JP2001141373A - セラミックスの焼成用治具 - Google Patents

セラミックスの焼成用治具

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JP2001141373A
JP2001141373A JP32769799A JP32769799A JP2001141373A JP 2001141373 A JP2001141373 A JP 2001141373A JP 32769799 A JP32769799 A JP 32769799A JP 32769799 A JP32769799 A JP 32769799A JP 2001141373 A JP2001141373 A JP 2001141373A
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JP
Japan
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lids
temperature
jig
ceramics
firing
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JP32769799A
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Inventor
Hiroshi Fukuda
福田  寛
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大量のセラミックスを焼成する場合でも治具内
での分解ガスの滞留によるバインダ分解むらや汚染など
の発生を防止し、均一な焼成を行なうことができるセラ
ミックスの焼成用治具を提供する。 【解決手段】被焼成セラミックスを収容するための上部
が開口した収容室12を有する治具本体10と、治具本
体10の上部開口部11を閉じるとともに、上下方向に
配置された2枚の蓋20,30とを備え、各蓋20,3
0には互いに上下方向に異なる位置に通気穴21,31
が分散形成される。蓋20,30の間には、脱バインダ
処理温度より高く本焼成温度より低い温度で分解し、か
つ蓋20,30の間に上下方向の隙間を設けるためのス
ペーサ40が配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミック成形体の
ように揮発成分を含むセラミックスに対し、その脱バイ
ンダ処理と本焼成処理とを連続的に行なうのに適した焼
成用治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化ホ
ウ素などの揮発しやすい成分を含むセラミックス生材料
は、200℃〜500℃の低温で含有しているバインダ
を放散させ、600℃以上の高温で被焼成セラミックス
の周囲をある一定の雰囲気が保てる状態、つまり有用な
組成成分が放散しないような状態で本焼成を行なう。そ
のため、例えば蓋付きの焼成用治具の中に被焼成セラミ
ックスを配置して焼成を行うのが通例である。
【0003】図1に従来の焼成用治具の一例を示す。こ
の治具は被焼成セラミックスを収容する器型の本体1と
蓋2とからなり、本体1または蓋2の部分に本体1と蓋
2との間に隙間を設けるための突起3が設けられてい
る。この突起3は被焼成セラミックス中に含まれるバイ
ンダ成分よりも高い温度で分解する物質で形成されてい
る。そのため、低温度域では本体1と蓋2との間に突起
3による隙間が形成され、この隙間からバインダ分解ガ
スが治具の外部へ放出される。また、高温度域では突起
3が焼失し、本体1と蓋2との間が密閉され、有用成分
の放散を防ぎ、セラミックスを所定雰囲気で焼結させる
ようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】量産性を高めるため大
型の焼成用治具を用いた場合、治具の中に配置した被焼
成セラミックスの量が増えることに伴い、バインダ分解
ガスの量も増加する。ところが、従来の治具の構造をそ
のまま大型化すると、発生した分解ガスが本体1と蓋2
との隙間に到達するまでの距離が長くなり、治具内でガ
スの滞留が起こり、効率よくガスを排出できなくなる。
その結果、脱バインダ時に治具の中心部と周辺部とでバ
インダ分解ガスの抜けが異なり、中心部に配置されたセ
ラミックスの残炭素量が多くなる。このように、治具内
での位置によるバインダ分解むらや、不要成分の付着に
よる汚染などが発生するという問題がある。
【0005】そこで、本発明の目的は、大量のセラミッ
クスを焼成する場合でも治具内での分解ガスの滞留によ
るバインダ分解むらや汚染などの発生を防止し、均一な
焼成を行なうことができるセラミックスの焼成用治具を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、セラミックスの焼成に用
いる焼成用治具において、セラミックスを収容するため
の上部が開口した収容室を有する治具本体と、治具本体
の上部開口部を閉じるとともに、上下方向に配置された
複数の蓋体とを備え、各蓋体には互いに上下方向に異な
る位置に通気穴が分散形成され、各蓋体の間には、脱バ
インダ処理温度より高く本焼成温度より低い温度で分解
し、かつ蓋体の間に上下方向の隙間を設けるためのスペ
ーサが配置されていることを特徴とする焼成用治具を提
供する。
【0007】上下方向に重なりあわない位置に通気穴を
設けた複数の蓋体を上下方向に配置し、その間にスペー
サを配置して蓋体の間に隙間を設ける。そのため、治具
本体の収容室は蓋体に設けた通気穴を介して外部に連通
している。常温〜脱バインダ処理温度まで昇温する過程
では、治具本体の中に収容された被焼成セラミックスか
ら発生する分解ガスは、その発生箇所に近い通気穴を通
って外部へ排気される。そのため、大型の治具を用いた
場合でもバインダ分解ガスの滞留が生じず、治具内での
位置によるバインダ分解むらや不要成分の付着による汚
染などが発生しない。さらに本焼成温度まで温度上昇す
ると、スペーサが分解して焼失し、蓋体が重なり合い、
一方の蓋体の通気穴を他方の蓋体が閉じる形となる。そ
のため、治具の内部に密閉雰囲気を作り、有用な組成成
分の飛散を防ぐことができる。
【0008】スペーサとしては、例えばカーボンを使用
することができる。例えば矩形の2枚の蓋体を用い、蓋
体に通気穴を分散形成した場合、通気穴を流れる分解ガ
スの流れを阻害しないように、スペーサは通気穴が設け
られていない蓋体の4隅部に配置するのがよい。
【0009】
【発明の実施の形態】図2,図3は本発明にかかる焼成
用治具の一例を示す。被焼成用セラミックス(図示せ
ず)を収容した治具本体10は耐熱性セラミックスなど
で形成され、上面に開口部11を有し、内部に被焼成用
セラミックスを収容するための収容室12を有する箱型
形状に形成されている。上記開口部11上には下蓋20
が配置され、その上に上蓋30が配置されている。これ
ら下蓋20と上蓋30も治具本体10と同様に耐熱性セ
ラミックスなどで方形状に形成されている。下蓋20と
上蓋30には上下方向に異なる位置に複数の通気穴2
1,31が分散形成されている。
【0010】下蓋20と上蓋30の間には、4隅部に一
定厚みのスペーサ40が配置されている。これらスペー
サ40はカーボンなどの被焼成セラミックスの脱バイン
ダ処理温度より高く本焼成温度より低い温度で分解する
材料で形成されており、下蓋20と上蓋30の間に一定
の隙間を設けてある。
【0011】次に、上記構成よりなる焼成用治具によっ
て被焼成セラミックスを焼成する動作を説明する。室温
から徐々に昇温すると、被焼成セラミックスはバインダ
として、例えばポリビニルブチラールやアクリルなどを
含んでいるので、これらバインダが300℃〜500℃
の低温度域で分解し、分解ガスが発生する。この温度域
では上下の蓋20,30に挟まれたスペーサ40は固体
状態で存在しているので、下蓋20と上蓋30の間に一
定の隙間が設けられ、発生したバインダ分解ガスは図3
の(a)に示すように互いの通気穴21,31を通って
外部に放散される。特に、通気穴21,31が分散形成
されているので、バインダ分解ガスを治具本体10内部
で滞留させることなく、発生した位置から速やかに外部
に放散させることができる。このようにして脱バインダ
処理が実施される。
【0012】さらに温度が上昇して約900℃に達する
と、カーボンの燃焼反応である C+O2 →CO2 又はC+1/2O2 →CO により、スペーサ40は焼失する。これにより、図3の
(b)のように上下の蓋20,30は重なりあい、それ
ぞれに形成された通気穴21,31は対向する蓋によっ
て閉じられ、治具本体10の内部と外部の雰囲気が遮断
される。この状態で、さらに約1000℃まで昇温させ
ることで本焼成処理を行なう。この時、収容室12の内
部が密閉されているので、雰囲気を一定にすることがで
き、被焼成セラミックス中の蒸発しやすい有用成分の飛
散を防ぎ、均一に焼結することができる。
【0013】次に、被焼成セラミックスの焼成に上記焼
成用治具を用いた場合の具体例を示す。被焼成セラミッ
クスとして、200mm角のセラミックス基板を用い
た。焼成用治具としては、一辺が250mm、厚さ1.
5mmの正方形の蓋を2枚用い、それぞれにL×W=1
0mm×2mmの長方形の通気穴をL方向に10mmピ
ッチで10列、W方向に2mmピッチで50列設けた。
それぞれの蓋の通気穴は、2枚の蓋を一致させるように
重ねた際には上下方向に一致しないような位置に設け
た。スペーサとしては、3mmφ×2mmの円盤形のカ
ーボンペレットを用いた。そして、一辺が250mm、
高さが10mmの直方体形状の治具本体に上記被焼成セ
ラミックスを収納し、焼成を行なった。
【0014】温度プロファイルとしては、約5℃/mi
nで500℃まで昇温し、500℃において1時間の温
度キープを取り、さらに約3℃/minで1000℃ま
で昇温し、1000℃において1時間の温度キープを取
り、その後約3℃/minで降温を行なった。このよう
にして焼成を行なった後、セラミックス基板の残留カー
ボンを赤外線吸収法により分析し、従来の焼成用治具
(図1参照)を用いた場合との比較を行なった結果が表
1である。
【0015】
【表1】 なお、ばらつきは最大値と最小値との差である。
【0016】表1から明らかなように、本発明による焼
成用治具を用いた場合、従来に比べて残留カーボンを最
大約35%に低減でき、また基板中央部と周辺部との差
を42%から9%に縮めることができた。この結果か
ら、本発明の焼成用治具では従来に比べて中央部と周辺
部とのバインダ分解むらが少なく、かつ残炭素量も少な
くなることがわかる。
【0017】表2は、焼成時間による効果を比較したも
のである。上記の焼成プロファイルにおいて、500℃
の温度キープ時間を1時間から4時間に延長した場合の
残留カーボン量を測定したものである。
【0018】
【表2】
【0019】上記結果より、脱バインダ処理時間を長く
することにより、従来/本発明のいずれの場合も残留カ
ーボン量が減少していることがわかる。しかし、本発明
による焼成用治具を用いた場合、脱バインダ処理時間が
1時間であっても、4時間に延長した従来例より残留カ
ーボン量が少なく、かつ残留カーボン量のばらつきも少
ない。つまり、本発明では、従来に比べて短時間で均一
な脱バインダ処理が行なえることがわかる。
【0020】本発明において、通気穴の形状は、長方
形,円形その他如何なる形状であってもよい。通気穴は
蓋のほぼ全面に均等に分散形成する方が、脱バインダ処
理の均質性が得られるので、望ましい。上記実施例では
2枚の蓋体の間にスペーサを配置したが、これに加え
て、スペーサを下蓋と治具本体との間にも配置してもよ
い。この場合には、治具本体の収容室の周辺部に滞留す
る分解ガスを効率よく排気できるので、周辺部の残炭素
量を低減できる効果がある。さらに、蓋体の枚数は2枚
に限らず、3枚以上であってもよい。例えば3枚の蓋体
を使用する場合には、上下に隣合う蓋体の通気穴の位置
を互いに上下方向に異なる位置とすればよく、最上の蓋
体と最下の蓋体の通気穴は同一位置に設けられていても
よい。
【0021】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、治具本体の上部開口部を閉じる複数の蓋体に上
下方向に異なる位置に通気穴を分散形成し、蓋体の間に
脱バインダ処理温度より高く本焼成温度より低い温度で
分解するスペーサを配置したので、脱バインダ処理温度
に昇温する過程ではスペーサによって蓋体の間に隙間が
形成され、治具本体の中に収容された被焼成セラミック
スから発生する分解ガスは、その発生箇所に近い通気穴
を通って外部へ排気される。そのため、大型の治具を用
いた場合でもバインダ分解ガスの滞留が生じず、治具内
での位置によるバインダ分解むらや不要成分の付着によ
る汚染などが発生しない。また、本焼成温度まで温度上
昇すると、スペーサが分解して焼失し、蓋体が重なり合
い、一方の蓋体の通気穴を他方の蓋体が閉じる形となる
ので、有用成分の放散を防ぎ、均質な焼成を行なうこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の焼成用治具の斜視図である。
【図2】本発明にかかる焼成用治具の一例の斜視図であ
る。
【図3】図2の焼成用治具の上蓋と下蓋の温度変化によ
る作動断面図である。
【符号の説明】
10 治具本体 11 開口部 12 収容室 20 下蓋 21 通気穴 30 上蓋 31 通気穴 40 スペーサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックスの焼成に用いる焼成用治具に
    おいて、セラミックスを収容するための上部が開口した
    収容室を有する治具本体と、治具本体の上部開口部を閉
    じるとともに、上下方向に配置された複数の蓋体とを備
    え、各蓋体には互いに上下方向に異なる位置に通気穴が
    分散形成され、各蓋体の間には、脱バインダ処理温度よ
    り高く本焼成温度より低い温度で分解し、かつ蓋体の間
    に上下方向の隙間を設けるためのスペーサが配置されて
    いることを特徴とする焼成用治具。
JP32769799A 1999-11-18 1999-11-18 セラミックスの焼成用治具 Pending JP2001141373A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005331185A (ja) * 2004-05-20 2005-12-02 Mino Ceramic Co Ltd セッターに用いるセラミックス製のカバー
US7335019B2 (en) 2003-08-01 2008-02-26 Asahi Glass Company, Limited Firing container for silicon nitride ceramics
JP2011122743A (ja) * 2009-12-08 2011-06-23 Murata Mfg Co Ltd 焼成用さや

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