JP3465662B2 - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

鋼の連続鋳造方法

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、拘束性ブレークア
ウトの発生を防止でき、安定した操業が可能である鋼の
連続鋳造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】熱間圧延鋼帯を巻き取ったホットコイル
の製造用の素材である鋳片の連続鋳造では、鋳片品質の
向上および生産性の確保の観点から通常200〜250
mm程度の厚さの鋳片を1〜2m/分程度の速度で鋳造
している。 【0003】このような鋳造条件で鋳造する際、溶鋼中
の水素含有率が高い場合には、溶融スラグ(モールドパ
ウダが溶融したもの)の潤滑状況が悪くなり、凝固殻が
鋳型の冷却板に焼き付きやすくなるので、拘束性ブレー
クアウトが発生しやすくなることが知られている。そこ
で、RH真空処理装置などを用いて連続鋳造前の溶鋼を
脱ガス処理することが、従来から行われている。溶鋼中
の水素含有率を低くすることにより、拘束性ブレークア
ウトの発生を防止するためである。 【0004】さらに、鋳型内に添加するモールドパウダ
中の付着水分の含有率が高い場合にも、拘束性ブレーク
アウトが発生しやすいことが経験的に知られている。そ
こで、特開平5−200512号公報には、鋳型近傍に
配置した容器内に入れたモールドパウダをマイクロ波を
用いて加熱することにより、その付着水分を低減しブレ
ークアウトの発生を防止する方法が開示されている。 【0005】一方、関連する設備の建設費および要員の
削減の観点から、製品の厚さや形状により近い鋳片を得
る試みが近年進められており、厚さが50〜100mm
の薄鋳片の連続鋳造方法と、これに続く鋳造ライン上に
配置した簡易な熱間圧延設備による圧延方法とを組み合
わせた方法が実用化されている。 【0006】このような薄鋳片の鋳造では、熱間圧延設
備の生産性に近づけるため2m/分程度以上の高速で鋳
造することが行われている。2m/分程度以上の高速鋳
造になると、鋳型の冷却板と凝固殻との隙間に流入する
溶融スラグの量が減少するため、これら鋳型の冷却板と
凝固殻との間の潤滑が悪くなりやすい。そのため、凝固
殻が鋳型の冷却板に焼き付きやすくなるので、拘束性ブ
レークアウトが発生しやすい。さらに、溶鋼中の水素含
有率が高い場合、または鋳型内に添加するモールドパウ
ダ中の付着水分の含有率が高いと、拘束性ブレークアウ
トがさらに発生しやすくなる。 【0007】厚さが50〜100mmの薄鋳片を2m/
分程度以上の高速で鋳造する際に、RH真空処理装置な
どを用いて溶鋼中の水素含有率を低くし、さらに、前述
のマイクロ波などを用いてモールドパウダ中の付着水分
を低減しても、溶鋼中の水素含有率およびモールドパウ
ダ中の付着水分の含有率の条件によっては、拘束性ブレ
ークアウトが発生する場合がある。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、拘束性ブレ
ークアウトの発生を防止し、安定した操業ができる鋼の
連続鋳造方法を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、溶鋼中
の水素含有率と鋳型内に添加するモールドパウダ中の付
着水分の含有率との間の関係が下記(A)式を満足する
条件で鋳造する鋼の連続鋳造方法にある。 【0010】 H×M≦5 ・・・(A) ここで、H:溶鋼中の水素含有率(ppm) M:モールドパウダ中の付着水分の含有率(質量%) 本発明者らは、前述の課題を、下記の知見に基づいた対
策を採ることにより解決した。溶鋼中の水素含有率が高
い場合に、拘束性ブレークアウトが発生しやすくなるの
は、次の理由による。すなわち、溶鋼中に含有される水
素などのガス成分が溶鋼中に溶解し得る飽和溶解度の値
または凝固殻中に含有し得る固溶限の値は、溶鋼または
凝固殻が接するそれぞれの雰囲気中のガス成分の分圧
と、溶鋼または凝固殻の温度とによってほぼ決まる。通
常の鋼ではガス成分の固溶限は飽和溶解度よりも低いた
め、溶鋼中のガス成分の含有率が固溶限以上の場合に、
溶鋼が凝固して凝固殻になる際、固溶限を超える過飽和
分のガス成分がガスとなって凝固殻から放出される。そ
の際に、鋳型と凝固殻との隙間に存在する雰囲気中の水
素分圧は低いので、凝固殻から鋳型と凝固殻との隙間に
向かってガス成分が放出される。 【0011】したがって、溶鋼中の水素含有率が高い場
合には、凝固殻から鋳型と凝固殻との隙間に放出される
水素ガスが多くなる。鋳型と凝固殻との隙間に多く放出
された水素ガスは、狭い空間である鋳型と凝固殻との隙
間に閉じこめられるので、この隙間の雰囲気の圧力が上
昇する。そのため、溶融パウダの流れ込みが阻害され、
鋳型の冷却板と凝固殻との間の潤滑が悪くなり、凝固殻
が鋳型冷却板に焼き付きやすくなる。そのために、拘束
性ブレークアウトが発生しやすくなる。 【0012】また、鋳型内に添加するモールドパウダ中
の付着水分の含有率が高い場合に、拘束性ブレークアウ
トが発生しやすくなるのは、次の理由による。すなわ
ち、モールドパウダの凝固点および溶融スラグの粘度を
調整することにより鋳型と凝固殻との隙間に流入する溶
融スラグ量を確保するため、通常、モールドパウダ中に
はFが配合されている。モールドパウダ中の付着水分が
多い場合に、この付着水分とモールドパウダ中のFとが
反応してフッ酸(HF)が生成するため、溶融スラグ中
のF含有率が低下する。溶融スラグ中のF含有率が低下
すると、溶融スラグの粘度が高くなる。そのため、鋳型
と凝固殻との隙間に溶融スラグが流入しにくくなり、鋳
型の冷却板と凝固殻との間の潤滑が悪くなる。極端な場
合には、凝固殻が鋳型冷却板に焼き付き、拘束性ブレー
クアウトが発生する。 【0013】溶鋼中の水素含有率を低くしても、鋳型内
に添加するモールドパウダ中の付着水分の含有率が高い
場合に、拘束性ブレークアウトが発生しやすい。また、
モールドパウダ中の付着水分の含有率を低くしても、溶
鋼中の水素含有率が高い場合に、拘束性ブレークアウト
が発生しやすい。そのため、本発明の連続鋳造方法で
は、溶鋼中の水素含有率と鋳型内に添加するモールドパ
ウダ中の付着水分の含有率との間の関係が、前述の
(A)式を満足する条件で鋳造することにより、拘束性
ブレークアウトの発生を防止する。 【0014】図1は、拘束性ブレークアウトの発生に及
ぼすタンディッシュ内の溶鋼中の水素含有率と鋳型内に
添加するモールドパウダ中の付着水分の含有率の影響を
示す図である。 【0015】C含有率が0.05質量%で、種々の含有
率で水素を含有する溶鋼を、付着水分の含有率を変化さ
せたモールドパウダを用いて、速度2〜5m/分で厚さ
100mm、幅1000mmの薄鋳片に鋳造し、拘束性
ブレークアウトの発生の有無を調査した結果を示した図
である。鋳造速度が2〜5m/分の範囲内で、溶鋼中の
水素含有率とモールドパウダ中の付着水分の含有率との
間の関係が、前述の(A)式を満足する条件で鋳造すれ
ば、拘束性ブレークアウトの発生を防止できることがわ
かる。 【0016】 【発明の実施の形態】本発明の方法は、一般的な炭素
鋼、低合金鋼などの鋼に適用できる。このような鋼で
は、溶鋼または凝固殻が接する雰囲気中のガス成分の分
圧が低いほど、また溶鋼または凝固殻の温度が低いほ
ど、水素ガスなどのガス成分の飽和溶解度、固溶限はと
もに低くなる。また、固溶限は飽和溶解度よりも低いの
で、溶鋼中のガス成分の含有率が固溶限以上の場合に、
溶鋼が凝固して凝固殻になる際、固溶限を超える過飽和
分のガス成分は、ガスとなって凝固殻から雰囲気中に放
出される。 【0017】本発明の方法は、厚さが50〜100mm
程度の断面形状が長方形の薄鋳片を2m/分程度以上の
高速で鋳造する場合に適用するのに好適である。さら
に、いわゆるブルームまたはビレットの鋳片を2m/分
程度以上の高速で鋳造する場合に適用するのにも好適で
ある。 【0018】本発明の方法を適用する際の連続鋳造機
は、垂直曲げ型、垂直型、湾曲型、または水平型のいず
れでも構わない。さらに、鋳型内に添加するモールドパ
ウダの化学組成は、一般的に用いられているもので構わ
ない。 【0019】本発明の方法を適用する際に、溶鋼中の水
素含有率をできるだけ低くするために、転炉等の製鋼炉
で溶製する際に用いる媒溶剤および合金鉄中の付着水分
の含有率を低くするのがよい。さらに、連続鋳造前の取
鍋内の溶鋼を、たとえばRH真空処理装置などを用いて
脱ガス処理するのがよい。 【0020】前述の(A)式で規定する溶鋼中の水素含
有率とは、連続鋳造前の取鍋内の溶鋼中の水素含有率で
も構わないが、タンディッシュ内に注入された溶鋼中の
水素含有率とするのがよい。鋳型内に注入される溶鋼中
の水素含有率は、タンディッシュ内の耐火物、雰囲気中
の水分などの影響を受けるからである。 【0021】取鍋内またはタンディッシュ内の溶鋼中の
水素含有率は、たとえば、通常用いられている水素迅速
分析法によって測定することができる。 【0022】図2は、水素迅速分析法によるタンデイッ
シュ内の溶鋼中の水素含有率の分析中の概要を示す図で
ある。タンディッシュ1内の溶鋼2表面に、水素分析サ
ンプラー3を浸漬する。このサンプラーの容器の形状は
図2の一部拡大図に示すようにカップ状とする。また、
容器の材質は耐火物製とするのがよい。逆さ状にカップ
を浸漬する。測定作業中に窒素ガスを送るための管6か
ら、高純度窒素ガスを送り込むと、カップ内に空間部4
が形成される。その後、この空間部には、溶鋼中の水素
がガスとなって放出される。その際に、溶鋼中の水素含
有率と空間部の雰囲気の水素分圧との間には、Siev
erts則と呼ばれる平衡関係が成り立つ。そこで、空
間部の雰囲気ガスを吸引し、ガスの熱伝導率と水素分圧
には相関関係があることを利用して、その雰囲気ガスの
熱伝導率を測定することにより、水素分圧を求めること
ができる。求めた水素分圧から溶鋼中の水素含有率が求
まる。図中の符号5は空間部の雰囲気ガスの吸引管、符
号7はこのサンプラーの壁、符号8は浸漬ノズル、符号
9は鋳型をそれぞれ示す。 【0023】本発明の方法を適用する際に、鋳型内に添
加するモールドパウダ中の付着水分の含有率は、できる
だけ低い方がよい。したがって、モールドパウダ中の付
着水分の含有率を低く保持するために、モールドパウダ
を乾燥した倉庫に保管したり、連続鋳造で使用する前に
モールドパウダを予熱し、乾燥させるのがよい。 【0024】モールドパウダ中の付着水分の含有率は、
次のようにして求めることができる。一定量のモールド
パウダを100〜150℃程度に加熱することにより、
付着水分は大気中に蒸発し、モールドパウダの重量は減
少する。一定時間、モールドパウダを加熱した後、ほと
んどの付着水分は蒸発するので、モールドパウダの重量
は、それ以上減少しなくなる。減少したモールドパウダ
の重量を付着水分の重量として、減少した重量を減少後
のモールドパウダの重量で除することにより、付着水分
の含有率を求めることができる。測定に用いるモールド
パウダの一定量、およびモールドパウダを加熱する一定
時間とは、それぞれ重量を測定する機器などによって決
めればよい。 【0025】具体的な測定方法として、たとえば、次の
方法を用いることができる。電子天秤の秤量台上にモー
ルドパウダを5〜20g程度のせ、実際に秤量台にのせ
たモールドパウダの重量を測定する。その後、赤外線を
光源とするライトを照射することにより、モールドパウ
ダを加熱する。モールドパウダと光源との間の距離を3
0〜70mm程度にして、モールドパウダの温度を15
0℃程度とする。モールドパウダの温度は、モールドパ
ウダ中に熱電対を挿入して求める。この程度の温度で約
15分保持した後に、モールドパウダの重量を求める。
加熱前と加熱後のモールドパウダの重量差が付着水分量
である。 【0026】本発明の方法を適用する際の具体的な操業
方法として、連続鋳造前に測定したモールドパウダの付
着水分の含有率の値に応じて、溶鋼中の水素含有率と鋳
型内に添加するモールドパウダ中の付着水分の含有率と
の間の関係が前述の(A)式を満足するように、目標の
溶鋼中の水素含有率を決めてから、たとえば、RH真空
処理装置などを用いて溶鋼を脱ガス処理するのがよい。 【0027】 【実施例】垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、厚さ100
mm、幅1000mmの鋳片を速度2〜5m/分で鋳造
した。 【0028】用いた鋼は、質量%で、C:0.04〜
0.06%、Si:0.01〜0.05%、Mn:0.
10〜0.30%、P:0.01〜0.02%、S:
0.002〜0.005%、Al:0.02〜0.06
%を含有し、その他Feおよび不純物を含有する低炭素
鋼である。 【0029】鋳型の振動条件は、振動ストローク10m
m、ネガティブストリップ率25%の正弦波形条件とし
た。また、浸漬ノズルは、吐出孔が2孔で、下向き30
°のものを用いた。モールドパウダの主な化学組成は、
質量%で、CaO:35%、SiO2 :35%、Al2
3 :5%、MgO:5%、Na2 O:8%、F:6%
である。このモールドパウダの溶融スラグの凝固点は約
1130℃、1300℃における粘度は約1.5poi
seである。 【0030】連続鋳造する前に、使用するモールドパウ
ダの付着水分の含有率を測定した。付着水分の含有率の
測定方法は、前述の方法によった。 【0031】また、RH真空処理装置を用いて、連続鋳
造前の取鍋内の溶鋼を脱水素処理した。ただし、一部の
試験では脱水素処理を行わなかった。この脱水素処理後
の取鍋内およびタンディッシュ内の溶鋼中の水素含有率
を、前述の水素迅速分析法によって測定した。 【0032】各試験では1ヒート約250tを鋳造し、
鋳造中の拘束性ブレークアウトの発生の有無を調査し
た。試験条件および試験結果を表1に示す。 【0033】 【表1】 本発明例の試験No.1では、連続鋳造前に測定したモ
ールドパウダ中の付着水分の含有率Mが0.18質量%
と低くかったので、RH真空処理装置で脱水素処理する
際の脱水素処理後の目標の取鍋内の溶鋼中の水素含有率
Hを15ppmとして脱水素処理した。連続鋳造前のタ
ンディッシュの乾燥および予熱が不十分のため、タンデ
ィッシュ内の溶鋼中の水素含有率が16ppmとなった
が、本発明で規定する範囲内のH×Mの値2.88の条
件で試験できた。鋳造中に拘束性ブレークアウトは発生
しなかった。 【0034】本発明例の試験No.2では、連続鋳造前
に測定したモールドパウダ中の付着水分の含有率Mが
0.28質量%と少し高く、RH真空処理装置で脱水素
処理する際の脱水素処理後の目標の取鍋内の溶鋼中の水
素含有率Hを10ppmとして脱水素処理した。連続鋳
造前のタンディッシュの乾燥および予熱が十分であり、
タンディッシュ内の溶鋼中の水素含有率は10ppmと
なった。本発明で規定する範囲内のH×Mの値2.80
の条件で試験できたので、鋳造中に拘束性ブレークアウ
トは発生しなかった。 【0035】本発明例の試験No.3では、連続鋳造前
に測定したモールドパウダ中の付着水分の含有率Mが
0.95質量%と著しく高く、RH真空処理装置で脱水
素処理する際の脱水素処理後の目標の取鍋内の溶鋼中の
水素含有率Hを3ppmとして脱水素処理した。連続鋳
造前のタンディッシュの乾燥および予熱が十分であり、
タンディッシュ内の溶鋼中の水素含有率も3ppmであ
った。本発明で規定する範囲内のH×Mの値2.85の
条件で試験できたので、鋳造中に拘束性ブレークアウト
は発生しなかった。 【0036】比較例の試験No.4では、連続鋳造前に
測定したモールドパウダ中の付着水分の含有率Mが0.
32質量%と少し高かったが、RH真空処理装置を用い
た脱水素処理を行わなかった。取鍋内およびタンディッ
シュ内の溶鋼中の水素含有率は、ともに20ppmと高
かったので、H×Mの値は6.4となり、本発明で規定
する上限を超える高い値となった。鋳造中に拘束性ブレ
ークアウトが発生した。 【0037】比較例の試験No.5では、連続鋳造前に
測定したモールドパウダ中の付着水分の含有率Mが0.
54と高かったが、RH真空処理装置で脱水素処理する
際の脱水素処理後の目標の取鍋内の溶鋼中の水素含有率
Hを10ppmとして脱水素処理した。連続鋳造前のタ
ンディッシュの乾燥および予熱が不十分のため、タンデ
ィッシュ内の溶鋼中の水素含有率が11ppmとなっ
た。H×Mの値は5.94となり、本発明で規定する上
限を超える高い値となった。鋳造中に拘束性ブレークア
ウトが発生した。 【0038】比較例の試験No.6では、連続鋳造前に
測定したモールドパウダ中の付着水分の含有率Mが0.
86と著しく高く、RH真空処理装置で脱水素処理する
際の脱水素処理後の目標の取鍋内の溶鋼中の水素含有率
Hを5ppmとして脱水素処理した。しかし、脱水素処
理が不十分であったため、取鍋内およびタンディッシュ
内の溶鋼中の水素含有率はともに10ppmであった。
H×Mの値は8.60となり、本発明で規定する上限を
超える高い値となった。鋳造中に拘束性ブレークアウト
が発生した。 【0039】 【発明の効果】本発明の方法の適用により、2m/分程
度以上の高速鋳造においても、鋳型と凝固殻との隙間に
流入する溶融スラグ量が少なくなることに起因する拘束
性ブレークアウトの発生を防止でき、安定した操業が可
能である。
【図面の簡単な説明】 【図1】拘束性ブレークアウトの発生に及ぼすタンディ
ッシュ内の溶鋼中の水素含有率とモールドパウダ中の付
着水分の含有率の影響を示す図である。 【図2】水素迅速分析法によるタンデイッシュ内の溶鋼
中の水素含有率の分析中の概要を示す図である。 【符号の説明】 1:タンディッシュ 2:溶鋼 3:水素分析サンプラー 4:空間部 5:空間部の雰囲気ガスの吸引管 6:窒素ガスを
送るための管 7:サンプラーの壁 8:浸漬ノズル 9:鋳型
フロントページの続き (56)参考文献 特開2001−225157(JP,A) 特開2001−129643(JP,A) 特開 昭62−6746(JP,A) 特開 平5−200512(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/16 B22D 11/108 B22D 11/10

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】溶鋼中の水素含有率と鋳型内に添加するモ
    ールドパウダ中の付着水分の含有率との間の関係が下記
    (A)式を満足する条件で鋳造することを特徴とする鋼
    の連続鋳造方法。 H×M≦5 ・・・(A) ここで、H:溶鋼中の水素含有率(ppm) M:モールドパウダ中の付着水分の含有率(質量%)
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