JP2001145837A - 排ガス浄化触媒およびイオウ被毒の再生方法 - Google Patents
排ガス浄化触媒およびイオウ被毒の再生方法Info
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Abstract
で、イオウ化合物の還元反応と還元剤の酸化反応を同時
に行わせるので、気相に還元剤を高濃度で存在させ、し
かも高温を保つ必要があった。また、イオウ被毒が進行
してイオウ化合物が触媒粒子全体を覆ってしまうと、還
元剤が触媒粒子に近づくことができず、イオウ被毒再生
をすることができなくなる問題点があった。 【解決手段】 触媒微粒子1,2を担体3に担持した触
媒Aと、電子伝導性物質B4と、イオン伝導性物質D5
とを含む混合物を図示していないハニカムに塗布して排
ガス浄化触媒を構成し、加熱手段によって排ガス浄化触
媒の温度を一時的に上昇させてイオン伝導性物質D5の
イオン伝導性を高め、触媒Aに吸着したイオウ化合物の
還元反応と炭化水素、水素、一酸化炭素等の酸化反応を
電気化学的に行うようにした。
Description
車などの内燃機関やガスエンジン、ガスタービン、ディ
ーゼルエンジンなどの発電機から排出されるNOx、炭
化水素等およびイオウ酸化物を含む排ガスを浄化する排
ガス浄化触媒および排ガス浄化触媒のイオウ被毒からの
再生処理に関する。
代表されるように、NO、NO2などの窒素酸化物の窒
素への還元反応と炭化水素(HC)やCOなどの還元物
質の酸化反応を同じ触媒上で、低減する方法が用いら
れ、NOxやCO、HC排出量の削減に大きな役割を果
たしてきた。しかし、内燃機関のより高い効率を目指し
て、燃料が希薄な条件で燃焼させる方式、例えばリーン
バーンエンジンやGDIエンジンが用いられるようにな
ってくると、NOxを還元するだけのHCやCOが常時
供給できなくなった。そこで、炭酸バリウム(BaCO
3)などのアルカリ土類金属化合物やカリウムなどのア
ルカリ金属を含む化合物をNOx吸収物質として用い、
一時的にNOxを貯蔵しておき、1〜2分ごとに還元剤
を投与したり、リッチな運転モードにしてHCやCOを
供給して、貯蔵されていたNOxを還元処理するという
方法が用いられるようになった。
などの排ガス浄化触媒を長期間使用していると、ガソリ
ンや軽油あるいは天然ガスなどに含まれるイオウ化合物
が3元触媒やNOx吸収物質に付着して硫酸塩化し、触
媒性能が著しく低下するという問題点があった。特に、
NOx吸収物質はアルカリ性であるために、酸性物質で
あるイオウ酸化物を吸収して安定化しやすく、このため
にNOx吸収能力が大きく変化するので、リッチな運転
モードにするタイミングやイオウ被毒から再生させるタ
イミングを予測することが難しいなどの問題点があっ
た。
る手段として、600℃以上に加熱した状態で還元剤を
投与し、硫酸塩を還元して二酸化イオウに変換して排出
するという方法が用いられていた。
収物質を用いた排ガス浄化装置が開示されているが、図
3は同公報における触媒のイオウ被毒の再生を含めた従
来のイオウ被毒再生の作用を示す模式図であり、図3で
は一般的な3元触媒をモデルにして示している。図にお
いて、1はイオウ被毒の少ない触媒粒子、2はイオウ被
毒の著しい触媒粒子、3は担体であり、イオウ被毒して
いる触媒粒子1、2表面にCO、水素あるいはHC(ハ
イドロカーボン)が接触した場合にのみ、イオウ化合物
をSO2やSO3に還元除去することができる。しかし、
イオウ被毒の著しい触媒粒子2のようにイオウ被毒して
いる触媒表面は、イオウ被毒によってその触媒作用が著
しく低下しており、また物理的にも、触媒粒子表面をイ
オウ化合物が覆っているために、CO、水素あるいはH
Cが触媒粒子と接近することが容易ではなく、従って、
CO、水素あるいはHCの濃度を著しく高める、あるい
は温度を高めて反応速度を速めるなどの必要があった。
さらに、触媒粒子表面へのイオウ被毒の吸着が多くなる
と、もはや還元して除去することはできなかった。イオ
ウ被毒の再生のために温度を高くしすぎると、触媒粒子
の粒径が増大したり、担体が変質するなど回復不能な劣
化に結びつく恐れがある。また還元剤の過剰な添加は、
燃費の低下をまねくことになる。NOx吸収触媒やHC
吸着触媒などを用いた場合にも同様の問題があった。
排ガス浄化触媒およびそのイオウ被毒の再生方法は、同
じ触媒粒子の上で、CO、水素あるいはHCの酸化反応
と触媒に吸着したイオウ化合物の還元反応を同時に行わ
せるので、気相にHC、CO、水素などの還元剤が高濃
度で存在し、しかも高温を長時間保つ必要があった。ま
た、イオウ被毒が進んでイオウ化合物が触媒粒子を覆っ
てしまうと、HC、CO、水素などの還元剤が触媒粒子
に近づくことができず、イオウ被毒再生をすることがで
きなくなるなどの問題点があった。
するためになされたものであり、従来の排ガス浄化触媒
のように、イオウ被毒再生について、単に化学的に触媒
反応させるのではなく、電気化学的にイオウ化合物の還
元反応とHC、CO、水素などの還元剤の酸化反応とを
進めるものである。
元反応を電気化学的に行う『電気化学触媒』について
は、本出願人から出願された特開平10−270055
号公報に開示されている。また『電気化学触媒』を用い
て燃料電池のCO被毒耐久性を高める方法が、やはり本
出願人から出願された特開平10−270056号公報
に開示されている。本発明は、基本的には、この『電気
化学触媒』を排ガス浄化触媒およびイオウ被毒の再生方
法に応用したものである。
ス浄化触媒は、金属触媒を担体Aに担持した触媒Aと、
電子伝導性物質と、イオン伝導性物質とを含む混合物を
担体Bに塗布してイオウ被毒を再生するものである。
属触媒を担体Aに担持した触媒Aと、イオン伝導性物質
とを含む混合物を電子伝導体からなる担体Bに塗布して
イオウ被毒を再生するものである。
記第1または第2の排ガス浄化触媒において、ペレット
状に成形されているものである。
記第2の排ガス浄化触媒において、混合物が電子伝導体
を含有するものである。
は、金属触媒を担体Aに担持した触媒Aと、電子伝導性
物質と、イオン伝導性物質とを含む混合物を担体Bに塗
布してなる排ガス浄化触媒を、加熱手段によって一時的
に上昇させ、上記触媒Aに吸着したイオウ化合物の還元
反応と還元剤の酸化反応を、上記電子伝導性物質を介し
て電子を移動させるとともに、上記イオン伝導性物質を
介してイオンを移動させて、電気化学的に行うものであ
る。
は、金属触媒を担体Aに担持した触媒Aと、イオン伝導
性物質とを含む混合物を電子伝導体からなる担体Bに塗
布してなる排ガス浄化触媒を、加熱手段によって一時的
に上昇させ、上記触媒Aに吸着したイオウ化合物の還元
反応と還元剤の酸化反応を、上記電子伝導性物質を介し
て電子を移動させるとともに、上記イオン伝導性物質を
介してイオンを移動させて、電気化学的に行うものであ
る。
の実施の形態を説明する。 実施の形態1.図1は、本実施の形態1に用いられてい
る排ガス浄化触媒とイオウ被毒再生の作用を示す模式図
である。図において、1はイオウ被毒の少ない触媒粒
子、2はイオウ被毒の著しい触媒粒子、3は触媒粒子用
担体、4は電子伝導物質B、5はイオン伝導物質Dであ
る。触媒粒子1および2を担体3に担持して触媒Aを構
成しており、さらに触媒A、電子伝導物質B4およびイ
オン伝導物質D5の混合物が図示していないセラミック
ス製のハニカムなどの混合物用担体に塗布されている。
また、図中の矢印は電子の流れと酸素イオンの流れおよ
び反応物と生成物の流れを示している。触媒粒子1およ
び2は同一の金属触媒であり、触媒粒子1および2の符
号はイオウ被毒の程度が少ないものと著しいものとを区
別している。
導性物質D5を混合することによって、触媒粒子1と触
媒粒子2との間におけるイオンの伝達と電子の伝達の双
方が可能になる。CO、水素やHCなどの還元剤の電気
化学的酸化反応は、これらのガスが吸着可能なイオウ被
毒の少ない触媒粒子1で起こり、硫酸塩などのイオウ化
合物の電気化学的還元反応は主としてイオウ被毒の著し
い触媒粒子2で起こり、酸素イオンはイオン伝導性物質
D5、電子は電子伝導性物質B4を通って、酸化還元反
応が進行する。CO、水素あるいはHCなどの還元剤の
電気化学的酸化反応と硫酸塩などのイオウ化合物の電気
化学的還元反応が異なる触媒粒子で起こることが可能で
あり、この効果は極めて大きい。
子1における還元剤の電気化学的酸化反応と、イオウ被
毒の著しい触媒粒子2におけるイオウ化合物の電気化学
的還元反応というように役割分担が可能になり、従来、
触媒表面がイオウ化合物に覆われて還元剤が触媒表面に
到達できないようなイオウ被毒の著しい触媒粒子2も再
生させることが可能である。
ば、どの触媒粒子とも、電気化学的酸化還元反応を進行
させることができる。すなわち、複数の還元触媒粒子と
複数の酸化触媒粒子が、からまった電子伝導性物質Bと
イオン伝導性物質Dの混合物を介してネットワークのよ
うに連絡し、さまざまなルートを通って反応が進む。
剤の酸素イオンをイオン伝導体とした電気化学的酸化反
応については、酸化還元電位など詳細なことは分からな
いが、およそ下記式(1)〜(5)のような反応になる
と推定される。
には、下記式(6)〜(10)のような反応になると推
定される。
酸化反応との酸化還元電位の差が駆動力になって、電池
をショートさせたように酸化還元反応が起こると考えら
れるが、例え、標準酸化還元電位が逆転しているような
場合でも、反応物や生成物の濃度の違いが酸化還元電位
を変化させるので、酸化還元反応を進行させるための駆
動力となりうる。
としては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)があ
り、500℃以上で高い酸素イオン伝導率が得られる
が、さらに低温で酸素イオンを伝導する物質として、セ
リア系酸化物、とりわけSm2O3を固溶させたセリア酸
化物(SDC)は、400℃程度でも高い酸素イオン伝
導率を示すことが知られている。いずれのイオン伝導物
質でも温度が上昇するとイオン伝導性が著しく改善され
る。しかし、排ガス触媒を長時間高温に保つには、余分
の燃焼エネルギや電気ヒータの電力を必要とするととも
に、触媒微粒子の粒径増大などを引き起こし、触媒性能
の劣化につながる恐れがある。
をそれぞれ加える方法以外に、両方の伝導性を備えた固
体電解質を用いてもよい。電子伝導性およびイオン伝導
性を有する固体電解質として、例えば特開平8−332
342号公報に開示されているようなペロブスカイト型
セラミックスがあり、排ガス浄化用触媒の動作温度と雰
囲気で使用することができる。また、イオン伝導体と電
子伝導体の複合材を用いても良く、例えば特開平10−
255832号公報に開示されているようなイオン伝導
体La1-xSrxGa1-yMgyO3(0.05<x<0.
3、0.1<y<0.3)と電子伝導体La1-xSrxM
nO3(0.05<x<0.3)の複合材を用いること
ができる。これらの固体電解質のイオン伝導は主として
酸素イオンが受け持っているが、より低温で動作する固
体電解質型燃料電池を目指して、プロトン伝導と酸素イ
オン伝導の両方を兼ね備えた固体電解質が検討されてお
り、このような電解質を用いることもできる。いずれの
場合も温度が上昇するとイオン伝導性が著しく改善され
る。
用いられている排ガス浄化用触媒とイオウ被毒再生の作
用を示す模式図である。図において、6は金属ハニカム
であり、上記実施の形態1との相異は、電子伝導物質の
代わりに金属ハニカム6を用い、金属ハニカム6が電子
の伝達を担うようにしている点である。
ムに比べて薄くて強度が保てるので、圧力損失が少なく
てすむ。また、熱伝導が良いなどのメリットがあり、従
来のコージェライトなどのセラミックス製ハニカムに代
わる材料として排ガス浄化用触媒がコーティングされ、
自動車用マフラーに組み込まれて使用されている。例え
ば、特開平5−301048号公報には、自動車排ガス
触媒に用いられる金属ハニカムが記載されている。
し、この混合物を金属ハニカム6に塗布することで、実
施の形態1の場合と同様に、触媒粒子1と触媒粒子2と
の間におけるイオンの伝達と電子の伝達の双方が可能に
なる。この場合でも、電子とイオンが届く位置にあれ
ば、どの触媒粒子とも、電気化学的酸化還元反応を進行
させることができる。すなわち、複数の還元触媒粒子と
複数の酸化触媒粒子が、からまったイオン伝導性物質D
5と低い電子伝導抵抗でつながっている金属ハニカム6
とを介してネットワークのように連絡し、さまざまなル
ートを通って反応が進む。この様子は、電極基材に、触
媒と電解質との混合物を塗布した状態と似ており、この
ような構造で用いられている燃料電池や各種のバッテリ
ーの場合と同様に、触媒粒子1、2と金属ハニカム6と
の間の連絡はイオン伝導性物質D5(固体電解質)を介
して充分に得られる。
などの電子伝導物質を用いたり、ニッケルなどの金属を
上記混合物中に電子伝導物質として添加してもよく、電
子伝導性がより高められる効果がある。
オン伝導物質として酸素イオン伝導物質の他、プロトン
伝導物質あるいは炭酸イオン伝導物質を用いてもよく、
いずれの場合も本実施の形態と同様に、一時的な加熱に
よってイオン伝導性が飛躍的に上昇し、イオウ被毒再生
のための電気化学反応が加速される。
よって排気ガスを加熱する方法について示したが、排ガ
ス浄化触媒そのものを電気ヒータなどの手段や燃焼熱な
どによって加熱してもよい。
セラミクス製のハニカムもしくは金属製のハニカムの場
合を示したが、アルミナ粒子に触媒粒子を担持した後、
ペレット状に成形したり、ハニカム以外の形状の担体や
多孔質な担体に塗布して排ガス浄化触媒を形成してもよ
く、同様の効果が得られる。
エンジンやGDIエンジンの排ガスを対象にした場合を
示したが、ディーゼルエンジンやガスエンジン、ガスタ
ービンなどの排気ガスの浄化にも適用できることは明ら
かである。
ムおよび金属性のハニカムに担持して、上記実施の形態
1および2の構成で排ガスを処理した場合の実施例と比
較例をもって、本発明の効果を説明する。
媒Aの調整を次のように行った。まず、アルミナ粉末5
00gに酢酸バリウム水溶液を含浸させ、110℃で3
時間乾燥した後、500℃で1時間焼成し、アルミナ1
kgあたりBaの担持量が2モルのBa担持アルミナ粉
末を得た。
ウム水溶液に15分間浸漬し、濾過した後、110℃で
3時間乾燥し、炭酸バリウムが担持されたアルミナ粉末
を作製した。
末にジニトロジアミン白金硝酸水溶液を含浸させ、11
0℃で3時間乾燥した後、さらに250℃で2時間乾燥
して白金を担持し触媒Aを調整した。白金の担持量は、
炭酸バリウムが担持されたアルミナ粉末1kgあたり、
20gであった。
ニカムを用いた上記実施の形態1の具体例である。
てイットリア安定化ジルコニア(ZrO2−Y2O3)の
粉末20gおよびニッケル微粉末20gを混合し、混合
粉末を作製した。
インダとしてキャスタパルD(ビスタケミカル社製)を
用いてスラリー化し、このスラリーをウオッシュコート
法によってコージェライト製のセラミクスハニカムにコ
ーティングし、250℃で乾燥した後、600℃で20
分間焼成してコート層を形成し、排ガス浄化触媒を作製
した。
え、固体電解質としてイットリア安定化ジルコニア(Z
rO2−Y2O3)の粉末20gおよびニッケル微粉末2
0gを混合し、混合粉末を作製した。
インダとしてキャスタパルD(ビスタケミカル社製)を
用いてスラリー化し、このスラリーをウオッシュコート
法によってコージェライト製のセラミクスハニカムにコ
ーティングし、250℃で乾燥した後、600℃で20
分間焼成してコート層を形成し、排ガス浄化触媒を作製
した。なお、触媒Aの塗布量が実施例と同程度になるよ
うに調整した。
験]上記実施例1および比較例1の排ガス浄化触媒を設
置し、イオウ含有排ガス模擬ガスを用いてNOx除去試
験を行った。また、比較例の触媒についても同様の試験
を実施した。イオウ含有排ガス模擬ガスとしては、二酸
化イオウを300ppm、NOを500ppm、HC2
000ppm、COを0.6%、酸素を0.4%、水蒸
気を10%、二酸化炭素を10%含む混合ガスを用い
た。
をそれぞれ排ガス通気評価用の収納容器に入れ、排ガス
温度を300℃に保ち、1日7時間、延べ10日間、ト
ータル70時間の連続排ガス浄化試験を実施した。NO
x浄化率は、それぞれ初期の3分の1以下の能力にまで
低下した。その後、電気ヒータによって排ガスを500
℃に10分間昇温した後、同じイオウ含有排ガス模擬ガ
スを供給して、再びNOx浄化率を測定した。その結
果、比較例1の触媒の場合には、3分の2の能力にまで
しか再生しなかったのに対して、実施例1の触媒の場合
はほぼ90%の能力にまで回復した。さらに、それぞれ
分解して触媒に残存しているイオウの定量分析を行った
所、実施例1の触媒のイオウ残存量が、比較例1の触媒
に比べて圧倒的に少ないことが判明した。これらの結果
により、本発明の実施の形態1の排ガス浄化触媒および
そのイオウ被毒再生方法の効果が実証された。
を用いた上記実施の形態2の具体例である。
てイットリア安定化ジルコニア(ZrO2−Y2O3)の
粉末20gおよびニッケル微粉末20gを混合し、混合
粉末を作製した。
インダーとしてキャスタパルD(ビスタケミカル社製)
を用いてスラリー化し、このスラリーをウオッシュコー
ト法によってFe−Al−Cr合金製の金属ハニカムに
コーティングし、250℃で乾燥した後、600℃で2
0分間焼成してコート層を形成し、排ガス浄化触媒を作
製した。
水に加え、固体電解質としてイットリア安定化ジルコニ
ア(ZrO2−Y2O3)の粉末20gおよびニッケル微
粉末20gを混合し、混合粉末を作製した。
インダーとしてキャスタパルD(ビスタケミカル社製)
を用いてスラリー化し、このスラリーをウオッシュコー
ト法によってFe−Al−Cr合金製の金属ハニカムに
コーティングし、250℃で乾燥した後、600℃で2
0分間焼成してコート層を形成し、比較例のハイガス浄
化触媒とした。なお、触媒Aの塗布量が実施例と同程度
になるように調整した。
例2および比較例2の排ガス浄化触媒を、実施例1の触
媒の場合と同様の試験を実施した。
をそれぞれ排ガス通気評価用の収納容器に入れ、排ガス
温度を300℃に保ち、1日7時間、延べ12日間、ト
ータル84時間の連続排ガス浄化試験を実施した。NO
x浄化率は、それぞれ初期の3分の1以下の能力にまで
低下した。その後、電気ヒータによって排ガスを500
℃に10分間昇温した後、同じイオウ含有排ガス模擬ガ
スを供給して、再びNOx浄化率を測定した。
合には、3分の2の能力にまでしか再生しなかったのに
対して、実施例2の排ガス浄化触媒の場合はほぼ90%
の能力にまで回復した。
残存しているイオウの定量分析を行った所、実施例2の
排ガス浄化触媒のイオウ残存量は、比較例2の排ガス浄
化触媒に比べて圧倒的に少ないことが判明した。これら
の結果により、本発明の実施の形態2の排ガス浄化触媒
およびそのイオウ被毒再生方法の効果が実証された。
び第1のイオウ被毒の再生方法によれば、金属触媒を担
体Aに担持した触媒Aと、電子伝導性物質と、イオン伝
導性物質とを含む混合物を担体Bに塗布してイオウ被毒
を再生するものであるので、還元剤の電気化学的酸化反
応がイオウ被毒の少ない金属触媒で起こり、イオウ化合
物の電気化学的還元反応がイオウ被毒の著しい金属触媒
で起こるという役割分担が可能になり、従来、触媒表面
がイオウ化合物に覆われて還元剤が触媒表面に到達でき
ないようなイオウ被毒の著しい金属触媒も再生させるこ
とが可能になる。
第2のイオウ被毒の再生方法によれば、金属触媒を担体
Aに担持した触媒Aと、イオン伝導性物質とを含む混合
物を電子伝導体からなる担体Bに塗布してイオウ被毒を
再生するものであるので、還元剤の電気化学的酸化反応
がイオウ被毒の少ない金属触媒で起こり、イオウ化合物
の電気化学的還元反応がイオウ被毒の著しい金属触媒で
起こるという役割分担が可能になり、従来、触媒表面が
イオウ化合物に覆われて還元剤が触媒表面に到達できな
いようなイオウ被毒の著しい金属触媒も再生させること
が可能になる。
ば、ペレット状に成形されているものであるので、種々
の形状の構造に対応可能である。
ば、混合物が電子伝導体を含有するものであるので、電
気化学反応における電子の伝達がよりよく行われ、排ガ
ス浄化触媒の特性がより向上する。
被毒再生の作用を示す模式図である。
被毒再生の作用を示す模式図である。
作用を示す模式図である。
しい触媒粒子、3 担体、4 電子伝導物質、5 イオ
ン伝導物質、6 金属ハニカム。
Claims (6)
- 【請求項1】 金属触媒を担体Aに担持した触媒Aと、
電子伝導性物質と、イオン伝導性物質とを含む混合物を
担体Bに塗布してイオウ被毒を再生することを特徴とす
る排ガス浄化触媒。 - 【請求項2】 金属触媒を担体Aに担持した触媒Aと、
イオン伝導性物質とを含む混合物を電子伝導体からなる
担体Bに塗布してイオウ被毒を再生することを特徴とす
る排ガス浄化触媒。 - 【請求項3】 ペレット状に成形されていることを特徴
とする請求項1または2記載の排ガス浄化触媒。 - 【請求項4】 混合物が電子伝導体を含有することを特
徴とする請求項2記載の排ガス浄化触媒。 - 【請求項5】 金属触媒を担体Aに担持した触媒Aと、
電子伝導性物質と、イオン伝導性物質とを含む混合物を
担体Bに塗布してなる排ガス浄化触媒を、加熱手段によ
って一時的に上昇させ、上記触媒Aに吸着したイオウ化
合物の還元反応と還元剤の酸化反応を、上記電子伝導性
物質を介して電子を移動させるとともに、上記イオン伝
導性物質を介してイオンを移動させて、電気化学的に行
うことを特徴とするイオウ被毒の再生方法。 - 【請求項6】 金属触媒を担体Aに担持した触媒Aと、
イオン伝導性物質とを含む混合物を電子伝導体からなる
担体Bに塗布してなる排ガス浄化触媒を、加熱手段によ
って一時的に上昇させ、上記触媒Aに吸着したイオウ化
合物の還元反応と還元剤の酸化反応を、上記電子伝導性
物質を介して電子を移動させるとともに、上記イオン伝
導性物質を介してイオンを移動させて、電気化学的に行
うことを特徴とするイオウ被毒の再生方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33113899A JP3757089B2 (ja) | 1999-11-22 | 1999-11-22 | 排ガス浄化触媒のイオウ被毒の再生方法 |
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JP (1) | JP3757089B2 (ja) |
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1999
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