JP2001145306A - リード線を備える小型モータ及び製造方法 - Google Patents

リード線を備える小型モータ及び製造方法

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JP2001145306A
JP2001145306A JP32259599A JP32259599A JP2001145306A JP 2001145306 A JP2001145306 A JP 2001145306A JP 32259599 A JP32259599 A JP 32259599A JP 32259599 A JP32259599 A JP 32259599A JP 2001145306 A JP2001145306 A JP 2001145306A
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lead wire
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wire
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JP32259599A
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English (en)
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Keisuke Sakane
啓介 坂根
Hiroshi Adachi
浩 足立
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リード線を端子に接続するにあたり、半田付
け工法でなく、半田付け工法やヒュージング工法と同等
以下の接続領域・作業領域を実現でき且つ生産性に優れ
た結線構造とする。 【解決手段】 端子4401は、リード線4601の芯
線4611に係合するガイド部4421と、ガイド部に
隣接する突起部4431とを有し、リード線の芯線を端
子のガイド部に係合したのち、端子の突起部を加熱溶融
してリード線と接続した。また端子は、ガイド部442
1に加え、さらにリード線4601の本体寄りの部分と
係合する前ガイド部4411を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は小型モータに係り、
詳しくはその端子とリード線との接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から小型モータの端子にリード線を
接続するには、コネクタによる方法、直接に接続する方
法などを用いる。コネクタによる方法は挿抜可能である
などの利点があるが、接続に要するスペースが大きい。
したがって小型であることを要求される種類のモータで
は直接接続方法によるのが一般的である。すなわち、半
田付けによる方法や、ヒュージングによる方法、スポッ
ト溶接による方法などである。たとえばスポット溶接に
よってリード線をブラケットの端子に接続したものは、
特公平6−95816号公報に実施例がある。
【0003】図10にその実施例を引用して説明する。
図において、リード線55の先端とピン本体27とが直
交して重合する部分に電極を当ててスポット溶接し接合
されている。また、端子台50上に電源コード56が配
設され、その先端部分がピン本体27と直交するように
仮止めされ、スポット溶接により接合されている。
【0004】このようにスポット溶接は多様な部品を簡
単に接合できるのでよく用いられるが、重合する部分を
両側から電極で挟んで加圧することが必要である。その
ため、そのスペースが必要であるので、小型化されてそ
のスペースが確保できなくなった場合には適用できな
い。
【0005】またもう一つの方法であるヒュージングに
よってリード線を接合したものは、特開平5−1681
87号公報が参考になる。これを図11に示す。図にお
いて、(a)はマグネットワイヤ1とリード線の芯線2
をからげたものをスリーブ4に挿入し、抵抗溶接機の電
極5に挟んだ状態を表わす。これを(b)のように所定
の圧力を加えながら電極5間に所定の電流を流すと、ス
リーブ4の抵抗によるジュール熱でスリーブ4とマグネ
ットワイヤ1の絶縁皮膜が軟化する。そしてスリーブ4
を押し潰すとこれらの部材が接合できる。この明細書に
ヒュージングという用語は用いられていないが、この技
術内容はヒュージングの特徴を有している。スポット溶
接では電極や部材の接触部でスパークが飛び散ることが
あるが、このヒュージングではジュール加熱で皮膜が軟
化する温度まで加熱するだけだからスパークによる汚染
はない。しかしこのヒュージング工法も部材を電極で挟
んで加圧する必要があるから、スポット溶接と同様のス
ペースが必要である。したがってスペースのない小型高
密度モータには向かない。
【0006】これらスポット溶接やヒュージング工法に
比べ、むしろもう一方の半田付け工法の方が、小型精密
モータに適用しやすい。しかし端子部の半田付け接続に
おいては、リード線端末の形状が不定である。そのため
印刷配線基板での半田付けとは違って半田の量をコント
ロールし難く、接続領域を常に微小に保つことは困難で
ある。また環境汚染問題を考えると、半田の使用量の少
ない接続方法への転換を進めることが我々生産者に対す
る社会的要請である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この半田を用いずに接
続する方法のひとつとして、アーク溶接工法が古くから
行われてきた。リード線の接続に関する例は発見できな
かったが、整流子と巻線とを接続するものは、たとえば
特開昭55−23715号公報に説明されている。図1
2にそれを示す。これは機関用始動電動機など中・大型
のモータにおける発明である。図にあるように、整流子
片9500の外周面に巻線の端末9600を保持冶具9
700で押さえつけながら、巻線端末の先端に溶接ヘッ
ド9800を近接させてアーク放電を生じさせ、溶融接
続している。このようにアーク溶接工法は、中大型モー
タにおいてはよく用いられてきた。
【0008】このアーク溶接法であれば半田を用いない
から環境汚染の心配はなく、且つ接続領域を小さくでき
る可能性がある。しかし、溶接部分の周辺が非常な高温
になること、それによって周辺の部材の変質・汚染が生
じることが、低電圧、低電流で高精度の回転を求める小
型モータへの適用を困難にしていた。またもともと中大
型機械向きの工法であるから、小型精密部品で溶接する
領域や溶接品質を精密にコントロールする技術に欠けて
いた。
【0009】以上説明したようにリード線を端子に接続
するにあたり、半田付け工法でなく、半田付け工法やヒ
ュージング工法と同等以下の接続領域・作業領域を実現
でき且つ生産性に優れた結線構造が望まれていた。アー
ク溶接工法がその代案となり得るが、超小型精密モータ
に適するものではなかった。したがってこの従来のアー
ク溶接における諸問題を解決し小型精密モータに適した
接合構造を案出して、半田レス接合でありながら高品質
高信頼性の小型モータを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の小型モータは、外部機器と接続するためのリ
ード線と、リード線を接続する金属製の端子とを備え、
端子は、リード線の芯線に係合するガイド部と、ガイド
部に隣接する突起部とを有し、リード線の芯線を端子の
ガイド部に係合したのち、端子の突起部母材を加熱溶融
してリード線と接続した。また、端子はリード線の芯線
に係合するガイド部を有し、リード線の芯線を端子のガ
イド部に係合したのち、ガイド部の母材の芯線近傍を加
熱溶融してリード線と接続した。また、端子はリード線
の芯線に係合するガイド部を有し、リード線の芯線を端
子のガイド部に係合させるとともに突出させ、突出させ
た芯線を加熱溶融して端子と接続した。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に係る発明は、 a)モータを外部機器と接続するためのリード線と、リ
ード線を接続する金属製の端子とを備え、 b)端子は、リード線の芯線に係合するガイド部と、ガ
イド部に隣接する突起部とを有し、 c)リード線の芯線を端子のガイド部に係合したのち、
端子の突起部を加熱溶融してリード線と接続してなる、
小型モータである。溶融させる突起部を加熱する熱量が
小さく、周囲を変形変質させない。アーク放電する突起
部の形状は常に一定であるから接合品質を高い状態に維
持できる。
【0012】本発明の請求項2に係る発明は、 a)モータを外部機器と接続するためのリード線と、リ
ード線を接続する金属製の端子とを備え、 b)端子は、リード線の芯線に係合するガイド部を有
し、 c)リード線の芯線を端子のガイド部に係合したのち、
ガイド部の母材の芯線近傍を加熱溶融してリード線と接
続してなる、小型モータである。芯線の直近を溶融する
から溶融接続の信頼性が高く、また小さい領域で接合で
きる。母材という用語は、スポット溶接やヒュージング
のように相接触する部材の接触面のみを溶融するのでは
ない、という意で用いた。
【0013】本発明の請求項3に係る発明は、端子はそ
の軸方向端面にアーク溶接のアース電極を接続できる金
属露出部を備えた、請求項1または2に記載の小型モー
タである。軸方向端面にとは、端子を組み込んだ組立体
の基準面に対して垂直に、の意である。この方向であれ
ばアース電極を接続する作業が容易であり、組立自動化
など組み立て作業性を向上できる。
【0014】本発明の請求項4に係る発明は、 a)モータを外部機器と接続するためのリード線と、リ
ード線を接続する金属製の端子とを備え、 b)端子はリード線の芯線に係合するガイド部を有し、 c)リード線の芯線を端子のガイド部に係合させるとと
もに突出させ、突出させた芯線を加熱溶融して端子と接
続してなる、小型モータである。リード線そのものを溶
融するから端子は最小限の大きさで済む。
【0015】本発明の請求項5に係る発明は、リード線
にはさらに、アーク溶接のアース電極を接続できる、芯
線を露出した部分を備えた請求項4に記載の小型モータ
である。アース電極をリード線に接続すればよいから端
子にアース電極を接続する場所を必要としない。
【0016】本発明の請求項6に係る発明は、端子は、
ガイド部に加え、さらにリード線の本体寄りの部分と係
合する前ガイド部を備える請求項1、2、4のいずれか
1項に記載の小型モータである。前ガイド部で外力を支
持できてリード線に加わる外力が接合部に加わることを
軽減できる。
【0017】本発明の請求項7に係る発明は、端子は、
ガイド部に加え、さらにリード線の芯線先端寄りの部分
と係合する後ガイド部を備える、請求項1または2記載
の小型モータである。リード線芯線と突起部との近接部
位を増加させて接合領域を増大できる。
【0018】本発明の請求項8に係る発明は、端子には
さらにブラシが接続されている請求項1、2、4のいず
れか1項に記載の小型モータである。ブラシに近接する
部位で半田付けするとき発生するフラックスがなく、ブ
ラシ整流子装置の品質が向上する。
【0019】本発明の請求項9に係る発明は、端子には
さらに巻線コイル端末が接続されている請求項1、2、
4のいずれか1項に記載の小型モータである。省スペー
スで信頼性の高いリード線接続ができ、ブラシレスモー
タの高密度化・信頼性向上が図れる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を参照して
説明する。
【0021】(実施例1)図1は本発明の実施例に係る
モータの構造断面図である。図2はそのブラケット組立
体であり、(a)は平面図、(b)は側面断面図であ
る。図3はさらにそのなかのブラシ基台(端子)にリー
ド線を接続する部分の構造を説明する図であり、(a)
はその平面図、(b)はリード線(点線で表わしてい
る)方向から見た側面図である。この図はアーク溶接を
行う前の状態を表わしている。図4はそのブラシ基台の
突起部をアーク溶接を行って溶解する工程を説明する概
念図である。図5はその工程によって突起部が溶解さ
れ、リード線との接合が完了した状態を示す側面図であ
る。
【0022】図1においてモータは、回転子(回転部分
全体)と固定子(非回転部分全体)とで構成されてい
る。回転子は、シャフト1100、コア1200、イン
シュレータ1300、1400、巻線1500、整流子
2000などで構成されている。一方固定子は、フレー
ム3100、マグネット3200、上軸受3300から
なるフレーム組立体と、ブラケット4100、樹脂製ホ
ルダ4200、下軸受4300、ブラシ基台4401、
ブラシ4500などからなるブラケット組立体とで構成
されている。
【0023】本発明はブラケット組立体の製造方法に関
わるので、ブラケット組立体の構造について説明する。
図2はそのブラケット組立体で、図2(a)は平面図、
図2(b)は側面断面図である。図2(b)において、
ブラケット4100は金属製の円板であって、それに複
雑な形状の樹脂製ホルダ4200が一体的に成形されて
いる。またブラケット4100の中央には下軸受430
0が嵌め込んである。図2(a)において、樹脂製ホル
ダ4200には2つのブラシ基台4401(請求項でい
う端子に相当する)が回転対称な位置に取り付けてあ
る。またこの図には図1で描けなかった2本のリード線
4601が示されている。その一本を見ると、一端はブ
ラシ基台4401に接続され、樹脂製ホルダ4200の
複雑な経路を通って外部に引き出されている。そして、
ブラシ基台4401にはブラシ4500が中央に向かっ
て取り付けられ、ブラシ4500にはさらに防振ゴム4
700が貼り付けてある。
【0024】図3を用い、発明の主要部である、ブラシ
基台4401とリード線4601との接続部分の構造を
説明する。図3(a)でわかるようにブラシ基台440
1は線対称に作られていてその片側にリード線4601
を接続するようになっている。リード線4601の芯線
4611は、図3(b)に示したようにまずブラシ基台
4401の前ガイド部4411に係合し、次いで図3
(a)のように折り曲げられて図3(b)のガイド部4
421に係合する。本実施例ではガイド部は略U字形状
である。このガイド部4421の側には隣接して突起部
4431が設けられている。そして突起部4431は芯
線4611の側に少し傾いていて、溶融したとき芯線4
611を覆うようになっている。このような状態に位置
決めしたのち、次の溶接工程に進む。
【0025】図4はその溶接工程を説明する図である。
図では上に説明したブラシ基台4401のみを描いてい
るが、実際にはブラケット組立体の状態で位置決め台に
載せる。そして溶接装置のスタートスイッチを押すと、
ワーククランパ(図示せず)がワークを固定し、アース
電極7101が下方から上昇してブラシ基台4401の
下端部に接触する。さらに溶接ヘッド7201が斜め上
方から突起部4431へ向かって接近してくる。この溶
接ヘッド7201はタングステンなどを用いた非消耗電
極である。そしてその電極はガスノズル7301の中央
から先端を覗かせている。噴出させるガス7600はア
ルゴンなどの不活性ガスであって、溶接母材である突起
部4431の周囲を不活性ガス雰囲気で被包する。いわ
ゆるTIG溶接と呼ばれる方式の装置を構成している。
この状態でアーク放電が行われ、瞬時にして突起部44
31の先端が溶融する。そして溶けた母材がガイド部4
421に係合されているリード線4601の芯線461
1を包み込み、接合が完了する。このとき芯線4611
の表面も溶融し、両者は互いに溶け合いながら接合して
いる。
【0026】図5はこのように行われた溶接接合部の詳
細を示す側面図である。このように、突起部4431
(図示せず)が加熱溶融され、リード線4601の芯線
4611を包み込み接合している。
【0027】以上でリード線の接合が完了した。工程を
説明しなかったブラシ4500や防振ゴム4700は、
図2のようにあらかじめブラシ基台4401を樹脂製ホ
ルダ4200に取り付ける前に組み立てておくとよい。
リード線4601を樹脂製ホルダ4200の経路に嵌め
込む作業は、上記の溶接が行われる前でもよく、後でも
よい。このようにしてブラケット組立体ができ、それを
組み込んで図1のようなモータが完成する。そしてリー
ド線4601の外部側の芯線に給電するとモータは回転
する。
【0028】このように本実施例のモータにおいては、
端子(ブラシ基台4401)にリード線の芯線に係合す
るガイド部を設け、端子のガイド部近傍をアーク放電に
より加熱溶融してリード線の芯線と接続している。加圧
挟持ヘッドなどを必要とせず小さな領域で直接に接続で
きるから、モータを小型高密度化できる。半田材を用い
ることなく接続できるから、環境汚染を軽減したモータ
とすることができる。また、リード線の芯線を端子の凹
状のガイド部で位置決めする構造である。リード線の芯
線を凹状のガイド部に係合させるだけでよいから接合作
業は容易であり熟練を必要とせず、組立自動化など組み
立て作業性を向上できる。
【0029】また本実施例のモータにおいては、端子に
突起部を設け、それを溶融する構成を採っている。突起
部から端子本体に至る部分は細く熱伝導抵抗が大きいの
で、端子の全体を加熱することなく突起部のみが溶融す
るから、加熱エネルギーが小さくできて過度の温度上昇
を防止できる。母材の変質が全体に及ばないから、必要
なリード線保持強度を保つことができる。アーク放電す
る突起部の形状は常に一定であるから、アーク放電部位
は常に一定の安定した溶接状態に保つことができ、接合
品質を高い状態に維持できる。また、溶融させる突起部
は端子のガイド部に隣接して設けている。小さい体積の
突起でリード線の芯線と容易に溶融接合できるから、加
熱における熱量が小さく、周囲の変形変質が小さくて済
むので、小型高密度のモータを実現できる。
【0030】このような作用効果を発揮するためには、
突起部の形状は適切に決定されなければならない。考慮
すべき事項としては、突起部が放電電極と正しく対向す
ること、リード線と安定に接合できること、溶解後の高
さが所望の寸法限界に収まること、加熱温度が周囲に及
ばないよう最小限のエネルギーで溶接すること、などが
ある。本実施例のモータは外径が12mm程度の小さい
ものである。図2のようにその端子(ブラシ基台440
1)は熱可塑性樹脂(樹脂製ホルダ4200)によって
保持されているが、図をみればいかに小さく緻密な部分
を溶接しているかが理解できるであろう。この熱可塑性
樹脂の変形が生じないほどに加熱エネルギーは小さい。
【0031】また本実施例のモータにおいては、端子は
その軸方向端面にアーク溶接のアース電極を接続できる
金属露出部を備えている。軸方向とは、端子をブラケッ
ト組立体に装着したとき、ブラケット組立体の組立基準
面に対して垂直であることをいっている。この方向であ
れば図4のようにアース電極を接続する作業が容易であ
るから、接合作業は容易であり熟練を必要とせず、組立
自動化など組み立て作業性を向上できる。
【0032】また本実施例のモータにおいては、端子
は、ガイド部に加え、前ガイド部をリード線本体側に設
けている。そしてそこで外力を支持できるから、リード
線に加わる外力が接合部に加わることを軽減できて接合
部の信頼性がより向上する。接合部に過大な強度を要求
しないから、接続を確保するに足る最小限の領域を溶融
接合すればよく、最小限の加熱エネルギーで済み、周囲
を変形変質させない。なお本実施例では芯線を係合保持
したが、被覆されている部分を保持してもよい。
【0033】また本実施例のモータにおいては、端子に
はさらにブラシが接続されている。従来一般に使われて
いた半田付けであれば、ブラシに近接する部位で半田付
けするからフラックスによる汚染があるが、本発明では
それがなく、ブラシ整流子装置の品質が向上する。
【0034】(実施例2)つぎに、実施例1と類似であ
るが、端子形状を変更した他の実施例を説明する。図6
はその端子とリード線との接合構造、および溶接方法を
説明する図であり、(a)はその平面図、(b)はリー
ド線(点線で表わしている)方向から見た側面図に溶接
ヘッドを近接させた状態を示している。この図はアーク
溶接を行う前の状態を表わしている。
【0035】図に示すように、ブラシ基台4402(端
子)には前ガイド部4412とガイド部4422が設け
てある。リード線4602は図6(a)に示すように前
ガイド部4412に係合して屈曲し、ガイド部4422
に係合している。ガイド部4422は本実施例の場合芯
線4612の全周を取り巻く孔形状である。溶接ヘッド
7202はガイド部4422の芯線4612の真上に位
置している。溶接ヘッド7202直下にあるガイド部4
422の被溶融部4442はなだらかなR面となってい
て、溶接ヘッド7202に近接して溶融される位置のば
らつきが小さくなるようになされている。またその位置
は他の部分より比較的熱伝導抵抗が高い位置であって、
実施例1の突起部ほどではないが、溶融しやすい。ま
た、芯線の直上直近を溶融しているから溶融した母材は
必ず芯線を覆い、溶融接続の信頼性が高い。さらに突起
を設けるよりも小さい端子にでき、小さい領域で接合で
きる。ところで被溶融部4442はなだらかなR面とし
て溶融される位置のばらつきが小さくなるようにした
が、ワークおよび溶接ヘッドを正確に位置決めできる場
合はストレートな形状でも溶接品質を安定させることが
できる。
【0036】(実施例3)つぎに、端子にさらに変更を
加えた他の実施例を説明する。図7は、その端子とリー
ド線との接合構造を説明する図であり、(a)はその平
面図、(b)はリード線(点線で表わしている)方向か
ら見た側面図である。この図もアーク溶接を行う前の状
態を表わしている。
【0037】図7(b)でわかるように、ブラシ基台4
403(端子)には、前ガイド部4413、ガイド部4
423、突起部4433に加え後ガイド部4453が設
けられている。そして図7(a)に示すようにリード線
4603の芯線4613は、前ガイド部4413に係合
して屈曲し、ガイド部4423に係合して突起部443
3のまわりを経由し後ガイド部4453に係合してい
る。そして溶接工程で突起部4433を溶融させると、
その母材は周囲を囲む芯線4613と融合する。
【0038】このように本実施例のモータにおいては、
端子は、ガイド部に加え、後ガイド部をガイド部よりも
リード線先端側に設けている。リード線の芯線と突起部
との近接部位を増加させるから、接合領域を長さ方向に
増大できる。最小限の加熱エネルギーで大きな接合領域
を確保でき、且つリード線の断面積でみて母材の溶融量
が小さいので、接合部の信頼性が向上する。
【0039】(実施例4)つぎに、溶接母材を変更した
他の実施例を説明する。図8はその端子とリード線との
接合構造を説明する図であり、(a)はその平面図、
(b)はリード線(点線で表わしている)方向から見た
側面図、(c)はリード線と平行な方向から見た側面図
である。この図もまたアーク溶接を行う前の状態を表わ
している。
【0040】図8(b)でわかるように、ブラシ基台4
404(端子)にはガイド部4424が設けられてい
る。そして図8(c)に示すようにリード線4604の
芯線4614は、ガイド部4424に係合した後上方に
屈曲し延びている。上方にとは、端子およびリード線を
ブラケット組立体に装着してブラケット組立体を水平に
置き、溶解したリード線芯線が流動して端子と融合でき
るような姿勢・位置に置く状態をいっている。
【0041】そして溶接工程では、装置を図示しない
が、図8(c)においてリード線4604の芯線461
4の先端に溶接ヘッドを近接させ、リード線4604の
他端の外部側芯線4624にアース電極を接続する。こ
の状態でアーク放電させると、芯線4614が溶融して
ブラシ基台4404のガイド部4424と接合される。
【0042】このように本実施例のモータにおいては、
リード線の芯線を端子のガイド部に係合させるとともに
突出させ、突出させた芯線を加熱溶融して端子と接続し
ている。リード線そのものを溶融するから端子は特別に
設計する必要はなく、端子は最小限の大きさで済む。こ
の構造は特に小型のモータに向く。また端子のガイド部
およびリード線の係合部は部分的溶融に留まるから、変
質による強度低下は小さくて済み、結合強度の低下を防
止できる。
【0043】また本実施例のモータにおいては、リード
線にはさらに、アーク溶接のアース電極を接続できる、
芯線を露出した部分を備えている。アース電極をリード
線に接続すればよいから端子にアース電極を接続する場
所を必要とせず、特に小型のモータに向く。
【0044】(実施例5)さらに本発明をコイル巻線の
接続に適用した他の実施例を示す。図9はブラシレスモ
ータのステータ組立体である。(a)はその構造断面図
であり、(b)はその端子のみを抜き出した側面図であ
る。ブラシレスモータの全体構造は図示していない。
【0045】図9(a)においてステータ組立体は、ス
テータコア5100と、その両面を覆うインシュレータ
5200と、それに巻回されたコイル5300と、コイ
ルの端末を接続したいくつかのターミナルピン4405
(端子)と、ターミナルピンに接続されたリード線46
05とで構成されている。コイルの端末をモータの外部
と接続するにあたり、このようにリード線を用いる場合
がある。
【0046】このターミナルピン4405とリード線4
605とを接続する部分に本発明が用いられている。タ
ーミナルピン4405はその一端に実施例1で説明した
と同様の構造を持っている。すなわち図9(b)のよう
に、前ガイド部4415、ガイド部4425、突起部4
435が設けてある。そしてそれに、実施例1と同様に
リード線4605の芯線4615を係合させ、突起部4
435をアーク放電によって溶解して芯線4615と接
続する。
【0047】このように本実施例のモータにおいては、
端子にリード線と巻線コイル端末が接続されている。ブ
ラシ付きモータにおけるブラケット組立体もスペースが
小さいが、ブラシレスモータの巻線コイル端末部分もま
た限られたスペースで接続しなければならない。本発明
はこのような場合に好適であり、省スペースで信頼性の
高いリード線接続ができてブラシレスモータの高密度化
・信頼性向上が図れる。
【0048】なお、本実施例は巻線コイル端末とリード
線とを独立した工程で端子に接続したが、突出部に巻線
コイル端末を巻回し、その近傍にリード線の芯線を係合
させれば、巻線コイル端末とリード線を同一の工程で端
子に接続することもできる。また、端子には銅系合金を
用いるのがよい。2つの部材が溶融接合するにおいて界
面の接合強度が向上し、接合部の信頼性が向上する。
【0049】以上いくつかの実施例を説明したが、もと
より本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本
発明の主旨の範囲で様々に応用展開が可能である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、小
型モータの端子に突起部を設け突起部を加熱溶融してリ
ード線と接合したので、小さい加熱エネルギーで一定品
質の接続を行える。また端子にリード線を接続するにあ
たって、端子のガイド部近傍を加熱溶融して接続するよ
うにしたので、小さな領域で接合でき且つ信頼性が高
い。またリード線の芯線を突出させて加熱溶融したの
で、小さい領域で接合することができる。このように数
々の新手段を案出して従来のアーク溶接における諸問題
を解決し小型精密モータに適した接合構造としたから、
半田レス接合でありながら高品質高信頼性の小型モータ
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るモータの構造断面図
【図2】(a)本発明の実施例に係るブラケット組立体
の平面図 (b)同側面断面図
【図3】(a)ブラシ基台(端子)にリード線を接続す
る部分の平面図 (b)同リード線(点線で表わしている)方向から見た
側面図
【図4】ブラシ基台の突起部をアーク溶接を行って溶解
する工程を説明する概念図
【図5】突起部が溶解されリード線との接合が完了した
状態を示す側面図
【図6】(a)他の実施例の端子とリード線との接合構
造を説明する平面図 (b)同リード線方向から見た側面図および溶接ヘッド
位置を示す図
【図7】(a)さらに他の実施例の端子とリード線との
接合構造を説明する平面図 (b)同リード線方向から見た側面図
【図8】(a)さらに他の実施例の端子とリード線との
接合構造を説明する平面図 (b)同リード線方向から見た側面図 (c)同リード線と平行な方向から見た側面図
【図9】(a)さらに他の実施例のブラシレスモータの
ステータ組立体の構造断面図 (b)同端子のみを抜き出した側面図
【図10】従来例のスポット溶接によってリード線をブ
ラケットの端子に接続したものを示す図
【図11】他の従来例のヒュージングによってリード線
を接合したものを示す図
【図12】さらに他の従来例のアーク溶接工法によって
整流子と巻線とを接続するものを示す図
【符号の説明】
4401、4402、4403、4404、4405
ブラシ基台、ターミナルピン(端子) 4411、4412、4413、4415 前ガイド部 4421、4422、4423、4424、4425
ガイド部 4431、4433、4435 突起部 4442 被溶融部 4453 後ガイド部 4601、4602、4603、4604、4605
リード線 4611、4612、4613、4614、4615
芯線 4624 外部側芯線 7101 アース電極 7201、7202 溶接ヘッド 7301 ガスノズル 7600 不活性ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H613 AA01 BB16 BB24 GA05 GA12 KK07 PP03 5H615 AA01 BB01 BB04 BB14 PP01 PP26 QQ02 SS05 SS16

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータを外部機器と接続するためのリー
    ド線と、前記リード線を接続する金属製の端子とを備
    え、前記端子は、前記リード線の芯線に係合するガイド
    部と、前記ガイド部に隣接する突起部とを有し、リード
    線の前記芯線を端子の前記ガイド部に係合したのち、端
    子の前記突起部を加熱溶融して前記リード線と接続して
    なる小型モータ。
  2. 【請求項2】 モータを外部機器と接続するためのリー
    ド線と、前記リード線を接続する金属製の端子とを備
    え、前記端子は前記リード線の芯線に係合するガイド部
    を有し、リード線の前記芯線を端子の前記ガイド部に係
    合したのち、前記ガイド部の母材の前記芯線近傍を加熱
    溶融して前記リード線と接続してなる小型モータ。
  3. 【請求項3】 端子はその軸方向端面にアーク溶接のア
    ース電極を接続できる金属露出部を備えた請求項1また
    は2記載の小型モータ。
  4. 【請求項4】 モータを外部機器と接続するためのリー
    ド線と、前記リード線を接続する金属製の端子とを備
    え、前記端子は前記リード線の芯線に係合するガイド部
    を有し、リード線の前記芯線を端子の前記ガイド部に係
    合させるとともに突出させ、突出させた前記芯線母材を
    加熱溶融して前記端子と接続してなる小型モータ。
  5. 【請求項5】 リード線にはさらに、アーク溶接のアー
    ス電極を接続できる、芯線を露出した部分を備えた請求
    項4記載の小型モータ。
  6. 【請求項6】 端子は、ガイド部に加え、さらにリード
    線の本体寄りの部分と係合する前ガイド部を備える請求
    項1、2、4のいずれか1項に記載の小型モータ。
  7. 【請求項7】 端子は、ガイド部に加え、さらにリード
    線の芯線先端寄りの部分と係合する後ガイド部を備える
    請求項1または2記載の小型モータ。
  8. 【請求項8】 端子にはさらにブラシが接続されている
    請求項1、2、4のいずれか1項に記載の小型モータ。
  9. 【請求項9】 端子にはさらに巻線コイル端末が接続さ
    れている請求項1、2、4のいずれか1項に記載の小型
    モータ。
  10. 【請求項10】 モータを外部機器と接続するためのリ
    ード線と、前記リード線を接続する金属製の端子とを備
    え、前記端子は、前記リード線の芯線に係合するガイド
    部と、前記ガイド部に隣接する突起部とを有し、リード
    線の前記芯線を端子の前記ガイド部に係合したのち、端
    子の前記突起部を加熱溶融して前記リード線と接続して
    なる小型モータの製造方法。
  11. 【請求項11】 モータを外部機器と接続するためのリ
    ード線と、前記リード線を接続する金属製の端子とを備
    え、前記端子は前記リード線の芯線に係合するガイド部
    を有し、リード線の前記芯線を端子の前記ガイド部に係
    合したのち、前記ガイド部の母材の前記芯線近傍を加熱
    溶融して前記リード線と接続してなる小型モータの製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7105962B2 (en) 2000-08-03 2006-09-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Brushless motor for partable electronic equipment with wire treatment technique of coils
JP2007043833A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Asmo Co Ltd モータの製造方法及びモータ

Cited By (3)

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JP2007043833A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Asmo Co Ltd モータの製造方法及びモータ
JP4652924B2 (ja) * 2005-08-03 2011-03-16 アスモ株式会社 モータの製造方法及びモータ

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