JP2001146438A - ガラスびんの外面処理方法及びガラスびん - Google Patents
ガラスびんの外面処理方法及びガラスびんInfo
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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- C03C17/001—General methods for coating; Devices therefor
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- C03C17/00—Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
- C03C17/22—Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with other inorganic material
- C03C17/23—Oxides
- C03C17/245—Oxides by deposition from the vapour phase
- C03C17/2453—Coating containing SnO2
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 被膜が光彩を発生させるほど厚くなく、しか
も耐アルカリ性に優れ、リターナブルびんとして使用し
ても耐擦り傷性の劣化が少ない外面処理とする。 【解決手段】 成形直後のガラスびんの外面に気化した
四塩化スズの蒸気を200〜450℃の雰囲気で蒸着さ
せて酸化スズ被膜を形成する。蒸着の雰囲気温度を20
0〜450℃とすることで、被膜の耐アルカリ性が向上
し、比較的薄い被膜でも、リターナブルびんとして使用
するのに十分な耐アルカリ性能を発揮する。
も耐アルカリ性に優れ、リターナブルびんとして使用し
ても耐擦り傷性の劣化が少ない外面処理とする。 【解決手段】 成形直後のガラスびんの外面に気化した
四塩化スズの蒸気を200〜450℃の雰囲気で蒸着さ
せて酸化スズ被膜を形成する。蒸着の雰囲気温度を20
0〜450℃とすることで、被膜の耐アルカリ性が向上
し、比較的薄い被膜でも、リターナブルびんとして使用
するのに十分な耐アルカリ性能を発揮する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形直後、すなわ
ち、成形されたガラスびんが徐冷炉に入る手前におい
て、耐擦り傷性、耐アルカリ性を向上させるために行わ
れるガラスびんの外面処理方法、及び、この処理を行っ
たガラスびんに関する。
ち、成形されたガラスびんが徐冷炉に入る手前におい
て、耐擦り傷性、耐アルカリ性を向上させるために行わ
れるガラスびんの外面処理方法、及び、この処理を行っ
たガラスびんに関する。
【0002】
【従来の技術】従来最も一般的なガラスびんの外面処理
方法は、成形直後のガラスびんの外面にスズ化合物(主
に四塩化スズ)又はチタン化合物(主に四塩化チタン)
の蒸気を蒸着し、ガラスびんの外面に膜厚60〜80ct
u(240〜320Å)の酸化スズ又は酸化チタン被膜
を形成するものである。この場合、蒸着の雰囲気温度は
50〜200℃未満であり、徐冷の初期温度は540〜
560℃未満である。
方法は、成形直後のガラスびんの外面にスズ化合物(主
に四塩化スズ)又はチタン化合物(主に四塩化チタン)
の蒸気を蒸着し、ガラスびんの外面に膜厚60〜80ct
u(240〜320Å)の酸化スズ又は酸化チタン被膜
を形成するものである。この場合、蒸着の雰囲気温度は
50〜200℃未満であり、徐冷の初期温度は540〜
560℃未満である。
【0003】また、耐アルカリ性を向上させるために、
酸化スズ又は酸化チタンの被膜を外表面温度が550〜
700℃のガラスびんに400〜1000Åの厚さで形
成するという文献もある(特開平3−131547)。
酸化スズ又は酸化チタンの被膜を外表面温度が550〜
700℃のガラスびんに400〜1000Åの厚さで形
成するという文献もある(特開平3−131547)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の一般的な外面処
理方法を行ったガラスびんは、ワンウエイびんの場合は
よいのであるが、リターナブルびんにおいては耐アルカ
リ性が不十分で、回収してアルカリ洗浄した後の使用に
おいては、外面の被膜が剥離し、耐擦り傷性が悪化して
強度が低下し、外観的に班模白化が発生するという問題
がある。すなわち、リターナブルびんにおいてはびんを
回収した後にアルカリ洗浄を行うが、このときに耐アル
カリ性が十分でないために被膜が剥離してしまうのであ
る。
理方法を行ったガラスびんは、ワンウエイびんの場合は
よいのであるが、リターナブルびんにおいては耐アルカ
リ性が不十分で、回収してアルカリ洗浄した後の使用に
おいては、外面の被膜が剥離し、耐擦り傷性が悪化して
強度が低下し、外観的に班模白化が発生するという問題
がある。すなわち、リターナブルびんにおいてはびんを
回収した後にアルカリ洗浄を行うが、このときに耐アル
カリ性が十分でないために被膜が剥離してしまうのであ
る。
【0005】上記の外表面温度が550〜700℃のガ
ラスびんに400〜1000Åの厚さの被膜を形成する
方法は、ガラスびんの耐アルカリ性は改善されるが、被
膜材料を多く使うためにコスト高であり、また、被膜が
厚いために光の干渉現象による光彩が生じやすいという
問題がある。さらに、成形したガラスびんが被膜を形成
するチャンバーに至るまで、ガラスびんの外表面(被膜
を形成する部分全面)の温度を550〜700℃に保た
なければならないので、移送コンベア上を移動するガラ
スびんを加熱する加熱装置を必要としていた。
ラスびんに400〜1000Åの厚さの被膜を形成する
方法は、ガラスびんの耐アルカリ性は改善されるが、被
膜材料を多く使うためにコスト高であり、また、被膜が
厚いために光の干渉現象による光彩が生じやすいという
問題がある。さらに、成形したガラスびんが被膜を形成
するチャンバーに至るまで、ガラスびんの外表面(被膜
を形成する部分全面)の温度を550〜700℃に保た
なければならないので、移送コンベア上を移動するガラ
スびんを加熱する加熱装置を必要としていた。
【0006】本発明においては、被膜が光彩を発生させ
るほど厚くなく、したがって被膜を施していないガラス
びんと外観的にあまり変わらず、しかも耐アルカリ性に
優れ、リターナブルびんとして使用しても耐擦り傷性が
劣化せず、したがって強度低下を起こさないガラスびん
を得ることを目的とする。
るほど厚くなく、したがって被膜を施していないガラス
びんと外観的にあまり変わらず、しかも耐アルカリ性に
優れ、リターナブルびんとして使用しても耐擦り傷性が
劣化せず、したがって強度低下を起こさないガラスびん
を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、成形直後のガ
ラスびんの外面に気化した四塩化スズの蒸気を200〜
450℃の雰囲気で蒸着させて酸化スズ被膜を形成する
ことを特徴とするガラスびんの外面処理方法、及び、こ
の方法により外面に100〜400Å未満の厚さの酸化
スズ被膜を形成したことを特徴とするガラスびんであ
る。
ラスびんの外面に気化した四塩化スズの蒸気を200〜
450℃の雰囲気で蒸着させて酸化スズ被膜を形成する
ことを特徴とするガラスびんの外面処理方法、及び、こ
の方法により外面に100〜400Å未満の厚さの酸化
スズ被膜を形成したことを特徴とするガラスびんであ
る。
【0008】また本発明は、成形直後のガラスびんの外
面に気化した四塩化スズの蒸気を200〜450℃の雰
囲気で蒸着させ、その後580〜610℃の初期温度か
ら徐冷して酸化スズ被膜を形成することを特徴とするガ
ラスびんの外面処理方法、及び、この方法により外面に
100〜400Å未満の厚さの酸化スズ被膜を形成した
ことを特徴とするガラスびんである。
面に気化した四塩化スズの蒸気を200〜450℃の雰
囲気で蒸着させ、その後580〜610℃の初期温度か
ら徐冷して酸化スズ被膜を形成することを特徴とするガ
ラスびんの外面処理方法、及び、この方法により外面に
100〜400Å未満の厚さの酸化スズ被膜を形成した
ことを特徴とするガラスびんである。
【0009】酸化スズ被膜の膜厚は、蒸着の雰囲気温度
が高いほど、蒸気の吹き付け時間が長いほど厚くなる。
目安としては、雰囲気温度を300℃、蒸気の吹き付け
時間を4秒間とすると、平均厚さが約300Åの被膜が
形成される。これらのファクターを適宜に変化させるこ
とで所望の厚さの酸化スズ被膜を形成することができ
る。
が高いほど、蒸気の吹き付け時間が長いほど厚くなる。
目安としては、雰囲気温度を300℃、蒸気の吹き付け
時間を4秒間とすると、平均厚さが約300Åの被膜が
形成される。これらのファクターを適宜に変化させるこ
とで所望の厚さの酸化スズ被膜を形成することができ
る。
【0010】本発明にあたって、酸化スズ被膜の耐アル
カリ性が、四塩化スズを蒸着する際の雰囲気温度、蒸着
する際の雰囲気の酸素濃度、及び、徐冷の初期温度に影
響されることが発見された。
カリ性が、四塩化スズを蒸着する際の雰囲気温度、蒸着
する際の雰囲気の酸素濃度、及び、徐冷の初期温度に影
響されることが発見された。
【0011】四塩化スズを蒸着する雰囲気温度を高くす
ると、形成される被膜のSnO2/SnOの比率が高く
なる。SnO2はSnOに比べて耐アルカリ性に勝るの
で、SnO2/SnOの比率が高くなると被膜の耐アル
カリ性が向上する。また、雰囲気温度が高いと酸化スズ
の蒸気が過飽和になりにくく、析出する酸化スズの粒子
が細かくなり、被膜が緻密なものとなって耐アルカリ性
が向上する。さらに、雰囲気温度を高くすると、四塩化
スズの吹き付け時間が一定であれば厚い酸化スズ被膜が
形成され、蒸着効率が向上する。また、所定の厚さの酸
化スズ被膜を得るためには少ない吹き付け時間でよく、
被膜材料の使用量を減らしてコストを下げることができ
る。
ると、形成される被膜のSnO2/SnOの比率が高く
なる。SnO2はSnOに比べて耐アルカリ性に勝るの
で、SnO2/SnOの比率が高くなると被膜の耐アル
カリ性が向上する。また、雰囲気温度が高いと酸化スズ
の蒸気が過飽和になりにくく、析出する酸化スズの粒子
が細かくなり、被膜が緻密なものとなって耐アルカリ性
が向上する。さらに、雰囲気温度を高くすると、四塩化
スズの吹き付け時間が一定であれば厚い酸化スズ被膜が
形成され、蒸着効率が向上する。また、所定の厚さの酸
化スズ被膜を得るためには少ない吹き付け時間でよく、
被膜材料の使用量を減らしてコストを下げることができ
る。
【0012】四塩化スズを蒸着する雰囲気の酸素濃度が
高くなると、やはり形成される被膜のSnO2/SnO
の比率が高くなり、被膜の耐アルカリ性が向上する。
高くなると、やはり形成される被膜のSnO2/SnO
の比率が高くなり、被膜の耐アルカリ性が向上する。
【0013】ガラスびんの徐冷の初期温度を高くする
と、徐冷している間に酸化スズ被膜のSnOがSnO2
に変化してSnO2/SnOの比率が高くなり、被膜の
耐アルカリ性が向上する。
と、徐冷している間に酸化スズ被膜のSnOがSnO2
に変化してSnO2/SnOの比率が高くなり、被膜の
耐アルカリ性が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】雰囲気温度が5条件(100、1
50、200、300、400℃)、雰囲気の酸素濃度
が3条件(18、21、29%)の組み合わせの雰囲気
にコントロールしたチャンバーに、表面温度が約500
〜550℃のガラスびん(容量334ml、重量260
g)を入れて、酸化スズ被膜の厚さがびん側壁部で平均
300Åになるように、四塩化スズの蒸気1.3〜1.
7NL/分と空気30NL/分を混合したガスを4秒間
吹き付けた後、そのびんを徐冷炉で約580℃の初期温
度から徐冷し15種類のサンプルびんを作成した。
50、200、300、400℃)、雰囲気の酸素濃度
が3条件(18、21、29%)の組み合わせの雰囲気
にコントロールしたチャンバーに、表面温度が約500
〜550℃のガラスびん(容量334ml、重量260
g)を入れて、酸化スズ被膜の厚さがびん側壁部で平均
300Åになるように、四塩化スズの蒸気1.3〜1.
7NL/分と空気30NL/分を混合したガスを4秒間
吹き付けた後、そのびんを徐冷炉で約580℃の初期温
度から徐冷し15種類のサンプルびんを作成した。
【0015】上記の15種類のサンプルびんを90℃の
アルカリ溶液(濃度4%の水酸化ナトリウム溶液)に3
0、60、90分間浸漬した後、酸化スズ被膜の外観を
観察して、その変化の程度を3ランクに評価分けした。
その結果を表1に示す。
アルカリ溶液(濃度4%の水酸化ナトリウム溶液)に3
0、60、90分間浸漬した後、酸化スズ被膜の外観を
観察して、その変化の程度を3ランクに評価分けした。
その結果を表1に示す。
【表1】
【0016】表1における評価の印は、○印は酸化スズ
被膜にほとんど変化がない、△印は酸化スズ被膜の一部
に白化、剥離が見られた、X印は酸化スズ被膜の大半に
白化、剥離が見られたことを示している。表1から、雰
囲気温度が高いほど耐アルカリ性が向上し、特に、本発
明の実施例である200℃以上のときに著しく耐アルカ
リ性に優れることが分かる。また、雰囲気温度が低い場
合には、雰囲気の酸素濃度が高いほど耐アルカリ性が向
上するが、雰囲気温度が200℃以上の場合には影響が
ほとんどないことが分かる。
被膜にほとんど変化がない、△印は酸化スズ被膜の一部
に白化、剥離が見られた、X印は酸化スズ被膜の大半に
白化、剥離が見られたことを示している。表1から、雰
囲気温度が高いほど耐アルカリ性が向上し、特に、本発
明の実施例である200℃以上のときに著しく耐アルカ
リ性に優れることが分かる。また、雰囲気温度が低い場
合には、雰囲気の酸素濃度が高いほど耐アルカリ性が向
上するが、雰囲気温度が200℃以上の場合には影響が
ほとんどないことが分かる。
【0017】次に洗びん機での洗浄繰り返しテストにつ
いて述べる。雰囲気温度が150℃で酸素濃度が21%
のチャンバーに、表面温度が500〜550℃のガラス
びん(容量334ml、重量260g)を入れて、酸化
スズ被膜の厚さがびん側壁部で平均約300Åになるよ
うに四塩化スズの蒸気1.7NL/分と空気30NL/
分を混合したガスを4秒間吹き付けた後、そのびんを徐
冷炉で約580℃の初期温度から徐冷し10本の比較例
のサンプルびんを作成した。また、チャンバーの雰囲気
温度を300℃、四塩化スズの蒸気の量を1.3NL/
分に変え、その他は上記の比較例と同じ方法で、酸化ス
ズ被膜の厚さがびん側壁部で平均約300Åである実施
例のサンプルびんを10本作成した。
いて述べる。雰囲気温度が150℃で酸素濃度が21%
のチャンバーに、表面温度が500〜550℃のガラス
びん(容量334ml、重量260g)を入れて、酸化
スズ被膜の厚さがびん側壁部で平均約300Åになるよ
うに四塩化スズの蒸気1.7NL/分と空気30NL/
分を混合したガスを4秒間吹き付けた後、そのびんを徐
冷炉で約580℃の初期温度から徐冷し10本の比較例
のサンプルびんを作成した。また、チャンバーの雰囲気
温度を300℃、四塩化スズの蒸気の量を1.3NL/
分に変え、その他は上記の比較例と同じ方法で、酸化ス
ズ被膜の厚さがびん側壁部で平均約300Åである実施
例のサンプルびんを10本作成した。
【0018】上記比較例、実施例のサンプルびん各10
本について、実際の洗びん機で約80〜85℃の4%水
酸化ナトリウム溶液で15分間洗浄するテストを繰り返
して行い、洗浄5、10、15、20、25、30回後
に酸化スズ被膜を観察し、その変化の程度を3ランクに
評価分けした。その結果を表2に示す。
本について、実際の洗びん機で約80〜85℃の4%水
酸化ナトリウム溶液で15分間洗浄するテストを繰り返
して行い、洗浄5、10、15、20、25、30回後
に酸化スズ被膜を観察し、その変化の程度を3ランクに
評価分けした。その結果を表2に示す。
【表2】
【0019】表2における評価の印は表1と同じであ
る。蒸着時の雰囲気温度が低い比較例のサンプルは、洗
浄回数5回で酸化スズ被膜の一部に白化、剥離が見ら
れ、洗浄回数10回で酸化スズ被膜の大半に白化、剥離
が見られた。一方、蒸着温度が高い実施例の場合は、洗
浄回数20回以下では酸化スズ被膜にほとんど変化がな
く、洗浄回数30回でも酸化スズ被膜の一部に白化、剥
離が見られる程度であった。このように、蒸着時の雰囲
気温度を高めることで、酸化スズ被膜の耐アルカリ性は
著しく向上する。
る。蒸着時の雰囲気温度が低い比較例のサンプルは、洗
浄回数5回で酸化スズ被膜の一部に白化、剥離が見ら
れ、洗浄回数10回で酸化スズ被膜の大半に白化、剥離
が見られた。一方、蒸着温度が高い実施例の場合は、洗
浄回数20回以下では酸化スズ被膜にほとんど変化がな
く、洗浄回数30回でも酸化スズ被膜の一部に白化、剥
離が見られる程度であった。このように、蒸着時の雰囲
気温度を高めることで、酸化スズ被膜の耐アルカリ性は
著しく向上する。
【0020】次に耐すり傷性のテストについて述べる。
上記の比較例、実施例のサンプルびんをさらに各10本
作成し、これらのサンプルびんを90℃の4%水酸化ナ
トリウム溶液に60分間浸漬した後、AGR社製ライン
シミュレーターで20分間加傷した。その後、外観を観
察してその変化を3ランクに評価分けした。○の評価は
ほとんどすり傷が見られない、△はびんの一部にすり傷
が見られる、×はびん全周にすり傷が見られる、とし
た。この結果を表3に示す。
上記の比較例、実施例のサンプルびんをさらに各10本
作成し、これらのサンプルびんを90℃の4%水酸化ナ
トリウム溶液に60分間浸漬した後、AGR社製ライン
シミュレーターで20分間加傷した。その後、外観を観
察してその変化を3ランクに評価分けした。○の評価は
ほとんどすり傷が見られない、△はびんの一部にすり傷
が見られる、×はびん全周にすり傷が見られる、とし
た。この結果を表3に示す。
【表3】
【0021】蒸着時の雰囲気温度を高くすると、アルカ
リ浸漬した後も酸化スズ被膜のすり傷防止効果が持続し
ており、リターナブルびんに用いることが可能となる。
また、耐すり傷性が劣化しないので、リターナブルびん
として使用してもびんの強度があまり低下しないから、
びんの肉厚を薄くして軽量リターナブルびんとすること
ができる。
リ浸漬した後も酸化スズ被膜のすり傷防止効果が持続し
ており、リターナブルびんに用いることが可能となる。
また、耐すり傷性が劣化しないので、リターナブルびん
として使用してもびんの強度があまり低下しないから、
びんの肉厚を薄くして軽量リターナブルびんとすること
ができる。
【0022】次に徐冷温度の影響について述べる。雰囲
気温度が150℃で酸素濃度が21%のチャンバーに、
表面温度が500〜550℃未満のガラスびん(容量3
34ml、重量260g)を入れて、酸化スズ被膜の厚
さがびん側壁部で平均約300Åになるように四塩化ス
ズの蒸気1.7NL/分と空気30NL/分を混合した
ガスを4秒間吹き付けた後、そのびんを徐冷炉で約55
0℃の初期温度から徐冷し5本のサンプルびんを作成し
た。また、徐冷の初期温度のみを600℃に変え、その
他は上記と同じ方法で、酸化スズ被膜の厚さがびん側壁
部で平均約300Åであるサンプルびんを5本作成し
た。
気温度が150℃で酸素濃度が21%のチャンバーに、
表面温度が500〜550℃未満のガラスびん(容量3
34ml、重量260g)を入れて、酸化スズ被膜の厚
さがびん側壁部で平均約300Åになるように四塩化ス
ズの蒸気1.7NL/分と空気30NL/分を混合した
ガスを4秒間吹き付けた後、そのびんを徐冷炉で約55
0℃の初期温度から徐冷し5本のサンプルびんを作成し
た。また、徐冷の初期温度のみを600℃に変え、その
他は上記と同じ方法で、酸化スズ被膜の厚さがびん側壁
部で平均約300Åであるサンプルびんを5本作成し
た。
【0023】これら2種類のサンプルびん各5本を90
℃の4%水酸化ナトリウム溶液に60分又は90分間浸
漬した後、酸化スズ被膜の外観を観察してその変化を3
ランクに評価分けした。その結果を表4に示す。
℃の4%水酸化ナトリウム溶液に60分又は90分間浸
漬した後、酸化スズ被膜の外観を観察してその変化を3
ランクに評価分けした。その結果を表4に示す。
【表4】
【0024】表4における評価の印は表1と同じであ
る。これにより、徐冷初期温度を高くすると酸化スズ被
膜の耐アルカリ性が向上することが分かる。
る。これにより、徐冷初期温度を高くすると酸化スズ被
膜の耐アルカリ性が向上することが分かる。
【0025】次に、蒸着時雰囲気温度と酸化スズ被膜の
厚さとの関係について述べる。雰囲気温度が6条件(1
00、150、200、300、400、450℃)、
雰囲気の酸素濃度が21%にコントロールされたチャン
バーに、表面温度が約500〜550℃のガラスびん
(容量334ml、重量260g)を入れて、四塩化ス
ズの蒸気1.5NL/分と空気30NL/分を混合した
ガスを4秒間吹き付けた後、そのびんを徐冷炉で約58
0℃の初期温度から徐冷し5種類のサンプルびんを作成
した。これらのサンプルびんの中央部の全周をAGR社
製のホットエンドコーティングメーターで測定し、1c
tuを4Åに換算した結果を表5に示す。
厚さとの関係について述べる。雰囲気温度が6条件(1
00、150、200、300、400、450℃)、
雰囲気の酸素濃度が21%にコントロールされたチャン
バーに、表面温度が約500〜550℃のガラスびん
(容量334ml、重量260g)を入れて、四塩化ス
ズの蒸気1.5NL/分と空気30NL/分を混合した
ガスを4秒間吹き付けた後、そのびんを徐冷炉で約58
0℃の初期温度から徐冷し5種類のサンプルびんを作成
した。これらのサンプルびんの中央部の全周をAGR社
製のホットエンドコーティングメーターで測定し、1c
tuを4Åに換算した結果を表5に示す。
【表5】
【0026】四塩化スズの蒸気の流量が同じでも、蒸着
時の雰囲気温度によって、酸化スズ被膜の厚さが異な
る。特に、雰囲気温度が200℃以上の実施例の場合に
被膜の膜厚が厚くなって入ることが分かる。すなわち、
雰囲気温度を200℃以上とすることで、所定の厚さの
酸化スズ被膜を得るための四塩化スズの使用量を減少さ
せることができる。
時の雰囲気温度によって、酸化スズ被膜の厚さが異な
る。特に、雰囲気温度が200℃以上の実施例の場合に
被膜の膜厚が厚くなって入ることが分かる。すなわち、
雰囲気温度を200℃以上とすることで、所定の厚さの
酸化スズ被膜を得るための四塩化スズの使用量を減少さ
せることができる。
【0027】
【発明の効果】本発明方法によれば、耐アルカリ性に優
れ、アルカリ洗浄後も耐すり傷性が劣化しない酸化スズ
被膜が得られる。さらに、四塩化スズの使用量が少なく
てよいので、また、ガラスびんの外表面温度が550℃
以下であっても優れた耐アルカリ性が得られることか
ら、成形直後のガラスびんを加熱する加熱装置を必要と
することなくそのまま処理できるので、コストダウンを
実現できる。
れ、アルカリ洗浄後も耐すり傷性が劣化しない酸化スズ
被膜が得られる。さらに、四塩化スズの使用量が少なく
てよいので、また、ガラスびんの外表面温度が550℃
以下であっても優れた耐アルカリ性が得られることか
ら、成形直後のガラスびんを加熱する加熱装置を必要と
することなくそのまま処理できるので、コストダウンを
実現できる。
【0028】本発明のガラスびんは酸化スズ被膜の膜厚
が100〜400Å未満で十分な耐アルカリ性を有す
る。したがって、光彩を生じずに被膜を施さないびんと
変わらない外観を呈する上に、アルカリ洗浄による被膜
の剥離が少なく、耐擦り傷性を維持できるから、軽量リ
ターナブルびんとして利用することができる。
が100〜400Å未満で十分な耐アルカリ性を有す
る。したがって、光彩を生じずに被膜を施さないびんと
変わらない外観を呈する上に、アルカリ洗浄による被膜
の剥離が少なく、耐擦り傷性を維持できるから、軽量リ
ターナブルびんとして利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤 英司 東京都墨田区吾妻橋1丁目23番地1 アサ ヒビール株式会社技術部内 (72)発明者 冨野 義孝 茨城県北相馬郡守谷町緑1丁目1番地1 アサヒビール株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 上田 幹夫 兵庫県姫路市飾磨区今在家1351−1 株式 会社アサヒビールパックス内 (72)発明者 舩戸 昌幸 兵庫県姫路市飾磨区今在家1351−1 株式 会社アサヒビールパックス内 (72)発明者 佐々木 光雄 神奈川県横浜市戸塚区品濃町556−10 (72)発明者 上田 定雄 神奈川県川崎市中原区小杉御殿町2−115 −10 (72)発明者 安川 慶介 東京都大田区大森西4丁目3−3 東洋ガ ラス株式会社大森寮 (72)発明者 川崎 恭義 神奈川県横浜市鶴見区矢向5−10−17 (72)発明者 塩澤 和之 神奈川県横浜市栄区飯島町1888−1 ロー ゼンハイム204 Fターム(参考) 3E062 AA09 AB01 AC06 JA01 JA08 JB22 JC04 4G059 AA04 AC16 AC18 EA02 EB02
Claims (4)
- 【請求項1】 成形直後のガラスびんの外面に気化した
四塩化スズの蒸気を200〜450℃の雰囲気で蒸着さ
せて酸化スズ被膜を形成することを特徴とするガラスび
んの外面処理方法 - 【請求項2】 成形直後のガラスびんの外面に気化した
四塩化スズの蒸気を200〜450℃の雰囲気で蒸着さ
せ、その後580〜610℃の初期温度から徐冷して酸
化スズ被膜を形成することを特徴とするガラスびんの外
面処理方法 - 【請求項3】 100〜400Å未満の厚さの酸化スズ
被膜を形成したガラスびんであって、該被膜は成形直後
のガラスびんの外面に気化した四塩化スズの蒸気を20
0〜450℃の雰囲気で蒸着させて形成したものである
ことを特徴とするガラスびん - 【請求項4】 100〜400Å未満の厚さの酸化スズ
被膜を形成したガラスびんであって、該被膜は成形直後
のガラスびんの外面に気化した四塩化スズの蒸気を20
0〜450℃の雰囲気で蒸着させ、その後ガラスびんを
580〜610℃の初期温度から徐冷して形成したもの
であることを特徴とするガラスびん
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32515799A JP2001146438A (ja) | 1999-11-16 | 1999-11-16 | ガラスびんの外面処理方法及びガラスびん |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32515799A JP2001146438A (ja) | 1999-11-16 | 1999-11-16 | ガラスびんの外面処理方法及びガラスびん |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001146438A true JP2001146438A (ja) | 2001-05-29 |
Family
ID=18173668
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32515799A Pending JP2001146438A (ja) | 1999-11-16 | 1999-11-16 | ガラスびんの外面処理方法及びガラスびん |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001146438A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007505810A (ja) * | 2003-09-17 | 2007-03-15 | サン−ゴバン グラス フランス | 電磁遮蔽用薄膜積層体を備えた透明基板 |
KR20190006181A (ko) | 2016-05-12 | 2019-01-17 | 도요 사사키 가라스 가부시키가이샤 | 유리용기 및 그 제조방법, 제조장치 |
-
1999
- 1999-11-16 JP JP32515799A patent/JP2001146438A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007505810A (ja) * | 2003-09-17 | 2007-03-15 | サン−ゴバン グラス フランス | 電磁遮蔽用薄膜積層体を備えた透明基板 |
JP4800947B2 (ja) * | 2003-09-17 | 2011-10-26 | サン−ゴバン グラス フランス | 電磁遮蔽用薄膜積層体を備えた透明基板 |
KR20190006181A (ko) | 2016-05-12 | 2019-01-17 | 도요 사사키 가라스 가부시키가이샤 | 유리용기 및 그 제조방법, 제조장치 |
DE112017002437T5 (de) | 2016-05-12 | 2019-04-25 | Toyo-Sasaki Glass Co., Ltd. | Glasbehälter und Verfahren und Vorrichtung zur Herstellung desselben |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040818 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050802 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060124 |