JP2001137002A - 排水自在な履物 - Google Patents

排水自在な履物

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JP2001137002A
JP2001137002A JP31908099A JP31908099A JP2001137002A JP 2001137002 A JP2001137002 A JP 2001137002A JP 31908099 A JP31908099 A JP 31908099A JP 31908099 A JP31908099 A JP 31908099A JP 2001137002 A JP2001137002 A JP 2001137002A
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Chiifuan Chen
チーフアン チェン
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CHADWICK IND TAIWAN Inc
CHADWICK INDUSTRIES TAIWAN Inc
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CHADWICK IND TAIWAN Inc
CHADWICK INDUSTRIES TAIWAN Inc
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 靴に浸入した水の排出を迅速にでき、かつ排
水機構を形成するにおいてアウトソールの上面の形状や
構成品の複雑化を回避できること。 【解決手段】 浸入水を下方へ導くためにインソール形
成した導水面の下方のミッドソールまたはそれに相当す
るスペーサー層に、下方へ延びる透水孔が設けられる。
アウトソール2の上面には、透水孔に連なりヒール部1
1およびアーチ部12からボール部14へ延びると共
に、ボール部に向けて下がった傾斜を有する通水溝8が
形成される。アウトソール2におけるボール部14に
は、各通水溝8に連なる仮溜め空間9が確保され、アウ
トソール2の側面には、仮溜め空間9内の滞留水を履物
の側方に向けて排出する排水孔10が形成される。浸入
水の排出は迅速となり、外部から水がインソールに逆流
することもない。アウトソールには通水用の別部品も装
着されず、簡単な成形品を使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排水自在な履物に係
り、詳しくは、アウトソールにインソールが一体化され
ているシューズやサンダル等の履物であって、インソー
ルに水が浸入したとき、その浸入水を履物外へ排出でき
るようにした履物の排水構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シューズ等の履物は、通常、雨水や溜ま
り水さらには水遊びのときの海水や河川水が浸入するこ
とを予期した構造となるようには製作されていない。そ
れゆえ水が浸入した場合には自動的に排出させることが
できず、歩行を続けるかぎり湿潤状態は解消されない。
履物内に水が浸入すると以後歩行し難くなることは言う
までもなく、したがって水辺で使用する機会のある履物
では、排水機構を設けておくことが好ましい。
【0003】ところで、履物でも特に足を覆う甲被があ
るシューズの類では、足からの発汗でシューズ内が蒸れ
ることが多い。その靴蒸れを解消するために、従来から
種々な工夫が施されている。その一,二の例として、特
開平10−57103号公報および特開平10−179
205号公報に記載された単純な構成の排気構造があ
る。
【0004】特開平10−57103号公報に記載され
た水蒸気透過性の履物は、インソールの表面に多数の孔
が設けられ、インソールとアウトソールとの間に介在さ
せたフェルト層を介してインソールの孔に連なる孔が、
アウトソールにも設けられている。したがって、足から
の発汗による甲被内の水蒸気を靴底から排出することが
できる。
【0005】特開平10−179205号公報では、イ
ンソールをメッシュ材料で製作して通水性,通湿性を与
えておき、インソール直下のアウトソールに地面へ向か
って延びる5ないし8ミリメートル直径の通水用開口
が、踵部と土踏まず部に例えば各二箇所設けられてい
る。
【0006】いずれの例においても、甲被内の湿気等を
下方へ導出して靴底から排気するようにしている。しか
し、アウトソールの下面には孔や開口が存在しているこ
とから、歩行中に小石が噛み込んだり砂塵が侵入したり
して歩行を妨げたり、アウトソールの損傷を早めること
になる。勿論、この孔や開口を介して靴内の排水を行う
こともできるが、その反面、それを通して水も容易に浸
入することは避けられない。
【0007】ところで、排水可能ではないが、靴内の空
気を循環させて靴蒸れを防止するようにした構造が、特
開平8−154703号公報および実開平6−1550
2号公報に開示されている。
【0008】特開平8−154703号公報において
は、踵部に空気袋が内蔵され、歩行中の踵部に作用する
荷重の変化で空気袋を拡大縮小させ、それに基づくポン
ピング作用で甲被内の空気を循環させることができるよ
うになっている。これには、空気袋から延びる送風管に
連なる通気孔が、インソールの前部表面に多数設けられ
ている。
【0009】実開平6−15502号公報の構造は、イ
ンソールに多数設けた孔、踵部内に確保された空隙、こ
の空隙とインソールの孔とをアウトソールの上面を介し
て連通する溝を備えたものとなっている。歩行中に踵部
に荷重がかかり空隙が圧縮されると内部空気が溝を経て
インソールの孔から足裏に供給される。踵部の荷重が解
放されると空隙が復元して足裏の空気が取り入れられ、
これを繰り返して靴内が換気される。
【0010】いずれの例においても、アウトソールの上
面にはインソールとの間に空間を形成して、ポンピング
機構とインソールとの間の空気通路を確保するようにし
た例となっている。しかし、排水を直接もしくは間接的
に可能とするものではなく、単にシューズ内の空気を移
動させるすぎないものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の例とは異なり、
登録実用新案第3019307号には靴内に浸入した水
を積極的に排出できるようにした例が記載されている。
これは、アウトソールを連続気泡性ゴムと充実ゴムの積
層体で構成し、いずれの層も側面が外気に露出されてい
る。
【0012】インソールは透水性素材であり、靴内の水
がインソールを経て連続気泡性ゴム層に吸水され、側面
から外気に放出することができる。加えて、インソール
とアウトソールとを一体化するために全周を接着するゴ
ムテープの一部、とりわけそのつま先部に透水孔が設け
られられており、連続気泡性ゴム層に吸い込まれた水の
一部を透水孔からも放出させることができるようになっ
ている。
【0013】この例においては水を靴の側方や前方へ放
出することができるが、連続気泡性ゴム層は吸水状態が
長く続く傾向にある。なぜなら、細かい気泡体ゆえに迅
速な排水が容易でないからであり、靴内の湿潤状態の解
消に長時間を要する難点がある。もちろん、外気に露出
している連続気泡性ゴム層の側面やつま先部のゴムテー
プに設けた透水孔から、路面等の溜まり水や水辺の流水
を吸うことになる。さらには、ゴムテープから排出され
る水は前方へ放出されるので、放出水を再度吸い込むお
それも高い。
【0014】以上の説明から分かるように、先行する技
術においては、その構造を排水機能に適用する場合に一
長一短がある。すなわち、排水ができてもそのために長
時間を要すること、また排水可能である反面逆経路によ
る吸水も起こり得ること、排水孔に異物が噛み込む機会
が多く靴の損傷が早まる可能性が高いこと。通気等を図
るための機能部品を格納するためにアウトソールの上面
に複雑な形状を与えたり別部品を装着しておく必要があ
ること、といった問題が残る。
【0015】本発明は上記の問題に鑑みなされたもの
で、その目的は、靴に浸入した水の排出を迅速にできる
こと、外部から水が足裏まで逆流することがないこと、
排水機構を形成するにおいてアウトソールの上面の形状
の複雑化を回避して無用な空隙の残置や下面の開口をな
くし、歩行に支障の出る不安定感を除去できることを実
現した排水自在な履物を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、アウトソール
にインソールが一体化されているシューズやサンダル等
の履物であって、前記インソールに水が浸入したとき、
その浸入水を履物外へ排出できるようにした排水自在な
履物の構造に適用される。その特徴とするところは、図
1ないし図3を参照して、インソール4には浸入水を下
方へ導く導水面6が形成される一方、その導水面6の下
方に位置するミッドソール3またはそれに相当するスペ
ーサー層には、下方へ延びる透水孔7が設けられる。ア
ウトソール2の上面には、透水孔7に連なりヒール部1
1およびアーチ部12からボール部14へ延びると共
に、そのボール部14に向けて下がった傾斜を有する通
水溝8が形成される。アウトソール2におけるボール部
14には、各通水溝8に連なる仮溜め空間9が確保され
る。そして、アウトソール2の側面には、仮溜め空間9
内の滞留水を履物の側方に向けて排出する排水孔10が
形成されていることである。
【0017】導水面6は、例えば図2に示すように、メ
ッシュ編み材6Aで構成しておくとよい。なお、図8に
示すように、多数の下方へ延びる導出孔21を導水面に
形成しておくこともできる。
【0018】ミッドソール3またはそれに相当するスペ
ーサー層が、図3に示すように、クッション材3Aや保
形芯材3B等で構成されている場合、透水孔7はクッシ
ョン材3Aと保形芯材3B等とを重ね合わせた状態でパ
ンチングされた連続する貫通縦孔となっている。
【0019】通水溝8はボール部14へ延びる魚骨状に
形成され(図1を参照)、その通水溝8の各上流側端に
は導出水受け15が形成されていることである。
【0020】排水孔10には、図5に示すように、アウ
トソール2の外面の側方からプラスチック製等のニップ
ル18が嵌着される。
【0021】図11を参照して、仮溜め空間9A(図9
も参照)の底部が、排水孔10に向けて下がった傾斜を
有するようにしておくことが好ましい。
【0022】仮溜め空間9Aには、図9ないし図11に
示すように、弾性スポンジ22を嵌着しておくとよい。
【0023】図5を参照して、仮溜め空間9は浅い空隙
であり、その仮溜め空間の底部に排水孔10と連なる排
水溝17が形成され、その排水溝17が排水孔10に向
けて下がった傾斜を有するものとしておくことが好まし
い。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、インソールに導水面
が、その下方に透水孔が、アウトソールの上面にヒール
部およびアーチ部からボール部へ下り傾斜した通水溝
が、ボール部に仮溜め空間が、アウトソールの側面に排
水孔が、それぞれ形成されているので、履物内に浸入し
た水を上記各孔や溝等を介して履物の側方へ放出するこ
とができる。通水溝は傾斜していて浸入水がボール部に
向かいやすくなっていることや、仮溜め空間が歩行時に
最も長く接地して他部よりも低い位置にある機会の多い
箇所に設けられているので、集水効果が著しく高く、排
水時間が短くなる。
【0025】しかも、ボール部は他方の足を踏み出す際
に大きな押圧力が急激に作用することが多いので、滞留
水を加圧して噴出させやすくなる。滞留水を噴出した後
に押圧力が解放され仮溜め空間の容積が復元したとき履
物周囲の水を吸い込むことがあっても、その水は仮溜め
空間に溜まるだけで通水溝を遡ってインソールに逆流す
ることはない。
【0026】排出孔はアウトソールの側面に位置してい
るので歩行中に小石等の異物が噛み込むことはほとんど
なく、排水機構の存在によるアウトソールの損傷度は可
及的に低減される。なお、アウトソールには通水溝や仮
溜め空間等が設けられるが、これはアウトソールの製作
時に成形しておくことができ、これに排水用の別部品を
装着する必要もなく、アウトソールの構造の単純化が図
られる。
【0027】足載せ面の導水面をメッシュ編み材で形成
しておけば、インソールに積極的に孔をあけておく必要
がなく、浸入水を簡単に下方へ移動させることができ
る。そのメッシュ編み材に代えて多数の下方へ延びる導
出孔を形成しておく場合には、インソール自体の材質の
制限が緩和され、選択の幅が拡がる利点がある。
【0028】ミッドソールまたはそれに相当するスペー
サー層がクッション材や保形芯材等で構成されている場
合、それらを重ね合わせた状態でパンチングしておけ
ば、連続した貫通縦孔を簡単に形成することができ、か
つ通水も円滑なものとなる。
【0029】ボール部へ延びる通水溝が魚骨状であり、
その各上流側端に導出水受けが形成されていると、透水
孔からアウトソールに導出された水を通水溝に効率よく
導くことができ、排水時間の短縮が図られる。それのみ
ならず、ヒール部およびアーチ部におけるアウトソール
の有肉部が多く確保され、圧縮力に対する高い耐久性を
保持させることができる。
【0030】排水孔にアウトソールの外面の側方からプ
ラスチック製ニップルを嵌着させておけば、排水孔の開
口部周囲での破損が防止される。それのみならず、ニッ
プルの開口部分に薄膜を一体成形して逆止弁として機能
させることもでき、これによって水溜まり歩行時の仮溜
め空間への浸入量を抑制して、重量増加を抑えることが
可能となる。
【0031】仮溜め空間の底部が履物両側に設けられた
排水孔に向けて下がった傾斜を有していれば、歩行停止
中でも滞留水が自然に排出される。
【0032】仮溜め空間に弾性スポンジを介装しておけ
ば、仮溜め空間の存在によるアウトソール内の空洞部が
埋まり、踏みつけ部における不安定感を惹き起こすこと
を回避できる。弾性スポンジは踏みつけ部による押圧力
を受けると吸収した滞留水を簡単に吐き出すことがで
き、復元するときには各通水溝の流通水の吸引を促進し
て都合がよい。
【0033】仮溜め空間は浅い空隙であり、その底部に
排水孔と連なる下り傾斜の排水溝が形成されていると、
排水が円滑になされると共に浅い空隙であるゆえに、ま
た上方にミッドソールまたはそれに相当するスペーサー
層が存在することにより、踏みつけ部における不安定感
を惹起させることもない。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る排水自在な
履物を、その実施の形態を表した図面をもとにして詳細
に説明する。本発明は履物に浸入した水を自動的かつ迅
速に排出することができるようにしたものであり、各種
のシューズやサンダル等に適用することができる排水構
造を提供するものである。
【0035】図3は典型的なハイキングブーツ1の一例
を示し、ポリウレタン等を射出成形するなどして予め独
立して製作されたアウトソール(外底)2に、ミッドソ
ール3等を介して足載せ面を備えるインソール(中底)
4が積層して一体化されている。そして、甲被5の外か
らインソールに水が浸入したとき、その浸入水をブーツ
外へ排出できるようにした排水自在な構造を有したもの
なっている。
【0036】本排水構造は、図2に示すインソール4に
設けられた導水面6、図3に示すミッドソール3等に形
成された透水孔7、図1に示すアウトソール2の上面に
確保された通水溝8および仮溜め空間9、さらにはアウ
トソール2の側面に設けられた排水孔10を備えて、浸
入水を円滑に排出することができるように構成されてい
る。
【0037】順を追って個々に詳しく述べると、まず図
2を参照して、足裏が直接接触するインソール4には、
足裏に浸入した水を下方へ導く導水面6が形成される。
この導水面には、ポリアミド繊維と布糸を織り込んだ織
布,合成繊維製モノフィラメントのネットといった類の
メッシュ編み材6A等、すなわち通水性織布や透水性素
材が採用される。
【0038】この種のものを使用しておけば、インソー
ル4に積極的に孔をあけておく必要がなく、浸入水を簡
単に下方へ移動させることができる。ちなみに、インソ
ール4におけるヒール部(踵部)11やアーチ部(土踏
まず部)12の一部には、磨耗性の高い表皮13が必要
に応じて縫いつけられる。
【0039】このような導水面6すなわち足載せ面の下
方に位置する図3に示したミッドソール3またはそれに
相当するスペーサー層を構成するクッション材3Aや保
形芯材3B等には、下方へ延びる透水孔7が設けられて
いる(後述する図4ないし図7も参照)。このように、
ミッドソール3またはそれに相当するスペーサー層がク
ッション材や保形芯材等で構成されている場合、透水孔
7はクッション材と保形芯材等とを重ね合わせて接着し
た状態でパンチングされた例えば2ミリメートル直径の
貫通縦孔としておけばよい。このように上下に連続する
透水孔は、その穿孔操作が簡単であり、かつ通水も円滑
なものとなる。
【0040】一方、アウトソール2の上面には透水孔7
に連なり、図1に示すヒール部11およびアーチ部12
からボール部(踏みつけ部)14へ延びると共に、ボー
ル部に向けて下がった傾斜を有する通水溝8が多数形成
される(図4も参照)。本例においては、通水溝がボー
ル部へ延びる魚骨状に形成され、後述する仮溜め空間9
における集水効果が高められている。もちろん、通水溝
8の底が図4に示すように傾斜しているので、導出水の
流通も促進される。
【0041】加えて、通水溝8の各上流側端には直径が
例えば10ミリメートル程度の凹み15も備えられてい
る。これは導出水受けとして機能し、通水溝8と同様に
ミッドソール3等で被覆され(図6および図7を参
照)、透水孔7からアウトソール2に導出された水を通
水溝8へ効率よく導き、排水時間の短縮を図ることがで
きる。
【0042】それのみならず、ヒール部11およびアー
チ部12におけるアウトソール2の有肉部が多く確保さ
れ、歩行中の圧縮力に対して高い耐久性を維持するもの
となる。ちなみに、図5ないし図7は異なる位置におけ
るアウトソール2の横断面図であり、通水溝8や導出水
受け15の地面からの高さH2 (図6を参照)がH
1(図7を参照)より低くなっていることが分かる。
【0043】図1には、アウトソール2の上面に、透水
孔7に連なりトー部(つま先部)16からボール部14
へ延びると共に、ボール部に向け下がった傾斜を有する
弓状に曲がったトー側通水溝8Aも形成されている(図
4も参照)。このようにしておけば、足指近傍に溜まっ
た浸入水も迅速に仮溜め空間9へ導くことができる。歩
行中に力が入る指の部分の溜まり水が順次排出される
と、指のふやけるのが抑制され、歩行しやすくなること
は述べるまでもない。
【0044】いずれの通水溝8,8Aにも連なる仮溜め
空間9が、アウトソール2におけるボール部14に確保
される。この仮溜め空間9はアウトソール2とミッドソ
ール3等との積層間に形成された浅い空隙であり、図5
に示すように、その底部には後述する排水孔10と連な
る排水溝17(図1も参照)が形成されている。この排
水溝によって排水が円滑になされるが、仮溜め空間9そ
れ自体は浅い空隙であること、上方にミッドソール3ま
たはそれに相当するスペーサー層が存在すること等によ
り、踏みつけ部における不安定感を惹き起こさせること
はない。
【0045】アウトソール2の側面には、仮溜め空間9
に連なりその中の滞留水を履物の側方に向けて排出する
排水孔10が形成される。この排水孔10には、アウト
ソール2の外面の側方からプラスチック製ニップル18
を嵌着して接着しておくとよい。排水孔10の開口部周
囲でのアウトソールの破損が抑制される。
【0046】なお、ニップル18の開口部分に離接可能
な薄膜18aを一体成形して、これを逆止弁として機能
させることもできる。アウトソール2自体に逆止弁を一
体化しておくことは容易でないが、小さなプラスチック
成形品であるニップル18には簡単に薄膜18aを形成
しておくことができる。たとえ薄膜が損傷しても、ニッ
プルを交換すれば水溜まり歩行時の仮溜め空間9への浸
入量を抑制して、シューズ重量の増大化が抑えられる。
図1からも分かるように、この排水孔10はボール部1
4における足小指側に設けられている。このような配置
にしておけば、自分の他方の足に水を掛けることは可及
的に少なくなる。
【0047】以上のような構成によれば、次のようにし
て浸入水が移動し、履物外へ排出することができる。歩
行中に甲被5を越えて水がインソール4に浸入すると、
足裏に到達した水はインソール4の導水面6から下方の
透水孔7へ導かれる。透水孔7からアウトソール2の上
面に移動した水は、通水溝8,8Aを経て仮溜め空間9
に導かれる。
【0048】仮溜め空間9はボール部14に位置して、
歩行のたびに押圧力が作用したり解放されたりする。し
たがって、仮溜め空間9から排水孔10に向けて滞留水
が押し出される。排水孔10はアウトソール2の側面に
位置して、ニップル18の開口から噴出される。歩行中
は足が上がったり下がったり傾斜したりするから、その
動きにつれて水はアウトソール2内を移動するが、仮溜
め空間9は最も接地機会の多いボール部14に設けられ
ているので、その集水および排出は極めて円滑となる。
一方、歩行を中止している間や履物を脱いだ状態におい
ては、傾斜している通水溝8,8Aや排水溝17によっ
て、自然排水がなされる。
【0049】以上の説明から分かるように、上記した構
成によれば、履物内に浸入した水を各孔等を介して履物
の側方へ放出することができる。通水溝8,8Aは傾斜
していて浸入水がボール部14に向かいやすくなってい
ることや、仮溜め空間9が歩行時に最も長く接地して他
部よりも低い位置にある機会の多い箇所に設けられてい
るので、集水効果が著しく高く排水時間が短くなる。
【0050】しかも、ボール部14は他方の足を踏み出
す際に大きな押圧力が急激に作用することが多いので、
滞留水を加圧して噴出させやすくなる。滞留水を放出し
た後に押圧力が解放され仮溜め空間9の容積が復元した
とき履物周囲の水を吸い込むことがあっても、その水は
仮溜め空間9に溜まるだけで通水溝8,8Aを遡ってイ
ンソール4にまで逆流することがない。
【0051】排出孔はアウトソール2の側面に位置して
いるので、歩行中に小石等の異物が噛み込むということ
はほとんどなく、排水機構の存在に基因するアウトソー
ル2の損傷は可及的に回避される。なお、アウトソール
2には通水溝8,8Aや仮溜め空間9等が設けられる
が、これはアウトソール2の製作時に成形しておくこと
ができるもので、通水用の別部品を装着する必要もな
く、アウトソールの構造の単純化が図られる利点があ
る。
【0052】ところで、上の例では足載せ面を形成する
導水面6がメッシュ編み材6Aとなっている(図2を参
照)が、その導水面に図8に示すごとくインソール4を
貫通する多数の下方へ延びる多数の導出孔21を形成し
ておくようにしてもよい。このようにしておけば、浸入
水を導出孔を介して簡単に下方へ移動させることができ
ることは勿論であるが、インソール自体の材質の制限が
緩和され、インソール素材の選択の幅を拡げることがで
きる。
【0053】なお、図1に示した排水孔10をボール部
14における足親指側に設けるようにすることもできる
(図示せず)。このような配置にすれば、並列歩行時に
他人の足に向けて排水することはなく、また両脚を揃え
て着地した場合を除き歩行中でも自分の足に水を掛ける
こともほとんどない。この場合も排水溝17が排水孔1
0に向けて下り傾斜していれば、歩行していないときで
も滞留水を自然に排出できることは言うまでもない。
【0054】排水孔10をボール部14における足親指
側および足小指側の両方に設けるならば、仮溜め空間9
の一度の押圧動作による排水量が多くなり、排水速度が
高まる。この場合、排水溝17の底部に履物両側に設け
られた排水孔10に向けて下がった傾斜を与えておけ
ば、歩行停止中でも滞留水の自然排出が迅速になされる
ことになる。
【0055】図9は、異なる形状の仮溜め空間9Aを設
けた例である。この仮溜め空間には上記した排水溝17
(図1を参照)が形成されず、仮溜め空間自体が図10
や図11に示すように深くなっている。したがって、ア
ウトソール2とミッドソール3等との積層間に確保され
仮溜め空間9Aの底部自体に排水孔10に向けて下がっ
た傾斜が与えられている。この傾斜は排水溝17(図1
を参照)に与えた傾斜と同様に機能することは述べるま
でもない。したがって、排水孔が左右のいずれに存在し
ても前述した図1における思想を適用することができ
る。
【0056】ちなみに、この仮溜め空間9Aの底部に与
えた傾斜や前記した排水溝17の傾斜は是非必要という
ものではないが、自然排水作用を円滑にするためには都
合のよいことは述べるまでもない。
【0057】ところで、仮溜め空間9Aを図のごとく深
くすると、接地時に踏みつけ部が上下に変化しやすくな
り、歩き心地が劣る。そのために、仮溜め空間にはウレ
タン材等の弾性スポンジ22が嵌着されて空間が埋めら
れ、かつ復元弾性力を補うようにしておくとよい。な
お、この弾性スポンジ22の下面には縦横方向に延びる
洞孔23が形成され、仮溜め空間9Aの底部の水の流動
が円滑となるように配慮が施されている。
【0058】このような弾性スポンジ22によって仮溜
め空間9の存在によるアウトソール2内の空洞部が埋め
られ、ボール部における歩行中の不安定感の発生が回避
される。弾性スポンジはボール部による押圧力を受ける
と吸収した滞留水を簡単に吐き出すことができ、復元す
るときには各通水溝8,8Aの流通水の吸引を促進する
ようにも作用する。なお、図9ないし図11において、
ニップルは描かれていない。
【0059】以上の説明ではハイキングブーツを例にし
て排水構造を述べたが、サンダルとりわけビーチサンダ
ル等の水遊び用のサンダルや、甲被のあるハイキングシ
ューズ,トレッキングシューズといったもの、その他の
履物にも適用することができる。いずれにしても、浸入
した水の排出を迅速にでき、外部から水がインソールに
まで逆流することはない。
【0060】排水機構を形成するにおいてアウトソール
の上面形状に複雑化をきたすことはなく、無用な空隙の
残置をなくし、歩行に支障の出る不安定感を排除するこ
とができる。排水孔に異物が噛み込み損傷しやすくなる
といったことはなく、排水のための独立機能部品を格納
するためにアウトソールの上面に複雑な形状を与えたり
部品を装着する必要もなくなる等の種々な利点が発揮さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る排水自在な履物に適用されるア
ウトソールの一例の平面図。
【図2】 導水面をメッシュ編み材で形成したインソー
ルの平面図。
【図3】 本発明に係る排水構造を適用した内部構造の
一部を示すハイキングシューズの斜視図。
【図4】 図1におけるA−A線矢視縦断面図。
【図5】 図1におけるB−B線矢視横断面図。
【図6】 図1におけるC−C線矢視横断面図。
【図7】 図1におけるD−D線矢視横断面図。
【図8】 導水面に多数の導出孔を設けたインソールの
平面図。
【図9】 異なる構造の仮溜め空間を備えたアウトソー
ルの部分平面図。
【図10】 図9におけるE−E線矢視縦断面図。
【図11】 図9におけるF−F線矢視横断面図。
【符号の説明】 1…ハイキングブーツ(履物)、2…アウトソール(外
底)、3…ミッドソール、3A…クッション材、3B…
保形芯材、4…インソール(中底)、6…導水面、6A
…メッシュ編み材、7…透水孔(貫通縦孔)、8…通水
溝、9,9A…仮溜め空間、10…排水孔、11…ヒー
ル部(踵部)、12…アーチ部(土踏まず部)、14…
ボール部(踏みつけ部)、15…凹み(導出水受け)、
17…排水溝、18…ニップル、21…導出孔、22…
弾性スポンジ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アウトソールにインソールが一体化され
    ているシューズやサンダル等の履物であって、前記イン
    ソールに水が浸入したとき、その浸入水を履物外へ排出
    できるようにした排水自在な履物の構造において、 前記インソールには浸入水を下方へ導く導水面が形成さ
    れる一方、該導水面の下方に位置するミッドソールまた
    はそれに相当するスペーサー層には、下方へ延びる透水
    孔が設けられ、 前記アウトソールの上面には、前記透水孔に連なりヒー
    ル部およびアーチ部からボール部へ延びると共に、該ボ
    ール部に向けて下がった傾斜を有する通水溝が形成さ
    れ、 前記アウトソールにおけるボール部には、上記各通水溝
    に連なる仮溜め空間が確保され、 前記アウトソールの側面には、前記仮溜め空間内の滞留
    水を履物の側方に向けて排出する排水孔が形成されてい
    ることを特徴とする排水自在な履物。
  2. 【請求項2】 前記導水面はメッシュ編み材で構成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載された排水自在
    な履物。
  3. 【請求項3】 前記導水面には、多数の下方へ延びる導
    出孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    された排水自在な履物。
  4. 【請求項4】 前記ミッドソールまたはそれに相当する
    スペーサー層がクッション材や保形芯材等で構成されて
    いる場合、前記透水孔はクッション材と保形芯材等とを
    重ね合わせた状態でパンチングされた連続する貫通縦孔
    となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3
    のいずれか一項に記載された排水自在な履物。
  5. 【請求項5】 前記通水溝は前記ボール部へ延びる魚骨
    状に形成され、該通水溝の各上流側端には導出水受けが
    形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項
    4のいずれか一項に記載された排水自在な履物。
  6. 【請求項6】 前記排水孔には、アウトソールの外面の
    側方からプラスチック製ニップルが嵌着されていること
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に
    記載された排水自在な履物。
  7. 【請求項7】 前記仮溜め空間の底部が前記排水孔に向
    けて下がった傾斜を有することを特徴とする請求項1な
    いし請求項6のいずれか一項に記載された排水自在な履
    物。
  8. 【請求項8】 前記仮溜め空間には、弾性スポンジが介
    装されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7
    のいずれか一項に記載の排水自在な履物。
  9. 【請求項9】 前記仮溜め空間は浅い空隙であり、該仮
    溜め空間の底部に前記排水孔と連なる排水溝が形成さ
    れ、該排水溝が前記排水孔に向けて下がった傾斜を有す
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか
    一項に記載された排水自在な履物。
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