JP2001137909A - タンデムミルを使用する高光沢のba仕上ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents
タンデムミルを使用する高光沢のba仕上ステンレス鋼の製造方法Info
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Abstract
ステンレス鋼を製造する場合には、冷間圧延を全量レバ
ースミルにて実施していたた。しかし、各パス間で圧延
材での圧延時間が長く、材料温度の低下が大きく、コイ
ルのエッジ部に加工誘起マルテンサイトが大量に生成
し、エッジクラックを発生させ歩留を低下の原因となっ
ていた。また、未圧代用材が必要になり工程数が増加す
ることなどの問題があった。 【解決手段】 熱間圧延オーステナイト系ステンレス鋼
帯を焼鈍酸洗後、冷間圧延を施すにあたり、タンデムミ
ルにより冷間圧延後、未焼鈍のままレバースミルにより
冷間圧延を行なう、高光沢のBA仕上ステンレス鋼の製
造方法。
Description
ナイト系ステンレス鋼帯を焼鈍酸洗後、冷間圧延を行な
い、その後BA焼鈍を行なう、高光沢のBA仕上ステン
レス鋼の製造方法に関するものである。
を製造する場合、ホットコイルを焼鈍酸洗後冷間圧延を
実施し、その後BA焼鈍することにより製造している。
特に、良好な表面光沢を有するBA仕上オーステナイト
系ステンレス鋼を得るためにはレバースミルによる冷間
圧延を実施しなければならない。従来、高光沢のBA仕
上オーステナイト系ステンレス鋼を製造する場合は、ホ
ットコイルを焼鈍酸洗後、全量レバースミルに投入し冷
間圧延を実施していた。そのため、レバースミルでのパ
ス回数が多くなり冷間圧延時間が非常に長くなるという
問題があった。さらに、冷間圧延する製品板厚が厚い場
合にはレバースミルは未圧代用材(ST材)が必要にな
る。そのため、冷間圧延時間が増加するだけではなくコ
ストも増大する。
ルで実施する場合、冷間圧延時間が増加するために各パ
ス毎に圧延材の製品の温度低下が大きくなる。特に、コ
イルエッジ部では顕著であり、そのため、コイルエッジ
部において加工誘起マルテンサイトが多量に生成する。
その結果、製品にエッジクラックが発生し製品歩留が低
下する。また、冷間圧延時間が増加することにより圧延
能率が非常に悪化する。
としない仕上のオーステナイト系ステンレス鋼の製造に
おいてはタンデム圧延により能率の良い冷間圧延を行な
うことができるが、高光沢のBA仕上オーステナイト系
ステンレス鋼の製造は、レバースミルで冷間圧延を実施
している。レバースミルによる冷間圧延は圧延時間が大
幅に長くなり圧延能率が非常に悪い。さらに、製品にお
けるエッジクラックの発生量も多く製品歩留の悪化が顕
著である。また、冷間圧延する製品板厚が厚い場合には
レバースミルは未圧代用材(ST材)が必要になる。
短時間で冷間圧延を実施すると加工の発熱により昇温し
た製品の材料温度が低下しにくく、製品の加工誘起マル
テンサイトの発生量も少ない。しかしながら、高光沢の
BA仕上オーステナイト系ステンレス鋼を得るために
は、ミネラルオイルを使用したレバースミルで冷間圧延
することが必要である。本発明の課題は双方の特性を考
慮し、これらの限界値を見つけ出し、コントロールする
ことにより課題を解決するものである。
ステナイト系ステンレス鋼帯を焼鈍酸洗後、冷間圧延を
施すにあたり、タンデムミルにより冷間圧延後、未焼鈍
のままレバースミルにより冷間圧延を行なう、高光沢の
BA仕上ステンレス鋼の製造方法を提供するものであ
る。また、本発明は熱間圧延オーステナイト系ステンレ
ス鋼帯を焼鈍酸洗後、冷間圧延を施すにあたり、タンデ
ムミルにより圧下率30%以上の冷間圧延をおこない、
その後、未焼鈍のままレバースミルにより圧下率30%
以上の冷間圧延を行なう、高光沢のBA仕上ステンレス
鋼の製造方法を提供するものである。
下率別の板センター部と板エッジ部の加工誘起マルテン
サイトの生成量の差を示す。前述のごとく、レバースミ
ルではコイルのセンター部とエッジ部においてはエッジ
部の方がセンター部に比べ加工誘起マルテンサイトの生
成量が多い。タンデムミルによる冷間圧延では圧下率に
かかわらずその差は1.5%以下であるが、レバースミ
ルによる冷間圧延では圧下率が30%以上においてその
差は急激に増加しており4.5%〜7.5%に達する。
すなわち、レバースミルでは30%以上冷間圧延するこ
とにより、エッジ部に加工誘起マルテンサイトが生成す
るが、タンデムミルでは冷間圧延しても、エッジ部だけ
異常に加工誘マルテンサイトの生成量が増加することは
ない。そのため、レバースミルでの冷間圧延によるエッ
ジ部とセンター部の加工誘起マルテンサイトの差を生じ
なくするため、タンデムミルによる冷間圧延量を30%
以上とし、その後のレバース圧延の圧下量をできるだけ
軽減することがのぞましい。
率別の光沢度及びBA判定推移を示す。目視判定(光
沢)の光沢度860°以上を得るためにはレバースミル
での圧下率が24%以上必要であり、光沢度870°以
上を得るためにはレバースミルでの圧下率が30%以上
必要である。これらの結果から、高光沢のBA仕上ステ
ンレス鋼を製造するためには、レバースミルによる冷間
圧延を圧下率30%以上行なうことが必要であることが
わかる。
ルにより冷間圧延した場合と、本発明の方法であるタン
デムミルにて冷間圧延後レバースミルで冷間圧延した場
合の、各パス工程ごとの板幅方向における加工誘起マル
テンサイトの生成量を表したものである。パス回数が少
ない時はタンデムミルおよびレバースミル共に加工誘起
マルテンサイト生成量は少ない。しかし、レバースミル
でのパス回数が増加すると加工誘起マルテンサイト生成
量が増加し、特に、コイルエッジ部においては顕著に増
加している。
と、タンデムミルによる冷間圧延後レバースミルによる
冷間圧延を実施した場合の、最終パス後における板幅方
向における加工誘起マルテンサイトの生成量を表したも
のである。従来の製造方法であるレバースミル単独で冷
間圧延する場合、コイルエッジ部の加工誘起マルテンサ
イトの生成量が29%にも達している。これに対し、本
発明の製造方法であるタンデムミルによる冷間圧延後レ
バースミルによる冷間圧延を実施した場合では、途中板
厚までの圧延に際し圧延時間がレバースミルに比較し短
いことから、圧延材の全幅での温度変化が小さく圧延時
に発生する加工誘起マルテンサイトの生成量がコイルエ
ッジ部において25%と比較的低く、コイル幅方向の偏
差も小さい。このことは、冷間圧延がレバースミルのみ
の場合は、コイル全体の加工誘起マルテンサイトの生成
量が高いだけではなく、エッジ部において極めて高くな
り、その偏差も大きいことを示している。
SUS304)スラブを製造し、熱間圧延後、焼鈍酸洗
し、製品板厚3.0mmのホットコイルとした。その
後、冷間圧延を行い、さらに、BA焼鈍を行い、板厚
0.8mmのBA仕上の製品を製造した。本発明による
製造方法および従来の製造方法について、その品質特
性、製品歩留、製造性および作業性を評価し比較した。
ホットコイルを焼鈍酸洗後、板厚1.14mmまでタン
デムミルにより冷間圧延を行ない、その後、レバースミ
ルより最終製品の板厚0.8mmまで冷間圧延を実施し
て、さらに、BA焼鈍を行なって、BA仕上の製品を製
造した。レバースミルによる冷間圧延の圧下量をできる
だけ少なくするために最低値の30%とした。すなわ
ち、最終製品の板厚0.8mmの10/7倍の値1.1
4mmを途中板厚とした。このように、製品板厚から冷
間圧延におけるタンデムミルの途中板厚を決定した。そ
の後、BA焼鈍を行なった。
のホットコイルを焼鈍後、全量レバースミルにより冷間
圧延を行ない、さらに、BA焼鈍を行なって、板厚0.
8mmのBA仕上の製品を製造していた。レバースミル
による冷間圧延は板厚3.0mmから実施しなければな
らないため、多量の未圧代用材(ST材)が必要であっ
た。さらに、パス回数が増加する度に、加工誘起マルテ
ンサイトの生成量も増加し、コイルのエッジ部とセンタ
ー部での加工誘起マルテンサイトの生成量に差が生じ、
最終パスまでこの影響が続いた。このように、従来から
の製造方法では、コイルエッジに多量のクラックが発生
し、製品歩留が低下する。
厚0.8mmの高光沢のBA仕上の製品を得ることがで
きる。また、板幅方向での加工誘起マルテンサイトの生
成量の偏差が小さく、その後、レバースミルでの冷間圧
延を実施しても板幅方向の加工誘起マルテンサイトの生
成量の偏差は小さい。これによりエッジクラックの発生
は防止される。表1に実施例および評価を示す。
エッジクラック等の品質異常を防止することができる。
その結果、冷間圧延における歩留改善を達成することが
できる。さらに、途中板厚までタンデムミルを使用する
ことにより、未圧代用(ST材)付工程の省略、圧延時
間の短縮等による作業能率の大幅な向上を達成すること
ができる。
の圧下率別の板センターと板エッジの加工誘起マルテン
サイトの生成量差
の光沢度及びBA判定推移
M)及びレバースミル(RM)により冷間圧延した場合
の各パスにおける加工誘起マルテンサイト生成量の板幅
方向推移
M)及びレバースミル(RM)により冷間圧延した場合
の最終パスにおける加工誘起マルテンサイト生成量の板
幅方向推移
Claims (2)
- 【請求項1】 熱間圧延オーステナイト系ステンレス鋼
帯を焼鈍酸洗後、冷間圧延を施すにあたり、タンデムミ
ルにより冷間圧延後、未焼鈍のままレバースミルにより
冷間圧延を行なう、高光沢のBA仕上ステンレス鋼の製
造方法。 - 【請求項2】 タンデムミルによる冷間圧延は、タンデ
ムミルの圧下率を30%以上とし、レバースミルによる
冷間圧延はレバースミルの圧下率を30%以上とする請
求項1記載の高光沢のBA仕上ステンレス鋼の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32351499A JP4349504B2 (ja) | 1999-11-15 | 1999-11-15 | タンデムミルを使用する高光沢のba仕上ステンレス鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32351499A JP4349504B2 (ja) | 1999-11-15 | 1999-11-15 | タンデムミルを使用する高光沢のba仕上ステンレス鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001137909A true JP2001137909A (ja) | 2001-05-22 |
JP4349504B2 JP4349504B2 (ja) | 2009-10-21 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32351499A Expired - Fee Related JP4349504B2 (ja) | 1999-11-15 | 1999-11-15 | タンデムミルを使用する高光沢のba仕上ステンレス鋼の製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4349504B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102989771A (zh) * | 2011-09-19 | 2013-03-27 | 宝山钢铁股份有限公司 | 低铬铁素体不锈钢冷连轧制造方法 |
WO2019109400A1 (zh) * | 2017-12-04 | 2019-06-13 | 中冶南方工程技术有限公司 | 一种不锈钢冷轧板连续生产系统及方法 |
-
1999
- 1999-11-15 JP JP32351499A patent/JP4349504B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2019109400A1 (zh) * | 2017-12-04 | 2019-06-13 | 中冶南方工程技术有限公司 | 一种不锈钢冷轧板连续生产系统及方法 |
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---|---|
JP4349504B2 (ja) | 2009-10-21 |
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