JP2001147208A - 試料ホルダおよび分析装置 - Google Patents

試料ホルダおよび分析装置

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JP2001147208A
JP2001147208A JP33103499A JP33103499A JP2001147208A JP 2001147208 A JP2001147208 A JP 2001147208A JP 33103499 A JP33103499 A JP 33103499A JP 33103499 A JP33103499 A JP 33103499A JP 2001147208 A JP2001147208 A JP 2001147208A
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Rie Ueno
理恵 上野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定前および測定後に、集束ビームの照射位
置を高い分解能で正確に特定できる分析装置および試料
ホルダを提供することを目的とする。 【解決手段】 試料に集束ビームを照射して前記試料の
状態や特性を測定する分析装置に用いる、前記試料を固
定するための試料ホルダであって、前記集束ビームを照
射する位置を特定する位置特定手段と、前記位置特定手
段の移動を指示する制御を外部から受け付ける入力手段
と、前記制御に基づいて位置特定手段を移動させる駆動
手段とを有する構成である。なお、前記入力手段は制御
信号を受け付ける電気接点であり、前記駆動手段は位置
特定手段を駆動するモータである構成としてよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線等の集束ビ
ームを試料に照射して試料の状態や特性を分析する分析
装置および、それに用いる試料ホルダに関し、特に集束
ビームの照射位置を正確に特定できる分析装置および試
料ホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】分析対象である試料に電子線、X線、イ
オン等の集束ビームを照射し、試料から放出される光電
子、特性X線、散乱されるイオン等を検出して試料表面
の状態や特性を分析する分析装置では、試料表面への集
束ビームの照射位置を特定することが望ましい、あるい
は必要な場合がある。
【0003】従来、測定前あるいは測定後に行われる、
集束ビームの照射位置を特定する一般的な方法として、
XY座標が彫刻されたアクリル製等の透明板を試料の上
方に配置して照射位置の座標を読み取る方法(以下、第
1の従来例と呼ぶ)がある。
【0004】図5は、XY座標が彫刻された透明板を用
いて照射位置を特定する従来の手段の概略の構成例を示
す斜視図(a)、側面図(b)、および補助的に用いる
メモ(c)である。図5(a)および(b)において、
従来の試料ホルダは、試料43の上方に配置され、位置
特定のために読み取られるXY座標が0.5ミリメート
ル間隔で彫刻された透明板41と、試料43を搭載する
ための試料ホルダベース42とを有する構成である。
【0005】測定前に集束ビームの照射位置を特定して
おく場合には、測定者は試料43を試料ホルダベース4
2に搭載し、透明板41をその上方に配置して照射位置
を決定し、目視でその座標を読み取ってメモ44に記録
しておく。複数の測定位置で測定したい場合には複数の
位置を決定し、それぞれの座標を読み取りメモ44に記
録する。
【0006】その後に、試料ホルダベース42に搭載し
たまま試料43を分析装置(不図示)の試料ステージに
配置し、分析装置が有する光学顕微鏡で試料43を観察
しながら試料ステージを駆動させ、メモに記録した座標
位置に位置決めする。
【0007】なお、測定後に集束ビームを照射した位置
を特定する場合には、上記した測定前の手順を逆の順序
で行う。
【0008】さらに精度を高めた、集束ビームの照射位
置を特定する従来の方法として、特開平06−3257
17号公報に記載された方法(以下、第2の従来例と呼
ぶ)がある。この方法における試料セッティング治具は
試料を移動させるX−Yステージを有し、金属顕微鏡で
試料位置を粗く特定するためのものである。この方法に
おける分析装置は、集束ビームの照射位置に試料を移動
させるX−Yステージを有し、試料に集束ビームを照射
し、この照射によって試料から発生する信号を検出する
分析装置であり、試料セッティング治具のX−Yステー
ジ上の試料の座標を分析装置のX−Yステージの座標に
変換し、その座標に基づいて分析装置のX−Yステージ
を駆動させるものである。
【0009】第2の従来例の方法は、以下の3ステップ
からなる。 ステップS1:試料セッティング治具上における分析試
料の位置座標を金属顕微鏡を用いて求める。この工程
は、電子線分析装置本体で行われる分析の前処理であ
り、試料上の分析を行う部分を選定し、その選定位置の
位置座標を大気中で求めるものである。なお、この座標
は試料セッティング治具のX−Yステージを基準とする
ものである。 ステップS2:次に、分析試料を電子線分析装置本体の
真空容器内のX−Yステージ上に設置し、このX−Yス
テージ上における試料の座標を求める。この試料の座標
は、試料セッティング治具のX−Yステージの座標系と
電子線分析装置本体のX−Yステージの座標系との間で
座標変換することで求められる。この座標の精度は、試
料の位置を光学顕微鏡の実視野内に位置合わせするには
十分であるが、分析ビームの照射位置を特定するには不
十分である。 ステップS3:電子線分析装置本体のX−Yステージの
座標系での補正を行う。分析ビームの位置と試料上の測
定する位置とを光学顕微鏡を観察しながらX−Yステー
ジを駆動させて位置合わせする。なお、この座標は電子
線分析装置本体のX−Yステージを基準とするものであ
る。
【0010】さらに別の従来の方法としては以下のよう
な方法がある。
【0011】(第3の従来例)試料表面に付着したゴミ
や試料表面のキズ等を目印におよその位置を特定する方
法。
【0012】(第4の従来例)分析装置自体が有する、
試料を固定した試料ホルダを搭載する試料ステージを移
動させて測定位置を、試料ステージの座標で決定する方
法である。この方法では、試料ステージのXY軸の座標
を分析装置に接続されたコンピュータに記憶させ、再度
その位置に戻すときにはその座標に基づいて試料ステー
ジを駆動させる。
【0013】(第5の従来例)分析装置の試料台に、そ
の孔を通して試料を観測することにより測定位置を特定
するための孔を複数有するメッシュを、試料の上方に近
接させて固定し、そのメッシュの孔を目印に分析装置の
有する光学顕微鏡を用いて位置を特定する方法。
【0014】(第6の従来例)試料台に搭載した複数の
試料を識別するもととして実開平06−44003号公
報に記載されたものがある。
【0015】第6の従来例の試料台には、肉眼で識別可
能な大きさの記号と、顕微鏡で識別可能な大きさの記号
とが描かれており、肉眼または顕微鏡を用いたときに試
料周辺に望むことができる記号を頼りに複数の試料の中
から所望の試料を特定するためのものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来技
術には、以下に示すような問題があった。
【0017】第1の従来例は、集束ビームを照射する位
置を0.5ミリメートルのXY座標で特定しているため
分解能が低く、微少部分を特定して行う分析には適して
いないという問題があった。
【0018】第2の従来例は、試料セッティング治具で
は集束ビームを照射する位置を低い分解能でしか特定で
きないため、試料を分析装置に搭載してから更に補正
(ステップS3)を行う必要がある。その補正では位置
を特定する手段が無く、他の従来例の方法を併用するこ
とが必要であるという問題があった。
【0019】第3の従来例では、試料表面に付着したゴ
ミや試料表面のキズが必ずしも測定したい位置の周辺に
あるとは限らず、それが無い位置では特定が困難である
という問題がある。また、目印にしていたゴミが測定の
過程で消失したり移動したりする可能性があり、そうな
ると位置の特定が不可能となってしまうという問題もあ
った。さらに、試料表面に付着したゴミ自体が悪影響を
及ぼして測定結果の信頼性を下げる可能性も無視できな
い。
【0020】また、目視で判別できない微少な測定位置
を、大きな試料の表面から見つけ出すことは非常に困難
なので、分析装置から試料を取り出した後に、集束ビー
ムを照射した位置を再び知ることは非常に困難であっ
た。
【0021】第4の従来例では、分析装置の試料ステー
ジの駆動系には、一般的に比較的大きなバックラッシュ
があり、再度同じ位置に戻す場合などにはバックラッシ
ュの影響で十分な精度が得られない場合があるという問
題があった。
【0022】また、試料を分析装置から取り出すと試料
と試料ステージとの位置関係が変わる、あるいは無くな
るので、XY軸の番地で測定位置を示すことができなく
なり、集束ビームを照射した位置を再び知ることは非常
に困難になる。
【0023】第5の従来例では、集束ビームを照射する
位置や角度によってはメッシュが集束ビームの進路をさ
またげて、試料に到達する集束ビームの強度を低下させ
てしまうという問題があった。
【0024】第6の従来例では、複数の試料間の識別は
できるが、試料台に描かれた記号と試料とを一度に観測
することで試料台上の試料の位置を特定するので、試料
台を望むことができないような試料内の位置の特定には
不向きである。
【0025】本発明は上記したような従来技術の有する
問題を解決するためになされたものであり、測定前およ
び測定後に、集束ビームの照射位置を高い分解能で正確
に特定できる分析装置および試料ホルダを提供すること
を目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の試料ホルダの構成は、試料に集束ビームを照射
して前記試料の状態や特性を測定する分析装置に用い
る、前記試料を固定するための試料ホルダであって、前
記集束ビームを照射する位置を特定する位置特定手段を
有する構成である。なお、更に、前記位置特定手段の移
動を指示する制御を外部から受け付ける入力手段と、前
記制御に基づいて位置特定手段を移動させる駆動手段
と、を有する構成としてもよい。
【0027】また、前記入力手段は制御信号を受け付け
る電気接点を有し、前記駆動手段は位置特定手段を駆動
するモータを有する構成としてもよい。
【0028】さらに、上記した全ての試料ホルダは、前
記位置特定手段は、前記試料の上方に前記試料と近接し
て配置され、前記制御によってビーム照射の障害になら
ない位置に移動させることができる、複数の孔が設けら
れた平板を有する構成としてもよい。
【0029】また、前記位置特定手段は、前記試料の上
に配置され、前記制御によって任意の位置に移動させる
ことができる輪状の板を有する構成としてもよい。
【0030】さらに、前記位置特定手段は、互いに直交
する細長の2枚の平板であって、前記制御によって、そ
れぞれが独立して平行移動する1対のスケールを有する
構成としてもよい。
【0031】さらにまた、上記した全ての試料ホルダ
は、前記位置特定手段は、手動によっても移動させるこ
とができてよい。
【0032】また、前記集束ビームは、電子線、X線、
イオンのいずれかであってよい。
【0033】一方、本発明の分析装置は、上記した試料
ホルダのいずれか1つを有し、試料に集束ビームを照射
して前記試料の状態や特性を測定する分析装置であっ
て、前記試料ホルダに位置特定手段の移動を指示する制
御手段と、前記指示を試料ホルダに出力する出力手段
と、を有する構成である。
【0034】なお、前記制御手段は、制御プログラムが
蓄積されたメモリと、前記プログラムを前記メモリから
読み出して実行し、前記位置特定手段を移動させるよう
に制御するプロセッサとを有し、前記出力手段は、前記
制御を前記試料ホルダに通知するための制御信号を出力
する電気接点を有する構成としてもよい。
【0035】したがって、試料上の測定位置を位置特定
手段との位置関係によって正確に特定できる。
【0036】また、測定時には位置特定手段を測定を阻
害しない位置に移動可能であり、充分な強度の集束ビー
ムを照射できる。
【0037】さらに、1度測定した位置を繰り返し測定
してしまうことが防げる。
【0038】さらにまた、試料ホルダに設けられた位置
特定手段で測定位置を特定するので、分析装置が有する
バックラッシュの影響は無い。また、駆動手段は分析装
置の構成に影響なしに精度高く構成できる。
【0039】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について、
図面を参照して詳細に説明する。
【0040】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態の試料ホルダの斜視図であり、メッシュ
を閉じたとき(a)と開いたとき(b)の斜視図であ
る。図1(a)はメッシュの一部の拡大図を含む。
【0041】図2は、図1に示した試料ホルダを用いた
分析装置の一構成例を示す概略ブロック図である。
【0042】図1および図2において、第1の実施の形
態の試料ホルダ101は、直径が1.0センチメートル
で所定の高さのアルミニウム製の円柱であり、その上面
に試料14を搭載するための試料台本体12と、試料台
本体12の上面の外周に近接して設けられており電動、
または手動によって回転可能な軸13と、軸13に固定
されており試料台本体12の上方に非接触に設けられた
直径が1.2ミリメートルの円盤であるメッシュ11と
を有する構成である。メッシュ11は縦横0.1ミリメ
ートルの正方形の複数の孔を有しており、それぞれの孔
の付近には孔を識別するための孔番号が刻まれている。
また、電気信号による制御で軸13を回転させることが
できるように、試料台本体13は内部に軸駆動用のモー
タ(不図示)を有し、底面に信号入力用の電気接点15
を有している。軸13を回転させるとメッシュ11が開
かれて試料台本体12の上面に搭載された試料14が試
料ホルダの上方から直接観察できる状態になる。図1
(a)はメッシュ11が閉じた状態を示しており、図1
(b)はメッシュ11が閉じた状態を示している。
【0043】図2において、第1の実施の形態の分析装
置100は、上記した試料ホルダ101と、試料に集束
ビームを照射し試料の特性を測定する測定手段102
と、試料ホルダ101および測定手段102を制御して
測定のための動作を行わせる主制御手段104と、測定
者が試料ホルダ101を操作するための試料ホルダ用コ
ントローラ103と、試料の測定位置確認用の光学顕微
鏡105とを有する構成である。測定者は試料ホルダ用
コントローラ103を操作して軸13を回転させ、メッ
シュ11を開閉させることができる。
【0044】分析装置100および試料ホルダ101の
測定時の動作について説明する。測定者はメッシュ11
を開いた状態で、試料台本体12の上面に測定すべき試
料14を搭載する。続いて、測定者は手動でメッシュ1
1を閉じて分析装置100内に試料ホルダ101を搭載
する。ここで、光学顕微鏡105を用いて試料14上方
のメッシュ11と試料14とを観察して測定位置を決
め、その位置をメッシュ11に刻まれた孔番号で特定す
る。
【0045】測定位置を特定した後に、測定者は試料ホ
ルダ用コントローラ103を操作してメッシュ11を開
かせる。試料ホルダ101は電気接点15から伝わる信
号によって、モータを駆動して軸13を回転させる。そ
れによって、軸13とともにメッシュ11が回転し試料
台本体12の上方には障害物が無い状態となる。測定者
は、この状態で測定手段102を用いて、集束ビームを
試料14に照射して測定を行う。
【0046】別の測定位置を測定したい場合には、試料
ホルダ用コントローラ103を操作してメッシュ11を
閉じ、光学顕微鏡105を用いて観察して測定位置を特
定した後に、再度測定すればよい。
【0047】次に、シリコン基板上にスピンコートによ
って成膜されたPZT膜が均一に成膜されているか否か
を検討するために、試料ホルダ101を用いて、XPS
(X線光電子分光法)でPZT膜の各元素の濃度を分析
したときの作業の流れを説明する。PZT膜が均一に成
膜されているか否かを検討するためには数点の位置で測
定する必要がある。
【0048】分析装置としてはモノクロX線源を搭載し
た、市販のX線光電子分光装置を用いた。主な測定条件
として、X線はモノクロ化AlKα線、分析面積は直径
約1ミリメートルの円の面積、測定中の装置内圧力は1
2×10-8パスカル以下で測定した。
【0049】試料を搭載した試料ホルダ101を分析装
置に搭載してメッシュ11を閉じておく。続いて、光学
顕微鏡で観察しながら1回目の測定位置を決定し、その
測定位置をメッシュ11上の孔番号で特定した。次に、
メッシュ11を電動で開かせ、試料を上方から直接に観
測できるようにした。この状態で特定した測定位置にX
線を照射して、試料から放出される光電子により、各元
素の濃度を測定した。
【0050】1回目の測定が終わると、メッシュ11を
電動で閉じた。そして、光学顕微鏡で観察しながら2回
目の測定位置を決定し対応すした孔番号でその位置を特
定した。続いて、メッシュ11を電動で開かせ2回目の
測定位置にX線を照射し、試料から放出される光電子に
より、各元素の濃度を測定した。アライメントおよび測
定においてメッシュ11が妨げとならず、充分な強度の
スペクトルを得ることができた。
【0051】上記した操作を繰り返してトータルで5個
所の測定位置で測定した。適当に分散した複数の異なる
点を良好に特定することができ、均一に成膜されている
か否かの分析を効率良く、有効に行うことができた。
【0052】なお、メッシュ11の材質、厚さ、孔の大
きさ等は、X線ビームの径など他の条件に合わせて選択
可能である。
【0053】(第2の実施の形態)図3は、本発明の第
2の実施の形態の試料ホルダの斜視図である。
【0054】図3において、第2の実施の形態の試料ホ
ルダ201は、上面に試料22を搭載する幅が3センチ
メートルで、奥行が3センチメートルで、高さが0.5
センチメートルのSUS304製の直方体である試料台
本体21と、試料台本体の上面に設けられた支点25
と、試料台本体21に搭載された試料22の上方に非接
触に設けられ、任意の位置に水平移動が可能な、孔の直
径(例えば、100マイクロメートル)のより複数の中
から選択可能なSUS304製の輪23と、一方の端部
が支点25により支持され、他の端部に輪23が固定さ
れており、制御により輪22を水平移動させることが可
能なアーム24とを有する構成である。また、電気信号
による制御で輪23を任意の位置に移動させることがで
きるように、試料台本体21は内部に駆動用のモータ
(不図示)およびバネ(不図示)を有し、底面に信号入
力用の電気接点(不図示)を有している。
【0055】第2の実施の形態の分析装置は、第1の実
施の形態の試料ホルダ101の代わりに第2の実施の形
態の試料ホルダ201を搭載している点と、試料ホルダ
用コントローラ103は試料ホルダの輪23の位置を移
動させる点の他は、図2に示した第1の実施の形態の分
析装置100と同様な構成である。
【0056】測定者は試料ホルダ用コントローラ103
を操作して輪23を移動させることができる。輪23を
試料台本体21の外側に移動させると、試料台本体21
の上面に搭載された試料22は上方から直接観察できる
状態になる。輪23の位置はコンピュータ106に記憶
させておくことができる。また、分析装置100はコン
ピュータ106に記憶された位置の情報にしたがって、
測定時の集束ビームの照射位置を設定することが可能で
ある。
【0057】第2の実施の形態の分析装置100、およ
び試料ホルダ201の測定時の動作について説明する。
【0058】測定者は測定位置を決定したら、試料ホル
ダ用コントローラを操作して、その位置に輪23の中心
がくるように輪23を移動させる。アーム24は支点2
5を中心として回転し、また、支点25と輪23との間
の長さを伸縮させて輪23を移動させる。続いて測定者
は、その輪23の位置をコンピュータ106に記憶させ
る。その後に、測定者は輪23を試料台本体の外に輪2
3を移動させる。次に、コンピュータ106に記憶させ
た位置情報にしたがって測定を行う。
【0059】次に、試料ホルダ201とAES(オージ
ェ電子スペクトル分析装置)を用いて異物分析をしたと
きの作業の流れを説明する。
【0060】シリコン基板上には、元々、カーボンをコ
ンタミ成分(異物に含まれる成分)として多く含む異物
が付着していることが予想されたため、アルゴンイオン
によりシリコン基板表面をエッチングした後に、アルゴ
ンガスによりスパッタして、その新しくスパッタした領
域に存在する異物を探し出してコンタミ成分を測定し
た。
【0061】スパッタ領域が直径約1ミリメートルの円
になるようなスパッタ条件としたので、孔の直径が1ミ
リメートルの輪23を選択すると、その孔がスパッタ領
域を示していると認識できる。その領域内で異物を探し
出して、コンタミ成分を測定した。
【0062】上記したような、エッチングした後にスパ
ッタし、その領域内の異物を測定するという作業を位置
を替えて複数回繰り返した。輪23で示された位置は、
コンピュータ106に記憶されているので、測定位置を
戻すことが可能となった。したがって、異物が測定済の
ものであるか否かの判断が容易となり、正確な測定を迅
速に行うことが可能となった。
【0063】(第3の実施の形態)図4は、本発明の第
3の実施の形態の試料ホルダの斜視図である。
【0064】図4において、第3の実施の形態の試料ホ
ルダ301は、上面に試料34を搭載する幅が3センチ
メートルで、奥行が3センチメートルで、高さが1セン
チメートルの真鍮製の直方体である試料台本体31と、
試料台本体21に搭載された試料34の上方に非接触に
設けられ、試料台本体31上面の点のX座標を示すスケ
ール32と、同様に試料34の上方に非接触に設けら
れ、Y座標を示すスケール33とを有する構成である。
また、電気信号による制御でスケール32、33をY方
向、X方向にそれぞれ独立に平行移動させることができ
るように、試料台本体31は内部に駆動用のモータ(不
図示)を有し、底面に信号入力用の電気接点(不図示)
を有している。
【0065】第3の実施の形態の分析装置は、第1の実
施の形態の試料ホルダ101の代わりに第3の実施の形
態の試料ホルダ301を搭載している点と、試料ホルダ
用コントローラ103の操作でスケール32、33の位
置を移動させる点の他は、図2に示した第1の実施の形
態の分析装置100と同様な構成である。
【0066】測定者は試料ホルダ用コントローラ103
を操作してスケール32、33を移動させることができ
る。
【0067】第3の実施の形態の分析装置100、およ
び試料ホルダ301の測定時の動作について説明する。
【0068】測定者は、測定位置を決定したら、試料ホ
ルダ用コントローラを操作して、その位置にスケール3
2、33を移動させる。このとき測定者はスケール3
2、33を平行移動させて測定位置の近傍に停止させ、
光学顕微鏡による観測でその測定位置をXY座標によっ
て特定する。その後に、測定者はスケール32、33を
測定を阻害しない位置に移動させて測定を行う。
【0069】次に、500マイクロメートル幅のラスタ
ー状に成形されたシリコン基板を、試料ホルダ301と
SIMS(2次イオン質量分析装置)を用いて、シリコ
ン基板上の深さ方向の元素の濃度分布(depth p
rofile)を測定したときの作業の流れを説明す
る。SIMS分析は、1次イオンでスパッタしながら、
スパッタによって得られた物質の2次イオンを測定する
ものである。分析装置で測定した後に、各層の膜厚を測
定するために分析装置から試料を取り出して、スパッタ
リングで生じた凹部の深さを、スパッタリングと同じα
−ステップごとに測定するなどが必要である。また、測
定の正確さを確認するするためにスパッタリングで生じ
た凹部の形状を観測する必要がある。
【0070】測定者は、試料ホルダ301を分析装置内
に導入し、スケール32、33を移動させて測定位置を
確認しながら装置アライメント(ビーム照射、レンズ等
の軸調整)を行った後に、測定位置を特定しながら、2
00マイクロメートルごとに1次イオンをスパッタして
2次イオンの分布スペクトルを測定した。次に測定者
は、装置から試料ホルダ301を試料と共に取り出し、
光学顕微鏡で凹部を探し出して凹部の深さと形状とを測
定した。
【0071】試料ホルダ31を用いると、光学顕微鏡で
200マイクロメートル単位の観測が可能であり、スパ
ッタによって生じた凹部を分析装置外で識別し、観測す
ることができた。
【0072】したがって、試料上の測定位置をメッシュ
11、輪23、あるいはスケール32、33との位置関
係によって正確に特定でき、測定前の位置の決定や測定
後の位置の確認が容易になるので作業効率が上がる。
【0073】また、測定時にはメッシュ11、輪23、
あるいはスケール32、33を測定を阻害しない位置に
移動可能であり、充分な強度の集束ビームを照射でき、
また、充分な強度の信号検出ができるので正確に測定が
できる。
【0074】さらに、1度測定した位置を繰り返し測定
してしまうことが防げるので、測定時に付着する異物に
よる影響なしに複数回の測定が可能であり、また、破壊
分析で同じ位置を測定してしまうこともない。さらにま
た、スパッタした後に、そのスパッタした領域内で測定
を行う場合に、領域が明確であり、正確な測定を迅速に
行うことが可能である。
【0075】さらにまた、試料ホルダに設けられたメッ
シュ11、輪23、あるいはスケール32、33で測定
位置を特定するので、分析装置が有するバックラッシュ
の影響は無い。また、メッシュ11、輪23、あるいは
スケール32、33の駆動系は分析装置の構成に影響な
しに精度高く構成できるので、バックラッシュの影響は
無視でき、精度高く測定位置の特定が可能である。
【0076】なお、第1〜3の実施の形態では、XPS
(X線光電子分光装置)、AES(オージェ電子スペク
トル分析装置)、SIMS(2次イオン質量分析装置)
に本発明の試料ホルダを用いた例を示したが、他にEP
MA(電子線プローブマイクロアナリシス法)やSEM
(走査型電子顕微鏡)にも適用可能である。
【0077】また、試料ホルダ101、201、301
と分析装置との組み合わせも第1〜3の実施の形態の記
述に限定されるものではなく、任意の組み合わせが可能
である。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、以下のよ
うな効果を有する。
【0079】試料上の測定位置を位置特定手段との位置
関係によって正確に特定でき、測定前の位置の決定や測
定後の位置の確認が容易になるので作業効率が上がる。
【0080】また、測定時には位置特定手段を測定を阻
害しない位置に移動可能であり、充分な強度の集束ビー
ムを照射でき、また、充分な強度の信号検出ができるの
で正確に測定ができる。
【0081】さらに、1度測定した位置を繰り返し測定
してしまうことが防げるので、測定時に付着する異物に
よる影響なしに複数回の測定が可能であり、また、破壊
分析で同じ位置を測定してしまうこともない。
【0082】さらにまた、特定の領域内で測定を行う場
合に、その領域が明確であり、正確な測定を迅速に行う
ことが可能である。
【0083】さらにまた、試料ホルダに設けられた位置
特定手段で測定位置を特定するので、分析装置が有する
バックラッシュの影響は無い。また、駆動手段は分析装
置の構成に影響なしに精度高く構成できるので、バック
ラッシュの影響は無視でき、精度高く測定位置の特定が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の試料ホルダの斜視
図であり、メッシュを閉じたとき(a)と開いたとき
(b)の斜視図である。
【図2】図1に示した試料ホルダを用いた分析装置の一
構成例を示す概略ブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の試料ホルダの斜視
図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の試料ホルダの斜視
図である。
【図5】XY座標が彫刻された透明板を用いて照射位置
を特定する従来の手段の概略の構成例を示す斜視図
(a)、側面図(b)、および補助的に用いるメモ
(c)である。
【符号の説明】
11 メッシュ 12 試料台本体 13 軸 14 試料 15 電気接点 21 試料台本体 22 試料 23 輪 24 アーム 25 支点 31 試料台本体 32 スケール 33 スケール 34 試料 41 透明板 42 試料ホルダベース 43 試料 44 メモ 100 分析装置 101 試料ホルダ 102 測定手段 103 試料ホルダ用コントローラ 104 主制御手段 105 光学顕微鏡 106 コンピュータ 201 試料ホルダ 301 試料ホルダ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に集束ビームを照射して前記試料の
    状態や特性を測定する分析装置に用いる、前記試料を固
    定するための試料ホルダであって、 前記集束ビームを照射する位置を特定する位置特定手段
    を有する試料ホルダ。
  2. 【請求項2】 前記位置特定手段の移動を指示する制御
    を外部から受け付ける入力手段と、 前記制御に基づいて位置特定手段を移動させる駆動手段
    と、を有する請求項1記載の試料ホルダ。
  3. 【請求項3】 前記入力手段は制御信号を受け付ける電
    気接点を有し、 前記駆動手段は位置特定手段を駆動するモータを有する
    請求項2記載の試料ホルダ。
  4. 【請求項4】 前記位置特定手段は、前記試料の上方に
    前記試料と近接して配置され、前記制御によってビーム
    照射の障害にならない位置に移動させることができる、
    複数の孔が設けられた平板を有する請求項1乃至3のい
    ずれか1項に試料ホルダ。
  5. 【請求項5】 前記位置特定手段は、前記試料の上に配
    置され、前記制御によって任意の位置に移動させること
    ができる輪状の板を有する請求項1乃至3のいずれか1
    項に記載の試料ホルダ。
  6. 【請求項6】 前記位置特定手段は、互いに直交する細
    長の2枚の平板であって、前記制御によって、それぞれ
    が独立して平行移動する1対のスケールを有する請求項
    1乃至3のいずれか1項に記載の試料ホルダ。
  7. 【請求項7】 前記位置特定手段は、手動によっても移
    動させることができる請求項1乃至6のいずれか1項に
    記載の試料ホルダ。
  8. 【請求項8】 前記集束ビームは、電子線、X線、イオ
    ンのいずれかである請求項1乃至7のいずれか1項に記
    載の試料ホルダ。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の
    試料ホルダを有し、試料に集束ビームを照射して前記試
    料の状態や特性を測定する分析装置であって、 前記試料ホルダに位置特定手段の移動を指示する制御手
    段と、 前記指示を試料ホルダに出力する出力手段と、を有する
    分析装置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、 制御プログラムが蓄積されたメモリと、 前記プログラムを前記メモリから読み出して実行し、前
    記位置特定手段を移動させるように制御するプロセッサ
    とを有し、 前記出力手段は、 前記制御を前記試料ホルダに通知するための制御信号を
    出力する電気接点を有する請求項9記載の分析装置。
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