JP2001138348A - 浸漬成形加工方法とその成形加工装置 - Google Patents

浸漬成形加工方法とその成形加工装置

Info

Publication number
JP2001138348A
JP2001138348A JP32091699A JP32091699A JP2001138348A JP 2001138348 A JP2001138348 A JP 2001138348A JP 32091699 A JP32091699 A JP 32091699A JP 32091699 A JP32091699 A JP 32091699A JP 2001138348 A JP2001138348 A JP 2001138348A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
temperature
molded product
immersion
cutting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32091699A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshinobu Nakamura
利信 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinagawa Shoko Co Ltd
Original Assignee
Shinagawa Shoko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinagawa Shoko Co Ltd filed Critical Shinagawa Shoko Co Ltd
Priority to JP32091699A priority Critical patent/JP2001138348A/ja
Publication of JP2001138348A publication Critical patent/JP2001138348A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】金型の温度コントロールが困難であるため、成
型品の肉厚のバラツキが大きく、各工程に待ち時間が発
生し、各々の工程内での装置使用効率が低い。 【解決手段】金型2に近接自在に配置されて同金型2を
浸漬に適する温度にまで加熱する金型加熱部1と、所望
方向に変位自在に配設されたゾル槽4と、金型2に付着
したゾル被膜5を所定温度に加熱・溶融する加熱手段6
と、溶融化された被膜を所定温度に冷却する冷却槽7
と、冷却された成型品8の両側から均等に空気を吹き付
けるためのエアーノズル16と、離型直後、成型品8を
受けるための治具17と、成型品8と切断不要部とを切
断する切断手段18と、少なくとも一台以上の金型移動
用台車9,9…を一方通行として離型工程までを循環せ
しめる複数台車移動循環手段19とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浸漬成形加工方法
及びその加工装置の改良に関し、更に詳しくは、金型の
温度上昇時間を短縮すると共に、温度コントロールを可
能にすることにより、成型品の肉厚のバラツキを小さく
することができ、更には、離型変形(不良)を皆無とす
ると共に、切断機構も併せ持った有用な浸漬成形加工方
法とその成形加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、浸漬加工は、浸漬加工法(dip
molding)と浸漬塗装(dip coating)の二つに大別され
る。また、浸漬加工には、常温の物体を浸漬する冷浸漬
法( cold dipping)と、予熱した高温の物体を浸漬す
る熱浸漬法(hot dipping)とがある。
【0003】ここに熱浸漬法とは、図4に示すように、
金型加熱部1で予熱した金型(雄金型)2を浸漬部3の
ゾル槽4に浸漬して引き上げ、金型2に付着した付着ペ
ースト5をゲル化炉6で加熱溶融し(ゲル化)、冷却水
槽7に浸漬して冷却した後に金型2から加圧エアーで抜
き取って所望形状の成型品8(手袋、オーバーシュー
ズ、電線やケーブルの端末、分岐スリーブやキャップ)
を得るものである。
【0004】この熱浸漬法は、高温の金型2をゾル槽4
に浸漬するため、金型2に接したゾルが加熱されて半溶
融化し、引き上げ後にも流れ落ちない厚い付着膜を生成
するものであり、一回の浸漬で0.3〜6mm程度の膜
厚を得ることができる。
【0005】従来、斯かる浸漬成形加工方法としては、
例えば、図5に示すものが従来例として周知である。こ
の従来の浸漬成形加工方法は、単台車移動往復式の金型
移動用台車9で前記金型2を炉10中に移動して浸漬に
適する温度になるまで加熱する金型加熱工程と、浸漬
用シリンダー11を介して同金型2に所定のゾル被膜を
形成する浸漬工程と、再度、炉10に戻って金型2に
付着したゾル被膜を所定の温度(約150℃)に加熱・
溶融化するゲル化工程と、溶融化された被膜を冷却用
シリンダー12を介して所定の温度(90℃以下)にま
で冷却する冷却工程と、冷却された成型品8を金型2
から取り外す離型工程とを有し、金型2の加熱、浸
漬、ゲル化、冷却、離型の各工程を前記単台車移動往復
式の金型移動用台車9で往復操作している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の浸漬成形加工方法においては、品質、生産性及
び効率(経済性)について、以下〜の問題点を有す
る。 成型品8の肉厚tのバラツキが大きい(図3参照)。
この原因は、個々の金型の温度コントロールが困難であ
るためであり、換言すれば、浸漬成形は雄型のみにて成
型品8を得るため、肉厚tのバラツキは成形の寸法精度
に影響し、精密製品としては不向きである。 成型品8の上端部までの寸法(以下、単にL寸法とい
う)のバラツキが大きい。これは油圧作動によるアナロ
グ制御であることに起因するもので、このことは成型品
8のL寸法のバラツキになり、成型品8としては好まれ
ない。 単台車移動往復式の金型移動用台車9では、各工程に
おける待ち時間が発生し、各々の工程内での装置使用効
率が低く、生産量/時間に限界がある。 離型後、別工程13(図4(a)参照)にて先端部等の
切断が必要となるため、成型品8の移動、管理、納期で
経済性(効率)を悪化している。 成型品8の肉厚tのバラツキは、製品の寸法精度に影
響するのみではなく、材料の増減に影響し、材料費の占
める割合に大きく影響する。 単台車移動往復装置では、大量生産する場合、どうし
ても金型数を多くする必要があり、加熱、ゲル化炉10
が大きくなる必然性がある。これは熱エネルギーを大量
に必要とすることに起因する。 単台車移動往復装置では、台車9の移動のために炉1
0の開閉が必要となり、その時に多量の加熱空気(燃焼
ガス)が炉10外に分散し、作業室内の温度を著しく上
昇せしめ、作業環境を悪化し、更に、台車9も同時に加
熱されるため、同台車9からの放熱が発生してしまう。
【0007】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、金型温度のバラツキを小さくし、か
つ、複数列加熱を単列加熱の温度コントロールにするこ
とにより、成型品の肉厚、高さのバラツキを小さくする
ことができ、更には、成型品の離型変形(不良)を皆無
とすると共に、切断機構をも併せ持った有用な浸漬成形
加工方法とその成形加工装置を提供することを目的とし
たものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題点
を解決し、所期の目的を達成するため本発明の要旨とす
る構成は、電気ヒーター等の熱源を金型に近接させて浸
漬に適する温度にまで加熱する金型加熱工程と、作動速
度、高さ位置を数値制御するモーターにてゾル槽を上下
させて金型に所定のゾル被膜を形成する浸漬工程と、金
型に付着したゾル被膜を赤外線ヒーター等の加熱手段に
て所定温度に加熱・溶融化するゲル化工程と、冷却槽に
温度コントロール手段を付設して冷却水の温度を略一定
にしながら溶融化された被膜を所定温度に冷却する冷却
工程と、エアー吹付部のノズルを数値制御しながら冷却
された成型品に両側から空気を吹き付けて金型から取り
外す離型工程と、離型直後、治具にて成型品を受けて切
断し成型品と切断不要部とを分離する分離工程とからな
る浸漬成形加工方法に存する。
【0009】また、好ましくは、少なくとも一以上の金
型移動用台車を循環させながら離型工程までの作業を効
率的に行う複数台車移動循環手段を備えるのが良い。
【0010】例えば、斯かる複数台車移動循環手段に
は、成形ラインのレールとリターン装置の循環レールと
に少なくとも一以上の金型移動用台車を配置し、前走す
る台車に近接、離間しながら各台車毎に金型の加熱工程
から離型工程までを個々に行い、かつ、前走の台車が次
工程にある時は、前台車の作業が終了するまで待機する
システムが良い。
【0011】また、前記ゾル槽は、略一定の温度で保持
されるように温度コントロールされるのが良い。
【0012】更に、金型加熱工程の前工程として、金型
に離型剤を塗布する離型剤塗布工程を付加しても良い。
【0013】一方、この方法を実施するための浸漬成形
加工装置は、金型に近接自在に配置されて同金型を浸漬
に適する温度にまで加熱する電気ヒーター等の金型加熱
装置と、変位自在に配設されたゾル槽と、該ゾル槽の作
動速度、高さ位置を数値制御するモーターと、金型に付
着したゾル被膜を所定温度に加熱・溶融する赤外線ヒー
ター等の加熱手段と、溶融化された被膜を所定温度に冷
却する冷却槽と、該冷却槽の冷却水温度を略一定に保持
する冷却コントロール手段と、冷却された成型品の両側
に空気を吹き付けるエアーノズルと、該ノズルのエアー
吹付部位置を数値制御するノズル制御手段と、離型直
後、成型品を受けるための治具と、成型品と切断不要部
とを切断する分離手段と、少なくとも一以上の金型移動
用台車を循環させながら離型工程までの作業を効率的に
行う複数台車移動循環手段とを備えるのが良い。
【0014】このように構成される本発明の浸漬成形加
工方法及びその成形加工装置は、熱源に電気ヒーターを
用いて金型に近接させることで、金型の温度上昇時間を
短縮し、金型温度のバラツキを小さくなし得ることとな
る。
【0015】また、従来の複数列加熱を単列加熱で温度
コントロールすることにより、成型品の肉厚のバラツキ
を小さくし得ることとなる。
【0016】更に、従来の油圧作動によるアナログ制御
に代えて数値制御のモーターを使用することにより、細
分化が可能になり、成型品の高さ、上下肉厚のバラツ
キ、浸漬成形線部の凹面が改善し得ることとなる(図3
参照)。
【0017】また、金型に付着したゾル被膜を遠赤外線
ヒーターで所定温度に加熱・溶融化することにより、時
間の短縮と、均一な溶融化が可能になる。
【0018】更に、冷却槽を温度コントロールして冷却
水の温度を略一定にすることによって、成型品の離型変
形(熱変形)を防止し得ると共に、離型する際、冷却さ
れた成型品に両側から空気を吹き付けることも相俟っ
て、成型品の離型不良が皆無となる。
【0019】また、離型直後、治具にて成型品を受けて
切断し、成型品と切断不要部とを分離することにより、
成型品の成形からスリーブまでの一貫生産が可能とな
る。
【0020】更に、前記ゾル槽が、略一定の温度(恒
温)で保持されるように温度コントロールされることに
より、ゾル被膜の全体をムラなく(均等に)付着し得る
こととなる。
【0021】また、金型加熱工程の前工程として、金型
に離型剤を塗布する離型剤塗布工程を有することによ
り、同成型品を、より簡単かつ確実に離型し得ることと
なる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る浸漬成形加工
方法について説明する。まず、第1工程について説明す
る。電気ヒーター等の熱源を金型に近接させて浸漬に適
する温度にまで加熱する(金型加熱工程)。
【0023】単台車移動往復装置においては、加熱源と
してガス燃焼のオーブン炉をゲル化でも共用していた
が、内部雰囲気温度を精度良くコントロールできないた
め、熱源として電気ヒーターを採用し、更に熱源を金型
に近接させることで、金型の温度上昇時間を短縮し、温
度コントロールが可能になる。
【0024】その理由は、金型の温度が高いほど肉厚が
厚くなるなど、金型の温度によって肉厚が変化するた
め、均一な熱源(一定な温度約550℃)を金型に近接
させることにより、金型の温度バラツキを小さくし、更
には、複数列加熱を単列加熱の温度コントロールにする
ことで、より成型品の肉厚のバラツキを小さくすること
ができるからである。
【0025】しかも、金型部と台車部両方を加熱してい
た従来方式とは異なり、金型だけの加熱ができるため、
燃焼加熱空気の放出量並びに台車移動に伴う熱損失量を
滅減できるなど、エネルギー効率を高めることができる
と共に、室内温度上昇が抑えられるため、作業環境の向
上をも図ることができる(表1参照)。
【0026】次に、第2工程について説明する。作動速
度、高さ位置を数値制御するモーターにてゾル槽を上下
させて金型に所定のゾル被膜を形成する(浸漬工程)。
【0027】油圧作動によるアナログ制御では、作動速
度、高さ位置の細分化されたコントロールが難しかった
が、数値制御のモーターを使用することにより、細分化
が可能となり、成型品の高さ(L寸法)、上下肉厚のバ
ラツキも改善されると共に、浸漬成形線部の凹面も同時
に解決できる(図3参照)。
【0028】更に、ゾル槽を略一定の温度(恒温)に保
持すべく温度コントロールすることで、ゾル被膜の全体
をムラなく(均等に)付着できる。
【0029】次に、第3工程について説明する。金型に
付着したゾル被膜を赤外線ヒーター等の加熱手段にて所
定温度に加熱・溶融化する(ゲル化工程)。特に、加熱
手段に遠赤外線ヒーターを使用することにより、時間の
短縮、均一な溶融化が可能になり、経済的効果と成形品
質の改良が可能となる。
【0030】次に、第4工程について説明する。冷却槽
に温度コントロール手段を付設して冷却水の温度を略一
定にしながら溶融化された被膜を所定温度に冷却する
(冷却工程)。
【0031】尚、溶融化された成型品は、約90℃の温
度にて離型されるが、冷却槽に温度コントロールを付け
て、冷却水の温度を略一定にすることによって、成型品
の離型変形(熱変形)を皆無とした。
【0032】次に、第5工程について説明する。エアー
吹付部のノズルを数値制御しながら冷却された成型品に
両側から空気を吹き付けて金型から取り外す(離型工
程)。
【0033】従来法は、図2(a)に示すように、片側だ
けからのエアー吹き付けであったが、両側からの吹き付
けを採用し(図2(b)参照)、更にエアー吹き付け部の
ノズル制御に数値制御を行うことにより(離型不良が発
生していたものが、この方法を同時に採用することによ
って)、離型不良は皆無になった。
【0034】次に、第6工程について説明する。離型直
後、治具にて成型品を受けて切断し、成型品と切断不要
部とに分離する(分離工程)。具体的には、図1に示す
ように、切断治具を上切断治具と下切断治具とに離間し
て構成し、一方(1セット)で成型品を受け取り、他方
(1セット)で分離作業を行えるように2セット用意す
るのが良い(図1(a)参照)。
【0035】分離工程は、下記A〜Dに示す工程を繰り
返すものであるが(図1(b)参照)、その際、上切断治
具は(離型直後の成型品受取作業と後の不要部切断作業
とを絶えず繰り返すべく)移動ユニットを介して作動さ
せるのが好ましい。
【0036】また、斯かる分離工程は、前工程の離型動
作と後工程の切断動作と共にタイミング良く連動するよ
うに自動制御(コントロール)されていることは云うま
でもない。
【0037】A:成型品を受け取る上切断治具は、離型
部の下に変位した後、エアーノズルでの離型速度(圧縮
空気)を利用して成型品を貫通受孔内に保持していく
(図1(b)参照)。 B:然る後、成型品を入れた物と空の物とを入れ替える
べく移動ユニットを作動させ、成型品の入った方を切断
作業部へと移送する。 C:次いで、下切断治具が上切断治具と整合すべく所定
位置まで変位し、両切断治具の間に設置されているカッ
ター刃を作動させることにより、上切断治具の貫通受孔
から下方に突出する不要部分の切断を行う(図1(c)参
照)。 D:然る後、上下切断治具を離間し、切断した成型品
(最終製品)と切断不要部(切断チップ)とを各々真空バ
キューム等の取出手段で取り除き貫通受孔内を空にする
(図1(b)参照)。
【0038】因に、従来法は袋状(管状)のみの対応で
あり、切断工程は別装置にて切断を行ってきたが、離型
直後、治具にて成型品を受けて切断し、成型品(チュー
ブ状等の所望形状)と切断不要部とを分離することによ
り、成型品の成形からスリーブまでの一貫生産が可能と
なり、成型品の移動、管理が容易になる他、当然のこと
ながら、納期対応が容易になるなど経済的効果は大き
い。
【0039】次に、複数台車移動循環手段を介して少な
くとも一以上の金型移動用台車を一方通行として全工程
を循環せしめる。具体的には、成形ラインのレールとリ
ターン装置の循環レールとに4台の金型移動用台車を配
置し、前走する台車に近接、離間しながら各台車毎に金
型の加熱工程から離型工程までを個々に行い、前走の台
車が次工程にある時は、前台車の作業が終了するまで待
機するシステムとなる(以下、これを単に複数台車移動
循環方式という)。
【0040】このように構成される複数台車移動循環方
式では、一台の台車がスタートから一回転(一周)して
元に戻るまでに、他の三台が作業を行うため、離型工程
で見ると、一回転の1/4時間で成型品が出てくるシス
テムとなり、各工程における待ち時間(ロス)が短縮さ
れ、各々の工程内での装置使用効率が高く、生産性を高
めることができるのである(表1参照)。
【0041】次に、本発明に係る浸漬成形加工装置の実
施の一例を図1〜図4を参照しながら説明する。尚、理
解を容易にするため、前述した従来例と同一部分は同一
符号で示し、構成の異なる処のみを新たな番号を付して
以下に説明する。
【0042】図1(a)は、本発明に係る浸漬成形加工装
置であり、この浸漬成形加工装置は、金型2に近接自在
に配置されて同金型2を浸漬に適する温度にまで加熱す
る金型加熱部1と、所定方向に変位自在に配設されたゾ
ル槽4と、金型2に付着したゾル被膜(付着ペースト)
5(図4(a)参照)を所定温度に加熱・溶融する加熱手
段(ゲル化炉)6と、溶融化された被膜を所定温度に冷
却する冷却槽7とを備えている。
【0043】前記金型加熱部1は、例えば、電気ヒータ
ーからなり、図1(a)に示すように、可動装置14を介
して金型2に対し近接自在に配置することで、金型2の
温度上昇時間を短縮させることができ、温度コントロー
ルも可能になる。
【0044】例えば、一定な温度:約550℃を金型2
に近接させることにより、金型2の温度バラツキを小さ
くすることができ、更には、複数列加熱を単列加熱の温
度コントロールにすることで、成型品8の肉厚T(図4
(b)参照)のバラツキを小さくすることができる。
【0045】また、ゾル槽4は、前記可動装置14を介
して上下自在に配置されていると共に、サーボモーター
14aを介して作動速度、高さ位置が数値制御されてお
り、金型2に所定のゾル被膜(付着ペースト)5(図4
(a)参照)を形成することができる。
【0046】換言すれば、このゾル槽4は、斯かる数値
制御のサーボモーター14aを使用することにより、細
分化が可能となり、成型品8の高さ(L寸法)、上下肉
厚tのバラツキも改善されると共に、浸漬成形線部の凹
面8aも同時に解決できることは前述したとおりである
(図3参照)。
【0047】更に、前記加熱手段6は、遠赤外線ヒータ
ーからなり、金型に付着したゾル被膜5を所定温度に加
熱・溶融化(ゲル化)するものである。特に、遠赤外線
ヒーターを使用することにより、時間の短縮、均一な溶
融化が可能になる。
【0048】また、冷却槽7は、温度コントロール装置
(図示せず)で冷却水7aの温度を略一定にしながら溶
融化された被膜を所定温度に冷却するものである。冷却
水の温度を略一定にすることによって、成型品8の離型
変形(熱変形)を防止できる。
【0049】更に、離型装置15は、後述するサーボモ
ータ(ノズル制御手段)14bを介して上下動自在に変
位するものであり、頂部に、冷却された成型品8に両側
から空気を吹き付けるためのエアーノズル16を備えて
いる(図2(b)参照)。
【0050】このエアーノズル16は、エアー吹付部位
置を数値制御するサーボモータ(ノズル制御手段)14
b(図1(a)参照)にて制御されており、従来の如き離
型不良を一掃することができる。
【0051】また、本浸漬成形加工装置は、離型直後、
成型品8を受けるための切断治具17と、成型品8より
切断不要部8bを切断する分離手段18とを備えている
(図1(b)参照)。
【0052】切断治具17は、ノズル2から離型される
成型品を受けるための貫通受孔17a1 を有する上切断
治具17aと、該貫通受孔17a1 と整合する有底受孔
17b1 を有する下切断治具17bとから構成されてお
り、上切断治具17aを後述する移動ユニット18aに
下切断治具17bを後述する切断刃ユニット18bにそ
れぞれ付設させている。
【0053】分離手段18は、離型装置15の所定位置
(詳しくは、エアーノズル16の下)まで上切断治具1
7aを移動させる移動ユニット18aと、上切断治具1
7aに対し接離自在に変位する切断刃ユニット18bと
を備えている。
【0054】移動ユニット18aは、図1(a)に示すよ
うに、左右方向に(詳しくは、離型装置15に向けて)
移動すべく垂設された可動基台18a1 と、該可動基台
18a1 に回転自在に取り付けられ、かつ、その両遊端
側に下切断治具17bを有する水平配置の回転アーム1
8a2 とから構成されている。
【0055】切断刃ユニット18bは、上下左右に移動
し所定位置に下切断治具17bとカッター刃17cとを
有する切断作業部18b1 と、切断後の成型品(最終製
品)と切断不要部(切断チップ)とをそれぞれに取り除く
真空バキューム式(吸引式)等の取出手段18b2 ,1
8b3 とから構成されている。
【0056】換言すれば、斯かる切断刃ユニット18b
は、上切断治具17aの下に下切断治具17bを移動さ
せるべく変位した後(図1(b)参照)、両治具の貫通
受孔17a1 と有底受孔17b1 とを整合させるべく上
方向に変位すると共に(図1(b)参照)、図1(c)に
示すように、両切断治具17a,17bの間に設置され
ているカッター刃17cを作動させて上切断治具17a
の貫通受孔a1 から下方に突出する不要部分の切断を行
い、然る後、上下切断治具17a,17bを離間し(図
1(b)参照)、切断した成型品(最終製品)と切断不
要部とを各々前記取出手段18b2 ,18b3 を介して
取り除き(図1(b)参照)、貫通受孔17a1 内を空
にすべく作動するのである。
【0057】一方、本浸漬成形加工装置は、少なくとも
一台以上の金型移動用台車9,9…を一方通行として離
型工程までを循環せしめる複数台車移動循環手段19を
備えている。
【0058】この複数台車移動循環手段19は、成形ラ
インのレール19aと、リターン装置19bの循環レー
ル19cとに4台の金型移動用台車9,9…を配置し、
前走する台車9に近接、離間しながら各台車9,9…毎
に金型2の加熱工程から離型工程までを個々に行うもの
であり、前走の台車9が次工程にある時は、前台車の作
業が終了するまで待機すべくシステム化されている。
【0059】従って、斯かる複数台車移動循環方式で
は、一台の台車9がスタートから一回転して元に戻るま
でに、他の三台9,9…が作業を行うため、離型工程で
見ると、一回転の1/4時間で成型品8が出てくるシス
テムとなり、各工程における待ち時間(ロス)が短縮さ
れ 各々の工程内での装置使用効率が高く、生産性を高
めることができる(別表1参照)。
【0060】このように構成される本発明の浸漬成形加
工装置は、金型温度のバラツキを小さくし、かつ、複数
列加熱を単列加熱の温度コントロールにすることによ
り、成型品8の肉厚t、高さ(L寸法)のバラツキを小
さくすることができる。
【0061】具体的には、図2に示すように、肉厚比率
を小さくできると共に、上端形状の凹面8aも水平にな
るなど、より精密な成型品を生産できるものである。以
下、従来品との品質、生産性、エネルギー効率について
の効果比較を別表1に示すものである(以下余白)。
【表1】
【0062】尚、本発明の浸漬成形加工方法及びその成
形加工装置は、本実施例に限定されることなく、本発明
の目的の範囲内で自由に設計変更し得るものであり、本
発明はそれらの全てを包摂するものである。
【0063】例えば、成型材料の種類によっては、金型
加熱工程の前工程として、冷却された成型品をより簡単
かつ確実に離型できるように、予め離型剤を金型に塗布
する離型剤塗布工程を経ても良い(図1(a)参照)。
【0064】更に、本発明方法では、金型加熱工程にあ
って、複数列加熱を単列加熱にすることで、より成型品
の肉厚のバラツキを小さくする温度コントロールが可能
になるものであるが、当然のことながら、温度コントー
ルができる範囲であれば、単列加熱に限定されることな
く、図1(a)に示す如く、複数列加熱(二列)でも良い
ことは云うまでもない。
【0065】
【発明の効果】このように構成される本発明の浸漬成形
加工方法及びその加工装置では、熱源の電気ヒーターを
金型に近接させることで、金型の温度上昇時間を短縮で
きるため、金型温度のバラツキを小さくすることができ
る共に、複数列加熱を単列加熱で温度コントロールする
ことにより、成型品の肉厚のバラツキを小さくすること
ができるなど、成型品の品質向上を図ることができると
いった優れた効果を奏するものであり、しかも、金型部
と台車部両方を加熱していた従来方式とは異なり、金型
だけの加熱ができるため、燃焼加熱空気の放出量並びに
台車移動に伴う熱損失量を滅減できるなど、エネルギー
効率を高めることができると共に、室内温度上昇が抑え
られるため、作業環境の向上をも図ることができる。
【0066】また、従来の油圧作動によるアナログ制御
に代わり数値制御のモーターを使用することによって、
細分化が可能になり、成型品の高さ、上下肉厚のバラツ
キ、浸漬成形線部の凹面が改善できると共に、遠赤外線
ヒーターを使用することにより、時間の短縮、均一な溶
融化が可能になるため、品質改善と共に、生産性、エネ
ルギー効率を高めることができるといった優れた効果を
奏するものである。
【0067】更に、冷却槽を温度コントロールして、冷
却水の温度を略一定にすることによって、成型品の離型
変形(熱変形)を皆無にすることができ、また、両側か
らのエアー吹き付けで離型することも相俟って、離型不
良が全く無くなるといった優れた効果を奏するものであ
る。
【0068】また、離型直後、治具にて成型品を受けて
切断し、成型品と切断不要部とを分離することにより、
成型品の成形からスリーブまで一貫生産が可能となり、
成型品の移動、管理、納期対応が容易になるなど、経済
的効果は甚だ大である。
【0069】更に、前記ゾル槽が、略一定の温度(恒
温)で保持されるように温度コントロールされることに
より、ゾル被膜の全体をムラなく(均等に)付着できる
といった効果を奏するものである。
【0070】また、金型加熱工程の前工程として、金型
に離型剤を塗布する離型剤塗布工程を経ることにより、
同成型品を、より簡単かつ確実に離型できるといった効
果を奏するものである。
【0071】このように本発明は、金型の温度バラツキ
を小さくし、かつ、複数列加熱を単列加熱の温度コント
ロールにすることにより、成型品の肉厚、高さのバラツ
キを小さくすることができると共に、成型品の離型変形
(不良)をも皆無とするなど、本発明を実施することは
その実益的価値が甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明に係る浸漬成形加工装置、図
1(b)は切断作業部の治具及び成型加工品の動きを示す
説明図、図1(c)は図1(b)のA部拡大図である。
【図2】図2(a)は従来の離型方法を示す説明図、図2
(b)は本発明の離型方法を示す説明図である。
【図3】従来品と本発明品との比較を示す説明図であ
る。
【図4】図4(a)は浸漬成形加工方法の工程を示す説明
図、図4(b)は成型品の肉厚tとL寸法を示す説明図で
ある。
【図5】単台車移動往復式の浸漬成形加工方法を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 金型加熱部 2 金型 3 浸漬部 4 ゾル槽 5 ゾル被膜(付着ペースト) 6 加熱手段(ゲル化炉) 7 冷却槽 8 成型品 8a 凹面 8b 切断不要部 9 台車 10 炉 11 浸漬用シリンダー 12 冷却用シリンダー 13 別工程 14 可動装置 15 離型装置 16 エアーノズル 17 切断治具 17a 上切断治具 17a1 貫通受孔 17b 下切断治具 17b1 有底受孔 18 分離手段 18a 移動ユニット 18a1 可動基台 18a2 回転アーム 18b 切断刃ユニット 18b1 切断作業部 18b2 成型品(最終製品)の取出手段 18b3 切断不要部(切断チップ)の取出手段 19 複数台車移動循環手段 19a 成形ラインのレール 19b リターン装置 19c 循環レール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気ヒーター等の熱源を金型に近接させて
    浸漬に適する温度にまで加熱する金型加熱工程と、作動
    速度、高さ位置を数値制御するモーターにてゾル槽を上
    下させて金型に所定のゾル被膜を形成する浸漬工程と、
    金型に付着したゾル被膜を赤外線ヒーター等の加熱手段
    にて所定温度に加熱・溶融化するゲル化工程と、冷却槽
    に温度コントロール手段を付設して冷却水の温度を略一
    定にしながら溶融化された被膜を所定温度に冷却する冷
    却工程と、エアー吹付部のノズルを数値制御しながら冷
    却された成型品に両側から空気を吹き付けて金型から取
    り外す離型工程と、離型直後、治具に成型品を受けて切
    断し成型品と切断不要部とを分離する分離工程とを有す
    ることを特徴とする浸漬成形加工方法。
  2. 【請求項2】少なくとも一以上の金型移動用台車を循環
    させながら離型工程までの作業を効率的に行う複数台車
    移動循環手段を有することを特徴とする請求項1に記載
    の浸漬成形加工方法。
  3. 【請求項3】前記複数台車移動循環手段は、成形ライン
    のレールとリターン装置の循環レールとに少なくとも一
    以上の金型移動用台車を配置し、前走する台車に近接、
    離間しながら各台車毎に金型の加熱工程から離型工程ま
    でを個々に行い、かつ、前走の台車が次工程にある時
    は、前台車の作業が終了するまで待機するシステムであ
    ることを特徴とする請求項2に記載の浸漬成形加工方
    法。
  4. 【請求項4】前記ゾル槽は、略一定の温度で保持される
    ようにコントロールされていることを特徴とする請求項
    1に記載の浸漬成形加工方法。
  5. 【請求項5】金型加熱工程の前工程として、金型に離型
    剤を塗布する離型剤塗布工程を有することを特徴とする
    請求項1又は3に記載の浸漬成形加工方法。
  6. 【請求項6】金型に近接自在に配置されて同金型を浸漬
    に適する温度にまで加熱する電気ヒーター等の金型加熱
    装置と、変位自在に配設されたゾル槽と、該ゾル槽の作
    動速度、高さ位置を数値制御するモーターと、金型に付
    着したゾル被膜を所定温度に加熱・溶融する赤外線ヒー
    ター等の加熱手段と、溶融化された被膜を所定温度に冷
    却する冷却槽と、該冷却槽の冷却水温度を略一定に保持
    する冷却コントロール手段と、冷却された成型品に両側
    から空気を吹き付けるエアーノズルと、該ノズルのエア
    ー吹付部位置を数値制御するノズル制御手段と、離型直
    後、成型品を受けるための治具と、成型品と切断不要部
    とを切断する分離手段と、少なくとも一以上の金型移動
    用台車を循環させながら離型工程までを効率的に行う複
    数台車移動循環手段とを備えてなることを特徴とする浸
    漬成形加工装置。
JP32091699A 1999-11-11 1999-11-11 浸漬成形加工方法とその成形加工装置 Pending JP2001138348A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32091699A JP2001138348A (ja) 1999-11-11 1999-11-11 浸漬成形加工方法とその成形加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32091699A JP2001138348A (ja) 1999-11-11 1999-11-11 浸漬成形加工方法とその成形加工装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001138348A true JP2001138348A (ja) 2001-05-22

Family

ID=18126713

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32091699A Pending JP2001138348A (ja) 1999-11-11 1999-11-11 浸漬成形加工方法とその成形加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001138348A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115179479A (zh) * 2022-08-08 2022-10-14 浙江德彦新材料科技有限公司 一种硅胶手套的制作工艺

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115179479A (zh) * 2022-08-08 2022-10-14 浙江德彦新材料科技有限公司 一种硅胶手套的制作工艺
CN115179479B (zh) * 2022-08-08 2023-03-28 浙江德彦新材料科技有限公司 一种硅胶手套的制作工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103878370B (zh) 一种金属3d打印机生产设备
JP5118131B2 (ja) 中空ガラス製品形成型の自動潤滑油塗り
US8469689B2 (en) Industrial product production facility and production method
EP1293330B1 (en) Thermoforming method and apparatus
CN105689715A (zh) 一种模具等离子3d快速成型再制造设备及方法
CN105458221A (zh) 一种高温压铸模具自动化取放装置及取放控制方法
CN106312069A (zh) 一种増材制造的熔池控制方法
CN108500236A (zh) 液态模锻铝合金锻造智能制造生产线的生产工艺
KR101912181B1 (ko) 자동차 부품용 무인 자동화 연속 주단조 장치
CN105234368A (zh) 纯铝压铸设备和纯铝压铸工艺
CN108940694B (zh) 一种高压铜排的自动喷塑设备及其喷塑方法
JP2001138348A (ja) 浸漬成形加工方法とその成形加工装置
CN105689714A (zh) 一种模具等离子3d快速成型设备及成型方法
CN211564511U (zh) 一种间接增材制造设备
JPS6337044B2 (ja)
CN209811206U (zh) 金属铸造自动化系统
CN110667035A (zh) 一种螺丝刀立式注塑自动上下料系统
JP2643361B2 (ja) 粉体スラッシュ成形品の成形方法
CN219055083U (zh) 一种发泡成型鞋底的模具
CN110919002B (zh) 一种间接增材制造设备及其增材制造方法
JPS6138130B2 (ja)
CN208019418U (zh) 一种高温激光选区熔化成形设备
CN216065417U (zh) 一种多连体蜡模浇口棒与坩埚的辅助熔接工装
JPH01297224A (ja) 粉体スラッシュ成形装置
EP0406180B1 (en) Apparatus and process for the manufacture of a mirror of prismatic shape to be used as a rearview mirror in a motor vehicle

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040517