JP2005130464A - 誘電体アンテナおよびそれを用いた無線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高利得であり、かつ主ビーム幅が広い誘電体アンテナを提供すること。また、製造が容易でかつ小型で安価な誘電体アンテナを提供すること
【解決手段】 本発明の誘電体アンテナは、給電される電磁波を放射する柱状の誘電体部を備える。誘電体部は、上部に凹部を含む。凹部の垂直断面形状は、誘電体部の側面方向に向かうに従って高くなる形状である。たとえば、凹部は、垂直断面形状がV字状となる切欠部31である。また、たとえば、凹部は、平坦な面を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロ波、ミリ波帯で使用されるアンテナに関し、より特定的には、誘電体から電磁波を放射する誘電体アンテナに関する。
従来、マイクロ波、ミリ波帯の無線通信では、マイクロストリップ線路や導波管等で構成された給電回路の上に誘電体ブロックを装荷している誘電体アンテナが多く用いられている(特許文献1、特許文献2参照)。このような誘電体アンテナを導波管給電型の誘電体アンテナという。
図62は、従来の導波管給電型の誘電体アンテナの構成を示す分解斜視図である。図62において、従来の誘電体アンテナは、下導体板101と、上導体板102と、円柱状の装荷誘電体ブロック103とを備える。下導体板101は、給電口104と、第1の導波管溝105と、開口凹部106と含む。上導体板102は、第2の導波管溝107と、開口部108とを含む。
下導体板101の上面と上導体板102の下面とが貼り合わされる。この貼り合わせによって、第1の導波管溝105と第2の導波管溝107とが、導波管を構成する。
装荷誘電体ブロック103は、開口部108の上に接着される。このように誘電体ブロックを基板の上に載せることを、誘電体ブロックを装荷するという。
給電口104に入力された電磁波は、導波管内を進行し、開口部108から漏れて、装荷誘電体ブロック103に給電されて放射される。このとき、二種類の電磁波が現れる。第1は、装荷誘電体ブロック103の内部を進行する電磁波である。第2は、装荷誘電体ブロック103の表面に沿って進行する電磁波(表面波という)である。装荷誘電体ブロック103は、装荷誘電体ブロック103の上面において、この二種類の電磁波の位相が同一となるようなサイズである。このように、二種類の電磁波の位相を装荷誘電体ブロック103の上面で同一となるようにすることによって、高利得なアンテナが提供されることとなる。
たとえば、図62に示す構成の従来の誘電体アンテナにおいて、下導体板101は、材質がアルミであるとし、大きさが100mm×100mmであるとし、厚さが3mmであるとする。上導体板102は、材質がアルミであるとし、大きさが100mm×100mmであるとし、厚さが2.5mmであるとする。第1の導波管溝105と第2の導波管溝107とによって構成される導波管は、大きさが3.76mm×1.88mmであるとする。開口部108は、大きさが2.8mm×2.8mmであるとする。装荷誘電体ブロック103は、材質がポリプロピレン(比誘電率2.26)であるとし、直径φ=6mm、高さL=7mmであるとする。
図63は、上記のような条件で誘電体アンテナを構成したときのxz面(電界面)における放射指向性を示す図である。図63において、縦軸は、アンテナの利得を示す。横軸は、装荷誘電体の中心からのxz面上での角度を示す。図63に示すように、当該誘電体アンテナは、±約30度の範囲で高利得なものとなっている。
非特許文献1、非特許文献2には、ポスト壁(Post−Wall)導波管を利用したアンテナが記載されている。
特開2000−209022号公報 特開2000−278030号公報 広川 二郎、「コセカント放射指向性ミリ波帯ポスト壁導波管反射抑圧スロットペアアレーの基礎検討(Reflection−Canceling Slot Pair Array with Cosecant Radiation Pattern Using a Millimeter−Wave Post−Wall Waveguide)」、2000年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会、2000年、B−1−61 p.61、および広川 二郎、外1名、 「ミリ波帯ポスト壁導波管を用いたセクタビームスロットアンテナの基礎検討(Slot Antenna with a Sector Beam on a Millimeter−Wave Post−Wall Waveguide)」、2000年電子情報通信学会総合大会、2000年、B−1−133 p.133
しかし、図63に示すように、従来の誘電体アンテナにおいて、高利得特性を有している範囲は、装荷誘電体ブロック103の中心から±約30度の範囲内だけである。したがって、従来の誘電体アンテナのビーム幅は狭かった。そのため、従来の誘電体アンテナによってカバーされるエリアは、狭いものであった。たとえば、ミリ波帯のように空間減衰の大きな周波数帯では、高利得なアンテナが必要となるのは当然であるが、使用用途によっては、広範囲なエリアのカバーが要求される場合がある。そのため、高利得でありかつ主ビーム幅が広いアンテナが必要とされる場合がある。
また、図62に示す従来の誘電体アンテナでは、給電回路として、二枚の金属板を貼り合わせることによって構成された金属導波管を用いているため、従来の誘電体アンテナは、サイズが大きく、重いものとなっていた。したがって、従来の誘電体アンテナは、加工費が高いものであった。導波管内に誘電体を充填することによって、全体を小さくすることもできるが、導波管内部に誘電体を一様に充填するには、困難な作業が必要となる。したがって、誘電体を充填することは実用的ではなかった。
それゆえ、本発明の第1の目的は、高利得であり、かつ主ビーム幅が広い誘電体アンテナを提供することである。
それゆえ、本発明の第2の目的は、製造が容易でかつ小型で安価な誘電体アンテナを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、誘電体アンテナであって、給電される電磁波を放射する柱状の誘電体部を備え、誘電体部は、上部に凹部を含み、凹部の垂直断面形状は、誘電体部の側面方向に向かうに従って高くなる形状であることを特徴とする。
好ましくは、凹部は、垂直断面形状がV字状となる切欠であるとよい。凹部は、平坦な面を有するとよい。誘電体部は、楕円柱状であるとよい。
好ましくは、誘電体部は、柱状の装荷誘電体ブロックであり、さらに、装荷誘電体ブロックの底面部分に電磁波を給電する給電部を備えるとよい。
好ましい実施形態では、給電部は、導波管と、装荷誘電体ブロックに電磁波を給電するための開口部とを含み、装荷誘電体ブロックは、開口部の上に装荷されている。
たとえば、導波管内には、誘電体が充填されているとよい。
たとえば、開口部は、六角形状であるとよい。たとえば、開口部は、互いに平行に配置されていない二つの四角形の開口からなるとよい。
好ましい実施形態では、給電部は、誘電体基板上に形成された高周波線路と、高周波線路の終端部分に形成された給電用のパッチとを含み、装荷誘電体ブロックは、パッチの上に装荷されているとよい。
たとえば、パッチは、六角形状であるとよい。
好ましい実施形態では、さらに、誘電体部を一部の突出部分に一体形成して含む誘電体ブロックと、誘電体ブロックの表面部分の内、電磁波を給電するための給電口および突出部以外の部分を覆う導体部とを備える。
好ましくは、誘電体ブロックには、インピーダンスの整合をとるための整合用突出部が設けられているとよい。
好ましい実施形態では、さらに、誘電体部を一部の突出部分に一体形成して含む誘電体ブロックと、誘電体ブロックにおける突出部が形成されている突出部形成面から、突出部形成面と対向する対向面に向けて、突出部を挟むように誘電体ブロックに穿孔されている複数のスルーホールと、誘電体ブロックの表面部分の内、電磁波の給電口および突出部以外の部分であって、少なくとも突出部形成面、対向面、およびスルーホールの内壁面を覆う導体部とを備える。
好ましくは、誘電体ブロックには、インピーダンスの整合をとるための整合用突出部が設けられているとよい。
好ましい実施形態では、誘電体部は、柱状の装荷誘電体ブロックであり、装荷誘電体ブロックの底面部分に電磁波を給電するための給電口および電磁波を放射し、装荷誘電体ブロックを装荷するためのスロット開口を含み、給電口およびスロット開口以外の両面部分が導体で覆われている誘電体基板と、給電口とスロット開口とを取り囲むように配列しており、内壁が導体で覆われている誘電体基板に穿孔された複数のスルーホールとを備える。
好ましくは、スロット開口は、お互いに平行に配置されていない四角形の二つの開口部からなるとよい。好ましくは、スロット開口は、六角形であるとよい。
好ましくは、複数のスルーホールは、伝送すべき電磁波の波長に対して、五分の一以下となる間隔で周期的配列されているとよい。
好ましくは、給電口は、H型であるとよい。好ましくは、スロット開口は、H型であるとよい。
好ましい実施形態では、誘電体部は、アレー構成に配置されている複数の柱状の装荷誘電体ブロックの少なくとも一つであり、さらに、各装荷誘電体ブロックの底面部分に電磁波を給電する給電部を備え、誘電体部以外の装荷誘電体ブロックは、上部が電磁波を放射させたい方向に傾斜されている。
好ましくは、複数の装荷誘電体ブロックの内、中心に配置されている装荷誘電体ブロック以外の装荷誘電体ブロックは、所望の指向性に応じて、様々な方向に配置されているとよい。
好ましくは、電磁波を少なくとも一つの装荷誘電体ブロックに給電するためのスイッチ回路をさらに備えるとよい。
また、本発明は、高周波通信用の無線装置であって、給電される電磁波を放射する誘電体アンテナと、誘電体アンテナと接続されている通信回路とを備え、誘電体アンテナは、電磁波を放射する柱状の誘電体部を含み、誘電体部は、上部に凹部を有し、凹部の垂直断面形状は、誘電体部の側面方向に向かうに従って高くなる形状である。
好ましい実施形態では、通信回路は、電磁波を給電するための給電部の内部に配置されている。また、通信回路は、電磁波を給電するための給電部の裏面に配置されていてもよい。また、通信回路は、電磁波をパッチ給電するためのパッチ給電基板上に配置されていてもよい。
好ましくは、通信回路からの電磁波は、導波管を介して給電され、通信回路には、電磁波を導波管に給電するための高周波線路が形成されており、さらに、導波管と高周波線路との間のインピーダンス整合をとるための変換器を備えるとよい。
本発明の誘電体アンテナは、上部に凹部を有する誘電体部を備えることによって、位相分布に差を持たせることができる。よって、高利得であり、かつ主ビーム幅が広い誘電体アンテナが提供されることとなる。
凹部の垂直断面形状がV字状の切欠である場合、誘電体アンテナの設計、製作が容易となる。凹部が平坦面を有するように形成することによって、セクタ指向性を得ることができる。また、凹部をすり鉢状にすることによって、中心部分から周囲に向かって、均等に傾斜面が形成され、底面部分が平坦となるので、全ての放射面において、主ビーム幅が広くなる。また、凹部をすり鉢状にした場合に、誘電体部を楕円柱状にすることによって、リップルを抑えることができる。
また、給電部は、導波管を用いて電磁波を誘電体部に給電することによって、ミリ波帯のような高周波においても、損失の少ない給電をすることができる。このとき、導波管内部に誘電体を充填することによって、誘電体アンテナの薄型化、小型化を図ることができる。
開口部を六角形にすることによって、円偏波または楕円偏波で動作する誘電体アンテナが提供されることなる。また、開口部を互いに平行に配置されていない二つの四角形の開口とすることによって、楕円偏波で動作する誘電体アンテナが提供されることとなる。誘電体アンテナを円偏波または楕円偏波で動作させることによって、垂直偏波で動作させる場合と異なり、移動体通信等において、送受信の偏波方向を合わせる必要がなくなる。
また、給電部は、高周波線路を用いて電磁波を誘電体部に給電することによって、誘電体アンテナの薄型化、小型化を図ることができる。このとき、給電用のパッチの形状を六角形にすることによって、楕円偏波または円偏波で誘電体アンテナを動作させることができる。
誘電体部を一体形成して含む誘電体ブロックを用いて誘電体アンテナを形成することによって、薄型化、小型化を図ることができる。また、金属導波管を給電回路として用いた場合に比べ、誘電体アンテナを軽量なものとすることができ、かつ安価にすることができる。また、給電部の誘電体、および放射部となる突出部が一体の誘電体ブロックによって構成されるので、部品点数が少なくなる。また、整合用突出部を設けることによって、インピーダンスの整合をとることができる。
また、本発明では、突出部を有する誘電体ブロックの上下面を導体で覆い、二つの面を通るようにスルーホールを穿孔することによって、誘電体ブロックの側面を導体メッキ等せずとも導波管を構成することができ、誘電体アンテナ自体の大きさに自由度を持たせることができる。また、このような構成にすることによって、アレー構成が可能となる。
また、本発明では、複数のスルーホールが列状に形成されている両面メッキされている誘電体基板に誘電体を装荷することによって、小型で安価な誘電体アンテナを提供することができる。スロット開口を六角形にすることによって、円偏波または楕円偏波で誘電体アンテナを動作させることができる。また、スロット開口をお互いに平行に配置されていない四角形の二つの開口部からなることとすることによって、楕円偏波で誘電体アンテナを動作させることができる。このとき、複数のスルーホールを周期的に配列することによって、誘電体導波管内でのインピーダンスおよび波長を一定にすることができる。したがって、誘電体アンテナを安定的に動作させることができる。また、給電口をH型にすることによって、給電口のサイズを等価的に大きくすることができ、誘電体導波管との結合を強くすることができる。また、スロット開口をH型にすることによって、装荷誘電体と導波管との結合を強くすることができる。
誘電体ブロックにおける突出部を複数設けたり、装荷誘電体を複数設けるような構成にすることによって、アレーアンテナを構成することができ、さらなる高利得化を図ることが可能となる。また、各素子の振幅、位相を制御することにより、任意に指向性を制御することができる。
また、スルーホールを分岐構造となるように配列することによって、アレーアンテナの各素子への給電のロスを低減することができる。また、各素子への電力分配を任意に行うことが可能となる。
誘電体アンテナをアレー構成にすることによって、様々な方向への放射指向性を形成することができる。また、電磁波を放射する誘電体部をスイッチで選択することによって、カバー可能なエリアを広くすることができる。
本発明の誘電体アンテナを一体化した無線装置によって、無線機の小型化を図ることができる。また、アンテナの給電回路と通信回路との接続部分に生じるインピーダンス不整合を変換器により、解消することができる。また、パッチ給電の誘電体アンテナを用いても、小型の無線機を提供することができる。
以上にように、本発明の誘電体アンテナは、小型で高利得なアンテナとなる。本発明の誘電体アンテナは、従来の誘電体アンテナと比較して、製造が容易であり、安価なものとなる。また、このアンテナを用いた無線装置を構成することで、小型で高感度の無線装置を提供することができる。
以下、図1〜図61を用いて、本発明の実施形態について説明する。なお、下記の実施形態は、本発明の一実施形態であって、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る誘電体アンテナの構成を示す分解斜視図である。図2は、図1に示す誘電体アンテナの正面図である。図1および図2では、xz面が電界面を表し、yz面が磁界面を表すこととする(以下同様)。図1および図2において、誘電体アンテナは、下導体板1と、上導体板2と、装荷誘電体ブロック3とを備える。
装荷誘電体ブロック3は、ポリプロピレン等の誘電体からなる。装荷誘電体ブロック3の上部には、切欠(notch)部31が形成されている。切欠部31は、円柱状の誘電体の上面部分を刃物等で切り込むことによって形成される。切欠部31は、上面の円周上のある一点および当該一点に対向する点から、共に角度αで斜め下方に切り込まれることによって形成される。なお、切欠部31は、金型に誘電体を流し込むことによって、形成されてもよく、円柱状の誘電体の上面部分に中心部が凹むような切欠部が形成されるのであれば、如何なる製造方法であってよい。装荷誘電体ブロック3を上導体板2に垂直な面に沿って切断したときの切欠部31の断面形状(垂直断面形状)は、V字状である。
下導体板1は、アルミ等の導体からなる板状の部材である。下導体板1は、給電口4と、第1の導波管溝5と、開口凹部6とを含む。第1の導波管溝5は、下導体板1の側面と平行になるように、下導体板1の上面部分に形成されている。開口凹部6は、正方形状の窪みであって、開口凹部6の中心と下導体板1の中心とが一致するように、下導体板1の上面部分に形成されている。第1の導波管溝5の一端と開口凹部6とは、つながっている。開口凹部6は、第1の導波管溝5よりも深く掘られており、第1の導波管溝5よりも大きな幅を有する。開口凹部6と第1の導波管溝5との接続部分は、段状になっている。給電口4は、第1の導波管溝5の他端から下導体板1の底面に向けて穿孔された穴である。下導体板1は、給電口4、第1の導波管溝5、および開口凹部6が形成されるような型に導体を流し込んで成型されてもよいし、一枚の導体板を削り出すことによって作られてもよい。
上導体板2は、アルミ等の導体からなる板状の部材である。上導体板2における下面の大きさは、下導体板1における上面の大きさと同一である。上導体板2は、第2の導波管溝7と、開口部8とを含む。第2の導波管溝7は、上導体板2の側面と平行になるように、上導体板2の底面部分に形成されている。開口部8は、開口部8の中心と上導体板2の中心とが一致するように、上導体板2の上面から底面に向けて穿孔されている正方形状の穴である。開口部8の上面開口部分は、装荷誘電体ブロック3を載せた場合、覆い隠されるような大きさである。開口部8と第2の導波管溝7とは、つながっている。上導体板2は、第2の導波管溝7および開口部8が形成されるような型に導体を流し込んで成型されてもよいし、一枚の導体板を削り出すことによって作られてもよい。
第1の導波管溝5は、第2の導波管溝7と同一の長さおよび幅を有する。開口凹部6における開口部分の正方形は、開口部8における開口部分の正方形と同じ大きさである。下導体板1と上導体板2とを側面同士が一致するように合わせた場合、開口凹部6の開口部分と開口部8の下側開口部分とが一致し、かつ、第1の導波管溝5と第2の導波管溝7とが一致して中空の導波管9が構成されるように、開口凹部6、開口部8、第1の導波管溝5、および第2の導波管溝7は、それぞれ、下導体板1および上導体板2の適切な位置に形成されている。
下導体板1と上導体板2とは、接着剤やネジ、溶接等によって、貼り合わされる。装荷誘電体ブロック3は、開口部8を覆い隠すように、接着剤等で、上導体板2に貼り付けられる。これによって、導波管9を有する誘電体アンテナが作られる。
上記のように構成された誘電体アンテナにおいて、外部通信回路(図示せず)から給電口4に入力された電磁波は、導波管9を導波して、開口部8を通って、装荷誘電体ブロック3に給電される。装荷誘電体ブロック3に給電された電磁波は、装荷誘電体ブロック3から放射される。
また、空間を伝搬してきた電磁波は、装荷誘電体ブロック3および導波管9を介して、給電口4から出力され、外部通信回路(図示せず)に入力される。
このように、第1の実施形態に係る誘電体アンテナでは、円柱の上面中心部分を最も低くするような切欠部31を有する装荷誘電体ブロック3を用いる。したがって、装荷誘電体ブロック3は、上面の中心部分の高さが最も低く、側面方向に向かうに従って高さが高くなるような形状をしている。一般に、電磁波の伝搬速度は、自由空間内よりも誘電体内の方が遅いので、このような装荷誘電体ブロックを用いると、上面部分の中心部分から周辺部分に向けて電磁波の位相が遅れている分布を得ることができる。位相分布に大きな差を与えることによって、主ビーム幅が広くなる(後述の図28参照)。
なお、上記実施形態において、装荷誘電体ブロック3は、上面の中心部分の高さが最も低く、側面方向に向かうに従って高さが高くなるような形状を有している切欠部31を含むこととしたが、最も高さが低い箇所は、上面の中心部分でなくてもよい。垂直断面形状が装荷誘電体ブロックの側面方向に向かうに従って高くなるような形状を有する切欠部を上部に含む装荷誘電体ブロックであれば、同様の効果を得ることができる。
なお、装荷誘電体ブロックの形状は、図3Aに示すように、上部の凹部32aが凹レンズ状になっていてもよい。また、図3Bに示すように、上部の凹部32bが、半円柱状に切り抜かれた形状になっていてもよい。すなわち、少なくとも、装荷誘電体部ロックの上部は、垂直断面形状が側面方向に向かうに従って高くなるような形状を有する凹部であれば、同様の効果を得ることができる。
なお、上記では、装荷誘電体ブロックの上部に形成される切欠部または凹部は、装荷誘電体ブロックの側面から鋭角に切り込まれるような形状を有していた。しかし、側面からでなく、図4に示すように、凹部32cは、上面32dから切り込まれるような形状であってもよい。
なお、傾斜角αを変えることによって、主ビーム幅を調整することができる。たとえば、傾斜角αを小さくする、すなわち、上面の中心部分の凹みの深さをより深くすることによって、主ビーム幅が広がる傾向にある。当然、所望の主ビーム幅を得るためには、傾斜角αを適切な値に決定しなければならない。
なお、上記実施形態では、切欠部における傾斜面31x,31yは、磁界面方向に形成されていることとしたが、この傾斜面の向きは、アンテナの偏波に依存するものではない。図5は、図1に示す装荷誘電体ブロックを90度回転させて配置したときの誘電体アンテナの側面図である。図5のように、装荷誘電体ブロック3aを配置することによって、傾斜面を電界面方向に形成することができ、yz面における主ビーム幅を広くすることができる。
なお、上記実施形態では、円柱の上面部分を切り込んだ形の装荷誘電体ブロックを用いることとしたが、これに限定されるものではない。たとえば、四角柱の上面部分を三角柱状に切り込んだ装荷誘電体ブロックを用いてもよい。円柱を用いた場合、利得については上面部分の表面積の大きさによる影響が支配的であり、指向性については直径の大きさによる影響が支配的である。四角柱を用いた場合、利得については上面部分の表面積の大きさによる影響が支配的であり、指向性については長軸および短軸の大きさならびに比率による影響が支配的である。
なお、上記実施形態では、上下の導体板に形成された二つの溝によって、中空の導波管を形成することとしたが、電磁波の給電路は、導波管に限られるものではない。図6は、給電路としてマイクロストリップ線路を用いる場合の誘電体アンテナの構成を示す分解斜視図である。図6において、図1に示す誘電体アンテナと同一の機能を有する部分については、同一の参照符号を付し、説明を省略する。図6において、誘電体アンテナは、装荷誘電体ブロック3と、誘電体基板10と、接地導体11と、誘電体基板10上に形成されたマイクロストリップ線路12と、誘電体基板10上に形成された励振パッチ13とを備える。装荷誘電体ブロック3は、励振パッチ13の上に装荷されている。マイクロストリップ線路12に入力された電磁波は、マイクロストリップ線路12上を進行し、励振パッチ13を介して、装荷誘電体ブロック3に給電されて放射される。マイクロストリップ線路を用いて電磁波を給電する場合、導波管を用いて給電するのに比べて、伝送損失を多少生させることとなるが、薄型の給電部が構成されることとなるので、アンテナ全体としては、小型になるという効果がある。
なお、マイクロストリップ線路を用いて電磁波を給電する場合、図7に示すように、スタブ14を設け、その長さを調整することによって、インピーダンス整合をとるようにしてもよい。
また、図8に示すように、励振パッチ13aの一部に凹み部分を設けることによって、インピーダンス整合をとるようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、中空の導波管を用いることとしたが、導波管内に誘電体が充填されていてもよい。これにより、導波管を小型にすることができる。
なお、上記実施形態では、開口の形状を正方形であるとしたが、開口の形状はこれに限定されるものではなく、長方形であってもよいし、その他の多角形であってもよいし、円形や楕円形であってもよい。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態では、装荷誘電体ブロックの形状のみが第1の実施形態と異なる。それ以外の部分については同様であるので、図1を援用し、装荷誘電体の形状についてのみ説明する。図9は、本発明の第2の実施形態に係る誘電体アンテナに用いられる装荷誘電体ブロックの斜視図である。図10は、図9における装荷誘電体ブロックの線A−Bに沿う垂直断面図である。
図9および図10に示すように、装荷誘電体ブロック3bの上部には、凹部32が形成されている。凹部32は、円柱状の誘電体の上面部分を刃物等で切り込むことによって形成される。凹部32は、上面の円周上のある一点および当該一点に対向する点から、共に角度αで斜め下方に切り込まれることによって形成される。ただし、第1の実施形態と異なり、互いに交差する手前までしか角度αでの切り込みは行われない。一定の所まで切り込んだら、凹部32の底面部分が平坦になるように、水平に切り込まれる。これにより、凹部32は、底面部分に、装荷誘電体ブロックの3bの底面に水平な平坦面32xを有することとなる。図10に示すように、上導体板2に垂直な面に沿って装荷誘電体ブロック3bを切断した場合、凹部32の断面形状は、上底が下底よりも長い台形が切り欠かれているような形状である。なお、凹部32は、金型に誘電体を流し込むことによって形成されてもよく、円柱状の誘電体の上面部分に平坦面(水平面)を有する凹部が形成されるのであれば、如何なる製造方法であってよい。
このように、第2の実施形態では、平坦な面を有する凹部32を装荷誘電体ブロック3bに設けることとなるので、第1の実施形態に比べて主ビームの指向性の分布を平坦にすることができ、セクタ指向性のアンテナを提供することができる(後述の図29参照)。
なお、図10において、傾斜角α、頂面長さφ1を変えることによって、主ビーム幅、指向性形状を変えることができる。
なお、上記実施形態では、傾斜角αが左右同じであるとしたが、左右異なる傾斜角を有するような非対称の凹部であってよい。すなわち、装荷誘電体ブロックの上部にある凹部は、装荷誘電体ブロックの側面方向に向かうに従って高くなるような垂直断面形状を有し、かつ平坦な面を有していればよい。
なお、上記実施形態では、円柱の上面部分を切り込んだ装荷誘電体ブロックを用いることとしたが、切り込む誘電体ブロックは円柱に限られるものではない。たとえば、四角柱等の多角形柱や楕円柱等の誘電体ブロックの上面部分を底面部分が平坦(水平)になるように切り込んでもよい。図11は、四角柱の誘電体ブロックを切り込んだ装荷誘電体ブロック3cの斜視図である。図11に示すように、装荷誘電体ブロック3cの上部には、台形柱状に切り込まれている凹部33が形成されている。これにより、凹部33には、平坦面(水平面)33aが形成されることとなり、主ビーム幅の拡大を図ることができる。
(第3の実施形態)
図12は、本発明の第3の実施形態に係る誘電体アンテナの構成を示す分解斜視図である。図12において、第1の実施形態と同様の機能を有する部分については、同一の参照符号を付し、説明を省略することとする。第3の実施形態では、装荷誘電体として、上面部分を円錐台に切り抜く凹部34を有する装荷誘電体ブロック3dを用いる。装荷誘電体ブロック3dは、凹部34を有することによって、上部がすり鉢状になっており、切り抜かれた底の部分に装荷誘電体ブロック3dの平面に水平な平坦面(水平面)34aが形成されている。図13は、装荷誘電体ブロック3dの拡大斜視図である。
このように、上部がすり鉢型になっている装荷誘電体ブロックを用いることによって、中心部分から周囲に向かって、均等に傾斜面が形成され、底面部分が平坦となるので、主ビームの指向性の分布を平坦にすることに加え、全ての放射面において、主ビーム幅が広くなる。
なお、後述するようにすり鉢型の装荷誘電体ブロックを用いる場合、電界面において、リップルが生じる(後述の図30および図31参照)。誘電体アンテナに接続されるシステムが要求する特性によっては、リップルが問題となる場合がある。このような場合は、リップルを抑えるために、上部がすり鉢状になっている楕円柱の装荷誘電体ブロックを用いることが有効である。図14は、楕円柱のすり鉢型装荷誘電体ブロック3eの斜視図である。図14において、楕円の長軸a,a1と短軸b,b1とを電界面および磁界面でリップルを抑えることができる長さにする。この長さは、実験的に求めることができる。これにより、電界面および磁界面におけるビームを広くすることができ、かつリップルを抑えることができる。そのため、広い角度範囲において等電力の放射をすることができるアンテナが提供されることとなる。ただし、開口の形状が正方形の場合、磁界面に比べ、電界面の方が、楕円の軸長さが短くなる。
なお、角柱においても、同様に、長軸、短軸の長さを調整することで、リップルを抑えるという効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
図15は、本発明の第4の実施形態に係る誘電体アンテナの構成を示す分解斜視図である。図15において、第1の実施形態と同様の機能を有する部分については、同一の参照符号を付し、説明を省略する。第4の実施形態では、装荷誘電体ブロック3へ電磁波を給電するための開口部として、六角形の開口部800を用いる。六角形の開口部800は、上導体板2の中心部分に穿孔されている。下導体板1の中心部分には、六角形の開口凹部600が形成されている。開口部800と開口凹部600とは、同じの大きさの六角形である。
図16は、上導体板2と下導体板1とを貼り合わせたときに形成される開口部分の拡大斜視図である。図16に示すように、開口部分の形状を正方形の角を角度βだけ切り込んだ形にすることによって、楕円偏波を装荷誘電体ブロック3に給電することができる。このとき、正方形の四つの角の内、切り込みを入れる角を変えることで、電界ベクトルの回転方向を変えることができるので、右旋、左旋偏波を決めることができる。また、切り込み位置pを変えることで、偏波の軸比を変えることができる。軸比が1対1の場合、円偏波となり、それ以外の場合、楕円偏波となる。
このように、六角形の開口部の上に誘電体ブロックを装荷させることで、楕円偏波または円偏波で電磁波を放射する誘電体アンテナが提供されることとなる。
なお、誘電体アンテナを楕円偏波または円偏波で動作させることができるのであれば、上記のような構成に限定されるものではない。
なお、六角形の開口部の上に装荷させる誘電体ブロックを第2の実施形態に示したように平坦面を有する形状(たとえば、図9〜図11参照)や、すり鉢状の切り抜きを有する形状(たとえば、図12〜図14参照)にすることによって、ビーム幅が広い楕円偏波または円偏波を放射する誘電体アンテナを提供することができる。その他、誘電体ブロックは、本明細書で説明する種々の形状に置き換えることができる。
図17Aは、開口部8を互いに平行に配置されていない二つの四角形の開口800a,800bからなることとした場合の誘電体アンテナの構成を示す分解斜視図である。図17Aに示すように、開口部8を、互いに平行に配置されていない二つの四角形の開口800a,800bによって構成すると、開口800aと開口800bとは平行でないため、各開口における励振電磁界の向きが互いに異なっている。そのため、装荷誘電体ブロック3内には、向きが異なり、かつ位相差を有する二種類の電磁界が給電されることとなる。したがって、装荷誘電体ブロック3の放射電磁界は、楕円偏波となる。
なお、上記実施形態では、電磁波の給電のために、中空の導波管を用いることとしたが、マイクロストリップ線路によって電磁波を給電するようにしてもよい。図17Bは、マイクロストリップ線路によって電磁波を給電するための構成を有する誘電体アンテナの構成を示す分解斜視図である。図17Bにおいて、図6に示した誘電体アンテナと同様の機能を有する部分については、同一の参照符号を付す。図17Bに示すように、励振パッチ13bの形状を六角形にすることによって、楕円偏波または円偏波を給電することができる。
(第5の実施形態)
図18は、本発明の第5の実施形態に係る誘電体アンテナのyz面による断面図である。図18において、第1の実施形態と同様の機能を有する部分については、同一の参照符号を付し、説明を省略する。第5の実施形態では、上導体板2の上面に装荷誘電体一体型レドーム23が載せられている。
装荷誘電体一体型レドーム23は、箱状部23aと、第1〜第4の実施形態で示したような装荷誘電体と同様の形状を有する装荷誘電体部23bとを含む。箱状部23aと装荷誘電体部23bとは、一体的に形成されている。
まず、製造者は、装荷誘電体部23bと同じ径を有する円柱状の突出部が設けられるように、直方体の誘電体ブロックが箱状になるように、削る。なお、ここまでは、型出しによって一体形成してもよい。次に、製造者は、切欠部23cが形成されるように、円柱状の突出部をV字状にくり抜く。
ここで、装荷誘電体一体型レドーム23の厚さhは、以下に示すように、反射波を抑圧することができる大きさであるとする。
Figure 2005130464
上記式において、λは自由空間波長、εrは樹脂の比誘電率を示す。
装荷誘電体一体型レドーム23は、上導体板2の上面部分を全て覆い隠してしまうような大きさを有している。図18では、箱状部23aの両側面と上導体板2の両側面とが一致するような装荷誘電体一体型レドームを図示している。装荷誘電体部23bは、開口部8の上に装荷されるように、箱状部23aの中心部分に配置されている。装荷誘電体一体型レドーム23を上導体板2に取り付ける場合、製造者は、装荷誘電体一体型レドーム23の両側面と上導体板2の両側面とを一致させるようにして、装荷誘電体一体型レドーム23と上導体板2とを貼り合わせる。
このように、第5の実施形態では、装荷誘電体とレドームとを一体化して形成してしまうので、開口部に装荷すべき誘電体の位置決めが容易となる。第1〜第4の実施形態における誘電体アンテナの場合、装荷誘電体と開口との設置位置調整が、困難である。特に、ミリ波帯などの高周波においては、装荷誘電体や開口の大きさが小さくなるため、これらの位置調整の難度が上がる。設置位置がずれることによって、利得が低下し、主ビーム方向の変動が生じてしまう。また、装荷誘電体と開口との間の接合面に接着剤等の一つの層が形成されることとなり、所望の特性が得られない場合がある。これらの要因は、製品のバラツキにもつながる。第5の実施形態のように、装荷誘電体とレドームとを一体化してしまうことで、装荷誘電体を個別に設置する困難さが解消される。
また、装荷誘電体一体型レドームと上導体板とを接着するため、装荷誘電体の底面と開口との間に接着層ができないため、所望の特性を容易に得ることができる。
なお、上記実施形態では、装荷誘電体一体型レドームの形状は、直方体であるとしたが、上導体板と一致する形状であれば、直方体に限られるものではない。
また、装荷誘電体を多数装荷するアレーアンテナの場合でも、全ての装荷誘電体とレドームとを一体化することができる。
なお、上記実施形態では、導波管によって給電する誘電体アンテナについて、説明したが、ストリップ線路によって給電する誘電体アンテナについても、装荷誘電体とレドームとを一体化することができる。
なお、上記実施形態では、V字状の切欠部を設けることとしたが、図9や図11に示すように、平坦面が形成されている凹部を設けることとしてもよい。その他、凹部は、本明細書で提示する種々の形状に変形することができる。
(第6の実施形態)
図19は、本発明の第6の実施形態に係るスイッチ切り替え型の誘電体アンテナアレーの構造を示す分解斜視図である。図19において、誘電体アンテナアレーは、下導体板1aと、上導体板2aと、装荷誘電体ブロック31a〜31eと、下導体板1aの背面に取り付けられる回路基板90とを備える。回路基板90は、切り替えスイッチ回路91を含む。下導体板1aは、給電口4a〜4eと、導波管溝5a〜5eと、開口凹部6a〜6eとを含む。上導体板2aは、導波管溝7a〜7eと、開口部8a〜8eとを含む。
切り替えスイッチ回路91は、一つの入力端子と、五つの出力端子とを有し、入力端子といずれか一つの出力端子との接続を切り替えることができる。この切り替えは、制御回路(図示せず)からの指示に応じて行われる。切り替えスイッチ回路91における五つの出力端子は、同軸やストリップ線路から導波管に変換する変換器、導波管に給電するプローブ等を介して、それぞれ給電口4a〜4eに接続される。
給電口4a〜4eは、切り替えスイッチ回路91における各出力端子と対応して設けられている。導波管溝5a〜5eは、その一端がそれぞれ給電口4a〜4eとつながるように、下導体板1aの上面に形成されている。導波管溝5a〜5eの他端には、それぞれ開口凹部6a〜6eが形成されている。
導波管溝7a〜7eは、下導体板1aと上導体板2aとを貼り合わせることによって、導波管溝5a〜5eと合わさって五本の導波管を構成するように、上導体板2aの背面に形成された溝である。開口部8a〜8eは、それぞれ導波管溝7a〜7eの一端に穿孔されている。
装荷誘電体ブロック31a〜31eは、それぞれ開口部8a〜8eの上に装荷されている。装荷誘電体ブロック31aは、第3の実施形態で示したようなすり鉢型の誘電体である(図13参照)。装荷誘電体ブロック31b〜31eは、円柱の頂面を傾斜するように切り込んだ形状であって、装荷誘電体ブロック31aを中心にして囲むように、図中のx軸方向、y軸方向に各々配置されている。装荷誘電体ブロック31b〜31eにおける頂面部分の傾斜は、それぞれ、装荷誘電体ブロック31aに向かっている。装荷誘電体ブロック31aは、開口部8aの中心に装荷されている。装荷誘電体ブロック31b〜31eは、それぞれ、開口部8b〜8eの中心に装荷されている。
このように、第6の実施形態では、すり鉢状の装荷誘電体ブロック31aを中心に配置し、その周りに、中心に向かって上部が傾斜している装荷誘電体ブロック31b〜31eを配置する。この場合、中心に配置された一つの装荷誘電体ブロック31aは、アンテナ正面方向への放射指向性を有する。一方、周囲に配置された四つの装荷誘電体ブロック31b〜31eは、各々、アンテナ正面から外側に傾斜した放射指向性を有している。本実施形態におけるアンテナは五素子のアレーアンテナであるが、切り替えスイッチによって、電磁波が入射される装荷誘電体を一つだけ選択することができる。したがって、通信相手のいる方向に合わせて、スイッチを切り替えれば、如何なる方向に通信相手がいたとしても、常に高利得の状態で通信できる。つまり、複数の装荷誘電体にそれぞれ別方向の放射指向性を持たせ、切り替えスイッチによって一つの装荷誘電体を選択するようなアレーアンテナを構成することによって、高利得でかつ広いエリアをカバーできる誘電体アンテナを提供することができる。
なお、上記実施形態では、中心部が凹んでいる装荷誘電体ブロック31aを中心に配置することとしたが、当該装荷誘電体ブロック31aは、中心以外に配置されていてもよい。また、周辺の装荷誘電体は、中心に向かって上部が傾斜していることとしたが、電磁波を放射したい方向に傾斜しているのであれば、これに限定されるものではない。周辺の装荷誘電体の傾斜方向を様々に変えることによって、電磁波の放射方向を様々な向きにすることができる。
なお、切り替えスイッチを用いずに、全ての装荷誘電体から電波が放射されるようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、中心に配置された装荷誘電体ブロック31aに給電するための導波管(以下、中心導波管という)と周辺に配置された装荷誘電体ブロック31b〜31eに給電するための導波管(以下、周辺導波管という)とが平行に並ぶように構成したが、導波管の配置方向はこれに限られるものではない。たとえば、中心導波管と周辺導波管とが互いに垂直な関係にあるように、導波管を配置してもよい。図20は、中心導波管と周辺導波管とが垂直な関係にある隣接素子偏波直交型の誘電体アンテナの全体構成を示す分解斜視図である。図21は、図20に示す下導体板の斜視図である。
図20および図21に示すように、中心導波管溝5f,7fと周辺導波管溝5g〜5j,7g〜7j(7i,7jについては図示省略)とが互いに垂直な関係にある。このような場合、中心導波管における電界方向はY方向となり、周辺導波管における電界方向はX方向となる。これによって、偏波が直交する状態となるため、中心に配置されている装荷誘電体ブロックと周辺に配置されている装荷誘電体ブロックとのアイソレーションを向上させることができる。なお、ここでは、中心導波管と周辺導波管とが互いに垂直な関係にあるとしたが、アイソレーションを向上させたい導波管同士が垂直な関係にあるのであれば、垂直な関係にある導波管は図20に示す構成に限定されるものではない。
なお、上記実施形態では、装荷誘電体ブロックの数を5個としたが、4個以下であってもよいし、6個以上であってもよい。ただし、少なくとも一つの装荷誘電体ブロックは、上部が側面方向に向かうに従って高くなるような垂直断面形状を有していなければならない。
なお、上記実施形態では、中心の装荷誘電体ブロックを円形に取り囲むように、装荷誘電体ブロックが周辺に配置されることとしたが、所望の指向性に応じて、様々な方向に各装荷誘電体ブロックを配置してもよい。
なお、上記実施形態では、導波管を用いて給電することとしたが、ストリップ線路を用いて給電することとしてもよい。
なお、上記複数の装荷誘電体ブロックをレドームと一体形成するようにしてもよい。
(第7の実施形態)
図22は、本発明の第7の実施形態に係る回路埋め込み型の無線装置の構成を示す分解斜視図である。図22において、第1の実施形態と同様の機能を有する部分については、同一の参照符号を付し説明を省略することとする。図22において、無線装置は、下導体板1cと、回路基板81と、上導体板2cと、装荷誘電体ブロック3とを備える。下導体板1cは、第1の回路基板収納凹部41と、第1の導波管溝51と、開口凹部6とを含む。上導体板2cは、第2の回路基板収納凹部42と、第2の導波管溝71と、開口部8とを含む。回路基板81は、通信回路82と、マイクロストリップ線路83とを含む。回路基板81は、上導体板2cと下導体板1cとを貼り合わせることによって第1および第2の回路基板収納凹部41,42によって形成される空洞部分に収納される。
空間を伝搬してきた電磁波は、装荷誘電体ブロック3、導波管、およびマイクロストリップ線路83を介して、通信回路82に入力される。通信回路82では、入力された電磁波に対して、フィルタリング、増幅、ミキシング、変復調等の処理を施す。これにより、図22に示す無線装置が受信機として機能する。
送信の場合、通信回路82内における発振器(図示せず)、変調回路(図示せず)等から出力される電磁波は、マイクロストリップ線路83および導波管を介して、開口部8に入力されて装荷誘電体ブロック3に給電され、放射される。
このように、第7の実施形態では、小型な誘電体アンテナに通信回路を一体的に接続することとなるので、小型の無線装置を提供することができる。さらに、ミリ波などの高周波帯では、回路を非常に小型に形成できるので、全体がより小型な無線装置が提供されることとなる。
なお、装荷誘電体ブロック3は、第1〜第3の実施形態に示したような種々の形状であってもよい。
なお、上記実施形態では、通信回路82とマイクロストリップ線路83とを別々のものとしてとらえたが、これら二つをまとめて、通信回路としてとらえてもよい。また、上記実施形態では、電磁波を導波管に給電するための構成としてマイクロストリップ線路を用いることとしたが、コプレーナ線路、グラウンド付きコプレーナ線路などの高周波線路を用いて電磁波を導波管に給電するようにしてもよい。つまり、通信回路には、電磁波を導波管に給電するためのマイクロストリップ線路、コプレーナ線路もしくはグラウンド付きコプレーナ線路などの高周波線路が形成されていてもよい。
なお、上記実施形態における高周波線路としては、マイクロストリップ線路やコプレーナ線路、グラウンド付きコプレーナ線路のほかに、同軸線路、ストリップ線路、スロット線路、トリプレート線路、平行平板、NRDなどを用いることができる。
なお、上記実施形態では、電磁波をマイクロストリップ線路等の高周波線路から直接導波管に給電することとしたが、リッジ導波管変換器やプローブ変換器を用いて電磁波を給電することとしてもよい。
図23は、リッジ導波管変換器を用いて電磁波を給電するための構成を示す分解斜視図である。図24は、リッジ導波管変換器を用いて電磁波を給電するための構成を示す断面図である。図23および図24において、図22に示す無線装置と同様の機能を有する部分については、同一の参照符号を付し、説明を省略することとする。
図23および図24に示すように、リッジ導波管変換器は、第2の導波管溝71の端部に取り付けられたテーパ72と、テーパ72の回路側端面に形成されたプローブ73とを有する。テーパ72およびプローブ73は、上導体板2cと一体形成されている。プローブ73は、マイクロストリップ線路83と結合している。このように、プローブおよびテーパを介して電磁波を給電することによって、導波管内をTE波で導波する電磁波をTEM波に変換することができるので、電磁波の反射損を低減することができ、電力ロスを少なく給電することができる。
なお、上記実施形態では、回路基板が上導体板と下導体板との間に挿入されることとしたが、回路基板の配置位置は、これに限られるものではない。たとえば、回路基板が下導体板の下面に形成されていてもよい。図25は、回路基板を下導体板の下面に配置している無線装置の構成を示す分解斜視図である。図25において、第1の実施形態と同様の機能を有する部分については、同一の参照符号を付し、説明を省略する。図25に示すように、通信回路85が形成されている回路基板84を下導体板1の下面に配置するようにしても、同様の効果が得られる。なお、この場合、給電口4に電磁波を給電するための構成として、リッジ導波管変換器やプローブ変換器を用いてもよい。
図26は、図25に示す無線装置においてプローブ変換器を用いた場合の給電部分の構成を示す分解斜視図である。図26において、図25に示す無線装置と同様の機能を有する部分については、同一の参照符号を付し、説明を省略する。図26に示すように、通信回路85(図26では、図示を省略)から延びているマイクロストリップ線路86の一端に、プローブ87が設けられている。プローブ87には、シールド壁88が取り付けられている。プローブ87をモノポールアンテナとして動作させることによって、導波管内にTE波モードの電磁波を進行させることができる。このとき、プローブ長やシールド壁と給電口との距離を調整することによって、インピーダンスを調整することができる。なお、図26では、回路基板84からはみ出るようにシールド壁88が構成されるように図示したが、シールド壁88は、回路基板84内に埋め込まれていてもよい。
なお、上記実施形態では、導波管を用いて電磁波を給電することとしたが、ストリップ線路を用いて給電することとしてもよい。図27は、ストリップ線路を用いて給電する場合の無線装置の構成を示す分解斜視図である。図27において、図6に示す誘電体アンテナと同様の機能を有する部分については、同一の参照符号を付す。図27に示すように、通信回路89からの電磁波は、ストリップ線路12aおよび励振パッチ13を介して、装荷誘電体ブロック3に給電されて放射される。
なお、上記実施形態では、装荷誘電体が一つのアンテナの場合を例にして説明したが、複数の装荷誘電体で構成されるアレーアンテナについても、同様に、通信回路をアンテナと一体的に接続してもよい。
また、回路と導波管との接続においては、リッジ変換器、プローブ変換器を例に説明しているが、これらに限定されるものではない。
(実施例1)
次に、図1を参照しながら、第1の実施形態の実施例1について説明する。下導体板1は、材質がアルミであり、大きさが100mm×100mmであり、厚さが3mmであるとする。上導体板2は、材質がアルミであり、大きさが100mm×100mmであり、厚さが2.5mmであるとする。下導体板1と上導体板2とを貼り合せたときの導波管9の大きさは、3.76mm×1.88mmであるとする。開口部8の大きさは、2.8mm×2.8mmであるとする。装荷誘電体ブロック3において、材質はポリプロピレン(比誘電率2.26)であり、水平断面直径φ=6.1mmであり、高さL1=6.9mmであり、傾斜角α=45°であるとする。装荷誘電体ブロック3は、図1および図2に示すように、傾斜面が電磁界面方向であるように、配置されているとする。
図28は、上記実施例1における誘電体アンテナのxz面における放射指向性を示す図である。このように、装荷誘電体ブロックの上面部分において、中心が凹んでおり、周辺に向かうにつれて高くなるような傾斜を設けることによって、±約60度付近まで、高い利得を維持することができる。したがって、第1の実施形態に係る誘電体アンテナは、高利得でかつ主ビーム幅が広いものとなる。
(実施例2)
次に、図9および図10を参照しながら、第2の実施形態の実施例2について説明する。下導体板、上導体板、導波管、開口部の材質および形状は、実施例1で挙げたものと同様であるとする。装荷誘電体ブロック3bにおいて、材質はポリプロピレン(比誘電率2.26)であり、水平断面直径φ=8.1mmであり、頂面の平面部の長さφ1=2.0mmであり、高さL=6.9mmであり、傾斜角α=45°であるとする。この装荷誘電体ブロックは、図10に示す垂直断面がxz面上に配置されるように開口部8の中心に装荷されている。
図29は、上記実施例2における誘電体アンテナのxz面における放射指向性を示す図である。このように、装荷誘電体の底面に平行な平坦部分が形成され、周辺部分に向かって傾斜面が形成されているような装荷誘電体を用いることによって、±約60度付近まで、高い利得を維持することができる。したがって、第2の実施形態に係る誘電体アンテナは、高利得でかつ主ビーム幅が広いものとなる。また、実施例1の放射指向性を示す図28と実施例2の放射指向性を示す図29とを比較すると分かるように、第2の実施形態に係る誘電体アンテナのセクタ指向性は、向上している。
(実施例3)
次に、図12および図13を参照しながら、第3の実施形態の実施例3について説明する。下導体板、上導体板、導波管、開口部の材質および形状は、実施例1で挙げたものと同様であるとする。装荷誘電体ブロック3dにおいて、材質はポリプロピレン(比誘電率2.26)であり、水平断面直径φ=8.6mmであり、頂面直径φ1=2.5mmであり、高さL=6.9mmであり、傾斜角α=45°であるとする。
図30は、上記実施例3における誘電体アンテナのyz面(磁界面)における放射指向性を示す図である。図31は、実施例3における誘電体アンテナのxz面(電界面)の放射指向性を示す図である。図30および図31に示すように、装荷誘電体の頂面部分をすり鉢状にしたことによって、電界面および磁界面の両面において、±約60度付近まで、高い利得を維持することができる。したがって、第3の実施形態に係る誘電体アンテナは、高利得でかつビーム幅が広いものとなる。
ただし、第3の実施形態でも説明したように、電界面において、リップルが生じている。このリップルを解消するためには、図14に示すように、楕円柱状の装荷誘電体を用いることとすればよい。
(第8の実施形態)
図32は、本発明の第8の実施形態に係る誘電体アンテナの斜視図である。図33は、第8の実施形態に係る誘電体アンテナの断面図である。図32および図33において、誘電体アンテナは、誘電体ブロック203と、誘電体ブロック203における所定の表面部分を導体で覆う導体メッキ部202とを備える。誘電体ブロック203は、給電口201と、誘電体突出部204とを含む。給電口201は、誘電体ブロック203の正面部分が導体メッキされていないことによって形成されている。誘電体突出部204は、誘電体ブロック203の上面から突出している直方体部分であって、その表面は導体メッキされていない。
誘電体突出部204は、誘電体ブロック203と一体形成されている。したがって、図33の断面図に示すように、誘電体突出部204の底面部分は、導体メッキされていない。誘電体突出部204の上部には、切欠部231が形成されている。切欠部231の垂直断面形状は、V字状である。切欠部231は、四角柱であることを除いては、第1の実施形態における切欠部31と同様の特徴を有する。
次に、本実施形態に係る誘電体アンテナの製造方法について説明する。まず、製造者は、誘電体突出部204を有する誘電体ブロック203を形成するための型に、誘電体を流し込み、誘電体ブロック203を形成する。もしくは、製造者は、誘電体の塊を、切り込むことによって、誘電体突出部204を有する誘電体ブロック203を形成する。
次に、製造者は、給電口201および誘電体突出部204以外の部分(右側面部202a、上面部202b、左側面部202c、底面部202d、および背面部202e)が導体で囲まれるように、メッキする。これによって、導体メッキ部202が形成される。このようにして、本実施形態に係る誘電体アンテナが製造される。
誘電体アンテナにおいて、導体メッキ部202で囲まれている誘電体は、誘電体導波管を形成する。また、誘電体突出部204には導体メッキが施されていないので、アンテナ放射部となる。給電口201は、導波管へ信号電磁波を給電するための入口となる。
このような構成を有する誘電体アンテナにおいて、給電口201に信号電磁波が入力されると、当該電磁波は、導体メッキ部202と誘電体ブロック203とによって構成された誘電体導波管内を導波し、誘電体突出部204から放射される。
誘電体ブロック203において、誘電体突出部204以外の部分は、給電導波管として機能するので、誘電体ブロック203の幅が導波管の幅となり、誘電体ブロック203の高さが導波管の高さとなる。したがって、誘電体ブロック203の幅および/または高さを調整することによって、導波管の遮断周波数を決めることができる。導波管内では、遮断周波数より高い周波数の電磁波は、減衰することなく伝送し、誘電体突出部204から放射されることとなる。
誘電体突出部204は、誘電体ブロック203の背面202eから距離hだけ離れたところに設けられている。この距離hを調整することによって、誘電体導波管部と放射突出部との間でのインピーダンスの整合をとることができる。これにより、電磁波の反射による影響をなくすことができる。なお、距離hは、実験的に求められる。距離hは、信号電磁波の波長に対して、約1/4波長の大きさである。
このように、第8の実施形態における誘電体アンテナは、誘電体ブロックの周りを導体でメッキすることによって形成された導波管と、導体メッキされていない部分で形成された電波を放射するための放射突出部および給電口とを備える。導波管が誘電体で構成されているので、従来の誘電体アンテナに比べ、本実施形態に係る誘電体アンテナは、小型である。また、誘電体ブロックを導体メッキすることによって導波管が構成されるので、本実施形態に係る誘電体アンテナは、従来の誘電体アンテナに比べて、製造が容易でかつ安価である。加えて、第1の実施形態と同様に、誘電体突出部204の上部には、切欠部231が設けられているので、本実施形態に係る誘電体アンテナは、高利得であり、かつ主ビーム幅が広くなる。
なお、誘電体突出部204の底面積や高さを調整することによって、誘電体アンテナの利得を調整することができる。導波管部の大きさは、導波させる電磁波の波長によって、ほぼ一意に決まってしまうので、誘電体突出部204を利得が高くなるような形状にした場合、導波管部よりも誘電体突出部の方が、大きくなる場合がある。したがって、誘電体アンテナは、図32に示したように、誘電体突出部204が導波管部よりも小さくなっているものに限られるものではない。
なお、誘電体ブロックの比誘電率を大きくすればするほど、誘電体アンテナを小型にすることができる。
なお、導体で誘電体ブロックを覆うのであれば、メッキによらなくてもよい。
なお、上記実施形態では、誘電体突出部204が直方体である例を示したが、誘電体突出部の形状は、これに限られるものではなく、円柱や楕円柱、多角形柱等、上記第1の実施形態に示したような装荷誘電体と同様の形状を有するものであればよい。図34は、円形突出型の誘電体アンテナの斜視図である。図34に示すように、誘電体突出部として、円柱型誘電体部204aを用いてもよい。また、誘電体突出部は、楕円柱状であってもよい。すなわち、誘電体突出部の水平断面形状は、四角形等の多角形であってもよいし、円形であってもよいし、楕円形であってもよい。誘電体突出部の形状を変えることによって、指向性および利得が変わる。誘電体突出部の断面積が大きい場合、指向性が向上する。誘電体突出部と導波管部との接触面の面積が大きい場合、利得が増大する。誘電体突出部が円柱状である場合は、指向性が向上するという利点がある。誘電体突出部が楕円柱状である場合は、長軸方向への指向性が向上するという利点がある。誘電体突出部が直方体である場合は、利得が向上するという利点がある。
また、誘電体突出部は、上記第2または第3の実施形態に示すような装荷誘電体ブロックと同様の形状を有してもよい。これにより、第2または第3の実施形態と同様の効果が得られる。図35は、上部が平坦面を有する凹部となっている円柱の誘電体突出部204bを用いた誘電体アンテナの斜視図である。図36は、上部が平坦面を有する凹部となっている四角柱の誘電体突出部204cを用いた誘電体アンテナの斜視図である。図37は、上部がすり鉢状の凹部となっている円柱の誘電体突出部204dを用いた誘電体アンテナの斜視図である。図38は、上部がすり鉢状の凹部となっている楕円柱の誘電体突出部204eを用いた誘電体アンテナの斜視図である。
なお、上記実施形態では、誘電体ブロック203において、誘電体突出部204以外の部分は、直方体状であるとしたが、これに限られるものではなく、円柱状や楕円柱状、多角形柱状であってもよい。
なお、上記実施形態では、給電口が長方形である例を示したが、給電口の形状は、これに限られるものではなく、長方形以外の形状であってもよい。
なお、上記実施形態では、インピーダンスの整合をとるために、誘電体突出部を誘電体ブロックの背面部から一定の距離だけ内側に入ったところに設けることとしたが、これに限定されるものではない。たとえば、誘電体突出部の背面部と誘電体ブロックの背面部とが統一面上になるようにして、誘電体突出部の下側にバックショートを設けるようにしてもよい。図39は、バックショートを設けた誘電体アンテナの斜視図である。図39に示すように、バックショートとして、誘電体ブロックの底面に距離hだけ下向きに突出するインピーダンス整合用突出部205を設け、当該インピーダンス整合用突出部205の周りを導体メッキすることによって、バックショートを形成して、インピーダンス整合をとってもよい。これにより、電磁波の反射による影響をなくすことができる。なお、図32および図33に示したように、誘電体突出部204の背面部分から距離hだけ突出している部分も、インピーダンス整合用突出部といえる。
なお、上記実施形態では、誘電体突出部を一つだけ設けることとしたが、複数の誘電体突出部を設けるようにして、アレーアンテナを構成するようにしてもよい。図40は、複数の誘電体突出部204fを備える誘電体アンテナの斜視図である。図40に示すように、複数の誘電体突出部204fを設け、それぞれの位置や、大きさを調整することによって、さらに高利得の誘電体アレーアンテナを提供することが可能となる。なお、図40においては、複数の誘電体突出部が二つの長方体の誘電体突出部である例を示したが、誘電体突出部の個数および形状は、これに限定されるものではない。また、少なくとも一つの誘電体突出部204fが、上部に凹部を有していればよい。
(第9の実施形態)
図41は、本発明の第9の実施形態に係る誘電体アンテナの斜視図である。図42は、図41に示す誘電体アンテナを底面からみたときの斜視図である。図41および図42において、誘電体アンテナは、誘電体ブロック213と、誘電体ブロック213における所定の表面部分を導体で覆う導体メッキ部212とを備える。誘電体ブロック213は、給電口211と、誘電体突出部214と、複数のスルーホール(ビアホールともいう)215とを含む。給電口211は、誘電体ブロック213の背面部分212dが導体メッキされていないことによって形成されている。誘電体突出部214は、誘電体ブロック213の上面から突出している直方体部分であって、表面を導体メッキされていない。誘電体突出部214の上部には、切欠部214bが設けられている。誘電体突出部214の形状は、図41および図42に示した形状に限られず、第8の実施形態と同様、第1〜第3の実施形態に準じて、種々の形状に置き換えてもよい。各スルーホール215の内壁は、導体メッキされている。誘電体突出部214は誘電体ブロック213の一部であるので、第1の実施形態と同様、誘電体突出部214の底面部分は、導体メッキされていない。
次に、本実施形態に係る誘電体アンテナの製造方法について説明する。まず、製造者は、第1の実施形態と同様にして、誘電体突出部214を有する誘電体ブロック213を形成する。
次に、製造者は、誘電体突出部214が形成されている突出部形成面である誘電体ブロック213の上面部212bから、それに対向する対向面である背面部212dに向けて、スルーホール215をドリル等で穿孔する。なお、スルーホール215が形成するような型に誘電体を流し込んで、スルーホール215が形成されている誘電体ブロック213を形成してもよい。
次に、製造者は、給電口211、誘電体突出部214、右側面部212a、左側面部212c、背面部212e、および正面部212f以外の部分が導体で囲まれるように、導体メッキする。これによって、導体メッキ部212が形成される。この際、製造者は、スルーホール215の内壁も導体メッキされるようにする。このようにして、本実施形態に係る誘電体アンテナが製造される。
各スルーホール215は、伝送したい電磁波の波長に対して、五分の一以下となる間隔で周期的に均等に並ぶよう列状に穿孔されている。スルーホール215によって形成されるスルーホール列は、電気的な壁として機能する。そのため、図41に示すように、給電口211から誘電体突出部214に向けて誘電体突出部214を挟むように縦のスルーホール列を二列設け、右側面部212aから左側面部212cに向けて誘電体突出部214を挟むように横のスルーホール列を二列設けることによって、誘電体突出部214が複数のスルーホールに取り囲まれることとなる。これにより、上面部212bにおける導体メッキ、背面部212dにおける導体メッキ、および四列のスルーホール列に囲まれた部分が導波管として機能することとなる。縦二列のスルーホール列間の幅、横二列のスルーホール列間の幅、スルーホール215の径、スルーホール間のピッチ幅、誘電体の比誘電率に基づいて、この導波管の伝送モードおよび波長が決定する。そのため、同じ径を有するスルーホールを直線状に、同じ周期で並べて二列のスルーホール列を形成することによって、安定した動作を有する導波管が提供されることとなる。当然、このようなスルーホール列の設計は、容易である。
スルーホール列間が金属導波管の間幅にほぼ相当する。したがって、金属壁の導波管の場合と同様、スルーホール列間の幅を大きくすると、伝搬可能な波長が小さくなる。したがって、スルーホール列間の幅をある一定以上の大きさにすると、高次モードが発生する。一般に、スルーホール列間の幅と金属壁導波管の間幅とを同じにした場合、金属壁導波管における伝搬可能な波長の方が、大きくなる傾向にある。よって、スルーホール列を用いることによって、より小型の構成で高い周波数の電磁波を伝搬できるという利点がある。
また、スルーホールの径を大きくすると導波路内の波長を大きくすることができる。さらに、スルーホールの配置周期を小さくすると、導波路内の波長を小さくすることができる。したがって、スルーホールを周期的に配置する構造にすることによって、導波路内における波長の設計の自由度が向上する。さらに、後述の図44のように、スルーホールによって導波路を構成することとすれば、導波路のアレー化が可能となるので、アンテナ設計自体の自由度も向上する。
給電口211に入力された信号電磁波は、各スルーホール215で形成された誘電体導波管を導波して、放射部である誘電体突出部214から空間に放射される。
このように、第9の実施形態では、導波管がスルーホールによって構成される。第8の実施形態のように誘電体を導体メッキすることによって、導波管を構成する場合、導波管の幅が導波させたい電磁波の波長によってほぼ一意に決まってしまうので、誘電体の幅自体が決まってしまう。しかし、第9の実施形態における誘電体アンテナの場合、スルーホールを穿孔することによって導波管が構成されるので、アンテナに用いる誘電体自体の幅が制限されることがない。よって、設計の自由度を有する誘電体アンテナを提供することが可能となる。
なお、上記実施形態では、導波管に電磁波を給電するための給電口を背面部分に設けることとしたが、これに限定されるものではない。図43は、給電口の他の配置例を示す図である。図43に示す誘電体アンテナでは、誘電体ブロック213の正面部側には、スルーホール215による横の列が形成されていない。その代わり、正面部212fには、スルーホール215による縦の列と並ぶように、導体メッキ部212g,212hが形成されている。これによって、縦二列のスルーホール列、背面側の横一列のスルーホール列、および導体メッキに囲まれた部分が導波管として機能することとなる。給電口211aに入力された信号電磁波は、この導波管を導波して、放射部である誘電体突出部214から空間に放射される。なお、導体メッキ部212g,212hは、理想的な導波管を構成するために設けることとしたが、導体メッキ部212g,212hがなくても導波管が形成され、電磁波を給電することができる。
なお、上記実施形態では、誘電体突出部を一つだけ設けることとしたが、複数の誘電体突出部を設けることとしてもよい。たとえば、図40に示したように、誘電体突出部を導波進行方向に一列に並ぶように複数個設けることとしてもよい。また、誘電体ブロック上に、複数列のスルーホール列を形成して導波路をアレー化し、複数の誘電体導波管を形成し、それぞれに誘電体突出部を設けることとしてもよい。図44は、複数の誘電体突出部214aを備える誘電体アレーアンテナの斜視図である。スルーホールによって導波管を形成する構成では、図40に示すような給電進行方向のアレー構成だけでなく、図44に示すような給電進行方向に垂直な方向のアレー構成も可能である。このように、スルーホールによって導波管を形成する構成では、平面アレーが可能となる。図44では、スルーホール列を給電進行方向に二列存在することとし、誘電体突出部を二個設けることとしたが、アレー数については、これに限定されるものではない。また、各列上における誘電体突出部は、少なくとも一つ存在すればよく、図44に示した数に限定されるものではない。
なお、スルーホール列を導波管の分岐であるように構成してもよい。
(第10の実施形態)
図45は、本発明の第10の実施形態に係る誘電体基板導波管アンテナの全体構成を示す分解斜視図である。図46は、誘電体ブロックを装荷した状態の誘電体基板導波管アンテナの斜視図である。図47は、誘電体基板導波管アンテナの上面図である。図45〜図47において、誘電体基板導波管アンテナは、両面が導体メッキされている誘電体基板226と、装荷誘電体ブロック228とを備える。誘電体基板226は、給電口221と、複数のスルーホール225a〜225dと、スロット開口227とを含む。なお、図45〜47において、全てのスルーホールに参照符号を付すのを省略しているが、図上、小さい白丸がスルーホールを示している(以下同様)。給電口221は、誘電体基板226の背面部に設けられている導体メッキされていない部分である。スロット開口227は、誘電体基板226の上面部に設けられている導体メッキされていない部分である。スルーホール225a〜225dは、給電口221およびスロット開口227を取り囲むようにして誘電体基板226に穿孔された穴である。スルーホール225a〜225dの内壁は導体メッキされている。装荷誘電体ブロック228は、誘電体からなっており、スロット開口227を覆い隠すように、誘電体基板226に接着される。装荷誘電体ブロック228の上部には、凹部228aが設けられている。凹部228aの形状は、図45および図46に示した形状に限らず、第8の実施形態同様、第1〜第3の実施形態に準じて、種々の形状であってよい。
次に、本実施形態に係る誘電体基板導波管アンテナの製造方法について説明する。まず、製造者は、誘電体からなる基板に複数の穴が長方形状になるよう並ぶように穿孔する。次に、製造者は、複数の穴が穿孔された当該基板の両面を導体メッキする。これにより、複数のスルーホール225a〜225dが形成された誘電体基板が完成する。両面導体メッキされた誘電体基板にスルーホール225a〜225dが列状に配置されることによって、電気壁が形成される。この電気壁が二列設けられることによって、この二列の電気壁と両面の導体メッキとよる誘電体基板導波管が構成されることとなる。
次に、製造者は、当該誘電体基板の裏面の一部の導体メッキをエッチング等して、給電口221となる開口を設ける。同様に、製造者は、当該誘電体基板の表面の一部の導体メッキをエッチング等して、スロット開口227となる開口を設ける。このとき、製造者は、スルーホール225a〜225dによって形成される電気壁の終端部分からある程度距離をおいた位置に、給電口221およびスロット開口227を形成し、インピーダンスマッチングをとるように留意しなければならない。このようにして、給電口221、スロット開口227、および複数のスルーホール225a〜225dを含む誘電体基板226が製造される。
最後に、図46に示すように、製造者は、誘電体基板226と装荷誘電体ブロック228とをスロット開口227上で接着剤等で接着する。こうして、誘電体基板導波管アンテナが製造される。
給電口221に入力された信号電磁波は、スルーホール225aおよび225bからなる第1のスルーホール列とスルーホール225cおよび225dからなる第2のスルーホール列とによって構成される導波管内を導波し、スロット開口227において励振する。その励振電磁界によって、信号電磁波と装荷誘電体ブロック228とが電磁界結合する。よって、装荷誘電体ブロック228の上面から空中に、電磁界が放射される。
一般に、基板等によって形成される開口アンテナにおいて、高利得化を実現するためには、開口表面の励振振幅、励振位相をできるかぎり一様にすることが必要となる。装荷誘電体ブロックを設けないスロット開口のみの従来のアンテナでは、スロット開口の表面における励振振幅、励振位相分布を一様にすることができなかった。そのため、スロット開口のみの従来のアンテナは、高利得なものではなかった。
それに対し、本実施形態に係る誘電体基板導波管アンテナでは、装荷誘電体ブロック228を設けることによって、スロット開口227で励振された電磁界が装荷誘電体ブロック228の中を導波するようにしている。したがって、装荷誘電体ブロック228の表面積および高さを調整することによって、装荷誘電体ブロック228の側面に生じる表面波と装荷誘電体ブロック228内を導波する電磁波とが、お互いに誘電体頂面において同位相になるようにすることができる。そのため、位相分布が一様となるようにすることができ、結果、正面方向に対し高利得なアンテナを提供することができる。
このように、本実施形態に係る誘電体基板導波管アンテナは、一素子のアンテナであるにもかかわらず高利得であり、かつ小型なものとなる。また、装荷誘電体ブロック228は、垂直断面形状が側面方向に向かうに従って高くなるような形状となる凹部228aを上部に有するので、第1の実施形態と同様、主ビーム幅が広い誘電体導波管アンテナが提供されることとなる。
また、本実施形態に係る誘電体基板導波管アンテナは、誘電体基板を一般的に用いられるようなテフロン(登録商標)等で構成することができる。したがって、より加工が容易で、かつ材料費が安価なものとなる。
なお、上記実施形態では、装荷誘電体ブロックとして、円柱状のものを用いることとしたが、装荷誘電体の形状はこれに限られるものではない。図48は、角柱の装荷誘電体ブロック228bを用いた誘電体基板導波管アンテナの構成を示す図である。図49は、楕円柱の装荷誘電体ブロック228cを用いた誘電体基板導波管アンテナの構成を示す図である。このように、装荷誘電体ブロックは、スロット開口において、信号電磁波と装荷誘電体とが電磁界結合するような形状であれば、ここで示した形状に限られるものではない。
なお、上記実施形態では、給電口の形状が長方形のものを示したが、給電口の形状はこれに限られるものではない。図50は、円形状の給電口221aを用いた誘電体基板導波管アンテナの構成を示す図である。図51は、H型の給電口221bを用いた誘電体基板導波管アンテナの構成を示す図である。このように、給電口は、入力電磁波が導波管と結合するような形状であればよい。特に、誘電体基板導波管の壁間は狭いので、十分な大きさの給電口を設けることが困難な場合がある。このような場合、図51に示すように、H型の給電口221bを設ければ、長方形の給電口を設けたときと等価なスロット長を得ることができ、入力電磁波が導波管と結合するのを強めることができる。結果、アンテナを高い周波数帯域で使用することができる。
なお、上記実施形態では、スロット開口の形状が長方形のものを示したが、スロット開口の形状はこれに限られるものではない。図52は、円形のスロット開口227aを用いた場合の誘電体基板導波管アンテナの構成を示す図である。図53は、H型のスロット開口227bを用いた場合の誘電体基板導波管アンテナの構成を示す図である。このように、スロット開口は、信号電磁波と装荷誘電体とが電磁界結合するような形状であれば、ここで示した形状に限られるものではない。
(第11の実施形態)
図54は、本発明の第11の実施形態に係るスロットペア型の誘電体アンテナの構成を示す図である。図54において、第10の実施形態と同様の部分については、同一の参照符号を付し、説明を省略することとする。図54に示すように、誘電体基板236には、スロット開口として、長方形状の第1のスロット開口237aおよび第2のスロット開口237bが設けられている。第1のスロット開口237aと第2のスロット開口237bとは、所定の間隔をおいて配置されており、互いに平行とならないように配置されている。第1のスロット開口237aと第2のスロット開口237bとは平行でないため、各スロット開口における励振電磁界の向きが互いに異なっている。そのため、装荷誘電体ブロック228内には、向きが異なり、かつ位相差を有する二種類の電磁界が給電されることとなる。したがって、装荷誘電体ブロック228の放射電磁界は、楕円偏波となる。
第1および第2のスロット開口237a,237bの励振振幅の大きさが等しくなるように、第1および第2のスロット開口237a,237bの大きさを調整し、第1のスロット開口237aと第2のスロット開口237bとをある一定の距離だけ離し、第1および第2のスロット開口237a,237bによって生じる電磁界の向きが90度異なるように交差角を調整することで、誘電体基板導波管アンテナは、軸比が1となる円偏波のアンテナとなる。
このように、第11の実施形態では、誘電体基板導波管アンテナを円偏波のアンテナとすることができる。円偏波のアンテナでは、直線偏波のアンテナと異なり、送受信間のアンテナの偏波方向を揃える必要がない。したがって、第11の実施形態に係る誘電体基板導波管アンテナは、移動体通信システム等、アンテナの向きが変わりやすい通信システムにおいて、利用価値が高いものとなる。また、装荷誘電体ブロック228は、垂直断面形状が側面方向に向かうに従って高くなるような形状となる凹部を上部に有するので、第1の実施形態と同様、主ビーム幅が広い誘電体導波管アンテナが提供されることとなる。
なお、上記実施形態では、二つのスロット開口が離れて配置されていることとしたが、二つのスロット開口は、交差していてもよい。
なお、上記実施形態では、二つのスロット開口を用いることとしたが、スロット開口の形状はこれに限られるものではない。図55は、六角形のスロット開口237cを用いた誘電体基板導波管アンテナの構成を示す図である。スロット開口を六角形にすることによって、楕円偏波を生じさせることができる。なぜなら、正方形の四つの角に対して、切り込みを入れることによって、右旋偏波および左旋偏波を生じさせることができるからである。切り込みを入れる角度、切り込みを入れる位置を調整すると、偏波の軸比を調整することができる。このように、スロット開口は、円偏波励振が行われるような形状であれば、ここで示した形状に限られるものではない。
(第12の実施形態)
図56は、本発明の第12の実施形態に係る誘電体アンテナの構成を示す図である。図56において、第10の実施形態に係る誘電体アンテナと同一の機能を有する部分については、同一の参照符号を付し、説明を省略することとする。図56において、誘電体基板246には、同じ誘電体基板導波管上に、四つのスロット開口247a〜247dが形成されている。各スロット開口247a〜247dの上には、四つの装荷誘電体ブロック248a〜248dが設置されている。これによって、アレーアンテナが構成される。なお、ここでは、四つの装荷誘電体を用いることとしたが、複数の装荷誘電体を用いるのであれば、その数は四つに限定されるものではない。なお、図56では、四つの装荷誘電体ブロックの全てが凹部を有することとしたが、少なくとも一つの装荷誘電体ブロックが凹部を有していればよい。凹部を有する誘電体ブロックの形状は、他の実施形態と同様、第1〜第3の実施形態に準じて、種々の形状に置き換えることができる。
給電口221から入力された信号電磁波は、誘電体基板導波管内を導波しながら、給電口221に近い側から遠い側に向かって、装荷誘電体ブロック248a〜248dを励振させる。すなわち、図56に示す誘電体アンテナは、進行波型のアレーアンテナである。
各装荷誘電体ブロックにおける励振振幅は、各スロット開口のサイズ、および各装荷誘電体ブロックのサイズにより調整することができる。また、各装荷誘電体ブロックにおける励振位相についても、各スロット開口の位置、および各装荷誘電体ブロックのサイズによって調整することができる。
一つの装荷誘電体ブロックを用いる場合であっても、ある程度の高利得特性を得ることはできる。それ以上の高利得特性を得たい場合、一つの装荷誘電体ブロックを用いる場合では、装荷誘電体ブロックのサイズを大きく(表面積および高さを共に大きく)しなければならず、アンテナ全体のサイズが大きくなってしまう。しかし、本実施形態に係る誘電体基板導波管アンテナでは、複数の装荷誘電体ブロックを用いることによって、アンテナ全体のサイズを大きくせずに、高利得特性を得ることができる。
このように、第12の実施形態における誘電体基板導波管アンテナアレーでは、複数の装荷誘電体ブロックを同振幅・同位相で励振させることで、一つの装荷誘電体ブロックを用いる場合と比べ、広い範囲にわたって、同位相の開口面積を大きくとれることができ、かつ高利得特性を得ることができる。また、少なくとも一つの装荷誘電体ブロックは、垂直断面形状が側面方向に向かうに従って高くなるような形状となる凹部を上部に有するので、第1の実施形態と同様、主ビーム幅が広い誘電体導波管アンテナが提供されることとなる。
なお、図56に示す構成において、電磁波の反射によって、各装荷誘電体ブロックとの間のインピーダンスマッチングがとれない場合、アンテナ全体が動作しなくなってしまう。各装荷誘電体ブロックとの間のインピーダンスマッチングがとれない場合、インピーダンス整合用のスルーホールであるマッチングポストを各スロット開口の導波進行方向手前に設けるとよい。図57は、マッチングポスト付きの誘電体アンテナの構成を示す図である。なお、図57では、一部のスロット開口におけるマッチングポストのみについて示しているが、他のスロット開口におけるマッチングポストについても同様である。マッチングポスト249a,249bは、各スロット開口で生じる反射波の位相とマッチングポストで生じる反射波の位相とが逆位相となるように、位置決めされている。このように、各装荷誘電体へのインピーダンスマッチングをとることによって、アンテナを正常に動作させることが可能となる。なお、インピーダンスマッチングをとることができる位置にマッチングポストが形成されているのであれば、マッチングポストの位置は、図57に示すような位置に限定されるものではない。
なお、上記実施形態では、スルーホールによって一本の誘電体基板導波管を形成することとし、この誘電体基板導波管の上に複数のスロット開口を設けて、各スロット開口の上に装荷誘電体ブロックを接置することとしたが、誘電体基板導波管は複数本形成されていてもよく、各誘電体基板導波管上に装荷誘電体ブロックが複数接置されていてもよい。図58は、アレーアンテナを並列に並べた誘電体基板導波管アンテナ平面アレーの構成を示す図である。図58に示すような平面アレーにおいて、誘電体基板246a上に接置された各装荷誘電体ブロック248を同振幅・同位相で励振させることによって、さらなる高利得化を図ることができる。この場合、各々の導波管列において、同振幅・同位相で励振するように各スロット開口247のサイズと位置、装荷誘電体ブロック248のサイズを決定する。なお、装荷誘電体ブロックの数、誘電体基板導波管の数は、図58に示すものに限られない。なお、図58では、四つの装荷誘電体ブロックの全てが凹部を有することとしたが、一つのアンテナにおいて少なくとも一つの装荷誘電体ブロックが凹部を有していればよい。凹部を有する誘電体ブロックの形状は、他の実施形態と同様、第1〜第3の実施形態に準じて、種々の形状に置き換えることができる。
図59は、図58に示す平面アレーへの給電の構成を示す図である。図59に示すように、各誘電体基板導波管の分岐部において、インピーダンス整合用のスルーホールであるマッチングポスト310を適切な位置に配置することによって、各誘電体基板導波管に給電される電磁波が同電力・同位相となり、給電口221に給電された電磁波を各装荷誘電体ブロックへ分配することができる。このように、全てのスルーホールは、給電口に給電された電磁波を各装荷誘電体へ分配するように配列されている。
なお、図58に示すような平面アレーにおいても、各装荷誘電体ブロックのインピーダンスマッチングをとることは重要となる。そのため、必要であれば、図57に示したようなマッチングポストを各スロット開口の前に設けるべきである。
なお、第12の実施形態で示したようなスルーホールの配置については、第9の実施形態における図44で示した誘電体ブロックによって平面アレーを構成する誘電体アンテナについても適用することができる。
(第13の実施形態)
図60は、本発明の第13の実施形態に係る無線装置の構成を示す図である。図60において、無線装置は、誘電体基板226および装荷誘電体ブロック228から構成される第10の実施形態に係る誘電体基板導波管アンテナと、無線通信用の回路基板2111とを備える。誘電体基板導波管アンテナと回路基板2111とが重なり合わさって、第13の実施形態に係る無線装置が構成される。
図61は、回路基板2111の裏面の構成を示す図である。図60および図61において、回路基板2111は、誘電体基板226と重なる面に形成されている接地導体面2112と、給電口221と結合するための給電結合開口2113と、変復調回路等を備える裏面に形成された無線回路2115と、無線回路2115と給電結合開口2113とを結ぶためのマイクロストリップ線路2114とを含む。無線回路2115は、マイクロストリップ線路やコプレーナ線路等の高周波線路で形成されている半導体回路である。給電結合開口2113は、無線回路2115とは反対側であって、マイクロストリップ線路2114の端から少し内側に入った位置にエッチング等で形成されている。
無線回路2115から発生する信号は、マイクロストリップ線路2114を通じて、給電結合開口2113に到達する。給電結合開口2113はアンテナ側の給電口221と電磁結合するので、当該信号は、誘電体基板導波管内に給電されて、装荷誘電体ブロック228から電磁波として放射される。このとき、アンテナ側と回路側との整合は、給電結合開口2113の大きさや位置によって調整される。
このように第13の実施形態では、誘電体基板導波管アンテナと回路とを一体化することによって、小型の無線装置を提供することとなる。
なお、上記実施形態では、無線回路と給電結合開口とをマイクロストリップ線路で接続することとしたが、コプレーナ等の他の高周波線路で接続してもよい。
なお、上記実施形態では、アンテナとして、第10の実施形態に係る誘電体基板導波管アンテナを用いることとしたが、その他の実施形態における誘電体アンテナを用いてもよい。ここで用いるアンテナは、装荷誘電体が一つのアンテナであってもよいし、アレー構造のアンテナであってもよい。また、装荷誘電体ブロックの形状は、第1〜第3の実施形態に準じて、種々の形状に置き換えてもよい。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
本発明に係る誘電体アンテナおよびそれを用いた無線装置は、高利得でかつビーム幅が広く、製造が容易でかつ小型で安価なものであり、高周波信号等の通信用等として有用である。
本発明の第1の実施形態に係る誘電体アンテナの構成を示す分解斜視図 図1に示す誘電体アンテナの正面図 上部の凹部が凹レンズ状になっている装荷誘電体ブロックの斜視図 上部の凹部が半円柱状に切り抜かれた形状になっている装荷誘電体ブロックの斜視図 上部の凹部が上面から切り込まれた形状になっている装荷誘電体ブロックの斜視図 図1に示す装荷誘電体ブロックを90度回転させて配置したときの誘電体アンテナの側面図 給電路としてマイクロストリップ線路を用いる場合の誘電体アンテナの構成を示す分解斜視図 スタブを設けてインピーダンス整合をとるようにした誘電体アンテナの構成を示す分解斜視図 励振パッチの一部に凹み部分を設けてインピーダンス整合をとるようにした誘電体アンテナの構成を示す分解斜視図 本発明の第2の実施形態に係る誘電体アンテナに用いられる装荷誘電体ブロックの斜視図 図9における装荷誘電体ブロックの線A−Bに沿う垂直断面図 四角柱の誘電体ブロックを切り込んだ装荷誘電体ブロック3cの斜視図 本発明の第3の実施形態に係る誘電体アンテナの構成を示す分解斜視図 装荷誘電体ブロック3dの拡大斜視図 楕円柱のすり鉢型装荷誘電体ブロック3eの斜視図 本発明の第4の実施形態に係る誘電体アンテナの構成を示す分解斜視図 上導体板2と下導体板1とを貼り合わせたときに形成される開口部分の拡大斜視図 開口部8を互いに平行に配置されていない二つの四角形の開口800a,800bからなることとした場合の誘電体アンテナの構成を示す分解斜視図 マイクロストリップ線路によって電磁波を給電するための構成を有する誘電体アンテナの構成を示す分解斜視図 本発明の第5の実施形態に係る誘電体アンテナのyz面による断面図 本発明の第6の実施形態に係るスイッチ切り替え型の誘電体アンテナアレーの構造を示す分解斜視図 中心導波管と周辺導波管とが垂直な関係にある隣接素子偏波直交型の誘電体アンテナの全体構成を示す分解斜視図 図20に示す下導体板の斜視図 本発明の第7の実施形態に係る回路埋め込み型の無線装置の構成を示す分解斜視図 リッジ導波管変換器を用いて電磁波を給電するための構成を示す分解斜視図 リッジ導波管変換器を用いて電磁波を給電するための構成を示す断面図 回路基板を下導体板の下面に配置している無線装置の構成を示す分解斜視図 図25に示す無線装置においてプローブ変換器を用いた場合の給電部分の構成を示す分解斜視図 ストリップ線路を用いて給電する場合の無線装置の構成を示す分解斜視図 実施例1における誘電体アンテナのxz面における放射指向性を示す図 実施例2における誘電体アンテナのxz面における放射指向性を示す図 実施例3における誘電体アンテナのyz面(磁界面)における放射指向性を示す図 実施例3における誘電体アンテナのxz面(電界面)の放射指向性を示す図 本発明の第8の実施形態に係る誘電体アンテナの斜視図 第8の実施形態に係る誘電体アンテナの断面図 円形突出型の誘電体アンテナの斜視図 上部が平坦面を有する凹部となっている円柱の誘電体突出部204bを用いた誘電体アンテナの斜視図 上部が平坦面を有する凹部となっている四角柱の誘電体突出部204cを用いた誘電体アンテナの斜視図 上部がすり鉢状の凹部となっている円柱の誘電体突出部204dを用いた誘電体アンテナの斜視図 上部がすり鉢状の凹部となっている楕円柱の誘電体突出部204eを用いた誘電体アンテナの斜視図 バックショートを設けた誘電体アンテナの斜視図 複数の誘電体突出部204fを備える誘電体アンテナの斜視図 本発明の第9の実施形態に係る誘電体アンテナの斜視図 図41に示す誘電体アンテナを底面からみたときの斜視図 給電口の他の配置例を示す図 複数の誘電体突出部214aを備える誘電体アレーアンテナの斜視図 本発明の第10の実施形態に係る誘電体基板導波管アンテナの全体構成を示す分解斜視図 誘電体ブロックを装荷した状態の誘電体基板導波管アンテナの斜視図 誘電体基板導波管アンテナの上面図 角柱の装荷誘電体ブロック228bを用いた誘電体基板導波管アンテナの構成を示す図 楕円柱の装荷誘電体ブロック228cを用いた誘電体基板導波管アンテナの構成を示す図 円形状の給電口221aを用いた誘電体基板導波管アンテナの構成を示す図 H型の給電口221bを用いた誘電体基板導波管アンテナの構成を示す図 円形のスロット開口227aを用いた場合の誘電体基板導波管アンテナの構成を示す図 H型のスロット開口227bを用いた場合の誘電体基板導波管アンテナの構成を示す図 本発明の第11の実施形態に係るスロットペア型の誘電体アンテナの構成を示す図 六角形のスロット開口237cを用いた誘電体基板導波管アンテナの構成を示す図 本発明の第12の実施形態に係る誘電体アンテナの構成を示す図 マッチングポスト付きの誘電体アンテナの構成を示す図 アレーアンテナを並列に並べた誘電体基板導波管アンテナ平面アレーの構成を示す図 図58に示す平面アレーへの給電の構成を示す図 本発明の第13の実施形態に係る無線装置の構成を示す図 回路基板2111の裏面の構成を示す図 従来の導波管給電型の誘電体アンテナの構成を示す分解斜視図 従来の誘電体アンテナのxz面(電界面)における放射指向性を示す図
符号の説明
1,1a,1c 下導体板
2,2a,2c 上導体板
3,3a,3b,3c,3d 装荷誘電体ブロック
3e すり鉢型装荷誘電体ブロック
4,4a〜4e 給電口
5 第1の導波管溝
5a〜5e 導波管溝
5f,7f 中心導波管溝
6,6a〜6e 開口凹部
7 第2の導波管溝
7a〜7e 導波管溝
8,8a〜8e 開口部
9 導波管
10 誘電体基板
11 接地導体
12 マイクロストリップ線路
12a ストリップ線路
13 励振パッチ
14 スタブ
23 装荷誘電体一体型レドーム
23a 箱状部
23b 装荷誘電体部
23c,31 切欠部
31x,31y 傾斜面
31a〜31e 装荷誘電体ブロック
32a 凹部
32d 上面
32x 平坦面
41 第1の回路基板収納凹部
42 第2の回路基板収納凹部
51 第1の導波管溝
71 第2の導波管溝
72 テーパ
73 プローブ
81 回路基板
82 通信回路
83 マイクロストリップ線路
84 回路基板
85 通信回路
86 マイクロストリップ線路
87 プローブ
88 シールド壁
89 通信回路
90 回路基板
91 切り替えスイッチ回路
201 給電口
202 導体メッキ部
203 誘電体ブロック
204 誘電体突出部
204a 円柱型誘電体部
204b,204c,204d,204e,204f 誘電体突出部
205 インピーダンス整合用突出部
211 給電口
212 導体メッキ部
213 誘電体ブロック
214,214a 誘電体突出部
215,225a〜225d スルーホール
221,221a,221b 給電口
226 誘電体基板
227,227a,227b スロット開口
228 装荷誘電体ブロック
228a 凹部
228b,228c 装荷誘電体ブロック
231 切欠部
236 誘電体基板
237a 第1のスロット開口
237b 第2のスロット開口
237c,247a〜247d スロット開口
248a〜248d 装荷誘電体ブロック
249a,249b,310 マッチングポスト
600 開口凹部
800 開口部
800a,800b 開口
2111 回路基板
2112 接地導体面
2113 給電結合開口
2114 マイクロストリップ線路
2115 無線回路

Claims (29)

  1. 誘電体アンテナであって、
    給電される電磁波を放射する柱状の誘電体部を備え、
    前記誘電体部は、上部に凹部を含み、
    前記凹部の垂直断面形状は、前記誘電体部の側面方向に向かうに従って高くなる形状であることを特徴とする、誘電体アンテナ。
  2. 前記凹部は、垂直断面形状がV字状となる切欠であることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体アンテナ。
  3. 前記凹部は、平坦な面を有することを特徴とする、請求項1に記載の誘電体アンテナ。
  4. 前記誘電体部は、楕円柱状であることを特徴とする、請求項3に記載の誘電体アンテナ。
  5. 前記誘電体部は、柱状の装荷誘電体ブロックであり、
    さらに、前記装荷誘電体ブロックの底面部分に前記電磁波を給電する給電部を備える、請求項1に記載の誘電体アンテナ。
  6. 前記給電部は、
    導波管と、
    前記装荷誘電体ブロックに前記電磁波を給電するための開口部とを含み、
    前記装荷誘電体ブロックは、前記開口部の上に装荷されていることを特徴とする、請求項5に記載の誘電体アンテナ。
  7. 前記導波管内には、誘電体が充填されていることを特徴とする、請求項6に記載の誘電体アンテナ。
  8. 前記開口部は、六角形状であることを特徴とする、請求項6に記載の誘電体アンテナ。
  9. 前記開口部は、互いに平行に配置されていない二つの四角形の開口からなることを特徴とする、請求項6に記載の誘電体アンテナ。
  10. 前記給電部は、
    誘電体基板上に形成された高周波線路と、
    前記高周波線路の終端部分に形成された給電用のパッチとを含み、
    前記装荷誘電体ブロックは、前記パッチの上に装荷されていることを特徴とする、請求項5に記載の誘電体アンテナ。
  11. 前記パッチは、六角形状であることを特徴とする、請求項10に記載の誘電体アンテナ。
  12. さらに、前記誘電体部を一部の突出部分に一体形成して含む誘電体ブロックと、
    前記誘電体ブロックの表面部分の内、前記電磁波を給電するための給電口および前記突出部以外の部分を覆う導体部とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体アンテナ。
  13. 前記誘電体ブロックには、インピーダンスの整合をとるための整合用突出部が設けられていることを特徴とする、請求項12に記載の誘電体アンテナ。
  14. さらに、前記誘電体部を一部の突出部分に一体形成して含む誘電体ブロックと、
    前記誘電体ブロックにおける前記突出部が形成されている突出部形成面から、前記突出部形成面と対向する対向面に向けて、前記突出部を挟むように前記誘電体ブロックに穿孔されている複数のスルーホールと、
    前記誘電体ブロックの表面部分の内、前記電磁波の給電口および前記突出部以外の部分であって、少なくとも前記突出部形成面、前記対向面、および前記スルーホールの内壁面を覆う導体部とを備える、請求項1に記載の誘電体アンテナ。
  15. 前記誘電体ブロックには、インピーダンスの整合をとるための整合用突出部が設けられていることを特徴とする、請求項14に記載の誘電体アンテナ。
  16. 前記誘電体部は、柱状の装荷誘電体ブロックであり、
    前記装荷誘電体ブロックの底面部分に前記電磁波を給電するための給電口および前記電磁波を放射し、前記装荷誘電体ブロックを装荷するためのスロット開口を含み、前記給電口および前記スロット開口以外の両面部分が導体で覆われている誘電体基板と、
    前記給電口と前記スロット開口とを取り囲むように配列しており、内壁が導体で覆われている前記誘電体基板に穿孔された複数のスルーホールとを備える、請求項1に記載の誘電体アンテナ。
  17. 前記スロット開口は、お互いに平行に配置されていない四角形の二つの開口部からなることを特徴とする、請求項16に記載の誘電体アンテナ。
  18. 前記スロット開口は、六角形であることを特徴とする、請求項16に記載の誘電体アンテナ。
  19. 前記複数のスルーホールは、伝送すべき電磁波の波長に対して、五分の一以下となる間隔で周期的配列されていることを特徴とする、請求項16に記載の誘電体アンテナ。
  20. 前記給電口は、H型であることと特徴とする、請求項16に記載の誘電体アンテナ。
  21. 前記スロット開口は、H型であることを特徴とする、請求項16に記載の誘電体アンテナ。
  22. 前記誘電体部は、アレー構成に配置されている複数の柱状の装荷誘電体ブロックの少なくとも一つであり、
    さらに、各前記装荷誘電体ブロックの底面部分に前記電磁波を給電する給電部を備え、
    前記誘電体部以外の前記装荷誘電体ブロックは、上部が前記電磁波を放射させたい方向に傾斜されていることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体アンテナ。
  23. 前記複数の装荷誘電体ブロックの内、中心に配置されている装荷誘電体ブロック以外の装荷誘電体ブロックは、所望の指向性に応じて、様々な方向に配置されていることを特徴とする、請求項22に記載の誘電体アンテナ。
  24. 前記電磁波を少なくとも一つの前記装荷誘電体ブロックに給電するためのスイッチ回路をさらに備える、請求項22に記載の誘電体アンテナ。
  25. 高周波通信用の無線装置であって、
    給電される電磁波を放射する誘電体アンテナと、
    前記誘電体アンテナと接続されている通信回路とを備え、
    前記誘電体アンテナは、
    前記電磁波を放射する柱状の誘電体部を含み、
    前記誘電体部は、上部に凹部を有し、
    前記凹部の垂直断面形状は、前記誘電体部の側面方向に向かうに従って高くなる形状であることを特徴とする、無線装置。
  26. 前記通信回路は、前記電磁波を給電するための給電部の内部に配置されている、請求項25に記載の無線装置。
  27. 前記通信回路は、前記電磁波を給電するための給電部の裏面に配置されている、請求項25に記載の無線装置。
  28. 前記通信回路は、前記電磁波をパッチ給電するためのパッチ給電基板上に配置されている、請求項25に記載の無線装置。
  29. 前記通信回路からの前記電磁波は、導波管を介して給電され、
    前記通信回路には、前記電磁波を前記導波管に給電するための高周波線路が形成されており、
    さらに、前記導波管と前記高周波線路との間のインピーダンス整合をとるための変換器を備える、請求項25に記載の無線装置。

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