JP2001148372A - 反応容器及びそれを備えるプラズマ処理装置 - Google Patents
反応容器及びそれを備えるプラズマ処理装置Info
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Abstract
マによる損傷が少ない反応容器及びプラズマ処理装置。 【解決手段】 アルミニウム製の反応容器1の内側壁に
アルミナ保護膜21が100 μm〜1000μmの膜厚で形成
されている。アルミナ保護膜21はプラズマ溶射により
内側壁を覆うようにアルミナを被着させて形成されてい
る。処理室2内にマイクロ波及びプラズマ生成ガスが導
入され、試料台3に高周波電圧が印加されて試料Wにプ
ラズマ処理が施される。
Description
液晶ディスプレイ(LCD)用ガラス基板などにエッチ
ング,アッシング,CVD(Chemical Vapor Depositio
n )などのプラズマ処理を施すための反応容器及びそれ
を備えるプラズマ処理装置に関する。
た容器内にプラズマ生成ガスとマイクロ波とを導入し、
放電により生成したプラズマを基板表面に導いてエッチ
ング,レジスト除去(アッシング),CVD等の処理を
施す。このようなプラズマ処理を行なう装置として高周
波を用いてプラズマを発生させる装置、マイクロ波を用
いてプラズマを発生させ、印加した高周波でそのプラズ
マを制御する装置などがある。プラズマ処理装置に用い
られる反応容器は、特公平5−53870 公報に示されるよ
うな内面に膜厚0.5 μm〜20μmの陽極酸化被膜を形成
したアルミニウム製のものが多く用いられている。陽極
酸化被膜を反応容器の内面に被着せしめることにより、
反応容器から発生するFe, Cr, Ni等の不純物による試料
の汚染を防止できる。
せしめるために反応容器内に CHF3 ,CF4 ,SF6 等のF
系又はCl2 ,BCl3 等のCl系のハロゲンガスが導入され
る。このハロゲンガスにより、一般にAlOOH の化学式で
表示される陽極酸化被膜の表面はエッチングされ、Al,
O, Hがプラズマ中に放出されてプラズマ成分が変動す
る。その結果、高精度なプラズマ処理を試料に施すこと
ができないという問題があった。また、Alを含むパーテ
ィクルは半導体デバイスの特性に悪影響を及ぼすという
問題があった。さらに、陽極酸化被膜が硫酸中で形成さ
れたものである場合はSがプラズマ中に放出され、陽極
酸化被膜が蓚酸中で形成されたものである場合はCがプ
ラズマ中に放出されていずれもプラズマ処理に悪影響を
及ぼすという問題があった。
りECR (電子サイクロトロン共鳴)プラズマ,表面波プ
ラズマ(SWP )等の高密度プラズマが多く用いられ、こ
れに伴い反応容器内面の陽極酸化被膜がプラズマにより
エッチングされ易くなっている。また陽極酸化被膜が高
速でエッチングされることにより、反応容器の短命化と
いう問題が生じている。
のであり、プラズマ生成ガスに曝されてもAl,O, Hのよ
うな元素不純物が発生せず、高密度プラズマのエッチン
グに起因する内面の損傷を抑制できる反応容器、及び該
反応容器を備えるプラズマ処理装置を提供することを目
的とする。
は、プラズマを用いて試料に反応処理を施す反応容器に
おいて、内面の一部又は全部にアルミナ保護膜を100
μm〜1000μmの厚みで形成してあることを特徴と
する。
覆してプラズマ及びプラズマ生成ガスに対する耐久性を
調べた。その結果、アルミナ(Al2 O3 )の溶射膜を
被覆した場合に耐久性が向上すること、また膜厚が厚く
なるに従いアルミナのプラズマに対する耐性が向上する
ことが判明した。第1発明にあっては、反応容器の内面
に100 μm〜1000μmの厚みのアルミナ保護膜が被着し
ているので、プラズマ生成ガスによる不純物の発生を防
止でき、且つプラズマによるエッチングを抑制して反応
容器の長寿命化を図る。このエッチングの抑制は、アル
ミナ保護膜が通常よりも厚いのでエッチングに寄与する
プラズマ中のイオンのエネルギが、保護膜表面で低下す
るためであると考えられる。
アルミナ保護膜が100 μmよりも厚い膜であっても差し
支えない。アルミナ保護膜が100 μmよりも薄い場合は
エッチング損傷の抑制効果が小さく、1000μmを超えた
場合はアルミナ保護膜の剥離が生じ易くなる。
いて試料に反応処理を施す反応容器において、内面の一
部又は全部に緩衝膜を介してアルミナ保護膜を形成して
あり、前記緩衝膜はその線膨張係数が前記内面及び前記
アルミナ保護膜の線膨張係数の略中間値を有することを
特徴とする。
衝膜を介して形成されている。緩衝膜はその線膨張係数
が反応容器の内面の線膨張係数とアルミナ保護膜の線膨
張係数との略中間値を有しており、この緩衝膜によりア
ルミナ保護膜の剥離を防止できる。アルミナ保護膜をあ
る程度厚く被覆した場合に内面とアルミナ保護膜との線
膨張率の違いにより、溶射形成中、溶射後の冷却時、又
はプラズマ処理中にアルミナ保護膜が反応容器から剥離
することがあるが、線膨張係数が両者の略中間値である
緩衝膜を介することによりアルミナ保護膜の剥離を防止
できる。
いて、前記内面はアルミニウムで形成されており、前記
緩衝膜はNiを含む膜であることを特徴とする。
ウム製である場合に、緩衝膜としてアルミニウムとアル
ミナ保護膜との略中間の線膨張係数を有するNiが主成
分である膜を溶射形成することにより、アルミナ保護膜
の剥離を防止できる。
いて試料に反応処理を施す反応容器において、内面がア
ルミニウムで形成されており、該内面の一部又は全部に
アルミニウムとアルミナとの中間組成を有する緩衝膜を
介してアルミナ保護膜を形成してあることを特徴とす
る。
ウム製であり、緩衝膜はAlとO との組成比をアルミニウ
ムに相当する1:0 からアルミナに相当する1:1.5 までの
中間の組成を有する。これにより、反応容器の内面とこ
れを覆うアルミナ保護膜との線膨張係数の変化が小さく
なるので、アルミナ保護膜の剥離を防止できる。
乃至第4発明のいずれかの反応容器と、該反応容器の開
口を封止し、マイクロ波を透過させて前記反応容器内に
導入する封止部材と、導入されたマイクロ波により生成
したプラズマを用いてプラズマ処理を施すべき試料を載
置する試料台とを備えることを特徴とする。
ナ保護膜を内面に形成した反応容器を用いる。この反応
容器の開口部に封止部材が配され、マイクロ波を反応容
器内に導入してプラズマを発生せしめ、試料をプラズマ
処理する。反応容器の内面にアルミナ保護膜が形成して
あるので、プラズマ生成ガスによる不純物の発生が防止
され、プラズマ成分を一定にし、試料汚染も防止され
る。また、反応容器内面がプラズマによるエッチングか
ら保護されるので容器の長寿命化が図れる。
示す図面に基づき具体的に説明する。 実施の形態1.図1は本発明に係るマイクロ波プラズマ
処理装置の構造を示す側断面図である。図中1は本発明
の特徴となる反応容器であり、矩形箱状でその全体がア
ルミニウムで形成されている。反応容器1の上部の開口
は封止板4で気密状態に封止されている。封止板4は耐
熱性及びマイクロ波透過性を有すると主に誘電損失が小
さい石英ガラス(SiO2 )又はアルミナ(Al
2 O3 )等の誘電体で形成されている。
り、処理室2の側壁にはガス導入管5が取付けられて処
理室2内に所要のガスが導入されるようになっている。
反応容器1の内側壁にはガス導入管5の開口部分を除い
てアルミナ保護膜21が100 μm〜1000μmの厚みで形
成されている。アルミナ保護膜21はプラズマ溶射によ
り内側壁を覆うようにアルミナを被着させて形成されて
いる。処理室2の底部中央には、封止板4に対面して試
料Wを載置する試料台3が設けてあり、試料台3にはマ
ッチングボックス6を介して数百kHz〜十数MHzの
高周波電源7が接続されている。試料台3はその基台部
分を図示しない焼結体アルミナで覆っており、プラズマ
から遮蔽されるようになっている。また、反応容器1の
底部壁には試料台3の周囲に排気口8が開設してあり、
排気口8から処理室2の内気を排出するようになってい
る。
応容器1の周囲壁から内部に張り出す態様で設けられて
いる。対向電極9は高周波電圧が印加される試料台3に
対する接地電極の役割を果たす。このような形状の対向
電極9は試料Wに安定したバイアス電位を発生させるこ
とができる。
形状の金属製のカバー部材40が連結してあり、カバー
部材40の一側には導波路31を介してマイクロ波発振
器30が連結されている。カバー部材40内の天井部分
には誘電体線路41が封止板4から所定間隔を隔てて対
向配置されている。誘電体線路41はテフロン(登録商
標)のようなフッ素樹脂,ポリエチレン樹脂又はポリス
チレン樹脂等の誘電体を、平面視で矩形と三角形とを組
み合わせた略五角形の板形状に成形してなり、前記五角
形の頂点は延設せしめてある。この延設部分は導波路3
1に内嵌されている。
用いて試料Wの表面に例えばエッチング処理を施す際に
は、まず排気口8から排気して処理室2内を所望の圧力
まで減圧した後、ガス導入管5から処理室2内にプラズ
マ生成ガスを供給する。次いで、マイクロ波発振器30
からマイクロ波を発振させ、これを導波路31を介して
誘電体線路41に導入する。ほぼ同時に高周波電源7か
ら試料台3に例えば400 kHz又は13.56 MHzの高周
波電圧を印加し、試料Wの表面にバイアス電圧を発生さ
せる。
ものが用いられる。誘電体線路41に導入されたマイク
ロ波はカバー部材40の端面で反射し、入射波と反射波
とは重ね合わされ、誘電体線路41内に定在波を形成す
る。この定在波によって、誘電体線路41の下側に漏れ
電界が形成され、封止板4を透過して処理室2内へ導入
される。処理室2内に導入されたマイクロ波とプラズマ
生成ガスとによりプラズマが生成される。試料W表面に
発生したバイアス電圧によりプラズマ中のイオンのエネ
ルギーが制御され、プラズマにより試料Wの表面にエッ
チングが施される。
処理後に処理室2の内面に堆積した反応生成物を除去す
るためにクリーニングを行なうことがある。クリーニン
グは試料Wを入れ替えた後にガス導入管5から所定流量
のO2 ガスを処理室2内に導入し、上述したエッチング
処理と同様の手順にてプラズマを発生せしめて行なわれ
る。クリーニングにより、反応容器内面に付着した反応
生成物が除去される。また、試料WにSiO2 膜を成膜
した場合には、クリーニングの際にフッ素系ガスを処理
室2内に導入して内壁表面に堆積したSiO2 を除去す
る。
反応容器1のクリーニング中に、処理室2内にF系又は
Cl系のプラズマ生成ガスを導入する。上述した如く、
本実施の形態の反応容器1の内面にはアルミナ保護膜2
1が被覆されているので、プラズマ生成ガスとの反応に
よる不純物の発生を防止できる。またアルミナ保護膜2
1は比較的厚い100 μm〜1000μmの厚みに形成されて
いるので、反応容器1の内面のプラズマによるエッチン
グが抑制され長寿命化が図られる。
についてプラズマによる損傷程度を試験した。アルミナ
保護膜21の厚みが100 μm,500 μm,1000μmの反
応容器1を用いて試料Wにプラズマ処理を施し、そのと
きの処理室2内面の損傷量を調べた。また比較例として
アルミナ保護膜が20μm,50μm,1300μm,1500μm
の厚さの反応容器について同様に試験し、さらに従来例
として硫酸中で形成された20μmの厚さの陽極酸化被膜
を有する反応容器について同様に試験した。アルミナ保
護膜は大気中のプラズマ溶射により形成されており、ア
ルミナの原料粉の純度は99%及び99.99 %のそれぞれを
用いた。
膜が形成された6インチのシリコンウエハを用い、これ
にプラズマエッチングを行なった。エッチング条件は、
プラズマ生成ガスに CHF3 を用い、マイクロ波の周波数
は2.45GHz、その電力が1300W、高周波の周波数は40
00kHz、その電力が600 Wである。このエッチングプ
ロセスをウエハ1枚当たりに1分間行い、これを5000枚
のウエハについて5000分間連続して行なった。但し、50
0 分毎に所定流量のO2 を処理室2内に導入し、上述し
たクリーニングをウエハを入れ替えた後に行った。その
ときのプラズマ発生条件はエッチング条件と同様であ
る。そして1000分間のエッチングプロセスが終了した後
にウエハ上のAl等を成分とするパーティクルの大きさ
及び個数,Al等の元素による汚染量(コンタミネーシ
ョン,以下コンタミという)を測定した。結果を表1及
び表2に示す。表1は1000分後,2000分後及び3000分後
のパーティクル及びコンタミの結果を示し、表2は4000
分後及び5000分後のパーティクル及びコンタミの結果を
示している。
クルカウンタにより測定した。パーティクルカウンタは
ウエハ表面にS偏光レーザを照射し、異物からの散乱光
を検出することにより、パーティクルの大きさ及び個数
を調べることができる装置である。表中、ウエハ上に0.
01μm以上のパーティクルが10個以上存在するものは
‘×’で示し、10個以上存在しないものは‘○’で示し
た。
フッ酸で洗浄し、その洗浄液中に含まれるAl量をIC
P(誘導結合高周波プラズマ)分光分析法によって測定
した。ウエハ上のその他の元素による汚染量は全反射蛍
光X線分析法により測定した。これらの測定の結果は1
cm2 当たりの元素量(Atoms )で表され、ウエハ上に元
素が1×1010Atoms/cm2 以上存在するものは‘×’で示
し、1×1010Atoms/cm 2 以上存在しないものは‘○’で
示した。
態の反応容器は比較例及び従来例とは異なり、ウエハ上
に0.01μm以上のパーティクルが10個より少なく、Al
等の元素による汚染量が1×1010Atoms/cm2 より少な
い。これにより、本実施の形態の反応容器はプラズマ生
成ガスに曝されても元素不純物を発生せず、試料汚染を
防止できると言える。なお、アルミナ保護膜の厚みが13
00μm及び1500μmの比較例については、パーティクル
及びコンタミでは‘○’を示しているが、アルミナ保護
膜が剥離し易いことが判っている。
終了した後に、反応容器をプラズマ処理装置から取り外
し、反応容器の内面の損傷量を調べた。損傷量はエッチ
ングプロセス以前に反応容器の内面にポリイミド系のテ
ープを固定し、プロセス後にこのテープを取り除いて生
じた段差を測定することにより求めた。結果を表3に示
す。損傷量は硫酸中で20μmの厚みの陽極酸化被膜を形
成した反応容器の損傷量を1として各反応容器の内面の
損傷量を示している。
容器は損傷量が1よりも小さく、硫酸陽極酸化被膜を被
着した反応容器よりも損傷が少ないことが判る。また、
アルミナ保護膜は膜厚が厚いほど損傷量が小さくなって
いる。なお、アルミナ保護膜の厚みが1300μm及び1500
μmの比較例については損傷量は零であり、全く損傷を
受けていないが、アルミナ保護膜が剥離し易いことが判
っている。
一部又は全部に100 μm〜1000μmの厚みのアルミナ保
護膜が形成してあり、アルミナ保護膜が100 μmよりも
薄い場合はエッチング損傷の抑制効果が小さく、1000μ
mを超えた場合はアルミナ保護膜の剥離が生じ易くな
る。
理装置に係る実施の形態2の反応容器の構造を示す部分
拡大断面図である。実施の形態2の反応容器を備えるプ
ラズマ処理装置の全体構成は、図1に示す実施の形態1
のものと同様であり、その説明を省略する。図2は図1
のA部分に対応する部分を拡大図示している。図2に示
すように、アルミニウム製の反応容器1の内側壁には緩
衝膜21aを介してアルミナ保護膜21が被覆されてい
る。緩衝膜21aは純Niの溶射膜であり、大気プラズ
マにより反応容器1の内面に形成されている。アルミナ
保護膜21は緩衝膜21aの形成後にプラズマ溶射によ
り緩衝膜21aを覆うようにアルミナを被着させて形成
してある。緩衝膜21aの膜厚は50μmであり、アル
ミナ保護膜21は100 μm〜1000μmである。反応容器
1,緩衝膜21a及びアルミナ保護膜21のおおよその
線膨張係数は、夫々、2.3 ×10-5,1.5 ×10-5及び8.8
×10-6である。反応容器1のその他の構成は実施の形態
1と同様であり、説明を省略する。
ズマ処理装置を用いて試料Wの表面にエッチング処理を
施した。その結果、実施の形態1と同様にプラズマ生成
ガスによる元素不純物の発生が防止され、プラズマによ
る反応容器1の内面のエッチング損傷が抑制されること
が判った。さらに、アルミナ保護膜21と反応容器1の
内面との間に線膨張係数がそれらの略中間値である緩衝
膜21aを形成してあるので、溶射形成中,溶射後の冷
却時又はプラズマ処理中のアルミナ保護膜21の剥離を
防止できる。
理装置に係る実施の形態3の反応容器の構造を示す部分
拡大断面図である。実施の形態3の反応容器を備えるプ
ラズマ処理装置の全体構成は、図1に示す実施の形態1
のものと同様であり、その説明を省略する。図3は図1
のA部分に対応する部分を拡大図示している。図3に示
すように、アルミニウム製の反応容器1の内側壁には緩
衝膜21bを介してアルミナ保護膜21が被覆されてい
る。
ミニウムに相当する1:0 からアルミナに相当する1:1.5
まで厚み方向に連続的に変化させた膜である。この緩衝
膜21bは、アルミニウム及びアルミナの溶射原料粉末
の混合割合を変えて溶射を繰り返すことにより形成され
ている。アルミナ保護膜21は緩衝膜21bの形成後に
プラズマ溶射により緩衝膜21bを覆うようにアルミナ
を被着させて形成してある。緩衝膜21aの膜厚は50
μmであり、アルミナ保護膜21は100 μm〜1000μm
である。反応容器1,緩衝膜21b及びアルミナ保護膜
21のおおよその線膨張係数は、夫々、2.3 ×10-5,2.
2 ×10-5〜8.9 ×10-6 及び8.8 ×10-6である。反応容
器1のその他の構成は実施の形態1と同様であり、説明
を省略する。
ズマ処理装置を用いて試料Wの表面にエッチング処理を
施した。その結果、実施の形態1と同様にプラズマ生成
ガスによる元素不純物の発生が防止され、プラズマによ
る反応容器1の内面のエッチング損傷が抑制されること
が判った。さらに、アルミナ保護膜21と反応容器1と
の間に線膨張係数がそれらの間で厚み方向に変化する緩
衝膜21bを形成してあるので、アルミナ保護膜21の
剥離を防止できる。
成比を厚み方向に連続的に変化するように形成してある
が、これに限るものではなく、反応容器の内面と保護膜
との中間の組成に一定させてあっても良い。
アルミナ保護膜を反応容器の内側壁のみに形成した場合
を説明しているが、これに限るものではなく、反応容器
の内底面に同様に被着してあっても良いし、内面全面に
被着してあっても良い。
形態4のマイクロ波プラズマ処理装置の構造を示す側断
面図である。図中10は本発明の特徴となる反応容器で
あり、有底円筒形状を有し、その全体がアルミニウムで
形成されている。反応容器10の上部の開口は封止板4
で気密状態に封止されている。封止板4は耐熱性及びマ
イクロ波透過性を有すると主に誘電損失が小さい石英ガ
ラス(SiO2 )又はアルミナ(Al 2 O3 )等の誘電
体で形成されており、封止板4上には後述する環状導波
管型アンテナ部11aが固定されている。
り、処理室2の側壁にはガス導入管5が取付けられて処
理室2内に所要のガスが導入されるようになっている。
またガス導入管5の対向側壁には試料搬送口12が開設
されており、試料Wを試料搬送口12から搬入出するよ
うになっている。処理室2の底部中央には、試料Wを載
置する試料台3が設けてあり、試料台3にはマッチング
ボックス6を介して数百kHz〜十数MHzの高周波電
源7が接続されている。反応容器10の底部壁には試料
台3の周囲に排気口8が開設してあり、排気口8から処
理室2の内気を排出するようになっている。
は、膜厚0.5 μm〜20μmの陽極酸化被膜が形成されて
いる(図示せず)。また、本発明の特徴となるアルミナ
保護膜21,21,21が、反応容器10内面の試料搬
送口12及び排気口8の夫々のエッジ部分に100 μm〜
1000μmの厚みで形成されている。アルミナ保護膜21
はプラズマ溶射によりエッジ部分を覆うようにアルミナ
を被着させて形成されている。
属を円形蓋上に成形してなるカバー部材4aが外嵌して
あり、該カバー部材4aは反応容器10上に固定してあ
る。カバー部材4aの上面には反応容器10内へマイク
ロ波を導入するためのアンテナ11が固定してある。断
面がコ字状の部材が無終端環状に成形された環状導波管
型アンテナ部11aが、コ字状の開口がカバー部材4a
に対向する向きに反応容器10の中心軸と同心円状に配
されており、カバー部材4aの環状導波管型アンテナ部
11aに対向する部分に複数の開口15,15…が開設
されている。即ち、環状導波管型のアンテナ11は、環
状導波管型アンテナ部11aと、開口15,15…が開
設されたカバー部材4aの環状導波管型アンテナ部11
aに対向する部分とによって構成されている。
ロン(登録商標)のようなフッ素樹脂,ポリエチレン樹
脂又はポリスチレン樹脂等の誘電体14が内嵌されてい
る。環状導波管型アンテナ部11aの外周にはその直径
方向になるように導波管29が連結されており、導波管
29にはマイクロ波発振器30が連結されている。
て試料Wの表面に例えばエッチング処理を施す際には、
まず排気口8から排気して処理室2内を所望の圧力まで
減圧した後、ガス導入管5から処理室2内にプラズマ生
成ガスを供給する。次いで、マイクロ波発振器30から
マイクロ波を発振させ、これを導波路29を介してアン
テナ11に導入する。マイクロ波は環状導波管型アンテ
ナ部11a内を互いに逆方向へ進行する進行波として、
該環状導波管型アンテナ部11a内の誘電体14中を伝
播し、両進行波は重ね合わされて環状導波管型アンテナ
部11aの内面に定在波が生成される。この定在波によ
って環状導波管型アンテナ部11aの内面に、所定の間
隔で極大値を示す壁面電流が通流する。環状導波管型ア
ンテナ部11aの下面の開口15,15…から電界が放
射され、封止板4を透過して処理室2内に導入され、処
理室2内に導入されたプラズマ生成ガスによりプラズマ
が生成される。このプラズマにより試料台3上の試料W
の表面にエッチングが施される。
及び実施の形態1で説明したようなクリーニング時の導
入ガスにはF系又はCl系のものが用いられる。これら
のガスは反応容器10の内面、特にエッジ部分を選択的
に高速度でエッチングするが、上述した如く、本実施の
形態の反応容器10の試料搬送口12及び排気口8のエ
ッジ部分にはアルミナ保護膜21が被覆されているの
で、プラズマ生成ガスによる元素不純物の発生が抑制さ
れ、プラズマによる反応容器1の内面エッジ部分のエッ
チング損傷が低減する。またアルミナ保護膜21は比較
的厚い100 μm〜1000μmの厚みに形成されているの
で、反応容器10のエッジ部分の損傷をさらに防止でき
る。
3のプラズマ処理装置が備える反応容器1は、実施の形
態4の図4に示すように排気口8のエッジ部分を覆う態
様でアルミナ保護膜21を形成してあっても実施の形態
4と同様の効果を得る。また、実施の形態4のプラズマ
処理装置が備える反応容器10は、実施の形態1〜3の
ように反応容器10の内側壁にアルミナ保護膜21を形
成してあっても実施の形態1〜3と同様の効果を得る。
m〜1000μmの厚みのアルミナ保護膜を内面の一部又は
全部に形成してあるので、プラズマ生成のためのガスに
曝されても元素不純物が発生せず、また高密度プラズマ
のエッチングに起因する反応容器の損傷を抑制できる。
また、アルミニウム製の反応容器の内面に緩衝膜を介し
てアルミナ保護膜を形成しており、この緩衝膜は線膨張
係数がアルミニウムとアルミナ保護膜との略中間値を有
するので熱膨張に起因するアルミナ保護膜の剥離を防止
できる。
ナ保護膜との間の組成を有するので、熱膨張に起因する
アルミナ保護膜の剥離を防止できる。さらに本発明にお
いては、このような反応容器がプラズマ処理装置の処理
室となるので、試料汚染を防止できるなど本発明は優れ
た効果を奏する。
造を示す側断面図である。
断面図である。
断面図である。
構造を示す側断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 プラズマを用いて試料に反応処理を施す
反応容器において、 内面の一部又は全部にアルミナ保護膜を100μm〜1
000μmの厚みで形成してあることを特徴とする反応
容器。 - 【請求項2】 プラズマを用いて試料に反応処理を施す
反応容器において、 内面の一部又は全部に緩衝膜を介してアルミナ保護膜を
形成してあり、前記緩衝膜はその線膨張係数が前記内面
及び前記アルミナ保護膜の線膨張係数の略中間値を有す
ることを特徴とする反応容器。 - 【請求項3】 前記内面はアルミニウムで形成されてお
り、前記緩衝膜はNiを含む膜である請求項2記載の反
応容器。 - 【請求項4】 プラズマを用いて試料に反応処理を施す
反応容器において、 内面がアルミニウムで形成されており、該内面の一部又
は全部にアルミニウムとアルミナとの中間組成を有する
緩衝膜を介してアルミナ保護膜を形成してあることを特
徴とする反応容器。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の反応
容器と、該反応容器の開口を封止し、マイクロ波を透過
させて前記反応容器内に導入する封止部材と、導入され
たマイクロ波により生成したプラズマを用いてプラズマ
処理を施すべき試料を載置する試料台とを備えることを
特徴とするプラズマ処理装置。
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