JP2001137650A

JP2001137650A - 生物脱臭装置

Info

Publication number: JP2001137650A
Application number: JP32482199A
Authority: JP
Inventors: Chikahiro Okumura; 親弘奥村; Mototaka Kojima; 素孝児島
Original assignee: OKUMURA KIKAI ENGINEERING KK
Current assignee: OKUMURA KIKAI ENGINEERING KK
Priority date: 1999-11-16
Filing date: 1999-11-16
Publication date: 2001-05-22

Abstract

(57)【要約】【課題】微生物の馴養期間中、悪臭ガスを大気に放出
せずに短期間に微生物を高密度に繁殖させ、そして、早
期に定常の脱臭能力を得て通常運転を開始可能にする。【解決手段】脱臭塔１１が戻りダクト２１を備え、そ
して、塔内に組み込むところの微生物担体層１４の微生
物を馴養する期間中、その戻りダクト１２を経て悪臭源
３０にその微生物担体層１４の処理ガスを戻しながらそ
の担体層１４においてその微生物を短期間に高密度に繁
殖させ、そして、早期に定常の脱臭能力を得て通常の通
常運転を開始可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の関係する分野】この発明は、悪臭を微生物的に
処理し、そして、脱臭するところの生物脱臭装置に関す
る。

【０００２】

【背景技術】近年、し尿処理場、下水処理場、と殺場、
畜産工場、および食品加工製造工場などでは、燃焼法、
活性炭吸着法、薬液洗浄法および生物脱臭法などを用い
て悪臭の処理が行われる。特に、高濃度臭気対策には、
その薬液洗浄法が用いられるのが一般であるが、その洗
浄法では、薬品取扱いが難しく、そして、運転管理の煩
雑さがある。また、その活性炭吸着法は、取扱いが容易
になる反面、高濃度臭気には活性炭の寿命が短く、そし
て、ランニング・コストが高く付く不具合がある。そし
て、それらに比べて取扱いが容易でランニング・コスト
が安くなることからその生物脱臭法は注目されて普及さ
れつつある。

【０００３】その生物脱臭法は、微生物を高密度に繁殖
させて住まわせる無数の担体の層を備えるところの生物
脱臭塔を用いるのが一般である。その脱臭塔では、最初
に、その担体に微生物を種殖し、そして次には、その種
殖されるその微生物の量が通常処理すべき悪臭ガス量に
比べて少ないので、その微生物はその悪臭ガス処理量に
見合う程に高密度に繁殖される。すなわち、その微生物
は高濃度に繁殖するように馴養される。その微生物の馴
養は、その脱臭塔、すなわち、その微生物を種殖された
担体層にその悪臭ガスを通して行われる。そして、微生
物の馴養期間は１．５ないし３カ月の長期を要し、ま
た、その馴養期間中には、その悪臭ガスに未処理分が生
じてそのまま大気に放出される不具合を引き起こす。そ
のために、後処理工場に活性炭吸着塔が設置されると、
活性炭にかかる負荷が極端に大きくなってその活性炭の
寿命が著しく短くなる。

【０００４】

【発明の課題】この発明の課題は、微生物の馴養期間
中、悪臭ガスを大気に放出せずに短期間に微生物を高密
度に繁殖させ、そして、早期に定常の脱臭能力を得て通
常運転を開始可能にするところの生物脱臭装置の提供に
ある。

【０００５】

【課題に相応する手段およびそれの作用】この発明は、
脱臭塔が戻りダクトを備え、そして、塔内に組み込むと
ころの微生物担体層の微生物を馴養する期間中、その戻
りダクトを経て悪臭源にその微生物担体層の処理ガスを
戻しながらその担体層においてその微生物を短期間に高
密度に繁殖させ、そして、早期に定常の脱臭能力を得て
通常運転を開始可能にする。

【０００６】

【具体例の説明】以下、この発明の生物脱臭装置の特定
された具体例について、図面を参照して説明する。図１
は、下水処理場の悪臭源になる汚水処理槽３０に活用さ
れるところのこの発明の生物脱臭装置の具体例１０を示
している。その生物脱臭装置１０は、脱臭塔１１が戻り
ダクト２１を備え、そして必要に応じてその戻りダクト
２１を経てその汚水処理槽３０に微生物担体層１４の処
理ガスを戻すところの構造に具体化される。

【０００７】さらに具体的には、その生物脱臭装置１０
は、塔内にその微生物担体層１４を組み込んでその微生
物担体層１４で塔底１２と塔頂１３とに区画され、そし
て、ガス入口室１５および水溜め１７にその塔底１２
を、ガス出口室１６にその塔頂１３をそれぞれ用いる脱
臭塔１１と、その微生物担体層１４を加湿する散水装置
１８と、その脱臭塔１１のそのガス入口室１５にその汚
水処理槽３０を持続する供給ダクト１９と、その脱臭塔
１１のそのガス出口室１６に接続される排出ダクト２０
と、その汚水処理槽３０にその脱臭塔１１のそのガス出
口室１６を接続する戻りダクト２１と、その供給ダクト
１９に配置される送風機２２と、その送風機２２の上流
側でその供給ダクト１９に配置される風量調整弁２３
と、その排出ダクト２０に配置される排出弁２４と、そ
の戻りダクト２１に配置される戻し弁２５とから組み立
てられる。

【０００８】その脱臭塔１１は、その微生物担体層１４
に無数の多通気孔質樹脂担体を用いる。そして、微生物
担体層１４は、その塔内に無数の穴明き支持板を取り付
け、そして、その支持板に無数の多通気孔質担体を詰め
込んでその塔内に積層される。その担体は、多数の孔で
通気性に成形される樹脂成形体から所定の大きさに裁断
され、そして、微生物を繁殖させ易く、そして、住まわ
せ易く作られる。

【０００９】その散水装置１８は、そのガス出口室１６
においてその微生物担体層１４から上方に適宜に間隔を
置いて配置される散水管２６と、その散水管２６にその
水溜め１７を接続する給水配管２７と、その給水配管２
７に配置されて電動モータ（図示せず）で運転されるフ
ィード・ポンプ２８とから組み立てられ、そして、その
フィード・ポンプ２８がその電動モータで適宜に、例え
ば、間欠的に運転されてその水溜め１７から水を汲み上
げ、その排水配管２７を経てその散水管２６に水を供給
してその散水管２６からその微生物担体層１４に散水す
る。そのように、この散水装置１８は、微生物が生息活
性に栄養と水分とを必要とすることから、その微生物担
体層１４のその微生物に水分を補給し、そして、常に活
性化状態にその微生物を保つ環境を維持可能にする。ま
た、この散水装置１８は、処理水、例えば、工場や処理
場などの再生水であるところの工水を使用可能である。
その散水装置１８は、その給水配管２７でその散水管２
６に工水を導くことになるので、そのフィード・ポンプ
２８は省かれてもかまわない。そして、この場合、そり
脱臭塔１１のその水溜め１７に溜まる水は、オート・ド
レン装置あるいは排水バルブ装置で通常に排水される。

【００１０】その送風機２２は、通常に電動モータで運
転され、また、その風量調整弁２３は、バタフライ・バ
ルブが、その排出弁２４および戻し弁２５はダンパがそ
れぞれ使用される。

【００１１】次に、その生物脱臭装置１０の運転につい
て説明する。その生物脱臭装置１０では、最初にその汚
水処理槽３０の原臭ガスに適するところの微生物がその
微生物担体層１４のその担体に種殖され、そして、その
種殖された微生物を高密度に繁殖させるところの馴養運
転が行われる。その微生物馴養運転は、その排出弁２４
を閉じてその戻し弁２５を開き、そして、その送風機２
２を運転して行う。原臭ガスは、その風景調整弁２３で
風景を調節され、その供給ダクト１９を通ってその汚水
処理槽３０からその脱臭塔１１のそのガス入口室１５に
連続的に供給される。

【００１２】そして、その原臭ガスは、その微生物担体
層１４を通過してそのガス入口室１５からそのガス出口
室１６に流れ、そして、その戻りダクト２１を通ってそ
のガス出口室１６からその汚水処理槽３０に連続的に戻
されてその運転が続けられる。その際に、その散水装置
１８が適宜に間欠的に運転されてその微生物担体層１４
のその種殖された微生物に水分を補給する。その微生物
担体層１４においては、その種殖された微生物は、その
原臭ガスの脱臭には不十分であるがその原臭ガスから栄
養を取って漸次繁殖される。

【００１３】その種殖された微生物はますます増殖さ
れ、そして、運転期間から７日ないし１０日で飽和状態
に達し、そして、通常運転のガス処理能力が得られる。
そのように、その微生物馴養運転では、その原臭ガスが
当初担体に種殖された微生物の処理能力以上のガス量で
供給可能になるので、その微生物の増殖スピードが早ま
り、定常の脱臭能力がその微生物担体層１４に早期に得
られ、そして、運転期間が飛躍的に短くなる。また、そ
の馴養運転中には、その原臭ガスが不十分な脱臭状態で
大気に放出されずに済む。

【００１４】そのように、その種殖された微生物が飽和
状態に達すると、その生物脱臭装置１０は、その馴養運
転から通常運転に切り替えられる。すなわち、その生物
脱臭装置１０は、その排出弁２４を開き、その戻し弁２
５を閉じ、そして、その風景調整弁２３を全開させて通
常運転に切り替える。原臭ガスは、その供給ダクト１９
を通ってその汚水処理槽３０からその脱臭塔１１のその
ガス入口室１５に連続的に供給される。その原臭ガス
は、さらにそのガス入口室１５からその微生物担体層１
４に流れ、その微生物担体層１４を通過する際に、その
担体に住むその微生物で効果的に脱臭処理され、そし
て、そのガス出口室１６に連続的に流れる。そして、そ
の処理ガスは、その排出ダクト２０でそのガス出口室１
６から大気に連続的に放出される。勿論、その処理ガス
は、さらに活性炭吸着塔に送られ、そして、そこで処理
されてから大気に放出されてもよい。

【００１５】この生物脱臭装置１０は、大気に悪臭を放
出せずに栄養源となる悪臭ガスを微生物に多量に供給で
きるので、その生物脱臭装置１０は、微生物馴養運転を
効率よく短期にする。また。この生物脱臭装置１０が、
その排出側に別の設備、例えば、活性炭吸着塔、ミスト
・セパレータ、およびブロアなどを付加的に備える場
合、それらが故障によってあるいは、メンテナンスのた
めに停止されても、その生物脱臭装置１０は、停止せず
にその戻し弁２５を開いてその排出弁２４を閉じ、その
散水装置１８でその微生物担体層１４の微生物に水分を
補給しながらその脱臭塔１１にその原臭ガスを脱臭処理
させ、そして、その処理がその戻りダクト２１でその汚
水処理槽３０に連続的に戻せるので、その微生物担体層
１４においてその微生物は常に活性化状態に保たれ、そ
して、その生物脱臭装置１０は、それらの復旧と同時に
脱臭能力を発揮できる。

【００１６】図２は、改善され、そして、その下水処理
場のその汚水処理槽３０に活用されるところのこの発明
の生物脱臭装置の具体例４０を示している。この生物脱
臭装置４０は、塔内に微生物担体層１４を組み込んでそ
の微生物担体層１４で塔底１２と塔頂１３とに区画さ
れ、そして、ガス入口室１５および水溜め１７にその塔
底１２を、ガス出口室１６にその塔頂１３をそれぞれ用
いる脱臭塔１１と、その微生物担体層１４を加湿する散
水装置１８と、その脱臭塔１１のそのガス入口室１５に
その汚水処理槽３０を接続する供給ダクト１９と、その
脱臭塔１１のそのガス出口室１６に接続される排出ダク
ト４１と、その排出ダクシ４１から分岐されてその汚水
処理槽３０に接続される戻りダクト４２と、その排出ダ
クト４１からその戻りダクト４２を分岐する箇所に配置
される切換弁４３と、その切換弁４３の上流側でその排
出ダクト４１に配置される送風機２２と、その送風機２
２の上流側でその排出ダクト４１に配置される風量調整
弁２３とから組み立てられる。

【００１７】この生物脱臭装置４０は、その前述された
生物脱臭装置１０から見てその排出ダクト４１からその
戻りダクト４２を分岐させ、そして、その切換弁４３で
その排出ダクト４１および戻りダクト４２を開閉してそ
の脱臭塔１１のそのガス出口室１６にその排出ダクト４
１および戻りダクト４２を選択的に切り換え接続可能に
するところに改善される。そして、その切換弁４３は、
ダンパが用いられる。

【００１８】この生物脱臭装置４０は、その切換弁４３
がその前述された生物脱臭装置１０のその排出弁２４お
よび戻し弁２５を兼ねるので、簡略化が図られる。勿
論、この生物脱臭装置４０においてもその前述された生
物脱臭装置１０と同様に微生物馴養運転および通常運転
が行われるので、それらの説明を省く。

【００１９】図３は、改善され、そして、その下水処理
場のその汚水処理槽３０に活用されるところのこの発明
の生物脱臭装置の具体例５０を示している。この生物脱
臭装置５０は、塔内に微生物担体層１４を組み込んでそ
の微生物担体層１４で塔底１２と塔頂１３とに区画さ
れ、そして、ガス入口室１５および水溜め１７にその塔
底１２を、ガス出口室１６にその塔頂１３をそれぞれ用
いる脱臭塔１１と、その微生物担体層１４を加湿する散
水装置１８と、その脱臭塔１１のそのガス入口室１５に
その汚水処理槽３０を接続する供給ダクト１９と、その
脱臭塔１１のそのガス出口室１６に接続される排出ダク
ト４１と、その排出ダクト４１から分岐されてその汚水
処理槽３０に接続される戻りダクト４２と、その排出ダ
クト４１からその戻りダクト４２を分岐する箇所に配置
される切換弁４３と、その供給ダクト１９に配置される
送風機２２と、その送風機２２の上流側でその供給ダク
ト１９に配置される風量調整弁２３とから組み立てられ
る。

【００２０】この生物脱臭装置５０もその前述された生
物脱臭装置４０と同様に簡略化が図られ、また、この生
物脱臭装置５０においてもその前述された生物脱臭装置
１０と同様に微生物馴養運転および通常運転を行う。

【００２１】先に図面を参照して説明されたところのこ
の発明の特定された具体例から明らかであるように、こ
の発明の属する技術の分野における通常の知識を有する
者にとって、この発明の内容は、その発明の性質（ｎａ
ｔｕｒｅ）および本質（ｓｕｂｓｔａｎｃｅ）に由来
し、そして、それらを内在させると客観的に認められる
別の態様に容易に具体化される。勿論、この発明の内容
は、その発明の課題に相応し（ｂｅｃｏｍｍｅｎｓｕ
ｒａｔｅｗｉｔｈ）、そして、その発明の成立に必須
である。

【００２２】

【発明の便益】上述から理解されるように、この発明の
生物脱臭装置は、脱臭塔が戻りダクトを備え、そして、
必要に応じてその戻りダクトを経て悪臭源に微生物担体
層の処理ガスを戻すので、この発明の生物脱臭装置で
は、その微生物担体層の担体に種殖された微生物が、大
気に悪臭を放出せずにその悪臭源のガスで増殖され、高
密度に繁殖され、そして、その微生物の飽和状態、すな
わち、定常の脱臭能力が短期間に得られて微生物馴養運
転が著しく短くなり、そして、通常運転が早期に開始可
能になり、また、排出側に活性炭吸着塔、ミスト・セパ
レータ、およびブロアなどを付加する場合、活性炭にか
かる悪臭成分負荷が極端に小さくなってその活性炭の寿
命が長くなり、そして、それらが故障によってあるい
は、メンテナンスのために停止されてもその微生物担体
層の処理ガスが止められずにその悪臭源に戻されてその
微生物担体層のその微生物が、常に活性化状態に保た
れ、そして、それらの復旧と同時に脱臭能力が発揮で
き、その結果、し尿処理場、下水処理場、と殺場、畜
産、魚腸骨処理場、飼料、肥料工場、食品加工・製造工
場、油脂加工工場、皮革加工・製造工場、および製紙・
パルプ工業などによって非常に有用で実用的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】下水処理場の悪臭源になる汚水処理槽に活用さ
れるところのこの発明の生物脱臭装置の具体例を示した
概説図である。

【図２】改善され、そして、下水処理場の悪臭源になる
汚水処理槽に活用されるところのこの発明の生物脱臭装
置の具体例を示した概説図である。

【図３】改善され、そして、下水処理場の悪臭源になる
汚水処理槽に活用されるところのこの発明の生物脱臭装
置の具体例を示した概説図である。

【符号の説明】

１１脱臭塔１２塔底１３塔頂１４微生物担体層１５ガス入口室１６ガス出口室１７水溜め１８散水装置１９供給ダクト２０排出ダクト２１戻りダクト２２送風機２３風量調整弁２４排出弁２５戻し弁４１排出ダクト４２戻りダクト４３切換弁

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】脱臭塔が、戻りダクトを備え、そして、
必要に応じてその戻りダクトを経て悪臭源に微生物損体
層の処理ガスを戻すところの生物脱臭装置。