JP2001144435A - スルーホール樹脂充填方法およびプリント基板製造方法 - Google Patents

スルーホール樹脂充填方法およびプリント基板製造方法

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JP2001144435A
JP2001144435A JP32554299A JP32554299A JP2001144435A JP 2001144435 A JP2001144435 A JP 2001144435A JP 32554299 A JP32554299 A JP 32554299A JP 32554299 A JP32554299 A JP 32554299A JP 2001144435 A JP2001144435 A JP 2001144435A
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resin
core material
hole
filling
pet film
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JP32554299A
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English (en)
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Kazunori Akaho
和則 赤穂
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Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
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  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コア材に設けられた微小かつ高密度のスルー
ホール内部に完全に樹脂を充填することができると共
に、不要な樹脂を容易に除去することのできるスルーホ
ール樹脂充填方法を提供する。 【解決手段】 Cuメッキで覆われたコア材にPETフ
ィルムをラミネートし(ステップS105)、レーザに
よるPETフィルムの穴あけ処理を行なう(ステップS
107)。次に、真空ラミネートによるT/Hへの樹脂
の充填処理を行なう(ステップS109)。即ち、PE
Tフィルム上にシート状のエポシキ系樹脂をラミネート
し、その状態でコア材のT/H内の空気を真空ポンプで
吸引し減圧する。この際、エポキシ系樹脂を加熱すると
共にコア材の方向に加圧する。その後、PETフィルム
をコア材から剥離し、T/H内部以外の、PETフィル
ム上のエポキシ系樹脂も一緒にコア材から除去する(ス
テップS111)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスルーホール樹脂充
填方法およびプリント基板製造方法に関し、特に、多層
プリント基板製造過程におけるコア材に設けられた微小
かつ高密度のスルーホール内に樹脂を充填させるスルー
ホール樹脂充填方法、および、このスルーホール樹脂充
填方法を用いて、プリント基板を製造するプリント基板
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、MPUのパッケージに使用される
プリント基板の多くは、従来法の単にスルーホールを設
け上下に配線を形成するという単層プリント基板から、
高密度化を可能とするために複数のプリント基板が積層
された多層プリント基板へと代わってきている。以下、
この多層プリント基板がビルトアップされる前の1枚の
プリント基板の製造方法について簡単に説明する。
【0003】まず、コア材にドリルでスルーホール(以
下「T/H」と略す。)を形成する。次に、無電解Cu
メッキおよび電解Cuメッキを行なう。続いて、エッチ
ングによるCuの配線形成を行なう。そして、T/H内
部に樹脂を印刷法で充填させる。次に、ベッドサンダー
研磨、バフ研磨、ジェットスクラブのいずれかにより研
磨を行なう。最後に、コア材の配線上に粗化のための針
状メッキであるインタープレートメッキを行なう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来技術におけるコア材の製造方法では、T/Hへの樹脂
の充填が印刷法により行なわれていたため、完全にT/
H内部に樹脂を充填することが困難であるという問題が
生じていた。
【0005】すなわち、現在のプリント基板は、ICチ
ップの高集積化、小型化等に伴い、Cu配線パターンの
高密度化が要求されており、当然、T/Hに対しても微
小かつ高密度化が要求されてきている。したがって、例
えば、直径が100μmから300μmほどの微小T/
Hになると、もはや、樹脂ペーストの粘度やスキージ速
度および印圧等の印刷条件を変化させても、印刷法によ
る樹脂充填方法ではT/H内部に完全に樹脂を充填させ
ることは困難になってきていた。
【0006】このため、コア材上に直接T/H充填用樹
脂をラミネートしてから、T/H内を減圧することによ
り、T/H内部に樹脂を充填させるという方法も考えら
れる。
【0007】しかし、コア材上に直接、シート状の樹脂
をラミネートした場合は、T/H内部への樹脂の充填が
完了した後、コア材上に残った多量の樹脂を研磨等によ
り除去しなければならない。この際、樹脂の残存量が多
いため、研磨を十分に行なう必要がある。一方、研磨を
し過ぎるとコア材表面のCuメッキを傷つける恐れがあ
る。したがって、研磨条件が厳しくなり制御が困難であ
るという問題が生じていた。
【0008】このため、その後の工程にも悪影響を与
え、プリント基板そのものに対する信頼性を著しく低下
させることになっていた。
【0009】本発明はかかる実状に鑑み考え出されたも
のであり、その第1の目的は、コア材に設けられた微小
かつ高密度のスルーホール内部に完全に樹脂を充填する
ことができると共に、不要な樹脂を容易に除去すること
のできるスルーホール樹脂充填方法を提供することであ
る。
【0010】また、第2の目的は、より信頼性の高いプ
リント基板を製造することができるプリント基板製造方
法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のある局面に従うと、スルーホール樹脂充填
方法は、スルーホールが設けられたコア材の片面または
両面に剥離可能なフィルムをラミネートする第1のラミ
ネートステップと、フィルムのスルーホール上部に穴を
空ける穴あけステップと、穴が空けられたフィルムの上
にシート状の樹脂をラミネートする第2のラミネートス
テップと、第2のラミネートステップにより樹脂がラミ
ネートされた状態で、スルーホール内部を減圧する減圧
ステップと、減圧ステップの後にフィルムをコア材から
剥離する剥離ステップとを備える。
【0012】この発明に従うと、樹脂がコア材にラミネ
ートされた状態で、スルーホール内が減圧される。この
ため、樹脂がスルーホール内部に入り込み、スルーホー
ル内は完全に樹脂によって充填されることになる。
【0013】また、樹脂をスルーホール内部に充填させ
た後は、剥離ステップにより樹脂とコア材との間のフィ
ルムが剥離される。このため、フィルム上(コア材上)
の不要な樹脂の多くがフィルムと共に容易にコア材から
除去される。
【0014】したがって、コア材に設けられた微小かつ
高密度のスルーホール内部に完全に樹脂を充填すること
ができると共に、不要な樹脂を容易に除去することので
きるスルーホール樹脂充填方法を提供することが可能と
なる。
【0015】好ましくは、前記スルーホール樹脂充填方
法は、樹脂を加熱する加熱ステップと、樹脂をコア材の
方向に加圧する加圧ステップとをさらに備え、減圧ステ
ップにより減圧が行なわれている時に加熱ステップおよ
び加圧ステップは行なわれる。
【0016】また、好ましくは、前記スルーホール樹脂
充填方法において、加熱ステップにおいては、100℃
から120℃の温度で加熱し、加圧ステップにおいて
は、8kg/cm2から10kg/cm2の圧力で加圧す
る。
【0017】これらの発明に従うと、減圧ステップによ
りスルーホール内が減圧されている時に、適度な温度に
加熱された樹脂が適度な圧力でコア材の方向に加圧され
るため、スルーホールの内部への樹脂の挿入がより容易
となり、スルーホールへの樹脂の完全充填が可能とな
る。
【0018】また、前記スルーホール樹脂充填方法にお
いて、フィルムは透過性の高いPETフィルムを含むこ
とが好ましい。
【0019】PETフィルムを使用することにより低価
格かつ比較的容易な取り扱いが可能となる。また、PE
Tフォルムの透過性が高いと、その後の穴あけステップ
におけるスルーホール上の穴明け位置の決定が容易とな
る。
【0020】また、本発明の他の局面に従うと、プリン
ト基板製造方法は、前記いずれかに記載のスルーホール
樹脂充填方法による樹脂充填ステップと、樹脂充填ステ
ップの後に樹脂を加熱し熱硬化させる熱硬化ステップ
と、熱硬化ステップの後にコア材上に残った樹脂を完全
に除去するように研磨する研磨ステップとを備える。
【0021】好ましくは、前記熱硬化ステップにおいて
は、170℃の温度で、1時間から2時間加熱する。
【0022】これらの発明に従うと、研磨ステップは、
樹脂充填ステップにおいてフィルムの剥離と共にフィル
ム上の樹脂がコア材から除去された後に行なわれる。し
たがって、不要な樹脂の大部分はフィルムの剥離により
除去されており、研磨ステップにより研磨(除去)され
る樹脂の量は少量となる。このため、少ない研磨により
完全に残りの不要な樹脂を除去することが可能となり、
コア材表面の導体層を傷つけることがない。また、研磨
ステップの前には、適切な加熱によって樹脂が熱硬化さ
れるため、樹脂には必要な硬度が確保される。
【0023】したがって、その後の処理に悪影響を与え
ることがなく、より信頼性の高いプリント基板を製造す
ることができるプリント基板製造方法を提供することが
可能となる。
【0024】また、好ましくは、前記いずれかのプリン
ト基板製造方法は、研磨ステップの後にスルーホールに
充填された樹脂の表面を粗化させる粗化ステップをさら
に備える。
【0025】さらに、前記粗化ステップにおいては、ス
ルーホールに充填された樹脂の表面粗さが0.5μmか
ら1.0μmとなるように粗化することが好ましい。
【0026】これらによると、研磨ステップにより不要
な樹脂が完全に除去された後にスルーホールに充填され
た樹脂の表面が適切に粗化される。したがって、その後
表面に積層される他部材との密着性を向上させることが
でき、より信頼性の高いプリント基板を製造することが
できるプリント基板製造方法を提供することが可能とな
る。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に
おけるプリント基板製造方法の工程を示すフローチャー
トである。本図を参照して、まず、ステップS101
で、コア材にドリルでT/Hが形成される。そして、コ
ア材にT/Hが形成されると、KMnO4によるデスミ
ア処理によりごみが除去される。
【0028】次に、ステップS103で、無電解Cuメ
ッキ処理および電解Cuメッキ処理により、コア材表面
に導体層としてのCuメッキが形成される。Cuメッキ
が形成されると、Cuの表面は、エッチングにより所定
の粗さに粗化される。
【0029】そして、ステップS105で、剥離可能な
PETフィルムがコア材上にラミネートされる。PET
フィルムは、コア材の片面にラミネートされても両面に
ラミネートされてもよいが、ここでは、片面にラミネー
トされる場合を考える。
【0030】続いて、ステップS107で、コア材上に
ラミネートされたPETフィルムの穴あけ処理が行なわ
れる。穴あけ処理は、CO2レーザを用いて行なわれ
る。すなわち、コア材上にラミネートされたPETフィ
ルムのうち、T/H上に該当する部分にCO2レーザが
照射され、T/Hと同等の径の穴が空けられる。
【0031】そして、ステップS109で、真空ラミネ
ートによるT/Hへの樹脂の充填処理が行なわれる。す
なわち、穴の空いたPETフィルムの上に、まず、シー
ト状のエポシキ系樹脂がラミネートされる(ラミネート
工程)。シート状のエポキシ系樹脂は、PETフィルム
が両面に張られている場合は両面にラミネートされる
が、片面に張られている場合は片面にのみラミネートさ
れる。したがって、今回は、片面にのみPETフィルム
が張られているため、片面にラミネートされる。
【0032】そして、ラミネートされた状態で、コア材
のT/H内の空気が真空ポンプにより引かれて、約13
3×10-1Paの圧力になるまで減圧される(真空工
程)。このように減圧された状態で、エポキシ系樹脂は
加熱されると共に、コア材に押し付けられるような方向
に加圧される。この時の温度は、100℃〜120℃で
あり、圧力は、8kg/cm2〜10kg/cm2であ
る。これにより、上から圧力がかけられているコア材上
のエポキシ系樹脂が、T/H内に入り込み、完全にT/
H内部を充填することになる。
【0033】ステップS109による、T/Hへの樹脂
の充填が完了すると、ステップS111において、PE
Tフィルムがコア材から剥離される。この際、PETフ
ィルム上のエポキシ系樹脂も一緒にコア材から除去され
ることになる。
【0034】次に、ステップS113において、20分
間〜50分間、170℃の温度で加熱をする熱硬化処理
が行なわれる。ここでは、熱硬化性のエポキシ系樹脂を
使用しているため、この加熱(熱硬化)処理により樹脂
は硬化されて、必要とされる硬度が得られることにな
る。
【0035】そして、ステップS115で、コア材上の
余分なエポキシ系樹脂を研磨する研磨処理が行なわれ
る。この研磨処理では、ステップS111のPETフィ
ルム剥離処理により大部分のエポキシ系樹脂が除去され
ているため、コア上に突出した少量のエポキシ系樹脂の
みを研磨することになる。したがって、約1〜5回の研
磨でコア上のエポキシ系樹脂を完全に除去する。
【0036】次に、ステップS117において、KMn
4によるデスミア処理(粗化処理)が行なわれる。こ
こでは、KMnO4を使用して、5分〜10分の間、8
0℃という条件で、エポキシ系樹脂の表面の粗さが0.
5μm〜1.0μmになるように粗化する。
【0037】そして、ステップS119で、Cuの配線
形成処理が行なわれる。すなわち、Cuメッキで覆われ
ているコア材の両面に感光性樹脂のドライフィルムがラ
ミネートされ、露光、現像処理によりエッチングレジス
トが形成さる。そして、エッチングによりCuの配線が
形成されると同時に、Cu表面が適度に粗化される。
【0038】以上の工程により、多層プリント基板を構
成する1枚のプリント基板が製造される。
【0039】次に、図2から図13を用いて、図1にお
ける各工程の詳細を説明する。図2は、T/H形成処理
(図1のステップS101)によりT/Hが設けられた
コア材を示した斜視図である。なお、本図は、説明のた
めにT/Hの数や位置等を簡略化して示している(図3
から図13においても同じ)。図2を参照して、コア材
20の両面には、Cu箔が張られている。そして、その
状態でドリルにより複数のT/H21が形成されている
(本図では、9個)。
【0040】図3は、図2で示したコア材20のA−
A’断面図である。図3に示されるように、各T/H2
1は、真っ直ぐにコア材20を貫通している。なお、こ
こでは、Cu箔の記載は省略している。
【0041】図4は、図3で示したコア材20にCuメ
ッキ処理(図1のステップS103)を施した際の図で
ある。図4を参照して、コア材20は、無電解Cuメッ
キ処理および電解Cuメッキ処理により、その表面全体
にCuメッキ層41が形成される。したがって、図に示
されるように、T/H21内の側面にもCuメッキ41
が形成される。
【0042】図5は、図1のPETフィルムラミネート
処理(ステップS105)を説明するための図である。
ここでは、Cuメッキ41が施されたコア材20の片面
に、透明のPETフィルム50がラミネートされる。
【0043】図6は、図1のPETフィルムの穴空け処
理(ステップS107)を説明するための図である。本
図に示すように、PETフィルム50のうち、T/H2
1の上部に該当する部分のみにCO2レーザが照射さ
れ、穴51が空けられる。
【0044】図7は、図1の真空ラミネートによるT/
Hへの樹脂充填処理(ステップS109)のラミネート
工程を説明するための図である。ラミネート工程におい
ては、本図に示すように、PETフィルム50がラミネ
ートされたコア材20の片面にシート状のエポキシ系樹
脂70がラミネートされる。
【0045】図8は、図1の真空ラミネートによるT/
Hへの樹脂充填処理(ステップS109)の真空工程を
説明するための図である。シート状のエポキシ系樹脂7
0が片面にラミネートされたコア材20は、真空チャン
バ801の中で、保持板807の上に図のように置かれ
る。そして、圧着板809により、エポキシ系樹脂70
がコア材20に密着するように加圧される。
【0046】ここで、圧着板809には、ヒータ811
が備わっている。したがって、圧着板809は、エポキ
シ系樹脂70を図のように加圧すると同時に、ヒータ8
11による加熱も行なう。
【0047】また、保持板807には、通風孔805が
設けられている。したがって、真空ポンプ803により
空気が吸引される際には、コア材20のT/H(図示せ
ず)内の空気が、この通風孔805を通って吸引される
ことになる。
【0048】以上の真空工程を実際の手順に沿って簡単
に説明する。まず、真空チャンバ801内の圧力が13
3×10-1Pa程度になるまで、真空ポンプ603によ
る空気の吸引が行なわれる。そして、133×10-1
a程度になると、所定時間、圧着板809による加圧
と、ヒータ811による加熱が行なわれる。このよう
に、T/H21内の空気を吸引しながら、エポキシ系樹
脂70を加圧することにより、エポキシ系樹脂70は、
T/H21内部に充填される。
【0049】図9は、図1の真空ラミネートによるT/
Hへの樹脂充填処理(ステップS109)が終了した際
の図である。本図に示すように、エポキシ系樹脂70
は、図8に示した方法によって、T/H21内部に完全
に充填される。
【0050】図10は、図1のPETフィルムの剥離処
理(ステップS111)を説明するための図である。ス
テップS105でコア材上にラミネートされたPETフ
ィルム50は、本図に示すように、コア材20上から剥
離される。この時、PETフィルム50上のエポキシ系
樹脂70も同時にコア材20から剥離されることにな
る。
【0051】図11は、図1のPETフィルムの剥離処
理(ステップS111)が終了した際の状態を示す図で
ある。図10で示す方法でPETフィルム50が剥離さ
れると、図11で示すように、T/H21付近のエポキ
シ系樹脂70が少量、突出してコア材21上に残ること
になる。
【0052】図12は、図1の粗化処理(ステップS1
17)が終了した際の状態を説明するための図である。
まず、図11で示したエポキシ系樹脂70のコア材20
上に突出した部分は、図1の研磨処理(ステップS11
5)によって、コア材20上から完全に除去される。コ
ア材20上がフラットになった状態で、ステップS11
7による粗化処理(デスミア処理)が行なわれる。そし
て、T/H21に充填されたエポキシ系樹脂70の表面
が0.5μm〜1.0μmの粗さに粗化される。
【0053】なお、この粗化処理(デスミア処理)は、
T/H21上のエポキシ系樹脂70と接するCu等の他
部材との密着性を高めるために行なうものであるが、そ
れ以外にも、以下に示すような効果が得られることが分
かっている。
【0054】粗化処理(デスミア処理)は、膨潤、KM
nO4粗化、中和の3工程により成る。そのうち、膨潤
工程およびKMnO4粗化工程のいずれの工程において
も、エポキシ系樹脂70が膨張する傾向にあることが分
かっている。T/H21内部の側面は、エッチング粗化
された後にCuメッキ41が施されているため、その表
面には大小の凹凸が存在する。したがって、エポキシ系
樹脂70の充填に際しては、完全に充填できない部分や
ポア(空洞)が存在する場合もある。
【0055】しかし、粗化処理(デスミア処理)によ
り、エポキシ系樹脂70の膨張が生じ、これにより、C
uメッキ41表面の凹凸の隙間にエポキシ系樹脂70が
入り込み、T/H21内部の充填性が向上すると考えら
れる。
【0056】図13は、図1のCu配線形成処理(ステ
ップS119)により、コア材20表面のCuメッキ4
1がパターニングされた際の図である。本図に示すよう
に、Cuメッキ41は、パターニングされ、各T/H2
1同士はパターニングの形状により導電または絶縁され
た状態になる。
【0057】以上、説明したように、本実施の形態にお
けるプリント基板製造方法によると、エポキシ系樹脂7
0がT/H21内に完全に充填されると共に、Cuメッ
キ41の配線形成までの工程がスムーズに行なわれ、信
頼性の高いプリント基板が製造される。
【0058】次に、本実施の形態を用いて、実際にプリ
ント基板を製造した際の具体的条件について説明する。
まず、プリント基板の製造は、以下の条件で行なった。
T/H形成処理(図1ステップS101)で形成される
T/H径は約100〜300μm(今回は300μm)
であり、T/H密度は約5%である。そして、その後に
行なわれるデスミア処理は、KMnO4により5分間8
0℃でエポキシ系樹脂を膨潤させ、20分間80℃で粗
化させた。そして、5分間40℃で中和させた。
【0059】また、Cuメッキ処理(図1ステップS1
03)の後に行なわれる、エッチングによる粗化処理
は、表面の粗さが2μmとなるように行なった。
【0060】PETフィルムラミネート処理(図1ステ
ップS105)で使用するPETフィルムの厚みは約4
5〜60μm(今回は50μm)であり、PETフィル
ムの穴空け処理(図1ステップS107)に使用するC
2レーザは、約0.5mJ/1shotの強さのもの
である。
【0061】また、真空ラミネートによるT/Hへの樹
脂充填処理(図1ステップS109)で使用するエポキ
シ系樹脂シートの厚みは60μmである。ラミネート条
件は、圧力133×10-1Pa、温度120℃の状態
で、30秒間、1kg/cm2で加圧した後、5分間、
10kg/cm2で加圧した。
【0062】さらに、加熱(熱硬化)処置(図1ステッ
プS113)では、2時間170℃で加熱を行なった。
【0063】また、研磨処理(図1ステップS115)
では、500番のベルトサンダーによる4回通しを行な
い、粗化処理(図1ステップS117)では、エポキシ
系樹脂をKMnO4により10分間80℃で粗化させ、
中和剤により5分間40℃で中和させた。
【0064】そして、Cu配線形成処理(図1ステップ
S119)では、塩化第2鉄によりエッチングを行なっ
た。
【0065】以上の条件で、プリント基板を製造する
と、高密度かつ微小径のT/H内部にも完全に樹脂を充
填することができた。
【0066】図14は、上記条件でプリント基板を製造
した際の、研磨回数とT/H上面のエポキシ系樹脂の凹
凸量との関係を示した図である。図14(b)を参照し
て、矢印で示したコア材20上に突出しているエポキシ
系樹脂の量をT/H凹凸量とする。すると、図14
(a)で示すように、研磨回数が増加すると、凹凸量は
減少し、3回以上の研磨で不要なエポキシ系樹脂の完全
な除去が可能であるという結果を得た。
【0067】なお、本実施の形態では、PETフィルム
50を剥離可能なラミネートフィルムとして使用してい
るが、これには限られず、その他のドライフィルム等を
用いてもよい。ドライフィルムを用いる場合は、Cuメ
ッキ41後のコア材20にラミネートした後、レーザに
よる穴加工(図1ステップS107)ではなく、T/H
部分に該当する黒丸のネガ型マスクを使用した露光、現
像処理により、T/H部分の穴空けを行なう。
【0068】また、フィルムの剥離処理(図1ステップ
S111)は、苛性ソーダを使用して行なう。その他の
工程については、ここで示した実施の形態と同様であ
る。
【0069】なお、本実施の形態では、PETフィルム
ラミネート処理(図1ステップS105)において、コ
ア材の片面をラミネートしたが、両面をラミネートして
もよい。両面をラミネートする場合は、真空ラミネート
によるT/Hへの樹脂充填処理(図1ステップS10
9)のラミネート工程でもエポキシ系樹脂70が両面に
ラミネートされ、T/H21内を脱気することにより、
両面からエポキシ系樹脂70が充填されることになる。
【0070】また、図8においては、エポキシ系樹脂7
0をコア材20の方向に加圧するために、圧着板809
を使用しているが、この他にも、例えば、圧着ローラ等
を使用することも可能である。圧着ローラをエポキシ系
樹脂70上で回転させながら加圧することにより、加圧
が行なわれた部分のT/H21から、樹脂の充填が行な
われることになる。
【0071】また、真空工程においては、図8に示すよ
うに、真空チャンバ801内で減圧が行なわれている
が、T/H21内の圧力を減圧できるのであれば、直接
真空ポンプ803によりT/H21内の空気を吸引する
ようにしてもよい。
【0072】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって、制限的なものではないと考えるべきであ
る。本発明の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の
範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び
範囲内ですべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態におけるプリント基板製
造方法の工程を示すフローチャートである。
【図2】 T/H形成処理(図1のステップS101)
によりT/Hが設けられたコア材を示した斜視図であ
る。
【図3】 図2で示したコア材20のA−A’断面図で
ある。
【図4】 図3で示したコア材20にCuメッキ処理
(図1のステップS103)を施した際の図である。
【図5】 図1のPETフィルムラミネート処理(ステ
ップS105)を説明するための図である。
【図6】 図1のPETフィルムの穴空け処理(ステッ
プS107)を説明するための図である。
【図7】 図1の真空ラミネートによるT/Hへの樹脂
充填処理(ステップS109)のラミネート工程を説明
するための図である。
【図8】 図1の真空ラミネートによるT/Hへの樹脂
充填処理(ステップS109)の真空工程を説明するた
めの図である。
【図9】 図1の真空ラミネートによるT/Hへの樹脂
充填処理(ステップS109)が終了した際の図であ
る。
【図10】 図1のPETフィルムの剥離処理(ステッ
プS111)を説明するための図である。
【図11】 図1のPETフィルムの剥離処理(ステッ
プS111)が終了した際の状態を示す図である。
【図12】 図1の粗化処理(ステップS117)が終
了した際の状態を説明するための図である。
【図13】 図1のCu配線形成処理(ステップS11
9)により、コア材20表面のCuメッキ41がパター
ニングされた際の図である。
【図14】 プリント基板を製造した際の、研磨回数と
T/H上面のエポキシ系樹脂の凹凸量との関係を示した
図である。
【符号の説明】 20 コア材、21 スルーホール(T/H)、41
Cu(Cuメッキ)、50 PETフィルム、51
穴、70 エポキシ系樹脂、801 真空チャンバ、8
03 真空ポンプ、805 通風孔、807 保持板、
809 圧着板、811 ヒータ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルーホールが設けられたコア材の片面
    または両面に剥離可能なフィルムをラミネートする第1
    のラミネートステップと、 前記フィルムのスルーホール上部に穴を空ける穴あけス
    テップと、 前記穴が空けられたフィルムの上にシート状の樹脂をラ
    ミネートする第2のラミネートステップと、 前記第2のラミネートステップにより前記樹脂がラミネ
    ートされた状態で、前記スルーホール内部を減圧する減
    圧ステップと、 前記減圧ステップの後に前記フィルムを前記コア材から
    剥離する剥離ステップとを備えた、スルーホール樹脂充
    填方法。
  2. 【請求項2】 前記樹脂を加熱する加熱ステップと、 前記樹脂を前記コア材の方向に加圧する加圧ステップと
    をさらに備え、 前記減圧ステップにより減圧が行なわれている時に、前
    記加熱ステップおよび前記加圧ステップは行なわれる、
    請求項1に記載のスルーホール樹脂充填方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱ステップにおいては、100℃
    から120℃の温度で加熱し、 前記加圧ステップにおいては、8kg/cm2から10
    kg/cm2の圧力で加圧することを特徴とする、請求
    項2に記載のスルーホール樹脂充填方法。
  4. 【請求項4】 前記フィルムは透過性の高いPETフィ
    ルムを含む、請求項1〜3のいずれかに記載のスルーホ
    ール樹脂充填方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のスルー
    ホール樹脂充填方法による樹脂充填ステップと、 前記樹脂充填ステップの後に前記樹脂を加熱し熱硬化さ
    せる熱硬化ステップと、 前記熱硬化ステップの後に前記コア材上に残った樹脂を
    完全に除去するように研磨する研磨ステップとを備え
    た、プリント基板製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱硬化ステップにおいては、170
    ℃の温度で、1時間から2時間加熱することを特徴とす
    る、請求項5に記載のプリント基板製造方法。
  7. 【請求項7】 前記研磨ステップの後に前記スルーホー
    ルに充填された樹脂の表面を粗化させる粗化ステップを
    さらに備えた、請求項5または6に記載のプリント基板
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記粗化ステップにおいては、前記スル
    ーホールに充填された樹脂の表面粗さが0.5μmから
    1.0μmとなるように粗化することを特徴とする、請
    求項7に記載のプリント基板製造方法。
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