JP2001136754A - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JP2001136754A
JP2001136754A JP31393899A JP31393899A JP2001136754A JP 2001136754 A JP2001136754 A JP 2001136754A JP 31393899 A JP31393899 A JP 31393899A JP 31393899 A JP31393899 A JP 31393899A JP 2001136754 A JP2001136754 A JP 2001136754A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直流短絡時において、直流コンテ゛ンサの放電を抑
制でき、インハ゛ータの破壊を防止する。 【解決手段】 直流電源11に対し、コンテ゛ンサ12と、直流電
源11から供給される直流電圧を交流電圧に交換するインハ゛
ータ13とを各々並列に接続してなる電力変換装置10におい
て、コンテ゛ンサ12の負側端子にアノート゛が接続され、直流電源1
1の負側ラインにカソート゛が接続されたタ゛イオート゛41と、インハ゛ータ13
の出力電流を検出し、その結果に応じて電流を出力する
変流器42と、タ゛イオート゛41に並列に接続され、変流器42に
より出力された電流を整流し、その電流をインヒ゜ータ゛ンス45
を介してタ゛イオート゛41に順方向に供給する整流回路44と、
変流器42と整流回路44との間に接続され、オン状態の制御
入力を受けたとき、変流器42により出力された電流を短
絡させるスイッチ回路43と、直流短絡を検出したとき、オン状
態の制御入力をスイッチ回路43に与える短絡制御手段とを備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流電圧を交流電
圧に変換する電力変換装置に係り、特に直流短絡時に発
生する直流コンデンサの短絡電流によるインバータの破
壊を防止する電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電力、産業、民生、家庭等の各
分野では、比較的大容量の電力制御や電源供給の際に、
電圧、電流、周波数、位相といった電力の形態を変換す
るための電力変換装置が広く用いられている。
【0003】この種の電力変換装置としては、例えば、
直流電源としてのコンバータに対し、コンバータの出力
電力を平滑化する直流コンデンサと、平滑化された直流
電力を交流電力に変換するインバータとからなる構成が
典型的に知られている。
【0004】しかしながら、この種の電力変換装置は、
直流短絡が発生した場合、インバータに耐量以上の電流
が流れる恐れがある。特に、電圧型の電力変換装置の場
合は、直流コンデンサの放電電流が重畳されて数十kA
の電流が流れる場合もある。
【0005】このため、従来からインバータを保護する
ために様々な手法がとられている。
【0006】図9(a)、図9(b)は、これら手法を
用いた電力変換装置の構成例を示す回路図である。
【0007】図9(a)に示す電力変換装置は、外部の
交流電源32に接続されたコンバータ部11に対して直
流コンデンサ12とインバータ部13とが並列に接続さ
れた基本構造において、インバータ部13の上流側およ
び下流側に保護用のアームヒューズ21、22が挿入さ
れている。
【0008】コンバータ部11は、交流電源32から供
給される交流電圧を直流電圧に変換する。この変換され
た直流電圧は直流コンデンサ12およびアームヒューズ
21を介してインバータ部13に印加される。インバー
タ部13は、印加された直流電圧を交流電圧に変換して
負荷33に供給する。
【0009】ここで電力変換装置に直流短絡が生じたと
き、直流コンデンサ12の放電電流が重畳され、インバ
ータ部13の主回路素子である半導体素子に流れる電流
が上昇する。しかしながら、放電電流の重畳に伴い、ア
ームヒューズ21がインバータ部13の半導体素子の最
大定格電流内で切断されるので、インバータ部13の半
導体素子は保護される。
【0010】一方、図9(b)に示す電力変換装置は、
図9(a)におけるアームヒューズ21、22に代え
て、直流リアクトル23、24を備えた構成としてい
る。ここで、電力変換装置に直流短絡が生じた場合、直
流リアクトル23が直流短絡電流の早い立ち上がりを遅
らせ、かつピーク電流を抑えて、インバータ部13に流
れる電流を半導体素子の耐量以下に抑制する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような電力変換装置では、図9(a)に示す構成の場
合、アームヒューズ21の切断によりインバータ部13
を保護するため、直流短絡の発生毎にアームヒューズ2
1を交換する必要が生じる。また、インバータ部13の
半導体素子が健全でも、アームヒューズ21を交換しな
ければ運転できないため、再運転までに時間がかかり、
経済的な負担が大きいという問題がある。
【0012】一方、図9(b)に示す構成の場合、直流
リアクトル23により直流短絡電流を抑制するため、過
渡状態を過ぎると、インバータ部13に最大定格以上の
電流が流れ込んでインバータ部13の半導体素子が破壊
される可能性がある。
【0013】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、直流短絡時において、直流コンデンサの放
電を抑制でき、インバータの破壊を防止し得る電力変換
装置を提供することを目的とする。
【0014】また、本発明の他の目的は、直流短絡から
の復旧の際に、保護用の回路部品の交換を不要とし、迅
速に運転を再開し得る電力変換装置を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0016】すなわち、請求項1の発明では、直流電源
に対して、直流コンデンサと、直流電源から供給される
直流電圧を交流電圧に変換するインバータとをそれぞれ
並列に接続してなる電力変換装置において、直流コンデ
ンサの負側端子にアノードが接続され、直流電源の負側
供給ラインにカソードが接続されたダイオードと、イン
バータの出力電流を検出し、この検出結果に応じて2次
電流を出力する変流器と、ダイオードに並列に接続さ
れ、変流器により出力された2次電流を整流し、得られ
た直流電流をインピーダンスを介してダイオードに順方
向に供給する整流回路と、変流器と整流回路との間に接
続され、オン状態の制御入力を受けたとき、変流器によ
り出力された2次電流を短絡させるスイッチ回路と、直
流短絡を検出したとき、オン状態の制御入力をスイッチ
回路に与える短絡時制御手段とを備える。
【0017】請求項2の発明では、請求項1の発明の電
力変換装置において、直流電源は、交流電源から供給さ
れる交流電圧を変換し、得られた直流電圧を直流コンデ
ンサに供給するコンバータであり、変流器は、インバー
タの出力電流に代えて、交流電源からコンバータに供給
される入力電流を検出する。
【0018】請求項3の発明では、直流電源に対して、
直流コンデンサと、直流電源から供給される直流電圧を
交流電圧に変換するインバータとをそれぞれ並列に接続
してなる電力変換装置において、直流コンデンサの負側
端子にアノードが接続され、直流電源の負側供給ライン
にカソードが接続されたダイオードと、ダイオードに並
列に接続され、直流電源から供給される直流電流を検出
し、この検出結果に応じて2次電流を、インピーダンス
を介してダイオードの順方向に出力する変流器と、変流
器とダイオードとの間に接続され、オン状態の制御入力
を受けたとき、変流器により出力された2次電流を短絡
させるスイッチ回路と、直流短絡を検出したとき、オン
状態の制御入力をスイッチ回路に与える短絡時制御手段
とを備える。
【0019】請求項4の発明では、直流電源に対して、
直流コンデンサと、直流電源から供給される直流電圧を
交流電圧に変換するインバータとをそれぞれ並列に接続
してなる電力変換装置において、直流コンデンサの負側
端子にアノードが接続され、直流電源の負側供給ライン
にカソードが接続されたダイオードと、ダイオードに並
列に接続され、直流電圧をインピーダンスを介してダイ
オードに順方向に供給する電源回路と、ダイオードと電
源回路との間に接続され、オフ状態の制御入力を受けた
とき、電源回路による直流電圧の供給を遮断する遮断回
路とを備え、直流短絡を検出したとき、オフ状態の制御
入力を遮断回路に与える短絡時制御手段とを備える。
【0020】請求項5の発明では、請求項4に記載の電
力変換装置において、遮断回路に代えて、電源回路とダ
イオードとの間に接続され、オフ状態の制御入力を受け
たとき、電源回路から供給される直流電流をダイオード
に供給せずに電源回路の負側にバイパスさせるバイパス
手段を備え、短絡時制御手段は、直流短絡を検出したと
き、オフ状態の制御入力をバイパス手段に与える。
【0021】請求項6の発明では、直流電圧を供給する
直流電源と、直流電源の正側供給ラインに接続され、直
流電源から供給される正側の直流電圧を平滑化する第1
の直流コンデンサと、直流電源の負側供給ラインに接続
され、直流電源から供給される負側の直流電圧を平滑化
する第2の直流コンデンサと、第1および第2の直流コ
ンデンサの直流回路に並列に接続され、直流電源から供
給される正側および負側の直流電圧を交流電圧に変換す
る接地された中性点クランプ型インバータと、第1の直
流コンデンサの負側端子にアノードが接続され、カソー
ドが接地された第1のダイオードと、直流電源の正側供
給ラインに接続され、正側供給ラインを流れる電流を検
出し、この検出結果に応じて2次電流を出力する第1の
変流器と、第1のダイオードに並列に接続され、第1の
変流器から出力された2次電流を整流し、得られた直流
電流を第1のインピーダンスを介して第1のダイオード
に順方向に供給する第1の整流回路と、第1の変流器と
第1の整流回路との間に接続され、オン状態の制御入力
を受けたとき、第1の変流器により出力された2次電流
を短絡させる第1のスイッチ回路と、第2の直流コンデ
ンサの正側端子にカノードが接続され、アノードが接地
された第2のダイオードと、直流電源の負側供給ライン
に接続され、負側供給ラインを流れる電流を検出し、こ
の検出結果に応じて2次電流を出力する第2の変流器
と、第2のダイオードに並列に接続され、第2の変流器
から出力された2次電流を整流し、得られた直流電流を
第2のインピーダンスを介して第2のダイオードに順方
向に供給する第2の整流回路と、第2の変流器と第2の
整流回路との間に接続され、オン状態の制御入力を受け
たとき、第2の変流器により出力された2次電流を短絡
させる第2のスイッチ回路と、直流短絡を検出したと
き、オン状態の制御入力を第1および第2のスイッチ回
路のうち少なくとも一方に与える短絡時制御手段とを備
える。
【0022】請求項7の発明では、請求項6の発明の電
力変換装置において、第1ならびに第2の変流器、第1
ならびに第2の整流回路、および第1ならびに第2のス
イッチ回路に代えて、第1のダイオードに並列に接続さ
れ、直流電圧を第1のインピーダンスを介して第1のダ
イオードに順方向に供給する第1の電源回路と、第1の
ダイオードと第1の電源回路との間に接続され、オフ状
態の制御入力を受けたとき、第1の電源回路による直流
電圧の供給を遮断する第1の遮断回路と、第2のダイオ
ードに並列に接続され、直流電圧を第2のインピーダン
スを介して第2のダイオードに順方向に供給する第2の
電源回路と、第2のダイオードと第2の電源回路との間
に接続され、オフ状態の制御入力を受けたとき、第2の
電源回路による直流電圧の供給を遮断する第2の遮断回
路とを備え、短絡時制御手段は、直流短絡を検出したと
き、オン状態の制御入力に代えて、オフ状態の制御入力
を第1および第2の遮断回路のうち少なくとも一方に与
える。
【0023】したがって、本発明は以上のような手段を
講じたことにより、直流コンデンサの負側に順方向に直
列接続されたダイオードを設け、通常時にはこのダイオ
ードに順方向電流を流し(順方向バイアス電圧を印加
し)、直流短絡検出時にはダイオードの順方向電流を遮
断することにより、直流コンデンサの導通状態を制御し
ている。
【0024】すなわち、請求項1から請求項7の発明の
電力変換装置においては、直流短絡が発生した場合であ
っても、ダイオードに流れる電流を遮断することによっ
て、直流コンデンサから流出する電流を抑制することが
でき、インバータの破壊を防止することができる。ま
た、従来とは異なり、アームヒューズを用いないので直
流短絡からの復旧の際に、保護用の回路部品の交換を不
要にでき、迅速に運転を再開することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の各実施の形態に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0026】なお、以下の各実施の形態の説明に用いる
図中の符号は、図9と同一部分については同一符号を付
している。
【0027】(第1の実施の形態)図1は第1の実施の
形態に係る電力変換装置の構成例を示す回路図である。
【0028】この電力変換装置は、前述したコンバータ
部11、直流コンデンサ12及びインバータ部13から
なる基本構造に対し、保護装置40を設けている。な
お、こららコンバータ部11、直流コンデンサ12、イ
ンバータ部13及び保護装置40は、主回路部10を構
成している。
【0029】ここで、保護装置40は、直流コンデンサ
12の負側端子にアノードを接続されたダイオード41
と、インバータ部13の出力電流を検出して、この検出
された出力電流に応じて2次電流を出力する変流器42
と、この変流器42から出力される2次電流を整流して
直流に変換する整流回路44と、変流器42と整流回路
44との間に接続され、オン状態の制御入力を受けたと
き、変流器42より出力された2次電流を短絡する半導
体スイッチ43と、整流回路44で整流された電流が供
給されるインピーダンス45とを備えている。
【0030】なお、インピーダンス45と整流回路44
とは、インピーダンス45の出力がダイオード41のア
ノードに入力され、且つダイオード41のカソードから
の出力が整流回路44に入力されるように、ダイオード
41と並列に接続されている。
【0031】このような保護装置40では、整流回路4
4が変流器42の2次電流を直流電流i2に変換すると
ともに、インピーダンス45を介してダイオード41の
順方向に直流電流idを供給可能となっている。
【0032】なお、図示しないが、ダイオード41を流
れる順方向電流は、この直流電流idを基準とし、直流
コンデンサ12を流れるリプル電流に応じて僅かに変動
する(見かけ上、直流電流id以下の電流がダイオード
41の逆方向に入出力されている)。
【0033】また、この電力変換装置は、図示しない短
絡時制御装置により、直流短絡の発生を検知するととも
に、オン状態の制御入力を半導体スイッチ43に与える
一方、コンバータ部11を停止(ゲートブロック)させ
る機能をもっている。この短絡時制御装置は、インバー
タ部13の前段側に配置される。
【0034】次に、以上のように構成された本実施の形
態に係る電力変換装置の動作を図2のタイミングチャー
トを用いて説明する。
【0035】電力変換装置が正常に運転している状態に
おいては、インバータ部13に供給される直流電流i1
は、図2に示すように、規則的にのこぎり状に変化する
(時点t=0〜t0)。また、整流回路44から出力さ
れる直流電流i2、およびダイオード41を流れる直流
電流idは、時間に対しほぼ一定値を示す。
【0036】次に、正常な状態において、時点t0で直
流短絡が発生したとする。このとき、直流コンデンサ1
2の放電電流により、直流電流i1が上昇する。続いて
直流電流i1が、直流短絡検出用に予め設定された電流
レベルisに到達する(時点t1)と、図示しない短絡
時制御装置が直流短絡を検知する。このとき、短絡時制
御装置は、コンバータ部11をゲートブロックし、交流
電源32からの電力の供給を遮断させる一方、オン状態
の制御入力を半導体スイッチ43に与える。これによっ
て、応答の速い半導体スイッチ43がオン状態となり、
変流器42の2次電流が短絡される。
【0037】変流器42の2次電流の短絡により、ダイ
オード41に流れていた直流電流idが遮断され、その
結果、ダイオード41がオフ(順方向バイアス以下)と
なる。
【0038】ダイオード41がオフとなると、直流コン
デンサ12の放電電流は整流回路44側へ回り込み、更
にインピーダンス45で抑制される。これにより、直流
コンデンサ12の放電電流量が低減され、インバータ部
13の半導体素子が過電流から保護される。
【0039】上述したように本実施の形態によれば、直
流電流i1と所定の電流レベルisとの比較により、電
力変換装置の主回路部10で直流短絡が発生した場合で
あっても、応答の速い半導体スイッチ43により変流器
42の2次側を短絡させてダイオード41をオフとする
ことにより、直流コンデンサ12から流出する放電電流
を抑制することができる。
【0040】その結果、直流短絡が発生した場合におい
ても、インバータ部13の破壊を防止することができ
る。
【0041】また、保護装置40をダイオード41、変
流器42、半導体スイッチ43、整流回路44及びイン
ピーダンス45から構成したので、直流短絡からの復旧
の際に、保護用の回路部品の交換を不要とし、迅速に運
転を再開することができる。
【0042】(第2の実施の形態)図3は、第2の実施
の形態に係る電力変換装置の構成例を示す回路図であ
り、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省
略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0043】なお、以下の各実施の形態についても同様
にして、重複した説明を省略する。
【0044】すなわち、本実施の形態は、第1の実施の
形態の変形例であり、図3に示すように、変流器42
が、インバータ部13の出力電流に代えて、交流電源3
2からコンバータ部11に供給される入力電流を検出す
るように配置された構成となっている。
【0045】以上のような構成としても、第1の実施の
形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0046】(第3の実施の形態)図4は第3の実施の
形態に係る電力変換装置の構成例を示す回路図である。
【0047】すなわち、本実施の形態は、第1の実施の
形態の変形例であり、図4に示すように、整流回路44
を省略し、更に変流器42が、インバータ部13の出力
電流に代えて、コンバータ部11から供給される直流電
流を検出するように配置された構成となっている。
【0048】以上のような構成としても、第1の実施の
形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0049】(第4の実施の形態)図5は第4の実施の
形態に係る電力変換装置の構成例を示す回路図である。
【0050】すなわち、本実施の形態は、第1の実施の
形態の変形例であり、変流器42、整流回路44、およ
び半導体スイッチ43に代えて、ダイオード41に並列
に接続され、直流電圧をインピーダンス45を介してダ
イオード41に順方向に供給する直流電源46を備えて
いる。
【0051】また、ダイオード41と直流電源46との
間には、オフ状態の制御入力を受けたときに、直流電源
46からの直流電圧の供給を遮断する自己消弧型素子4
7を備えている。
【0052】更に、図示しない短絡時制御装置は、直流
短絡を検出したとき、オン状態の制御入力に代えて、オ
フ状態の制御入力を自己消弧型素子47に与える機能を
もっている。
【0053】以上のような構成としても、直流短絡が発
生した場合、自己消弧型素子47がオフとされることに
より、直流コンデンサ12から流出する放電電流を抑制
することができ、第1の実施の形態と同様の作用効果を
得ることができる。
【0054】なお、本実施の形態は、直流電源46のみ
がダイオード41に直流電流を流す場合について説明し
たが、これに限らず、本実施の形態に係る直流電源4
6、インピーダンス45及び自己消弧型素子47からな
る電源回路を、上述したとおり、図1、図3または図4
に示すダイオード41に順方向に直流電流を供給するよ
うに並列接続し、直流電源46と変流器42との両者で
ダイオード41に直流電流を流す構成に変形しても、本
実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0055】(第5の実施の形態)図6は第5の実施の
形態に係る電力変換装置の構成例を示す回路図である。
【0056】すなわち、本実施の形態は、第1の実施の
形態の変形例であり、中性点クランプ型インバータへの
適用を図るものであって、具体的には図6に示すよう
に、インバータ部13に代えて、コンバータ部11から
の正側供給ラインP1および負側供給ラインN1に接続
され、且つ両ラインP1、N1間に接地(中性点)ライ
ンG1を有する中性点クランプ型インバータ部16を備
えている。
【0057】これに伴い、保護装置40は、前述同様の
構成を有するものの、正側供給ラインP1と接地ライン
G1との間(以下、正側ともいう)に設置された正側保
護装置(#a)と、負側供給ラインと接地ラインG1と
の間(以下、負側ともいう)に配置された負側保護装置
40(#b)との2つの装置として設けられている。な
お、(#a)の添字は正側に属する要素を示し、(#
b)の添字は負側に属する要素を示している。
【0058】ここで、正側保護回路40(#a)は、前
述した通りに接続されたダイオード41(#a)、変流
器42(#a)、半導体スイッチ43(#a)、整流回
路44(#a)およびインピーダンス45(#a)から
なる構成を備えている。
【0059】変流器42(#a)は、正側供給ラインP
1に設けられ、正側供給ラインP1の電流を検出すると
ともに、この検出結果に応じて2次電流を半導体スイッ
チ43(#a)を介して整流回路44(#a)に出力す
る。
【0060】一方、負側保護回路40(#b)は、前述
同様にダイオード41(#b)、変流器42(#b)、
半導体スイッチ43(#b)、整流回路44(#b)お
よびインピーダンス45(#b)からなる構成を備える
が、極性の関係により、各要素41(#b)〜45(#
b)の配置が若干異なっている。
【0061】すなわち、ダイオード41(#b)は、ア
ノードが正側主回路部10(#a)のダイオード41
(#a)のカソードに接続されている。すなわち、負側
のダイオード41(#b)のアノード側は接地されてい
る。
【0062】また、ダイオード41(#b)のカソード
は、直流コンデンサ12(#b)の正側端子に接続され
ている。直流コンデンサ12(#b)の負側端子は、コ
ンバータ部11の負側供給ラインN1に接続されてい
る。
【0063】また、この負側供給ラインN1には、変流
器42(#b)が設けられている。この変流器42(#
b)は、負側供給ラインN1の電流を検出し、この検出
結果に応じて2次電流を半導体スイッチ43(#b)を
介して整流回路44(#b)に出力するものである。
【0064】整流回路44(#b)は、ダイオード41
(#b)に並列に接続されており、変流器42(#b)
から出力された2次電流を整流し、得られた直流電流i
2’をインピーダンス45(#b)を介してダイオード
41(#b)の順方向に直流電流id’を供給可能とな
っている。
【0065】なお、ダイオード41(#b)を流れる順
方向電流、および半導体スイッチ43(#b)は、前述
同様のものである。
【0066】更に、図示しない短絡時制御装置は、前述
した機能に加え、直流短絡の発生を検知したとき、オン
状態の制御入力を半導体スイッチ43(#a)または半
導体スイッチ43(#b)に与える機能をもっている。
この短絡時制御装置は、中性点クランプ型インバータ部
16の前段側に配置される。
【0067】以上のような構成としても、直流短絡が発
生した場合、ダイオード41(#a)およびダイオード
41(#b)の少なくとも一方がオフ(順方向バイアス
以下)とされることにより、正側または負側の直流コン
デンサ12(#a)、12(#b)あるいはその両方1
2(#a、#b)から流出する放電電流を抑制すること
ができ、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ること
ができる。
【0068】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、次のように変形しても同様に実施でき
るものである。
【0069】すなわち、変流器42(#a、#b)を交
流電源32とコンバータ部11との間に設ける、あるい
は、変流器42(#a、#b)を中性点クランプ型イン
バータ部16と負荷33との間に設けても、上記と同様
な効果を得ることができる。
【0070】(第6の実施の形態)図7は第6の実施の
形態に係る電力変換装置の構成例を示す回路図である。
【0071】すなわち、本実施の形態は、第5の実施の
形態に第4の実施の形態を適用させた変形例であり、具
体的には図7に示すように、正側および負側保護装置4
0(#a、#b)がそれぞれ、第4の実施の形態に示し
た如く、直流電源46(#a、#b)、インピーダンス
45(#a、#b)、ダイオード41(#a、#b)及
び自己消弧型素子47(#a、#b)からなる閉ループ
回路として構成されている。
【0072】なお、図示しない短絡時制御装置は、前述
同様に、直流短絡の発生を検知したとき、オフ状態の制
御入力を自己消弧型素子47(#a)または自己消弧型
素子47(#b)に与える機能をもっている。この短絡
時制御装置は、中性点クランプ型インバータ部16の前
段側に配置される。
【0073】以上のような構成としても、直流短絡が発
生した場合、自己消弧型素子47(#a)および自己消
弧型素子47(#b)の少なくとも一方がオフとされる
ことにより、正側または負側の直流コンデンサ12(#
a)、12(#b)、あるいはその両方12(#a、#
b)から流出する放電電流を抑制することができ、第4
および第5の実施の形態と同様の作用効果を得ることが
できる。
【0074】なお、本実施の形態は、正側および負側で
2つの直流電源46(#a)、46(#b)を設けた場
合について説明したが、これに限らず、両直流電源46
(#a)、46(#b)を共通化し、インピーダンス4
5(#a、#b)、ダイオード41(#a、#b)およ
び自己消弧型素子47(#a、#b)からなる2つの閉
ループを電気的に並列化した構成に変形しても同様の作
用効果を得ることができ、更に保護装置40(#a、#
b)の省スペース化を図ることができる。
【0075】(第7の実施の形態)図8は第7の実施の
形態に係る電力変換装置の構成例を示す回路図である。
【0076】すなわち、本実施の形態は、第4の実施の
形態の変形例であり、図8に示すように、自己消弧型素
子47を省略し、通常時にインピーダンス45からダイ
オード41に至る接続を、直流短絡時にインピーダンス
45から直流電源46の負側に切替可能なバイパススイ
ッチ50を備えている。
【0077】以上のような構成によれば、通常時には、
直流電源46の正側供給ラインp1にインピーダンス4
5が接続され、更にこのインピーダンス45がダイオー
ド41のアノード側に接続され、このダイオード41の
カソード側に直流電源46の負側供給ラインn1が接続
されている。
【0078】また、直流短絡の検出時には、バイパスス
イッチ50により、インピーダンス45とダイオード4
1との間が切断されるとともに、インピーダンス45と
負側供給ラインn1とが直接接続され、直流電源46か
ら出力される電流をダイオード41に供給せずに直流電
源46の負側にバイパスさせる。
【0079】このように、直流短絡が発生した場合、ダ
イオード41に流れていた電流をバイパスさせるので、
直流コンデンサ12から流出する放電電流を抑制するこ
とができ、第1の実施の形態と同様の作用効果を得るこ
とができる。
【0080】以上、本発明の好適な実施の形態につい
て、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかか
る構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技
術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更
例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及
び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと
了解される。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
直流短絡時において直流コンデンサの放電を抑制でき、
インバータの破壊を防止できる電力変換装置を提供でき
る。
【0082】また、直流短絡からの復旧の際に、保護用
の回路部品の交換を不要とし、迅速に運転を再開できる
電力変換装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る電力変換装置の構成例
を示す回路図。
【図2】第1の実施の形態に係る電力変換装置の直流短
絡発生時における主回路内電流の時間変化を示すタイミ
ングチャート。
【図3】第2の実施の形態に係る電力変換装置の構成例
を示す回路図。
【図4】第3の実施の形態に係る電力変換装置の構成例
を示す回路図。
【図5】第4の実施の形態に係る電力変換装置の構成例
を示す回路図。
【図6】第5の実施の形態に係る電力変換装置の構成例
を示す回路図。
【図7】第6の実施の形態に係る電力変換装置の構成例
を示す回路図。
【図8】第7の実施の形態に係る電力変換装置の構成例
を示す回路図。
【図9】従来の保護手法を用いた電力変換装置の構成例
を示す回路図。
【符号の説明】
10…主回路部、 11…コンバータ部、 12…直流コンデンサ、 13…インバータ部、 16…中性子点クランプ型インバータ部、 21、22…アームヒューズ、 23、24…直流リアクトル、 32…交流電源、 33…負荷、 40…保護装置、 41…ダイオード、 42…変流器、 43…半導体スイッチ、 44…整流回路、 45…インピーダンス、 46…直流電源、 47…自己消弧型素子、 50…バイパススイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H006 AA05 BB05 CA03 CA07 CC08 DC02 FA02 5H007 AA06 BB06 CA03 CC01 CC09 DC02 FA03 FA06 FA12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源に対して、直流コンデンサと、
    前記直流電源から供給される直流電圧を交流電圧に変換
    するインバータとをそれぞれ並列に接続してなる電力変
    換装置において、 前記直流コンデンサの負側端子にアノードが接続され、
    前記直流電源の負側供給ラインにカソードが接続された
    ダイオードと、 前記インバータの出力電流を検出し、この検出結果に応
    じて2次電流を出力する変流器と、 前記ダイオードに並列に接続され、前記変流器により出
    力された2次電流を整流し、得られた直流電流をインピ
    ーダンスを介して前記ダイオードに順方向に供給する整
    流回路と、 前記変流器と前記整流回路との間に接続され、オン状態
    の制御入力を受けたとき、前記変流器により出力された
    2次電流を短絡させるスイッチ回路と、 直流短絡を検出したとき、前記オン状態の制御入力を前
    記スイッチ回路に与える短絡時制御手段とを備えたこと
    を特徴とする電力変換装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電力変換装置におい
    て、 前記直流電源は、交流電源から供給される交流電圧を変
    換し、得られた直流電圧を前記直流コンデンサに供給す
    るコンバータであり、 前記変流器は、前記インバータの出力電流に代えて、前
    記交流電源から前記コンバータに供給される入力電流を
    検出することを特徴とする電力変換装置。
  3. 【請求項3】 直流電源に対して、直流コンデンサと、
    前記直流電源から供給される直流電圧を交流電圧に変換
    するインバータとをそれぞれ並列に接続してなる電力変
    換装置において、 前記直流コンデンサの負側端子にアノードが接続され、
    前記直流電源の負側供給ラインにカソードが接続された
    ダイオードと、 前記ダイオードに並列に接続され、前記直流電源から供
    給される直流電流を検出し、この検出結果に応じて2次
    電流を、インピーダンスを介して前記ダイオードの順方
    向に出力する変流器と、 前記変流器と前記ダイオードとの間に接続され、オン状
    態の制御入力を受けたとき、前記変流器により出力され
    た2次電流を短絡させるスイッチ回路と、 直流短絡を検出したとき、前記オン状態の制御入力を前
    記スイッチ回路に与える短絡時制御手段とを備えたこと
    を特徴とする電力変換装置。
  4. 【請求項4】 直流電源に対して、直流コンデンサと、
    前記直流電源から供給される直流電圧を交流電圧に変換
    するインバータとをそれぞれ並列に接続してなる電力変
    換装置において、 前記直流コンデンサの負側端子にアノードが接続され、
    前記直流電源の負側供給ラインにカソードが接続された
    ダイオードと、 前記ダイオードに並列に接続され、直流電圧をインピー
    ダンスを介して前記ダイオードに順方向に供給する電源
    回路と、 前記ダイオードと前記電源回路との間に接続され、オフ
    状態の制御入力を受けたとき、前記電源回路による直流
    電圧の供給を遮断する遮断回路とを備え、 直流短絡を検出したとき、前記オフ状態の制御入力を前
    記遮断回路に与える短絡時制御手段とを備えたことを特
    徴とする電力変換装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の電力変換装置におい
    て、 前記遮断回路に代えて、前記電源回路と前記ダイオード
    との間に接続され、前記オフ状態の制御入力を受けたと
    き、前記電源回路から供給される直流電流を前記ダイオ
    ードに供給せずに前記電源回路の負側にバイパスさせる
    バイパス手段を備え、 前記短絡時制御手段は、直流短絡を検出したとき、前記
    オフ状態の制御入力を前記バイパス手段に与えることを
    特徴とする電力変換装置。
  6. 【請求項6】 直流電圧を供給する直流電源と、 前記直流電源の正側供給ラインに接続され、前記直流電
    源から供給される正側の直流電圧を平滑化する第1の直
    流コンデンサと、 前記直流電源の負側供給ラインに接続され、前記直流電
    源から供給される負側の直流電圧を平滑化する第2の直
    流コンデンサと、 前記第1および第2の直流コンデンサの直流回路に並列
    に接続され、前記直流電源から供給される正側および負
    側の直流電圧を交流電圧に変換する接地された中性点ク
    ランプ型インバータと、 前記第1の直流コンデンサの負側端子にアノードが接続
    され、カソードが接地された第1のダイオードと、 前記直流電源の正側供給ラインに接続され、前記正側供
    給ラインを流れる電流を検出し、この検出結果に応じて
    2次電流を出力する第1の変流器と、 前記第1のダイオードに並列に接続され、前記第1の変
    流器から出力された2次電流を整流し、得られた直流電
    流を第1のインピーダンスを介して前記第1のダイオー
    ドに順方向に供給する第1の整流回路と、 前記第1の変流器と前記第1の整流回路との間に接続さ
    れ、オン状態の制御入力を受けたとき、前記第1の変流
    器により出力された2次電流を短絡させる第1のスイッ
    チ回路と、 前記第2の直流コンデンサの正側端子にカノードが接続
    され、アノードが接地された第2のダイオードと、 前記直流電源の負側供給ラインに接続され、前記負側供
    給ラインを流れる電流を検出し、この検出結果に応じて
    2次電流を出力する第2の変流器と、 前記第2のダイオードに並列に接続され、前記第2の変
    流器から出力された2次電流を整流し、得られた直流電
    流を第2のインピーダンスを介して前記第2のダイオー
    ドに順方向に供給する第2の整流回路と、 前記第2の変流器と前記第2の整流回路との間に接続さ
    れ、オン状態の制御入力を受けたとき、前記第2の変流
    器により出力された2次電流を短絡させる第2のスイッ
    チ回路と、 直流短絡を検出したとき、前記オン状態の制御入力を前
    記第1および第2のスイッチ回路のうち少なくとも一方
    に与える短絡時制御手段とを備えたことを特徴とする電
    力変換装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の電力変換装置におい
    て、 前記第1ならびに第2の変流器、前記第1ならびに第2
    の整流回路、および前記第1ならびに第2のスイッチ回
    路に代えて、 前記第1のダイオードに並列に接続され、直流電圧を前
    記第1のインピーダンスを介して前記第1のダイオード
    に順方向に供給する第1の電源回路と、 前記第1のダイオードと前記第1の電源回路との間に接
    続され、オフ状態の制御入力を受けたとき、前記第1の
    電源回路による直流電圧の供給を遮断する第1の遮断回
    路と、 前記第2のダイオードに並列に接続され、直流電圧を前
    記第2のインピーダンスを介して前記第2のダイオード
    に順方向に供給する第2の電源回路と、 前記第2のダイオードと前記第2の電源回路との間に接
    続され、オフ状態の制御入力を受けたとき、前記第2の
    電源回路による直流電圧の供給を遮断する第2の遮断回
    路とを備え、 前記短絡時制御手段は、直流短絡を検出したとき、前記
    オン状態の制御入力に代えて、前記オフ状態の制御入力
    を前記第1および第2の遮断回路のうち少なくとも一方
    に与えたことを特徴とする電力変換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5563579A (en) * 1978-11-04 1980-05-13 Fanuc Ltd Protective device for electric motor driving inverter circuit
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