JP2001143693A - リチウム二次電池用電極 - Google Patents

リチウム二次電池用電極

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JP2001143693A
JP2001143693A JP32253399A JP32253399A JP2001143693A JP 2001143693 A JP2001143693 A JP 2001143693A JP 32253399 A JP32253399 A JP 32253399A JP 32253399 A JP32253399 A JP 32253399A JP 2001143693 A JP2001143693 A JP 2001143693A
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carbon black
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secondary battery
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勉 ▲高▼村
Tsutomu Takamura
Kyoichi Sekine
強一 関根
Morihiro Saito
守弘 齋藤
Naoki Kobayashi
小林  直樹
Seiji Maeno
聖二 前野
Fumitomo Noritake
史智 乗竹
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 リチウムを吸蔵、放出可能な炭素材料
と、窒素吸脱着等温線におけるヒステリシス積分値が2
〜12cm3/gであるカーボンブラックと、結着剤と
を含む集電体からなることを特徴とするリチウム二次電
池用電極。 【効果】 本発明によれば、充放電容量が高く、充放電
サイクル特性に優れ、しかも初期不可逆容量の小さいリ
チウム二次電池用電極、特にリチウムイオン二次電池の
炭素負極を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
用電極に関し、特に充放電容量、サイクル特性に優れ、
しかも初期不可逆容量が小さくリチウムイオン二次電池
用負極として好適なリチウム二次電池用電極に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
一般用途の二次電池としては鉛電池、ニッケル・カドミ
ウム電池等の水溶液系電解液電池が主流であったが、こ
れらの電池はサイクル特性には優れているものの、電池
重量やエネルギー密度の点では十分満足できる特性を有
していなかった。
【0003】近年、電子技術のめざましい進歩は、電子
機器の小型化、軽量化を次々と実現化させてきており、
それに伴って、ポータブル用電源である電池に対する小
型化、軽量化、高エネルギー密度化への要求が益々高ま
っている。
【0004】このため、特に非水電解液を用いた二次電
池に関する研究開発が盛んに行われている。例えば、リ
チウム又はリチウム合金を負極に用いた非水電解液二次
電池は高エネルギー密度を有し、自己放電も少なく、軽
量であるという優れた特徴を有するが、充放電サイクル
の進行に伴って、リチウムが充電時にデンドライト状に
結晶成長し、正極に到達して内部ショートが生じるとい
う欠点があり、実用化への大きな障害となっている。
【0005】また、負極に炭素材料を使用したリチウム
イオン系の非水電解液二次電池は、炭素層間へのリチウ
ムのドープ/脱ドープを負極反応に利用するものであ
り、充放電サイクルが進行しても充電時のデンドライト
状の結晶析出が生じないため、広く利用されるようにな
ってきている。
【0006】この場合、負極に用いる炭素材料として
は、一般にリチウムを吸蔵、放出可能な炭素材料が用い
られているが、実際には、炭素自体が高い導電性と大き
なリチウム吸蔵性を持つにもかかわらず、充放電容量が
理論値に対して低かったり、サイクル特性が劣るという
問題があった。
【0007】このため、上記問題を解決すべく、カーボ
ンブラックのような導電助材を添加する方法が提案され
ているが、充放電容量やサイクル特性の面においても必
ずしも満足できるものではなく、しかも最初の放電容量
が充電容量を下回るという初期不可逆容量を著しく増大
させるという問題点があった。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、負極活物質であるリチウムを吸蔵、放出可能な炭素
材料に、導電助材として特定のカーボンブラックを添加
することによって、充放電容量、サイクル特性に優れ、
しかも初期不可逆容量が小さく、特にリチウムイオン二
次電池用負極として好適なリチウム二次電池用電極を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため、負極の活物質であ
るリチウムを吸蔵、放出可能な炭素材料に導電助材とし
て添加するカーボンブラックの細孔の形状について鋭意
検討を重ねた結果、図1(A),(B)に示したような
所謂ボトルネック構造の細孔を有するカーボンブラック
が導電助材として優れた性質を備えていることを知見し
た。
【0010】即ち、カーボンブラックの細孔の形状は図
1(A),(B)で示したボトルネック型、(C)のス
トレート型、(D)のラウンド型などに大別することが
できる。この場合、図1(A),(B)に示した細孔の
断面が、入り口が狭くて中が広いボトルネック構造の細
孔を有するカーボンブラックは、図2に示したように、
窒素吸脱着等温線のヒステリシス部分(脱着等温線と吸
着等温線によって囲まれた斜線部分)が生じ易く、これ
に対して図3に示したように、図1(C),(D)の細
孔形状を有するカーボンブラックは窒素吸脱着等温線の
ヒステリシス部分がほとんど生じないこと、このように
ヒステリシス部分の面積であるヒステリシス積分値が一
定範囲となるカーボンブラック(即ち、ボトルネック構
造の細孔を有するカーボンブラックを一定割合で含むカ
ーボンブラック)は、良好な導電性能を有し、電極と電
解液との間での電気化学的反応や電極特性を阻害しない
という導電助材としての優れた特性を備えていることを
知見した。
【0011】本発明者は、上記知見に基づき更に鋭意検
討を進めた結果、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素材料
と、窒素吸脱着等温線におけるヒステリシス積分値が2
〜12cm3/gであるカーボンブラック(好ましくは
一次粒子径20〜55nm、BET法により求めた比表
面積500m2/g以上のカーボンブラックを酸素遮断
空気若しくは真空又は不活性雰囲気下において1800
〜3000℃で焼成することにより製造したカーボンブ
ラック)と、結着剤とを含む集電体からなるリチウム二
次電池用電極が、充放電容量、サイクル特性に優れ、し
かも初期不可逆容量の少ない、従来の問題点を効果的に
解決し得る高性能なものであることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0012】従って、本発明は、リチウムを吸蔵、放出
可能な炭素材料と、窒素吸脱着等温線におけるヒステリ
シス積分値が2〜12cm3/gであるカーボンブラッ
クと、結着剤とを含む集電体からなることを特徴とする
リチウム二次電池用電極を提供する。
【0013】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明のリチウム二次電池用電極は、炭素材料と特
定のカーボンブラックと結着剤とを含む集電体からなる
ものである。
【0014】上記炭素材料は、負極活物質であるリチウ
ムを吸蔵、放出可能な炭素材料であれば特に制限され
ず、例えば熱分解炭素、コークス類(ピッチコークス、
ニードルコークス、石油コークス等)、人造及び天然黒
鉛類、球状黒鉛、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の
焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を焼成したも
の)、炭素繊維、活性炭等を用いることができる。これ
らの中でも、人造及び天然黒鉛類、炭素繊維が好適であ
る。
【0015】本発明のカーボンブラックは、窒素吸脱着
等温線におけるヒステリシス積分値が2〜12cm3
gの範囲であることを特徴とするものである。
【0016】ここで、カーボンブラックの窒素吸脱着等
温線におけるヒステリシス積分値とは、図2,3に示し
たような窒素吸脱着等温線のヒステリシス部分(脱着等
温線と吸着等温線によって囲まれた斜線部分)の面積を
指し、ヒステリシス量と正の相関を示すものである。こ
の窒素吸脱着等温線におけるヒステリシス(窒素脱着時
の吸着量が吸着時の吸着量を上回ること)は、カーボン
ブラック粒子に存在する細孔の断面が、入り口が狭くて
中が広いという、所謂ボトルネック構造(図1(A),
(B))を有するときに生じるものである。このような
ボトルネック構造の細孔を有するカーボンブラックは、
導電助材として添加した際に良好な導電性能を発現し
得、充放電容量、サイクル特性を向上させることができ
るが、ヒステリシス量が多すぎると、却って初期不可逆
容量が増大するという望ましくない効果が生じる。従っ
て本発明のカーボンブラックの窒素吸脱着等温線におけ
るヒステリシス積分値は2〜12cm3/g、好ましく
は3〜10cm3/gである。
【0017】本発明の窒素吸脱着等温線におけるヒステ
リシス積分値が2〜12cm3/gの範囲であるカーボ
ンブラックは、例えば、以下のようにして製造すること
ができる。
【0018】まず、従来のファーネスブラックの製造方
法により、一次粒子径が20〜55nm、BET法によ
り求めた比表面積が500m2/g以上、好ましくは5
50〜1800m2/gである高導電性カーボンブラッ
クを得る。このカーボンブラックは酸素遮断空気若しく
は真空又は不活性雰囲気下において1800〜3000
℃で本焼成するための前処理として粉砕や予備焼成を行
うことが好ましい。
【0019】この場合、予備焼成は、例えば窒素、アル
ゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下、特に窒素ガス
雰囲気下で温度900〜1200℃、好ましくは950
〜1100℃の範囲で1〜24時間焼成するものであ
る。この予備焼成により不純物としての有機物、水、カ
ーボンブラックの表面官能基を除去することができる。
即ち、カーボンブラックの表面には化学反応性を担う多
種の官能基を有しており、一般に、物理吸着水分は10
0℃で、カルボキシル基は200〜300℃で二酸化炭
素として、水酸基は400℃で水蒸気として、カルボニ
ル基、アシル基、メチレン鎖、及びエーテル鎖は600
〜900℃で一酸化炭素や水素としてそれぞれガス化し
除去することができる。このようにカーボンブラックの
表面官能基を除去することは、本焼成での装置保護のみ
ならず高導電性を得る上でも有効なものである。
【0020】次に、酸素遮断空気若しくは真空又は不活
性雰囲気下において1800〜3000℃での本焼成を
行う。この場合、本焼成は、酸素遮断空気若しくは真空
又は不活性雰囲気下で行うことが好ましいが、昇温過程
において真空から不活性雰囲気に変化させても構わな
い。不活性雰囲気としては、ヘリウム、ネオン、アルゴ
ン等の希ガスが用いられ、特にアルゴンが好ましい。ま
た、予備焼成したカーボンブラックをカーボンるつぼに
入れ、空気中酸素遮断の目的で大量の犠牲カーボンを周
囲に配置して周囲の空気中酸素を遮断しつつ焼成する方
法を採用することもできる。
【0021】焼成の際の温度は1800〜3000℃、
好ましくは2200〜2900℃である。一般にカーボ
ンブラックを2000〜3000℃で高温処理すると、
元の粒子径をほぼ保持したまま粒子内結晶成長がおこ
り、最終的には球体から多面体に変化したカーボンブラ
ックが生成する。この際、ポアボリュームを著しく減じ
る場合があるので、焼成時間は1〜40時間が好まし
い。
【0022】このようにして得られるカーボンブラック
は、窒素吸脱着等温線におけるヒステリシス積分値が2
〜12cm3/gの範囲となり、その一次粒子径は好ま
しくは20〜55nm、ポアボリュームは好ましくは
0.2mL/g以上、より好ましくは0.3mL/g以
上である。
【0023】上記カーボンブラックの添加量は、炭素材
料に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.2〜2
0重量%である。
【0024】本発明には、二次電池に通常用いられる結
着剤を添加する。この結着剤としては、含フッ素化合物
や合成ゴムを主に用いることができ、これらの中でもポ
リテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エ
チレン−プロピレン−ジエン共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体などが好ましい。
【0025】また、本発明の具体的な態様の一つとして
導電性ペーストを用いる場合について、以下に示す。こ
の場合、上記炭素材料、カーボンブラック、結着剤以外
にも分散媒を添加することができる。この分散媒として
は、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホアミド等の極性溶媒が挙げられ、特にNMPが好
ましい。この分散媒の添加量は導電性ペーストに対して
30〜90重量%、好ましくは40〜80重量%であ
る。なお、結着剤の添加量は、導電性ペーストに対して
1〜10重量%、好ましくは1.5〜8重量%である。
【0026】更に具体的には、炭素材料とカーボンブラ
ックと結着剤と分散媒とを加えて混合溶解してなる導電
性ペーストを銅箔、リチウム箔、ステンレス板等の集電
体表面に塗布し、乾燥することによりリチウム二次電池
用電極を製造することができる。また、ペレット化する
場合には、炭素材料とカーボンブラックと結着剤と、必
要に応じて分散媒を用いた混合物に圧力をかけてペレッ
ト化することにより、リチウム二次電池用電極を製造す
ることもできる。
【0027】炭素材料とカーボンブラックと結着剤と分
散媒とを含む導電性ペーストの混合溶解は、乳鉢を用い
て行うことができるが、導電性ペースト中でのカーボン
ブラックの分散性を向上させるために、攪拌翼(例えば
アンカー型、ディスクタービン型、プロペラ型、ディゾ
ルバー型)を有する攪拌機を用いて、混合溶解すること
が好ましい。この場合特に、本発明においては、カーボ
ンブラックの均一な分散と攪拌時間の短縮を図るため、
高い攪拌力と、全体混合と局所剪断の両者の機能を併せ
持つ下記に示すような攪拌翼(以下、「ディスプロ型」
と称する)を有する攪拌機を用いて製造することが望ま
しい。
【0028】このような攪拌翼(ディスプロ型)の例と
して、図4に示したように、円板の外周縁から中心に向
かう切り込みを所定間隔で偶数本形成することによって
得られた偶数個の切片の基端部を交互に上下方向に向け
て折り曲げてなる攪拌羽根3を具備したものが挙げられ
る。
【0029】図4に示したように、この攪拌翼1は、円
板基体の周方向に沿って互いに等間隔離間した偶数箇所
の外周縁位置からそれぞれ中心部近傍に至る偶数個の切
り込みを径方向に形成することにより、略扇形状の偶数
個の切片を形成すると共に、これら切片の基端部を交互
に上下方向に向けて折曲することにより、攪拌羽根3を
形成し、且つ上記円板基体の中心部に貫通孔(図示せ
ず)を穿設し、この貫通孔の周縁部に円筒状の攪拌軸取
り付け部2を突設してなるものである。
【0030】ここで、攪拌羽根3の枚数は、偶数枚であ
れば、特に制限されるものではないが、6〜16枚、特
に8〜12枚であることが好ましい。枚数が少なすぎる
と本発明の効果が十分得られない場合があり、一方、多
すぎると攪拌羽根の製作加工が困難となる場合がある。
【0031】そして、各攪拌羽根3の上方向、下方向へ
の折り曲げ角度としては、羽根面が水平面、即ち攪拌軸
4の軸方向に対し直交する面に対してそれぞれ上方向又
は下方向に20〜45°の角度を有するように上記切片
の基端部を上方向又は下方向に折り曲げることが好まし
い。
【0032】このように図4に示したディスプロ型攪拌
翼を使用して導電性ペーストを作製した場合には、カー
ボンブラックの分散性が高まり、このカーボンブラック
を導電助材として用いた電池の放電容量、充放電サイク
ル特性が更に向上するものである。
【0033】なお、作製した電極は、特に制限されない
が、例えばアプリケータロール等のローラコーティン
グ、スクリーンコーティング、ドクターブレード法、ス
ピンコーティング、バーコーダー等の手段を用いて均一
な厚みに調整し、所定の形状に加工して用いることがで
きる。
【0034】本発明のリチウム二次電池用電極は、充放
電容量、サイクル特性に優れ、しかも初期不可逆容量が
小さいという優れた特性を有するものであり、特にリチ
ウムイオン二次電池用負極として好適なものである。
【0035】また、本発明のカーボンブラックは、充放
電容量、サイクル特性を向上させることができるので、
リチウムイオン二次電池以外にも、リチウムポリマー二
次電池、電気二重層型キャパシター、ニッケル水素二次
電池、燃料電池用のカーボンブラックとしても好適なも
のである。
【0036】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
【0037】〔実施例1〕 カーボンブラックの製造 一次粒子径が33.9nm、BET法により求めた比表
面積が1340m2/gであるカーボンブラック20g
をアルミナるつぼに入れ、1000℃の窒素気流下で5
時間予備焼成した。この予備焼成後のカーボンブラック
のBET法によって求めた比表面積は1180m2/g
であった。
【0038】次に、いったん室温まで冷却した予備焼成
後のカーボンブラック12gをねじの切り込みが入った
蓋付きのカーボンるつぼに入れ、3000℃まで昇温で
きる電気炉で本焼成を行った。常温〜2000℃までの
昇温は真空排気で80分、2000℃〜2800℃まで
の昇温はアルゴン気流下で50分かけて行い、焼成は2
800℃のアルゴン気流下で5時間行い、その後、室温
まで冷却した。
【0039】〔実施例2〕実施例1と同様に予備焼成し
たカーボンブラック100gをカーボンるつぼに入れ、
空気中酸素遮断の目的で大量の犠牲カーボンを周囲に配
置し、酸素遮断空気中で2800℃まで7時間かけて昇
温した。引き続いて、同温度で24時間焼成した後、室
温まで冷却した。
【0040】〔比較例1〜3〕比較例1として実施例1
で予備焼成前のカーボンブラック、比較例2としてアセ
チレンブラック(電気化学工業株式会社製デンカブラッ
ク)、比較例3として実施例1で1000℃で予備焼成
しただけのカーボンブラックをそれぞれ用いた。
【0041】次に、実施例1,2及び比較例1〜3のカ
ーボンブラックについて、下記方法により、一次粒子
径、ポアボリューム及び窒素吸脱着等温線におけるヒス
テリシス積分値を測定した。結果を表1に示す。一次粒子径 透過型電子顕微鏡の観察像から測定した。ポアボリューム 物理吸着法(BET法)によってポアボリュームを測定
した。窒素吸脱着等温線におけるヒステリシス積分値 カルロエルバ/ファイソンズ社製ソープトマチック19
00型を用いて150℃で真空加熱排気後、液体窒素温
度での窒素ガスの吸脱着等温線(横軸に吸着圧力を飽和
圧力で除した値をとり、縦軸にそのときの吸着量をと
る)を測定し、そのヒステリシス部分の面積で評価し
た。
【0042】
【表1】
【0043】〔実施例3〕 電極性能評価 炭素材料とカーボンブラックとポリフッ化ビニリデン
(PVDF)と分散媒としてN−メチル−2−ピロリド
ン(NMP)とを表2に示した配合処方に従って乳鉢で
混合溶解するか、又は図4に示した攪拌翼(ディスプロ
型)を有する攪拌機を用いて混合溶解することにより、
表2に示した本発明品組成1〜9、比較品組成A〜Dの
負極ペーストを作製した。このペーストを集電体となる
厚さ20μmの帯状銅箔に塗布し、乾燥することにより
塗布電極を作製した。作製した塗布電極を直径10mm
の円形に切り取り、これをニッケル金網で挟み込み試験
電極とした。
【0044】得られた試験電極を3電極式ガラスセルに
セットし、更に対極、参照極に金属リチウムをセット
し、電解液として炭酸エチレン/炭酸ジメチルの混合溶
媒(容量比で1:1)にLiClO4を1mol/Lの
濃度で溶解したものを用いて、走査速度1mV/se
c、走査範囲10mV〜2V(vs.Li/Li+)の
条件で電位走査法により放電容量、サイクル特性、初期
不可逆容量を評価した。結果を表3に示す。サイクル特性 サイクル数による放電容量の減少を下記基準で評価し
た。 :ほとんどなし :少ない ×:多い
【0045】
【表2】 *1:A;乳鉢で混練、B;ディスプロ翼で混練 *2:メソフェーズ系炭素繊維(高黒鉛グレード)ペト
カ社製 *3:商品名 KS−75(ロンザ社製) *4:メソカーボンマイクロビーズ(大阪ガス社製)
【0046】
【表3】
【0047】〔実施例4〕 電池性能評価 正極活物質となるLiCoO291重量部とPVDF3
重量部と導電材として黒鉛粉末6重量部とを混合し、更
にNMPに分散させて正極合剤ペーストを調製した。こ
の正極合剤ペーストを正極集電体となる厚さ20μmの
帯状アルミニウム箔に塗布し、乾燥させることにより正
極合剤層を形成した。次いで、この正極合剤層をローラ
プレス機により圧縮成型して帯状にし、更に円筒型のカ
ッターを用いて打抜加工することで、直径15.5mm
のディスク状正極を作製し、図5に示したような非水電
解液二次電池を組み立てた。
【0048】具体的には、図5に示したように、作製し
たディスク状正極7をカソード缶8に設置して、その上
にセパレータ9を載せて非水電解液を注入した。次に、
実施例3で作製した本発明品組成1〜9、比較品組成A
〜Dの負極ペーストから作製した塗布電極6をアノード
カップ5の負極層の露出する側がセパレータ側となるよ
うにセパレータ9上に載置し、アノードカップ5とカソ
ード缶8とを絶縁封口ガスケット10を介してかしめる
ことにより直径20mm、高さ1.6mmのコイン型非
水電解液二次電池を作製した。
【0049】作製した電池を用いて下記測定条件で充放
電サイクル試験を行った。結果を表4に示す。測定条件 電解液:1mol/Lの過塩素酸リチウムのエチレンカ
ーボネート/ジメチルカーボネート=1/1の混合液 充電 :試験極の電圧が4190mVになるまで100
mA/gの一定の印加電流で充電し、その後、充電時間
が全体で8時間になるまで電圧を4190mVで保持す
る。 放電 :100mA/gの定電流で2.7Vまで放電す
る。
【0050】
【表4】
【0051】表3,4の結果から、導電助材であるカー
ボンブラックを添加せず炭素材料単独添加の比較品組成
A,Bからなる電極は放電容量が低く、充放電サイクル
特性も悪いのに対して、本発明品組成1〜9、比較品組
成C,Dからなる電極は、導電助材であるカーボンブラ
ックを添加することによって、放電容量が増加し、充放
電サイクル特性も向上することが認められる。これは、
カーボンブラックが活物質であるリチウムと炭素材料間
及び炭素材料と集電体間の接触を補助し、電極内の電子
の授受をスムーズにし、かつ劣化を抑制しているためで
あると考えられる。
【0052】比較例1のカーボンブラックを添加した比
較品組成Cからなる電極は、放電容量、充放電サイクル
特性は向上するが、初期不可逆容量が著しく増大する。
これは、比較例1のカーボンブラックはポアボリュー
ム、窒素吸脱着等温線におけるヒステリシス積分値がと
もに大きく、このため、導電性能は高いが、電極と電解
液との間での望ましくない反応を促進させることによ
り、初期不可逆容量が著しく増大したものである。
【0053】比較例2のカーボンブラックは、ポアボリ
ューム、窒素吸脱着等温線におけるヒステリシス積分値
がともに小さく、このため、比較例2のカーボンブラッ
クを添加した比較品組成Dからなる電極は導電性能が低
く、放電容量の増加量もやや小さく、特にサイクル特性
が劣るものである。
【0054】これに対して、本発明に係る実施例1のカ
ーボンブラックは、良好な導電性を得るための多孔性
と、電極と電解液との間での電気化学的反応や電極特性
を阻害しない細孔構造を併せ持っているため、これを添
加した本発明品組成1〜9からなる電極は、放電容量、
充放電サイクル特性とも向上し、しかも初期不可逆容量
が小さいものである。
【0055】また本発明品組成4〜9は、ディスプロ型
攪拌翼を使用して導電性ペーストを作製しているため、
カーボンブラックの分散性が更に向上し、放電容量、充
放電サイクル特性がより向上することが認められる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、充放電容量が高く、充
放電サイクル特性に優れ、しかも初期不可逆容量の少な
いリチウム二次電池用電極、特にリチウムイオン二次電
池用炭素負極を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(D)はそれぞれカーボンブラックの
細孔構造を示した模式図である。
【図2】窒素吸脱着等温線においてヒステリシスが生じ
ている状態を示したグラフである。
【図3】窒素吸脱着等温線においてヒステリシスがほと
んど生じていない状態を示したグラフである。
【図4】ディスプロ型攪拌翼の斜視図である。
【図5】非水電解質二次電池の一構成例を示した概略断
面図である。
【符号の説明】
1 攪拌翼 3 攪拌羽根
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月16日(1999.11.
16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】得られた試験電極を3電極式ガラスセルに
セットし、更に対極、参照極に金属リチウムをセット
し、電解液として炭酸エチレン/炭酸ジメチルの混合溶
媒(容量比で1:1)にLiClO4を1mol/Lの
濃度で溶解したものを用いて、走査速度1mV/se
c、走査範囲10mV〜2V(vs.Li/Li+)の
条件で電位走査法により放電容量、サイクル特性、初期
不可逆容量を評価した。結果を表3に示す。サイクル特性 サイクル数による放電容量の減少を下記基準で評価し
た。 ◎:ほとんどなし ○:少ない ×:多い
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 直樹 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 前野 聖二 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 乗竹 史智 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA02 AA04 BA01 BB02 BB11 BB15 BD00 BD01 BD02 BD05 5H014 AA02 BB01 EE01 EE08 HH01 HH06 HH08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムを吸蔵、放出可能な炭素材料
    と、窒素吸脱着等温線におけるヒステリシス積分値が2
    〜12cm3/gであるカーボンブラックと、結着剤と
    を含む集電体からなることを特徴とするリチウム二次電
    池用電極。
  2. 【請求項2】 上記カーボンブラックが、一次粒子径2
    0〜55nm、BET法により求めた比表面積500m
    2/g以上のカーボンブラックを酸素遮断空気若しくは
    真空又は不活性雰囲気下において1800〜3000℃
    で焼成することにより製造したものである請求項1記載
    のリチウム二次電池用電極。
JP32253399A 1999-03-31 1999-11-12 リチウム二次電池用電極 Pending JP2001143693A (ja)

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KR1020000016079A KR20000063047A (ko) 1999-03-31 2000-03-29 도전성 페이스트 및 그 제조방법과, 리튬 2차전지용 전극및 2차전지용 도전보조제

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015171703A (ja) * 2013-07-17 2015-10-01 東ソー株式会社 不均一系触媒および1,2−ジクロロエタンの製造用触媒システム

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