JP2001139317A - 一方向配列カーボンチューブの製造方法 - Google Patents

一方向配列カーボンチューブの製造方法

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JP2001139317A
JP2001139317A JP31812199A JP31812199A JP2001139317A JP 2001139317 A JP2001139317 A JP 2001139317A JP 31812199 A JP31812199 A JP 31812199A JP 31812199 A JP31812199 A JP 31812199A JP 2001139317 A JP2001139317 A JP 2001139317A
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anodic oxide
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carbon
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Fumikazu Igasaki
文和 伊ヶ崎
Hirokazu Ichitsubo
宏和 一坪
Morio Yumura
守雄 湯村
Satoru Oshima
哲 大嶋
Kunio Uchida
邦夫 内田
Yasunori Kuriki
安則 栗木
Toshiyoshi Komatsu
利喜 小松
Toshiaki Nishizaka
俊昭 西阪
Kikuo Yamada
紀久夫 山田
Seiji Hagino
清二 萩野
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Nippon Aluminium Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Nippon Aluminium Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボンチューブを配向性良く形成できる方
法を提供すること。 【解決手段】 アルミニウム陽極酸化皮膜2の細孔21
中に、電解処理によって金属微粒子を生成させる、金属
微粒子生成工程と、該金属微粒子を硫化する、硫化物微
粒子形成工程と、750〜950℃の条件下で、炭素成
分を含むガスを分解させて、硫化物微粒子4を起点とし
て細孔21中にカーボンチューブ5を析出・成長させ
る、カーボンチューブ生成工程とを備えたことを特徴と
する一方向配列カーボンチューブの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーボンチューブ
を、一方向に向いて配列した状態に、即ち、配向性良
く、形成する、形成方法に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその課題】カーボンチューブは、カーボ
ン繊維より計算上ヤング率が高く、また、半導体的性質
を有していることから、近年、その用途開発が盛んに行
われている。代表的利用例としては、図12に示す冷陰
極放出素子が知られている。冷陰極放出素子において、
冷陰極基板7上にカーボンチューブ8を載せると、電子
が放出されやすくなるので、カーボンチューブは冷陰極
放出素子に有効に利用されている。なお、図12におい
て、9は電流計である。
【0003】ところで、冷陰極放出素子に利用されてい
る従来のカーボンチューブ81は、図12のA部拡大図
に相当する図13に示すようにランダムな方向に成長し
たものであった。仮に、図12のA部拡大図に相当する
図14に示すようにカーボンチューブ82が一方向に向
いて配列したものであると、冷陰極放出素子における電
子の放出効率の向上が期待される。しかし、従来一般の
アーク放電法では、一方向に向いて配列したカーボンチ
ューブを得ることはできなかった。
【0004】そこで、カーボンチューブを、一方向に向
いて配列した状態に、即ち、配向性良く、形成する方法
が、種々検討されている。その方法としては、例えば、
次の(1),(2)が知られているが、いずれも充分なもので
はなかった。
【0005】(1) 「サイエンス(science)、282、1
105(1998)」に記載の方法がある。この方法
は、ニッケルで被覆されたガラス基板に、アンモニアガ
ス中でエッチングを行った後、アセチレンガスの分解に
よってカーボンチューブを生成させるものである。しか
しながら、この方法では、整列したカーボンチューブを
得ることはできるが、空間的制約がないために、チュー
ブ密度の調整が困難であり、また、細い径のチューブが
曲がってしまう、という問題があった。
【0006】(2) 特開平10−12124号公報に記載
の方法がある。この方法は、アルミニウム陽極酸化皮膜
の細孔中にて、金属触媒の作用により、カーボンチュー
ブを成長させるものである。しかしながら、この方法で
は、反応温度が高すぎることなどに起因して、実際に
は、整列したカーボンチューブを良好に得ることはでき
ない。
【0007】本発明は、カーボンチューブを配向性良く
形成できる方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
アルミニウム陽極酸化皮膜の細孔中に、電解処理によっ
て金属微粒子を生成させる、金属微粒子生成工程と、該
金属微粒子を硫化する、硫化物微粒子形成工程と、75
0〜950℃の条件下で、炭素成分を含むガスを分解さ
せて、上記硫化物微粒子を起点として細孔中にカーボン
チューブを析出・成長させる、カーボンチューブ生成工
程とを備えたことを特徴とする一方向配列カーボンチュ
ーブの製造方法である。
【0009】金属微粒子生成工程で生成させる金属微粒
子の原料としては、ニッケル、鉄、コバルト、モリブデ
ンなどが挙げられる。
【0010】カーボンチューブ生成工程において、ガス
に含ませる炭素成分としては、メタン,エタンなどの飽
和炭化水素、エチレン,アセチレンなどの不飽和炭化水
素、ベンゼン,ヘキサンなどの芳香族炭化水素などが挙
げられる。これらの炭素成分は、単独で又は2種以上混
合して用いることができ、更には、水素や不活性ガスと
混合して用いてもよい。
【0011】請求項1記載の発明によれば、図3に示す
ように、金属微粒子生成工程により、陽極酸化皮膜2の
細孔21中に金属微粒子3が生成する。なお、ここで
は、陽極酸化皮膜2は、図1に示すアルミニウム基板1
の表面を陽極酸化処理することにより、図2に示すよう
に形成されている。図2において、11はアルミニウム
母材である。なお、ここでは、バリヤー層22が形成さ
れているが、バリヤー層22があると、電圧を印加する
場合の抵抗が大きくなり、金属微粒子3の生成効率が低
下するので、バリヤー層22は無い方が好ましい。次
に、硫化物微粒子形成工程により、金属微粒子3が硫化
されて硫化物微粒子4となる。そして、図4に示すよう
に、カーボンチューブ生成工程により、硫化物微粒子4
を起点として細孔21中にカーボンチューブ5が析出・
成長する。この際、カーボンチューブ5は細孔21中に
て成長するので、得られたカーボンチューブ5は一方向
に向いて配列した状態となっている。カーボンチューブ
生成工程における温度条件が750℃より小さいと、タ
ングル状のカーボンチューブが生成してしまい、950
℃より大きいと、陽極酸化皮膜にクラックが発生してし
まうので、カーボンチューブ生成工程における温度条件
は750〜950℃である必要がある。また、金属微粒
子3が硫化物微粒子4となっているので、1000℃以
下でのカーボンチューブの合成が可能となっている。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、アルミニウム陽極酸化皮膜が、予め、アル
ミニウムよりも高融点であるバルブ金属からなる基板上
に接合されているものである。
【0013】バルブ金属としては、タングステン、モリ
ブデン、チタン、タンタルなどが挙げられる。
【0014】アルミニウム陽極酸化皮膜とバルブ金属と
の接合は、バルブ金属にアルミニウムをスパッタ又は蒸
着する方法、又は、バルブ金属とアルミニウム薄膜とを
圧着又はクラッドする方法を用いて行うことができる。
【0015】請求項2記載の発明においては、図5に示
すように、バルブ金属からなる基板6上にアルミニウム
薄膜10を接合させて形成しておき、アルミニウム薄膜
10を陽極酸化処理して、図6に示すように、陽極酸化
皮膜20を形成する。その後は、図3の場合と同様に、
図7に示すように、陽極酸化皮膜20の細孔21中に金
属微粒子3が形成され、図4の場合と同様に、図8に示
すように、金属微粒子3が硫化されて硫化物微粒子4と
なった後に、硫化物微粒子4を起点として細孔21中に
カーボンチューブ5が析出・成長する。
【0016】請求項2記載の発明によれば、陽極酸化皮
膜20がバルブ金属からなる基板6に接合されているの
で、陽極酸化皮膜20を、カーボンチューブ生成工程に
おける高温に晒しても、陽極酸化皮膜20に歪みが生じ
ることはない。従って、大面積の陽極酸化皮膜20を形
成して多量のカーボンチューブ5を得ることが可能とな
る。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、金属微粒子生成工程後に、アルミニウム陽
極酸化皮膜の母材を除去し、更に、バリヤー層がある場
合にはそれも除去して、細孔の底部に、ガスの通過が可
能な貫通孔を形成するものである。
【0018】陽極酸化皮膜のアルミニウム母材を除去す
る方法としては、ブロモメタノール溶液に浸漬して溶解
する方法を用いることができる。バリヤー層を除去する
方法としては、アルゴンスパッタによる方法を用いるこ
とができる。
【0019】請求項3記載の発明においては、図3に示
すように陽極酸化皮膜2の細孔21中に金属微粒子3が
析出した状態において、アルミニウム母材11を除去
し、更に、バリヤー層22がある場合にはバリヤー層2
2を除去することによって、図9に示すように陽極酸化
皮膜2のみが残る。図9の状態では、細孔21の底部に
は貫通孔23ができている。そして、図4の場合と同様
に、図10に示すように、金属微粒子3が硫化されて硫
化物微粒子4となった後に、硫化物微粒子4を起点とし
て細孔21中にカーボンチューブ5が析出・成長する。
この際、細孔21においては、貫通孔23を通って炭素
成分を含むガスが流通するために、細孔21中に炭素成
分が効率良く供給されるので、カーボンチューブ5の析
出・成長は効率良く行われる。
【0020】
【発明の実施の形態】(実施形態1)純アルミニウム基
板(材質:A1100P−H24、大きさ:7mm×7
mm、厚さ0.4mm)を、:陽極酸化皮膜形成工
程、:金属微粒子生成工程、:硫化物微粒子形成工
程、:カーボンチューブ生成工程を、順に経るよう処
理した。 100g/lのリン酸溶液中にて、25℃、電圧60
Vで、15分間陽極酸化処理し、10Vまで電圧を回復
させ、その状態で1分間保持し、その後、電圧を印加し
ないで5分間浸漬させたままとした。これにより、純ア
ルミニウム基板表面にバリヤー層の無い厚さ2.4μm
の陽極酸化皮膜を得た。 ニッケル−ホウ酸溶液に浸漬させて、交流電圧30V
を30秒間印加した。これにより、陽極酸化皮膜の細孔
の底にニッケルの微粒子が析出した。なお、陽極酸化皮
膜の表面に析出したニッケルは希硝酸で溶解除去した。 5%硫化水素を含む水素気流中にて、400℃で2時
間熱処理した。これにより、陽極酸化皮膜の細孔に析出
していたニッケルの微粒子が硫化された。 電気炉中にて、アルゴン雰囲気下で800℃まで昇温
させた後、5%アセチレンを含むアルゴン雰囲気下で8
00℃で10分間熱処理した。
【0021】陽極酸化皮膜表面をSEM観察したとこ
ろ、SEM写真である図11に示すように、真っ直ぐに
一方向に向いて配列したカーボンチューブが認められ
た。
【0022】(比較形態1)実施形態1と同じく、
、の処理を行ったが、は行わなかった。
【0023】陽極酸化皮膜表面をSEM観察したとこ
ろ、タングル状のカーボンチューブが認められた。
【0024】(考察1)実施形態1及び比較形態1か
ら、一方向に向いて配列したカーボンチューブを得るた
めには金属微粒子3を硫化することが必要であると言え
る。
【0025】(比較形態2)実施形態1と同じく、
、の処理を行ったが、の処理は次のように行っ
た。即ち、5%アセチレンを含むアルゴン雰囲気下で、
800℃まで20分間で昇温させた後、そのまま800
℃で10分間熱処理した。
【0026】陽極酸化皮膜表面をSEM観察したとこ
ろ、真っ直ぐに一方向に向いて配列したカーボンチュー
ブと、タングル状のカーボンチューブとが、混在して認
められた。
【0027】(考察2)比較形態2においては、800
℃までの昇温過程における低温時に、タングル状のカー
ボンチューブが生成したものと考えられる。従って、実
施形態1及び比較形態2から、一方向に向いて配列した
カーボンチューブを得るためにはカーボンチューブ生成
工程における温度が一定温度以上であることが必要であ
ると言える。
【0028】(実施形態2)純アルミニウム基板(材
質:A1100P−H24、大きさ:7mm×7mm、
厚さ0.4mm)を、:陽極酸化皮膜形成工程、:
金属微粒子生成工程、:硫化物微粒子形成工程、:
カーボンチューブ生成工程を、順に経るよう処理した。 30g/lのシュウ酸溶液中にて、20℃、電圧60
Vで、12分間陽極酸化処理し、10Vまで電圧を回復
させ、その状態で1分間保持した。その後、100g/
lのリン酸溶液中にて、25℃、電圧25Vで、20分
間陽極酸化処理した後、電圧を印加しないで5分間浸漬
させたままとした。これにより、純アルミニウム基板表
面にバリヤー層の無い厚さ7.8μmの陽極酸化皮膜を
得た。 鉄溶液に浸漬させて、交流電圧14Vを30秒間印加
した。これにより、陽極酸化皮膜の細孔の底に鉄の微粒
子が析出した。なお、陽極酸化皮膜の表面に析出した鉄
は希硝酸で溶解除去した。 5%硫化水素を含む水素気流中にて、400℃で2時
間熱処理した。これにより、陽極酸化皮膜の細孔に析出
していた鉄の微粒子が硫化された。 電気炉中にて、アルゴン雰囲気下で850℃まで昇温
させた後、5%エタンを含むアルゴン雰囲気下で850
℃で10分間熱処理した。
【0029】陽極酸化皮膜表面をSEM観察したとこ
ろ、真っ直ぐに一方向に向いて配列したカーボンチュー
ブが認められた。
【0030】(比較形態3)実施形態2と同じく、
、、の処理を行ったが、の処理における温度を
700℃とした。
【0031】陽極酸化皮膜表面をSEM観察したとこ
ろ、タングル状のカーボンチューブが認められた。
【0032】(比較形態4)実施形態2と同じく、
、、の処理を行ったが、の処理における温度を
1000℃とした。
【0033】陽極酸化皮膜表面をSEM観察したとこ
ろ、真っ直ぐに一方向に向いて配列したカーボンチュー
ブが認められたが、陽極酸化皮膜全面にクラックが認め
られ、皮膜が一部欠落している部分も認められた。
【0034】(実施形態3)チタン板(材質:工業用純
チタン、大きさ:40mm×40mm、厚さ2mm)表
面に純アルミニウム(99.99%)を真空蒸着して、
約3μmのアルミニウム薄膜を形成し、:陽極酸化皮
膜形成工程、:金属微粒子生成工程、:硫化物微粒
子形成工程、:カーボンチューブ生成工程を、順に経
るよう処理した。 100g/lのリン酸溶液中にて、25℃、電圧60
Vで、30分間陽極酸化処理し、10Vまで電圧を回復
させ、その状態で1分間保持し、その後、電圧を印加し
ないで5分間浸漬させたままとした。これにより、バリ
ヤー層の無い厚さ4.1μmの陽極酸化皮膜を得た。 ニッケル−ホウ酸溶液に浸漬させて、交流電圧30V
を30秒間印加した。これにより、陽極酸化皮膜の細孔
の底にニッケルの微粒子が析出した。なお、陽極酸化皮
膜の表面に析出したニッケルは希硝酸で溶解除去した。 5%硫化水素を含む水素気流中にて、400℃で2時
間熱処理した。これにより、陽極酸化皮膜の細孔に析出
していたニッケルの微粒子が硫化された。 電気炉中にて、アルゴン雰囲気下で750℃まで昇温
させた後、5%ヘキサンを含むアルゴン雰囲気下で75
0℃で10分間熱処理した。
【0035】陽極酸化皮膜表面をSEM観察したとこ
ろ、真っ直ぐに一方向に向いて配列したカーボンチュー
ブが認められた。更に、陽極酸化皮膜断面をSEM観察
したところ、陽極酸化皮膜とチタン板との間にアルミニ
ウム薄膜は認められなかった。
【0036】(実施形態4)純アルミニウム基板(材
質:A1100P−H24、大きさ:40mm×40m
m、厚さ0.4mm)を、:陽極酸化皮膜形成工程、
:金属微粒子生成工程、:アルミニウム母材除去工
程、:硫化物微粒子形成工程、:カーボンチューブ
生成工程を、順に経るよう処理した。 170g/lの硫酸溶液中にて、20℃、電圧20V
で、11分間陽極酸化処理した後、100g/lのリン
酸溶液中にて、25℃、電圧25Vで、20分間陽極酸
化処理した。これにより、純アルミニウム基板表面に厚
さ5.7μmの陽極酸化皮膜を得た。 ニッケル−ホウ酸溶液に浸漬させて、交流電圧30V
を30秒間印加した。これにより、陽極酸化皮膜の細孔
の底にニッケルの微粒子が析出した。なお、陽極酸化皮
膜の表面に析出したニッケルは希硝酸で溶解除去した。 ブロモメタノール溶液に浸漬して、純アルミニウム基
板を完全に溶解除去した後、陽極酸化皮膜のバリヤー層
をアルゴンスパッタにより除去した。これにより、陽極
酸化皮膜のみが残り、陽極酸化皮膜の細孔の底部には、
ガスの通過が可能な貫通孔が形成された。 5%硫化水素を含む水素気流中にて、400℃で2時
間熱処理した。これにより、陽極酸化皮膜の細孔に析出
していたニッケルの微粒子が硫化された。 電気炉中にて、アルゴン雰囲気下で950℃まで昇温
させた後、5%エチレンを含むアルゴン雰囲気下で95
0℃で10分間熱処理した。
【0037】陽極酸化皮膜表面をSEM観察したとこ
ろ、真っ直ぐに一方向に向いて配列したカーボンチュー
ブが認められた。
【0038】(考察3)実施形態1〜4から明らかなよ
うに、一方向に向いて配列したカーボンチューブは、カ
ーボンチューブ生成工程における温度が750℃、80
0℃、850℃、及び950℃で得られている。一方、
比較形態3からは、カーボンチューブ生成工程における
温度が700℃では一方向に向いて配列したカーボンチ
ューブは得られないことがわかる。また、比較形態4か
らは、カーボンチューブ生成工程における温度が100
0℃では一方向に向いて配列したカーボンチューブは得
られても陽極酸化皮膜にクラックが発生するために実用
的なカーボンチューブが得られないことがわかる。従っ
て、一方向に向いて配列したカーボンチューブを得るた
めのカーボンチューブ生成工程における温度条件は、7
50〜950℃であると言える。
【0039】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、真っ直ぐ
に一方向に向いて配列したカーボンチューブを得ること
ができる。
【0040】請求項2記載の発明によれば、大面積の陽
極酸化皮膜を形成して多量のカーボンチューブを得るこ
とができる。
【0041】請求項3記載の発明によれば、真っ直ぐに
一方向に向いて配列したカーボンチューブを効率良く得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1記載の発明の出発材料であるアルミ
ニウム基板の縦断面図である。
【図2】 図1の次工程後の状態、即ち図1のアルミニ
ウム基板に陽極酸化皮膜を形成した状態を示す縦断面図
である。
【図3】 図2の次工程後の状態、即ち図2の陽極酸化
皮膜の細孔中に金属微粒子を生成させた状態を示す縦断
面図である。
【図4】 図3の次工程後の状態、即ち図3の陽極酸化
皮膜の細孔中の金属微粒子を硫化した後にカーボンチュ
ーブを生成させた状態を示す縦断面図である。
【図5】 請求項2記載の発明の出発材料である、バル
ブ金属基板に接合されたアルミニウム基板を示す縦断面
図である。
【図6】 図5の次工程後の状態、即ち図5のアルミニ
ウム基板を陽極酸化処理して陽極酸化皮膜を形成した状
態を示す縦断面図である。
【図7】 図6の次工程後の状態、即ち図6の陽極酸化
皮膜の細孔中に金属微粒子を生成させた状態を示す縦断
面図である。
【図8】 図7の次工程後の状態、即ち図7の陽極酸化
皮膜の細孔中の金属微粒子を硫化した後にカーボンチュ
ーブを生成させた状態を示す縦断面図である。
【図9】 請求項3記載の発明において、図3の次工程
後の状態、即ち図3の状態から陽極酸化皮膜のみを残し
た状態を示す縦断面図である。
【図10】 図9の次工程後の状態、即ち図9の陽極酸
化皮膜の細孔中の金属微粒子を硫化した後にカーボンチ
ューブを生成させた状態を示す縦断面図である。
【図11】 結晶の構造を示す、図面に代わる写真であ
って、実施形態1で得られたカーボンチューブを示すS
EM写真である。
【図12】 カーボンチューブの代表的利用例である冷
陰極放出素子の構成図である。
【図13】 図12のA部拡大図に相当し、タングル状
のカーボンチューブを示す側面図である。
【図14】 図12のA部拡大図に相当し、一方向に向
いて配列したカーボンチューブを示す側面図である。
【符号の説明】
11 アルミニウム母材 2 陽極酸化皮膜 21 細孔 22 バリヤー層 23 貫通孔 3 金属微粒子 4 硫化物微粒子 5 カーボンチューブ 6 (バルブ金属からなる)基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊ヶ崎 文和 茨城県つくば市東1−1 工業技術院物質 工学工業技術研究所内 (72)発明者 一坪 宏和 茨城県つくば市東1−1 工業技術院物質 工学工業技術研究所内 (72)発明者 湯村 守雄 茨城県つくば市東1−1 工業技術院物質 工学工業技術研究所内 (72)発明者 大嶋 哲 茨城県つくば市東1−1 工業技術院物質 工学工業技術研究所内 (72)発明者 内田 邦夫 茨城県つくば市東1−1 工業技術院物質 工学工業技術研究所内 (72)発明者 栗木 安則 茨城県つくば市東1−1 工業技術院物質 工学工業技術研究所内 (72)発明者 小松 利喜 茨城県つくば市東1−1 工業技術院物質 工学工業技術研究所内 (72)発明者 西阪 俊昭 大阪府大阪市淀川区三国本町3丁目9番39 号 株式会社日本アルミ内 (72)発明者 山田 紀久夫 大阪府大阪市淀川区三国本町3丁目9番39 号 株式会社日本アルミ内 (72)発明者 萩野 清二 大阪府大阪市淀川区三国本町3丁目9番39 号 株式会社日本アルミ内 Fターム(参考) 4G046 CA02 CB08 CB09 CC02 CC03 CC06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム陽極酸化皮膜の細孔中に、
    電解処理によって金属微粒子を生成させる、金属微粒子
    生成工程と、 該金属微粒子を硫化する、硫化物微粒子形成工程と、 750〜950℃の条件下で、炭素成分を含むガスを分
    解させて、上記硫化物微粒子を起点として細孔中にカー
    ボンチューブを析出・成長させる、カーボンチューブ生
    成工程とを備えたことを特徴とする一方向配列カーボン
    チューブの製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム陽極酸化皮膜が、予め、ア
    ルミニウムよりも高融点であるバルブ金属からなる基板
    上に接合されている請求項1記載の一方向配列カーボン
    チューブの製造方法。
  3. 【請求項3】 金属微粒子生成工程後に、アルミニウム
    陽極酸化皮膜の母材を除去し、更に、バリヤー層がある
    場合にはそれも除去して、細孔の底部に、ガスの通過が
    可能な貫通孔を形成する請求項1記載の一方向配列カー
    ボンチューブの製造方法。
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