溝511’,511’が形成されてい
る。3番目のそしてこの例では最上位の型板52の下面
には、同じように成形形状の半断面をなしたキャビテイ
520が彫られているとともに、このキャビテイ520
の両端から型板端面に向かってパイプ材の半断面と略一
致する溝521,521が形成されており、2枚の型板
51,52が合わされることによりパイプ材断面に合致
する両端の筒穴と、筒穴に通じる所望膨出予定形状キャ
ビテイが作られるようになっている。したがって、この
例では3枚の型板50,51,52が合わされることに
より合せ面に高さ方向で間隔をおいて2段の型部CBが
作られるようになっている。
【0014】前記横押し装置3,3は前記型締めプレス
1のスライド9による押圧を受けないプレスルーム左右
領域に配置されている。左右の横押し装置3,3は前記
第1の型セット5Aと第2の型セット5Bがプレスルー
ムに搬入された状態のもとで各段の筒穴に進入してパイ
プ材の両端と強接するかあるいはさらに軸方向圧縮力を
付与するとともに、パイプ材を膨らませるための高圧成
形用液体たとえば水を給排する通路手段である。各横押
し装置3,3は、それぞれハウシングに上下に格納され
た少なくとも2段の油圧シリンダ12,12と、これら
油圧シリンダ12,12によって進退されるピストンロ
ッドの先端部に一体に形成されるかまたは結合されたパ
ンチ13,13をそれぞれ有している。前記パンチ1
3,13は、図14に示すように、それぞれ第1の型セ
ット5Aと第2の型セット5Bの筒穴に挿脱可能な外径
を有している。そして前記各パンチ13,13には、パ
ンチ端面に通ずる成形用液体通路孔130,131が穿
設されている。パンチ13,13は第1の型セット5A
と第2の型セット5B内の各パイプ材C,Cと同心とな
るように高さが設定されている。
【0015】駆動装置4は前記横押し装置2A,2Bに
付属してプレスルーム領域またはベッド6の側方に配置
されている。駆動装置4は前記油圧シリンダ12,12
とパンチ13,13に液圧を給排して作動させるための
もので、図14にその回路例が示されている。この例に
おいては、まず、前記油圧シリンダ12,12のピスト
ン側とロッド側に対してパンチ進退用の圧油を供給する
ポンプたとえばサーボポンプ14,14を1対有してい
る。さらに、これとは別の系として、注液系と増圧系と
を有している。
【0016】注液系は注液ポンプ15を有しており、こ
れの吐出側に一方側(図面では右側)の横押し装置3に
おける成形用液体通路孔130,130にいたる第1通
路16が接続され、他方側(図面では左側)の横押し装
置3における成形用液体通路孔131,131は注液ポ
ンプ15の付属するタンク15aと第2通路17で接続
されている。第1通路16にはアンロード弁161とこ
れよりも下流にチェック弁162が接続されている。ま
た、第2通路17にはパイロットチェック弁171が、
そしてこれよりも下流に電磁弁172がそれぞれ接続さ
れている。
【0017】増圧系は油圧ポンプ18を有しており、該
油圧ポンプ18の吐出側は増圧シリンダ190を途中に
接続した増圧回路19を有している。増圧シリンダ19
0は、2重ピストン191a,191bと、外側ピスト
ン191aの先端が挿入される増圧室191cとを有し
ており、増圧室191cが圧力センサ192を介して前
記前記第1通路16の途中に接続されている。増圧室1
91cには注液ポンプ15から成形用の液体が送りこま
れるようになっている。圧力センサ192は前記サーボ
ポンプ14,14に信号を送って要時に作動させること
ができるように図示しない信号系で結ばれている。
【0018】前記増圧シリンダ190と油圧ポンプ18
の間には両側に切換弁たとえば電磁部SOL1,SOL
2を有する3位置電磁弁193が介在接続されており、
3位置電磁弁193の一つの下流側ポートAは通路19
5により増圧シリンダ190の外側ピストン191aを
後退させるための室に接続され、他方の下流側ポートB
は通路196により2重ピストン191a,191bを
前進させるための室に接続されている。そして、通路1
96は比例電磁リリーフ弁197を介して油圧ポンプ1
8が属するタンク181に通じている。前記下流側ポー
トAと対をなすポンプポートPと油圧ポンプ18を結ぶ
吐出通路198には前記電磁弁172に通じる通路19
9が接続されている。
【0019】本発明においては、前記第1の型セット5
Aと第2の型セット5Bにパイプ材を装填し、また製品
を取り出すための型板開閉装置21を備えている。この
実施例では、型板開閉装置21は第1の型セット5Aと
第2の型セット5Bにそれぞれ組み込まれている。型板
開閉装置21は、この例では図8ないし図12に示すよ
うに、最下位の型板50と次位の型板51のキャビテイ
領域より外側の型板部位に埋め込まれた油圧シリンダで
代表されるアクチュエータ22からなっており、該アク
チュエータ22は、対向する型板51,52の下面に対
する進退自在な押圧部220を有している。アクチュエ
ータ22は、各型板50,51の少なくとも2か所に、
しかも上下の型板50,51で適度に位相をずらせて配
置されている。
【0020】前記各アクチュエータ22は、ホース25
0,250を部分的に含む配管25によってリフト用の
弁たとえば図13に示すように切換え電磁弁24に接続
されており、該切換え電磁弁24は配管によって油圧供
給源に接続される。切換え電磁弁24よりも下流の配管
中には、各アクチュエータ22に同時に油圧を導出入さ
せるようにすべく、第1の分流弁240,240と第2
の分流弁241,241が接続されている。切換え電磁
弁24が接続される油圧供給源は専用のものでもよい
が、通常は、前記型締めプレス1に搭載している主ラム
駆動用の油圧ユニット900もしくは前記駆動装置4の
油圧ポンプ18に接続される。そして、各型板51,5
2の昇降が平衡して行われるようにするため、図7,図
9ないし図12に示すように最下位と次位の型板50,
51の4隅にはガイドピン26が固定されており、対向
する型板51,52にはガイドブシュ27が埋め込まれ
ている。ガイドピン26は最下段と次位、次位と最上位
とで分かれていても良いし、共通の単一のピンであって
も良い。前者の場合には、各型板50,51,52ごと
に位相が適度にずらされて配置される。
【0021】図15ないし図17は型板開閉装置21の
別の実施例を示しており、型セット5A,5Bとは別個
に案内路7a,7bの近傍に配されている。この場合の
型板セット5A,5Bは、図16に示すように、次位以
降の型板51,52の下面に少なくとも2か所溝または
穴28,28が設けられる。一方、型板開閉装置21と
しては、案内路7a7bに対して接近後退自在な移動機
構29,29と、これに搭載され前記溝または穴28,
28に挿入される爪部体300を有する昇降用アクチュ
エータ30を有するものが用いられる。爪部体300は
バーの場合を含んでいる。この場合の型板セット5A,
5Bは、前記内蔵型の場合と同じようにガイドピンとブ
シュによって平衡移動されるようになっていてもよい
が、スペース上でこれの採用が困難である場合には、図
17に示すように下側の型板の少なくとも4隅に位置決
めピン500を突設し、上側の型板の対応する位置に穴
を形成しておいても良い。
【0022】図示するものは本発明の一例であってこれ
に限定されるものではない。第1の型セット5Aと第2
の型セット5Bは、2本のパイプ材成形の場合に、図1
9(a)のように4枚の型板50,51,52,53か
らなっていても良い。この場合には、最下位の型板50
と次位の型板51とが組み合わされ、3番目の型板52
と最上位の型板53とが組み合わされ、2番目と3番目
の型板51,52は上下面が接しているだけである。ま
た、本発明はパイプ材を3本成形するための第1の型セ
ット5Aと第2の型セット5Bとしてもよい。この場合
には、図19(b)のように、4枚の型板50,51,
52,53を用い、最下位の型板50と次位の型板51
とで第1の型を構成させ、次位の型板51と3番目の型
板52とで第2の型を構成させ、3番目の型板52と最
上位の型板53とで第3の型を構成させればよい。さら
に図示しないが4本以上を同時成形する型板セットとし
てもよい。こうした場合、型板セット数の増加に呼応し
て横押し装置は3段の油圧シリンダ12が使用され、こ
れに呼応して駆動装置4も第1通路16、第2通路17
の分岐数が増加され、またサーボポンプからの圧油給排
回路の分岐数も増加される。
【0023】また、パイプ材Cはストレートである場合
に限られず、ある角度をで曲がっていたり、場合によっ
てはU状などであってもよい。もちろんこれに呼応して
型板のキャビティと半溝は形成される。そして横押し装
置3,3もパンチ13,13がパイプ材の端面に当接し
うるように配置される。パイプ材がU状である場合には
同じ側に並列して配される。実施例ではキャビテイと溝
が型板にひとつずつ設けられているが、型板の大きさに
よっては並列状に複数配されていてもよい。この場合に
はそれに呼応して横押し装置も上下だけでなく左右にも
設けられる。第1の型セット5Aと第2の型セット5B
における成形形状は同じであっても異なっていても良
い。さらに第1の型セット5Aと第2の型セット5Bに
おいて成形形状が2種以上であってもよい。型開閉装置
21のアクチュエータ22は下位側でなく上位側に配置
されていてもよい。この場合には、押圧部220が下方
に突き出すことで上位側の型板51,52がリフトされ
る。また、本発明は型締めプレス1を縦型としている
が、これに限定されず横型としてもよい。型締めプレス
1は油圧プレスでなくてもよい。さらに実施例では各パ
イプ材に対して増圧回路が共通化しているが、それぞれ
のパイプ材ごとに独立していてもよい。横押し装置も同
様である。
【0024】次に、本発明によるパイプ材フォーミング
方法を説明する。成形にあたっては、図1のように第1
と第2のムービングボルスタ2A,2Bをそれぞれプレ
スルーム外の案内路7a,7b上に位置させる。各ムー
ビングボルスタ2A,2Bの上には第1の型セット5A
と第2の型セット5Bがそれぞれ配置される。いずれか
一方たとえば第1のムービングボルスタ2Aの第1の型
セット5Aを先に成形する場合には、型板開閉装置21
により第1の型セット5Aの型板51,52をリフトし
て開き、ロボット等によりキャビテイにパイプ材C,C
を装填する。
【0025】型板開閉装置21が型セット自体に備わっ
ている場合には、切換え電磁弁24のソレノイドSOL1
に通電して圧油を第1の分流弁240,240および第
2の分流弁241,241を通して各アクチュエータ2
2に供給する。こうすれば最下段の型板50の各アクチ
ュエータ22の作動により押圧部220が一斉に突出し
て次位の型板51をリフトし、次位の型板51の各アク
チュエータ22の作動により押圧部220が一斉に突出
して上位の型板52をリフトする。各型板51,52は
相互に嵌まりあうガイドピン26とガイドブシュ27を
有しているため平衡に上昇し、図11の左半部と図12
に示すようにパイプ材C,Cを挿入するに十分な間隔が
形成される。この状態でパイプ材C,Cを半断キャビテ
ィ500,510と溝501,511にまたがるように
挿入し、切換え電磁弁24のソレノイドSOL2に通電して
各アクチュエータ22から圧油を排出する。これにより
型板51,52が下降して下位の型板51,50と当接
するため、パイプ材C,Cは第1の型セット5Aに2本
セットされる。かかるセット作業はプレスルーム外の大
きな自由空間で行われるため容易である。
【0026】次いで、第1のムービングボルスタ2Aの
駆動装置Mを作動すれば、車輪8,8が回転駆動するこ
とにより第1のムービングボルスタ2Aは第1の型セッ
ト5Aを搭載したまま案内路7aに沿って移動し、型締
めプレス1のプレスルームPR内に搬入される。この状
態が図5である。このときにはベッド6に配置してある
リフト装置10の油圧アクチュエータ102を作動して
支持板101を溝底レベルに一致させておく。搬入され
た第1のムービングボルスタ2Aは車輪8,8が支持板
101,101に乗ると、油圧アクチュエータ102が
作動して支持板121が沈下させられる。これにより第
1のムービングボルスタ2Aは降下し、ベッドから突出
しているセットピンに穴が嵌まり位置がセットされる。
第1のムービングボルスタ2Aの下面がベッド6に密着
したことをセンサが感知すると、クランプ装置11の油
圧アクチュエータ111が作動し、加圧板110が下降
して第1のムービングボルスタ2Aの張り出し部200
をベッド6に強接させる。これにより第1のムービング
ボルスタ2Aは定位置にしっかりと固定される。
【0027】前記のように第1のムービングボルスタ2
Aの固定が完了すると、その信号によりラム90が作動
してスライド9が下降する。それにより次の高圧膨らま
し工程において各型板5,51,52が開かないように
第1の型セット5Aはベッド6に型締めされる。この型
締めが終わると次に、駆動装置4により左右の横押し装
置3,3が作動して成形が行われる。まず、サーボポン
プ14,14が正転側に同調駆動し、それにより圧油が
油圧シリンダ12,12のピストン側に送られて左右の
パンチ13,13が突出し、第1の型セット5Aの各筒
穴に左右から挿入され、内部に位置している各パイプ材
C、Cの両端に密接し、所定の押圧力を加える。
【0028】次いで、アンロード弁161をオンにする
と、注液ポンプ15からの液体がチェック弁162を介
して第1通路16に送られ、各成形用液体通路孔13
0,130から各段のパイプ材C,C中に液体が充填さ
れる。電磁弁172をオンにするとパイロットチェック
弁171が開弁するため、各パイプ材C、C中の空気が
成形用液体通路孔131,131から第2通路17へと
排出される。次に注液系の電磁弁172をオフにする
と、パイロットチェック弁171が閉じるため、片側の
導出入通路130,130は実質的にシールされる。こ
れを確認するとアンロード弁161をオフにする。
【0029】次いで、増圧系の電磁弁193のSOL2をオ
ンにすれば、増圧回路19の油圧ポンプ18からの圧油
は増圧シリンダ190に送られて2重ピストンの前進に
より増圧室191cの液体は高圧化され、第1通路16
を経て成形用液体通路孔130,130から各段のパイ
プ材C,C中に高圧が加えられ、増圧する。これにより
パイプ材C,Cのキャビティに位置する部分は液圧で膨
らませられ、図2(b)で例示するようなキャビティの
形状に則するように塑性加工される。設定したバルジ圧
に所定時間保持されると、電磁弁193のSOL2はオフと
され、成形は完了する。すると電磁弁193のSOL1がオ
ンとされ、それにより増圧シリンダ190は後退側に動
かされ、パイプ材C,C内の圧力は減圧される。
【0030】このように減圧されると、注液系の電磁弁
172がオンとなり、パイロットチェック弁171が開
いてパイプ材C,C内の液は成形用液体通路孔131,
131から第2通路17を通ってタンク15aに戻され
る。そしてサーボポンプ14,14が逆回転し、左右の
パンチ13,13が第1の型セット5Aの各筒穴から脱
出して後退する。このようにして複数のパイプ材C,C
は同時成形されて複数の製品D,Dとされる。
【0031】こうした工程が終了すると、その信号が主
ラム90に送られ、スライド9が上昇し、型締めを開放
する。その間、第2ムービングボルスタ2Bにおいて
は、型板開閉装置21の作動により第2の型セット5B
の各型板51,52がリフトされ、各各型板51,52
のキャビテイにパイプ材C,Cがそれぞれ装填され、そ
して閉められることにより装填されている。前記のよう
に第1の型セット5Aに対する成形が終わると、クラン
プ装置11の油圧アクチュエータ111が上昇側に作動
して加圧板110が第1ムービングボルスタ2Aをアン
クランプし、次いで、リフト装置10の油圧アクチュエ
ータ102が作動して支持板101が車輪8,8を溝上
レベルに持ち上げるので、第1ムービングボルスタ2A
は可動可能となり、駆動装置Mの作動によりプレスルー
ムPRから案内路12へと搬出して定位置で停止する。
【0032】この搬出が確認されると、第2の型セット
5Bを搭載している第2ムービングボルスタ2Bは、駆
動装置Mにより前記第1ムービングボルスタ2Aの場合
と同じように反対側からプレスルームPR内に搬入さ
れ、リフト装置10とクランプ装置11の順次作動によ
りベッド上にしっかりと固定される。そして、前述した
ように、スライド9の下降によりベッド6と協働して型
締めされ、次いで駆動装置4により横押し装置3,3が
作動し、パイプ材の型内での押圧と高圧液の送給が行わ
れてキャビテイ形状に則した膨らまし成形が各パイプ材
に対して行われ、複数の製品D,Dが同時的に製作され
る。
【0033】その間、プレスルーム10外に搬出されて
いる第1ムービングボルスタ2A上の第1の型セット5
Aにおいては、型板開閉装置21により型板51,52
がリフトして開かれ、その開きスペースを利用して製品
D,Dが取り出される。これが図4の状態であり、製品
取出し後、ふたたび型板50と51の間および51と5
2の間の半割キャビテイおよび半溝に新たなパイプ材
C,Cが装填され、型板開閉装置21の閉じ動作により
保持される。
【0034】前記のようにプレスルーム10内の第2の
型セット5Bに対する成形が終わると、左右の横押し装
置3,3のパンチ13,13が後退し、スライド9が上
昇し、クランプ装置11とリフト装置12が作動して第
2ムービングボルスタ2Bがフリートなり、駆動装置M
により外部の案内路12へと搬出される。すると再び第
1ムービングボルスタ2AがプレスルームPRに搬入さ
れ、前記した一連の動作により第1の型セット5Aのパ
イプ材C,Cに対する成形が行われる。以下前述した作
動が繰り返されることにより単一の型締めプレス1を使
用して効率良く連続した膨らまし製品を製造することが
できる。
【0035】なお、型板開閉装置21が型セット外部に
ある場合には、ムービングボルスタが案内路12上に位
置しているときに移動機構29,29が作動してムービ
ングボルスタに接近し、爪部体300,300が型セッ
トの各段の溝または穴28,28に挿入され、そして昇
降用アクチュエータ30,30の同期作動により型板5
1,52が平衡に持ち上げられることで、パイプ材の装
填および製品取出しが行われる。
【0036】パイプ材の成形時に、パンチ13,13を
パイプ材端面に密接させるだけでなく、積極的に軸方向
圧縮力を付与しながら膨らまし成形する場合には、増圧
シリンダ190の作動と同時に圧力センサ192からの
信号により左右のサーボポンプ14,14を正転側にさ
らに作動させて高圧を油圧シリンダ12,12に供給
し、パンチ13,13を強制的に前進させれば良い。な
お、各型セット5A,5Bのパイプ材C,Cの成形は、
増圧回路を独立系として逐次的に行なっても良い。
【0037】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1および2
によれば、パイプ材のフォーミング成形を単一の型締め
プレスを用いて連続的に能率良く実施することができ、
生産性と製造コストを低減することができ、装置も比較
的簡単で、安価なものとすることができるいうすぐれた
効果が得られる。請求項4によれば、パイプ材の装填と
製品の取出しのための型板開閉装置が型セット自体に備
わっているので、型締めプレスの周囲に特別な装置を設
置する必要がなくなり、設備の簡易化とコンパクト化お
よび設備費の低減をはかることができるというすぐれた
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパイプ材のハイドロフォーミング
装置の概要を示す斜視図である。
【図2】(a)は本発明により成形するパイプ材の斜視
図、(b)は成形形状例を示す斜視図である。
【図3】第1の型セットを搬入して成形し、第2の型セ
ットを待機させている状態を示す斜視図である。
【図4】第1の型セットのパイプ材の成形が完了し製品
を取出しする一方、第2の型セットを搬入して成形して
いる状態を示す斜視図である。
【図5】本発明装置の部分切欠側面図であり、図1の状
態から第1の型セットをプレスルームに搬入した状態を
示している。
【図6】(a)は図5におけるリフト装置部分の拡大
図、(b)は図5のX−X線に沿う断面図である。
【図7】本発明装置における型セットの図9Y−Y線に
沿う断面図である。
【図8】本発明装置における型セットの図9Z−Z線に
沿う断面図である。
【図9】型セットの最下位の型板の平面図である。
【図10】型セットの第2段の型板の平面図である。
【図11】本発明装置における型セットの型開き状態と
閉じ状態を半分づつ示す断面図である。
【図12】本発明の型セットを型開閉装置を使用して開
いた状態を示す斜視図である。
【図13】型開閉装置の回路図である。
【図14】本発明装置における横押し装置の概要と駆動
系を示す回路図である。
【図15】本発明装置における型開閉装置の別の例を示
す平面図である。
【図16】図15の型開閉装置の使用状態を示す斜視図
である。
【図17】図15の型開閉装置を用いた場合に好適な型
セットを示す斜視図である。
【図18】(a)は本発明に適用される他の型セットを
示す側面図、(b)は他の型セットを示す側面図であ
る。
【符号の説明】
1 型締めプレス 2A 第1ムービングボルスタ 2B 第2ムービングボルスタ 3,3 横押し装置 4 駆動装置 5A 第1型セット 5B 第2型セット 7a,7b 案内路 9 スライド(可動押し盤) 13 パンチ 21 型板開閉装置 22 アクチュエータ 50,51,52 型板 500,510,520 半断キャビティ 501,511,521 半溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プレスルーム内で進退する可動押し盤を備
    え、プレスルーム両側に外方に向かって延びる一対の案
    内路を設けた型締めプレスと、前記左右の案内路上にそ
    れぞれ搭載されプレスルーム内に交互に移動される第1
    と第2のムービングボルスタと、前記第1と第2の各ム
    ービングボルスタにそれぞれ搭載され、合せ面に成形す
    べき形状をなし両端が半断面溝をもって外部に通じる半
    キャビテイを形成した少なくとも3枚の重ね合わられた
    型板をそれぞれ有する第1および第2の型セットと、前
    記型板に装填された各パイプ材に対応する複数のパンチ
    を有し、前記ムービングボルスタの移動を阻害しないよ
    うに前記型締めプレスに配された横押し装置と、前記横
    押し装置の各パンチを進退させるとともに各パンチを通
    して型セット内のパイプ材中に成形用の液体を給排する
    ための駆動装置とを備えたことを特徴とするパイプ材の
    ハイドロフォーミング装置。
  2. 【請求項2】パイプ材を膨らまし成形する方法であっ
    て、第1段階として、第1ムービングボルスタに搭載し
    た少なくとも3枚の型板からなる第1型セットに複数本
    のパイプ材を装填してムービングボルスタごとプレスル
    ーム内に搬入し、第2段階として型締めプレスを作動し
    て第1型セットを型締めし、第3段階として横押しプレ
    ス装置の各パンチを前記各型板間のパイプ材に強接させ
    ながらパイプ内に液体を充填、増圧してパイプ材をキャ
    ビテイに即応する形状に膨らませる成形を行い、第4段
    階としてパイプ材内の液体を減圧排出後、横押し装置の
    パンチを後退させ、型締めプレスによる型締めを開放し
    た後、第1のムービングボルスタをプレスルーム外に移
    動する一方、プレスルーム外で少なくとも3枚の型板を
    有する第2型セットに複数のパイプ材を装填しておいた
    第2ムービングボルスタをプレスルーム内に搬入し、第
    5段階として第2のムービングボルスタに搭載している
    第2型セット中の各パイプ材を前記第2段階ないし第4
    段階と同じ操作にて成形する一方、第1のムービングボ
    ルスタに搭載している型セットを開いて製品を取り出す
    とともに新たなパイプ材を装填する操作を順次繰り返す
    ことを特徴とするパイプ材のハイドロフォーミング方
    法。
  3. 【請求項3】型セットの少なくとも3枚の型板間にそれ
    ぞれパイプ材を装填しまた成形後の製品を取り出すため
    の型板開閉装置を有している請求項1に記載のパイプ材
    のハイドロフォーミング装置。
  4. 【請求項4】型板開閉装置が、キャビテイ領域より外側
    の型板部位に、対向する型板に対する押圧部を有する複
    数のリフト用アクチュエータを配設している請求項3に
    記載のハイドロフォーミング装置。
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