JP2001142341A - 離型オイル規制ブレード、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

離型オイル規制ブレード、定着装置および画像形成装置

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JP2001142341A
JP2001142341A JP2000225226A JP2000225226A JP2001142341A JP 2001142341 A JP2001142341 A JP 2001142341A JP 2000225226 A JP2000225226 A JP 2000225226A JP 2000225226 A JP2000225226 A JP 2000225226A JP 2001142341 A JP2001142341 A JP 2001142341A
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fluororesin
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Osamu Saotome
修 五月女
Kazuo Kishino
一夫 岸野
Masaaki Takahashi
正明 高橋
Hideo Kawamoto
英雄 川元
Yuji Kitano
祐二 北野
Jiro Ishizuka
二郎 石塚
Mitsuhiro Ota
光弘 太田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着部材への離型オイル塗布量を均一化する
上で有効な離型オイル規制ブレードを提供すること。 【解決手段】 少なくともブレード正面部に、フッ素樹
脂粉末の焼結体で形成された1μm〜20μm厚のフッ
素樹脂層を設け、当接面に含まれるブレードエッジの断
面形状を円弧で近似したとき、その円弧半径が、100
μm以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機やプリンター等の定着装置において、離型オイルを
規制するブレード、これを用いた定着装置および画像形
成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の複写機やプリンター等の
定着装置は、一般に、ハロゲンヒータなどにより加熱さ
れた定着ローラ及び加圧ローラを圧接し、そのニップ内
にトナー像が形成された記録紙が挟持・搬送されること
により、定着トナー像を得ている。また、定着ローラの
代わりにベルト形状の定着ベルトや、フィルム形状の定
着フィルムが用いられることもある。これら、トナーを
定着させる部材のことを定着部材と呼ぶ。
【0003】これら定着部材には、トナーオフセットの
防止や離型性の向上のために、離型オイルを塗布する場
合がある。離型オイルの塗布には、離型オイル量を適度
に少量に、かつ均一に塗布されるようにするために、離
型オイルを規制するためのブレードが用いられることが
多い。ブレードは、エッジが接するように当接され、そ
のニップを離型オイルがすり抜けることにより、適量で
均一な塗布を実現する。
【0004】上記ブレードは、定着ローラに接する塗布
ローラに当接する場合や、定着ローラに直接当接する場
合が知られている。また、余分な離型オイルやトナーや
紙粉を掻き落とすため、加圧ローラに上記同様なブレー
ドを当接する場合も知られている。
【0005】これらブレードには、一般に、金属ブレー
ドや、フッ素ゴムブレードが用いられる。また、これら
ブレードの表面を、フッ素樹脂のシートで被覆する場合
も知られている。
【0006】特開平5−158371号公報では、定着
ローラに接するゴムブレードの外周に低摩擦部材を付設
し、定着ローラの機械的負荷を低減させるブレードが開
示されている。また特開平10−207279号公報に
は、フッ素樹脂シートをブレードのゴム材表面に被覆す
る例が示されており、フッ素樹脂シートの膜厚として2
5〜100μmが好適であることが示されている。ま
た、加圧ローラに当接して用いられるブレードとしてフ
ッ素樹脂で被覆されたブレードを用いた定着装置とし
て、特開平8−146809号公報が開示されている。
この公報には、フッ素樹脂としてはフッ素樹脂のシート
を用いることが記述さている。さらに、特開平6−28
9745号公報では、先端エッジ部を微小な円弧状に形
成したブレードが開示されている。この場合には、円弧
半径を300μmにしており、300μm〜1mmが実
用的であるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フッ素
樹脂シートを被覆することにより目的の機能を得るか、
またはフッ素樹脂シートと同程度に機能を発揮する程に
厚いフッ素樹脂層を形成して目的の機能を得る様にフッ
素樹脂被覆ブレードにおいては、そのフッ素樹脂層の厚
みの厚さ故に、下地層の有するエッジ形状や弾性によっ
て発揮される種々の機能が損なわれることがある。特
に、近年、離型オイルの塗布量は低減される方向にあ
り、離型オイルのわずかな不均一性などによって画質を
悪化させる原因となる可能性がある。すなわち、下地層
のエッジ形状を損なうことによる離型オイル規制性能の
低下や、弾性低下による当接部の追従性低下などによ
る、離型オイル塗布の不均一性を生じさせる場合があ
る。
【0008】更に同時に、離型オイルを規制するための
ブレードには、トナーや紙粉等の異物に対する離型性が
求められる。特に、先に述べた様な少量離型オイル塗布
の条件下では、わずかな異物の付着によって、離型オイ
ル塗布の不均一性を生じさせてしまうことがある。
【0009】本発明は、上記課題をふまえてなされたも
のであり、長期に渡り離型オイル塗布の均一性を維持す
ることのできるブレードを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】定着部材または定着部材
へ離型オイルを供給する供給部材に当接して配設され、
該離型オイルの供給量を規制する離型オイル規制ブレー
ドにおいて、定着部材または供給部材に当接する、少な
くともブレード正面部に、フッ素樹脂粉末の焼結体で形
成された1μm〜20μm厚のフッ素樹脂層を有し、当
接面に含まれるブレードエッジの断面形状を円弧で近似
したとき、その円弧半径が、100μm以下であること
を特徴とするものである。
【0011】本発明によるブレードは、定着部材または
供給部材に当接するブレードの正面部にフッ素樹脂層を
有していることから、トナーや紙粉などの異物の付着を
長期に渡り防止することができる。
【0012】即ち、定着部材または供給部材(以下、定
着部材等ともいう)に当接するブレードは、離型オイル
量を規制するだけでなく、定着部材等の表面に付着した
オフセットトナーも掻き取るので、ブレードの正面部に
留まっている離型オイルには、トナーが混在する。この
トナーがブレードの正面部に付着すると、付着トナーの
脇から離型オイルがすり抜けて過剰な離型オイルの帯が
定着部材等のローラ周方向に生じて、均一なオイル量規
制が損なわれる。しかし、本発明によるブレードは、正
面部にフッ素樹脂層を有しているので、その離型効果で
トナーの付着を防止し、定着部材等への離型オイルの均
一塗布できるものである。
【0013】また、フッ素樹脂層の厚みが20μm以下
であるため、下地層のエッジ形状や機能を損なうことが
少ない。また、フッ素樹脂層の厚みが1μm以上である
ため、これらの性能を長期に渡り維持し、離型オイル塗
布の不均一性を生じさせることなく離型オイルを規制す
ることのできるブレードを得ることができる。
【0014】即ち、本発明によるブレードは、当接面に
含まれるブレードエッジの断面形状を円弧で近似したと
き、その円弧半径が、100μm以下とすることによ
り、エッジの鋭利さを損なわない程の小さな円弧半径を
保持しつつ、表面にフッ素樹脂が被覆されていることに
より、より効果的に、より安定して離型オイルを規制す
ることができる。
【0015】1μm以上20μm以下の層厚の薄いフッ
素樹脂層は、良好な層厚制御の下で形成することは容易
ではないが、フッ素樹脂粉末含有塗料を塗布焼成してフ
ッ素樹脂層を形成することによって、薄いフッ素樹脂層
を良好な層厚制御性で形成できる。これにより、下地層
のエッジ形状や機能を損なうことなく離型オイル塗布の
均一性を長期に渡り良好に維持することができる。特に
円弧半径が小さいブレードエッジを有するブレードの製
造において有効である。このブレードエッジの円弧半径
としては、特に80μm以下が好適である。
【0016】フッ素樹脂層はブレードの正面部に形成さ
れるが、側面部にも形成されてもよい。
【0017】フッ素樹脂層の厚さとしては、エッジ精度
を高める点でさらに好ましくは、1μm〜10μmであ
る。
【0018】また、フッ素樹脂層は、フッ素樹脂単独の
層、または、フッ素樹脂と他の樹脂、例えばフッ素ゴム
がらなる層とすることができる。ここでフッ素樹脂と
は、ゴム弾性を有さない樹脂層をいい、フッ素ゴムとは
異なるものである。たとえば、PTFE(四フッ化エチ
レン樹脂)、PFA(四フッ化エチレン−パーフロロア
ルキルビニルエーテル共重合樹脂)、FEP(四フッ化
エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂)などをい
う。
【0019】ブレードが当接する定着部材等としては、
表面が弾性であるローラが特に有効である。このような
弾性ローラでは、ブレードエッジが弾性ローラ表面に食
い込むため、弾性ロールとこれに当接しているブレード
との間に留まる離型オイル量が同じであっても、離型オ
イルに接触するブレードの正面部の面積が多くなる、即
ち、弾性ロールの回転上流方向により多く離型オイルが
ブレード正面部に接触し、離型オイル中のトナーがブレ
ード正面部に付着する確率が高くなるため、正面部にフ
ッ素樹脂層を設けることは一層効果的である。
【0020】また、同様に、カラートナー画像の形成の
場合のように、離型オイルを多く用いる定着方式でも、
定着部材等とブレード当接部に多量の離型オイルが留ま
ることになるので、ブレード正面部にフッ素樹脂層を設
けることは一層効果的である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明における定着部材として
は、定着ローラまたは定着ベルトまたは定着フィルム等
を用いることができる。また、定着部材への離型オイル
を供給する部材とは、たとえば定着部材へ接する塗布ロ
ーラや加圧ローラをいう。本発明のブレードは、定着部
材等に当接して配設される形態で使用される。すなわ
ち、定着部材に直接当接する場合、定着部材に接する塗
布ローラに当接する場合、定着部材に接する加圧ローラ
に当接する場合の、それぞれの場合で実施可能である。
【0022】また、上記離型オイルは定着部材と目的に
応じて任意に選択することができるが、例えばジメチル
シリコーンオイルを用いることができる。
【0023】本発明においてフッ素樹脂をフッ素樹脂粉
末の焼結体からなるものとすれば、エッジ部などでの下
地層の形状への追従が一層容易となる。また、従来困難
であった薄いフッ素樹脂を、簡便な工程で層厚制御性良
く形成することが可能となる。上記フッ素樹脂粉末は離
型性を有するものであれば良く、任意に選択することが
できる。例えば、PTFE(四フッ化エチレン樹脂)粉
末、PFA(四フッ化エチレン−パーフロロアルキルビ
ニルエーテル共重合樹脂)粉末、FEP(四フッ化エチ
レン−六フッ化プロピレン共重合樹脂)粉末等が挙げら
れる。
【0024】また、上記フッ素樹脂粉末含有塗料を塗布
焼成して得られるものとすれば、薄いフッ素樹脂をより
良好な層厚制御性で形成することができる。この場合、
塗布手段は目的に応じて任意に公知の手段を選択するこ
とができるが、例えばスプレー塗布を用いることができ
る。また、焼成手段も同様に選択することができるが、
例えば300℃以上400℃以下の温風循環炉内で処理
することが可能である。
【0025】ここで、フッ素樹脂粉末含有塗料をフッ素
ゴムとフッ素樹脂の混合塗料とすれば、特に薄いフッ素
樹脂を良好な層厚制御性で形成することが可能となる。
フッ素ゴムとフッ素樹脂の混合塗料は目的に応じて任意
の公知のものから選択することができるが、例えば、水
性溶媒に加硫性フッ素ゴムとFEPが分散された塗料を
用いることができる。フッ素ゴムとFEPの混合割合は
特に限定しないが、例えば10:90 90:10の比
率のものを挙げることができる。
【0026】本発明におけるフッ素樹脂層は、弾性体の
ブレード基材表面に形成された形態とすることができ
る。本発明においては、定着部材等への当接面がフッ素
樹脂層からなるため、下地の弾性体の特性を損なうこと
が少なく、上記構成を採用することにより、エッジの追
随性の良好なブレードを得ることができる。
【0027】弾性体としては、たとえばフッ素ゴムを用
いれば、より高い耐熱性を兼ね備えることができ、耐熱
性がより良好なブレードを得ることができる。フッ素ゴ
ムは良好な弾性と耐熱性を有するものであれば良く、任
意に選択することができる。例えば加硫系については、
パーオキサイド加硫系フッ素ゴム、ポリオール加硫系フ
ッ素ゴム、ポリアミン加硫系フッ素ゴム等が挙げられ
る。
【0028】また弾性体として、シリコーンゴムを用い
れば、より高い耐セット性を付与することができ、永久
圧縮歪みが良好なブレードを得ることができる。シリコ
ーンゴムは良好な弾性を有し、永久圧縮歪みが良好であ
るものであれば良く、任意に選択することができる。例
えば加硫系については、HVR(熱加硫型シリコーンゴ
ム)、LSR(液状シリコーンゴム)、LTV(低温硬
化型シリコーンゴム)が挙げられる。
【0029】また本発明において、フッ素樹脂層が金属
のブレード基板表面に形成された構成とすることもでき
る。この構成において、金属のブレード基材表面にフッ
素樹脂層を形成することにより、簡便な工程で製造可能
なブレードを得ることができる。上記金属は目的に応じ
て任意に選択することができるが、例えば、SUS(ス
テンレス)、アルミ、リン青銅を用いることができる。
【0030】以下に具体的に本発明の実施例に用いた装
置およびブレードについて説明する。
【0031】〈画像形成装置の説明〉画像形成装置は、
例えば、複写機、プリンタ、あるいはファクシミリ装置
などがある。これらの装置は得られた画像情報に基づい
て、シートに画像を形成するものである。
【0032】以下に画像形成装置について概要を説明す
る。画像形成装置は、得られた画像情報に基づいたレー
ザーをレーザースキャナーによって発射し、プロセスカ
ートリッジに内蔵された感光ドラム上にレーザーを照射
する。
【0033】すると、感光ドラム上には潜像が形成さ
れ、プロセスカートリッジによって、この潜像がトナー
により現像化される。これら感光ドラム及びプロセスカ
ートリッジによって画像形成手段が構成されている。
【0034】一方、シート積載板上に積載されたシート
が、給送ローラ及び分離手段によって一枚づつ分離され
ながら給送され、各搬送ローラによって、さらに下流側
に搬送され、この搬送されたシート上に、上述の感光ド
ラム上に形成されたトナーによる現像が転写手段によっ
て転写される。
【0035】そして、この未定着のトナー像が形成され
たシートは、さらに下流側に搬送され、加熱加圧定着装
置によってトナー像が定着されて、その後、排出ローラ
によって機外に排出される。
【0036】実験機として、画像形成装置は、市販のカ
ラーコピー(商品名:カラーレーザーコピアPIXEL
Dio 950、キヤノン株式会社)を用いた。ま
た、加熱加圧定着装置は、上記カラーコピー標準組込み
の加熱加圧定着装置を用いた。
【0037】〈加熱加圧定着装置の説明〉次に、この加
熱加圧定着装置について具体的に説明する。図1は、本
発明の効果を実証するために使用した第1の加熱加圧定
着装置の断面図である。定着ローラ101と加圧ローラ
102が対を成して圧接し、7mm程度のニップ幅を形
成している。
【0038】上記定着ローラ101は、基材としてアル
ミニウム等を用いた芯金111に、2mm程度の厚さの
HTV(ミラブル型)シリコーンゴムからなる弾性層1
12が形成され、該弾性層112上には50μm程度の
厚さのフッ素ゴムからなるオイルバリア層113が形成
され、該オイルバリア層113上には200μm程度の
厚さのジメチルシリコーンゴムからなる表層114が形
成されている。この定着ローラ101は、外径が60m
m程度になるように構成されている。
【0039】また、上記加圧ローラ102も同様に、基
材としてアルミニウム等を用いた芯金121に、2mm
程度の厚さのHTV(ミラブル型)シリコーンゴムから
なる弾性層122が形成され、該弾性層122上には5
0μm程度の厚さのフッ素ゴムからなるオイルバリア層
123が形成され、該オイルバリア層123上には20
0μm程度の厚さの例えばジメチルシリコーンゴムから
なる表層124が形成されている。この加圧ローラ10
2も、外径が60mm程度になるように構成されてい
る。
【0040】上記定着ローラ101には、離型オイルを
均一に塗布するオイル塗布ユニット103と、定着ロー
ラ101の表面に付着したトナー等の汚れをクリーニン
グするためのクリーニングウェブユニット104が接す
るように配置されている。
【0041】上記オイル塗布ユニット103は、離型オ
イル132を保持するオイルパン131と、回転して離
型オイル132を汲み上げる金属製のオイル汲み上げロ
ーラ133と、この汲み上げられた離型オイル132を
定着ローラ1表面に回転しながら塗布する弾性体オイル
塗布ローラ134と、オイル塗布ローラ134上の離型
オイルの量を規制して制御するオイル規制ブレード13
5で構成されている。
【0042】図2は、上記オイル規制ブレード135の
断面の概略図である。オイル規制ブレード135は、支
持体である金属板金211とフッ素ゴム212とで構成
されている。
【0043】離型オイルには、ジメチルシリコーンオイ
ルを用いた。このジメチルシリコーンオイルには、25
℃における動粘度が3×10-42 /s(300cS
t)のジメチルシリコーンオイル(商品名:KF−96
SS、信越化学工業株式会社)を用いた。
【0044】また、上記クリーニングウェブユニット1
04は、トナー等の汚れをクリーニングする不織布であ
るクリーニングウェブ141と、このクリーニングウェ
ブ141を定着ローラ表面に押し当てる弾性体ウェブ押
し当てローラ142で構成されている。クリーニングウ
ェブ141はdの方向に少しずつ巻き取られる。
【0045】上記加圧ローラ102には、過剰な離型オ
イルを除去するためのオイル除去ブレード105が接す
るように配置されている。
【0046】定着ローラ101および加圧ローラ102
に芯金111および121の中心には、加熱ヒーター1
06が配置されており、それぞれのローラの表層114
および124の表面に接するように配置された熱電対
(図示せず)で検知された温度に基づき、表面温度が設
定値になるようにヒーター通電タイミングが制御され
る。
【0047】図1に示した加熱加圧定着装置において
は、定着ローラ101はaの方向に、加圧ローラ102
はbの方向に回転し、紙Pはcの方向に搬送され、未定
着トナーT1は、定着ローラ101と加圧ローラ102
のニップ部を通過し、定着トナーT2となり画像を形成
する。
【0048】図7は本発明の効果を実証するために使用
した第2の加熱加圧定着装置の断面図で、図1と同一箇
所には同符号を用い説明を省略する。図7の第2の加熱
加圧定着装置は図1のオイル塗布ユニットの構成が異な
っている。
【0049】図7においてオイル塗布ユニット107は
離型オイルを保持するオイルタンク(不図示)から離型
オイルを汲み上げ、定着ローラ101の表面近傍まで導
き、離型オイルを定着ローラ101表面に滴下するよう
に表面に穴のあいた中空パイプ136と、中空パイプ1
36から滴下された離型オイルを定着ローラ101上で
均一にならす耐熱フェルト137と、離型オイルを定着
ローラ101上で均一に定量に規制するためにフッ素ゴ
ムからなる規制ブレード135から構成されているもの
である。
【0050】ここで用いているブレード135は図3に
示すように、第1の加熱加圧定着装置と同様のものであ
る。Fはブレードの正面部、S1 は下側面部、S2 は上
側面部である。定着部材等に対して、下側面部と正面部
とが形成するエッジを利用して離型オイル量を規制す
る。
【0051】本発明の効果の検証のために、上記クリー
ニングウェブユニット104は装置から取り外し、使用
しないこととした。また、上記定着ローラ101及び加
圧ローラ102の表面温度の設定値は、190℃に設定
した。
【0052】上記説明した第1及び第2の加熱加圧定着
装置のオイル規制ブレード135に替えて、次に説明す
る、実施例および比較例となるブレードを実装し、本発
明の効果の検証を行なった。
【0053】〈実施例及び比較例となるブレードの説
明〉 (実施例1)フッ素ゴムポリマー(商品名:ダイエルG
−723、ダイキン工業社製)を用いて加硫・成形して
フッ素ゴムブレードを製作した。このフッ素ゴムブレー
ドのフッ素ゴム部全面にフライマー処理を行ない、FE
Pフッ素樹脂を混合したフッ素ゴム塗料(商品名:ダイ
エルGLS−213、ダイキン工業株式会社)を、厚み
およそ20μm程度になるようにスプレー塗布した。6
0℃で30分間乾燥後、200℃で20分間温風循環炉
内で加硫硬化させた。次に、フッ素樹脂分散塗料(商品
名:ネオフロンディスパージョンND−1、ダイキン工
業)を厚みおよそ5μmになるようにスプレー塗布し
た。60℃で30分乾燥後、310℃で30分間温風循
環炉内で焼成を行なった。この結果、フッ素ゴムブレー
ド上に、およそ9μmのフッ素樹脂焼結層が均一に形成
できた。図3に、本実施例1のブレード断面の概略図を
示した。このブレードは、支持体である金属板金311
上に、弾性層としてフッ素ゴム312の層が形成され、
さらにその表面にフッ素樹脂313の層が設けられてい
る。
【0054】(実施例2)実施例1のフッ素ゴムブレー
ドのフッ素ゴムの形状と同様になるように、シリコーン
ゴム(商品名:DY32−916u、東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン株式会社)を成形加硫接着し、シリコ
ーンゴムブレードを得た。次に、シリコーンゴムブレー
ドの全面にプライマー処理を行ない、FEPフッ素樹脂
を混合したフッ素ゴム塗料(商品名:ダイエルGLS−
213、ダイキン工業株式会社)を、厚みおよそ30μ
m程度になるようにスプレー塗布した。60℃で30分
間乾燥後、200℃で20分間温風循環炉内で加硫硬化
させた。次に、60℃で30分乾燥後、310℃で30
分間温風循環炉内で焼成を行なった。この結果、シリコ
ーンゴムブレード上に、およそ3μmのフッ素樹脂焼結
層が均一に形成できた。図4に、本実施例2のブレード
断面の概略図を示した。このブレードは、支持体である
金属板金411上に、弾性層としてシリコーンゴム41
2の層が形成され、さらにその表面にフッ素樹脂413
の層が設けられている。
【0055】(実施例3)実施例1のフッ素ゴムブレー
ドの当接エッジ位置にエッジが位置するように製作した
SUS材ブレードの全面にプライマー処理を行ない、フ
ッ素樹脂粉末含有塗料(商品名:ネオフロンAD−2C
R、ダイキン工業株式会社)をスプレー塗布し、60℃
で30分乾燥後、380℃で30分間温風循環炉内で焼
成を行なった。この結果、SUS材ブレード上に、およ
そ15μmのフッ素樹脂焼結層が均一に形成できた。図
5に、本実施例3のブレード断面の概略図を示した。こ
のブレードは、支持体である金属板金511上にフッ素
樹脂512の層が設けられている。
【0056】(比較例1)フッ素ゴムポリマー(商品
名:ダイエルG−723、ダイキン工業社製)を用いて
加硫・成形してフッ素ゴムブレードを製作した。このフ
ッ素ゴムブレードをそのまま用いた。
【0057】(比較例2)比較例1のフッ素ゴムブレー
ドの当接エッジ部位を覆うように、厚み40μmのフッ
素樹脂テープ(商品名:ニフトロン粘着テープNo.9
23UT、日東電工株式会社)を貼り、ブレードを得
た。ブレードに、貼り合せ時のしわなどは確認されず、
均一なフッ素樹脂被覆体として得られた。
【0058】(比較例3)実施例2で製作したのと同様
に製作したシリコーンゴムブレードの当接エッジ部位を
覆うように、厚み90μmのフッ素樹脂テープ(商品
名:ScotchテフロンテープNo.5490、住友
スリーエム株式会社)を貼り、ブレードを得た。ブレー
ドに、貼り合せ時のしわ等は確認されず、均一なフッ素
樹脂被覆体として得られた。
【0059】〈実施例及び比較例の効果の検証〉実施例
または比較例の何れかのブレードを実装した加熱加圧定
着装置を画像形成装置に組込み、専用OHPフィルム
(商品名:CLC700/800/900用OHPフィ
ルム、キヤノン株式会社)に、イエローの画像を10枚
コピーした。コピーしたOHPフィルムを目視で検査
し、オイルスジの発生の有無を○×で評価し、これを初
期画像性能とした。次に、初期画像性能を満足したもの
に関して、マゼンタの画像を続けてコピーし、1000
枚毎に、初期画像性能の評価と同様の評価を行ない、ス
ジが発生した時のコピー枚数をスジ発生枚数として記録
した。コピー枚数が50K(50×1000枚)を超え
た場合には、50K以上の性能を持つものと評価し、コ
ピーを終了した。
【0060】上記検証により得られた、実施例及び比較
例の効果の検証結果を、表1に示した。この結果、本発
明による実施例は比較例に比較して、初期画像性及びオ
イルスジに対する耐久性に優れていることが実証でき
た。また、検証後のブレードを観察したところ、実施例
と比較例においてはトナーや紙粉などの異物の付着量に
明らかな差が確認され、実施例のブレードの方が異物の
付着が少なかった。
【0061】なお、実施例1のブレードで上下側面部の
みにフッ素樹脂層を設けたブレードについて、同様のテ
ストに供したところ初期画像性能に問題がなかったもの
の9Kでオイルスジの発生が確認された。ブレード正面
部にはトナーの固着が見受けられた。
【0062】
【表1】
【0063】続いて、上記実施例1〜3及び比較例2〜
3のブレードについて、ブレードエッジの断面形状の円
弧半径を測定した。測定概略を図6に示した。ブレード
601を、長手方向のエッジに垂直に切断し、断面サン
プルを作成した。ここでエッジとは、次のように定義さ
れる。
【0064】エッジを断面で見たとき、エッジを成す交
差するブレード正面部F/ブレード下側面部S1 面の垂
直断面において、ブレード下側面部輪郭を延長した線L
1とブレード正面部輪郭を延長した線L2とする。それ
ぞれの交差する点が二面の本来のエッジに相当する点で
ある。実際には拡大模式図611に示したようにエッジ
に近づくほど実体の輪郭はL1/L2からはなれる。こ
こで、実体の輪郭線上でブレード側面輪郭を延長した線
L1との距離が0.01mmとなる点をP1、ブレード
正面面輪郭を延長した線L2との距離が0.01mmと
なる点をP2とし、さらに実体の輪郭線上でP1とP2
の中間に位置する点をP3と決める。これら3点を通過
する円弧とその半径を求め、それぞれのブレードの円弧
半径とする。求められた円弧半径は表2に示す通りであ
る。
【0065】
【表2】
【0066】以上のことから、円弧半径が十分に小さい
場合に初期画像性能を達成できることが確認された。
【0067】また、実施例1〜3と比較例1〜3とのブ
レードを実装した第2の加熱加圧定着装置を画像形成装
置に組み込み、以上と同様の検証を行った。その結果、
上記と同様にして、本発明の作用及び効果が確認でき
た。
【0068】なお、本発明で作成したブレードを同様に
第1、第2の加熱定着装置のオイル除去ブレード105
に用いても同様の効果を得ることができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、定着手
段に離型オイルを供給する定着装置において、ブレード
の表面に厚みが1〜20μmであるフッ素樹脂の層を設
けたことで、離型オイル塗布の不均一性を生じさせるこ
となく離型オイルを規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で使用した第1の加熱加圧
定着装置の断面図である。
【図2】実験機標準付属のブレード断面の概略図であ
る。
【図3】実施例1のブレード断面の該略図である。
【図4】実施例2のブレード断面の該略図である。
【図5】実施例3のブレード断面の該略図である。
【図6】ブレードエッジの断面形状の円弧半径測定概略
図である。
【図7】本発明の実施の形態で使用した第2の加熱加圧
定着装置の断面図である。
【符号の説明】
101 定着ローラ 102 加圧ローラ 103 オイル塗布ユニット 104 クリーニングウェブユニット 105 オイル除去ブレード 106 加熱ヒーター 111 芯金 112 弾性層 113 オイルバリア層 114 表層 121 芯金 122 弾性層 123 オイルバリア層 124 表層 131 オイルパン 132 離型オイル 133 オイル汲み上げローラ 134 オイル塗布ローラ 135 オイル規制ブレード 136 中空パイプ 137 耐熱フエルト 141 クリーニングウェブ 142 押し当てローラ P 紙またはOHPフィルムシート T1 未定着トナー T2 定着トナー 211 金属板金 212 フッ素ゴム 311 金属板金 312 フッ素ゴム 313 フッ素樹脂 411 金属板金 412 シリコーンゴム 413 フッ素樹脂 511 金属板金 512 フッ素樹脂 601 ブレード 611 断面サンプル L1 面輪郭線1 L2 面輪郭線2 P1 エッジ輪郭点1 P2 エッジ輪郭点2 P3 エッジ輪郭点3
フロントページの続き (72)発明者 高橋 正明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 川元 英雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 北野 祐二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 石塚 二郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 太田 光弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA09 AA39 BA43 BA46 BA50 4F040 AA02 BA12 CB33 DB22 4F042 AA02 BA25 CC02 CC07 DD07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定着部材または定着部材へ離型オイルを
    供給する供給部材に当接して配設され、該離型オイルの
    供給量を規制する離型オイル規制ブレードにおいて、定
    着部材または供給部材に当接する、少なくともブレード
    正面部に、フッ素樹脂粉末の焼結体で形成された1μm
    〜20μm厚のフッ素樹脂層を有し、当接面に含まれる
    ブレードエッジの断面形状を円弧で近似したとき、その
    円弧半径が、100μm以下であることを特徴とする離
    型オイル規制ブレード。
  2. 【請求項2】 前記フッ素樹脂粉末の焼結体が、フッ素
    樹脂粉末含有塗料を塗布焼成して得られる焼結体である
    ことを特徴とする請求項1に記載の離型オイル規制ブレ
    ード。
  3. 【請求項3】 前記フッ素樹脂粉末含有塗料が、フッ素
    ゴムとフッ素樹脂の混合塗料であることを特徴とする請
    求項2に記載の離型オイル規制ブレード。
  4. 【請求項4】 前記フッ素樹脂層が、弾性体のブレード
    基材表面に形成されたことを特徴とする請求項1乃至3
    いずれかに記載の離型オイル規制ブレード。
  5. 【請求項5】 前記弾性体がフッ素ゴムであることを特
    徴とする請求項4に記載の離型オイル規制ブレード。
  6. 【請求項6】 前記弾性体がシリコーンゴムであること
    を特徴とする請求項4に記載の離型オイル規制ブレー
    ド。
  7. 【請求項7】 前記フッ素樹脂層が、金属のブレード基
    材表面に形成されたことを特徴とする請求項1乃至3い
    ずれかに記載の離型オイル規制ブレード。
  8. 【請求項8】 互いに圧接しながら回転自在に配設さ
    れ、圧接部で記録材を挟持搬送し、記録材上の未定着画
    像の加熱加圧定着する定着部材と、該定着部材に供給さ
    れる離型オイル量を規制する、請求項1乃至7いずれか
    に記載の離型オイル規制ブレードと、を備えることを特
    徴とする定着装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の定着装置と、記録材上
    に未定着画像を形成する画像形成手段と、を備え、該画
    像形成手段で記録材上に形成した未定着画像を該定着装
    置で定着することを特徴とする画像形成装置。
JP2000225226A 1999-07-27 2000-07-26 離型オイル規制ブレード、定着装置および画像形成装置 Withdrawn JP2001142341A (ja)

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JP24353399 1999-08-30
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116532307A (zh) * 2023-05-22 2023-08-04 南京汇鑫光电材料有限公司 一种厚胶涂布装置及其工艺

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