JP2001140074A - 銅薄膜形成用の有機銅錯体 - Google Patents
銅薄膜形成用の有機銅錯体Info
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- JP2001140074A JP2001140074A JP32784899A JP32784899A JP2001140074A JP 2001140074 A JP2001140074 A JP 2001140074A JP 32784899 A JP32784899 A JP 32784899A JP 32784899 A JP32784899 A JP 32784899A JP 2001140074 A JP2001140074 A JP 2001140074A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、MOCVD法における銅薄膜成
膜原料として、熱安定性に優れた有機銅錯体の提供を課
題とする。 【解決手段】 上記課題は、一般式(I) で表される有機銅錯体(式中R1、R2はC原子数1〜8
のアルキル基または、C原子数1〜8のパーフルオロア
ルキル基、R3は、H原子、F原子あるいはC原子数1
〜8のパーフルオロアルキル基、Ra〜Rjは、独立して
H原子あるいは、C原子数1〜4のアルキル基を表す)
で解決される。
膜原料として、熱安定性に優れた有機銅錯体の提供を課
題とする。 【解決手段】 上記課題は、一般式(I) で表される有機銅錯体(式中R1、R2はC原子数1〜8
のアルキル基または、C原子数1〜8のパーフルオロア
ルキル基、R3は、H原子、F原子あるいはC原子数1
〜8のパーフルオロアルキル基、Ra〜Rjは、独立して
H原子あるいは、C原子数1〜4のアルキル基を表す)
で解決される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体の配線等の銅薄
膜を有機金属化学蒸着法(以下、MOCVDと称す)に
より形成する場合において、蒸着原料として用いるのに
適した有機銅錯体に関するものである。
膜を有機金属化学蒸着法(以下、MOCVDと称す)に
より形成する場合において、蒸着原料として用いるのに
適した有機銅錯体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記の各種銅薄膜をMOCVD法により
形成するに際して、蒸着原料として、下記式(II)で
表される(トリメチルビニルシラン)(ヘキサフルオロ
アセチルアセトナト)銅(I)[以下、Cu(hfa
c)(tmvs)と称す]からなる有機銅錯体が用いら
れ、MOCVD法により、銅膜が形成されることは、良
く知られている(特開平5−59551号公報)。
形成するに際して、蒸着原料として、下記式(II)で
表される(トリメチルビニルシラン)(ヘキサフルオロ
アセチルアセトナト)銅(I)[以下、Cu(hfa
c)(tmvs)と称す]からなる有機銅錯体が用いら
れ、MOCVD法により、銅膜が形成されることは、良
く知られている(特開平5−59551号公報)。
【0003】
【化2】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、MOCVD法
に蒸着原料として従来用いられている上記式(II)で示
される有機銅錯体Cu(hfac)(tmvs)は、熱
安定性が悪いため、気化させる際の加熱温度に対して、
気化容器内で徐々に分解反応が起こる。そのため、気化
速度が経時的に不均一となる問題を有したものである。
に蒸着原料として従来用いられている上記式(II)で示
される有機銅錯体Cu(hfac)(tmvs)は、熱
安定性が悪いため、気化させる際の加熱温度に対して、
気化容器内で徐々に分解反応が起こる。そのため、気化
速度が経時的に不均一となる問題を有したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、M
OCVD法により銅薄膜を作製するに当たって、気化の
際の熱安定性に優れた有機銅錯体を見出すべく研究を行
った結果、一般式(I)で表される銅薄膜形成用有機銅
錯体を見い出した。
OCVD法により銅薄膜を作製するに当たって、気化の
際の熱安定性に優れた有機銅錯体を見出すべく研究を行
った結果、一般式(I)で表される銅薄膜形成用有機銅
錯体を見い出した。
【0006】
【化3】 (式中R1、R2は炭素原子数1〜8のアルキル基また
は、炭素原子数1〜8のパーフルオロアルキル基、R3
は、水素原子、フッ素原子あるいは炭素原子数1〜8の
パーフルオロアルキル基、Ra,Rb,Rc,Rd,Re,
Rf,Rg,Rh,Ri,Rjは、独立して水素原子あるい
は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表す)
は、炭素原子数1〜8のパーフルオロアルキル基、R3
は、水素原子、フッ素原子あるいは炭素原子数1〜8の
パーフルオロアルキル基、Ra,Rb,Rc,Rd,Re,
Rf,Rg,Rh,Ri,Rjは、独立して水素原子あるい
は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表す)
【0007】上記一般式(I)のうち、R1およびR2が
CF3基でR3が水素原子であり、Ra,Rb,Rc,Rd,
Re,Rf,Rg,Rh,Ri,Rjが水素原子の有機銅錯体
は、(ジシクロペンタジエン)(1,1,1,5,5,
5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)銅
(I)呼ぶことができる[下記 式(III)あるいは
式(IV)]。この有機銅錯体の合成に用いるジシクロ
ペンタジエンが、エンド体[式(V)]であるか或はエ
キソ体[式(VI)]であるかによって、生成する有機
銅錯体も[式(III)]あるいは[式(IV)]で示
される物が得られる。また、用いるジシクロペンタジエ
ンが、エンド体[式(V)]とエキソ体[式(VI)]
の混合物を用いる場合、生成する有機銅錯体も式(II
I)と式(IV)の混合物が得られる。これらの有機銅
錯体は、何れも新規物質である。
CF3基でR3が水素原子であり、Ra,Rb,Rc,Rd,
Re,Rf,Rg,Rh,Ri,Rjが水素原子の有機銅錯体
は、(ジシクロペンタジエン)(1,1,1,5,5,
5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)銅
(I)呼ぶことができる[下記 式(III)あるいは
式(IV)]。この有機銅錯体の合成に用いるジシクロ
ペンタジエンが、エンド体[式(V)]であるか或はエ
キソ体[式(VI)]であるかによって、生成する有機
銅錯体も[式(III)]あるいは[式(IV)]で示
される物が得られる。また、用いるジシクロペンタジエ
ンが、エンド体[式(V)]とエキソ体[式(VI)]
の混合物を用いる場合、生成する有機銅錯体も式(II
I)と式(IV)の混合物が得られる。これらの有機銅
錯体は、何れも新規物質である。
【0008】
【化4】
【0009】
【化5】
【0010】
【化6】
【0011】
【化7】
【0012】この新規有機銅錯体(ジシクロペンタジエ
ン)(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,
4−ペンタンジオナト)銅(I)[以下、Cu(hfa
c)(dcp)と称す]は、優れた熱安定性を示す。
ン)(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,
4−ペンタンジオナト)銅(I)[以下、Cu(hfa
c)(dcp)と称す]は、優れた熱安定性を示す。
【0013】また、上記一般式(I)のうち、銅に配位
しているジシクロペンタジエン骨格のRa,Rb,Rc,
Rd,Reの何れか一つがメチル基でその他が水素原子で
ある化合物、及び、Rf,Rg,Rh,Ri,Rjの何れか
がメチル基でその他が水素原子である化合物、ビス(メ
チルシクロペンタジエン)には、前記ジシクロペンタジ
エンの場合と同様、エンド体とエキソ体[式(VII)
及び(VIII))]が存在し、上記一般式(I)のう
ち、R1及びR2がCF3であり、R3が水素原子である有
機銅(I)錯体は、ビス(メチルシクロペンタジエン)
のエンド体、エキソ体の使用に応じて、下記の式(I
X)或は式(X)で示される物が得られる。またビス
(メチルシクロペンタジエン)エンド体とエキソ体混合
物を使用すれば、式(IX)と式(X)で示される有機
銅錯体の混合物が得られる。
しているジシクロペンタジエン骨格のRa,Rb,Rc,
Rd,Reの何れか一つがメチル基でその他が水素原子で
ある化合物、及び、Rf,Rg,Rh,Ri,Rjの何れか
がメチル基でその他が水素原子である化合物、ビス(メ
チルシクロペンタジエン)には、前記ジシクロペンタジ
エンの場合と同様、エンド体とエキソ体[式(VII)
及び(VIII))]が存在し、上記一般式(I)のう
ち、R1及びR2がCF3であり、R3が水素原子である有
機銅(I)錯体は、ビス(メチルシクロペンタジエン)
のエンド体、エキソ体の使用に応じて、下記の式(I
X)或は式(X)で示される物が得られる。またビス
(メチルシクロペンタジエン)エンド体とエキソ体混合
物を使用すれば、式(IX)と式(X)で示される有機
銅錯体の混合物が得られる。
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】
【0016】
【化10】
【0017】
【化11】
【0018】この新規有機銅錯体(ビス(メチルシクロ
ペンタジエン))(1,1,1,5,5,5−ヘキサフ
ルオロ−2,4−ペンタンジオナト)銅(I)[以下、
Cu(hfac)(bmcp)と称す]は、室温付近で
黄色の液体で、優れた熱安定性を示す。
ペンタジエン))(1,1,1,5,5,5−ヘキサフ
ルオロ−2,4−ペンタンジオナト)銅(I)[以下、
Cu(hfac)(bmcp)と称す]は、室温付近で
黄色の液体で、優れた熱安定性を示す。
【0019】従来知られている有機銅錯体Cu(hfa
c)(tmvs)[式(II)]は、80℃においては
2〜3分で分解が起こり、Cuの析出が見られると同時
に色調も黄色から黒緑色に変質してくる。それに対し、
本発明の有機銅錯体であるCu(hfac)(dcp)
及びCu(hfac)(bmcp)では、80℃の温度
下においては黄色液体のまま変化が見られず熱的に安定
であることが分かる。
c)(tmvs)[式(II)]は、80℃においては
2〜3分で分解が起こり、Cuの析出が見られると同時
に色調も黄色から黒緑色に変質してくる。それに対し、
本発明の有機銅錯体であるCu(hfac)(dcp)
及びCu(hfac)(bmcp)では、80℃の温度
下においては黄色液体のまま変化が見られず熱的に安定
であることが分かる。
【0020】
【実施例】本発明の有機銅錯体は、酸化銅(I)、ジシ
クロペンタジエン化合物及びβ−ジケトン化合物を反応
させて合成することが出来る。生成物の精製は、常法の
カラムクロマトグラフィーにより実施する事が出来る
が、以下では、具体例を挙げて、本発明の有機銅錯体の
製造方法について説明する。
クロペンタジエン化合物及びβ−ジケトン化合物を反応
させて合成することが出来る。生成物の精製は、常法の
カラムクロマトグラフィーにより実施する事が出来る
が、以下では、具体例を挙げて、本発明の有機銅錯体の
製造方法について説明する。
【0021】実施例1 本例では、一般式(I)において、R1およびR2がCF
3基で、R3及びRa,Rb,Rc,Rd,Re,Rf,Rg,
Rh,Ri,Rjが何れも水素原子である有機銅錯体、C
u(hfac)(dcp)の合成を例示する。反応はす
べてアルゴン雰囲気下で行う。100ccの二口フラス
コに乾燥し、アルゴン置換した塩化メチレン60mlを
入れ、それに酸化銅(I)5.13g(35.9mmo
l)を懸濁させた。その懸濁液にジシクロペンタジエン
[エンド体 式(III)とエキソ体 式(IV)の混
合物]3.30g(25.0mmol)を添加し、30
分間室温で攪拌した。その後、1,1,1,5,5,5
−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン5.19g
(25.0mmol)を滴下した。滴下後、3時間室温
で攪拌した。反応後、未反応の酸化銅をアルゴン下濾別
し、黄緑色溶液を得た。この溶液を濃縮することによ
り、粗体である黄緑色液体の化合物を得た。該化合物を
アルゴン雰囲気下、常法であるカラムクロマトグラフィ
ーにより、本発明の有機銅錯体Cu(hfac)(dc
p)[エンド体 式(III)とエキソ体 式(IV)
の混合物]6.55g(16.3mmol 収率65
%)を得た。
3基で、R3及びRa,Rb,Rc,Rd,Re,Rf,Rg,
Rh,Ri,Rjが何れも水素原子である有機銅錯体、C
u(hfac)(dcp)の合成を例示する。反応はす
べてアルゴン雰囲気下で行う。100ccの二口フラス
コに乾燥し、アルゴン置換した塩化メチレン60mlを
入れ、それに酸化銅(I)5.13g(35.9mmo
l)を懸濁させた。その懸濁液にジシクロペンタジエン
[エンド体 式(III)とエキソ体 式(IV)の混
合物]3.30g(25.0mmol)を添加し、30
分間室温で攪拌した。その後、1,1,1,5,5,5
−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン5.19g
(25.0mmol)を滴下した。滴下後、3時間室温
で攪拌した。反応後、未反応の酸化銅をアルゴン下濾別
し、黄緑色溶液を得た。この溶液を濃縮することによ
り、粗体である黄緑色液体の化合物を得た。該化合物を
アルゴン雰囲気下、常法であるカラムクロマトグラフィ
ーにより、本発明の有機銅錯体Cu(hfac)(dc
p)[エンド体 式(III)とエキソ体 式(IV)
の混合物]6.55g(16.3mmol 収率65
%)を得た。
【0022】この有機銅錯体の同定は、NMR及び元素
分析により行った。 (1)1H−NMR(CDCl3): エンド体有機銅錯体及びエキソ体有機銅錯体の混合物 δ1.29−1.31(m 1H)、 1.48−1.5
1(m 1H)、 1.84−1.90(m 1H)、
2.21−2.28(m 1H)、 2.70−2.76
(m 1H)、 3.09−3.11(m 2H)、 3.
24−3.27(m1H)、 5.36(m 1H)、
5.47(m 1H)、5.52−5.54(m 2
H)、 6.06(s 1H)
分析により行った。 (1)1H−NMR(CDCl3): エンド体有機銅錯体及びエキソ体有機銅錯体の混合物 δ1.29−1.31(m 1H)、 1.48−1.5
1(m 1H)、 1.84−1.90(m 1H)、
2.21−2.28(m 1H)、 2.70−2.76
(m 1H)、 3.09−3.11(m 2H)、 3.
24−3.27(m1H)、 5.36(m 1H)、
5.47(m 1H)、5.52−5.54(m 2
H)、 6.06(s 1H)
【0023】(2)元素分析:C15H13F6O2Cu 測定値:C 45.4%、H 3.27%、Cu 15% 理論値:C 44.73%、H 3.25 % Cu 1
5.8% 融点:40℃
5.8% 融点:40℃
【0024】また、本発明の有機銅錯体をガラスアンプ
ル管に減圧下封入し、それを80℃で1時間加熱したと
ころ、黄色のままで、目視による変質は全く確認されな
かった。一方、比較のため、式(II)で表される従来
型有機銅錯体Cu(hfac)(tmvs)について同
様に80℃で加熱したところ2〜3分で、液色が黄色か
ら黒色に変色し、またその後、銅がガラス壁に析出し
た。このことは、本発明の有機銅錯体が、気化の際に加
えられる熱に対する安定性が優れていることを示してい
る。
ル管に減圧下封入し、それを80℃で1時間加熱したと
ころ、黄色のままで、目視による変質は全く確認されな
かった。一方、比較のため、式(II)で表される従来
型有機銅錯体Cu(hfac)(tmvs)について同
様に80℃で加熱したところ2〜3分で、液色が黄色か
ら黒色に変色し、またその後、銅がガラス壁に析出し
た。このことは、本発明の有機銅錯体が、気化の際に加
えられる熱に対する安定性が優れていることを示してい
る。
【0025】実施例2 本例では、一般式(I)において、 R1およびR2がCF3
基でR3が水素原子であり、且つ、Ra,Rb,Rc,
Rd,Reの何れか一つがメチル基でその他が水素原子で
あり、Rf,Rg,Rh,Ri,Rjの何れか一つがメチル
基で、その他が水素原子である有機銅錯体 Cu(hf
ac)(bmcp)の合成を例示する。反応はすべてア
ルゴン雰囲気下で行う。100ccの二口フラスコに乾
燥し、アルゴン置換した塩化メチレン50mlを入れ、
それに酸化銅(I)2.91g(20.3mmol)を
懸濁させた。その懸濁液にビス(メチルシクロペンタジ
エン)[エンド体 式(VII)とエキソ体 式(VII
I)の混合物]3.26g(20.3mmol)を添加
し、30分間室温で攪拌した。その後、1,1,1,
5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン
4.23g(20.3mmol)を滴下した。滴下後、
3時間室温で攪拌した。反応後、未反応の酸化銅をアル
ゴン下濾別し、黄緑色溶液を得た。この溶液を濃縮する
ことにより、粗体である黄緑色液体の化合物を得た。該
化合物をアルゴン雰囲気下、常法であるカラムクロマト
グラフィーにより、本発明の有機銅錯体Cu(hfa
c)(bmcp)[エンド体 式(IX)とエキソ体
式(X)の混合物]5.95g(13.8mmol 収
率68%)を得た。
基でR3が水素原子であり、且つ、Ra,Rb,Rc,
Rd,Reの何れか一つがメチル基でその他が水素原子で
あり、Rf,Rg,Rh,Ri,Rjの何れか一つがメチル
基で、その他が水素原子である有機銅錯体 Cu(hf
ac)(bmcp)の合成を例示する。反応はすべてア
ルゴン雰囲気下で行う。100ccの二口フラスコに乾
燥し、アルゴン置換した塩化メチレン50mlを入れ、
それに酸化銅(I)2.91g(20.3mmol)を
懸濁させた。その懸濁液にビス(メチルシクロペンタジ
エン)[エンド体 式(VII)とエキソ体 式(VII
I)の混合物]3.26g(20.3mmol)を添加
し、30分間室温で攪拌した。その後、1,1,1,
5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン
4.23g(20.3mmol)を滴下した。滴下後、
3時間室温で攪拌した。反応後、未反応の酸化銅をアル
ゴン下濾別し、黄緑色溶液を得た。この溶液を濃縮する
ことにより、粗体である黄緑色液体の化合物を得た。該
化合物をアルゴン雰囲気下、常法であるカラムクロマト
グラフィーにより、本発明の有機銅錯体Cu(hfa
c)(bmcp)[エンド体 式(IX)とエキソ体
式(X)の混合物]5.95g(13.8mmol 収
率68%)を得た。
【0026】この有機銅錯体の同定は、NMR及び元素
分析により行った。 (3)1H−NMR(CDCl3): CH3基の位置異性体及びエンド体有機銅錯体、エキソ
体有機銅錯体の混合物 δ1.23−2.22(m 9H)、2.72−3.2
2(m 4〜5H)、5.05−5.31(m 3〜2
H)、6.05(s 1H) (4)元素分析:C17H17F6O2Cu 測定値:C 48.0%、H 3.95%、Cu 15% 理論値:C 47.4%、H 3.98 %、Cu 14.
75% 融点:5℃
分析により行った。 (3)1H−NMR(CDCl3): CH3基の位置異性体及びエンド体有機銅錯体、エキソ
体有機銅錯体の混合物 δ1.23−2.22(m 9H)、2.72−3.2
2(m 4〜5H)、5.05−5.31(m 3〜2
H)、6.05(s 1H) (4)元素分析:C17H17F6O2Cu 測定値:C 48.0%、H 3.95%、Cu 15% 理論値:C 47.4%、H 3.98 %、Cu 14.
75% 融点:5℃
【0027】また、本発明の有機銅錯体をガラスアンプ
ル管に減圧下封入し、それを80℃で1時間加熱したと
ころ、黄色のままで、目視による変質は全く確認されな
かった。
ル管に減圧下封入し、それを80℃で1時間加熱したと
ころ、黄色のままで、目視による変質は全く確認されな
かった。
【0028】
【発明の効果】本発明の有機銅錯体は、熱安定性に優れ
ているので、MOCVD法による均一かつ緻密な銅薄膜
成膜原料として極めて有用であり、半導体装置の配線材
料等として有用な銅薄膜の製造に有効に利用することが
できる。
ているので、MOCVD法による均一かつ緻密な銅薄膜
成膜原料として極めて有用であり、半導体装置の配線材
料等として有用な銅薄膜の製造に有効に利用することが
できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 で表される有機金属化学蒸着法による銅薄膜形成用有機
銅錯体(式中R1、R2は炭素原子数1〜8のアルキル基
または、炭素原子数1〜8のパーフルオロアルキル基、
R3は、水素原子、フッ素原子あるいは炭素原子数1〜
8のパーフルオロアルキル基、Ra,Rb,Rc,Rd,R
e,Rf,Rg,Rh,Ri,Rjは、独立して水素原子ある
いは、炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)。 - 【請求項2】R3が、水素原子であることを特徴とす
る、請求項1記載の有機金属化学蒸着法による銅薄膜形
成用有機銅錯体。 - 【請求項3】R1及びR2が、CF3基であることを特徴
とする、請求項2記載の有機金属化学蒸着法による銅薄
膜形成用の有機銅錯体。 - 【請求項4】ジシクロペンタジエン骨格が、Ra,Rb,
Rc,Rd,Re,Rf,Rg,Rh,Ri,Rjのすべてが水
素原子であるシクロペンタジエン二量体であることを特
徴とする、請求項3記載の、有機金属化学蒸着法による
銅薄膜形成用の有機銅錯体。 - 【請求項5】ジシクロペンタジエン骨格が、Ra,Rb,
Rc,Rd,Reの何れか一つのみがメチル基で他が全て
水素原子であり、且つ、Rf,Rg,Rh,Ri,Rjの何
れか一つのみがメチル基で他が全て水素原子である、メ
チルシクロペンタジエン二量体[ビス(メチルシクロペ
ンタジエン)]であること特徴とする、請求項3記載
の、有機金属化学蒸着法による銅薄膜形成用の有機銅錯
体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32784899A JP2001140074A (ja) | 1999-11-18 | 1999-11-18 | 銅薄膜形成用の有機銅錯体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32784899A JP2001140074A (ja) | 1999-11-18 | 1999-11-18 | 銅薄膜形成用の有機銅錯体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001140074A true JP2001140074A (ja) | 2001-05-22 |
Family
ID=18203668
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32784899A Pending JP2001140074A (ja) | 1999-11-18 | 1999-11-18 | 銅薄膜形成用の有機銅錯体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001140074A (ja) |
-
1999
- 1999-11-18 JP JP32784899A patent/JP2001140074A/ja active Pending
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