JP2001137388A - ゴルフボール - Google Patents
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- A63B37/00—Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
- A63B37/0003—Golf balls
-
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- A63B37/0072—Characteristics of the ball as a whole with a specified number of layers
- A63B37/0074—Two piece balls, i.e. cover and core
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- A63—SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
- A63B—APPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
- A63B37/00—Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
- A63B37/12—Special coverings, i.e. outer layer material
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- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Physical Education & Sports Medicine (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
性が最適化され、反発性能とフィーリングとが高められ
たゴルフボールの提供。 【解決手段】 コア1と、このコア1に被覆されたカバ
ー3とから、ゴルフボールが構成されている。コア1
は、架橋ゴムから構成されている。この架橋ゴムは、打
撃棒の衝突速度が14.0m/sであるスプリットホプ
キンソン棒試験機によって測定されたヤング率が30M
Pa以上100MPa以下である。この架橋ゴム1は、
打撃棒の衝突速度が14.0m/sであるスプリットホ
プキンソン棒試験機によって測定された損失係数が0.
01以上0.45以下である。
Description
層を備えたゴルフボールに関するものである。
な性能の1つに、飛距離が挙げられる。飛距離の大きな
ゴルフボールはゴルファーに爽快感を与え、また、スコ
アメイクにも寄与する。飛距離向上のためには、ゴルフ
ボールの反発性能の向上が必要である。
要な性能として、打球感(フィーリング)が挙げられ
る。フィーリングのよいゴルフボールはゴルファーに安
心感を与え、スイングパターンの安定に寄与する。
フィーリングとの両立が重要であるり、従来これを達成
するために物性面から種々の検討がなされてきている。
例えば、特開平6−154357号公報には、硬度の分
布に工夫が施されたツーピースゴルフボールが開示され
ている。また、特開平8−243192号公報には、カ
バーの曲げ剛性率とコアの表面硬度及び断面硬度とが所
定範囲に設定されたツーピースゴルフボールが開示され
ている。さらに、上記の硬度等以外に、圧縮歪み量や、
粘弾性スペクトルメーターによって測定されるヤング率
及び損失係数等についても、種々の検討がなされてきて
いる。
グとは、ゴルフボールがゴルフクラブで実際に打撃され
た状態、すなわち動的な状態で発現される性能である。
これに対し、前述の硬度、曲げ剛性率、圧縮歪み量、ヤ
ング率、損失係数等は、いわば静的な物性である。従っ
て、これら静的な物性がいかに検討されても、動的な性
能の向上は十分には達成されがたい。
て、反発粘弾性スペクトルメーターが挙げられる。この
反発粘弾性スペクトルメーターでは、動的歪みが与えら
れた試験片の物性が測定される。しかしながら、この反
発粘弾性スペクトルメーターにてゴルフボールの材料に
与えられる歪み速度は、0.001/sから0.1/s
程度と小さく、また、最大歪みも0.01%から2%程
度と小さなものである。これは、ゴルフボールの材料が
高硬度であり、反発粘弾性スペクトルメーターでは大変
形を起こしにくいためである。一方、打撃時のゴルフボ
ールでは、歪み速度が2000/sから5000/s程
度であり、最大歪みが5%から25%程度と、高速大変
形な歪みが生じる。両者の歪みの程度は全く異なってい
る。このため、反発粘弾性スペクトルメーターであって
も、実際に打撃されたときに近い状態での動的物性は得
られない。反発性能とフィーリングとの向上には、実際
に打撃されたときに近い状態での動的物性が最適化され
ることが必要である。
ものであり、実際に打撃されたときに近い状態での動的
物性が最適化され、反発性能とフィーリングとが高めら
れたゴルフボールの提供を目的とする。
めになされた発明は、打撃棒の衝突速度が14.0m/
sであるスプリットホプキンソン棒試験機によって測定
されたときの、ヤング率が30MPa以上100MPa
以下であり、損失係数が0.01以上0.45以下であ
る架橋ゴムからなる層を備えたゴルフボール、である。
ており、この架橋ゴム層では、スプリットホプキンソン
棒試験機によって測定されたヤング率と、スプリットホ
プキンソン棒試験機によって測定された損失係数とが所
定範囲内とされている。スプリットホプキンソン棒試験
機による測定では、後述されるように、試験片に高速で
かつ大変形の歪みが与えられる。従って、実際にゴルフ
ボールが打撃されたときと近い状態での粘弾性特性値
(ヤング率及び損失係数)が測定され得る。このヤング
率と損失係数とが最適化されることにより、動的性能で
ある反発性能及びフィーリングが高められる。
ソン棒試験機によって測定されたヤング率(以下単に
「ヤング率」とも称される)は、30MPa以上100
MPa以下である。ヤング率がこの範囲とされることに
より、良好な反発性能とソフトなフィーリングとが両立
される。すなわち、ヤング率が上記範囲未満であると反
発性能が低下してしまうことがあり、逆にヤング率が上
記範囲を超えるとフィーリングが硬くなってしまうこと
がある。この観点から、ヤング率は40MPa以上80
MPa以下が好ましい。
ソン棒試験機によって測定された損失係数(以下単に
「損失係数」とも称される)は、0.01以上0.45
以下である。損失係数がこの範囲とされることにより、
良好な反発性能とソフトなフィーリングとが両立され
る。すなわち、損失係数が上記範囲未満であるとフィー
リングが硬くなってしまうことがあり、逆に損失係数が
上記範囲を超えると反発性能が低下してしまうことがあ
る。この観点から、損失係数は0.1以上0.3以下が
好ましい。
えた架橋ゴム層単体からなるいわゆるワンピースゴルフ
ボールであってもよく、この架橋ゴム層であるコアにカ
バーが被覆されたいわゆるツーピースゴルフボールでも
よく、また、3層以上から構成されていていずれかの層
がこの架橋ゴム層であるいわゆるマルチピースゴルフボ
ールであってもよい。なかでも、上記の条件を備えた架
橋ゴム層の効果が十分に発揮されるツーピースゴルフボ
ールが、特に好ましい。
本発明の実施形態が詳説される。図1は、本発明の一実
施形態にかかるゴルフボールが示された断面図である。
このゴルフボールは、コア1と、このコア1に被覆され
たカバー3とを備えた、いわゆるツーピースゴルフボー
ルである。このゴルフボールの直径は約42.8mmで
ある。また、コア1の直径は約38.4mmであり、カ
バー3の厚みは約2.2mmである。
オノマー樹脂から形成される。カバー3には、着色剤、
劣化防止剤等が、必要に応じ適量配合される。
機によって測定されたヤング率が30MPa以上100
MPa以下であり、損失係数が0.01以上0.45以
下である架橋ゴムから構成されている。コア1を構成す
る基材ゴムとしては、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリ
イソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン
−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)等が挙げら
れる。なかでも、シス構造を40%以上有するシス−
1,4−ポリブタジエンが、損失係数が大きくなりすぎ
るのを防ぐ作用があるので好ましい。シス−1,4−ポ
リブタジエンが他のゴムと混合される場合、全ゴムに占
めるシス−1,4−ポリブタジエンの比率が70質量%
以上、特には90質量%以上とされることにより、損失
係数が上記範囲内となりやすくなる。
種々のものが採用されうるが、脂肪酸金属塩又は脂肪酸
エステルによる架橋が、ヤング率が小さくなりすぎず、
かつ損失係数が大きくなりすぎないので好ましい。好ま
しい架橋剤は不飽和カルボン酸の金属塩であり、具体的
には炭素数が3以上8以下であって一価又は二価の金属
塩が挙げられる。特に、アクリル酸亜鉛が用いられるこ
とにより、ヤング率と損失係数とが上記範囲内となりや
すくなる。
場合、ヤング率と損失係数との両立の観点から、その配
合量はゴム100部に対して15部以上50部以下が好
ましく、25部以上35部以下が好ましい。配合量が上
記範囲未満であると、損失係数が大きくなってしまうこ
とがある。逆に、配合量が上記範囲を超えると、ヤング
率が大きくなってしまうことがある。なお、本明細書に
おいて「部」で示される数値は、質量が基準とされた場
合の比を意味する。
併用が好ましい。好適な有機過酸化物としては、ジクミ
ルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン)等が挙
げられる。有機過酸化物の配合量は、ヤング率と損失係
数との両立の観点から、ゴム100部に対して0.1部
以上2.0部以下が好ましく、0.3部以上0.5部以
下が特に好ましい。配合量が上記範囲未満であると、損
失係数が大きくなってしまうことがある。逆に、配合量
が上記範囲を超えると、ヤング率が大きくなってしまう
ことがある。
されてもよい。亜鉛華の配合により、ヤング率が小さく
なりすぎるのが防止される。亜鉛華の配合量は、ゴム1
00部に対して5部以上30部以下が好ましく、7部以
上20部以下が特に好ましい。配合量が上記範囲未満で
あると、ヤング率が小さくなってしまうことがある。逆
に、配合量が上記範囲を超えると、比重が大きくなって
ゴルフボールが重くなり、規格に合致しなくなってしま
うことがある。
配合されてもよい。コア1は架橋時に140℃から22
0℃の高温下に曝されるが、トリアジンチオール化合物
の配合によって耐熱性が高まり、架橋時の熱劣化が抑制
される。従って、コア1の損失係数が低められる。トリ
アジンチオール化合物には、その末端基が−SHの化合
物、−N(C4H9)2の化合物及び−NHC6H5の
化合物が存在する。本発明ではいずれのトリアジンチオ
ール化合物も使用可能であり、これらは架橋温度等に応
じて使い分けられるのが好ましい。トリアジンチオール
化合物の配合量は、ゴム100部に対して0.2部以上
2部以下が好ましく、0.5部以上1部以下が特に好ま
しい。配合量が上記範囲未満であると、損失係数が大き
くなってしまうことがある。上記範囲を超えてトリアジ
ンチオール化合物が配合されても、熱劣化抑制の効果が
頭打ちとなるので、不経済である。
ノール類が配合されてもよい。チオフェノール類の配合
により、損失係数が大きくなりすぎるのが防止される。
チオフェノール類の配合量は、ゴム100部に対して
0.1部以上2部以下が好ましく、0.3部以上1.0
部以下が特に好ましい。配合量が上記範囲未満である
と、損失係数が大きくなってしまうことがある。逆に、
配合量が上記範囲を超えると、コア1が軟らかくなって
損失係数が極端に大きくなってしまうことがある。
率が30MPa以上100MPa以下、そして、損失係
数が0.01以上0.45以下に維持される範囲で、充
填剤、酸化防止剤、増量剤、着色剤等が、必要に応じ適
量配合されてもよい。
物が金型内で加熱・架橋されることにより形成される。
架橋温度は140℃以上220℃以下が好ましく、15
0℃以上170℃以下が特に好ましい。架橋温度が上記
範囲未満であると、架橋不足が起こって損失係数が大き
くなってしまうことがある。逆に、架橋温度が上記範囲
を超えると、過剰架橋が起こってヤング率が大きくなっ
てしまうことがある。
係数が測定されるスプリットホプキンソン棒試験機が示
された模式的正面図である。このスプリットホプキンソ
ン棒試験機は、打撃棒5、入力棒7及び出力棒9を備え
ており、これらは直線上に配置されている。入力棒7に
は、第一歪みゲージ11及び第二歪みゲージ13が取り
付けられている。出力棒9には、第三歪みゲージ15及
び第四歪みゲージ17が取り付けられている。入力棒7
の後端19と出力棒9の前端21との間には、円盤状の
試験片23が挟持されている。試験片23は、コア1に
用いられるゴム組成物から試験片の形状に成形されたも
のでもよく、また、球状に成形されたコア1から切り出
されたものであってもよい。このスプリットホプキンソ
ン棒試験機は、室温23℃、相対湿度50%の環境下に
置かれている。
チルメタアクリレート製の円柱であり、断面直径は20
mm、ヤング率は5300MPa、比重は1.19であ
る。打撃棒5の長さは、100mmである。入力棒7及
び出力棒9(以下、この入力棒7と出力棒9とは、「応
力棒」とも称される)の長さは、2000mmである。
第一歪みゲージ11は入力棒7の後端19から900m
mの位置に取り付けられており、第二歪みゲージ13は
入力棒7の後端19から600mmの位置に取り付けら
れている。また、第三歪みゲージ15は出力棒9の前端
21から300mmの位置に取り付けられており、第四
歪みゲージ17は出力棒9の前端21から600mmの
位置に取り付けられている。試験片23の長さ(すなわ
ち入力棒7の後端19と出力棒9の前端21との距離)
は4mmであり、試験片23の断面直径は18mmであ
る。
属材料の物性試験に用いられおり、ゴルフボールのコア
のようなゴム材料の評価には本来不向きなものである。
図2のスプリットホプキンソン棒試験機は、打撃棒5、
入力棒7及び出力棒9が合成樹脂製であり、打撃棒5及
び入力棒7が2000mmと大きく、しかも第一歪みゲ
ージ11と入力棒7の後端19との距離及び第二歪みゲ
ージ13と入力棒7の後端19との距離が大きいので、
ゴルフボールのコアのような架橋ゴムの粘弾性特性値の
測定にも適している。
るヤング率及び損失係数の測定では、まず、打撃棒5が
入力棒7の前端25に、14m/sの速度で衝突する。
これによって入射波が生じ、この入射波は入力棒7の後
端19に向かって進む。この入射波の一部は、入力棒7
の後端19において反射し、反射波となって入力棒7の
前端25に向かって進む。入射波の一部は、入力棒7の
後端19から試験片23を透過し、さらに出力棒9に伝
播して透過波となり、出力棒9の後端27に向かって進
む。
みゲージ13によって実測される。打撃により生じる歪
み波の周波数は、2.5kHzから5.0kHz程度で
あるが、実際に各歪みゲージで測定される波形は10k
Hz以上の高周波のノイズが含まれた合成波である。こ
の合成波は10kHzローパスフィルターに通され、ノ
イズが除去される。さらに、入射波の時刻歴ベースライ
ン値をゼロとするゼロ補正が施される。歪み波が歪みゲ
ージに到達するまでは歪みゲージの実測値は本来ゼロで
あるべきだがが、実際は微量のノイズが入力されてゼロ
からずれる。このズレによって測定の精度が低下してし
まうのを防止するため、上記のゼロ補正が行われる。こ
うして得られた第一歪みゲージ11及び第二歪みゲージ
13における時間軸歪みのそれぞれがフーリエ変換さ
れ、周波数軸歪みが求められる。そして、第一歪みゲー
ジ11及び第二歪みゲージ13における周波数軸歪みか
ら、伝達関数が導出される。第一歪みゲージ11と入力
棒7の後端19との距離X1と、第二歪みゲージ13と
入力棒7の後端19との距離X2との比(X1:X2)
が考慮されつつ、上記伝達関数に基づいて、入力棒7の
後端19における周波数軸歪みが推定される。この周波
数軸歪みがフーリエ逆変換されることにより、入力棒7
の後端19における入射波の時間軸歪み(歪みの時刻
歴)εiが得られる。
ゲージ13によって実測される反射波から、入力棒7の
後端19における反射波の時間軸歪み(歪みの時刻歴)
εrが得られる。また、第三歪みゲージ15及び第四歪
みゲージ17によって実測される透過波から、出力棒9
の前端21における透過波の時間軸歪み(歪みの時刻
歴)εtが得られる。
ら、下記数式(1)によって、試験片23内部の歪み速
度ε’が算出される。 ε’=(C0/L)・(εi−εr−εt) =((E/ρ)1/2/L)・(εi−εr−εt) −−−(1) (数式(1)において、C0は応力棒中の波の伝播速度
(m/s)を表し、Lは試験片の長さ(m)を表し、E
は応力棒のヤング率(N/m2)をを表し、ρは応力棒
の密度(kg/m3)を表す)
(2)によって試験片23内部の歪みεが算出される。
(m/s)を表し、Lは試験片の長さ(m)を表し、E
は応力棒のヤング率(N/m2)を表し、ρは応力棒の
密度(kg/m3)を表す)
式(3)によって試験片23内部の応力σが算出され
る。 σ=(E・A/(2As))・(εi+εr+εt) =(E・D2/(2(Ds)2))・(εi+εr+εt) −−−(3) (数式(3)において、Eは応力棒のヤング率(N/m
2)を表し、Aは応力棒の断面積(m2)を表し、As
は試験片の断面積(m2)を表し、Dは応力棒の直径
(m)を表し、Dsは試験片の直径(m)を表す)
刻歴のグラフが、図3に示されている。図3の曲線は、
ピークP以降しばらくはなだらかであるが、その後凹凸
状となる。ピークP以降のなだらかな段階での点Sが選
択され、この点Sにおける曲線に対する接線が画かれ、
この接線と時間軸との交点から緩和時間λが導出され
る。そして、下記数式(4)によって求められる曲線が
点S以降の曲線とされることにより、歪み時刻歴全体が
なだらかな曲線となる。これにより、最終的に得られる
粘弾性特性値へのノイズの影響が除去される。 ε(t)=ε0・e−t/λ −−−(4) (数式(4)において、ε0は接点における歪みを表
す)なお、点SはピークP以降の曲線がなだらかな段階
であればどこが選択されてもよいが、通常はピークPか
ら100μs後の点が選択される。
刻歴全体がなだらかな曲線とされ、これによって最終的
に得られる粘弾性特性値へのノイズの影響が除去され
る。 σ(t)=σ0・e−t/λ −−−(5) (数式(5)において、σ0は接点における応力を表
す)
の歪み時刻歴及び応力時刻歴から、応力−歪み曲線が決
定される。図4は、典型的な応力−歪み曲線が示された
グラフである。この応力−歪み曲線から、下記の数式
(6)により、試験片23内部のヤング率Esが算出さ
れる。 Es=σmax/εmax −−−(6)
数式(7)により、位相角δが算出される。 δ=sin−1((σa−σb)/σmax) −−−(7) そして、この位相角δより、損失係数(tanδ)が算
出される。
sの速度で衝突したときの試験片の歪み速度は2000
/sから2500/s程度であり、また、歪み量は15
%から25%程度である。この歪みの変形挙動は、ゴル
フボールが打撃された場合の変形挙動に近いものであ
る。すなわち、このスプリットホプキンソン棒試験機に
よって測定されるヤング率及び損失係数は、ゴルフボー
ルが実際に打撃されたときに近い状態における動的物性
である。
社の商品名「BR11」)50部、同じくポリブタジエ
ン(宇部興産社の商品名「BR200」)50部、アク
リル酸亜鉛(三新化学社の商品名「サンセラーSR」)
31部、亜鉛華20部、ジクミルパーオキサイド(大内
新興化学社の商品名「パークミルD」)0.4部及びト
リアジンチオール化合物(三協化成社の商品名「ジスネ
ットF」)1.0部を密閉式混練機に投入して混練し、
ゴム組成物を得た。このゴム組成物を押出機で押し出
し、円柱状の予備成形体を作製した。この予備成形体を
球状の金型に投入し、160℃で30分間圧縮・加熱し
て、架橋ゴムからなる直径38.4mmのコアを作製し
た。
リケミカル社の商品名「ハイミラン1605」)50
部、同じくアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカ
ル社の商品名「ハイミラン1706」)50部及び酸化
チタン2部からなる樹脂組成物を押出機で押し出して、
ペレット状に粉砕した。この樹脂組成物を射出成形機を
用いて前述のコアに被覆し、前処理後にペイントを施し
て、実施例1のゴルフボールを得た。このゴルフボール
のコアから、直径18mm、厚み4mmの試験片を切り
出して、図2に示されるスプリットホプキンソン棒試験
機にてヤング率及び損失係数を測定した。ヤング率は9
0.7MPaであり、損失係数は0.2154であっ
た。
及び3]コアに配合するジクミルパーオキサイド及びト
リアジンチオール化合物の配合量を下記の表1に示され
るように変量させた他は実施例1と同様にして、実施例
2、3、4及び6並びに比較例1及び3のゴルフボール
を得た。これらのゴルフボールのコアのヤング率及び損
失係数が、下記の表1に示されている。
ジフェニルジスルフィド(住友精化社)0.5部を配合
した他は実施例1と同様にして、実施例5のゴルフボー
ルを得た。このゴルフボールのコアのヤング率及び損失
係数が、下記の表1に示されている。
老化防止剤(大内新興化学社の商品名「ノクラック30
0」)0.5部を配合し、トリアジンチオール化合物を
配合しなかった他は実施例1と同様にして、比較例2の
ゴルフボールを得た。このゴルフボールのコアのヤング
率及び損失係数が、下記の表1に示されている。
各ゴルフボールにアルミニウム製の中空棒を速度45m
/sで衝突させ、反発係数を測定した。この測定結果
が、下記の表1に示されている。反発係数が高いゴルフ
ボールほど、反発性能に優れ、飛距離がでるゴルフボー
ルである。
ングマシーンにドライバー(住友ゴム工業社の商品名
「ダンロップDP10」)を取り付け、ヘッドスピード
45m/sの条件で、各ゴルフボールを打撃した。この
際、ヘッドのサイドソール部に飛行方向と同軸となるよ
うに加速度ピックアップ計を装着し、加速度を測定し
た。この加速度にヘッドの質量(210g)を乗し、衝
撃力を算出した。この測定結果が、下記の表1に示され
ている。衝撃力が小さいゴルフボールほど、打撃時にゴ
ルファーに与える衝撃が少ないゴルフボールである。
ゴルファーに打撃させ、フィーリングを評価させた。評
価点は、フィーリングがソフトで良好なものを「3点」
とし、ややフィーリングがソフトで良好なものを「2
点」とし、普通のものを「1点」とし、フィーリングが
硬いものを「0点」とした。そして、100名の評価点
の平均を算出した。この結果が、下記の表1に示されて
いる。
損失係数が大きすぎる比較例1のゴルフボールは、反発
係数が小さい。また、損失係数が大きすぎる比較例2の
ゴルフボールも、反発係数が小さい。さらに、ヤング率
が大きすぎる比較例3のゴルフボールは、衝撃力が大き
く、かつフィーリングの評価点が悪くなっている。一
方、ヤング率及び損失係数が所定範囲内にある各実施例
のゴルフボールは、反発係数が高く、衝撃力が程良い範
囲で、かつフィーリングの評価点が高い。これらの結果
より、本発明の優位性が確認された。
発明が詳説されたが、本発明は、ワンピースゴルフボー
ル、マルチピースゴルフボール等にも好適に適用されう
る。
ボールは実際に打撃されたときに近い状態での動的物性
が最適化されている。従って、このゴルフボールを打撃
したゴルファーは大きな飛距離と良好なフィーリングと
を得ることができる。
ボールが示された断面図である。
損失係数が測定されるスプリットホプキンソン棒試験機
が示された模式的正面図である。
状態が示されたグラフである。
グラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 打撃棒の衝突速度が14.0m/sであ
るスプリットホプキンソン棒試験機によって測定された
ときの、ヤング率が30MPa以上100MPa以下で
あり、損失係数が0.01以上0.45以下である架橋
ゴムからなる層を備えたゴルフボール。 - 【請求項2】 打撃棒の衝突速度が14.0m/sであ
るスプリットホプキンソン棒試験機によって測定された
ときの、ヤング率が30MPa以上100MPa以下で
あり、損失係数が0.01以上0.45以下である架橋
ゴムからなるコアと、このコアに被覆されたカバーとを
備えた請求項1に記載のゴルフボール。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32633199A JP2001137388A (ja) | 1999-11-17 | 1999-11-17 | ゴルフボール |
US09/708,500 US6422952B1 (en) | 1999-11-17 | 2000-11-09 | Golf ball |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32633199A JP2001137388A (ja) | 1999-11-17 | 1999-11-17 | ゴルフボール |
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