JP2001146263A - 包装体 - Google Patents

包装体

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JP2001146263A
JP2001146263A JP32841599A JP32841599A JP2001146263A JP 2001146263 A JP2001146263 A JP 2001146263A JP 32841599 A JP32841599 A JP 32841599A JP 32841599 A JP32841599 A JP 32841599A JP 2001146263 A JP2001146263 A JP 2001146263A
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JP32841599A
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Hirobumi Okada
博文 岡田
Sadao Tsuzuki
貞夫 都築
Hideaki Shirakawa
英明 白川
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OKADA SHIGYO KK
OKADA SHIKO KK
Original Assignee
OKADA SHIGYO KK
OKADA SHIKO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品等を封入した包装体において、包装材の
任意の領域を、その周囲に形成したミシン目状の切目線
により容易に逸れなく切離開口できるようにして、従来
のようなイージーピールのシール構造や取出し用の受け
皿の使用を不要にする。 【解決手段】 食品等を封入した包装体Aであって、包
装材の一部、例えば容器本体1の開口端部11に接合さ
れた蓋材2の一部を、2層以上の積層構造をなす複合材
よりなるものとし、その所要の領域5の周囲を実質的に
囲むように、一つの切目端からの破れ方向の逸れを次の
切目30で補正できる引き裂き方向の補正機能を有する
ミシン目状の切目線3を形成して、前記切目線3により
前記領域5を切離して開口できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に即席食品や加
工食品等の各種食品その他の内容物を封入した包装体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】例えば、
電子レンジあるいは熱湯を注いで加熱して食する即席食
品等の包装体として、成形された容器本体に食品を収容
し、合成樹脂フィルムやコーティング層、アルミ箔、紙
その他の素材を適宜組み合わせた2層以上の積層構造の
複合材よりなる蓋材を、前記容器本体の開口端部に熱融
着手段等により接合して封入したものが知られている。
【0003】このような食品の包装体において、容器本
体の開口端部に対する蓋材の接合構造としては、強固に
接合されたものであると、開封時の蓋材の剥離が困難に
なることから、通常、流通段階ではシール性を確保で
き、しかも開封の際には前記蓋材を比較的容易に剥離で
きるように工夫された所謂イージーピールのシール構造
が採用されている。
【0004】イージーピールフィルムは通常のシーラン
トフィルムと比べて剥離強度が小さい。しかし、いかに
剥離強度の小さいイージーピールフィルムとはいえ、容
器を開口する際には、一度に広い幅の剥離を行わなけれ
ばならない部分があり、その際、剥離野ために相当強い
力を必要とする。また、イージーピールフィルムはコス
ト高でもある。そのため、通常のシーラントフィルムに
よる接合方法によって、容器と容器蓋材を接合すること
が望まれていた。
【0005】なお、比較的破り易い素材よりなる蓋材の
場合、蓋材を端から破り取って開口させるようにしたも
のがあるが、容器本体の開口端部に沿って開口させるの
は容易ではなく、また破った端部はきわめて不規則に突
出した状態になって不体裁なものになり、切れ端が内部
に混入するおそれもある。
【0006】また、合成樹脂フィルム等よりなる袋体に
菓子やつまみ類等を収納し封入した袋入り食品は、その
内容物の取り出しの際、袋体の開口部のシールを剥がし
て開口させるのが普通である。しかし、袋体の口が大き
く開き、内容物の取り出しの際に内容物や屑粉等が開口
部から周囲に撒き散らかすことがある。
【0007】そのため、合成樹脂の成形体よりなる取り
出し用の受け皿に菓子等の内容物を収容して、これを袋
体に収納して包装しておき、内容物の取り出しの際には
袋体の開口部から前記受け皿ごと引き出すようにしてい
る。このため、包装材である袋体とは別の成形体による
受け皿を必要とし、コスト高になる上、包装作業も面倒
なものになる。
【0008】本発明は、上記に鑑みて、各種食品その他
の内容物を封入した包装体において、包装材の任意の領
域を、その周囲に形成した特殊なミシン目状の切目線に
より確実に容易に逸れなく切離開口できるようにして、
従来のように大きな力で開口させる必要がなく、また内
容物の取り出しのために受け皿を必要としない包装体を
提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明は、内容物を収納した包装体であって、その包装材
の少なくとも一面が、合成樹脂フィルムやコーティング
層、アルミ箔、紙その他の素材を適宜組み合わせた2層
以上の積層構造をなす複合材よりなり、該複合材の所要
の領域は、該領域の周囲を実質的に囲むように形成さ
れ、かつ一つの切目端からの破れ方向の逸れを補正でき
る引き裂き方向の補正機能を有するミシン目状の切目線
により、任意の線に沿って切離開口可能に設けられ、所
定形状の開口が形成されるようになされたことを特徴と
する。
【0010】前記の引き裂き方向の補正機能を有するミ
シン目状の切目線は、該切目線の方向に対して傾斜ある
いは変形して二次元の拡がり幅を持ち、かつ引き裂き方
向先端側の切目端が前記拡がり幅の内方で終端する形
で、あるいは開封操作方向前側の切目端の該操作方向前
方に、次の切目が傾斜あるいは変形して二次元の拡がり
を持って待ちかまえている形で、多数の切目が断続状に
形成され、一つの切目端からの破れ方向の逸れを次の切
目で補正できるものであるのが好ましい。
【0011】また、前記の引き裂き方向の補正機能を有
するミシン目状の切目線は、容器本体の開口端部に接合
された蓋材において開口端部の内縁に沿って形成され、
開封操作方向前側の切目端が前記接合部内縁の近傍に存
在するとともに、開封操作方向後側の切目端が前記前側
の切目端よりも内方側に存在し、かつ内方への引き裂き
方向の逸れに対して次の切目が変形もしくは傾斜して二
次元の拡がりを持って待ちかまえる形で、多数の切目が
断続状に配置形成されてなるものであってもよい。
【0012】さらに、前記の引き裂き方向の補正機能を
有するミシン目状の切目線としては、開封操作方向前側
の切目端の該操作方向前方に、次の切目が変形もしくは
傾斜して二次元の拡がりを持って待ちかまえる形で、該
切目線により開口すべき領域の外縁に沿って多数の切目
が断続状に形成された切目列(3A)と、開封操作方向
前側の切目端が前記切目列(3A)の内側近傍に存在す
るとともに、開封操作方向後側の切目端が該切目の前記
前側の切目端よりも内方に位置し、かつ前記切目列(3
A)の一つの切目からの内方への延長線上に2次元の拡
がりを持って待ちかまえる形で多数の切目が断続状に形
成された切目列(3B)とからなるものであってもよ
い。
【0013】請求項6の発明は、内容物を収納した容器
本体の開口端部に蓋材が接合された包装体であって、包
装材の一部である前記蓋材が2層以上の積層構造をなす
複合材よりなり、この蓋材には、その内方部領域を囲む
ように前記開口端部の内縁に沿って、一つの切目端から
の破れ方向の逸れを次の切目と前記開口端部内縁により
補正できる引き裂き方向の補正機能を有するミシン目状
の切目線が形成され、該切目線により前記蓋材の内方部
領域が切離開口可能に設けられ、容器本体の開口端部に
沿う開口が形成されるようになされたことを特徴とす
る。
【0014】請求項7の発明は、前記の包装体におい
て、前記の内方部領域を囲む切目線の一部が分断され
て、その両端が蓋材の端縁まで延びて終端することによ
り、該端縁を始端として前記内方部領域に連続する開封
導入部が形成されており、該開封導入部からの前記切目
線の引き裂き開封操作により、該開封導入部を通って前
記領域が切離開口されるように形成されてなるものであ
る。
【0015】さらに請求項8の発明は、前記の包装体に
おいて、前記の包装材が、2層以上の積層構造をなす複
合材により形成された袋体よりなり、該袋体の表裏の少
なくとも一方の一部の領域を囲むように、引き裂き方向
の補正機能を有するミシン目状の切目線が設けられ、該
切目線から切離開口されることにより、袋体の表裏の一
方あるいは側部に比較的大きい開口が形成されるように
なされたことを特徴とする。
【0016】
【作用】上記本発明の包装体によれば、包装材の任意の
領域において、その周囲に引き裂き方向の補正機能を持
ったミシン目状の切目線が設けられており、開封の際に
は、この切目線によって任意の線に沿って逸れなく容易
に切離開口でき、前記領域に対応した所定の形状の開口
を確実に形成できる。
【0017】特に、前記ミシン目状の切目線は、単なる
直線状のミシン目状をなすものではなく、開封時におけ
る各切目端からの破れ方向の逸れを次の切目で補正でき
るものであり、例えば、切目線の引き裂き方向に対し
て、もしくは開封操作方向前側の切目端から該操作方
向、つまり開封操作の手に力を入れることで破れが次に
進むであろう方向の前方に、次の切目が二次元の拡がり
を持って待ちかまえ、あるいは切目や容器本体の開口端
部内縁が内方や外方への逸れに対して二次元の拡がりを
持って待ちかまえているため、単なる直線状のミシン目
状の切目線等とは違って、切目端からの破れ方向の逸れ
を後続の切目あるいは開口端部内縁で補正でき、開封方
向の逸れを生じる等の失敗なく、直線状ばかりでなく、
任意の曲線状の開封ラインでも確実に引き裂くことがで
き、結果として前記領域に対応した所定形状の開口をミ
スなく形成することができる。
【0018】もし、ミシン目状の切目線が、通常見られ
る単なる破線状の切目であれば、一つの切目から次の切
目に至るまでにいくらかの距離が存在する。プラスチッ
クフィルムは力を入れた方向に簡単に引き裂けるという
性質を持っているので、破線状の切目線では一直線に引
き裂くことすら難しく、ましてや想定通りの曲線状に引
き裂くことは不可能である。
【0019】これに対し、前記の引き裂き方向の補正機
能を有するミシン目状の切目線が、請求項2の発明のよ
うに、各切目が、二次元の拡がり持って引き裂き方向先
端側の切目端が前記拡がり幅の内方で終端する形で形成
されている場合、一つの切目端からの破れ方向の逸れを
次の切目のみで確実に補正でき、該切目線で囲まれた領
域を容易に切離開口させることができる。
【0020】また、請求項3の発明のように、ミシン目
状の切目線が、開封操作方向前側の切目端の該操作方向
の前方に二次元の拡がりを持って次の切目が待っている
形で形成されている場合、一定方向に直進的に開封操作
する手を進めれば、開封ライン、すなわち切目の列は曲
線であっても、想定した開封ライン通りに引き裂くこと
ができ、所定領域の開口を容易にかつ確実に行うことが
できる。切目線は開封操作方向に対し、所要の拡がり幅
を持っているので、少々手の動きがずれても開口でき
る。
【0021】また、前記のミシン目状の切目線が、請求
項4のように、容器本体の開口端部に接合された蓋材に
おいて開口端部内縁に沿って形成されたものであって、
開封操作方向前側の切目端が開口端部の内縁に沿って存
在し、かつ開封操作方向後側の切目端が前記前側の切目
端よりも内方側に存在するように配置した場合にも、開
封ラインからの領域外方への逸れは容器本体の開口端部
内縁で受け止めて、それ以上の逸れを抑止し、かつ内方
への逸れは次の切目で受け止めて、領域外方側へと向き
を補正することができ、以て想定した開封ライン通りに
引き裂くことができ、所定領域の開口を行うことができ
る。
【0022】また請求項5のように、開封操作方向前側
の切目端の該操作方向前方に次の切目が二次元の拡がり
を持って待ちかまえる形で形成された切目列(3A)
と、開封操作方向前側の切目端が前記切目列(3A)の
内側近傍に存在し、かつ開封操作方向後側の切目端が内
方側に存在するように形成された切目列(3B)とから
なるミシン目状の切目線である場合には、容器本体の開
口端部内縁等を利用することなく、想定した開封ライン
通りに引き裂くことができ、容器のみならず袋体の所定
領域の開封も行うことができる。
【0023】請求項6の発明のように、成形体よりなる
容器本体と、該容器本体の開口端部に接合された蓋材よ
りなる場合、前記ミシン目状の切目線を容器本体の開口
端部の内縁に沿って形成しておくことにより、該開口端
部に沿う開口を形成できる。
【0024】この場合、開口始めの摘み部として、別貼
りのタブを設ければ、開口できるし、あるいは内容物に
よっては指で上から押さえて開口することもできる。こ
の場合であれば、シーラントはイージーピールフィルム
に限らず、通常のシーラントフィルムによる熱融着手段
を用いることもできる。
【0025】また、請求項7の発明のように、前記切目
線の一部が蓋材の端縁まで延びて分断されて、前記領域
に連続する開封導入部が形成されていると、該開封導入
部からの開封が確実、容易にかつ小さな力で行うことが
できる。この開封導入部に摘み部を一体に連設しておく
と、前記開封操作がさらに容易になる。
【0026】また、請求項8の発明のように、包装材が
合成樹脂フィルムを基材とする複合材により形成された
袋体である場合、その表裏一体の任意の領域を前記ミシ
ン目状の切目線により設定した形状に確実に切離開口で
きるので、表裏体の一方に比較的大きい開口を形成でき
内容物を該開口部から摘み出すことが可能であり、従来
のように取り出し用の受け皿を必要とせず、受け皿等を
省略でき、また内容物の破片等がこぼれることもない。
【0027】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
示す実施例に基づいて説明する。
【0028】図1は、成形された容器本体(1)とシー
ト状の蓋材(2)とよりなる包装材に即席食品等の内容
物(B)を封入した包装体(A)の1実施例を示す一部
を欠截した斜視図、図2は同上の一部の平面図、図3は
同上の一部の拡大断面図である。
【0029】この包装体(A)において、その包装材で
ある容器本体(1)は、主として耐熱性のある合成樹脂
の成形体よりなり、側壁上端にフランジ状の開口端部
(11)を有してなる。図1、図2の場合、容器本体
(1)は平面略四角形で、その内部に仕切り壁(12)を
有し、各収容部(13)にご飯やカレー等の具材その他の
内容物(B)を仕切り収容するようにしたものを示して
いる。
【0030】前記包装材の一部をなす蓋材(2)は、1
層の合成樹脂フィルム(21)を基材層として含み、これ
に他の合成樹脂フィルム、例えばガスバリヤ性に優れる
フィルム層やコーティング層、およびアルミ箔、紙その
他の素材を適宜組み合わせた2層以上の積層構造をなす
複合材よりなる。図3の場合、基材層としての合成樹脂
フィルム(21)に、他のフィルム層(22)およびシーラ
ント層(23)との3層構造の複合材よりなる場合を示し
ている。この蓋材(2)は、容器本体(1)に内容物
(B)を収容した後、前記容器本体(1)の開口端部
(11)に熱融着手段により接合されている。(14)はそ
の接合部を示している。
【0031】前記の包装材の一面を構成する蓋材(2)
には、前記開口端部(11)により内方部の領域(5)を
切離開口させるための引き裂き方向の補正機能を持った
ミシン目状の切目線(3)が、前記開口端部(11)の内
縁に沿って前記内方部領域(5)を囲むように形成さ
れ、この切目線(3)での引裂きにより前記内方部領域
(5)を切離開口できるように設けられている。
【0032】前記切目線(3)は、上記の3層構造の複
合材の場合、例えば図のように基材層となる合成樹脂フ
ィルム(21)に形成されている。前記の合成樹脂フィル
ム(21)以外の他の層、あるいは複数の層に切目線を形
成することも可能であるが、実施上は、図のように少な
くとも1層のアルミ箔やガスバリア性に優れるフィルム
層を残して切目線を形成しておくのが、密閉性やガスバ
リヤ性確保の点から好ましい。内容物(B)の種類によ
っては、複合材の全層に切目線を設けておくこともでき
る。
【0033】前記の切目線(3)は、容器本体(1)の
開口端部(11)の内縁に沿って内方部領域(5)の全周
を連続して囲むように形成しておくこともできるが、図
のように、前記の切目線(3)の一部、例えば一つの容
器隅角部において切目線(3)の一部を分断して、その
両端部分(3a)(3a)を蓋材(2)の端縁まで連続して
形成し、この両端部分(3a)(3a)の間を前記領域
(5)に連続する開封導入部(51)として形成しておく
のが望ましい。さらに必要に応じて、この開封導入部
(51)と一体に外方に若干延出する摘み部(52)を連設
しておくこともできる。
【0034】また、本発明は、容器本体(1)が平面円
形や略楕円形をなす容器の場合においても、上記同様に
実施でき、例えば図4のように、円形の開口端部(11)
に接合された蓋材(2)において、前記開口端部(11)
の内縁に沿って形成する切目線(3)の一部を分断し、
その両端部分(3a)(3a)を蓋材(2)の端縁まで連続
して形成することにより、開口端部(11)より内方部の
領域(5)に連続する開封導入部(51)を形成して、該
開封導入部(51)からの引き裂き操作により、従来より
も軽い剥離強度で前記内方部領域(5)を切離開口可能
に形成して実施できる。また図5のように、平面略楕円
形の容器においても、蓋材(2)の切目線(3)を長径
方向の一方側の端縁まで延ばして前記同様の開封導入部
(51)を形成して実施できる。これらいずれの場合も、
前記開封導入部(51)に摘み部を一体に連設しておくこ
とができる。
【0035】前記蓋材(2)の内方部領域(5)を開口
させる際、前記の開封導入部(51)がなければ、例えば
図2及び図7に示すように、容器隅角部における開口端
部(11)の内縁の接線(C)が開口端部(11)の外縁
(主に接合部の外縁)と交叉する2点間の幅分(L)だ
け、一度に剥離しなければならないが、前記の開封導入
部(51)が設けられておれば、内方部領域(5)の周囲
の切目線(3)を引き裂くまでは、前記開封導入部(5
1)の幅分(L1)だけを剥離すればよい。
【0036】例えば、図7に示すように、通常の円形の
容器において、その開口端部(11)に略全面的に接合さ
れた蓋材(2)を剥離し開口する際には、開口端部(1
1)の外縁の半径を(R)、開口端部(11)のフランジ
幅を(S)とすれば、最大で下記の式により表される幅
分を一度に開封しなければならないことになる。
【0037】
【数1】
【0038】例えば、前記外縁の半径が40mm、フラ
ンジ幅が5mmの容器であれば、その最大幅は約40m
mにもなり、この際にかかる剥離強度は非常に大きな力
となる。容器本体と蓋材の接合にイージーピール材を用
いていたとしても、イージーピール材の剥離強度が例え
ば500g/15mm幅であるとすれば、40mm幅を
一度に剥離するためには約1.3kgの力を要する。
【0039】しかし、上記のように切目線によって開封
導入部(51)が設けられていれば、その開封導入部(5
1)の幅分だけの力でよく、従来よりも小さな剥離強度
で蓋材(2)を開口することができる。例えば、開封導
入部(51)の幅が5mmとすれば、上記の例の場合、そ
の剥離に必要な力は前記剥離強度の5/40、つまり約
170gにすぎず、前記幅が10mmとしても前記剥離
強度の1/4、つまり約300gとなり、従来に比べ非
常に小さな力で開口することができる。
【0040】なお、前記開封導入部(51)の幅は、容器
の大きさおよび形状や、包装材の構成や形態にもよる
が、5〜20mmの間のものが実施上適当である。
【0041】前記の引き裂き方向の補正機能を有するミ
シン目状の切目線(3)は、各切目が、該切目線の方向
あるいは開封方向に対して傾斜あるいは変形して二次元
の拡がり幅を持って、かつ一つの切目端からの破れ方向
の逸れを補正できるように形成されたものであれば、種
々の形態による実施が可能である。図に従って、各ミシ
ン目状の切目線の構成および作用を説明する。
【0042】図1〜図5の実施例の場合、図6に部分拡
大して示すように、引き裂き方向とは逆向きの略ハの字
形をなすように傾斜した対をなす2つの切目(30)(3
0)が所要間隔の断続状に形成されており、多数の切目
(30)が、引き裂き方向に対して二次元の拡がりを持
ち、かつ引き裂き方向先端側の切目端(30a)が前記拡
がり幅の内方で終端する形で断続状に形成されている。
この場合、切目(30)(30)の拡開した側から他方向に
向って引き裂くようにすれば、一つの切目(30)の延長
上を横ぎるように次の切目(30)が存在しているため、
一つの切目端(30a)からの破れ方向が仮に少々ずれて
も、確実に次の切目(30)に到達でき、その結果、切目
線(3)に沿ってミスなく引き裂き開封することができ
る。
【0043】この切目線(3)は、1方向にのみ引き裂
き方向の補正機能を有するものであるので、一つの容器
隅角部における前記開封導入部(51)を形成した両端部
分(3a)(3a)から、開口端部(11)の内縁に沿って対
角位置の容器隅角部まで延びる切目線部分(3b)(3b)
を、白抜き矢印の方向の開封操作によりそれぞれ破れ方
向の逸れを補正しながら引き裂き開封できるように形成
しておくのがよい。これにより、開封導入部(51)から
一度の引き裂き操作で内方部領域(5)を切離でき、開
口端部(11)の内縁に沿って容易に開口させることがで
きる。
【0044】もちろん、前記一方の切目線部分(3b)の
端部分(3a)から開口端部(11)内縁に沿って引き裂き
開封できるように同一周方向に前記補正機能を有するよ
うに並列させてもよい。
【0045】前記と同様の補正機能を持つミシン目状の
切目線(3)としては、例えば、図8のように斜めの切
目(31)を各切目端からの延長上に交差して次の切目
(31)が存するように互い違いに形成したものでもよ
い。
【0046】また図9のように略Y字形状をなす切目
(32)を引き裂き方向に縦に並列させたもの、あるいは
図10や図11のように略円弧状の切目(33)や略くの
字形の切目(34)を互いに向き合う2列1組の断続状に
形成するか、あるいはこれらの両切目を互い違いの列状
に形成したものとすることができる。これらの場合も、
白抜き矢印の方向の開封操作により、一つの切目端から
の破れ方向の逸れを次の切目で補正しながら切目線
(3)に沿って確実に引き裂き開封できる。
【0047】前記ミシン目状の切目線(3)としては、
さらに以下のような形態をなすものにおいても、一つの
切目端からの破れ方向の逸れを補正できる機能を持つこ
とになる。
【0048】図12は、引き裂き方向の補正機能を有す
るミシン目状の切目線(3)として、円形の容器におけ
る蓋材(2)等の内方の円形の領域(5)を囲むよう
に、前記蓋材(2)が接合された容器本体の開口端部内
縁(11a)に沿って、開封操作方向、つまり開封操作の
手に力を入れる方向(白抜き矢印の方向)の前側の切目
端より該操作方向前方に、次の切目(31)が傾斜して二
次元の拡がりを持って待ちかまえる形で、多数の切目
(31)を断続状に形成した例を示している。
【0049】すなわち、開封操作による一つの切目端か
らの破断線は、基本的には前記開封操作方向に進行する
ことになるので、この破断線の進行方向およびその破断
線の逸れの程度を想定して、前記のように多数の切目
(31)を二次元の拡がり幅を持って断続状に配置する。
【0050】この切目線(3)は、開封操作方向を、図
の紙面下方側から上方側へと白抜き矢印のように直線状
に開封操作するのが基本であり、円形の開口端部内縁
(11a)に沿って開封操作方向の前半部分では、各切目
(31)を外向きに傾斜させて漸次外側に位置をずらせて
形成し、また後半部分では内向きに傾斜させて漸次内側
に位置をずらせて形成している。開封操作を容易にする
ために、図の紙面下方側の部分において、図の鎖線のよ
うに切目線(3)を分断して端縁まで延ばして開封導入
部(51)を形成しておくのがよい。
【0051】この切目線(3)による場合、開封操作部
(51)から図の白抜き矢印の方向に開封操作すれば、一
つの切目(31)の開封操作方向前側の切目端より開封操
作方向前方に次の切目が二次元の拡がり幅を持って待ち
かまえているため、前記切目端からの開封操作方向に進
行する破断線が次の切目(31)に当たることになり、こ
れが断続的に形成されているので、所定の内方部領域
(5)をミスなく切離開口できる。また、各切目(31)
は前記開封操作方向に対し、ある程度の拡がり幅を持っ
ているため、切目端からの破断線の方向が少々ずれて
も、問題なく引裂きを続行でき、所定領域の切離開口を
完了できる。
【0052】図13は、図12の切目線(3)を変更し
改良した例である。図12のように1本1本が直線状の
切目(31)であると、破断線の逸れに対する補正角度を
大きく取るためには、各切目(31)(31)同士を接近さ
せなければならず、フイルム強度が低下してしまい、ち
ょっとした衝撃でミシン目状の切目をきっかけにして破
れてしまうおそれがある。
【0053】そこで、例えば図13のように、各切目
(31)を略への字形等の切目による変形切目線とするこ
とで、切目同士を接近させなくても、破断線の逸れに対
する補正角度を大きく取ることができることになる。
【0054】これら図12、図13のミシン目状の切目
線(3)は、図のような容器の蓋材(2)のみに限ら
ず、袋体にも利用することができるが、実施上は、破断
線の外方への逸れを開口端部内縁(11a)で抑止できる
ことから、図のように蓋材において実施するのが好まし
い。
【0055】図14は、容器本体(1)の開口端部に接
合された蓋材(2)において、内方の領域(5)を囲む
ように開口端部内縁(11a)に沿って、多数の切目(3
1)を形成することにより、図12、図13とは逆に、
積極的に前記開口端部内縁(11a)を利用して逸れなく
開口させる切目線(3)の例を示している。
【0056】この場合、各切目(31)は、特に白抜き矢
印の開封操作方向前側の切目端が前記開口端部内縁(11
a)に沿って存在し、かつ開封操作方向後側の切目端が
該切目(31)の前記前側の切目端よりも領域内方側に存
在し、内方への破断線の逸れに対して次の切目(31)が
変形もしくは傾斜して二次元の拡がりを持って待ちかま
える形で断続状に配置形成されている。
【0057】この例の切目線(3)は、破断線がある切
目(31)に到達すると、破断線は該切目(31)によって
内方部の領域(5)の外方かつ開封操作方向前方へ向か
うようになっている。外方に向かった破断線は、前記開
口端部内縁(11a)に到達した後、該内縁(11a)に沿
って引き裂かれる。また破断線が内方に逸れようとした
場合、次の切目(31)が二次元の拡がりを持って待ちか
まえているために、所定領域(5)の内方に破断線が及
ぶことがない。結果的に、破断線は開口端部内縁(11
a)と切目線(3)の間を通ることになり、その内方の
領域(5)をミスなく完全に開口できることになる。
【0058】図15、図16は、それぞれ図14の切目
線(3)の変形例を示しており、変形した切目(31)に
より、破断線の内方への逸れを阻止し、また外方への逸
れを開口端部内縁(11a)で阻止することで、その引き
裂き方向を補正できる。特に、図14の場合に比して破
断線の逸れに対する補正角度が大きくとれるため、より
確実に所定領域(5)の切離開口を行うことができる。
【0059】図17は、引き裂き方向の補正機能を有す
るミシン目状の切目線(3)が、円形の容器における蓋
材(2)等の内方の円形領域(5)を囲むように、前記
蓋材(2)が接合された容器本体の開口端部内縁(11
a)に沿って、複列の切目列による切目線(3)を形成
した場合を示している。
【0060】この切目線(3)は、一つの切目(31A)
の開封操作方向の前側端の該操作方向前方に、次の切目
(31A)が変形もしくは傾斜して二次元の拡がりを持っ
て待ちかまえる形で、開口すべき領域(5)の外縁、つ
まり前記開口端部内縁(11a)に沿って多数の切目(31
A)が断続状に形成された切目列(3A)と、一つの切
目(31B)の開封操作方向の前側端が前記切目列(3
A)の内側近傍に存在し、かつ該切目(31B)の開封操
作方向の後側端が該切目(31B)の該操作方向の前側端
よりも内方に位置し、かつ前記切目列(3A)の一つの
切目(31A)からの延長線上に二次元の拡がりを持って
待ちかまえる形で、多数の切目(31B)が断続状に形成
された切目列(3B)とからなり、特に図17では、前
記切目列(3B)を前記領域(5)周囲の開封操作方向
の後半部分に適用している。
【0061】このような切目線(3)による場合、内側
に形成された切目列(3B)は、図14に示した切目線
と同様に、内側に逸れた破断線を、領域(5)の外向き
にかつ前方に戻す役割をし、また外側に形成された切目
列(3A)は、図12と同様に、破断線を前方かつ内側
に運ぶ働きを持つ。この2つの役割の切目列(3A)
(3B)を並べて形成させることにより、破断線は2つ
の切目列(3A)(3B)の間を通ることとなり、引き
裂き方向が図の白抜き矢印の方向から多少逸れても、ミ
スなく所定の領域(5)を切離開口できる。
【0062】この切目線(3)の場合、容器の開口端部
内縁(11a)を利用することなく、逸れに対する大きな
補正角を取ることができ、図のような容器の蓋材(2)
に限らず、袋体の所定の領域を切離開口するための切目
線として好適に利用できることになる。
【0063】上記した図12〜図17の各切目線(3)
は、これを適宜組み合わせて用いることができ、いずれ
の場合も、開封操作を開始する側に、切目線(3)の一
部を分断して、その両端部分を蓋材(2)の端縁まで連
続させて、内方の領域(5)に連続する開封導入部(5
1)を形成しておくのが好ましい。
【0064】また、各実施例の切目(30)(31)(32)
(33)(34)(31A)(31B)の長さ寸法や間隔につい
ては、3.0mm以下、好ましくは0.2〜2.0mm
とするが、もちろん包装体(A)の大きさ等によっては
前記以外の寸法にすることもできる。
【0065】上記した実施例の容器を利用した包装体
(A)の場合、容器本体(1)の開口端部(11)に有す
る開封導入部(51)あるいは摘み部(52)から引き裂き
を開始し、開封導入部(51)を通ることによって、従来
の容器の蓋のように開封開始の際に広幅の剥離を行わな
くて済み、非常に軽い剥離強度で剥離でき、しかもその
後に続く、容器の開口端部内縁(11a)に沿う切目線
(3)での引裂きを行うことができる。
【0066】しかも、上記した引き裂き方向の補正機能
を持った切目線(3)に沿って逸れなく確実に引き裂き
開封できるので、切離部が綺麗で体裁がよく、内容物を
取り出す際に切れ端が内部に入り込む等の問題もない。
【0067】さらに、上記した実施例のように開封導入
部や摘み部を設けておけば、後述するような別貼りのタ
ブは必要ではなくなるが、イージーピールシーラントは
必要となる。その場合でも、イージーピールシーラント
が仮に従来のものより高い剥離強度を有するものであっ
ても、開封導入部の幅をコントロールすれば、大きな力
をかけずとも開口できる。
【0068】また、開封導入部や摘み部を形成せず、所
定の領域の周囲を取り囲むようにミシン目状の切目線を
形成した場合では、イージーピールフィルムによるシー
ル構造にする必要が無く、通常のシーラントを使用する
ことができるので、接合作業が容易になり、コスト安価
に提供することができる。
【0069】この場合には、上記包装体(A)の摘み部
のかわりに、別貼りのタブを接着接合しておけば、フラ
ンジ部分の剥離を行う必要が無く、切目線の引裂きだけ
で所定領域の開口を行うことができる。
【0070】また、容器の形状や内容物によっては、前
述のように所定領域を、容器上方に引き上げるようにし
て引き裂き開口するのではなく、指等で押し下げて破る
ように所定領域を開口することもできる。
【0071】このように開封導入部や摘み部を設けた場
合、あるいは設けなかった場合でも、これまでのイージ
ーピール構造の容器の蓋材の剥離よりも、非常に軽い力
で開口を行うことができ、お年寄りや、小さな子供のよ
うな力の無い人たちにも、容器蓋材を容易にかつ確実に
切離開口できることになる。
【0072】図18〜図20の実施例は、合成樹脂フィ
ルムやアルミ箔あるいは紙等の複合材を素材とする袋体
(4)に内容物(B)を収納し封入した包装体(A1)
での実施例を示している。
【0073】この実施例の袋体(4)は、例えば延伸し
たナイロン樹脂やポリエステル樹脂等の延伸フィルム、
例えば印刷が施された透明のナイロン樹脂の延伸フィル
ム(41)を表素材とし、この延伸フィルムを基材として
その方面にガスバリア層となるアルミ箔(42)およびシ
ーラント層(43)を積層した複合材よりなり、背部で縦
方向にシールして筒状にし、さらに内容物を収納した状
態で、上下両端部をシールしている。(44)は背部のシ
ール部、(45)(46)は上下両端部のシール部を示す。
【0074】そして、前記の袋体(4)において、表裏
体の一方、例えば表側体(4a)の内方部の所要の領域
(5)を囲むように、上記同様の引き裂き方向の補正機
能を有する図1〜図6の実施例の場合と同様のミシン目
状の切目線(3)を形成して、該領域(5)を前記切目
線(3)の部分で切離開口できるように設けている。図
の場合、袋体(4)の表側体(4a)の中央部に縦長の略
楕円形の領域(5)を開口できるように前記切目線
(3)が形成されている。
【0075】この実施例の場合も、前記切目線(3)に
よる引き裂き開始を容易にするために、前記切目線
(3)の一部、例えば略楕円形の長径側の一部を図11
のように外方への膨出させ、該膨出部(3c)の内方側に
摘み片(53)を接合しておいて、該摘み片(53)を把持
して引張ることにより、前記切目線(3)に沿って切離
開口できるようにして構成して実施することができる。
この場合、前記膨出部(3c)から連なる両側の切目線部
分(3b)(3b)を、図1〜図3の場合と同様に同方向に
引き裂き方向を補正しながら切離開封できるように形成
し、摘み片(53)からの一度の引き裂き操作で内方部領
域(5)を開口させることができるようにするのが好ま
しい。
【0076】このほか、図示していないが、切目線
(3)の一部を分断して、その両端部分を上端縁まで連
続して形成することにより、両端部分の間を前記内方部
の所要領域に連続する摘み部として形成し、この両端縁
の摘み部から内方部の領域を略楕円形に切離開口できる
ようにすることも可能である。
【0077】この袋体(4)における実施例において
も、引き裂き方向の補正機能を有する切目線(3)の形
態としては、図6の形態をなすもののほか、図7〜図1
3及び図17のような種々の形態による実施が可能であ
る。中でも、図6〜図11の切目線による場合、内外い
ずれの方向の逸れに対しても確実に対応でき、特に好ま
しい。
【0078】この実施例の包装体(A1)の場合、袋体
(4)の表裏一方の例えば表側体(4a)の内方部の所要
領域(5)を、例えば摘み片(53)からの引き裂き操作
によって容易にかつ確実に逸れなく切離できて、図20
のように略楕円形等の任意の形状に開口させることがで
きる。
【0079】そのため、内容物の取り出しの際、袋体
(4)のシール部を大きく開口させる必要がなく、表側
体の開口からの内容物(B)を容易に摘み出すことがで
きるとともに、該開口周辺の残余の表側体の部分により
内容物(B)を収納状態に保持できて、内容物や屑粉が
はみ出したりこぼれたりして、周辺に散らかるようなこ
とがない。したがって、受け皿を必要とせず、内容物の
収納作業も容易になり、コスト安価に提供できることに
なる。
【0080】また、図21はピロー袋を利用した包装体
(A2)での実施例を示しており、このピロー袋(6)
における背貼り部(61)にノッチ(62)を設け(ミシン
目を入れる基材と複合材の構成によってはノッチは必要
ないが)、そのノッチ(62)の近傍部分を摘み部(63)
として、円状あるいは楕円状に前記引き裂き方向の補正
機能を有するミシン目状の切目線(3)を設けておく
と、背貼り部(61)を上側としたピロー袋(6)の上部
を円形あるいは楕円状に開口させることができる。この
場合には、上記実施例の袋体(4)のように、摘み片を
別に設ける必要がなく、さらに安価に製造ができる。
【0081】
【発明の効果】上記したように本発明の包装体によれ
ば、その包装材の任意の領域を、その周囲に形成した特
殊なミシン目状の切目線により確実に容易に逸れなく切
離開口でき、そのためお年寄りや小さな子供のような非
力な人たちでも、簡単かつ確実に失敗することなく任意
の領域を切離開口できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装体の1実施例を示す一部を欠截し
た斜視図である。
【図2】同上の平面図である。
【図3】同上の一部の拡大断面図である。
【図4】本発明の包装体の他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図5】本発明のさらに他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図6】切目線の部分の拡大平面図である。
【図7】開封開始部分の平面説明図である。
【図8】他の形態の切目線の部分の拡大平面図である。
【図9】他の形態の切目線の部分の拡大平面図である。
【図10】他の形態の切目線の部分の拡大平面図であ
る。
【図11】他の形態の切目線の部分の拡大平面図であ
る。
【図12】他の形態の切目線の平面説明図である。
【図13】他の形態の切目線の平面説明図である。
【図14】他の形態の切目線の平面説明図である。
【図15】他の形態の切目線の平面説明図である。
【図16】他の形態の切目線の平面説明図である。
【図17】他の形態の切目線の平面説明図である。
【図18】袋体を利用した本発明の包装体の実施例を示
す斜視図である。
【図19】同上の一部の拡大断面図である。
【図20】同上の開口状態の斜視図である。
【図21】ピロー袋での実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】 (A)(A1 )(A2 ) 包装体 (B) 内容物 (1) 容器本体 (11) 開口端部 (12) 仕切壁 (13) 収容部 (14) 接合部 (2) 蓋材 (21) 合成樹脂フィルム (22) 他のフィルム層 (23) シーラント層 (3) 切目線 (3A)(3B) 切目列 (3a)(3a) 両端部分 (3b)(3b) 両側の切目線部分 (3c) 膨出部 (30)(31)(32) (33)(34)(31A)(31B)
切目 (30a) 切目端 (4) 袋体 (4a) 表側体 (41) 延伸フィルム (42) アルミ箔 (43) シーラント層 (5) 内方部の領域 (51) 開封導入部 (52)(63) 摘み部 (53) 摘み片 (6) ピロー袋 (61) 背貼り部 (62) ノッチ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月23日(2000.6.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 包装体
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に即席食品や加
工食品等の各種食品その他の内容物を封入した包装体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】例えば、
電子レンジあるいは熱湯を注いで加熱して食する即席食
品等の包装体として、成形された容器本体に食品を収容
し、合成樹脂フィルムやコーティング層、アルミ箔、紙
その他の素材を適宜組み合わせた2層以上の積層構造の
複合材よりなる蓋材を、前記容器本体の開口端部に熱融
着手段等により接合して封入したものが知られている。
【0003】このような食品の包装体において、容器本
体の開口端部に対する蓋材の接合構造としては、強固に
接合されたものであると、開封時の蓋材の剥離が困難に
なることから、通常、流通段階ではシール性を確保で
き、しかも開封の際には前記蓋材を比較的容易に剥離で
きるように工夫された所謂イージーピールのシール構造
が採用されている。
【0004】イージーピールフィルムは通常のシーラン
トフィルムと比べて剥離強度が小さい。しかし、いかに
剥離強度の小さいイージーピールフィルムとはいえ、容
器を開口する際には、一度に広い幅の剥離を行わなけれ
ばならない部分があり、その際、剥離のために相当強い
力を必要とする。
【0005】なお、比較的破り易い素材よりなる蓋材の
場合、蓋材を端から破り取って開口させるようにしたも
のがあるが、容器本体の開口端部に沿って開口させるの
は容易ではなく、また破った端部はきわめて不規則に突
出した状態になって不体裁なものになり、切れ端が内部
に混入するおそれもある。
【0006】本発明は、上記に鑑みてなしたもので、各
種食品その他の内容物を収納した容器本体とその開口端
部に接合した蓋材とからなる包装体において、蓋材の内
方部領域を、その周囲に形成した特殊なミシン目状の切
目線により確実に容易に逸れなく切離開口できるように
して、従来のように大きな力で開口させる必要がない包
装体を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明は、内容物が収納された包装体であって、成形体よ
りなる容器本体のフランジ状の開口端部に2層以上の積
層構造をなす複合材よりなる蓋材が接合されてなる包装
体において、前記蓋材には、その内方部領域を囲むよう
に前記開口端部の内縁に沿って、一つの切目端からの破
れ方向の逸れを次の切目で補正できる引き裂き方向の補
正機能を有するミシン目状の切目線が形成されるととも
に、該切目線の一部が分断されて、その両端部分が前記
蓋材の端縁まで延びて終端することにより、該蓋材の端
縁を始端として前記内方部領域に所要の幅で連続する開
封導入部が形成され、該開封導入部両側の前記切目線の
両端部分からの引き裂き開封操作により、該開封導入部
に連続する前記内方部領域が前記切目線に沿って切離開
口可能に設けられてなることを特徴とする。
【0008】前記包装体において、前記開封導入部に僅
かに外方へ延出する摘み部が一体に連設されてなるもの
が好ましく、また前記の開封導入部の幅が5〜20mm
の範囲にあるのが好適である。
【0009】
【作用】上記した請求項1の発明の包装体によれば、容
器本体のフランジ状の開口端部に接合された蓋材に、内
方部領域を囲むように引き裂き方向の補正機能を持った
ミシン目状の切目線が設けられ、しかもその切目線の一
部が分断されて蓋材の端縁まで延び、該端縁から前記内
方部領域に連続する開封導入部が形成されているので、
開封の際には、該開封導入部から蓋材を引き剥がすよう
にすれば、開封導入部両側の切目線の両端部分を引き裂
きながら、小さい力で容易に開封を開始でき、かつ引き
裂き方向の補正機能を持った前記切目線により、容易に
してかつ確実に開口端部に沿って切離開口できる。特
に、前記開封導入部に外方に延出する摘み部を一体に連
設しておくと、前記開封操作がさらに容易になる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
示す実施例に基づいて説明する。
【0011】図1は、成形された容器本体(1)とシー
ト状の蓋材(2)とよりなる包装材に即席食品等の内容
物(B)を封入した包装体(A)の1実施例を示す一部
を欠截した斜視図、図2は同上の一部の平面図、図3は
同上の一部の拡大断面図である。
【0012】この包装体(A)において、その包装材で
ある容器本体(1)は、主として耐熱性のある合成樹脂
の成形体よりなり、側壁上端にフランジ状の開口端部
(11)を有してなる。図1、図2の場合、容器本体
(1)は平面略四角形で、その内部に仕切り壁(12)を
有し、各収容部(13)にご飯やカレー等の具材その他の
内容物(B)を仕切り収容するようにしたものを示して
いる。
【0013】前記包装材の一部をなす蓋材(2)は、1
層の合成樹脂フィルム(21)を基材層として含み、これ
に他の合成樹脂フィルム、例えばガスバリヤ性に優れる
フィルム層やコーティング層、およびアルミ箔、紙その
他の素材を適宜組み合わせた2層以上の積層構造をなす
複合材よりなる。図3の場合、基材層としての合成樹脂
フィルム(21)に、他のフィルム層(22)およびシーラ
ント層(23)との3層構造の複合材よりなる場合を示し
ている。この蓋材(2)は、容器本体(1)に内容物
(B)を収容した後、前記容器本体(1)の開口端部
(11)に熱融着手段により接合されている。(14)はそ
の接合部を示している。
【0014】前記の包装材の一面を構成する蓋材(2)
には、前記開口端部(11)により内方部の領域(5)を
切離開口させるための引き裂き方向の補正機能を持った
ミシン目状の切目線(3)が、前記開口端部(11)の内
縁に沿って前記内方部領域(5)を囲むように形成さ
れ、この切目線(3)での引裂きにより前記内方部領域
(5)を切離開口できるように設けられている。
【0015】前記切目線(3)は、上記の3層構造の複
合材の場合、例えば図のように基材層となる合成樹脂フ
ィルム(21)に形成されている。前記の合成樹脂フィル
ム(21)以外の他の層、あるいは複数の層に切目線を形
成することも可能であるが、実施上は、図のように少な
くとも1層のアルミ箔やガスバリア性に優れるフィルム
層を残して切目線を形成しておくのが、密閉性やガスバ
リヤ性確保の点から好ましい。内容物(B)の種類によ
っては、複合材の全層に切目線を設けておくこともでき
る。
【0016】前記の切目線(3)は、容器本体(1)の
開口端部(11)の内縁に沿って内方部領域(5)を連続
して囲むように形成するとともに、図のように、前記の
切目線(3)の一部、例えば一つの容器隅角部において
切目線(3)の一部を分断して、その両端部分(3a)
(3a)を蓋材(2)の端縁まで連続して形成し、この両
端部分(3a)(3a)の間を前記領域(5)に所要の幅で
連続する開封導入部(51)として形成しておく。さらに
必要に応じて、この開封導入部(51)と一体に外方に若
干延出する摘み部(52)を連設しておくこともできる。
【0017】また、本発明は、容器本体(1)が平面円
形や略楕円形をなす容器の場合においても、上記同様に
実施でき、例えば図4のように、円形の開口端部(11)
に接合された蓋材(2)において、前記開口端部(11)
の内縁に沿って形成する切目線(3)の一部を分断し、
その両端部分(3a)(3a)を蓋材(2)の端縁まで連続
して形成することにより、開口端部(11)より内方部の
領域(5)に所要の幅で連続する開封導入部(51)を形
成して、該開封導入部(51)からの引き裂き操作によ
り、従来よりも軽い剥離強度で前記内方部領域(5)を
切離開口可能に形成して実施できる。また図5のよう
に、平面略楕円形の容器においても、蓋材(2)の切目
線(3)を長径方向の一方側の端縁まで延ばして前記同
様の開封導入部(51)を形成して実施できる。これらい
ずれの場合も、前記開封導入部(51)に摘み部を一体に
連設しておくことができる。
【0018】前記蓋材(2)の内方部領域(5)を開口
させる際、前記の開封導入部(51)がなければ、例えば
図2及び図7に示すように、容器隅角部における開口端
部(11)の内縁の接線(C)が開口端部(11)の外縁
(主に接合部の外縁)と交叉する2点間の幅分(L)だ
け、一度に剥離しなければならないが、前記の開封導入
部(51)が設けられておれば、内方部領域(5)の周囲
の切目線(3)を引き裂くまでは、前記開封導入部(5
1)の幅分(L1)だけを剥離すればよい。
【0019】例えば、図7に示すように、通常の円形の
容器において、その開口端部(11)に略全面的に接合さ
れた蓋材(2)を剥離し開口する際には、開口端部(1
1)の外縁の半径を(R)、開口端部(11)のフランジ
幅を(S)とすれば、最大で下記の式により表される幅
分を一度に開封しなければならないことになる。
【0020】
【数1】
【0021】例えば、前記外縁の半径が40mm、フラ
ンジ幅が5mmの容器であれば、その最大幅は約40m
mにもなり、この際にかかる剥離強度は非常に大きな力
となる。容器本体と蓋材の接合にイージーピール材を用
いていたとしても、イージーピール材の剥離強度が例え
ば500g/15mm幅であるとすれば、40mm幅を
一度に剥離するためには約1.3kgの力を要する。
【0022】しかし、上記のように切目線によって開封
導入部(51)が設けられていれば、その開封導入部(5
1)の幅分だけの力でよく、従来よりも小さな剥離強度
で蓋材(2)を開口することができる。例えば、開封導
入部(51)の幅が5mmとすれば、上記の例の場合、そ
の剥離に必要な力は前記剥離強度の5/40、つまり約
170gにすぎず、前記幅が10mmとしても前記剥離
強度の1/4、つまり約300gとなり、従来に比べ非
常に小さな力で開口することができる。
【0023】なお、前記開封導入部(51)の幅は、容器
の大きさおよび形状や、包装材の構成や形態にもよる
が、5〜20mmの間のものが実施上適当である。
【0024】前記の引き裂き方向の補正機能を有するミ
シン目状の切目線(3)は、各切目が、該切目線の方向
あるいは開封方向に対して傾斜あるいは変形して二次元
の拡がり幅を持って、かつ一つの切目端からの破れ方向
の逸れを補正できるように形成されたものであれば、種
々の形態による実施が可能である。図に従って、各ミシ
ン目状の切目線の構成および作用を説明する。
【0025】図1〜図5の実施例の場合、図6に部分拡
大して示すように、引き裂き方向とは逆向きの略ハの字
形をなすように傾斜した対をなす2つの切目(30)(3
0)が所要間隔の断続状に形成されており、多数の切目
(30)が、引き裂き方向に対して二次元の拡がりを持
ち、かつ引き裂き方向先端側の切目端(30a)が前記拡
がり幅の内方で終端する形で断続状に形成されている。
この場合、切目(30)(30)の拡開した側から他方向に
向って引き裂くようにすれば、一つの切目(30)の延長
上を横ぎるように次の切目(30)が存在しているため、
一つの切目端(30a)からの破れ方向が仮に少々ずれて
も、確実に次の切目(30)に到達でき、その結果、切目
線(3)に沿ってミスなく引き裂き開封することができ
る。
【0026】この切目線(3)は、1方向にのみ引き裂
き方向の補正機能を有するものであるので、一つの容器
隅角部における前記開封導入部(51)を形成した両端部
分(3a)(3a)から、開口端部(11)の内縁に沿って対
角位置の容器隅角部まで延びる切目線部分(3b)(3b)
を、白抜き矢印の方向の開封操作によりそれぞれ破れ方
向の逸れを補正しながら引き裂き開封できるように形成
しておくのがよい。これにより、開封導入部(51)から
一度の引き裂き操作で内方部領域(5)を切離でき、開
口端部(11)の内縁に沿って容易に開口させることがで
きる。
【0027】前記と同様の補正機能を持つミシン目状の
切目線(3)としては、例えば、図8のように斜めの切
目(31)を各切目端からの延長上に交差して次の切目
(31)が存するように互い違いに形成したものでもよ
い。
【0028】また図9のように略Y字形状をなす切目
(32)を引き裂き方向に縦に並列させたもの、あるいは
図10や図11のように略円弧状の切目(33)や略くの
字形の切目(34)を互いに向き合う2列1組の断続状に
形成するか、あるいはこれらの両切目を互い違いの列状
に形成したものとすることができる。これらの場合も、
白抜き矢印の方向の開封操作により、一つの切目端から
の破れ方向の逸れを次の切目で補正しながら切目線
(3)に沿って確実に引き裂き開封できる。
【0029】前記ミシン目状の切目線(3)としては、
さらに以下のような形態をなすものにおいても、一つの
切目端からの破れ方向の逸れを補正できる機能を持つこ
とになる。
【0030】図12は、引き裂き方向の補正機能を有す
るミシン目状の切目線(3)として、円形の容器におけ
る蓋材(2)等の内方の円形の領域(5)を囲むよう
に、前記蓋材(2)が接合された容器本体のフランジ状
の開口端部内縁(11a)に沿って、開封操作方向、つま
り開封操作の手に力を入れる方向(白抜き矢印の方向)
の前側の切目端より該操作方向前方に、次の切目(31)
が傾斜して二次元の拡がりを持って待ちかまえる形で、
多数の切目(31)を断続状に形成した例を示している。
【0031】すなわち、開封操作による一つの切目端か
らの破断線は、基本的には前記開封操作方向に進行する
ことになるので、この破断線の進行方向およびその破断
線の逸れの程度を想定して、前記のように多数の切目
(31)を二次元の拡がり幅を持って断続状に配置する。
【0032】この切目線(3)は、開封操作方向を、図
の紙面下方側から上方側へと白抜き矢印のように直線状
に開封操作するのが基本であり、円形の開口端部内縁
(11a)に沿って開封操作方向の前半部分では、各切目
(31)を外向きに傾斜させて漸次外側に位置をずらせて
形成し、また後半部分では内向きに傾斜させて漸次内側
に位置をずらせて形成している。開封操作を容易にする
ために、図の紙面下方側の部分において、図の鎖線のよ
うに切目線(3)を分断して端縁まで延ばして開封導入
部(51)を形成しておくのがよい。
【0033】この切目線(3)による場合、開封操作部
(51)から図の白抜き矢印の方向に開封操作すれば、一
つの切目(31)の開封操作方向前側の切目端より開封操
作方向前方に次の切目が二次元の拡がり幅を持って待ち
かまえているため、前記切目端からの開封操作方向に進
行する破断線が次の切目(31)に当たることになり、こ
れが断続的に形成されているので、所定の内方部領域
(5)をミスなく切離開口できる。また、各切目(31)
は前記開封操作方向に対し、ある程度の拡がり幅を持っ
ているため、切目端からの破断線の方向が少々ずれて
も、問題なく引裂きを続行でき、所定領域の切離開口を
完了できる。
【0034】図13は、図12の切目線(3)を変更し
改良した例である。図12のように1本1本が直線状の
切目(31)であると、破断線の逸れに対する補正角度を
大きく取るためには、各切目(31)(31)同士を接近さ
せなければならず、フイルム強度が低下してしまい、ち
ょっとした衝撃でミシン目状の切目をきっかけにして破
れてしまうおそれがある。
【0035】そこで、例えば図13のように、各切目
(31)を略への字形等の切目による変形切目線とするこ
とで、切目同士を接近させなくても、破断線の逸れに対
する補正角度を大きく取ることができることになる。
【0036】これら図12、図13のミシン目状の切目
線(3)は、図のような容器の蓋材(2)のみに限ら
ず、袋体にも利用することができるが、実施上は、破断
線の外方への逸れを開口端部内縁(11a)で抑止できる
ことから、図のように蓋材において実施するのが好まし
い。
【0037】図14は、容器本体(1)の開口端部に接
合された蓋材(2)において、内方の領域(5)を囲む
ように開口端部内縁(11a)に沿って、多数の切目(3
1)を形成することにより、図12、図13とは逆に、
積極的に前記開口端部内縁(11a)を利用して逸れなく
開口させる切目線(3)の例を示している。
【0038】この場合、各切目(31)は、特に白抜き矢
印の開封操作方向前側の切目端が前記開口端部内縁(11
a)に沿って存在し、かつ開封操作方向後側の切目端が
該切目(31)の前記前側の切目端よりも領域内方側に存
在し、内方への破断線の逸れに対して次の切目(31)が
変形もしくは傾斜して二次元の拡がりを持って待ちかま
える形で断続状に配置形成されている。
【0039】この例の切目線(3)は、破断線がある切
目(31)に到達すると、破断線は該切目(31)によって
内方部の領域(5)の外方かつ開封操作方向前方へ向か
うようになっている。外方に向かった破断線は、前記開
口端部内縁(11a)に到達した後、該内縁(11a)に沿
って引き裂かれる。また破断線が内方に逸れようとした
場合、次の切目(31)が二次元の拡がりを持って待ちか
まえているために、所定領域(5)の内方に破断線が及
ぶことがない。結果的に、破断線は開口端部内縁(11
a)と切目線(3)の間を通ることになり、その内方の
領域(5)をミスなく完全に開口できることになる。
【0040】図15、図16は、それぞれ図14の切目
線(3)の変形例を示しており、変形した切目(31)に
より、破断線の内方への逸れを阻止し、また外方への逸
れを開口端部内縁(11a)で阻止することで、その引き
裂き方向を補正できる。特に、図14の場合に比して破
断線の逸れに対する補正角度が大きくとれるため、より
確実に所定領域(5)の切離開口を行うことができる。
【0041】図17は、引き裂き方向の補正機能を有す
るミシン目状の切目線(3)が、円形の容器における蓋
材(2)等の内方の円形領域(5)を囲むように、前記
蓋材(2)が接合された容器本体の開口端部内縁(11
a)に沿って、複列の切目列による切目線(3)を形成
した場合を示している。
【0042】この切目線(3)は、一つの切目(31A)
の開封操作方向の前側端の該操作方向前方に、次の切目
(31A)が変形もしくは傾斜して二次元の拡がりを持っ
て待ちかまえる形で、開口すべき領域(5)の外縁、つ
まり前記開口端部内縁(11a)に沿って多数の切目(31
A)が断続状に形成された切目列(3A)と、一つの切
目(31B)の開封操作方向の前側端が前記切目列(3
A)の内側近傍に存在し、かつ該切目(31B)の開封操
作方向の後側端が該切目(31B)の該操作方向の前側端
よりも内方に位置し、かつ前記切目列(3A)の一つの
切目(31A)からの延長線上に二次元の拡がりを持って
待ちかまえる形で、多数の切目(31B)が断続状に形成
された切目列(3B)とからなり、特に図17では、前
記切目列(3B)を前記領域(5)周囲の開封操作方向
の後半部分に適用している。
【0043】このような切目線(3)による場合、内側
に形成された切目列(3B)は、図14に示した切目線
と同様に、内側に逸れた破断線を、領域(5)の外向き
にかつ前方に戻す役割をし、また外側に形成された切目
列(3A)は、図12と同様に、破断線を前方かつ内側
に運ぶ働きを持つ。この2つの役割の切目列(3A)
(3B)を並べて形成させることにより、破断線は2つ
の切目列(3A)(3B)の間を通ることとなり、引き
裂き方向が図の白抜き矢印の方向から多少逸れても、ミ
スなく所定の領域(5)を切離開口できる。
【0044】この切目線(3)の場合、容器の開口端部
内縁(11a)を利用することなく、逸れに対する大きな
補正角を取ることができ、図のような容器の蓋材(2)
に限らず、袋体の所定の領域を切離開口するための切目
線として好適に利用できることになる。
【0045】上記した図12〜図17の各切目線(3)
は、これを適宜組み合わせて用いることができ、いずれ
の場合も、開封操作を開始する側に、切目線(3)の一
部を分断して、その両端部分を蓋材(2)の端縁まで連
続させて、内方の領域(5)に連続する開封導入部(5
1)を形成しておく。
【0046】また、各実施例の切目(30)(31)(32)
(33)(34)(31A)(31B)の長さ寸法や間隔につい
ては、3.0mm以下、好ましくは0.2〜2.0mm
とするが、もちろん包装体(A)の大きさ等によっては
前記以外の寸法にすることもできる。
【0047】上記した実施例の容器を利用した包装体
(A)の場合、容器本体(1)の開口端部(11)に有す
る開封導入部(51)あるいは摘み部(52)から引き裂き
を開始し、開封導入部(51)を通ることによって、従来
の容器の蓋のように開封開始の際に広幅の剥離を行わな
くて済み、非常に軽い剥離強度で剥離でき、しかもその
後に続く、容器の開口端部内縁(11a)に沿う切目線
(3)での引裂きを行うことができる。
【0048】しかも、上記した引き裂き方向の補正機能
を持った切目線(3)に沿って逸れなく確実に引き裂き
開封できるので、切離部が綺麗で体裁がよく、内容物を
取り出す際に切れ端が内部に入り込む等の問題もない。
【0049】さらに、上記した実施例のように開封導入
部や摘み部を設けておけば、別貼りのタブは必要ではな
くなるが、イージーピールシーラントは必要となる。そ
の場合でも、イージーピールシーラントが仮に従来のも
のより高い剥離強度を有するものであっても、開封導入
部の幅をコントロールすれば、大きな力をかけずとも開
口できる。
【0050】このように開封導入部や摘み部を設けるこ
とで、これまでのイージーピール構造の容器の蓋材の剥
離よりも、非常に軽い力で開口を行うことができ、お年
寄りや、小さな子供のような力の無い人たちにも、容器
蓋材を容易にかつ確実に切離開口できることになる。
【0051】
【発明の効果】上記したように本発明の包装体によれ
ば、容器本体に接合された蓋材の内方部の領域を、その
周囲に形成した特殊なミシン目状の切目線とその一部に
設けた開封導入部により、それほど強い力を加えなくて
も開封を開始できて、容易にかつ確実に逸れなく切離開
口できる。またそのため、お年寄りや小さな子供のよう
な非力な人たちでも、軽い力で簡単かつ確実に失敗する
ことなく内方部の領域を切離開口できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装体の1実施例を示す一部を欠截し
た斜視図である。
【図2】同上の平面図である。
【図3】同上の一部の拡大断面図である。
【図4】本発明の包装体の他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図5】本発明のさらに他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図6】切目線の部分の拡大平面図である。
【図7】開封開始部分の平面説明図である。
【図8】他の形態の切目線の部分の拡大平面図である。
【図9】他の形態の切目線の部分の拡大平面図である。
【図10】他の形態の切目線の部分の拡大平面図であ
る。
【図11】他の形態の切目線の部分の拡大平面図であ
る。
【図12】他の形態の切目線の平面説明図である。
【図13】他の形態の切目線の平面説明図である。
【図14】他の形態の切目線の平面説明図である。
【図15】他の形態の切目線の平面説明図である。
【図16】他の形態の切目線の平面説明図である。
【図17】他の形態の切目線の平面説明図である。
【符号の説明】 (A) 包装体 (B) 内容物 (1) 容器本体 (11) 開口端部 (12) 仕切壁 (13) 収容部 (14) 接合部 (2) 蓋材 (21) 合成樹脂フィルム (22) 他のフィルム層 (23) シーラント層 (3) 切目線 (3A)(3B) 切目列 (3a)(3a) 両端部分 (3b)(3b) 両側の切目線部分 (3c) 膨出部 (30)(31)(32) (33)(34)(31A)(31B)
切目 (30a) 切目端 (5) 内方部の領域 (51) 開封導入部 (52) 摘み部
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図18
【補正方法】削除
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図19
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図20
【補正方法】削除
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図21
【補正方法】削除 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月2日(2001.2.2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明は、内容物が収納された包装体であって、成形体よ
りなる容器本体のフランジ状の開口端部に、2層以上の
積層構造をなす複合材よりなる蓋材を接合して、内容物
を封入してなる包装体において、前記蓋材には、その内
方部領域を囲むように前記開口端部の内縁に沿って、一
つの切目端からの破れ方向の逸れを次の切目で補正でき
る引き裂き方向の補正機能を有するミシン目状の切目線
が形成されるとともに、該切目線の一部が分断されて、
その両端部分が前記蓋材の端縁まで延びて終端すること
により、該蓋材の端縁を始端として前記内方部領域に所
要の幅で連続する開封導入部が形成され、該開封導入部
両側の前記切目線の両端部分からの引き裂き開封操作に
より、該開封導入部が剥離されるとともに、これに連続
する前記内方部領域が前記切目線に沿って切離開口可能
に設けられてなることを特徴とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 都築 貞夫 大阪府松原市大堀1丁目7番2号 岡田紙 工株式会社内 (72)発明者 白川 英明 大阪府松原市大堀1丁目7番2号 岡田紙 工株式会社内 Fターム(参考) 3E067 AA11 AB01 BA07A BA10A BA12A BB14A BC07A EB04 EB06 EB11 EB22 EB29 FA01 FC01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内容物を収納した包装体であって、その包
    装材の少なくとも一面が2層以上の積層構造をなす複合
    材よりなり、該複合材の所要の領域が、該領域の周囲を
    実質的に囲むように形成され、かつ一つの切目端からの
    破れ方向の逸れを次の切目で補正できる引き裂き方向の
    補正機能を有するミシン目状の切目線により、任意の線
    に沿って切離開口可能に設けられ、所定形状の開口が形
    成されるようになされたことを特徴とする包装体。
  2. 【請求項2】前記の引き裂き方向の補正機能を有するミ
    シン目状の切目線は、各切目が、該切目線の方向に対し
    て傾斜あるいは変形して二次元の拡がり幅を持ち、かつ
    引き裂き方向先端側の切目端が前記拡がり幅の内方で終
    端する形で断続状に形成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の包装体。
  3. 【請求項3】前記の引き裂き方向の補正機能を有するミ
    シン目状の切目線は、開封操作方向前側の切目端の該操
    作方向前方に、次の切目が傾斜あるいは変形して二次元
    の拡がりを持って待ちかまえている形で、多数の切目が
    断続状に形成されていることを特徴とする請求項1に記
    載の包装体。
  4. 【請求項4】前記の引き裂き方向の補正機能を有するミ
    シン目状の切目線は、容器本体の開口端部に接合された
    蓋材において該開口端部の内縁に沿って形成されてな
    り、開封操作方向前側の切目端が前記接合部内縁の近傍
    に存在するとともに、開封操作方向後側の切目端が前記
    前側の切目端よりも内方側に存在し、かつ内方への引き
    裂き方向の逸れに対して次の切目が変形もしくは傾斜し
    て二次元の拡がりを持って待ちかまえる形で、多数の切
    目が断続状に配置形成されてなることを特徴とする請求
    項1に記載の包装体。
  5. 【請求項5】前記の引き裂き方向の補正機能を有するミ
    シン目状の切目線は、開封操作方向前側の切目端の該操
    作方向前方に、次の切目が変形もしくは傾斜して二次元
    の拡がりを持って待ちかまえる形で、該切目線により開
    口すべき領域の外縁に沿って多数の切目が断続状に形成
    された切目列(3A)と、開封操作方向前側の切目端が
    前記切目列(3A)の内側近傍に存在するとともに、開
    封操作方向後側の切目端が該切目の前記前側の切目端よ
    りも内方に位置し、かつ前記切目列(3A)の一つの切
    目からの内方への延長線上に2次元の拡がりを持って待
    ちかまえる形で多数の切目が断続状に形成された切目列
    (3B)とからなることを特徴とする請求項1に記載の
    包装体。
  6. 【請求項6】内容物を収納した容器本体の開口端部に蓋
    材が接合された包装体であって、包装材の一部である前
    記蓋材が2層以上の積層構造をなす複合材よりなり、こ
    の蓋材には、その内方部領域を囲むように前記開口端部
    の内縁に沿って、一つの切目端からの破れ方向の逸れを
    次の切目と前記開口端部内縁により補正できる引き裂き
    方向の補正機能を有するミシン目状の切目線が形成さ
    れ、該切目線により前記蓋材の内方部領域が切離開口可
    能に設けられ、容器本体の開口端部に沿う開口が形成さ
    れるようになされたことを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載の包装体。
  7. 【請求項7】前記の内方部領域を囲む切目線の一部が分
    断されて、その両端が蓋材の端縁まで延びて終端するこ
    とにより、該端縁を始端として前記内方部領域に連続す
    る開封導入部が形成されており、該開封導入部からの前
    記切目線の引き裂き開封操作により、該開封導入部を通
    って前記領域が切離開口されるように形成されてなる請
    求項6に記載の包装体。
  8. 【請求項8】前記包装材が、2層以上の積層構造をなす
    複合材により形成された袋体よりなり、該袋体の表裏の
    少なくとも一方の一部の領域を囲むように、引き裂き方
    向の補正機能を有するミシン目状の切目線が設けられて
    おり、該切目線から切離されることにより、袋体の表裏
    の一方あるいは側部に比較的大きい開口が形成されるよ
    うになされたことを特徴とする請求項1〜3または5の
    いずれか1項に記載の包装体。
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