JP2001147012A - ガス処理容器用整流装置 - Google Patents

ガス処理容器用整流装置

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JP2001147012A
JP2001147012A JP32890099A JP32890099A JP2001147012A JP 2001147012 A JP2001147012 A JP 2001147012A JP 32890099 A JP32890099 A JP 32890099A JP 32890099 A JP32890099 A JP 32890099A JP 2001147012 A JP2001147012 A JP 2001147012A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】下方から流送されたガスを屈曲ダクトなどによ
り上方から容器に送入しなくても、容器の入口で十分に
整流して下方に向うガス通路に均一な流速で送入でき
る。 【解決手段】斜め下方から供給されたガスを水平方向に
転向して容器12のガス導入口15に送入するガス導入
ダクト16と、ガス導入口15の上部に連続する天壁1
8にガス導入口15に対向して垂下された垂下壁18d
を有する段部18bと、この段部18bから下流側下方
に傾斜されガスを下方に案内する傾斜ガイド部18c
と、ガス導入口15の開口面に上下複数段に配置された
複数の水平ベーン21a〜21Cと、ガス導入口15よ
り下位でガス通路15に配置された整流格子22とを具
備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器に導入された
ガスを均一に流送する必要があるガス調温塔やガスクー
ラー、ガス冷却装置、クーリングタワーなどのガス処理
容器内に、入口部分に設置されるガス処理容器用整流装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばごみ焼却炉のガス調温塔では、
ガス(排ガス)中に冷却水を噴射して温度調整するた
め、上部から導入されたガスを均一に下方に送り込む必
要がある。従来のガス調温塔では、図21,図22に示
すように、熱回収用ボイラから排出される排ガスを、ま
ず45度斜め上方に誘導して90度下方に折れ曲がる屈
曲ダクト2を介して45度上方から塔本体1の上部のガ
ス導入口1aに接続されている。そして塔本体1この入
口部では、導入ガスを水平方向に誘導して複数枚の垂直
ベーン3と複数枚の水平ベーン4とにより整流し、さら
に段部5および傾斜ガイド板6により下方に転向され
る。そして、塔本体1の上部に平面断面に全面にわたっ
て設置された整流格子7により整流して塔本体1の横断
面におけるガスの流れが均一になるように構成されてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来構成
では、屈曲ダクト2を使用してガスを導入するため、設
備の建屋の最上部に設置されるガス調温塔よりも、屈曲
ダクト2が上方に突出してしまうという問題があった。
このため、建屋の天井部を屈曲ダクト2に合わせて高く
する工事が行われていた。
【0004】本発明は、上記問題点を解決して、屈曲ダ
クトにより一旦上方に迂回させなくても、下方から送ら
れてくるガスを容器の入口で十分に整流して容器内下方
に案内できるガス処理容器用整流装置を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明は、容器上部から下方にガスを流
送するガス通路が形成された容器に、容器の上部側面に
開口されたガス導入口からガスを導入して整流するガス
処理容器用整流装置であって、斜め下方から供給された
ガスを水平方向に転向してガス導入口に送入するガス導
入ダクトと、前記ガス通路上端部でガス導入口が側方に
形成された迂回空間で、このガス導入口から所定距離離
れて天壁から垂下された垂下壁を有する段部およびこの
段部から下流側下方に傾斜されガスを下方に案内する傾
斜ガイド部と、ガス導入口の開口面に上下方向に複数段
に配置された水平ベーンと、ガス導入口より下位のガス
通路に配置された整流格子とを具備し、前記水平ベーン
は、下位のものほど下流側下方に傾斜されたものであ
る。
【0006】上記構成によれば、ガス導入ダクトから斜
め上方に変向された後、水平に変向されてガス導入口か
ら迂回空間に送入された排ガス流は、流路断面の中央お
よび外周(上部)で高速流となるが、複数の水平ベーン
により分離されたガス流のうち、高速で分離流路部に流
入される最上段ガス流は、垂下壁が抵抗となって大幅に
減速される。また中央部の分離流路部では、ガス流がか
なり加速されて一時的に高速となるが、水平ベーンとの
接触による摩擦抵抗と、最上段の分割流路から合流され
るガス流と、傾斜ガイド部により流路面積が急激に拡大
されることにより、大きい抵抗となって漸次減速され、
整流格子に導入される。最下段の分離流路部では、下段
の水平ベーンにより大きく下方に転向されることからガ
ス流が加速されることがない。さらにガス流は整流格子
で中央部分で比較的速いガス流が整流格子の作用および
ガス流同士の接触により平均化される。
【0007】したがって、下方から供給されたガス流を
ガス導入ダクトにより斜め下方から水平方向に転向して
容器に送入しても、複数段の水平ベーンと段部とにより
迂回空間でガス流を減速して整流格子によりさらに流速
を均一化させ、90°折れ曲がるガス通路に均一なガス
流を送り込むことができ、ガス導入ダクトを上方に突出
させて上方から送入する必要が無くなり、容器の収納建
屋を高くする工事が不要となる。
【0008】また請求項2記載の発明は、容器上部から
下方にガスを流送するガス通路が形成された容器に、容
器の上部側面に開口されたガス導入口からガスを導入し
て整流するガス処理容器用整流装置であって、斜め下方
から供給されたガスを水平方向に転向してガス導入口に
送入するガス導入ダクトと、前記ガス通路の上端部でガ
ス導入口が側方に開口された直方体状の迂回空間と、前
記ガス通路のガス導入口より下位に配置された整流格子
と、前記迂回空間にガス導入口の開口面と平行で開口面
から奥側に所定間隔をあけて配置され複数の整流空間を
形成する複数の垂直整流板とを具備し、前記垂直整流板
と迂回空間の天壁との間に形成される流入口の高さを、
ガス導入口から奥側ほど小さくなるように形成されたも
のである。
【0009】上記構成によれば、ガス導入ダクトにより
斜め上方から水平方向に転向されてガス導入口に流入さ
れたガス流は、外周側(上部)ほど速い速度分布となっ
ており、このガス流が迂回空間に流入すると、階段状の
第1〜第4垂直整流板の上部に衝突し、その上方の流入
口から各整流空間にそれぞれ分離されて流入する。この
時、各整流空間では第1〜第4整流板と迂回空間の背面
壁の表面に沿ってそれぞれ高速のガス流が生じるが、高
速となる背面側ほどガス流が接触する面の長さが長く設
定されており、その摩擦抵抗により減速されるととも
に、垂直整流板の上端部背面に生じる渦流により、抵抗
が生じてガス流が減速され、ついで整流格子に流入され
ることによりガス流の流速が均一化される。
【0010】したがって、ガス導入ダクトにより下方か
ら供給されたガス流を斜め下方から水平方向に転向して
容器に流入させても、90°折れ曲がるガス通路で均一
な流速に整流することができる。これにより、均一なガ
ス処理が可能となるとともに、ガス導入ダクトを上方に
突出させる必要が無くなり、収納建屋を高くする工事が
不要となる。
【0011】
【発明の実施の形態】ここで、本発明に係るガス整流装
置の第1の実施の形態を図1〜図11に基づいて説明す
る。この整流装置10は、たとえばごみ焼却炉設備の排
ガス経路に設置される調温塔11に設けられるもので、
調温塔11の容器12内では、上部から下部に向って送
りこんだ矩形断面のガス通路13において排ガス中に冷
却水を噴射して所定温度の排ガスを得るものである。し
たがって、ガス通路13の流速が均一でないと、効率よ
く冷却することができない。
【0012】この整流装置10は、鉛直方向のガスダク
ト14から調温塔11の上部側壁でガス通路13に連通
するガス導入口15にガス導入ダクト16が接続されて
いる。このガス導入ダクト16は、その出口で幅:w、
高さ:hの矩形流路断面に形成され、矩形断面のガス通
路13に対する断面積比がたとえば1:2に形成されて
いる。そして、ガスダクト14に接続された垂直接続部
16aと、この垂直接続部16aから斜め上方に折り曲
げ角θ(40〜50°)で折り曲げられた傾斜部16b
と、傾斜部16b上端からさらに水平方向に折り曲げら
れてガス導入口15に接続された水平送入部16cとで
構成されている。
【0013】前記ガス通路13は、流路の幅:W(=
w)、高さ(奥行き):Hの矩形断面に形成され、ガス
通路13の上端部にガス導入口15から水平方向に吹込
まれたガス流を下方に迂回させる迂回空間17が形成さ
れている。この迂回空間17のガス導入口15の上辺に
連続する天壁18には、水平部16cからガス導入口1
5を介して水平面上に沿って延びる平面部18aと、下
方に突出する段部18bと、奥側下方に傾斜する傾斜ガ
イド部18cが形成されている。
【0014】すなわち、平面部18aでガス導入口15
から所定距離Loだけ離れた位置から垂下されてガス導
入口15に対向する高さ:Hoの垂下壁18dと、この
垂下壁18dの下端部に続く長さLpの水平壁18eか
らなる段部18bが設けられ、ガス流に大きい抵抗を付
与している。さらに水平壁18eの後端部から流路断面
をガス流を広がる状態で下方に迂回させる傾斜ガイド部
18cが設けられており、この傾斜ガイド部18cは水
平から下方に傾斜角:α=30〜40°で取付けられて
いる。
【0015】またこの迂回空間17には、ガス導入口1
5の開口面から後方に延びるたとえば3枚、上段、中段
および下段の水平ベーン21A〜21Cが配置されてい
る。これら水平ベーン21A〜21Cは上下方向に所定
高さHA〜HDの分離流路部20A〜20Dをあけて配
置され、迂回空間17の全幅方向にわたって側壁間に取
付けられている。
【0016】これらの詳細を図2を参照して説明する
と、上段水平ベーン21Aは、全長がLAで、水平方向
後方に延びる平板状に形成され、導入角βA(図示せ
ず)=0°、排出角γA(図示せず)=0°である。中
段水平ベーン21Bは、全長がLBで、前端から中間の
折り曲げ位置PBまで導入角βBで傾斜して設置され、
さらに折り曲げ位置PBから後端まで排出角γBで傾斜
して設置されている。さらに、下段水平ベーン21C
は、全長がLCで、前端から中間の折り曲げ位置PCま
で導入角βCで傾斜して設置され、さらに折り曲げ位置
PCから後端まで排出角γCで傾斜して設置されてい
る。なお、折り曲げ部PB,PCは半径を有する円弧状
であってもよい。
【0017】ここで、最上段の分離流路部20Aの抵抗
を大きくするために、その高さHAは垂下壁18dの高
さHoと同じか、または小さく(HA≦Ho)設定され
ている。もちろん、上段水平ベーン21Aの長さLAは
平面部18aの長さLoより小さく(LA<Lo)設定
されて分離流路部20Aのガスを排出する空間20aが
設けられる。また水平ベーン21A〜21Cの長さは、
LA>LB(LBf+LBr)>LC(LCf+LC
r)の関係にあり、さらに導入角βA<βB<βC、排
出角γA<γB<γCの関係にある。これは、水平方向
からガス導入口15に導入されて迂回空間17で下方に
旋回される場合、旋回中心から離れるほど流速が速くな
る傾向があるため、これを抑制する必要があり、水平ベ
ーン21A〜21Cによりその接触抵抗をガス流に作用
させて減速することができる。また旋回中心側ほど旋回
半径が小さくなるため、導入角αおよび排出角γを大き
く設定することにより、スムーズにガス流を旋回させる
ことができる。
【0018】またガス導入口15の下辺より所定距離Δ
hだけ下方位置に、導入ガスの流送方向に沿う複数の縦
フィン22aと、導入ガスの横断方向に沿う複数の横フ
ィン22bとが一定間隔ごとに組み合わされた整流格子
22が設けられている。上記構成において、ガスダクト
14からガス導入ダクト16に導入された排ガスは、傾
斜部16bで斜め上方に変向された後、さらに水平に変
向されて水平送入部16cからガス導入口15に送入さ
れる。この時、流路断面の中央および外周で高速のガス
流が形成される。
【0019】ガス導入口15において、水平ベーン21
A〜21Cに分離された分離流路20A〜20Dのう
ち、最上段の分離流路部20Aのガス流は、本来かなり
の高速で流入されるものであるが、ガス導入口15に対
向して配置された垂下壁18dと水平ベーン21Aとに
より大幅に減速されて加速されることがない。また中央
部の分離流路部20B,20Cでは、ガス流がかなり加
速されて一時的に高速となるが、水平ベーン21A〜2
1Cとの接触による摩擦抵抗と、空間20aから流入さ
れるガス流と、傾斜ガイド部18cで急激に拡大される
流路面積により減速され、整流格子22に導入される。
最下段のガイド空間20Dでは、下段の水平ベーン21
Cにより大きく下方に転向されることからガス流が加速
されることがない。そして、整流格子22では、中央部
分の比較的速い流速により、幾分高速のガス流があらわ
れるが、整流格子の作用とガス流同士の接触により平均
化される。
【0020】ここで上記構成の整流装置10のシミュレ
ーション結果を図4〜図11を参照して説明する。ここ
で設定されたガス導入ダクト16(ガス導入口15)の
高さ:h=1000、幅:w(=W)=2000、水平
ベーン21A〜21Cの配置は、HA=HB=HC=H
D=250、長さ:LA=600,LBf=300,L
BR=300,LCf=200,LCr=250、導入
角および排出角は、βA=0,βB=7°,γB=45
°βC=12°,γC=67°(各角度は±2.5
°)、整流格子22の高さHm=300、ピッチが15
0、ガス通路13の高さh=20000(長さの寸法単
位はmm)である。ここでガス流量は10000〜30
000Nm3/h、入口のガス温度は240℃に対応す
る。
【0021】図4に示す流速分布および図5〜図11に
示す各断面位置における流速分布から、整流格子22か
ら下方に送られるガスの流速分布が均一化されるのがわ
かる。上記実施の形態によれば、ガス導入ダクト16に
より下方から斜め上方、水平方向と変向されてガス導入
口15に送入された排ガス流を迂回空間17において、
高速の上部のガス流が垂下壁18dでせき止められた分
離流路部20Aに導入してこの流れを上段水平ベーン2
1Aにより分離させ、上段水平ベーン21Aと垂下壁1
8dの間の空間20aから送り出すように構成したの
で、迂回側外方で極めて加速されたガス流を大幅に減速
することができる。また中央部の分離空間20B,20
Cに導入されたガス流は、水平ベーン21A〜21Cと
の接触による摩擦抵抗と、急激に拡大される流路面積に
より効果的に減速される。さらに、下部のガイド空間2
0Dに流入されたガス流は、下段水平ベーン21Cの大
きな転向角により加速されることがない。これにより、
整流格子22でガス通路13内に部分的に高速のガス流
が発生することがなく、均一な流速のガス流を得ること
ができ、均一で効率の良い排ガス温度調整を行うことが
できる。
【0022】次にガス整流装置の第2の実施の形態を図
12〜図20に基づいて説明する。なお、第1の実施の
形態と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
図12,図13に示すように、この整流装置30は、迂
回空間31の天壁31aがガス導入口15の上辺と連続
する水平面状の直方体に形成され、迂回空間31の内部
にガス導入口15の開口面と平行で奥側に所定間隔W1
〜W5をあけて配置された複数の垂直整流板である第1
〜第4垂直バッフル32A〜32Dが全幅にわたって側
壁間に取り付けられ、前後に複数の整流空間33A〜3
3Eが形成されている。
【0023】これら第1〜第4垂直バッフル32A〜3
2Dは、奥側ほど天壁31aに接近する長さに形成され
て各整流空間33A〜33Eへの流入口34a〜34d
の高さH1〜H4が小さくなる(H1>H2>H3>H
4)ように設定される。この実施の形態は、第1〜第4
垂直バッフル32A〜32Dが、整流格子22を構成す
る横フィン22bの一部から延長されて一体に構成され
ているが、整流格子22とは別に、連続してあるいは所
定の隙間をあけて配設してもよい。なお、この整流空間
33A〜33Eの出口には、少なくとも1枚の横フィン
22bが配置されるように間隔W1〜W5が設定され
る。
【0024】上記構成において、ガス導入ダクト16か
らガス導入口15に流入されたガス流は、その折れ曲が
りにより外周側(上部)ほど速い速度分布となってい
る。このガス流が迂回空間31に流入すると、階段状の
第1〜第4垂直バッフル32A〜32Dの上部に衝突し
て流入口34a〜34dから各整流空間33A〜33E
にそれぞれ分離されて流入する。この時、第1〜第4垂
直バッフル32A〜32Dと背面壁31bの表面に沿っ
て高速のガス流が生じるが、第1〜第4垂直バッフル3
2A〜32Dの上部後部側に渦流が生じてガス流の抵抗
となり、さらに順次高速となる背面側ほどガス流が接触
面する長さが長くなるため、徐々に減速され均一化され
整流格子22に流入される。そしてこの整流格子22の
作用によりガス流が均一化されてガス通路13に導入さ
れる。
【0025】上記構成の整流装置のシミュレーション結
果を図14〜図20を参照して説明する。ここでガス導
入ダクト16(ガス導入口15)の高さ:h=100
0、幅:w=2000である。また迂回空間31の高
さ:H=1000、幅:W=2000、流入口34a〜
34eの高さH1=756,H2=531,H3=30
6,H4=81(各寸法単位はmm)で、その開口比
は、h1:h2:h3:h4:h5=1.5:1:1:
1:0.5である。垂直バッフル32A〜32Dはガス
導入口15側から3,6,9,12枚目の水平フィン2
2bと一体に立ち上げられており、整流空間33A〜3
3Eの前後幅W1:W2:W3:W4:W5=1:1:
1:1:0.6の比率である。
【0026】迂回空間31の入口で高速となるガス流が
流入口から整流空間33A〜33Eに流入すると、第1
〜第4垂直バッフル32A〜32Dと背面壁31bの表
面に沿って高速のガス流が生じるが、徐々に減速されて
出口の整流格子22部分ではかなり均一化され、整流格
子22を所定距離過ぎると平均速度の±60%にほぼ均
一化されるのがわかる。
【0027】上記実施の形態によれば、直方体形の迂回
部31にガス導入口15に対向する第1〜第4垂直バッ
フル32A〜32Dを前後幅W1〜W5を空けて配置し
て複数の整流空間33A〜33Eを前後に区画して形成
し、各第1〜第4垂直バッフル32A〜32Dと天壁と
の間の流入口34a〜34eの高さH1〜H4を背面側
(奥側)ほど小さくなる(H1>H2>H3>H4)よ
うに設定し、整流空間の出口に整流格子22を配置した
ので、下方から変向されて水平方向に流入されたガス流
を分離して流入口34a〜34dから整流空間33A〜
33Eに導入し、第1〜第4垂直バッフル32A〜32
Dとの摩擦と渦流とにより減速して整流格子22により
ガスの流速を均一化することができる。
【0028】
【発明の効果】以上に述べたごとく請求項1記載の発明
によれば、ガス導入ダクトから斜め上方に変向された
後、水平に変向されてガス導入口に送入された排ガス流
は、流路断面の中央および外周で高速流となる。そして
ガス導入口において、複数の水平ベーンに分離されたガ
ス流のうち最上段ガス流は、高速で流入されるが垂下壁
と水平ベーンとに囲まれて大幅に減速される。また中央
部では、ガス流がかなり加速されて一時的に高速となる
が、水平ベーンとの接触による摩擦抵抗と、流路面積が
急激に拡大される傾斜ガイド部とにより減速され、整流
格子に導入される。最下段では、下段の水平ベーンによ
り大きく下方に転向されることからガス流が加速される
ことがない。そして整流格子で中央部分の比較的速いガ
ス流が整流格子の作用とガス流同士の接触により平均化
される。
【0029】したがって、ガス導入ダクトにより下方か
ら供給されたガス流を斜め下方から水平方向に転向して
容器に流入させても、下方に送るガス通路で均一な流速
に整流することができ、均一なガス処理が可能となり、
ガス導入ダクトを上方に突出させる必要が無くなり、収
納建屋を高くする工事が不要となる。また請求項2記載
の発明によれば、ガス導入ダクトにより斜め上方から水
平方向に転向されてガス導入口に流入されたガス流は、
上部ほど速い速度分布となっており、このガス流が迂回
空間に流入すると、階段状の第1〜第4垂直整流板の上
部に衝突してその上方から各整流空間にそれぞれ分離さ
れて流入する。この時、各整流空間では第1〜第4整流
板と迂回空間の背面壁の表面に沿ってそれぞれ高速のガ
ス流が生じるが、高速となる背面側ほどガス流が接触す
る面の長さが長くその摩擦抵抗により減速されるととも
に、垂直整流板の上部背面に生じる渦流により、抵抗が
生じてガス流が減速され、ついで整流格子22に流入さ
れることによりガス流の流速が均一化される。
【0030】したがって、ガス導入ダクトにより下方か
ら供給されたガス流を斜め下方から水平方向に転向して
容器に流入させても、下方に送るガス通路で均一な流速
に整流することができ、均一なガス処理が可能となり、
ガス導入ダクトを上方に突出させる必要が無くなり、収
納建屋を高くする工事が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る整流装置の第1の実施の形態を示
す構成図である。
【図2】同整流装置の要部を示す部分拡大断面図であ
る。
【図3】同整流装置を示す要部拡大斜視図である。
【図4】同整流装置のガス流のシミュレーション結果を
示す縦断面図である。
【図5】図4に示すa−a′位置の流速を示す速度分布
図である。
【図6】図4に示すb−b′位置の流速を示す速度分布
図である。
【図7】図4に示すc−c′位置の流速を示す速度分布
図である。
【図8】図4に示すd−d′位置の流速を示す速度分布
図である。
【図9】図4に示すe−e′位置の流速を示す速度分布
図である。
【図10】図4に示すf−f′位置の流速を示す速度分
布図である。
【図11】図4に示すg−g′位置の流速を示す拡大速
度分布図である。
【図12】本発明に係る整流装置の第2の実施の形態を
示す構成図である。
【図13】同整流装置を示す要部拡大斜視図である。
【図14】同整流装置のガス流のシミュレーション結果
を示す縦断面図である。
【図15】図14に示すA−A′位置の流速を示す速度
分布図である。
【図16】図14に示すB−B′位置の流速を示す速度
分布図である。
【図17】図14に示すC−C′位置の流速を示す速度
分布図である。
【図18】図14に示すD−D′位置の流速を示す速度
分布図である。
【図19】図14に示すE−E′位置の流速を示す速度
分布図である。
【図20】図14に示すF−F′位置の流速を示す拡大
速度分布図である。
【図21】従来の整流装置を示す構成図である。
【図22】同整流装置を示す要部拡大斜視図である。
【符号の説明】
10 整流装置 11 調温塔 12 容器 13 ガス通路 15 ガス導入口 16 ガス導入ダクト 16a 垂直接続部 16b 傾斜部 16c 水平送入部 17 迂回空間 18 天壁 18a 水平部 18b 段部 18c 傾斜ガイド部 18d 垂下壁 20A〜20D 分離流路部 21A〜21C 水平ベーン 22 水平格子 22b 横フィン 30 整流装置 31 迂回空間 32A〜32D 垂直バッフル 33a〜33e 流入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 剛 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目7番89 号 日立造船株式会社内 Fターム(参考) 3K070 DA01 DA35 DA87

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器上部から下方にガスを流送するガス通
    路が形成された容器に、容器の上部側面に開口されたガ
    ス導入口からガスを導入して整流するガス処理容器用整
    流装置であって、 斜め下方から供給されたガスを水平方向に転向してガス
    導入口に送入するガス導入ダクトと、 前記ガス通路上端部でガス導入口が側方に形成された迂
    回空間で、このガス導入口から所定距離離れて天壁から
    垂下された垂下壁を有する段部およびこの段部から下流
    側下方に傾斜されガスを下方に案内する傾斜ガイド部
    と、 ガス導入口の開口面に上下方向に複数段に配置された水
    平ベーンと、 ガス導入口より下位のガス通路に配置された整流格子と
    を具備し、 前記水平ベーンは、下位のものほど下流側下方に傾斜さ
    れたことを特徴とするガス処理容器用整流装置。
  2. 【請求項2】容器上部から下方にガスを流送するガス通
    路が形成された容器に、容器の上部側面に開口されたガ
    ス導入口からガスを導入して整流するガス処理容器用整
    流装置であって、 斜め下方から供給されたガスを水平方向に転向してガス
    導入口に送入するガス導入ダクトと、 前記ガス通路の上端部でガス導入口が側方に開口された
    直方体状の迂回空間と、 前記ガス通路のガス導入口より下位に配置された整流格
    子と、 前記迂回空間にガス導入口の開口面と平行で開口面から
    奥側に所定間隔をあけて配置され複数の整流空間を形成
    する複数の垂直整流板とを具備し、 前記垂直整流板と迂回空間の天壁との間に形成される流
    入口の高さを、ガス導入口から奥側ほど小さくなるよう
    に形成されたことを特徴とするガス処理容器用整流装
    置。
  3. 【請求項3】整流格子は、導入ガスの流送方向に沿う複
    数の縦フィンと、導入ガスの横断方向に沿う複数の横フ
    ィンとを一定間隔ごとに配置して構成され、 垂直整流板は、前記整流格子の横フィンから一体に上方
    に延長されたことを特徴とする請求項2記載のガス処理
    容器用整流装置。
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