JP2001144526A - 平面アンテナ - Google Patents

平面アンテナ

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JP2001144526A
JP2001144526A JP32724299A JP32724299A JP2001144526A JP 2001144526 A JP2001144526 A JP 2001144526A JP 32724299 A JP32724299 A JP 32724299A JP 32724299 A JP32724299 A JP 32724299A JP 2001144526 A JP2001144526 A JP 2001144526A
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剛博 杉山
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守彦 池ケ谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定在波励振によって高利得・高効率な放射を
行う平面アンテナを提供する。 【解決手段】 誘電体導波路1の上面に前記誘電体導波
路1とは誘電率の異なる誘電体ブロック2を設け、前記
誘電体導波路1の下面に金属導体板3を設け、前記誘電
体導波路1の導波方向両端にそれぞれ金属導体ブロック
4を設け、これら金属導体ブロック4間に前記誘電体導
波路1への給電素子5を設け、この給電素子5を介して
外部より前記誘電体導波路1へ供給された電力が前記誘
電体導波路1で導波され前記金属導体ブロック4で反射
されて前記誘電体導波路1内で定在波が励振され、前記
誘電体ブロック2が設けられた部分から電力が放射され
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体導波路を用
いた平面アンテナに係り、特に、低在波励振によって高
利得・高効率な放射を行う平面アンテナに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、小型化された移動端末、車載レー
ダ等に用いられている平面アンテナは、導波系にマイク
ロストリップ線路やトリプレート線路等を用いたアンテ
ナが主流である。しかしながら、上記のような従来の平
面アンテナは、電磁波の伝送路に細い導体線を使用する
ため、周波数の上昇とともに導体線に電磁波を励振させ
た際に生じる損失(導体損失)や放射による損失(放射
損失)が大きく、高効率な送受信特性を得ることが困難
となる。そこで、高い周波数で用いる金属導波管を用い
たアンテナや誘電体導波路を用いたアンテナへと推移す
る傾向がある。金属導波管を用いた従来技術として、IE
ICE Trans.Communications,E79-B,1765(1996) が知られ
ている。また、誘電体導波路を用いた従来技術として、
グレーティング型の誘電体アンテナが、IEEE Trans. Mi
crowave Theory and Techniques VOL.MMT-31,No.2(198
1)P199-208 及び、IEEE Trans.Antenna and Propagatio
n VOL.MMT-46,No.11(1998)P1665-1673 に詳細に述べら
れている。グレーティング型の誘電体アンテナは、アン
テナ内部を一方向に進行する電磁波が外部に漏洩するも
のである。従って、図8に示されるように、外部から誘
電体導波路1に電力を供給する給電素子11は、誘電体
導波路1の一端に取り付けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術には、
電波を放射する部分を一方向に進行する電磁波によって
励振するため、定在波で励振する場合に比べて振幅が小
さく、大きな利得が得られないという問題がある。
【0004】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、定在波励振によって高利得・高効率な放射を行う平
面アンテナを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、誘電体導波路の上面に前記誘電体導波路と
は誘電率の異なる誘電体ブロックを設け、前記誘電体導
波路の下面に金属導体板を設け、前記誘電体導波路の導
波方向両端にそれぞれ金属導体ブロックを設け、これら
金属導体ブロック間に前記誘電体導波路への給電素子を
設け、この給電素子を介して外部より前記誘電体導波路
へ供給された電力が前記誘電体導波路で導波され前記金
属導体ブロックで反射されて前記誘電体導波路内で定在
波が励振され、前記誘電体ブロックが設けられた部分か
ら電力が放射されるようにしたものである。
【0006】また、誘電体導波路の上面に凹部を形成
し、前記誘電体導波路の下面に金属導体板を設け、前記
誘電体導波路の導波方向両端にそれぞれ金属導体ブロッ
クを設け、これら金属導体ブロック間に前記誘電体導波
路への給電素子を設け、この給電素子を介して外部より
前記誘電体導波路へ供給された電力が前記誘電体導波路
で導波され前記金属導体ブロックで反射されて前記誘電
体導波路内で定在波が励振され、前記凹部が形成された
部分から電力が放射されるようにしたものである。
【0007】前記給電素子を前記誘電体導波路に埋め込
まれた金属導体線と前記金属導体板に取り付けられた同
軸コネクタとから構成し、この同軸コネクタの外部導体
を前記金属導体板に電気的に接続し、前記同軸コネクタ
の内部導体を前記金属導体線に電気的に接続してもよ
い。
【0008】前記金属導体線を前記誘電体導波路に貫通
させてもよい。
【0009】前記給電素子を前記誘電体導波路の導波方
向中央に配置してもよい。
【0010】前記誘電体ブロック又は前記凹部を前記誘
電体導波路の導波方向に複数並べてもよい。
【0011】前記誘電体導波路及び前記給電素子を複数
並列に配置してもよい。
【0012】各給電素子に、それぞれ移相器を介して給
電してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一の実施形態を
図1〜図3により説明する。
【0014】図1及び図2に示されるように、本発明に
係る平面アンテナは、誘電体導波路1と、この誘電体導
波路1の上面に密着され誘電体導波路1とは誘電率の異
なる誘電体ブロック2と、誘電体導波路1の下面に密着
された金属導体板3と、誘電体導波路1の導波方向両端
にそれぞれ密着された金属導体ブロック4と、これら金
属導体ブロック4間に取り付けられて外部からの電力を
誘電体導波路1に給電する給電素子5とからなる。
【0015】誘電体導波路1は、所定の高さ、所定の
幅、所定の長さを有する長尺直方体状に形成され、長手
方向が電力の導波方向になっている。誘電体導波路1の
素材にはアルミナなどのセラミックが用いられている。
給電素子5は、同軸ケーブルに接続可能な同軸コネクタ
6と、この同軸コネクタ6の芯線(内部導体)に接続さ
れる線状の金属導体(金属導体線)7とから構成されて
いる。誘電体導波路1には、誘電体導波路1の両端以
外、ここでは長手方向中央には、金属導体線7を貫通さ
せるための孔8が予め設けてあり、この孔8に金属導体
線7を挿入することにより、金属導体線7を誘電体導波
路1に電気的に接続することができる。金属導体板3に
は、同軸コネクタ6の外部導体を嵌め込むネジ孔9とが
設けられている。誘電体ブロック2は、図示のように所
定の高さ、所定の幅、所定の長さを有する短尺直方体状
に形成されている。金属導体ブロック4は、図示のよう
に所定の高さ、所定の幅、所定の長さを有する長尺(誘
電体導波路1に直交する方向に長尺)の直方体状に形成
されている。
【0016】図3に示されるように、金属導体板3に同
軸コネクタ6を取り付ける。これにより、金属導体板3
に同軸コネクタ6が固定されると共に電気的に接続され
る。また、同軸コネクタ6の内部導体には金属導体線7
を接続する。この金属導体線7が誘電体導波路1の孔8
を貫通するように、誘電体導波路1を金属導体板3の上
面に設置する。そして、誘電体導波路1の両端にそれぞ
れ金属導体ブロック4を密着させて設置する。さらに、
誘電体導波路1の上面に、誘電体ブロック2をセラミッ
ク用接着剤で密着するように取り付ける。誘電体ブロッ
ク2は誘電体導波路1の長手方向に一定の間隔で複数設
置する。このようにして平面アンテナを組み立てること
ができる。
【0017】次に、この平面アンテナの動作を説明す
る。給電素子5を介して外部から給電された電力は、誘
電体導波路1の両端に向けて導波される。誘電体導波路
1内を導波される電磁波(=電力)は、その一部が誘電
体ブロック2の設けられている部分からアンテナ外部に
漏洩(放射)される。漏洩されずに誘電体導波路1内を
導波される電磁波は、他の誘電体ブロック2の設けられ
ている部分から一部が漏洩される。このような漏洩を繰
り返しながら残りの電磁波が誘電体導波路1の両端に達
する。誘電体導波路1の両端では、電磁波は、金属導体
ブロック4によって反射され、再び誘電体導波路1内を
導波される。このように、導波、放射、反射が繰り返さ
れると、誘電体導波路1の両端を固定端とした定在波が
励振される。定在波が励振されることで、誘電体導波路
1内には長手方向に振幅の大きいところと、振幅の小さ
いところとが形成される。このうち振幅の大きいところ
に誘電体ブロック2を予め配置しておくと、効率よく電
磁波を放射させることができる。誘電体導波路1の長さ
や各部品の誘電率を適宜に設定することで、有効に誘電
体導波路1内で定在波を励振させることができる。定在
波励振を行うことで、進行波励振を行う従来の平面アン
テナより高利得が得られる。また、給電素子5を誘電体
導波路1に埋め込まれた金属導体線7と同軸コネクタ6
とから構成するので、製造が容易となる。また、導体損
失の影響も低いので、従来に比べて低消費電力動作が可
能となる。
【0018】以上のように、誘電体導波路内で定在波を
励振させ、誘電体ブロックの設置部分から放射を行うよ
うにしたので、従来の平面アンテナに比べて高利得・高
効率な放射が可能となる。
【0019】次に、第二の実施形態を図4、図5により
説明する。
【0020】本発明に係る平面アンテナは、上面に複数
の凹部10が形成された誘電体導波路1と、誘電体導波
路1の下面に密着された金属導体板3と、誘電体導波路
1の導波方向両端にそれぞれ密着された金属導体ブロッ
ク4と、これら金属導体ブロック4間に取り付けられて
外部からの電力を誘電体導波路1に給電する給電素子5
とからなる。
【0021】誘電体導波路1は、所定の上面高さ、所定
の幅、所定の長さを有する長尺体状に形成され、長手方
向が電力の導波方向になっている。誘電体導波路1の素
材にはアルミナなどのセラミックが用いられている。凹
部10は、誘電体導波路1を幅方向に横断するように形
成されている。このような凹部10が誘電体導波路1の
長手方向に一定の間隔で複数設置されている。誘電体導
波路1は、予め凹部10を設けた形状となるよう金型等
で成形されている。給電素子5は、第一の実施形態と同
様に、同軸ケーブルに接続可能な同軸コネクタ6と、こ
の同軸コネクタ6の芯線(内部導体)に接続される線状
の金属導体(金属導体線)7とから構成されている。給
電素子5の取り付け構造は、第一の実施形態と同様であ
る。第一の実施形態と同様にして、誘電体導波路1、金
属導体板3、同軸コネクタ6、金属導体線7、金属導体
ブロック4を組み立てる。ただし、第一の実施形態と異
なり誘電体ブロックは取り付けない。
【0022】次に、この平面アンテナの動作を説明す
る。第一の実施形態では誘電体ブロック2が設けられて
いる部分から電磁波が放射されたが、第二の実施形態で
は誘電体導波路1に設けた凹部10から電磁波が漏洩し
アンテナ外部に放射される。第二の実施形態でも、第一
の実施形態と同様に誘電体導波路1の両端を固定端とし
た定在波が励振され、定在波が励振されることで、誘電
体導波路1内には長手方向に振幅の大きいところと、振
幅の小さいところとが形成される。このうち振幅の大き
いところに凹部10を予め配置しておくと、効率よく電
磁波を放射させることができる。
【0023】第一の実施形態と比べると、誘電体導波路
1に誘電体ブロック2を接着する必要がなく、小さいサ
イズで高利得・高効率なアンテナが実現されるだけでな
く、安価に製作が可能となる。
【0024】次に、第三の実施形態を図6、図7により
説明する。
【0025】本発明に係る平面アンテナは、第一の実施
形態のものと同様に、誘電体導波路1、誘電体ブロック
2、金属導体板3、金属導体ブロック4、給電素子5か
らなる。ただし、1枚の金属導体板3の上に複数の誘電
体導波路1が並列配置されている。各誘電体導波路1
は、誘電体導波路1の幅方向に一定の間隔で並べられて
いる。これにより、誘電体ブロック2は、縦横にアレイ
状に設置されていることになる。給電素子5は、各誘電
体導波路1に1個ずつ設置されている。金属導体ブロッ
ク4は、全ての誘電体導波路1の両端に接する大きさの
ものが1組設置されている。
【0026】次に、この平面アンテナの動作を説明す
る。この平面アンテナは、誘電体導波路1を複数並べる
ことで誘電体ブロック2がアレイ状に並べてある。各誘
電体導波路1に設けた給電素子5にそれぞれ同相で給電
した場合、各誘電体導波路1において両端を固定端とし
た定在波が励振され、振幅の大きいところに配置された
誘電体ブロック2が効率よく電磁波を放射する。このと
き、アレイ状に並べた誘電体ブロック2はすべて同相で
励振されるから、放射された電磁波は金属導体板3に垂
直な方向で強め合う。その結果、この平面アンテナは、
金属導体板3に垂直な方向に鋭い指向性を持つことにな
る。また、各給電素子5に位相差(移相差)をつけて給
電した場合、各誘電体ブロック2から放射される電磁波
にも位相差がつき、放射される電磁波が強め合う方向が
金属導体板3に垂直な方向からずれる。その結果、電磁
波の放射方向が前記同相給電の場合に比べて変化する。
【0027】このように、誘電体導波路1を複数並べて
誘電体ブロック2をアレイ状にした平面アンテナは、第
一、第二の実施形態のものに比べ、鋭い指向性を持つこ
とが可能になる。また、各給電素子5の位相差を電気的
に制御することで、電磁波の放射方向を変化させること
が可能になる。
【0028】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0029】(1)従来技術による誘電体アンテナに比
べ、高利得・高効率な平面アンテナが安価に実現でき、
固定、半固定及び移動端末並びに車載レーダに好適な平
面アンテナを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す平面アンテナの
斜視図である。
【図2】図1の平面アンテナの断面図である。
【図3】図1の平面アンテナの分解・組立図である。
【図4】本発明の第二の実施形態を示す平面アンテナの
斜視図である。
【図5】図4の平面アンテナの断面図である。
【図6】本発明の第三の実施形態を示す平面アンテナの
斜視図である。
【図7】図6の平面アンテナの裏面側斜視図である。
【図8】従来の平面アンテナの斜視図である。
【符号の説明】
1 誘電体導波路 2 誘電体ブロック 3 金属導体板 4 金属導体ブロック 5 給電素子 6 同軸コネクタ 7 金属導体線 10 凹部
フロントページの続き (72)発明者 海野 恒弘 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電線 株式会社アドバンスリサーチセンタ内 Fターム(参考) 5J021 AA05 AA09 AA11 AB06 CA01 DB03 GA02 HA04 5J045 AA06 AA21 AB06 BA06 DA17 EA01 EA07 FA02 FA08 FA09 GA03 HA06 JA03 LA03 NA01 NA07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体導波路の上面に前記誘電体導波路
    とは誘電率の異なる誘電体ブロックを設け、前記誘電体
    導波路の下面に金属導体板を設け、前記誘電体導波路の
    導波方向両端にそれぞれ金属導体ブロックを設け、これ
    ら金属導体ブロック間に前記誘電体導波路への給電素子
    を設け、この給電素子を介して外部より前記誘電体導波
    路へ供給された電力が前記誘電体導波路で導波され前記
    金属導体ブロックで反射されて前記誘電体導波路内で定
    在波が励振され、前記誘電体ブロックが設けられた部分
    から電力が放射されるようにしたことを特徴とする平面
    アンテナ。
  2. 【請求項2】 誘電体導波路の上面に凹部を形成し、前
    記誘電体導波路の下面に金属導体板を設け、前記誘電体
    導波路の導波方向両端にそれぞれ金属導体ブロックを設
    け、これら金属導体ブロック間に前記誘電体導波路への
    給電素子を設け、この給電素子を介して外部より前記誘
    電体導波路へ供給された電力が前記誘電体導波路で導波
    され前記金属導体ブロックで反射されて前記誘電体導波
    路内で定在波が励振され、前記凹部が形成された部分か
    ら電力が放射されるようにしたことを特徴とする平面ア
    ンテナ。
  3. 【請求項3】 前記給電素子を前記誘電体導波路に埋め
    込まれた金属導体線と前記金属導体板に取り付けられた
    同軸コネクタとから構成し、この同軸コネクタの外部導
    体を前記金属導体板に電気的に接続し、前記同軸コネク
    タの内部導体を前記金属導体線に電気的に接続したこと
    を特徴とする請求項1又は2記載の平面アンテナ。
  4. 【請求項4】 前記金属導体線を前記誘電体導波路に貫
    通させたことを特徴とする請求項3記載の平面アンテ
    ナ。
  5. 【請求項5】 前記給電素子を前記誘電体導波路の導波
    方向中央に配置したことを特徴とする請求項1〜4いず
    れか記載の平面アンテナ。
  6. 【請求項6】 前記誘電体ブロック又は前記凹部を前記
    誘電体導波路の導波方向に複数並べたことを特徴とする
    請求項1〜5いずれか記載の平面アンテナ。
  7. 【請求項7】 前記誘電体導波路及び前記給電素子を複
    数並列に配置したことを特徴とする請求項1〜6記載の
    平面アンテナ。
  8. 【請求項8】 各給電素子に、それぞれ移相器を介して
    給電することを特徴とする請求項7記載の平面アンテ
    ナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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