JP2001149953A - 地熱水の処理方法および装置 - Google Patents
地熱水の処理方法および装置Info
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- JP2001149953A JP2001149953A JP34261399A JP34261399A JP2001149953A JP 2001149953 A JP2001149953 A JP 2001149953A JP 34261399 A JP34261399 A JP 34261399A JP 34261399 A JP34261399 A JP 34261399A JP 2001149953 A JP2001149953 A JP 2001149953A
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- Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
- Removal Of Specific Substances (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 地熱水中のスケール原因物質を効率よくかつ
低コストで除去することができる処理方法および装置を
提供する。 【解決手段】 カルシウムを含む酸化物および水酸化物
のうち少なくともいずれか一方を、反応槽3内の地熱水
に添加し、該地熱水中に沈殿物を生成させる沈殿物生成
工程と、生成した沈殿物を沈殿槽4内で分離する沈殿物
分離工程を有する処理方法。
低コストで除去することができる処理方法および装置を
提供する。 【解決手段】 カルシウムを含む酸化物および水酸化物
のうち少なくともいずれか一方を、反応槽3内の地熱水
に添加し、該地熱水中に沈殿物を生成させる沈殿物生成
工程と、生成した沈殿物を沈殿槽4内で分離する沈殿物
分離工程を有する処理方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地熱水の処理方法
に関し、さらに詳しくは、地熱水中のスケール原因物質
を除去する処理方法に関する。
に関し、さらに詳しくは、地熱水中のスケール原因物質
を除去する処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地熱発電に用いられる地熱水中には、通
常、シリカなどの無機物質が高濃度で含まれている。地
熱水は、汲み上げによって、水源である地中に比べ低温
低圧の条件下におかれるため、上記無機物質の溶解度は
低下する。しかも水蒸気の分離に伴って地熱水中の無機
物質が濃縮されることから、この無機物質は過飽和状態
となることが多く、その結果、無機物質の析出が起こり
やすくなり、地熱水が流通する管路などにスケールが付
着し、管路の閉塞などの問題を引き起こすことがあっ
た。このため、スケールの原因となる無機物質を除去す
る処理方法が検討されている。
常、シリカなどの無機物質が高濃度で含まれている。地
熱水は、汲み上げによって、水源である地中に比べ低温
低圧の条件下におかれるため、上記無機物質の溶解度は
低下する。しかも水蒸気の分離に伴って地熱水中の無機
物質が濃縮されることから、この無機物質は過飽和状態
となることが多く、その結果、無機物質の析出が起こり
やすくなり、地熱水が流通する管路などにスケールが付
着し、管路の閉塞などの問題を引き起こすことがあっ
た。このため、スケールの原因となる無機物質を除去す
る処理方法が検討されている。
【0003】この種の処理方法としては、例えば特開昭
63−1496号公報に開示された方法が知られてい
る。この公報に開示された方法は、地熱水中にシリカコ
ロイドを生成させた後、このシリカコロイド上に、地熱
水中のシリカを析出させ、これを膜分離により熱水中か
ら除去する方法である。またこの他、地熱水に多価陽イ
オン(アルミニウムイオン、鉄イオンなど)を添加して
地熱水中のシリカを凝集させ、この凝集物を核としてシ
リカコロイドを生成させた後、このシリカコロイドを浮
上分離により除去する方法も知られている。
63−1496号公報に開示された方法が知られてい
る。この公報に開示された方法は、地熱水中にシリカコ
ロイドを生成させた後、このシリカコロイド上に、地熱
水中のシリカを析出させ、これを膜分離により熱水中か
ら除去する方法である。またこの他、地熱水に多価陽イ
オン(アルミニウムイオン、鉄イオンなど)を添加して
地熱水中のシリカを凝集させ、この凝集物を核としてシ
リカコロイドを生成させた後、このシリカコロイドを浮
上分離により除去する方法も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、処理効率が低く、処理水中の無機物質濃度
を十分なレベルまで低下させることができない問題があ
った。特に多価陽イオンを添加する方法では、多量の多
価陽イオンの添加が必要となるため、処理コストが嵩む
不都合があった。本発明は、上記事情に鑑みてなされた
もので、地熱水中のスケール原因物質を効率よくかつ低
コストで除去することができる処理方法および装置を提
供することを目的とする。
来技術では、処理効率が低く、処理水中の無機物質濃度
を十分なレベルまで低下させることができない問題があ
った。特に多価陽イオンを添加する方法では、多量の多
価陽イオンの添加が必要となるため、処理コストが嵩む
不都合があった。本発明は、上記事情に鑑みてなされた
もので、地熱水中のスケール原因物質を効率よくかつ低
コストで除去することができる処理方法および装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の地熱水の処理方
法は、カルシウムを含む酸化物および水酸化物のうち少
なくともいずれか一方を地熱水に添加し、該地熱水中に
沈殿物を生成させる沈殿物生成工程と、生成した沈殿物
を分離する沈殿物分離工程を有することを特徴とする。
この処理方法によれば、地熱水中のシリカなどの無機物
質を沈殿させ、無機物質の濃度が十分なレベルまで低下
した処理水を得ることができ、シリカスケールなどのス
ケールの発生を未然に防ぐことができる。カルシウムを
含む酸化物としては、沈殿物生成効率が高く、しかも安
価な生石灰を用いるのが好ましい。またカルシウムを含
む水酸化物としては、沈殿物生成効率が高く、しかも安
価な消石灰を用いるのが好ましい。沈殿物生成工程にお
いては、地熱水の温度を60℃以上とすると、沈殿物生
成効率を高めることができるため好ましい。また沈殿物
生成工程においては、地熱水のpHを9以上とすると、
沈殿物生成効率を高めることができるため好ましい。ま
た本発明では、沈殿物分離工程で分離された沈殿物の少
なくとも一部を、沈殿物生成工程に返送するのが好まし
い。返送された沈殿物は、沈殿物生成工程において沈殿
物の結晶が成長する際の核(シード)として機能するた
め、沈殿物生成が促進される。また本発明では、上記処
理方法によって処理された処理水を、未処理の地熱水に
添加、混合し、得られた混合水を、沈殿物生成工程およ
び沈殿物分離工程に供することもできる。このように、
処理水を、未処理の被処理水に添加、混合することによ
って、沈殿物生成工程における沈殿物生成を促進するこ
とができる。また、上記処理方法によって得られた処理
水を地中に還元する場合には、地熱水の温度を100℃
以上にて、前記沈殿物生成工程と沈殿物分離工程を経て
地中に還元する、すなわち地熱水の温度を100℃以上
に保ちつつ、この地熱水を沈殿物生成工程と沈殿物分離
工程とを経て地中に還元することもできる。水温を上記
範囲に保つことによって、地熱水の汲上げおよび還元の
際の熱効率の低下を防ぐことができる。このため、地熱
水を地熱発電に用いる場合において、発電コストを低く
抑えることができる。また処理水を地中に還元する場合
には、処理水のpHを中性に調整することによって、還
元水(処理水)からのスケール発生や配管の腐食を未然
に防ぐことができる。また本発明の地熱水の処理装置
は、地熱水を供給する地熱水供給手段と、該地熱水供給
手段からの地熱水に、カルシウムを含む酸化物および水
酸化物のうち少なくともいずれか一方であるカルシウム
化合物を添加するカルシウム化合物添加手段と、該添加
手段によるカルシウム化合物の添加により地熱水中に沈
殿物を生成させる反応槽と、生成した沈殿物を分離する
分離手段とを備えたことを特徴とする。また、本発明の
装置は、分離手段において分離された沈殿物の一部を、
反応槽内に返送する返送手段を備えたものであることが
好ましい。
法は、カルシウムを含む酸化物および水酸化物のうち少
なくともいずれか一方を地熱水に添加し、該地熱水中に
沈殿物を生成させる沈殿物生成工程と、生成した沈殿物
を分離する沈殿物分離工程を有することを特徴とする。
この処理方法によれば、地熱水中のシリカなどの無機物
質を沈殿させ、無機物質の濃度が十分なレベルまで低下
した処理水を得ることができ、シリカスケールなどのス
ケールの発生を未然に防ぐことができる。カルシウムを
含む酸化物としては、沈殿物生成効率が高く、しかも安
価な生石灰を用いるのが好ましい。またカルシウムを含
む水酸化物としては、沈殿物生成効率が高く、しかも安
価な消石灰を用いるのが好ましい。沈殿物生成工程にお
いては、地熱水の温度を60℃以上とすると、沈殿物生
成効率を高めることができるため好ましい。また沈殿物
生成工程においては、地熱水のpHを9以上とすると、
沈殿物生成効率を高めることができるため好ましい。ま
た本発明では、沈殿物分離工程で分離された沈殿物の少
なくとも一部を、沈殿物生成工程に返送するのが好まし
い。返送された沈殿物は、沈殿物生成工程において沈殿
物の結晶が成長する際の核(シード)として機能するた
め、沈殿物生成が促進される。また本発明では、上記処
理方法によって処理された処理水を、未処理の地熱水に
添加、混合し、得られた混合水を、沈殿物生成工程およ
び沈殿物分離工程に供することもできる。このように、
処理水を、未処理の被処理水に添加、混合することによ
って、沈殿物生成工程における沈殿物生成を促進するこ
とができる。また、上記処理方法によって得られた処理
水を地中に還元する場合には、地熱水の温度を100℃
以上にて、前記沈殿物生成工程と沈殿物分離工程を経て
地中に還元する、すなわち地熱水の温度を100℃以上
に保ちつつ、この地熱水を沈殿物生成工程と沈殿物分離
工程とを経て地中に還元することもできる。水温を上記
範囲に保つことによって、地熱水の汲上げおよび還元の
際の熱効率の低下を防ぐことができる。このため、地熱
水を地熱発電に用いる場合において、発電コストを低く
抑えることができる。また処理水を地中に還元する場合
には、処理水のpHを中性に調整することによって、還
元水(処理水)からのスケール発生や配管の腐食を未然
に防ぐことができる。また本発明の地熱水の処理装置
は、地熱水を供給する地熱水供給手段と、該地熱水供給
手段からの地熱水に、カルシウムを含む酸化物および水
酸化物のうち少なくともいずれか一方であるカルシウム
化合物を添加するカルシウム化合物添加手段と、該添加
手段によるカルシウム化合物の添加により地熱水中に沈
殿物を生成させる反応槽と、生成した沈殿物を分離する
分離手段とを備えたことを特徴とする。また、本発明の
装置は、分離手段において分離された沈殿物の一部を、
反応槽内に返送する返送手段を備えたものであることが
好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の地熱水の処理装
置の一実施形態を示すものである。ここに示す装置は、
地熱水を供給する地熱水供給手段である地熱水供給経路
1と、該供給経路1から供給された地熱水に、カルシウ
ム化合物を添加するカルシウム化合物添加手段2と、添
加手段2によるカルシウム化合物の添加により地熱水中
に沈殿物を生成させる反応槽3と、生成した沈殿物を分
離する分離手段である沈殿槽4と、沈殿槽4において分
離された沈殿物の一部を、反応槽3内に返送する返送手
段である返送経路5と、反応槽3内にpH調整剤を添加
するpH調整剤添加手段13とを備えて構成されてい
る。また、この装置を構成する各槽および各経路は、内
部圧力を、常圧を越える値に設定できるようになってい
る。
置の一実施形態を示すものである。ここに示す装置は、
地熱水を供給する地熱水供給手段である地熱水供給経路
1と、該供給経路1から供給された地熱水に、カルシウ
ム化合物を添加するカルシウム化合物添加手段2と、添
加手段2によるカルシウム化合物の添加により地熱水中
に沈殿物を生成させる反応槽3と、生成した沈殿物を分
離する分離手段である沈殿槽4と、沈殿槽4において分
離された沈殿物の一部を、反応槽3内に返送する返送手
段である返送経路5と、反応槽3内にpH調整剤を添加
するpH調整剤添加手段13とを備えて構成されてい
る。また、この装置を構成する各槽および各経路は、内
部圧力を、常圧を越える値に設定できるようになってい
る。
【0007】地熱水供給経路1は、反応槽3に接続され
ており、地熱水を、被処理水として反応槽3内に供給す
ることができるようになっている。カルシウム化合物添
加手段2は、被処理水中のスケール原因物質であるシリ
カなどの無機物質を沈殿させるカルシウム化合物を供給
するためのもので、該カルシウム化合物の溶液または懸
濁液を貯留する貯留槽6と、貯留槽6からのカルシウム
化合物を反応槽3に供給するカルシウム化合物供給経路
7を備えている。貯留槽6は、攪拌機6aを備えてお
り、内部の液を攪拌することができるようになってい
る。カルシウム化合物供給経路7は、地熱水供給経路1
に分岐接続されており、貯留槽6からのカルシウム化合
物を、供給経路1を経て反応槽3内に供給することがで
きるようになっている。
ており、地熱水を、被処理水として反応槽3内に供給す
ることができるようになっている。カルシウム化合物添
加手段2は、被処理水中のスケール原因物質であるシリ
カなどの無機物質を沈殿させるカルシウム化合物を供給
するためのもので、該カルシウム化合物の溶液または懸
濁液を貯留する貯留槽6と、貯留槽6からのカルシウム
化合物を反応槽3に供給するカルシウム化合物供給経路
7を備えている。貯留槽6は、攪拌機6aを備えてお
り、内部の液を攪拌することができるようになってい
る。カルシウム化合物供給経路7は、地熱水供給経路1
に分岐接続されており、貯留槽6からのカルシウム化合
物を、供給経路1を経て反応槽3内に供給することがで
きるようになっている。
【0008】沈殿槽4は、円筒状の胴部4aと、逆円錐
状に形成された円錐状下部4bを備えており、槽内の沈
殿物を沈降させ、円錐状下部4bの下端部(先端部)付
近に集めることができるようになっている。円錐状下部
4bの下端部には、内部の沈殿物を槽外に排出する沈殿
物排出経路8が接続されており、沈殿槽4内で集められ
た沈殿物を排出経路8を通して排出することができるよ
うになっている。
状に形成された円錐状下部4bを備えており、槽内の沈
殿物を沈降させ、円錐状下部4bの下端部(先端部)付
近に集めることができるようになっている。円錐状下部
4bの下端部には、内部の沈殿物を槽外に排出する沈殿
物排出経路8が接続されており、沈殿槽4内で集められ
た沈殿物を排出経路8を通して排出することができるよ
うになっている。
【0009】沈殿物排出経路8には、返送経路5の一端
が分岐接続されている。返送経路5の他端は、地熱水供
給経路1に分岐接続されており、沈殿槽4から排出経路
8を通して排出された沈殿物の一部を、供給経路1を経
て反応槽3内に返送できるようになっている。
が分岐接続されている。返送経路5の他端は、地熱水供
給経路1に分岐接続されており、沈殿槽4から排出経路
8を通して排出された沈殿物の一部を、供給経路1を経
て反応槽3内に返送できるようになっている。
【0010】沈殿槽4内壁には、鉛直方向に沿う管状の
排水路9が形成されている。排水路9の最下部には、濾
過部10が設けられ、最上部には、越流水を排出する越
流水排出部11が設けられており、沈殿槽4内の被処理
水が、濾過部10で濾過された後に排水路9、越流水排
出部11を経て沈殿槽4から越流して排出されるように
なっている。濾過部10には、汎用の濾過材、例えばス
チールウール、ガラスウール、金網等を用いることがで
きる。
排水路9が形成されている。排水路9の最下部には、濾
過部10が設けられ、最上部には、越流水を排出する越
流水排出部11が設けられており、沈殿槽4内の被処理
水が、濾過部10で濾過された後に排水路9、越流水排
出部11を経て沈殿槽4から越流して排出されるように
なっている。濾過部10には、汎用の濾過材、例えばス
チールウール、ガラスウール、金網等を用いることがで
きる。
【0011】反応槽3は、円板状の底部3aとその周縁
から鉛直上方に延びる胴部3bとからなる有底円筒状に
形成されている。反応槽3は、沈殿槽4内に収容されて
いる。胴部3bの下部には、胴部3bの内周壁の接線方
向に向けて、地熱水供給経路1が接続されており、供給
経路1から供給された被処理水が、胴部3bの内周壁接
線方向に向けて反応槽3内に流入するようになってい
る。
から鉛直上方に延びる胴部3bとからなる有底円筒状に
形成されている。反応槽3は、沈殿槽4内に収容されて
いる。胴部3bの下部には、胴部3bの内周壁の接線方
向に向けて、地熱水供給経路1が接続されており、供給
経路1から供給された被処理水が、胴部3bの内周壁接
線方向に向けて反応槽3内に流入するようになってい
る。
【0012】pH調整剤添加手段13は、反応槽3内の
被処理水のpHを調整するpH調整剤(NaOH溶液、
KOH溶液など)を添加するためのもので、pH調整剤
を貯留する貯留槽14と、貯留槽14からのpH調整剤
を反応槽3に供給するpH調整剤供給経路15を備えて
いる。
被処理水のpHを調整するpH調整剤(NaOH溶液、
KOH溶液など)を添加するためのもので、pH調整剤
を貯留する貯留槽14と、貯留槽14からのpH調整剤
を反応槽3に供給するpH調整剤供給経路15を備えて
いる。
【0013】次に、上記処理装置を用いた場合を例とし
て、本発明の地熱水の処理方法の一実施形態を説明す
る。本実施形態の処理方法を実施するにあたっては、予
めカルシウム化合物添加手段2の貯留槽6内に、カルシ
ウム化合物の溶液または懸濁液(以下、カルシウム液と
いう)を収容しておく。このカルシウム化合物は、地熱
水中のスケール原因物質であるシリカなどの無機物質を
沈殿させるために用いられるもので、カルシウムを含む
酸化物および水酸化物のうち少なくともいずれか一方が
用いられる。
て、本発明の地熱水の処理方法の一実施形態を説明す
る。本実施形態の処理方法を実施するにあたっては、予
めカルシウム化合物添加手段2の貯留槽6内に、カルシ
ウム化合物の溶液または懸濁液(以下、カルシウム液と
いう)を収容しておく。このカルシウム化合物は、地熱
水中のスケール原因物質であるシリカなどの無機物質を
沈殿させるために用いられるもので、カルシウムを含む
酸化物および水酸化物のうち少なくともいずれか一方が
用いられる。
【0014】カルシウムを含む酸化物としては、カルシ
ウムの酸化物を含むもの、例えば生石灰(CaO)、ド
ロマイト、CaO2 、CaO・ZrO2などを用いるこ
とができる。特に、沈殿物生成効率が高く、しかも安価
な生石灰(CaO)を用いるのが好ましい。カルシウム
を含む水酸化物としては、カルシウムの水酸化物を含む
もの、例えば消石灰(Ca(OH)2)、Ca(OCl)2・
nCa(OH)2などを用いることができる。特に、沈殿
物生成効率が高く、しかも安価な消石灰(Ca(O
H)2)を用いるのが好ましい。
ウムの酸化物を含むもの、例えば生石灰(CaO)、ド
ロマイト、CaO2 、CaO・ZrO2などを用いるこ
とができる。特に、沈殿物生成効率が高く、しかも安価
な生石灰(CaO)を用いるのが好ましい。カルシウム
を含む水酸化物としては、カルシウムの水酸化物を含む
もの、例えば消石灰(Ca(OH)2)、Ca(OCl)2・
nCa(OH)2などを用いることができる。特に、沈殿
物生成効率が高く、しかも安価な消石灰(Ca(O
H)2)を用いるのが好ましい。
【0015】カルシウム液は、貯留槽6内において、攪
拌機6aによって十分に攪拌されることによって、カル
シウム化合物の溶解が促進され、高濃度の溶液となる。
またカルシウム液中のカルシウム化合物量がその溶解度
を上回る場合には、カルシウム液は、カルシウム化合物
の溶液中に未溶解のカルシウム化合物が懸濁した懸濁液
となる。なおカルシウム化合物としてCaOを含むもの
を用いる場合には、CaOの一部が水と反応しCa(O
H)2となることがある。カルシウム液中のカルシウム化
合物の濃度は、0.5〜50g/Lとするのが好まし
い。カルシウム液の温度は、常温程度とするのが好まし
い。
拌機6aによって十分に攪拌されることによって、カル
シウム化合物の溶解が促進され、高濃度の溶液となる。
またカルシウム液中のカルシウム化合物量がその溶解度
を上回る場合には、カルシウム液は、カルシウム化合物
の溶液中に未溶解のカルシウム化合物が懸濁した懸濁液
となる。なおカルシウム化合物としてCaOを含むもの
を用いる場合には、CaOの一部が水と反応しCa(O
H)2となることがある。カルシウム液中のカルシウム化
合物の濃度は、0.5〜50g/Lとするのが好まし
い。カルシウム液の温度は、常温程度とするのが好まし
い。
【0016】地熱水供給経路1に設けられた送液ポンプ
1aを稼働させ、地熱水を被処理水として供給経路1を
通して反応槽3内に導入する。地熱水には、通常、シリ
カなどの無機物質が高濃度で含まれる。特に水源である
地中が高温高圧である場合には、汲み上げによって地熱
水が低温低圧条件下におかれ、無機物質の溶解度が低下
することから、無機物質が過飽和状態となっていること
がある。また地熱水の汲み上げ時の温度は、通常100
℃以上、例えば170℃前後となっている。
1aを稼働させ、地熱水を被処理水として供給経路1を
通して反応槽3内に導入する。地熱水には、通常、シリ
カなどの無機物質が高濃度で含まれる。特に水源である
地中が高温高圧である場合には、汲み上げによって地熱
水が低温低圧条件下におかれ、無機物質の溶解度が低下
することから、無機物質が過飽和状態となっていること
がある。また地熱水の汲み上げ時の温度は、通常100
℃以上、例えば170℃前後となっている。
【0017】地熱水供給経路1は、反応槽3の胴部3b
の内周壁の接線方向に向けて反応槽3に接続されている
ため、地熱水供給経路1から供給された被処理水は、胴
部3bの内周方向に沿って一方向に回転して渦流を形成
しつつ上昇する。
の内周壁の接線方向に向けて反応槽3に接続されている
ため、地熱水供給経路1から供給された被処理水は、胴
部3bの内周方向に沿って一方向に回転して渦流を形成
しつつ上昇する。
【0018】この際、カルシウム化合物供給経路7に設
けられた送液ポンプ7aを稼働させ、貯留槽6内のカル
シウム液を供給経路7,1を通して反応槽3内に供給す
る。カルシウム液の供給量は、使用するカルシウム化合
物に応じて定めることができる。例えば、使用するカル
シウム化合物が、カルシウムを含む酸化物(生石灰な
ど)である場合には、その供給量は、反応槽3内のカル
シウム化合物濃度が、0.35〜2g/L、好ましくは
0.9〜2g/Lとなるように設定するのが好ましい。
また使用するカルシウム化合物が、カルシウムを含む水
酸化物(消石灰など)である場合には、その供給量は、
反応槽3内のカルシウム化合物濃度が、0.5〜2g/
L、好ましくは0.7〜2g/Lとなるように設定する
のが好ましい。
けられた送液ポンプ7aを稼働させ、貯留槽6内のカル
シウム液を供給経路7,1を通して反応槽3内に供給す
る。カルシウム液の供給量は、使用するカルシウム化合
物に応じて定めることができる。例えば、使用するカル
シウム化合物が、カルシウムを含む酸化物(生石灰な
ど)である場合には、その供給量は、反応槽3内のカル
シウム化合物濃度が、0.35〜2g/L、好ましくは
0.9〜2g/Lとなるように設定するのが好ましい。
また使用するカルシウム化合物が、カルシウムを含む水
酸化物(消石灰など)である場合には、その供給量は、
反応槽3内のカルシウム化合物濃度が、0.5〜2g/
L、好ましくは0.7〜2g/Lとなるように設定する
のが好ましい。
【0019】カルシウム液の供給によって、該カルシウ
ム液中のカルシウム化合物と、被処理水中のシリカなど
の無機物質が反応し、沈殿物が生成する。例えば、カル
シウム化合物として生石灰(CaO)を用いる場合に
は、反応槽3内において、被処理水中のシリカと生石灰
とにより、次のような反応が進行する。 2CaO+SiO2 → 2CaO・SiO2 または 3CaO+SiO2 → 3CaO・SiO2
ム液中のカルシウム化合物と、被処理水中のシリカなど
の無機物質が反応し、沈殿物が生成する。例えば、カル
シウム化合物として生石灰(CaO)を用いる場合に
は、反応槽3内において、被処理水中のシリカと生石灰
とにより、次のような反応が進行する。 2CaO+SiO2 → 2CaO・SiO2 または 3CaO+SiO2 → 3CaO・SiO2
【0020】またカルシウム化合物として消石灰(Ca
(OH)2)を用いる場合には、次のような反応が進行す
る。 2Ca(OH)2+SiO2 → 2CaO・SiO2+2H2
O または 3Ca(OH)2+SiO2 → 3CaO・SiO2+3H2
O 2CaO・SiO2および3CaO・SiO2は非常に溶解
度が低いため、沈殿物となる。沈殿物の生成により、被
処理水中のシリカなどの無機物質の濃度は低下する。こ
のように、反応槽3内において沈殿物を生成させる工程
を、以下、沈殿物生成工程という。
(OH)2)を用いる場合には、次のような反応が進行す
る。 2Ca(OH)2+SiO2 → 2CaO・SiO2+2H2
O または 3Ca(OH)2+SiO2 → 3CaO・SiO2+3H2
O 2CaO・SiO2および3CaO・SiO2は非常に溶解
度が低いため、沈殿物となる。沈殿物の生成により、被
処理水中のシリカなどの無機物質の濃度は低下する。こ
のように、反応槽3内において沈殿物を生成させる工程
を、以下、沈殿物生成工程という。
【0021】この沈殿物生成工程においては、反応槽3
内の被処理水の温度を60℃以上(好ましくは90℃以
上、さらに好ましくは100℃以上)とするのが望まし
い。この温度が上記範囲未満であると、沈殿物生成の効
率が低下する。
内の被処理水の温度を60℃以上(好ましくは90℃以
上、さらに好ましくは100℃以上)とするのが望まし
い。この温度が上記範囲未満であると、沈殿物生成の効
率が低下する。
【0022】また沈殿物生成工程においては、反応槽3
内の被処理水のpHを9以上(好ましくは10以上、さ
らに好ましくは11以上、さらに好ましくは12以上)
とするのが望ましい。このpHが上記範囲未満である
と、沈殿物生成の効率が低下する。pHを調整する際に
は、カルシウム化合物添加手段2からのカルシウム液、
例えば消石灰の溶液または懸濁液をpH調整剤として用
いることもできるし、pH調整剤添加手段13の貯留槽
14内のpH調整剤(NaOH溶液、KOH溶液など)
を供給経路15、1を通して反応槽3に添加する方法を
採ることもできる。
内の被処理水のpHを9以上(好ましくは10以上、さ
らに好ましくは11以上、さらに好ましくは12以上)
とするのが望ましい。このpHが上記範囲未満である
と、沈殿物生成の効率が低下する。pHを調整する際に
は、カルシウム化合物添加手段2からのカルシウム液、
例えば消石灰の溶液または懸濁液をpH調整剤として用
いることもできるし、pH調整剤添加手段13の貯留槽
14内のpH調整剤(NaOH溶液、KOH溶液など)
を供給経路15、1を通して反応槽3に添加する方法を
採ることもできる。
【0023】反応槽3内において、被処理水は、沈殿物
とともに渦流に従って回転しつつ上昇し、反応槽3の最
上部から順次反応槽3外に流出する。反応槽3外に出た
被処理水は、沈殿槽4内を下方に向けて流れ、濾過部1
0を通過して排水路9内に流入し、排水路9内を上昇
し、越流水排出部11から越流により槽外に排出され、
処理水排出経路12を経て処理水として排出される。被
処理水が濾過部10を通過する際には、被処理水中の沈
殿物やその他の懸濁物質が濾過部10に捕捉される。こ
のため、処理水は懸濁物質を含まず、清澄なものとな
る。
とともに渦流に従って回転しつつ上昇し、反応槽3の最
上部から順次反応槽3外に流出する。反応槽3外に出た
被処理水は、沈殿槽4内を下方に向けて流れ、濾過部1
0を通過して排水路9内に流入し、排水路9内を上昇
し、越流水排出部11から越流により槽外に排出され、
処理水排出経路12を経て処理水として排出される。被
処理水が濾過部10を通過する際には、被処理水中の沈
殿物やその他の懸濁物質が濾過部10に捕捉される。こ
のため、処理水は懸濁物質を含まず、清澄なものとな
る。
【0024】処理水は、還元井を経て地中に還元するこ
とができる。処理水を地中に還元する際には、硫酸など
のpH調整剤を用いて、処理水のpHを中性領域、例え
ば6〜8に調整するのが好ましい。このpH調整によっ
て、還元水(処理水)からのスケール発生や配管の腐食
を防ぐことができる。
とができる。処理水を地中に還元する際には、硫酸など
のpH調整剤を用いて、処理水のpHを中性領域、例え
ば6〜8に調整するのが好ましい。このpH調整によっ
て、還元水(処理水)からのスケール発生や配管の腐食
を防ぐことができる。
【0025】一方、被処理水とともに反応槽3外に流出
した沈殿物は、沈殿槽4内において沈降し、円錐状下部
4bに集められ、適宜沈殿物排出経路8を通して槽外に
排出される。このように、沈殿槽4において、沈殿物を
沈降分離により被処理水から分離する工程を沈殿物分離
工程という。
した沈殿物は、沈殿槽4内において沈降し、円錐状下部
4bに集められ、適宜沈殿物排出経路8を通して槽外に
排出される。このように、沈殿槽4において、沈殿物を
沈降分離により被処理水から分離する工程を沈殿物分離
工程という。
【0026】この際、沈殿物排出経路8を通して排出さ
れる沈殿物の少なくとも一部を、返送経路5を通して反
応槽3内に返送するのが好ましい。反応槽3内に返送さ
れた沈殿物は、反応槽3内における沈殿物生成過程にお
いて、2CaO・SiO2、3CaO・SiO2などの沈殿
物の結晶が成長する際の核(シード)として機能し、沈
殿物生成を促進する。
れる沈殿物の少なくとも一部を、返送経路5を通して反
応槽3内に返送するのが好ましい。反応槽3内に返送さ
れた沈殿物は、反応槽3内における沈殿物生成過程にお
いて、2CaO・SiO2、3CaO・SiO2などの沈殿
物の結晶が成長する際の核(シード)として機能し、沈
殿物生成を促進する。
【0027】また、沈殿物生成工程、沈殿物分離工程を
経た処理水を地中に還元する場合には、これらの工程を
通じて被処理水および処理水の温度を100℃以上(好
ましくは120℃以上、さらに好ましくは140℃以
上)とするのが好ましい。この装置を構成する各槽およ
び各経路は、内部圧力を、常圧を越える値に設定できる
ようになっているため、水温を100℃以上とした場合
でも被処理水、処理水が蒸散するのを防ぐことができ
る。水温を上記範囲に保つことによって、地熱水の汲上
げおよび還元の際の熱効率の低下を防ぐことができる。
このため、地熱水を地熱発電に用いる場合において、発
電コストを低く抑えることができる。
経た処理水を地中に還元する場合には、これらの工程を
通じて被処理水および処理水の温度を100℃以上(好
ましくは120℃以上、さらに好ましくは140℃以
上)とするのが好ましい。この装置を構成する各槽およ
び各経路は、内部圧力を、常圧を越える値に設定できる
ようになっているため、水温を100℃以上とした場合
でも被処理水、処理水が蒸散するのを防ぐことができ
る。水温を上記範囲に保つことによって、地熱水の汲上
げおよび還元の際の熱効率の低下を防ぐことができる。
このため、地熱水を地熱発電に用いる場合において、発
電コストを低く抑えることができる。
【0028】本実施形態の処理方法にあっては、カルシ
ウム化合物を被処理水に添加し、該被処理水中に沈殿物
を生成させる沈殿物生成工程と、生成した沈殿物を分離
する沈殿物分離工程を有するので、被処理水中のシリカ
などのスケール原因物質である無機物質を、2CaO・
SiO2、3CaO・SiO2などの形態で沈殿させ、分
離除去することができる。このため、シリカなどの無機
物質の濃度が十分なレベルまで低下した処理水を得るこ
とができ、シリカスケールなどのスケールの発生を未然
に防ぐことができる。また安価なカルシウム化合物を用
いるため処理コスト低減が可能である。
ウム化合物を被処理水に添加し、該被処理水中に沈殿物
を生成させる沈殿物生成工程と、生成した沈殿物を分離
する沈殿物分離工程を有するので、被処理水中のシリカ
などのスケール原因物質である無機物質を、2CaO・
SiO2、3CaO・SiO2などの形態で沈殿させ、分
離除去することができる。このため、シリカなどの無機
物質の濃度が十分なレベルまで低下した処理水を得るこ
とができ、シリカスケールなどのスケールの発生を未然
に防ぐことができる。また安価なカルシウム化合物を用
いるため処理コスト低減が可能である。
【0029】またカルシウム化合物として生石灰または
消石灰を用いることによって、沈殿物生成効率を高める
とともに、処理コスト低減が可能となる。
消石灰を用いることによって、沈殿物生成効率を高める
とともに、処理コスト低減が可能となる。
【0030】また、沈殿物生成工程において、反応槽3
内の被処理水の温度を高温、例えば60℃以上とするこ
とによって、沈殿物生成効率を高めることができる。以
下、この効果が得られる理由を、カルシウム化合物とし
て消石灰を用いる場合を例として説明する。図2は、カ
ルシウムの水酸化物であるCa(OH)2の溶解度を示す
ものである(横軸:温度、縦軸:CaOに換算した溶解
度)。この図に示すように、Ca(OH)2の溶解度は温
度が高いほど低くなる。このため、貯留槽6内のカルシ
ウム液が高温の反応槽3内に供給されると、カルシウム
化合物の溶解度が低下し、カルシウム液中のカルシウム
化合物が関与する沈殿物生成反応が起こりやすくなる。
このため沈殿物生成効率が高められると考えられる。ま
たカルシウム化合物として生石灰を含むものを用いる場
合においても、同様の機構により沈殿物生成効率が高め
られる。
内の被処理水の温度を高温、例えば60℃以上とするこ
とによって、沈殿物生成効率を高めることができる。以
下、この効果が得られる理由を、カルシウム化合物とし
て消石灰を用いる場合を例として説明する。図2は、カ
ルシウムの水酸化物であるCa(OH)2の溶解度を示す
ものである(横軸:温度、縦軸:CaOに換算した溶解
度)。この図に示すように、Ca(OH)2の溶解度は温
度が高いほど低くなる。このため、貯留槽6内のカルシ
ウム液が高温の反応槽3内に供給されると、カルシウム
化合物の溶解度が低下し、カルシウム液中のカルシウム
化合物が関与する沈殿物生成反応が起こりやすくなる。
このため沈殿物生成効率が高められると考えられる。ま
たカルシウム化合物として生石灰を含むものを用いる場
合においても、同様の機構により沈殿物生成効率が高め
られる。
【0031】また、沈殿物生成工程において、反応槽3
内のpHを9以上とすることによって、沈殿物生成効率
を高めることができる。これは、反応槽3内のpHが上
記範囲にあると、沈殿物表面のゼータ電位が0に近づく
ため、沈殿物どうしの電気的な反発が小さくなり、これ
らが凝集し粗大粒子化しやすくなるためであると考えら
れる。
内のpHを9以上とすることによって、沈殿物生成効率
を高めることができる。これは、反応槽3内のpHが上
記範囲にあると、沈殿物表面のゼータ電位が0に近づく
ため、沈殿物どうしの電気的な反発が小さくなり、これ
らが凝集し粗大粒子化しやすくなるためであると考えら
れる。
【0032】また、沈殿槽4で分離された沈殿物の少な
くとも一部を、返送経路5を用いて反応槽3に返送する
ことによって、返送された沈殿物は、反応槽3内におけ
る沈殿物生成過程において、2CaO・SiO2、3Ca
O・SiO2などの沈殿物の結晶が成長する際の核(シー
ド)として機能し、沈殿物生成を促進する。このため、
沈殿物生成効率が向上し、処理水中のシリカなどの無機
物質の濃度をさらに低下させ、スケールの発生を確実に
防ぐことができる。
くとも一部を、返送経路5を用いて反応槽3に返送する
ことによって、返送された沈殿物は、反応槽3内におけ
る沈殿物生成過程において、2CaO・SiO2、3Ca
O・SiO2などの沈殿物の結晶が成長する際の核(シー
ド)として機能し、沈殿物生成を促進する。このため、
沈殿物生成効率が向上し、処理水中のシリカなどの無機
物質の濃度をさらに低下させ、スケールの発生を確実に
防ぐことができる。
【0033】また、本発明では、上記処理方法によって
処理された処理水を、未処理の被処理水に添加、混合
し、得られた混合水を、沈殿物生成工程および沈殿物分
離工程に供することもできる。具体的には、例えば、処
理水排出経路12から排出された処理水の一部を、図示
せぬ返送経路によって地熱水供給経路1内の被処理水に
添加する方法を採ることができる。
処理された処理水を、未処理の被処理水に添加、混合
し、得られた混合水を、沈殿物生成工程および沈殿物分
離工程に供することもできる。具体的には、例えば、処
理水排出経路12から排出された処理水の一部を、図示
せぬ返送経路によって地熱水供給経路1内の被処理水に
添加する方法を採ることができる。
【0034】このように、未処理の被処理水に添加、混
合することによって、沈殿物生成を促進することができ
る。このため、カルシウム化合物の必要添加量を少なく
することができ、処理コスト低減を図ることができる。
合することによって、沈殿物生成を促進することができ
る。このため、カルシウム化合物の必要添加量を少なく
することができ、処理コスト低減を図ることができる。
【0035】またカルシウム化合物を、溶液または懸濁
液として被処理水に添加することによって、沈殿物の生
成効率を高めることができる。この効果は以下の理由に
より得られると考えられる。すなわち、貯留槽6におい
てカルシウム化合物を液中に溶解させた状態として反応
槽3内に添加する場合には、液中に溶存したカルシウム
化合物が被処理水中の無機物質と直ちに反応することか
ら、沈殿物生成反応が効率よく進行する。このため、沈
殿物の生成効率が高まる。これに対し、カルシウム化合
物を固体のまま被処理水に添加する場合には、カルシウ
ム化合物が、一旦被処理水中に溶解した後に無機物質と
反応するため、沈殿物の生成に長時間を要する。
液として被処理水に添加することによって、沈殿物の生
成効率を高めることができる。この効果は以下の理由に
より得られると考えられる。すなわち、貯留槽6におい
てカルシウム化合物を液中に溶解させた状態として反応
槽3内に添加する場合には、液中に溶存したカルシウム
化合物が被処理水中の無機物質と直ちに反応することか
ら、沈殿物生成反応が効率よく進行する。このため、沈
殿物の生成効率が高まる。これに対し、カルシウム化合
物を固体のまま被処理水に添加する場合には、カルシウ
ム化合物が、一旦被処理水中に溶解した後に無機物質と
反応するため、沈殿物の生成に長時間を要する。
【0036】なお、上記実施形態の方法では、沈殿物を
分離除去する方法として沈降分離を採用したが、これに
限らず、膜分離、遠心分離等の方法を採用することも可
能である。また、本明細書において地熱水とは、地熱発
電に用いられるものに限らず、温泉水なども含む。
分離除去する方法として沈降分離を採用したが、これに
限らず、膜分離、遠心分離等の方法を採用することも可
能である。また、本明細書において地熱水とは、地熱発
電に用いられるものに限らず、温泉水なども含む。
【0037】
【実施例】以下、本発明の効果を明確化するために行っ
た試験の結果を示す。 試験1:カルシウム化合物添加の効果 カルシウム化合物の効果を次に示す回分試験によって確
認した。すなわち、カルシウム化合物(生石灰、消石
灰)をそれぞれビーカ中で地熱水原水(全シリカ濃度:
513mg/kg)に添加し、15分経過後の上澄みの
全シリカ濃度を測定した。試験結果を図3(横軸:カル
シウム化合物の添加量、縦軸:上澄みの全シリカ濃度)
に示す。なおこの処理方法による処理水中全シリカ濃度
の目標値としては、60℃の温度条件でのアモルファス
シリカの溶解度(217mg/kg)を挙げた。処理水
中の全シリカ濃度がこの目標値を下回れば、上記温度条
件においてシリカスケールの発生を防ぐことができる。
た試験の結果を示す。 試験1:カルシウム化合物添加の効果 カルシウム化合物の効果を次に示す回分試験によって確
認した。すなわち、カルシウム化合物(生石灰、消石
灰)をそれぞれビーカ中で地熱水原水(全シリカ濃度:
513mg/kg)に添加し、15分経過後の上澄みの
全シリカ濃度を測定した。試験結果を図3(横軸:カル
シウム化合物の添加量、縦軸:上澄みの全シリカ濃度)
に示す。なおこの処理方法による処理水中全シリカ濃度
の目標値としては、60℃の温度条件でのアモルファス
シリカの溶解度(217mg/kg)を挙げた。処理水
中の全シリカ濃度がこの目標値を下回れば、上記温度条
件においてシリカスケールの発生を防ぐことができる。
【0038】図3より、これらのカルシウム化合物の添
加により、全シリカ濃度を目標値未満となるまで低下さ
せることができたことがわかる。
加により、全シリカ濃度を目標値未満となるまで低下さ
せることができたことがわかる。
【0039】試験2:pHの影響 pHの影響を確認するため、試験開始時の地熱水原水の
pHを8〜11の範囲で変えて、試験1と同様にしてカ
ルシウム化合物(生石灰)添加試験を行った。すなわ
ち、試験1で用いたものと同様の地熱水原水のpHをN
aOHを用いて8〜11に調整した後、これに生石灰を
添加し、15分経過後の上澄みの全シリカ濃度を測定し
た。生石灰の添加量は、0.35g/Lとした。結果を
図4(横軸:反応時間、縦軸:上澄みの全シリカ濃度)
に示す。
pHを8〜11の範囲で変えて、試験1と同様にしてカ
ルシウム化合物(生石灰)添加試験を行った。すなわ
ち、試験1で用いたものと同様の地熱水原水のpHをN
aOHを用いて8〜11に調整した後、これに生石灰を
添加し、15分経過後の上澄みの全シリカ濃度を測定し
た。生石灰の添加量は、0.35g/Lとした。結果を
図4(横軸:反応時間、縦軸:上澄みの全シリカ濃度)
に示す。
【0040】図4より、pHを高くするほど全シリカ濃
度を低くすることができることがわかる。特に、pHを
9以上とすることによって、低い全シリカ濃度を得るこ
とができたことがわかる。
度を低くすることができることがわかる。特に、pHを
9以上とすることによって、低い全シリカ濃度を得るこ
とができたことがわかる。
【0041】試験3:pHとゼータ電位との関係 試験1で用いたものと同様の地熱水原水に、生石灰を添
加して沈殿物を生成させ、上澄みのpHと、沈殿物のゼ
ータ電位との関係を求めた。結果を図5(横軸:上澄み
のpH、縦軸:沈殿物のゼータ電位)に示す。なお生石
灰としては、産地の異なる3種類のもの(A,B,C)
を用いた。また沈殿物のゼータ電位と、上澄みの全シリ
カ濃度との関係を求めた。結果を図6(横軸:上澄みの
全シリカ濃度、縦軸:沈殿物のゼータ電位)に示す。
加して沈殿物を生成させ、上澄みのpHと、沈殿物のゼ
ータ電位との関係を求めた。結果を図5(横軸:上澄み
のpH、縦軸:沈殿物のゼータ電位)に示す。なお生石
灰としては、産地の異なる3種類のもの(A,B,C)
を用いた。また沈殿物のゼータ電位と、上澄みの全シリ
カ濃度との関係を求めた。結果を図6(横軸:上澄みの
全シリカ濃度、縦軸:沈殿物のゼータ電位)に示す。
【0042】図5に示すように、pHが高いほど沈殿物
のゼータ電位が0に近くなることがわかる。また図6に
示すように、沈殿物のゼータ電位が0に近いほど上澄み
の全シリカ濃度が低くなることがわかる。
のゼータ電位が0に近くなることがわかる。また図6に
示すように、沈殿物のゼータ電位が0に近いほど上澄み
の全シリカ濃度が低くなることがわかる。
【0043】試験4:未処理地熱水と処理水との混合の
影響 試験1で用いたものと同様の地熱水原水に、生石灰を1
g/Lとなるよう添加し、15分経過後、上澄みを50
0ml採取し、これに上記地熱水原水を100ml添
加、混合し、混合液の上澄みのpHと全シリカ濃度を測
定した。また、地熱水原水の添加量を200〜500m
lとして同様の測定を行った。また比較のため、地熱水
原水の添加を行わないで同様の測定を行った。結果を図
7に示す(横軸:地熱水添加量、縦軸:混合液の上澄み
の全シリカ濃度、pH)。図中、全シリカ濃度計算値と
は、地熱水添加後の全シリカ濃度を、上澄みおよび地熱
水原水の全シリカ濃度から計算により予測した値を示す
ものである。また線形とは実測値および計算値の近似線
を示すものである。
影響 試験1で用いたものと同様の地熱水原水に、生石灰を1
g/Lとなるよう添加し、15分経過後、上澄みを50
0ml採取し、これに上記地熱水原水を100ml添
加、混合し、混合液の上澄みのpHと全シリカ濃度を測
定した。また、地熱水原水の添加量を200〜500m
lとして同様の測定を行った。また比較のため、地熱水
原水の添加を行わないで同様の測定を行った。結果を図
7に示す(横軸:地熱水添加量、縦軸:混合液の上澄み
の全シリカ濃度、pH)。図中、全シリカ濃度計算値と
は、地熱水添加後の全シリカ濃度を、上澄みおよび地熱
水原水の全シリカ濃度から計算により予測した値を示す
ものである。また線形とは実測値および計算値の近似線
を示すものである。
【0044】図7より、地熱水原水と処理水を混合する
ことにより、計算から求められた予測値を下回る全シリ
カ濃度が得られたことがわかる。この結果は、地熱水原
水と処理水の混合により、沈殿物生成が促進されたこと
により得られたと考えられる。
ことにより、計算から求められた予測値を下回る全シリ
カ濃度が得られたことがわかる。この結果は、地熱水原
水と処理水の混合により、沈殿物生成が促進されたこと
により得られたと考えられる。
【0045】試験5:カルシウム化合物の状態の影響 消石灰を懸濁液の状態として、試験1で用いたものと同
様の地熱水原水に添加し、15分経過後の上澄みの全シ
リカ濃度を測定した。また消石灰を固体(粉末)のまま
で添加すること以外は同様の方法で試験を行った。さら
には、NaOH溶液を用いて試験開始時の地熱水原水の
pHを12に設定してから消石灰を添加する場合と、p
Hの調整を行わないで消石灰を添加する場合とを比較し
た。結果を図8(横軸:添加量、縦軸:上澄みの全シリ
カ濃度)に示す。
様の地熱水原水に添加し、15分経過後の上澄みの全シ
リカ濃度を測定した。また消石灰を固体(粉末)のまま
で添加すること以外は同様の方法で試験を行った。さら
には、NaOH溶液を用いて試験開始時の地熱水原水の
pHを12に設定してから消石灰を添加する場合と、p
Hの調整を行わないで消石灰を添加する場合とを比較し
た。結果を図8(横軸:添加量、縦軸:上澄みの全シリ
カ濃度)に示す。
【0046】図8より、カルシウム化合物を固体(粉
末)のまま添加する場合に比べ、懸濁液として添加する
場合において、より低い全シリカ濃度が得られたことが
わかる。またpHを高く設定した方が全シリカ濃度を低
くすることができることがわかる。
末)のまま添加する場合に比べ、懸濁液として添加する
場合において、より低い全シリカ濃度が得られたことが
わかる。またpHを高く設定した方が全シリカ濃度を低
くすることができることがわかる。
【0047】試験6:連続試験 図1に示す装置(沈殿槽の容量:200L)を用いて次
に示すように地熱水の処理試験を行った。地熱水原水
(全シリカ濃度:513mg/kg)を、地熱水供給経
路1を通して反応槽3内に流量1L/minで導入し
た。この際、貯留槽6内の生石灰懸濁液(25g/L)
を、カルシウム化合物供給経路7を通して反応槽3内に
流量26ml/minで導入した(反応槽3内に添加さ
れる生石灰濃度は0.65g/Lとなる)。沈殿槽4内
の地熱水原水を濾過部10、排水路9を経て越流水排出
部11から排出させ、処理水排出経路12を経て処理水
として排出するとともに、沈殿槽4の下端部に集められ
た沈殿物を沈殿物排出経路8を通して適宜排出した。こ
の際、排出経路8からの排出液を、返送経路5を通して
流量5L/minで反応槽3内に返送した。処理水の全
シリカ濃度およびpHを経時的に測定した結果を図9
(横軸:経過時間、縦軸:全シリカ濃度、pH)に示
す。また沈殿物のゼータ電位を経時的に測定した結果を
図10(横軸:経過時間、縦軸:全シリカ濃度、ゼータ
電位)に示す。
に示すように地熱水の処理試験を行った。地熱水原水
(全シリカ濃度:513mg/kg)を、地熱水供給経
路1を通して反応槽3内に流量1L/minで導入し
た。この際、貯留槽6内の生石灰懸濁液(25g/L)
を、カルシウム化合物供給経路7を通して反応槽3内に
流量26ml/minで導入した(反応槽3内に添加さ
れる生石灰濃度は0.65g/Lとなる)。沈殿槽4内
の地熱水原水を濾過部10、排水路9を経て越流水排出
部11から排出させ、処理水排出経路12を経て処理水
として排出するとともに、沈殿槽4の下端部に集められ
た沈殿物を沈殿物排出経路8を通して適宜排出した。こ
の際、排出経路8からの排出液を、返送経路5を通して
流量5L/minで反応槽3内に返送した。処理水の全
シリカ濃度およびpHを経時的に測定した結果を図9
(横軸:経過時間、縦軸:全シリカ濃度、pH)に示
す。また沈殿物のゼータ電位を経時的に測定した結果を
図10(横軸:経過時間、縦軸:全シリカ濃度、ゼータ
電位)に示す。
【0048】図9および図10より、処理水中の全シリ
カ濃度は、定常到達以後、約200mg/kgとなり、
目標値である217mg/kgを下回る全シリカ濃度の
処理水を継続的に得ることができたことがわかる。また
処理水のpHは定常到達後、およそ9.6〜9.9とな
り、この際、沈殿物のゼータ電位は、約−17.5mV
と十分に低い値を示したことがわかる。
カ濃度は、定常到達以後、約200mg/kgとなり、
目標値である217mg/kgを下回る全シリカ濃度の
処理水を継続的に得ることができたことがわかる。また
処理水のpHは定常到達後、およそ9.6〜9.9とな
り、この際、沈殿物のゼータ電位は、約−17.5mV
と十分に低い値を示したことがわかる。
【0049】
【発明の効果】本発明の地熱水の処理方法にあっては、
カルシウムを含む酸化物および水酸化物のうち少なくと
もいずれか一方(カルシウム化合物)を地熱水に添加
し、該地熱水中に沈殿物を生成させる沈殿物生成工程
と、生成した沈殿物を分離する沈殿物分離工程を有する
ので、シリカなどのスケール原因物質である無機物質
を、2CaO・SiO2、3CaO・SiO2などの形態で
沈殿させ、分離除去することができる。このため、シリ
カなどの無機物質の濃度が十分なレベルまで低下した処
理水を得ることができ、シリカスケールなどのスケール
の発生を未然に防ぐことができる。また安価なカルシウ
ム化合物を用いるため処理コスト低減が可能である。ま
たカルシウム化合物として生石灰または消石灰を用いる
ことによって、沈殿物生成効率を高めるとともに、処理
コスト低減が可能となる。また、沈殿物生成工程におい
て、地熱水の温度を60℃以上とすることによって、沈
殿物生成効率を高めることができる。また地熱水のpH
を9以上とすることによって、沈殿物生成効率を高める
ことができる。また、沈殿物分離工程で分離された沈殿
物の少なくとも一部を、沈殿物生成工程に返送すること
によって、沈殿物生成を促進し、処理水中のシリカなど
の無機物質の濃度をさらに低下させ、スケールの発生を
確実に防ぐことができる。また、上記処理方法によって
処理された処理水を、未処理の地熱水に添加、混合し、
得られた混合水を、沈殿物生成工程および沈殿物分離工
程に供することによって、沈殿物生成を促進することが
できる。このため、カルシウム化合物の必要添加量を少
なくすることができ、処理コスト低減を図ることができ
る。また、地熱水の温度を100℃以上にて、前記沈殿
物生成工程と沈殿物分離工程を経て地中に還元すること
によって、地熱水の汲上げおよび還元の際の熱効率の低
下を防ぐことができる。このため、地熱水を地熱発電に
用いる場合において、発電コストを低く抑えることがで
きる。また、前記沈殿物生成工程と沈殿物分離工程を経
た処理水のpHを中性に調整することによって、処理水
からのスケール発生や配管の腐食を防ぐことができる。
カルシウムを含む酸化物および水酸化物のうち少なくと
もいずれか一方(カルシウム化合物)を地熱水に添加
し、該地熱水中に沈殿物を生成させる沈殿物生成工程
と、生成した沈殿物を分離する沈殿物分離工程を有する
ので、シリカなどのスケール原因物質である無機物質
を、2CaO・SiO2、3CaO・SiO2などの形態で
沈殿させ、分離除去することができる。このため、シリ
カなどの無機物質の濃度が十分なレベルまで低下した処
理水を得ることができ、シリカスケールなどのスケール
の発生を未然に防ぐことができる。また安価なカルシウ
ム化合物を用いるため処理コスト低減が可能である。ま
たカルシウム化合物として生石灰または消石灰を用いる
ことによって、沈殿物生成効率を高めるとともに、処理
コスト低減が可能となる。また、沈殿物生成工程におい
て、地熱水の温度を60℃以上とすることによって、沈
殿物生成効率を高めることができる。また地熱水のpH
を9以上とすることによって、沈殿物生成効率を高める
ことができる。また、沈殿物分離工程で分離された沈殿
物の少なくとも一部を、沈殿物生成工程に返送すること
によって、沈殿物生成を促進し、処理水中のシリカなど
の無機物質の濃度をさらに低下させ、スケールの発生を
確実に防ぐことができる。また、上記処理方法によって
処理された処理水を、未処理の地熱水に添加、混合し、
得られた混合水を、沈殿物生成工程および沈殿物分離工
程に供することによって、沈殿物生成を促進することが
できる。このため、カルシウム化合物の必要添加量を少
なくすることができ、処理コスト低減を図ることができ
る。また、地熱水の温度を100℃以上にて、前記沈殿
物生成工程と沈殿物分離工程を経て地中に還元すること
によって、地熱水の汲上げおよび還元の際の熱効率の低
下を防ぐことができる。このため、地熱水を地熱発電に
用いる場合において、発電コストを低く抑えることがで
きる。また、前記沈殿物生成工程と沈殿物分離工程を経
た処理水のpHを中性に調整することによって、処理水
からのスケール発生や配管の腐食を防ぐことができる。
【図1】 本発明のシリカ含有地熱水処理方法の一実
施形態を実施するために用いられる装置を示す概略構成
図である。
施形態を実施するために用いられる装置を示す概略構成
図である。
【図2】 消石灰の溶解度と温度との関係を示すグラ
フである。
フである。
【図3】 試験結果を示すグラフである。
【図4】 試験結果を示すグラフである。
【図5】 試験結果を示すグラフである。
【図6】 試験結果を示すグラフである。
【図7】 試験結果を示すグラフである。
【図8】 試験結果を示すグラフである。
【図9】 試験結果を示すグラフである。
【図10】 試験結果を示すグラフである。
1・・・地熱水供給経路、2・・・カルシウム化合物添加手
段、3・・・反応槽、4・・・沈殿槽、5・・・返送経路、8・・・
沈殿物排出経路、12・・・処理水排出経路、13・・・pH
調整剤添加手段
段、3・・・反応槽、4・・・沈殿槽、5・・・返送経路、8・・・
沈殿物排出経路、12・・・処理水排出経路、13・・・pH
調整剤添加手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 耕一 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4D015 BA03 BA19 BA22 BA25 BB06 CA20 DA23 DA24 DC02 DC03 EA04 EA10 EA14 EA15 EA17 EA32 FA02 FA28 4D038 AA02 AB57 BA02 BA04 BB13 BB18 4D062 BA03 BA19 BA22 BA25 BB06 CA20 DA23 DA24 DC02 DC03 EA04 EA10 EA14 EA15 EA17 EA32 FA02 FA28
Claims (11)
- 【請求項1】 カルシウムを含む酸化物および水酸化
物のうち少なくともいずれか一方を地熱水に添加し、該
地熱水中に沈殿物を生成させる沈殿物生成工程と、生成
した沈殿物を分離する沈殿物分離工程を有することを特
徴とする地熱水の処理方法。 - 【請求項2】 カルシウムを含む酸化物として、生石
灰を用いることを特徴とする請求項1記載の地熱水の処
理方法。 - 【請求項3】 カルシウムを含む水酸化物として、消
石灰を用いることを特徴とする請求項1記載の地熱水の
処理方法。 - 【請求項4】 沈殿物生成工程において、地熱水の温
度を60℃以上とすることを特徴とすることを特徴とす
る請求項1〜3のうちいずれか1項記載の地熱水の処理
方法。 - 【請求項5】 沈殿物生成工程において、地熱水のp
Hを9以上とすることを特徴とする請求項1〜4のうち
いずれか1項記載の地熱水の処理方法。 - 【請求項6】 沈殿物分離工程で分離された沈殿物の
少なくとも一部を、沈殿物生成工程に返送することを特
徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載の地熱水
の処理方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6のうちいずれか1項記載
の処理方法によって処理された処理水を、未処理の地熱
水に添加、混合し、得られた混合水を、沈殿物生成工程
および沈殿物分離工程に供することを特徴とする地熱水
の処理方法。 - 【請求項8】 地熱水の温度を100℃以上にて、前
記沈殿物生成工程と沈殿物分離工程を経て地中に還元す
ることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項記
載の地熱水の処理方法。 - 【請求項9】 前記沈殿物生成工程と沈殿物分離工程
を経た処理水のpHを中性に調整することを特徴とする
請求項1〜8のうちいずれか1項記載の地熱水の処理方
法。 - 【請求項10】 地熱水を供給する地熱水供給手段
と、該地熱水供給手段からの地熱水に、カルシウムを含
む酸化物および水酸化物のうち少なくともいずれか一方
であるカルシウム化合物を添加するカルシウム化合物添
加手段と、該添加手段によるカルシウム化合物の添加に
より地熱水中に沈殿物を生成させる反応槽と、生成した
沈殿物を分離する分離手段とを備えたことを特徴とする
地熱水の処理装置。 - 【請求項11】 分離手段において分離された沈殿物
の一部を、反応槽内に返送する返送手段を備えたことを
特徴とする請求項10記載の地熱水の処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34261399A JP2001149953A (ja) | 1999-12-01 | 1999-12-01 | 地熱水の処理方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34261399A JP2001149953A (ja) | 1999-12-01 | 1999-12-01 | 地熱水の処理方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001149953A true JP2001149953A (ja) | 2001-06-05 |
Family
ID=18355140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34261399A Pending JP2001149953A (ja) | 1999-12-01 | 1999-12-01 | 地熱水の処理方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001149953A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011251210A (ja) * | 2010-05-31 | 2011-12-15 | Fuji Electric Co Ltd | スケール抑制装置 |
JP2013126619A (ja) * | 2011-12-19 | 2013-06-27 | Fuji Electric Co Ltd | 水処理装置 |
JP2021525650A (ja) * | 2018-06-04 | 2021-09-27 | ロイスト ルシェルシュ エ デベロップマン エスア | 給水における同時水軟化とシリカ除去のための組成物と方法 |
WO2024181871A1 (en) * | 2023-02-27 | 2024-09-06 | Casil Technologies Limited | Process for improving heat recovery from geothermal water |
-
1999
- 1999-12-01 JP JP34261399A patent/JP2001149953A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011251210A (ja) * | 2010-05-31 | 2011-12-15 | Fuji Electric Co Ltd | スケール抑制装置 |
JP2013126619A (ja) * | 2011-12-19 | 2013-06-27 | Fuji Electric Co Ltd | 水処理装置 |
JP2021525650A (ja) * | 2018-06-04 | 2021-09-27 | ロイスト ルシェルシュ エ デベロップマン エスア | 給水における同時水軟化とシリカ除去のための組成物と方法 |
JP7371028B2 (ja) | 2018-06-04 | 2023-10-30 | ロイスト ルシェルシュ エ デベロップマン エスア | 給水における同時水軟化とシリカ除去のための組成物と方法 |
WO2024181871A1 (en) * | 2023-02-27 | 2024-09-06 | Casil Technologies Limited | Process for improving heat recovery from geothermal water |
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