JP2001134956A - 光学的記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランド・グルーブ記録方式を用いた場合に、
再生時に安定したフルジャンプ動作を行う。 【解決手段】 ハーフトラックジャンプ回路は、ハーフ
ジャンプ動作時のジャンプ期間が、フルジャンプ動作時
のキックパルス時間（＝Ｔｋ）と等しくなるように、ブ
レーキパルス時間を設定する。フルジャンプ動作時のキ
ックパルス時間終了時、すなわちキックパルスとブレー
キパルスとの切替タイミングは、トラッキングエラー信
号のゼロクロスタイミングで決まるので、ゼロクロスタ
イミングでは、レーザビームはほぼランドの中央に位置
している。ジャンプ動作開始からゼロクロスタイミング
までの期間と同じ期間でハーフジャンプ動作を終了させ
るように設定すれば、ハーフジャンプ動作時のレーザビ
ームの移動軌跡は、フルジャンプ動作時のレーザビーム
の移動軌跡と一致する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク等の光
学的記録媒体に情報を記録するとともに記録された情報
を再生する光学的記録再生装置に関し、特に、ランドと
グルーブの双方に情報を記録するとともに情報が記録さ
れた光学的記録媒体から情報を再生する光学的記録再生
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】光ディスク上に形成されたランド（凸
部）またはグルーブ（凹部）のみに情報が記録されてい
る場合、情報再生を行うときには、記録マークが形成さ
れているトラックに光ビームを追従させていればよい。
そして、再生動作をせずに同一トラックを追従させる場
合（ポーズ状態）にのみトラックジャンプ動作を行う必
要がある。

【０００３】しかし、螺旋状に案内溝を形成した光ディ
スクに対してランドとグルーブの双方に情報が記録され
るランド・グルーブ記録方式を用いた場合には、通常の
再生動作中でも、光ビームをランドに追従させた後に隣
接したグルーブにジャンプさせ、グルーブに追従させた
後に隣接したランドにジャンプさせる必要がある。すな
わち、毎トラックごとにトラックジャンプを行う必要が
ある。

【０００４】図４は、光ビームとしてのレーザビームを
あるグルーブから隣接するランドにジャンプさせる制御
を説明するための説明図である。以下、あるグルーブか
ら隣接するランドへのジャンプ動作、およびあるランド
から隣接するグルーブへのジャンプ動作をハーフジャン
プ動作という。また、ランドからランドへの、またはグ
ルーブからグルーブへのジャンプ動作をフルジャンプ動
作という。ハーフジャンプ動作を行うときには、トラッ
キングサーボ回路においてまずサーボループが切り離さ
れ、トラックジャンプパルスとしてキックパルスが光ヘ
ッド駆動回路に出力される。

【０００５】図４に示す例では、光ヘッド駆動回路は、
キックパルスに応じてレーザビームを隣接するランドに
移動させる。そして、例えばトラッキングエラー信号の
レベルがピーク点に達するとブレーキパルスが光ヘッド
駆動回路に出力される。光ヘッド駆動回路は、ブレーキ
パルスに応じてレーザビームの移動速度を減速させる。

【０００６】記録時には、ランドからグルーブへ、また
はグルーブからランドへのジャンプ期間においても、レ
ーザ等の光源を記録に必要な高出力で発光させている。
従って、ジャンプ動作中でも、記録マークがトラックを
横切って形成される。トラックを横切って記録されるマ
ークすなわちデータ列は不要なダミーデータであるか
ら、データ再生性能に対して特に支障をきたすことはな
い。しかし、そのような記録マークが形成されることに
よって記録膜の反射率が変化する。

【０００７】上記のように記録が行われた光ディスクか
ら情報を再生する場合、トラックジャンプ時にも、記録
時のレーザビームの軌跡と同じように追従する。しか
し、再生動作をせずに同一トラックを追従させる場合に
は、記録時のレーザビームの軌跡からずれてフルジャン
プ動作が行われることになる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】従来の場合には、フル
ジャンプ動作時のキックパルス幅およびブレーキパルス
幅は、ハーフジャンプ動作時のキックパルス幅およびブ
レーキパルス幅との関係を考慮せずに設定されていた。
図５は、例えば、フルジャンプ動作に要する時間とハー
フジャンプ動作に要する時間とを同じに設定した場合の
制御を説明するための説明図である。

【０００９】ハーフジャンプ動作時にはレーザビームの
軌跡は記録マークが形成された経路をたどるのである
が、同一位置からフルジャンプする動作する場合には、
レーザビームの軌跡は記録マークが形成された経路から
ずれて移動する。上述したように、トラックを横切って
形成されている記録マークの形成によって光ディスクの
記録膜の反射率が変化しているので、フルジャンプ動作
時のトラッキングエラー信号には、反射率変化の影響に
よるレベル変動が生ずる。例えば、図５に示すように、
グルーブからランドに移ったあたりで大きな影響が現れ
る。

【００１０】すなわち、フルジャンプ動作時のキックパ
ルス幅およびブレーキパルス幅とハーフジャンプ動作時
のキックパルス幅およびブレーキパルス幅との関係に考
慮を払わずにフルジャンプ動作制御を行うと、トラッキ
ングエラー信号が外乱を受けることがある。その結果、
ブレークパルスの出力タイミングがずれる等の弊害が生
じ、トラックジャンプ動作が不安定になることがあると
いう問題がある。

【００１１】そこで、本発明は、ランド・グルーブ記録
方式を用いた場合に、再生時に安定したフルジャンプ動
作を行うことができる光学的記録再生装置を提供するこ
とを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明による光学的記録
再生装置は、光ビームをランドからランドまたはグルー
ブからグルーブにジャンプさせるフルジャンプ時のビー
ム軌跡と、ランドからグルーブまたはグルーブからラン
ドにジャンプさせるハーフジャンプ時のビーム軌跡とが
同じになるように制御するジャンプ制御手段を備えたこ
とを特徴とする。

【００１３】ジャンプ制御手段は、ハーフジャンプ時の
ジャンプに要するジャンプ時間が、フルジャンプ時のジ
ャンプ時間におけるキックパルス出力時間とが同じにな
るような制御を行う。このような制御によって、フルジ
ャンプ時のビーム軌跡と、ハーフジャンプ時のビーム軌
跡とを同じにするための制御が実現される。

【００１４】ジャンプ制御手段は、例えば、フルジャン
プ時のキックパルスおよびブレーキパルスを出力するフ
ルトラックジャンプ回路と、ハーフジャンプ時のキック
パルスおよびブレーキパルスを出力するハーフトラック
ジャンプ回路と、フルジャンプ時およびハーフジャンプ
時にサーボ制御を切り離してフルトラックジャンプ回路
またはハーフトラックジャンプ回路からの信号を光ヘッ
ド駆動側に出力する切替回路とを含む構成である。この
ような構成によれば、所望の軌跡を実現するためのキッ
クパルスおよびブレーキパルスを容易に生成することが
できる。

【００１５】フルトラックジャンプ回路は、トラッキン
グエラー信号のゼロクロスタイミングをキックパルスと
ブレークパルスの切替タイミングとする構成である。フ
ルジャンプ時のビーム軌跡はハーフジャンプ時のビーム
軌跡と同じになっているので、フルジャンプ時のトラッ
キングエラー信号は正確に発生し、ゼロクロスタイミン
グにもとづくフルジャンプ動作を行っても安定したジャ
ンプ動作が実現される。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図１は、本発明による光学的記録
再生装置のトラッキングサーボ回路の一構成例を示すブ
ロック図である。図１に示す構成において、サーボ制御
回路１１は、フルトラックジャンプ回路１３およびハー
フトラックジャンプ回路１４にフルジャンプ起動信号お
よびハーフジャンプ起動信号を与えるとともに、切替回
路１５の信号入力先を切り替える。

【００１７】サーボ回路１２は、光ディスク３０にレー
ザビームを照射する光ヘッド２０からのトラッキングエ
ラー信号にもとづいてレーザビームをトラックに追従さ
せるための制御信号を生成する。ジャンプ動作を行わな
い場合には、サーボ回路１２からの制御信号は、切替回
路１５を介して電流ドライバ１６に供給される。電流ド
ライバ１６は、制御信号に応じて光ヘッド２０における
レンズアクチュエータの位置を調整する。

【００１８】ジャンプ動作が行われるときには、切替回
路１５は、サーボ制御部１１の指示に応じて、フルトラ
ックジャンプ回路１３からのフルジャンプパルスまたは
ハーフトラックジャンプ回路１４からのハーフジャンプ
パルスを電流ドライバ１６に供給する。

【００１９】次に、動作について説明する。図２は、レ
ーザビームをあるグルーブから他のグルーブにジャンプ
させるフルジャンプ制御を説明するための説明図であ
る。あるトラックを連続して走査したい場合、すなわ
ち、再生動作をせずに同一トラックを追従させる場合に
は、サーボ制御回路１１は、フルトラックジャンプ回路
１３に対してフルジャンプ起動信号を与える。また、切
替回路１５を、サーボループを切り離して、フルトラッ
クジャンプ回路１３からの信号を電流ドライバ１６に出
力するように切り替える。

【００２０】フルトラックジャンプ回路１３は、フルジ
ャンプ起動信号が入力されると、キックパルスを発生す
る。キックパルスは、切替回路１５を介して電流ドライ
バ１６に与えられる。電流ドライバ１６は、キックパル
スに応じてレーザビームが他のグルーブに向かうように
（図２に示す例の場合）、光ヘッド２０におけるレンズ
アクチュエータを位置調整する。そして、フルトラック
ジャンプ回路１３は、トラッキングエラー信号を監視
し、ゼロクロスタイミングを検出すると、キックパルス
を停止してブレーキパルスを発生する。

【００２１】電流ドライバ１６は、ブレーキパルスに応
じてレンズアクチュエータの移動を減速させる。フルト
ラックジャンプ回路１３は、キックパルスとブレーキパ
ルスの切替タイミングから一定時間（＝Ｔｂ）が経過す
るとブレーキパルスを停止する。なお、キックパルスと
ブレーキパルスの切替タイミングはトラッキングエラー
信号のゼロクロスタイミングで決まるが、フルジャンプ
起動開始からそのタイミングまでの時間はほぼ一定であ
る。

【００２２】フルジャンプ時間（Ｔｋ＋Ｔｂ）は、レン
ズアクチュエータの応答特性に依存するが、この実施の
形態では、約３２０μ秒であるとする。サーボ制御回路
１１は、ブレーキパルスの停止に応じて、サーボ回路１
２の出力を電流ドライバ１６に接続するように切替回路
１５を切り替える。

【００２３】ランド・グルーブ記録方式での記録時およ
び再生時には、毎トラックの情報再生が終わる度に、ラ
ンドから隣接するグルーブに、または、グルーブから隣
接するランドにレーザビームをハーフジャンプさせる。
ハーフジャンプ動作させる場合には、サーボ制御回路１
１は、ハーフトラックジャンプ回路１４に対してハーフ
ジャンプ起動信号を与える。また、切替回路１５を、サ
ーボループを切り離して、ハーフトラックジャンプ回路
１４からの信号を電流ドライバ１６に出力するように切
り替える。

【００２４】ハーフトラックジャンプ回路１４は、ハー
フジャンプ起動信号が入力されると、キックパルスを発
生する。キックパルスは、切替回路１５を介して電流ド
ライバ１６に与えられる。図３は、ハーフジャンプ制御
を説明するための説明図である。図３には、フルジャン
プ時の様子も示されている。

【００２５】電流ドライバ１６は、ハーフトラックジャ
ンプ回路１４からのキックパルスに応じてレーザビーム
が隣接するランドに向かうように（図２に示す例の場
合）、光ヘッド２０におけるレンズアクチュエータを位
置調整する。そして、ハーフトラックジャンプ回路１４
は、トラッキングエラー信号を監視し、ピークタイミン
グを検出すると、キックパルスを停止してブレーキパル
スを発生する。ピークタイミングは、レーザビームがグ
ルーブとランドとの境界に位置したときに発生するの
で、レーザビームがハーフジャンプ動作時の全移動のほ
ぼ半分移動したときに発生する。

【００２６】ハーフトラックジャンプ回路１４は、キッ
クパルスとブレーキパルスの切替タイミングから一定時
間が経過するとブレーキパルスを停止する。なお、キッ
クパルスとブレーキパルスの切替タイミングはトラッキ
ングエラー信号のピークタイミングで決まるが、ハーフ
ジャンプ起動開始からそのタイミングまでの時間はほぼ
一定である。サーボ制御回路１１は、ハーフトラックジ
ャンプ回路１４からのブレーキパルスの出力停止に応じ
て、サーボ回路１２の出力を電流ドライバ１６に接続す
るように切替回路１５を切り替える。

【００２７】この実施の形態で特徴的なことは、ハーフ
トラックジャンプ回路１４は、ハーフジャンプ動作時の
ジャンプ期間が、フルジャンプ動作時のキックパルス時
間（＝Ｔｋ）と等しくなるように、ブレーキパルス時間
を設定することである。

【００２８】フルジャンプ動作時のキックパルス時間終
了時、すなわちキックパルスとブレーキパルスとの切替
タイミングは、トラッキングエラー信号のゼロクロスタ
イミングで決まるので、ゼロクロスタイミングでは、レ
ーザビームはほぼランドの中央に位置している（図３に
示す例の場合）。この実施の形態のように、ジャンプ動
作開始からゼロクロスタイミングまでの期間と同じ期間
でハーフジャンプ動作を終了させるように設定すれば、
ハーフジャンプ動作時のレーザビームの移動軌跡は、フ
ルジャンプ動作時のレーザビームの移動軌跡と一致す
る。

【００２９】すると、記録時にハーフジャンプ動作が行
われダミーデータ記録が行われた場合に、再生時に、ハ
ーフジャンプ動作するときにもフルジャンプ動作すると
きにも、記録時のレーザビームの軌跡と同一に軌跡でレ
ーザビームが移動していくことになる。

【００３０】フルジャンプ動作時にはキックパルスとブ
レーキパルスの切替タイミングがトラッキングエラー信
号のゼロクロスタイミングで決定されるが、記録時のレ
ーザビームの軌跡と異なる軌跡でフルジャンプが行われ
ると、図５に例示したように、トラッキングエラー信号
にレベル変動が現れる。そして、レベル変動に起因して
ジャンプ動作が不安定になる。しかし、この実施の形態
では、記録時のレーザビームの軌跡と同じ軌跡でフルジ
ャンプが行われるので、フルジャンプ動作時のトラッキ
ングエラー信号は、光ディスク３０の記録膜の反射率変
化の影響を受けにくくなる。その結果、安定したフルジ
ャンプ動作が実現される。

【００３１】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、光学的
記録再生装置を、フルジャンプ時のビーム軌跡とハーフ
ジャンプ時のビーム軌跡とが同じになるように制御する
ジャンプ制御手段を備えた構成としたので、ランド・グ
ルーブ記録方式を用いた場合に、再生時に安定したフル
ジャンプ動作を行うことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による光学的記録再生装置のトラッキ
ングサーボ回路の一構成例を示すブロック図である。

【図２】 フルジャンプ制御を説明するための説明図で
ある。

【図３】 本発明によるハーフジャンプ制御を説明する
ための説明図である。

【図４】 ハーフジャンプ制御を説明するための説明図
である。

【図５】 従来のハーフジャンプ制御を説明するための
説明図である。

【符号の説明】

１ トラッキングサーボ回路 １１ サーボ制御回路 １２ サーボ回路 １３ フルトラックジャンプ回路 １４ ハーフトラックジャンプ回路 １５ 切替回路 １６ 電流ドライバ ２０ 光ヘッド ３０ 光ディスク

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光学的記録媒体に情報を記録するととも
   に記録された情報を再生する光学的記録再生装置におい
   て、 光ビームをランドからランドまたはグルーブからグルー
   ブにジャンプさせるフルジャンプ時のビーム軌跡と、ラ
   ンドからグルーブまたはグルーブからランドにジャンプ
   させるハーフジャンプ時のビーム軌跡とが同じになるよ
   うに制御するジャンプ制御手段を備えたことを特徴とす
   る光学的記録再生装置。
2. 【請求項２】 ジャンプ制御手段は、ハーフジャンプ時
   のジャンプに要するジャンプ時間が、フルジャンプ時の
   ジャンプ時間におけるキックパルス出力時間とが同じに
   なるように制御する請求項１記載の光学的記録再生装
   置。
3. 【請求項３】 光学的記録再生装置は、トラッキングエ
   ラー信号にもとづくサーボ制御を行うものであって、 ジャンプ制御手段は、フルジャンプ時のキックパルスお
   よびブレーキパルスを出力するフルトラックジャンプ回
   路と、ハーフジャンプ時のキックパルスおよびブレーキ
   パルスを出力するハーフトラックジャンプ回路と、フル
   ジャンプ時およびハーフジャンプ時にサーボ制御を切り
   離して前記フルトラックジャンプ回路またはハーフトラ
   ックジャンプ回路からの信号を光ヘッド駆動側に出力す
   る切替回路とを含む請求項１または請求項２記載の光学
   的記録再生装置。
4. 【請求項４】 フルトラックジャンプ回路は、トラッキ
   ングエラー信号のゼロクロスタイミングをキックパルス
   とブレークパルスの切替タイミングとする請求項３記載
   の光学的記録再生装置。