JP2001138015A - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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JP2001138015A JP32742899A JP32742899A JP2001138015A JP 2001138015 A JP2001138015 A JP 2001138015A JP 32742899 A JP32742899 A JP 32742899A JP 32742899 A JP32742899 A JP 32742899A JP 2001138015 A JP2001138015 A JP 2001138015A
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祐久 菊地
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正幸 川本
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方史 花尾
Toshihiko Murakami
敏彦 村上
Masahiko Oka
正彦 岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】3〜5m/分で鋳造する場合に、拘束性ブレー
クアウトの発生がなく、表面品質の良好な鋳片を得るこ
とができる鋼の連続鋳造方法の提供。 【解決手段】凝固温度αが1000〜1300℃のモー
ルドパウダを用いて、C含有率が0.05〜0.18質
量%の溶鋼を鋳造する連続鋳造方法であって、厚さδが
20〜45mmで熱伝導率がγ(W/m2 ・k)である
銅または銅合金からなる鋳型1の冷却板2を用い、鋳型
の冷却板内でバックフレーム側に設けられた冷却水通流
路4を通過する冷却水の線流速βを5〜10m/秒と
し、かつ、上記α、β、γおよびδから求められるQ値
が、下記(A)式を満足する条件で鋳造する方法。
4.6≦Q≦14 ・・・(A) ここで、Q=(α×β×γ)/(δ×104

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、拘束性ブレークア
ウトを発生させることなく、良好な表面品質の鋳片を得
ることができるC含有率が0.05〜0.18質量%の
鋼の連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延鋼帯を巻き取ったホットコイル
の製造用の素材であるスラブ鋳片の連続鋳造において
は、鋳片品質の向上および生産性の確保の観点から、従
来、200mm程度の厚さの鋳片が、1〜2m/分の速
度で鋳造されている。
【0003】一方、近年、関連する設備の建設費および
要員の削減の観点から、製品の厚さや形状により近い鋳
片を得る試みも進められ、厚さが50〜100mmの薄
鋳片の連続鋳造方法と、これに続く鋳造ライン上に配置
した簡易な熱間圧延設備による圧延方法とを組み合わせ
た方法が実用化されている。このような薄鋳片を鋳造す
るとき、熱間圧延設備の生産性に近づけるため、3〜5
m/分の高速で鋳造することが行われている。
【0004】3〜5m/分の高速鋳造になると、割れ感
受性の低い低炭素鋼でも、鋳型内において不均一凝固が
発生しやすくなるため、鋳片表面に縦割れが発生しやす
い。とくに、もともと割れ感受性が高く、不均一凝固を
起こしやすい亜包晶鋼を、このような高速で鋳造する
と、鋳片表面に著しい縦割れがしばしば発生する。
【0005】さらに、3〜5m/分の高速鋳造時には、
鋳型の冷却板と凝固殻との隙間に流入する溶融スラグ
(モールドパウダが溶融したもの)の量が減少するた
め、潤滑不良となり、凝固殻が鋳型内壁に焼き付きやす
くなる。そのため、拘束性ブレークアウトが発生しやす
い。
【0006】鋳片表面の縦割れの発生および拘束性ブレ
ークアウトの発生に対する対策として、次の対策が提案
されている。
【0007】特開平8−141713号公報では、C含
有率が0.08〜0.16質量%の鋼を鋳造するに際
し、塩基度(質量%の比CaO/SiO2 )を1.2〜
1.6と高くし、凝固温度を1130℃以上と高くした
モールドパウダを用い、鋳片表面の縦割れの発生を防止
する方法が提案されている。高塩基度および高凝固温度
のモールドパウダを用いることにより、鋳型内の凝固殻
を緩冷却化する方法である。
【0008】また、特開平7−214266号公報で
は、C含有率が0.08〜0.18質量%の鋼を鋳造す
るに際し、1300℃における粘度が2poise以
下、凝固温度が1000〜1300℃のモールドパウダ
を用い、かつ、鋳型の振動条件のネガティブ時間を調整
することにより、鋳片表面の縦割れおよびオシレーショ
ン割れを防止するとともに、拘束性ブレークアウトの発
生を防止する方法が提案されている。
【0009】しかし、これら特開平8−141713号
公報および特開平7−214266号公報で提案された
方法でも、鋳型の冷却板内に設けられた冷却水通流路を
通過する冷却水の条件が適正でない場合には、鋳片表面
に縦割れが発生したり、拘束性ブレークアウトが発生し
やすくなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、もともと鋳
片表面に縦割れが発生しやすい亜包晶鋼を含む低炭素鋼
から中炭素鋼までの鋼を3〜5m/分の高速で鋳造する
場合に、拘束性ブレークアウトを発生させることなく、
表面に縦割れの発生のない、表面品質の良好な鋳片を得
ることができる鋼の連続鋳造方法を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、凝固温
度αが1000〜1300℃のモールドパウダを用い
て、C含有率が0.05〜0.18質量%の溶鋼を鋳造
する連続鋳造方法であって、厚さδが20〜45mm
で、熱伝導率がγ(W/m2 ・k)である銅または銅合
金からなる鋳型の冷却板を用い、鋳型の冷却板内でバッ
クフレーム側に設けられた冷却水通流路を通過する冷却
水の線流速βを5〜10m/秒とし、かつ、上記α、
β、γおよびδから求められるQ値が、下記(A)式を
満足する条件で鋳造する鋼の連続鋳造法にある。
【0012】4.6≦Q≦14 ・・・(A) ここで、Q=(α×β×γ)/(δ×104 ) 鋳型の冷却板内でバックフレーム側に設けられた冷却水
通流路を通過する冷却水の線流速β(m/秒)は、下記
(B)式で定義する。
【0013】 冷却水の線流速β=a/(b×c) ・・・(B) ここで、a:冷却板を通過する合計の水量(Nm3
秒) b:冷却板内に配置する冷却水通流路の個数(個) c:冷却水通流路の横断面積(m2 ) 冷却水通流路の横断面積は、通常は一定であるが、冷却
板の鋳型幅方向の位置によって、この横断面積を変えて
いる場合には、上記(B)式中の(b×c)は、下記
(C)式で求めればよい。
【0014】 ここで、bn:同一の横断面積の冷却水通流路の個数
(個) cm:冷却水通流路の横断面積の種類数 鋳型の冷却板の厚さδは20〜45mmとし、また、後
述するように、バックフレーム側で冷却板内に配置する
冷却水通流路の大きさを、矩形の場合に、好ましくは縦
10〜20mm、横5〜10mm程度とする。冷却水通
流路のサイズにおける縦とは、冷却板の厚さの方向のこ
とである。本発明の方法に用いる鋳型の冷却板は、上述
のサイズの冷却板である。
【0015】本発明者らは、前述する本発明の課題を、
下記およびに示す知見と対策により解決した。
【0016】鋳型の冷却板内で反溶鋼側に備えた冷却
水通流路を通過する冷却水の線流速を5〜10m/秒と
する。これによって、鋳型の冷却板による鋳型内の溶鋼
および凝固殻の冷却が適正となり、鋳型の冷却板と凝固
殻との隙間に流入する溶融スラグの量が適正化される。
【0017】鋳型の冷却板と凝固殻との隙間の潤滑性が
確保されるため、拘束性ブレークアウトの発生を防止で
き、また、鋳型内の凝固殻の冷却が幅方向で均一になる
ので、鋳片表面の縦割れの発生を防止できる。
【0018】さらに、溶鋼および凝固殻の熱によって冷
却板が反るなどの変形を起こすこともないため、安定し
た操業が可能で、ブレークアウトが発生しにくい。
【0019】モールドパウダの凝固温度α、冷却水通
流路内を通過する冷却水の線流速β、冷却板の熱伝導率
γおよび冷却板の厚さδから求まる前述の(A)式で定
義するQ値を4.6〜14とする。
【0020】図2は、鋳型の冷却板と凝固殻との隙間の
溶融スラグが固化した固相の平均の厚さとQ値との関係
を示す図である。また、図3は、鋳型の冷却板と凝固殻
との隙間の溶融スラグの液相の平均の厚さとQ値との関
係を示す図である。いずれも、後述する実施例の試験に
用いた鋳型の冷却板を用いた試験結果を示す。
【0021】鋳造速度1.0〜5.0m/分の範囲で鋳
造し、モールドパウダの使用量から求まる平均の固相お
よび液相の合計の厚さを計算し、さらに、鋳造中に鋳型
下部から固化したスラグフィルムを採取して、溶融スラ
グが固化した固相の平均の厚さを測定した。計算で求ま
る平均の固相と液相の合計の厚さから、実測した平均の
固相の厚さを引いて、平均の液相の厚さとして求めた結
果を示している。
【0022】図2および図3からわかるように、Q値を
4.6〜14とすることにより、鋳造速度1.0〜5.
0m/分の範囲において、平均の液相の厚さを0.1m
m以上に確保できる。したがって、凝固殻が鋳型の冷却
板に焼き付くのを防止できるので、拘束性ブレークアウ
トの発生を防止できる。また、平均の固相の厚さを0.
2mm以上とすることができる。したがって、モールド
パウダによる凝固殻の緩冷却化の効果が得られるので、
鋳型内の凝固殻の冷却が幅方向で均一となり、そのた
め、鋳片表面の縦割れの発生を防止できる。なお、平均
の液相または固相の厚さとは、鋳型内における平均の厚
さを意味する。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の方法で用いる鋳
型および鋳型内の凝固殻の状況を模式的に示す図であ
る。図1(a)は鋳型の片側の長辺側の縦断面図で、図
1(b)のB1−B2線の断面図であり、図1(b)は
図1(a)のA1−A2線の断面図である。本発明の方
法で用いる鋳型1には、バックフレーム3と接する側
で、鋳型の長辺1a側の冷却板2内でバックフレーム側
に設けられた冷却水通流路4を配置する。冷却水通流路
は、通常の鋳型と同じく、鋳造方向に沿って配置する。
図1(b)では、図を見やすくするため、冷却水通流路
4を10個配置した状態を示しているが、実際には後述
するように、鋳型の幅が1200mmの場合で、30〜
60個程度の冷却水通流路を配置するのがよい。
【0024】タンディッシュ(図示していない)から浸
漬ノズル5を経由して、鋳型内に溶鋼6が注入される。
注入された溶鋼表面には、モールドパウダ8を添加す
る。添加されたモールドパウダは、溶鋼の熱で溶融し、
溶融スラグ9が形成される。溶融スラグは鋳型の冷却板
と凝固殻7との隙間に流れ込み、鋳型の冷却板と接する
部分の溶融スラグは固化してガラス状態の固相10とな
る。凝固殻と接する溶融スラグは、液相11のままで存
在する。溶鋼および凝固殻の熱は、溶融スラグの液相お
よびガラス状態の固相を経由して、鋳型の冷却板に備え
た冷却水通流路内を通過する冷却水によって抜熱され
る。
【0025】本発明の方法が対象とする鋼は、C含有率
が0.05質量%以上0.10質量%未満の低炭素鋼お
よびC含有率が0.10〜0.18質量%の亜包晶鋼を
含めた中炭素鋼である。前述のとおり、低炭素鋼でも3
〜5m/分の高速で鋳造する場合や亜包晶鋼を鋳造する
場合には、鋳片表面に縦割れが発生しやすく、また、拘
束性ブレークアウトが発生しやすいからである。
【0026】本発明の方法では、凝固温度が1000〜
1300℃のモールドパウダを用いる。
【0027】凝固温度が1000℃未満では、鋳型の冷
却板内に備えた冷却水通流路内を通過する冷却水の線流
速を速くしても、鋳型の冷却板と凝固殻との隙間に流入
する溶融スラグの量が過多となる。流入する溶融スラグ
が多すぎると、鋳型内の凝固殻の冷却が幅方向で不均一
になり、そのため、鋳片表面に縦割れが発生しやすくな
る。
【0028】また、凝固温度が1300℃を超えると、
鋳型内の溶鋼表面に添加したモールドパウダが溶融しに
くくなり、完全に溶融していないモールドパウダの焼結
体(スラグベア)が多く発生して、溶鋼のメニスカス近
傍に滞留する。スラグベアが多く滞留すると、鋳型の冷
却板と凝固殻との隙間に溶融スラグが流入しにくくな
る。そのため、鋳型内の凝固殻の冷却が幅方向で不均一
になり、鋳片表面に縦割れが発生しやすくなる。さら
に、凝固殻が鋳型の冷却板に焼き付きやすくなるため、
拘束性ブレークアウトが発生しやすくなる。
【0029】モールドパウダの1300℃における粘度
は、0.4〜2.0poiseが望ましい。
【0030】0.4poise未満では、鋳型の冷却板
と凝固殻との隙間への溶融スラグの流入量が過剰とな
り、また、2.0poiseを超えると、溶融スラグが
流入しにくくなる。いずれの場合も、鋳型内の凝固殻の
冷却が幅方向で不均一になり、鋳片表面に縦割れが発生
しやすくなる。
【0031】また、モールドパウダのSiO2 に対する
CaOの質量%比CaO/SiO2は0.8〜2.0が
望ましい。
【0032】比CaO/SiO2 を0.8〜2.0とす
ることにより、溶融スラグが鋳型の冷却板で冷却されて
固化する過程で、結晶が析出しやすくなり、溶融スラグ
が固化した固相中に析出した結晶が多いと、溶鋼および
凝固殻の熱が冷却板に伝わりにくくなる。そのため、同
じスラグフィルム厚さでも、凝固殻が緩冷却されやすく
なる。したがって、鋳型内の凝固殻の冷却が幅方向で均
一になり、鋳片表面に縦割れが発生しにくくなる。
【0033】鋳型の冷却板には、銅または銅合金を用い
る。銅または銅合金は、通常の連続鋳造鋳型用のもので
よく、たとえば、一般的に用いられているAg添加の脱
酸銅では、その熱伝導率γは355W/m2 ・k程度、
また、析出硬化型銅合金であるCr・Zr銅では209
W/m2 ・k程度の値となる。
【0034】鋳型の冷却板の厚さδは20〜45mmと
する。鋳型の冷却板の厚さが20mm未満の場合には、
冷却板内に配置した冷却水通流路を通過する冷却水量を
増加させても、溶鋼および凝固殻の熱によって冷却板が
反るなどの変形を起こしやすい。そのため、ブレークア
ウトが発生しやすくなる。45mmを超える場合には、
鋳型が大型化し、鋳型の振動装置などが大型化するの
で、実用的でない。
【0035】冷却水通流路の横断面形状は、矩形でも円
形でも構わない。鋳型の冷却板の厚さが30mmで、幅
が1200mmの場合で、矩形の冷却水通流路を設ける
場合、たとえば、縦10〜20mm、横5〜10mm程
度の横断面サイズがよい。また配置個数は、冷却板の全
幅に30〜60個程度を均等に配置すればよい。冷却水
通流路を配置する高さは、冷却板のほぼ全高さとすれば
よい。冷却水通流路は、図1(b)に示すように、鋳型
の長辺1a側の冷却板2内でバックフレーム側に冷却水
通流路4を配置する。
【0036】鋳型の冷却板内でバックフレーム側に設け
られた冷却水通流路を通過する冷却水の線流速を5〜1
0m/秒とする。
【0037】冷却水の線流速が5m/秒未満では、鋳型
の冷却板と凝固殻との隙間に流入する溶融スラグの量が
多くなりすぎるため、鋳型内の凝固殻の冷却が幅方向で
不均一になり、そのため、鋳片表面に縦割れが発生しや
すくなる。また、極端な場合には、溶鋼および凝固殻の
熱によって冷却板が反るなどの変形を起こすため、ブレ
ークアウトが発生しやすくなる。また、冷却水の線流速
が10m/秒を超えると、鋳型内の凝固殻の冷却が強く
なりすぎ、縦割れが発生しやすくなる。
【0038】モールドパウダの凝固温度α、冷却水通流
路内を通過する冷却水の線流速β、冷却板の熱伝導率γ
および冷却板の厚さδからなる前述の(A)式で定義す
るQ値を4.6〜14とする。
【0039】Q値が4.6未満では、平均の固相の厚さ
が、鋳造速度1.0m/分時で0.35mm以下、鋳造
速度5.0m/分時で0.2mm以下となる。平均の固
相の厚さが0.2mm以下では、モールドパウダによる
凝固殻を緩冷却化する効果が小さくなり、鋳型内の凝固
殻の冷却が幅方向で不均一になるため、鋳片表面に縦割
れが発生しやすくなる。また、Q値が14を超えると、
鋳造速度1.0〜5.0m/分の範囲において、平均の
液相の厚さが0.1mm以下となる。平均の液相の厚さ
が0.1mm以下では、凝固殻が鋳型の冷却板に焼き付
きやすくなるため、拘束性ブレークアウトが発生しやす
くなる。
【0040】
【実施例】垂直部の長さ1m、湾曲半径3.5m、機長
15mの垂直曲げ型連続鋳造機を用い、C含有率が0.
11質量%の亜包晶鋼である中炭素鋼を、鋳造速度3m
/分で鋳造した。鋳型出側の厚さが120mm、幅が1
500mmである矩形の鋳型を用いた。
【0041】鋳型の冷却板には、熱伝導率が355W/
2 ・kであるAg添加の脱酸銅または209W/m2
・kである析出硬化型銅合金のCr・Zr銅を用いた。
鋳型の冷却板の厚さは30mmとした。
【0042】冷却水通流路の横断面サイズは、縦20m
m、横5mmとし、高さは冷却板の全高さとした。冷却
水通流路は、鋳型の長辺側の冷却板内で、横5mmの部
分が、反溶鋼側のバックフレームと接する側になるよう
に配置した。片側の冷却板に75個の冷却水通流路を配
置した。
【0043】鋳型内の冷却板の冷却水通流路を通過する
冷却水の線流速を4〜12m/秒の範囲内で変化させて
試験した。また、凝固温度を1000〜1300℃の範
囲内で変化させた4種類のモールドパウダを用いた。表
1にモールドパウダの化学組成と凝固温度を示す。各試
験では、1ヒートの単鋳を行った。1ヒートは約100
tonである。
【0044】
【表1】
【0045】鋳型の冷却板内に熱電対を取り付けること
により、鋳造中の拘束性ブレークアウトの発生の予知を
行った。具体的には次のとおりである。鋳型の両側の長
辺側の冷却板内に取り付けた熱電対により冷却板の温度
を測定した。片側の冷却板内で冷却板の厚さ中心部の位
置の、幅方向6カ所、鋳造方向3カ所の合計18カ所に
熱電対を配置した。片側の冷却板内の熱電対による測温
結果の最大値と最小値が10℃以上の差が生じた場合に
は、鋳型の冷却板に凝固殻が焼き付き始めているとして
ブレークアウト予知警報を鳴らし、予知を行った。各試
験での予知警報回数を測定し、拘束性ブレークアウトの
発生のしやすさを評価した。
【0046】また、各試験から代表的な長さ10mの鋳
片サンプルを採取し、目視により鋳片表面の拘束痕(焼
き付き痕)の発生個数を調査するとともに、縦割れの発
生有無とその長さを調査した。測定した拘束痕の発生個
数から、鋳片長さ1m当たりの拘束痕の発生個数を求め
た。また、測定した縦割れの発生長さから、鋳片長さ1
m当たりの縦割れの長さを求めた。
【0047】さらに、各試験から、代表的な長さ10m
の鋳片を素材として、熱間圧延してホットコイルに巻き
取った。ホットコイルを酸洗後、目視で表面を観察し、
鋳片の縦割れや拘束痕に起因する表面疵の発生状況を調
査した。表面疵の発生している部分の重量をホットコイ
ルの全重量で除した値をホットコイル品質不良発生率と
した。各試験条件および各試験結果を表2および表3に
示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】本発明例の試験No.1〜No.8では、
本発明の方法で規定するモールドパウダの凝固温度、鋳
型の冷却板の厚さ、冷却板内に設けた冷却水通流路を通
過する冷却水の線流速、およびQ値のそれぞれの条件の
範囲内で試験した。また、鋳型の冷却板については、熱
伝導率が355W/m2 ・kであるAg添加の脱酸銅を
用いた。
【0051】これら試験No.1〜No.8では、拘束
性ブレークアウトの予知警報回数は零であり、鋳片拘束
痕発生個数も零であった。また、鋳片表面に縦割れは発
生しなかった。さらに、ホットコイル品質不良発生率が
1〜2%である試験もあったが、ほとんどの試験では、
ホットコイルに表面疵は発生しなかった。このように、
拘束性ブレークアウトの発生を防止でき、良好な表面品
質の鋳片およびホットコイルが得られた。
【0052】比較例の試験No.9およびNo.10で
は、冷却水通流路を通過する冷却水の線流速を本発明の
方法で規定する範囲外で速くし、Q値も本発明の方法で
規定する条件の上限外として試験した。
【0053】比較例の試験No.11およびNo.12
では、冷却水通流路を通過する冷却水の線流速を本発明
の方法で規定する範囲内とし、また、凝固温度の高いモ
ールドパウダを用いることにより、Q値を本発明の方法
で規定する条件の上限外として試験した。
【0054】比較例の試験No.13では、冷却水通流
路を通過する冷却水の線流速を本発明の方法で規定する
範囲外で遅くしたが、Q値は本発明の方法で規定する条
件の範囲内で試験した。比較例の試験No.14では、
冷却水通流路を通過する冷却水の線流速を本発明の方法
で規定する範囲外で速くしたが、Q値は本発明の方法で
規定する条件の範囲内で試験した。
【0055】これら試験No.9〜No.12では、拘
束性ブレークアウトは発生しなかったが、拘束性ブレー
クアウトの予知警報回数は3〜6回/ヒートであった。
また、鋳片拘束痕発生個数は0.02〜0.10個/m
であった。Q値が大きいために、溶融スラグの平均の液
相の厚さが薄くなり、凝固殻が鋳型の冷却板に焼き付き
やすくなったためである。鋳片表面に縦割れは発生しな
かった。しかし、ホットコイル品質不良発生率は5〜1
5%で、やや多い発生状況であった。鋳片表面の拘束痕
がホットコイルの表面疵になったためである。
【0056】冷却水の線流速を遅くした試験No.13
および線流速を速くした試験No.14では、ともに鋳
片表面に縦割れが発生し、ホットコイルにも品質不良が
発生した。
【0057】本発明例の試験No.15〜No.26で
は、熱伝導率が209W/m2 ・kである析出硬化型銅
合金のCr・Zr銅を用いた。その他の条件は、試験N
o.1〜No.8と同じとした。
【0058】試験No.15〜No.26では、試験N
o.1〜No.8の試験結果とほぼ同じで、拘束性ブレ
ークアウトの発生を防止でき、良好な表面品質の鋳片お
よびホットコイルが得られた。
【0059】比較例の試験No.27およびNo.28
では、冷却板内に設けた冷却水通流路を通過する冷却水
の線流速を本発明の方法で規定する範囲内でやや遅くす
るか、または、本発明の方法で規定する範囲の下限外
で、遅くすることにより、Q値を本発明の方法で規定す
る条件の下限外として試験した。その他の条件は、試験
No.15〜No.26と同じ条件で試験した。
【0060】Q値の小さい試験No.27およびNo.
28では、鋳片表面に縦割れが発生し、ホットコイルに
も品質不良が発生した。
【0061】比較例の試験No.29では、冷却水通流
路を通過する冷却水の線流速を本発明の方法で規定する
範囲外で速くしたが、Q値は本発明の方法で規定する条
件の範囲内で試験した。
【0062】冷却水の線流速を速くした試験No.29
では、鋳片表面に縦割れが発生し、ホットコイルにも品
質不良が発生した。
【0063】
【発明の効果】本発明の方法の適用により、鋳片表面に
縦割れの発生しやすい亜包晶鋼を含め、低炭素鋼から中
炭素鋼を3〜5m/分程度以上の高速で鋳造する場合に
も、拘束性ブレークアウトを発生させることなく、表面
に縦割れの発生のない、表面品質の良好な鋳片を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で用いる鋳型および鋳型内の添加
したパウダおよび溶鋼の冷却過程の状況を模式的に示す
図である。
【図2】固相の平均の厚さとQ値との関係を示す図であ
る。
【図3】液相の平均の厚さとQ値との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1:鋳型 1a:鋳型の長辺 2:冷却板 3:バックフレーム 4:冷却水通流路 5:浸漬ノズル 6:溶鋼 7:凝固殻 8:モールドパウダ 9:溶融スラグ 10:固相 11:溶融スラグの液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 11/16 B22D 11/16 A (72)発明者 花尾 方史 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 村上 敏彦 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 岡 正彦 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 4E004 AC02 JA00 MC11

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凝固温度αが1000〜1300℃のモー
    ルドパウダを用いて、C含有率が0.05〜0.18質
    量%の溶鋼を鋳造する連続鋳造方法であって、厚さδが
    20〜45mmで、熱伝導率がγ(W/m2 ・k)であ
    る銅または銅合金からなる鋳型の冷却板を用い、鋳型の
    冷却板内でバックフレーム側に設けられた冷却水通流路
    を通過する冷却水の線流速βを5〜10m/秒とし、か
    つ、上記α、β、γおよびδから求められるQ値が、下
    記(A)式を満足する条件で鋳造することを特徴とする
    鋼の連続鋳造法。 4.6≦Q≦14 ・・・(A) ここで、Q=(α×β×γ)/(δ×104
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017013089A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 Jfeスチール株式会社 連続鋳造方法および鋳型の冷却水制御装置

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