JP2001061993A - ゴルフボール - Google Patents
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Abstract
性が最適化され、反発性能とフィーリングとが高められ
たゴルフボールを提供すること。 【解決手段】 コア層1と、このコア層1に被覆された
カバー層3とから、ゴルフボールが構成されている。カ
バー層3は、合成樹脂組成物から構成されている。カバ
ー層3では、打撃棒の衝突速度が14.0m/sである
スプリットホプキンソン棒試験機によって測定されたヤ
ング率が100MPa以上350MPa以下である。カ
バー層3では、打撃棒の衝突速度が14.0m/sであ
るスプリットホプキンソン棒試験機によって測定された
損失係数が0.2以上0.45以下である。
Description
し、詳しくは、合成樹脂からなるカバー層を備えたゴル
フボールに関するものである。
な性能の1つに、飛距離が挙げられる。飛距離の大きな
ゴルフボールはゴルファーに爽快感を与え、また、スコ
アメイクにも寄与する。飛距離向上のためには、ゴルフ
ボールの反発性能の向上が必要である。
要な性能として、打球感(フィーリング)が挙げられ
る。フィーリングのよいゴルフボールはゴルファーに安
心感を与え、スイングの安定に寄与する。
フィーリングとの両立が重要であるり、従来これを達成
するために物性面から種々の検討がなされてきている。
例えば、特開平10−249号公報には、カバーの硬
度、曲げ弾性率等の物性値に工夫が施されたゴルフボー
ルが開示されている。また、これらの物性値以外に、圧
縮歪み量や、粘弾性スペクトルメーターによって測定さ
れるヤング率及び損失係数等についても、種々の検討が
なされてきている。
ルがゴルフクラブで実際に打撃された状態、すなわち動
的な状態で発現される性能である。これに対し、前述の
硬度、曲げ弾性率、圧縮歪み量、ヤング率、損失係数等
は、いわば静的な物性である。従って、これら静的な物
性の適正化がいかに検討されても、動的な性能の向上は
十分には達成されがたい。
て、反発粘弾性スペクトルメーターが挙げられる。この
反発粘弾性スペクトルメーターでは、動的歪みが与えら
れた試験片の物性が測定される。特開平8−14111
3号公報には、反発粘弾性スペクトルメーターによって
測定されるヤング率が所定範囲となるカバーを備えたゴ
ルフボールが開示されている。
発粘弾性スペクトルメーターにてゴルフボールの材料に
与えられる歪み速度は、0.001/sから0.1/s
程度と小さく、また、最大歪みも0.01%から2%程
度と小さなものである。これは、ゴルフボールの材料が
高硬度であり、反発粘弾性スペクトルメーターでは大変
形を起こしにくいためである。一方、打撃時のゴルフボ
ールの歪み速度は、2000/sから5000/s程度
であり、最大歪みが5%から25%程度と、高速大変形
な歪みである。両者の歪みの程度は全く異なっている。
このため、反発粘弾性スペクトルメーターであっても、
実際に打撃されたときに近い状態での動的物性は得られ
ない。反発性能とフィーリングとの向上には、実際に打
撃されたときに近い状態での動的物性が最適化されるこ
とが必要である。
ものであり、実際に打撃されたときに近い状態でのカバ
ーの動的物性が最適化されて、反発性能とフィーリング
とが高められたゴルフボールの提供をその目的とするも
のである。
めになされた発明は、コア層とカバー層とを備えたゴル
フボールであって、打撃棒の衝突速度が14.0m/s
であるスプリットホプキンソン棒試験機によって測定さ
れたヤング率が100MPa以上350MPa以下であ
り、損失係数が0.2以上0.45以下である合成樹脂
組成物からカバー層が構成されていることを特徴とする
ゴルフボール、である。
らなるカバー層を備えており、この合成樹脂組成物で
は、スプリットホプキンソン棒試験機によって測定され
たヤング率と、スプリットホプキンソン棒試験機によっ
て測定された損失係数とが所定範囲内とされている。ス
プリットホプキンソン棒試験機による測定では、後述さ
れるように、試験片に高速でかつ大変形の歪みが与えら
れる。従って、実際にゴルフボールが打撃されたときと
近い状態での粘弾性特性値(ヤング率及び損失係数)が
測定され得る。このヤング率と損失係数とが最適化され
ることにより、動的性能である反発性能及びフィーリン
グが高められる。
ン棒試験機によって測定されたヤング率(以下単に「ヤ
ング率」とも称される)は、100MPa以上350M
Pa以下である。ヤング率がこの範囲とされることによ
り、ゴルフボールの良好な反発性能とソフトなフィーリ
ングとが両立され得る。すなわち、ヤング率が上記範囲
未満であると反発性能が低下してしまうことがあり、逆
にヤング率が上記範囲を超えるとフィーリングが硬くな
ってしまうことがある。この観点から、ヤング率は15
0MPa以上250MPa以下が好ましい。
ン棒試験機によって測定された損失係数(以下単に「損
失係数」とも称される)は、0.2以上0.45以下で
ある。損失係数がこの範囲とされることにより、ゴルフ
ボールの良好な反発性能とソフトなフィーリングとが両
立され得る。すなわち、損失係数が上記範囲未満である
とゴルフボールが硬くなってフィーリングが悪くなって
しまうことがあり、逆に損失係数が上記範囲を超えると
反発性能が低下してしまうことがある。この観点から、
損失係数は0.2以上0.35以下が好ましい。
m以下が好ましく、1.2mm以上3.0mm以下が特
に好ましい。カバー層の厚みがこの範囲とされることに
より、ゴルフボールの反発性能とフィーリングとの両立
が達成されやすい。
を備えている。カバーは単一のカバー層であってもよ
く、また、複数のカバー層から構成されてもよい。カバ
ーが複数のカバー層を有する場合、最も外側のカバー層
のヤング率及び損失係数が上記範囲とされればよい。ま
た、コアは糸ゴムが巻き付けられた糸巻きコアであって
もよく、また、ソリッドゴムからなるソリッドコアであ
ってもよい。ソリッドコアは単一のコア層であってもよ
く、また、複数のコア層から構成されてもよい。
におけるシス−1,4結合の占める比率が90%以上で
あるポリブタジエンを主成分とするコア層を含んでい
る。これにより、ゴルフボールの反発性能が高められ
る。
本発明の実施形態が説明される。図1は、本発明の一実
施形態にかかるゴルフボールが示された断面図である。
このゴルフボールは、コア層1と、このコア層1に被覆
されたカバー層3とを備えた、いわゆるツーピースゴル
フボールである。このゴルフボールの直径は約42.8
mmである。また、コア層1の直径は約38.4mmで
あり、カバー層3の厚みは約2.2mmである。なお、
図示されないが、このゴルフボールはカバー層3の外側
にペイント層を備えている。
試験機によって測定されたヤング率が100MPa以上
350MPa以下であり、損失係数が0.2以上0.4
5以下である合成樹脂組成物から構成されている。カバ
ー層3に用いられる好適な合成樹脂は、共重合成分とし
てα,β−不飽和カルボン酸を含むアイオノマー樹脂で
ある。用いられるα,β−不飽和カルボン酸としては、
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が
挙げられる。特に、損失係数が上記範囲内に設定されや
すいという理由から、アクリル酸及びメタクリル酸が好
ましい。
ノマー樹脂とともにポリウレタン、ポリアミド又はポリ
エステルが併用されることが好ましい。これらの合成樹
脂の併用により、ヤング率及び損失係数が上記範囲内に
設定されやすくなる。ポリウレタン、ポリアミド及びポ
リエステルと、アイオノマー樹脂との混合比率は、重量
比で5/95以上30/70以下が好ましい。
マグネシウム、リチウム、亜鉛、カリウム等の金属のイ
オンによってカルボキシル基が中和されている。金属イ
オンは単体でもよく、また2種以上が組み合わされても
よい。金属イオンの好適な組み合わせは、亜鉛イオンと
ナトリウムイオン、マグネシウムイオンとリチウムイオ
ン、マグネシウムイオンとナトリウムイオン等が挙げら
れる。
は、ヤング率が100MPa以上350MPa以下、そ
して、損失係数が0.2以上0.45以下に維持される
範囲で、着色剤、劣化防止剤等が、必要に応じ適量配合
されてもよい。
あるが、ゴルフボールが2以上のカバー層を備えてもよ
い。この場合、最も外側のカバー層が、ヤング率が10
0MPa以上350MPa以下であり損失係数が0.2
以上0.45以下である合成樹脂組成物から成形され
る。
によって構成されている。コア層1を構成する基材ゴム
としては、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体等が挙げられる。なかでも、ミク
ロ構造におけるシス−1,4結合の占める比率が90%
以上であるポリブタジエンが、ゴルフボールの反発性能
向上の観点から好ましい。
の種々のものが採用され得るが、脂肪酸金属塩又は脂肪
酸エステルによる架橋が、ゴルフボールの反発性能とフ
ィーリングとの両立の観点から好ましい。好ましい架橋
剤は不飽和カルボン酸の金属塩であり、具体的には炭素
数が3以上8以下で一価又は二価の金属塩が挙げられ
る。特にアクリル酸亜鉛が好ましく、このアクリル酸亜
鉛の配合量はゴム100重量部に対して15重量部以上
50重量部以下が好ましい。
の併用が好ましい。好適な有機過酸化物としては、ジク
ミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン)等が
挙げられる。有機過酸化物の配合量は、ゴルフボールの
反発性能とフィーリングとの両立の観点から、ゴム10
0重量部に対して0.1重量部以上2.0重量部以下が
好ましい。
されてもよく、これによってゴルフボールのフィーリン
グが高められ得る。また、コア層1には架橋遅延剤とし
てチオフェノール類が配合されてもよく、これによりゴ
ルフボールの反発性能が高められ得る。
成物が金型内で加熱・架橋されることにより形成され
る。架橋温度は140℃以上180℃以下が好ましい。
架橋温度が上記範囲未満であると、架橋不足が起こって
ゴルフボールの反発性能が不十分となってしまうことが
ある。逆に、架橋温度が上記範囲を超えると、過剰架橋
が起こってゴルフボールのフィーリングが悪くなってし
まうことがある。
るが、ゴルフボールは2以上のコア層を備えてもよい。
また、このコア層1の直径は前述のように約38.4m
mであるが、コア層1の直径はこれより大きくされても
よく、また、小さくされてもよい。コア層1の直径が変
更される場合、これに応じてカバー層3の厚みも変更さ
れる。
のヤング率及び損失係数が測定されるスプリットホプキ
ンソン棒試験機が示された模式的正面図である。このス
プリットホプキンソン棒試験機は、打撃棒5、入力棒7
及び出力棒9を備えており、これらは直線上に配置され
ている。入力棒7には、第一歪みゲージ11及び第二歪
みゲージ13が取り付けられている。出力棒9には、第
三歪みゲージ15及び第四歪みゲージ17が取り付けら
れている。入力棒7の後端19と出力棒9の前端25と
の間には、円盤状の試験片23が挟持されている。試験
片23は、カバー層3に用いられる樹脂組成物から試験
片の形状に成形されたものでもよく、また、ゴルフボー
ルから切り出されたものであってもよい。なお、試験片
23が成形される場合、その成形温度は、合成樹脂の円
滑な流動とエアー噛み込み防止との観点より、140℃
以上230℃以下とされる。このスプリットホプキンソ
ン棒試験機は、室温23℃、相対湿度50%の環境下に
置かれている。
チルメタアクリレート製の円柱であり、断面直径は20
mm、ヤング率は5300MPa、比重は1.19であ
る。打撃棒5の長さは、100mmである。入力棒7及
び出力棒9(以下、この入力棒7と出力棒9とは、「応
力棒」とも称される)の長さは、2000mmである。
第一歪みゲージ11は入力棒7の後端19から900m
mの位置に取り付けられており、第二歪みゲージ13は
入力棒7の後端19から600mmの位置に取り付けら
れている。また、第三歪みゲージ15は出力棒9の前端
21から300mmの位置に取り付けられており、第四
歪みゲージ17は出力棒9の前端21から600mmの
位置に取り付けられている。試験片23の長さ(すなわ
ち入力棒7の後端19と出力棒9の前端21との距離)
は4mmであり、試験片23の断面直径は18mmであ
る。
属材料の物性試験に用いられており、カバー層3のよう
な合成樹脂材料の評価には本来不向きなものである。図
2のスプリットホプキンソン棒試験機は、打撃棒5、入
力棒7及び出力棒9が合成樹脂製であり、打撃棒5及び
入力棒7が2000mmと大きく、かつ第一歪みゲージ
11と入力棒7の後端19との距離及び第二歪みゲージ
13と入力棒7の後端19との距離が大きいので、カバ
ー層3のような樹脂組成物の粘弾性特性値の測定にも適
している。
ってヤング率及び損失係数を測定する場合、まず、打撃
棒5を入力棒7の前端25に、14m/sの速度で衝突
させる。これによって入射波が生じ、この入射波は入力
棒7の後端19に向かって進む。この入射波の一部は、
入力棒7の後端19において反射し、反射波となって入
力棒7の前端25に向かって進む。入射波の一部は、入
力棒7の後端19から試験片23を透過し、さらに出力
棒9に伝播して透過波となり、出力棒9の後端27に向
かって進む。
みゲージ13によって実測される。打撃により生じる歪
み波の周波数は、2.5kHzから5.0kHz程度で
あるが、実際に各歪みゲージで測定される波形は10k
Hz以上の高周波のノイズが含まれた合成波である。こ
の合成波は10kHzローパスフィルターに通され、ノ
イズが除去される。さらに、入射波の時刻歴ベースライ
ン値をゼロとするゼロ補正が施される。歪み波が歪みゲ
ージに到達するまでは歪みゲージの実測値は本来ゼロで
あるべきであるが、実際は微量のノイズが入力されてゼ
ロからずれる。このズレによって測定の精度が低下して
しまうのを防止するため、上記ゼロ補正が行われる。こ
うして得られた第一歪みゲージ11及び第二歪みゲージ
13における時間軸歪みのそれぞれがフーリエ変換さ
れ、周波数軸歪みが求められる。そして、第一歪みゲー
ジ11及び第二歪みゲージ13における周波数軸歪みか
ら、伝達関数が導出される。第一歪みゲージ11と入力
棒7の後端19との距離X1と、第二歪みゲージ13と
入力棒7の後端19との距離X2との比(X1:X2)
が考慮されつつ、上記伝達関数に基づいて、入力棒7の
後端19における周波数軸歪みが推定される。この周波
数軸歪みがフーリエ逆変換されることにより、入力棒7
の後端19における入射波の時間軸歪み(歪みの時刻
歴)εiが得られる。
ゲージ13によって実測される反射波から、入力棒7の
後端19における反射波の時間軸歪み(歪みの時刻歴)
εrが得られる。また、第三歪みゲージ15及び第四歪
みゲージ17によって実測される透過波から、出力棒9
の前端21における透過波の時間軸歪み(歪みの時刻
歴)εtが得られる。
ら、下記数式(1)によって、試験片23内部の歪み速
度ε’が算出される。 ε’=(C0/L)・(εi−εr−εt) =((E/ρ)1/2/L)・(εi−εr−εt) −−−( 1) (数式(1)において、C0は応力棒中の波の伝播速度
(m/s)を表し、Lは試験片の長さ(m)を表し、E
は応力棒のヤング率(N/m2)を表し、ρは応力棒の
密度(kg/m3)を表す)
(2)によって試験片23内部の歪みεが算出される。
(m/s)を表し、Lは試験片の長さ(m)を表し、E
は応力棒のヤング率(N/m2)を表し、ρは応力棒の
密度(kg/m3)を表す)
式(3)によって試験片23内部の応力σが算出され
る。 σ=(E・A/(2As))・(εi+εr+εt) =(E・D2/(2(Ds)2))・(εi+εr+εt) −−− (3) (数式(3)において、Eは応力棒のヤング率(N/m
2)を表し、Aは応力棒の断面積(m2)を表し、As
は試験片の断面積(m2)を表し、Dは応力棒の直径
(m)を表し、Dsは試験片の直径(m)を表す)
刻歴のグラフが、図3に示されている。図3の曲線は、
ピークP以降しばらくはなだらかであるが、その後凹凸
状となる。ピークP以降のなだらかな段階での点Sを選
択し、この点Sにおける曲線に対する接線を画き、この
接線と時間軸との交点から緩和時間λを導出し、下記数
式(4)によって求められる曲線を点S以降の曲線と置
換することによって、歪み時刻歴全体をなだらかな曲線
とすることができる。これにより、最終的に得られる粘
弾性特性値へのノイズの影響を除去することができる。 ε(t)=ε0・e−t/λ −−−(4) (数式(4)において、ε0は接点における歪みを表
す)なお、点SはピークP以降のなだらかな段階であれ
ばどこでもよいが、通常はピークPから100μs後の
点が選択される。
刻歴全体をなだらかな曲線とすることができ、これによ
って最終的に得られる粘弾性特性値へのノイズの影響を
除去することができる。 σ(t)=σ0・e−t/λ −−−(5) (数式(5)において、σ0は接点における応力を表
す)
の歪み時刻歴及び応力時刻歴から、応力−歪み曲線が決
定される。図4は、典型的な応力−歪み曲線が示された
グラフである。この応力−歪み曲線から、下記の数式
(6)を用いて、試験片23内部のヤング率Esが算出
される。 Es=σmax/εmax −−−(6)
数式(7)を用いて、位相角δが算出される。 δ=sin−1((σa−σb)/σmax) −−−(7) そして、この位相角δより、損失係数(tanδ)が算
出される。
sの速度で衝突させた場合の試験片の歪み速度は秒速2
000から2500程度であり、また、歪み量は15%
から25%程度である。この歪みの変形挙動は、ゴルフ
ボールが打撃された場合の変形挙動に近いものである。
すなわち、このスプリットホプキンソン棒試験機によっ
て測定されるヤング率及び損失係数は、ゴルフボールが
実際に打撃されたときに近い状態における動的物性であ
る。
社の商品名「BR11」)100重量部、アクリル酸亜
鉛(三新化学社の商品名「サンセラーSR」)30重量
部、亜鉛華20重量部、ジクミルパーオキサイド(大内
新興化学社の商品名「パークミルD」)0.5重量部及
び架橋遅延剤としてのジフェニルジスルフィド0.5重
量部を密閉式混練機に投入して混練し、ゴム組成物を得
た。このゴム組成物を押出機で押し出し、円柱状の予備
成形体を作製した。この予備成形体を球状の金型に投入
し、160℃で30分間圧縮・加熱して、架橋ゴムから
なる直径38.4mmのコア(コア層)を作製した。
リケミカル社の商品名「ハイミラン1605」)50重
量部、他のアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカ
ル社の商品名「ハイミラン1706」)40重量部、さ
らに他のアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル
社の商品名「ハイミラン1856」)5重量部及びさら
に他のアイオノマー樹脂(エクソン化学社の商品名「ア
イオテック7010」)5重量部を混合し、押出機で押
し出してペレット状に粉砕した。この樹脂組成物を射出
成形機を用いて前述のコアに被覆してカバー層とし、前
処理後にペイントを施して、実施例1のゴルフボールを
得た。また、カバー層に用いられた樹脂組成物を直径1
8mm、厚み4mmの円盤状に成形して試験片を作製
し、図2に示されるスプリットホプキンソン棒試験機に
てヤング率及び損失係数を測定した。ヤング率は29
5.5MPaであり、損失係数は0.2013であっ
た。
を下記の表1に示されるように変量させた他は実施例1
と同様にして、実施例2のゴルフボールを得た。このゴ
ルフボールのカバー層に用いられた樹脂組成物のヤング
率は194.0MPaであり、損失係数は0.2236
であった。
010に代えてエチレンメチルメタクリレート樹脂(三
井デュポンポリケミカル社の商品名「ニュークレルAN
4311」)を配合した他は実施例1と同様にして、実
施例3のゴルフボールを得た。このゴルフボールのカバ
ー層に用いられた樹脂組成物のヤング率は156.2M
Paであり、損失係数は0.2845であった。また、
アイオテック7010に代えてポリエステル系熱可塑性
エラストマー(東レデュポン社の商品名「ハイトレル4
047」)を配合した他は実施例1と同様にして、実施
例4のゴルフボールを得た。このゴルフボールのカバー
層に用いられた樹脂組成物のヤング率は160.2MP
aであり、損失係数は0.2579であった。
06の配合量を30重量部とし、アイオテック7010
を配合せず、エチレンメチルメタクリレート樹脂(前述
の「ニュークレルAN4311」)を15重量部配合し
た他は実施例1と同様にして、実施例5のゴルフボール
を得た。このゴルフボールのカバー層に用いられた樹脂
組成物のヤング率は118.6MPaであり、損失係数
は0.4098であった。また、ハイミラン1706の
配合量を30重量部とし、アイオテック7010を配合
せず、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(前述の
「ハイトレル4047」)を15重量部配合した他は実
施例1と同様にして、実施例6のゴルフボールを得た。
このゴルフボールのカバー層に用いられた樹脂組成物の
ヤング率は127.6MPaであり、損失係数は0.3
768であった。
アイオノマー樹脂(前述の「ハイミラン1605」)5
0重量部とエチレンメチルメタクリレート樹脂(前述の
「ニュークレルAN4311」)50重量部とを用いた
他は実施例1と同様にして、比較例1のゴルフボールを
得た。このゴルフボールのカバー層に用いられた樹脂組
成物のヤング率は124.9MPaであり、損失係数は
0.6206であった。
樹脂として、エチレンメチルメタクリレート樹脂(前述
の「ニュークレルAN4311」)のみを用いた他は実
施例1と同様にして、比較例2のゴルフボールを得た。
このゴルフボールのカバー層に用いられた樹脂組成物の
ヤング率は54.8MPaであり、損失係数は0.37
25であった。また、カバー層の合成樹脂として、ポリ
エステル系熱可塑性エラストマー(前述の「ハイトレル
4047」)のみを用いた他は実施例1と同様にして、
比較例3のゴルフボールを得た。このゴルフボールのカ
バー層に用いられた樹脂組成物のヤング率は47.5M
Paであり、損失係数は1.1033であった。
各ゴルフボールにアルミニウム製の中空棒を速度45m
/sで衝突させ、反発係数を測定した。この測定結果
が、下記の表1に示されている。反発係数が高いゴルフ
ボールほど、反発性能に優れて飛距離がでるゴルフボー
ルである。
ングマシーンにドライバー(住友ゴム工業社の商品名
「ダンロップDP10」)を取り付け、ヘッドスピード
45m/sの条件で、各ゴルフボールを打撃した。この
際、ヘッドのサイドソール部に飛行方向と同軸となるよ
うに加速度ピックアップ計を装着し、最大加速度を測定
した。この最大加速度にヘッドの重量(210g)を乗
し、衝撃力を算出した。この測定結果が、下記の表1に
示されている。衝撃力が小さいゴルフボールほど、打撃
時にゴルファーに与える衝撃が少ないゴルフボールであ
る。
ゴルファーに打撃させ、フィーリングを評価させた。評
価点は、フィーリングがソフトで極めて良好なものを
「3点」とし、ややフィーリングがソフトで良好なもの
を「2点」とし、普通のものを「1点」とし、フィーリ
ングが硬いものを「0点」とした。そして、100名の
評価点の平均を算出した。この結果が、下記の表1に示
されている。
例1のゴルフボール、ヤング率が小さすぎる比較例2の
ゴルフボール及びヤング率が小さすぎかつ損失係数が大
きすぎる比較例3のゴルフボールでは、反発係数が低
い。一方、ヤング率が100MPa以上350MPa以
下であり、損失係数が0.2以上0.45以下であるカ
バー層が用いられた各実施例のゴルフボールでは、反発
係数が大きく、衝撃力及びフィーリングもほぼ良好であ
る。これらの結果より、本発明の優位性が確認された。
ボールは実際に打撃されたときに近い状態でのカバー層
の動的物性が最適化されているので、このゴルフボール
を打撃したゴルファーは大きな飛距離と良好なフィーリ
ングとを得ることができる。
ールが示された断面図である。
失係数が測定されるスプリットホプキンソン棒試験機が
示された模式的正面図である。
態が示されたグラフである。
ラフである。
属材料の物性試験に用いられており、カバー層3のよう
な合成樹脂材料の評価には本来不向きなものである。図
2のスプリットホプキンソン棒試験機は、打撃棒5、入
力棒7及び出力棒9が合成樹脂製であり、出力棒9及び
入力棒7が2000mmと大きく、かつ第一歪みゲージ
11と入力棒7の後端19との距離及び第二歪みゲージ
13と入力棒7の後端19との距離が大きいので、カバ
ー層3のような樹脂組成物の粘弾性特性値の測定にも適
している。
Claims (3)
- 【請求項1】 コア層とカバー層とを備えたゴルフボー
ルであって、 打撃棒の衝突速度が14.0m/sであるスプリットホ
プキンソン棒試験機によって測定されたヤング率が10
0MPa以上350MPa以下であり、損失係数が0.
2以上0.45以下である合成樹脂組成物からカバー層
が構成されていることを特徴とするゴルフボール。 - 【請求項2】 上記カバー層の厚みが0.5mm以上
4.0mm以下である請求項1に記載のゴルフボール。 - 【請求項3】 上記コア層が、ミクロ構造におけるシス
−1,4結合の占める比率が90%以上であるポリブタ
ジエンを主成分としている請求項1又は請求項2に記載
のゴルフボール。
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